JP6620939B2 - 切削用工具 - Google Patents

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Description

本発明は、ワークを切削加工する際に用いられる切削用工具に関する。
従来、ワークの切削加工用の切削用工具として所謂バイトが用いられる。このバイトは、相対回転する外部ワークに対して、所定方向に相対送りさせながら切削加工を行う。また、バイトは、切削用チップとチップホルダが別体で、切削用チップを交換可能な所謂スローアウェイバイトや、ホルダとチップが一体となる完成バイトや付け刃バイト等が存在する。
特にNC旋盤による大量生産用の場合は、チップを交換可能なスローアウェイバイトが使用されている(特許文献1参照)。
図29(A)にスローアウェイバイトの例を示す。このスローアウェイバイトは、スローアウェイチップ130とホルダ120から構成される。スローアウェイチップ130は、チップホルダ120にねじ留めされ、刃先が摩耗したり欠損したりした場合には、再研削せず使い捨てにする。専用のホルダ120に固定する場合には、心高を改めて調整する必要が無いため、特にNC旋盤等で大量生産をするときに交換が容易であり、効率的である。
図29(B)は、スローアウェイチップ130単体の斜視図である。チップの厚みBは通常1cm以下であり、チップホルダ120の外周から刃先を突出して取り付けられる。
特開平8−257837号公報
従来のバイトは、チップ130のすくい面130Hに溝等を形成して、切削によって生じた切りくずを双方向に屈曲させて、切りくずを細かく分断するようにしている。この溝を所謂チップブレーカと称するが、このチップブレーカで細かく分断された切りくずが、様々な方向に飛散したり、内径加工や雌ねじ加工の場合は、加工孔の内部に細かい切りくずが詰まったりするという問題があった。
また、より高精度に切削加工するためには、従来よりも更にびびり等が少ない切削用チップおよびチップホルダ(バイトホルダ)等が必要である。
本発明は、斯かる実情に鑑み、切削時の切りくずを滑らかに排出可能な切削用工具を提供することを目的とする。また、関連する目的として、刃先の位置決め精度が高く、切削抵抗が高い場合にもびびりが発生しにくい切削用チップおよびチップホルダを提供しようとするものである。
上記課題を解決する本発明は、軸支されて相対回転する外部ワークに対して、所定方向に相対送りさせながら切削加工を行う切削用工具であって、刃先を備える刃部と、前記刃部に対して一体又は別体に設けられ、該刃部を保持する基部と、前記外部ワークと前記刃先の相対送り方向に関して前記刃先と略同位置を含み、かつ、前記刃先のすくい面に対して立設される刃先側立設面を有し、前記刃先の近傍から始まり、該刃先から離れる方向に延びるように前記基部の外周面に形成され、前記外部ワークの切りくずと干渉して該切りくずを前記刃先から離れる方向に案内する切りくず案内壁と、を備え、前記刃先側立設面は、凹状の湾曲面を成し、刃先に向くように傾斜面として、刃先から生じる切りくずを屈曲させないように滑らかに湾曲させて、切りくず案内壁に沿って排出することを特徴とする切削用工具である。
上記切削用工具に関連して、前記切りくず案内壁は、前記基部の外周に対して螺旋状に形成されることを特徴とする。
上記切削用工具に関連して、前記切りくず案内壁は、前記刃先から離れる方向に沿って該刃先のすくい方向と反対方向に旋回することを特徴とする。
上記切削用工具に関連して、前記切りくず案内壁は、前記刃先のすくい面に対向することを特徴とする。
上記切削用工具に関連して、前記基部は棒状のシャンク部であり、前記刃先は、前記シャンク部の半径方向に突出するように配設されることを特徴とする。
上記切削用工具に関連して、前記切りくず案内壁は、該刃先から離れる方向に延びる途中において、第一案内壁片と第二案内壁片に分岐することを特徴とする。
上記切削用工具に関連して、更に、前記刃先の近傍に形成され、前記外部ワークと前記刃先の相対送り方向に面する排出方向規制面を有することを特徴とする。
上記切削用工具に関連して、前記排出方向規制面は、前記刃先を基準として、前記相対送り方向における前記刃先の前進側に配設され、かつ、前記相対送り方向における前記刃先の後退側に面することを特徴とする。
上記切削用工具に関連して、前記刃先の近傍に形成され、前記外部ワークと前記刃先の相対送り方向に面する排出方向規制面を備え、前記排出方向規制面と前記切りくず案内壁が連続することを特徴とする。
上記切削用工具に関連して、内径加工又は雌ねじ加工用であることを特徴とする。
また、上記切削用工具が、切削用チップとチップホルダによって構成される際は、それぞれ、以下の特徴を有することが好ましい。
即ち、上記発明に関連して用いられ、相対移動する外部ワークに切削加工を行う切削用チップであって、柱状の本体と、上記本体の端部に位置され、刃先を備える刃部と、を有し、前記本体における、前記刃先のすくい方向の両外側の少なくとも一方に位置する周面には、前記本体長手方向に延びる一対の傾斜面が形成される、ことを特徴とする切削用チップである。
上記切削用チップに関連して、前記本体における、前記刃先のすくい面の幅方向の両外側に位置する周面には、それぞれ、前記本体長手方向に平行となる仮想中心軸を有する部分円筒領域が形成されることを特徴とする。
上記切削用チップに関連して、前記一対の傾斜面が、前記部分円筒領域の前記本体長手方向に直行する断面となる部分円弧の延長線上の円弧軌跡よりも半径方向内側に形成されていることを特徴とする。
上記切削用チップに関連して、前記一対の傾斜面が、前記本体長手方向から見た場合に前記刃先の先端からすくい方向に延びる基準線に対して対称に形成されることを特徴とする。
上記切削用チップに関連して、少なくとも一対の前記部分円筒領域の曲率中心が互いに一致することを特徴とする。
上記切削用チップに関連して、前記刃部が、前記本体長手方向の一方の端部に形成されており、前記本体には、外部部材と上記本体長手方向の一方に係合可能な位置決め面を有することを特徴とする。
上記切削用チップに関連して、前記刃部が、前記本体長手方向の両端にそれぞれ形成されており、前記本体には、外部部材と上記本体長手方向の一方に係合可能な第一位置決め面、及び、外部部材と上記本体長手方向の他方に係合可能な第二位置決め面と、を有することを特徴とする。
上記切削用チップに関連して、前記刃部における前記刃先の先端が、前記すくい方向から視た場合に、前記本体長手方向に延びる基準線に対して対称形状となることを特徴とする。
上記切削用チップに関連して、前記刃先の前逃げ角が、10°以上であることを特徴とする。
上記発明に関連して用いられ、相対移動する外部ワークに切削加工を行う切削用チップであって、ホルダとなる外部部材に対して、刃先のすくい方向に当接し得るすくい側当接面と、ホルダとなる外部部材に対して、上記すくい方向と反対側に当接し得る反すくい側当接面と、を有することを特徴とする切削用チップである。
上記切削用チップに関連して、前記外部部材に対して、刃先の突出方向に当接する位置決め面を有する。
上記切削用チップに関連して、前記すくい側当接面と前記反すくい側当接面のそれぞれは、前記本体長手方向に平行となる仮想中心軸を有する部分円筒領域を含むことを特徴とする。
上記切削用チップに関連して、単一の前記部分円筒領域により、前記すくい側当接面と前記反すくい側当接面の双方が提供されることを特徴とする。
上記切削用チップに関連して、円柱素材から加工されることによって得られることを特徴とする。
上記発明に関連して用いられ、切削用チップをホルダ本体の先端部に保持可能なチップホルダであって、上記ホルダ本体の先端部に、刃先を露出させた状態で切削用チップを収容する収容孔を有することを特徴とするチップホルダである。
上記チップホルダに関連して、前記収容孔が、仮想すくい面の幅方向の両側の少なくとも一方に位置する内周面に、収容孔の軸方向に平行な方向に伸びる一対の傾斜面が形成されることを特徴とする。
上記チップホルダに関連して、仮想すくい面の幅方向の両側に位置する内周面に、前記収容孔の軸方向に平行となる仮想中心軸を有する部分円筒領域が形成されることを特徴とする。
上記チップホルダに関連して、前記一対の傾斜面が、前記収容孔の内周に形成された前記円筒領域の仮想中心軸に直交する断面となる部分円弧軌跡よりも半径方向内側に形成されていることを特徴とする。
上記チップホルダに関連して、前記一対の傾斜面が、軸方向から視た場合に前記収容孔の仮想中心軸に対して対称に形成されることを特徴とする。
上記チップホルダに関連して、少なくとも一対の前記部分円筒領域の曲率中心が互いに一致することを特徴とする。
上記チップホルダに関連して、前記傾斜面に対向する前記ホルダ本体の外周面に、前記収容孔へ貫通するボルト穴を有し、ボルトによって切削用チップを締め付け固定することを特徴とする。
上記チップホルダに関連して、前記ホルダ本体には、前記収容孔の軸と平行方向で切削用チップの刃先向きに切削用チップを押し出すための孔を備えることを特徴とする。
上記チップホルダに関連して、前記収容孔が、すくい方向に対向する受け面を有することを特徴とする。
上記チップホルダに関連して、前記ホルダ本体が、切削用チップと前記ホルダ本体長手方向の一方に係合可能な位置決め面を有することを特徴とする。
上記チップホルダに関連して、前記チップの刃部を受け止める下あご部が、前記収容孔の下面に連続して、かつ、上記ホルダ本体の先端部からチップの長手方向に突出して形成されていることを特徴とする。
上記チップホルダに関連して、ホルダ本体長手方向に対して、前記収容孔の軸方向が直角であることを特徴とする。
上記チップホルダに関連して、ホルダ本体長手方向に対して、前記収容孔の軸方向が平行であることを特徴とする。
本発明によれば、切削時の切りくずを、極めて滑らかに外部に排出することができるという優れた効果を奏し得る。
(A)〜(C)は本発明の実施形態に係る切削用工具の斜視図である。 同切削用工具の(A)左側面図、(B)右側面図、(C)下面図、(D)上面図である。 同切削用工具の(A)正面図、(B)背面図である。 (A)は図2(A)のA−A矢視断面図であり、(B)はチップを省略した状態の同A−A矢視断面図であり、(C)はチップ収容孔を拡大して示す断面図である。 同切削用工具の分解斜視図である。 (A)は、切りくずをコイル状に湾曲させる状態を示す図であり、(B)はコイル状の切りくずを排出する状態を示す図であり、(C)は切りくずの巻方向と旋回方向を示す図である。 (A)は同切削用工具で用いられる切削用チップの斜視図であり、(B)は同切削用チップとチップホルダを組み合わせた状態の断面図である。 (A)は同切削用チップの上面図であり、(B)は同切削用チップの底面図であり、(C)は同切削用チップの側面図である。 (A)〜(C)は、同切削用工具において、切削用チップをチップホルダから押し出して取り出すときの一連の流れを説明する説明図である。 (A)〜(C)は本実施形態の変形例に係る切削用工具の斜視図である。 同切削用工具の(A)左側面図、(B)右側面図、(C)上面図である。 同切削用工具の(A)斜視図、(B)チップ近傍を拡大した上面図である。 本実施形態の変形例に係る切削用工具の(A)上面図、(B)正面図、(C)底面図である。 本実施形態の変形例に係る切削用工具の(A)上面図、(B)正面図、(C)底面図である。 本実施形態の変形例に係る切削用工具のチップの刃先近傍を拡大して示す概念図である。 (A)両ねじ体の雄ねじ部の側面図であり、(B)雄ねじ体をねじの中心軸垂直方向に見たときのねじ山の説明図である。 本実施形態の切削工具で切削される雄ねじ体及び雌ねじ体の締結構造の(A)正面図であり、(B)平面図である。 同締結構造の(A)正面断面図であり、(B)側面断面図である。 (A)は同雌ねじ体の正面断面図であり、(B)は同雌ねじ体と螺旋方向が逆となる雌ねじ体の正面断面図である。 同雄ねじ体の(A)正面図、(B)ねじ山のみの断面図、(C)平面図である。 同雄ねじ体の(A)側面図、(B)ねじ山のみの断面図、(C)平面図である。 (A)は同雄ねじ体のねじ山の断面形状を拡大して示す断面図であり、(B)は同雌ねじ体のねじ山の断面形状を拡大して示す断面図である。 (A)は本発明の実施形態に係るねじ設計方法で用いられる検証用雄ねじ体群を示すマトリックスであり、(B)は本発明の実施形態に係るねじ設計方法で用いられる検証用雌ねじ体群を示すマトリックスである。 同検証用雄ねじ体と同検証用雌ねじ体の締結強度試験の態様を示す図である。 呼び径N16の同検証用雄ねじ体と同検証用雌ねじ体の締結強度試験の結果を示すグラフである。 呼び径N24の同検証用雄ねじ体と同検証用雌ねじ体の締結強度試験の結果を示すグラフである。 呼び径N30の同検証用雄ねじ体と同検証用雌ねじ体の締結強度試験の結果を示すグラフである。 他の例に係る雄ねじ体及び雌ねじ体の締結構造の正面図断面図である。 (A)従来のねじ切り用スローアウェイバイトの概念図であり、(B)従来のねじ切り用スローアウェイチップの斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1に、本発明の実施形態に係る切削用工具Kを示す。切削用工具Kは、相対回転する外部ワークに対して、所定方向(相対回転方向の軸方向)に相対送りさせながら切削加工を行う切削用工具であり、所謂切削バイトとなる。
なお、本実施形態の切削工具Kは、内径加工、特に内径側の雌ねじを加工する際に適したものであるが、本発明はこれに限定されない。またここでは、切削用チップとチップホルダが別体で、切削用チップを交換可能な所謂スローアウェイバイトを例示するが、本発明はこれに限定されず、ホルダとチップが一体となる完成バイトや付け刃バイトであっても良い。
本切削工具Kは、切削用チップ1と、この切削用チップ1を保持するチップホルダ25を有する。
まず、図7及び図8を参照して切削用チップ(以下、チップという)1を説明する。チップ1は図7(A)に示すように、柱状の本体である本体部3と、上記本体の端部に位置され刃先を備える刃部2L1、2L2で構成される。チップ1の材質としては、硬さと粘りのバランスに優れる超硬合金が好ましい。その他の材質としては高速度鋼やサーメット、セラミックス系などが考えられ、刃部は、例えば、ダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、DIA、DG、TiC、TiN、TiCN、TiAlN、CrN、SiC等の各種のコーティング処理を施しても良い。この他、窒化処理を施す等の母材の硬化を図る処理を施しても良い。
本体部3における刃先2Bのすくい面2Aの幅方向Xの両外側に位置する周面には、それぞれ、チップ本体長手方向Yに平行となる仮想中心軸を有する部分円筒領域3Aが形成される(図7(B)参照)。チップ本体における、上記刃先2Bの相対すくい方向Z(外部ワークとの相対移動方向)の両外側の少なくとも一方に位置する周面には、チップ本体長手方向Yに延びる一対の傾斜面4が形成される。上記一対の部分円筒領域3Aの曲率中心Cが互いに一致する。
更に、すくい面2Aは、相対すくい方向Hに立設される段部15L1、15L2を有する。この段部15L1、15L2は、刃先2B側に面しており、刃先2Bによって削られたワークの切りくずと干渉して、切りくずを螺旋状にカールさせる役割を担う(図6(A)参照)。なお、詳細は後述するが、この段部15L1、15L2は、ホルダに固定する際の位置決め面としても機能する。
図7(B)に示すように、本体部3には、相対すくい方向Zと反対方向に上記一対の傾斜面4が形成されている。一対の傾斜面4は、上記の部分円筒領域3Aのチップ本体長手方向Yに直行する断面となる部分円弧の延長線上の円弧軌跡3Bよりも半径方向内側に形成されている。結果、いわゆる市販の完成バイトの丸バイトを研削することで容易に本実施形態にかかるチップ1を作成できる。なお、便宜上、チップ1の外側に、チップホルダのチップ収容孔を示しているが、チップ収容孔の内周とチップ1の外周は略同一の形状であり、後述のようにチップ収容孔が有するチップホルダの傾斜面(図示省略)とチップ1の有する傾斜面4が当接することで、チップ1の刃先2Bの位置がチップホルダに対して精度良く定まる。
図8に示すように、チップ1には、チップ本体長手方向Yの両端にそれぞれ刃部2L1、2L2が形成されている。刃部2L1,2L2の刃先2Bの先端形状は、相対すくい方向Zから視た場合に、チップ本体長手方向Yに延びる基準線に対して対称なV字形状である。すなわち刃先2Bは二つの主切り刃2D1,2D2を対称に備える。
またすくい面2Aには、立設される段部15L1、15L2を除き特に構造を設けていない(平坦となっている)。このようにすることで、切りくずを、段部15L1、15L2に直接当接させて、滑らかに湾曲させることができる。なお、本体部3の上面にも何ら構造を設けていない。一方、本体部3の上面に、チップ本体長手方向Yに延びる水平面を形成し、チップ1上部からの締め付け固定時に、鉛直下向きの力が伝達されやすいようにして、さらにびびり等の原因を排除しても良い。
図8(B)に示すように、一対の傾斜面4の間には、底部6が設けられる。底部6の断面は上記部分円弧の延長線上の円弧軌跡3B(図7(B)参照)として形成される。従って、チップ1は、底部6によって本体長手方向Lに案内されながら、チップホルダのチップ収容孔に差し込まれ、一対の傾斜面4とチップホルダの傾斜面により、切削加工装置の回転主軸に対して直交する方向(ここではすくい面2Aの幅方向X及び相対すくい方向Z)に刃部2L1、2L2が精度良く位置決めされる。なお底面6については、チップ本体長手方向Yに延びる平面を形成してもよい。
図8(C)に示すように、刃先2Bと本体部3の間には、段部15L1、15L2を兼ねるようにして、第一及び第二位置決め面15L1、15L2が形成される。第一位置決め面15L1は、外部部材(具体的にはチップホルダ)と、チップ本体長手方向Yの一方に係合可能となり、第二位置決め面15L2は、外部部材と本体長手方向Yの他方に係合可能となる。後述するチップホルダ25のチップ収容孔35内に設けられたホルダ側位置決め面60と、位置決め面15L1、15L2が当接することにより、切削抵抗の背分力によるチップ1のチップ本体長手方向Yにおけるワークと逆向きへのずれを防ぐことができる。
また刃先2Bの前逃げ角Aは、内径加工や雌ねじ穴加工時においてワークとの干渉を防ぐために、10°以上に設定される。なお、位置決め面15L1、15L2の高さ(ここでの高さは、相対すくい方向Zに沿っているが、位置決め面15L1、15L2が形成される位置によってその高さ方向は適宜異なる)は、本体部3の同高さ方向の最大外寸の40%以下に設定されることが好ましく、より望ましくは25%以下に設定される。同様に、位置決め面15L1、15L2の高さは、刃部2L1、2L2の同方向高さの最大外寸の50%以下に設定されることが好ましく、より望ましくは30%以下に設定される。いずれにしろ、位置決め面15L1、15L2の高さを小さく設定することで、刃部2L1、2L2の同方向高さを大きく確保することが可能となり、刃部2L1、2L2の剛性を大幅に高めることができる。
次に図1(A)〜(C)に戻って、チップホルダ25の構造について説明する。チップホルダ25は、主に柱状のシャンク部27と、シャンク部27の端部に形成されるチップ収容孔35と、チップ収容孔35の下部に備えられた下あご部40と、締め付けボルトのボルト孔30(図5参照)等から構成される。チップ収容孔35は、チップホルダ25の端部近傍において、チップホルダ25の本体長手方向Lと直交する方向Wに貫通するように設けられる。このチップ収容孔35の内部に、チップ1を差し込み固定することで切削用工具Kが構成される。
図4(A)に示すように、下あご部40は、チップ収容孔35の下面から、その穴の軸方向に連続して、かつ、シャンク部27から更に幅方向Wに突出するようにして形成される。結果、下あご部40の支持面40Aは、チップ収容孔35の下部に連続するようにして、かつ、チップホルダ25の側壁から幅方向Wの外側に突出する。結果、チップ収容孔35から突出する刃先2Bの下部2Cを、下あご部40の突端40Bが支持する。この支持構造により、切削抵抗の鉛直下向き分力である主分力によるチップ1のぶれを抑えることができる。
図4(C)に示すように、チップ収容孔35には、チップ1が挿入された場合を仮定した際に、当該チップ1の仮想すくい面の幅方向X(これはの本体長手方向Lと一致する)の両側に位置する内周面に、部分円筒領域42Aが形成される。この部分円筒領域42Aの曲率中心は、このチップ収容孔35の仮想中心軸Cと一致する。チップ収容孔35において、相対すくい方向Hの両側の少なくとも一方に位置する内周面には、チップ収容孔35の仮想中心軸Cと平行に延びる一対の傾斜面45が形成される。この一対の傾斜面45は、チップ収容孔35の内周に形成された部分円筒領域42Aの仮想中心軸Cに直交する断面において、部分円筒領域42Aの延長線上となる部分円弧軌跡42Bよりも半径方向内側に形成される。傾斜面45は、チップ収容孔35の仮想中心軸Cに対して対称に形成され、また一対の部分円筒領域42Aの曲率中心は、共に仮想中心軸Cと一致する。また本チップホルダ25は、チップ収容孔35の傾斜面45に対向する場所において、シャンク部27の外周面からチップ収容孔35へ貫通するボルト孔30を有している。このボルト孔30に対して、外部から、締め付けねじ70を螺合させてチップ収容孔35内に突出させることによってチップ1を締め付け固定する(図4(A)参照)。
図4(A)に示すように、チップホルダ25のシャンク部27の軸直角方向断面の外周輪郭はほぼ円形ではあるが、この外周面に対して、下あご部90が半径方向外側に突出する。この下あご部40は、同じく外周面から突出するチップ1の刃先2Bの下部2Cを、ワークに対する刃先2Bの進行方向に向かって支持する。チップ1は、チップ収容孔35に収容され、チップ1の位置決め面15L1は、チップ収容孔35内の位置決め面60に当接されることで、チップ1の長手方向Yの位置決めが精度良く行われる。また、シャンク部27の軸方向の端部近傍には、ボルト孔30が備えられている。図4(A)のC−C'断面図を図4(C)に示す。チップ収容孔35の内部にはホルダ側位置決め面60が設けられる。このホルダ側位置決め面60が、チップ収容孔35に差し込まれたチップ1の位置決め面15L1または15L2と当接することで、チップ1の刃先2Bが、チップ1の長手方向Yに位置決めされる。
図1に戻って、チップホルダ25のシャンク部27の外周面には、切りくず案内壁52が形成される。この切りくず案内壁52は、チップ収容孔35(又は、チップ1の刃先2B)の近傍から始まり、刃先2Bから離れる方向(本実施形態では、シャンク部27の基端方向、即ち、シャンク部27の長手方向L)に延びるように形成される。従って、切りくず案内壁52の長手方向は、刃先2Bの突出方向Wに対して、略直角方向(シャンク部25の長手方向L)となる。切りくず案内壁52は、刃先2Bの切削加工によって生じる切りくずと干渉して、その切りくずを、刃先2Bから離れる方向(本実施形態では、シャンク部27の基端方向)に向かって案内する。
更に切りくず案内壁52は、外部ワークと刃先2Bの相対送り方向(ここでは、シャンク部27の長手方向L)に関して刃先2Bと略同位置を含み、かつ、刃先2Bのすくい面2Aに対して立設される刃先側立設面52Aを有する。従って、刃先2Bから生じる切りくずは、直ぐに、刃先側立設面52Aと干渉して湾曲される。なお、すくい面2Aに対する刃先側立設面52Aの立設角度β(図4(A)参照)は、少なくとも120°以下が好ましく、より望ましくは100°以下、更に望ましくは90°以下とする。また。すくい面2Aを基準とした刃先側立設面52Aの高さγは、2mm以上、好ましくは4mm以上に設定し、切りくずを素早く滑らかに湾曲させることができる構造が好ましい。
図4(A)及び(B)に示すように、切りくず案内壁52は、断面視すると凹状の湾曲面となることで、相対すくい方向Hにおける刃先2Bのすくい方向(図の上方向)に対して対向しており、かつ、刃先2B側(つまり幅方向Wにおける外部ワーク側)に向くような傾斜面となる。結果、図6(A)に示すように、切りくず案内壁52は、刃先2Bから生じる切りくずと接触することで、刃先2B側(ワーク側)に切りくずを押し戻すようにしつつ、更に、すくい方向(図の上方向)と反対側(すくい面2A側)に切りくずを折り返すように湾曲させることで、切りくずを積極的にカールさせる。結果、切りくずがコイル状態(つるまき状態)となり、途中で分断されにくくなるように成っている。
なお、図4(B)に示すように、切りくず案内壁52は、シャンク部25の外周面に凹状に形成される溝部54の一方の側壁によって構成されていることから、この溝部54の他方の側壁にも、補助案内壁53が形成される。この補助案内壁53は、切りくず案内壁52によってコイル状態となった切りくずを、更に、コイルの巻回数が進展する方向に案内する。このように、コイル状の切りくずを、巻方向と反対方向に屈曲させないようにして、切りくずの破断を抑制する。
更に、図2(B)及び(C)に示すように、この切りくず案内壁52は、シャンク部27の外周の周方向に沿って螺旋状に延びている。ただし、切りくず案内壁52は、必ずしもシャンク部27の外周の周方向に沿って螺旋条に延びていなければならないというものではなく、刃先2Bが配設された切削工具Kの先端側からシャンク部27側である基端側に向かって延在し、刃先2Bによって外部ワークから切り出された切りくずが、切りくず案内壁52に沿って先端側から基端側に向かって案内されるように構成されていればよい。具体的に切りくず案内壁52は、特に限定されるものではないが、刃先2Bから離れる方向(シャンク部27の長手方向L)であって、かつ、刃先2Bの相対すくい方向Hにおける、ワークに対する刃先2Bの進行方向(図2(B)における上方、これを「すくい方向」と定義する。矢印H2参照)と反対方向に旋回している。従って、図6(B)及び(C)に示すように、コイル状の切りくずは、コイル状態になる際の自転方向(巻方向)Jと、切りくず案内壁52によって周方向に旋回される方向Tが一致するので、切りくずが排出途中で分断され難くなり、案内壁52に沿って滑らかに排出される。
図4(C)及び(D)に示すように、チップホルダ25のシャンク部25の外周面には、排出方向規制面56が形成される。この排出方向規制面56は、刃先2Bの近傍に形成され、外部ワークと刃先2Bの相対送り方向(ここでは、シャンク部27の長手方向L)に面する。具体的に本実施形態の排出方向規制面56は、刃先2Bを基準として、相対送り方向における刃先2Bの前進側(矢印L1参照)に配設され、かつ、相対送り方向における刃先の後退方向(矢印L2側)に面する。
この排出方向規制面56は、既に述べた溝部54の長手方向の端面によって構成されていることから、切りくず案内壁52(刃先側立設面52A)の端部と連続する。結果、刃先2Bの近傍における切りくず回収空間が、相対送り方向に向かって袋小路状態になるので、図6(B)に示すように、刃先2Bから生じる切りくずが、シャンク部27の先端側(矢印L1参照)に進もうとしても、この排出方向規制面56と干渉して進むことができず、この排出方向規制面56によって、切りくずの排出方向が一方向(矢印L2方向)に限定されて、切りくず案内壁52に沿って基端側に排出されることになる。
なお、図4(A)に示すように、チップ1の刃先2Bの前逃げ角Aに対して、チップホルダ25先端部の下あご部40の稜線40Cの逃げ角が大きくなるように設定されるが、等しくても良い。下あご部40の逃げ角は、外部ワークと干渉しない程度に設定されることが好ましく、特に内径加工時には干渉しやすいので、逃げ角を大きくする。
また、本実施形態では、図4(A)に示すように、チップ1の位置決め面15L1が、チップ収容孔35内のホルダ側位置決め面60に当接することで、チップ1の刃先の突出方向の位置が精度良く定まる。すなわち、ホルダ側位置決め面60は、切削抵抗の背分力によるチップ1の収容孔軸方向Sにおけるワークと逆向きへのずれを防ぐことができる。また、締め付けねじ70により、チップホルダ25の傾斜面45とチップ1の傾斜面4が当接するので、刃先2Bの幅方向Xの位置決め精度を向上させることができる。
なお、図9(A)に示すように、チップ1がチップホルダ25のチップ収容孔35に収容されている状態において、締め付けねじ70の締め付けを緩めた上で、切削していない側(下あご部04と反対側)の刃部2L1、2L2の下の逃げ面を、下あご部40側に押す。結果、図9(B)の矢印方向にチップ1が押し出されて行き、図9(C)のように、チップ1がチップ収容孔35から取り出される。なお本実施形態では、チップホルダ25にチップ1の専用押し出し孔を設けていないが、チップ収容孔85を貫通させず、専用押し出し穴を設けて、押し出し棒80を使用してチップ1を押し出せるようにしても良い。このようにすると、チップ収容孔35の貫通孔の切削側でない開口部から切屑が入り込む不具合が解消される。
次に本実施形態に係る切削工具Kの変形例を図10乃至図12等を参照して説明する。なお、同一又は類似する部分・部材については、第一実施形態の同一符号を付することで重複説明を回避し、異なる点を中心に説明する。
図10に示すように、切削工具Kは、三角形の各頂点に刃先を有する内径雌ねじ加工用の切削用チップ1と、チップホルダ25を有する。
チップホルダ25のシャンク部27の外周面には、切りくず案内壁52が形成される。この切りくず案内壁52は、チップ1の刃先2Bの近傍から始まり、刃先2Bから離れる方向(本実施形態では、シャンク部27の基端方向、即ち、シャンク部27の長手方向L)に延びるように形成される。切りくず案内壁52は、外部ワークと刃先2Bの相対送り方向(ここでは、シャンク部27の長手方向L)に関して刃先2Bと略同位置を含み、かつ、刃先2Bのすくい面2Aに対して立設される刃先側立設面52Aを有する。
図11(C)に示すように、この刃先側立設面52Aは、すくい面2Aに対して略直角となっている。更に、図11(B)に示すように、切りくず案内壁52は、刃先2Bから離れる方向に延びる途中において、第一案内壁片52Dと第二案内壁片52Eに分岐している。具体的に第二案内壁片52Eは、刃先側立接面52Aと壁長手方向に連続しつつ、分岐位置において、壁が逃げる方向(退避する方向、図11(B)における上方)に屈曲するように形成される。一方、第一案内壁片52Dは、この分岐位置に形成される部分的に壁が無くなる開口部52Kを介在した状態で、刃先2Bから離れる場所に形成される。
結果、図11(C)に示すように、排出方向規制面56及び刃先側立接面52Aによって、刃先2Bから離れる方向に案内される切りくずの一部は、開口部52Kから第二案内壁片52Eを経由して排出され(矢印E参照)、残部は、開口部52Kに進入せずに、第一案内壁片52Dを経由して排出される(矢印D参照)。結果、大量の切りくずを効果的に排出することが可能となる。第一案内壁52Dからは、コイル状態の切りくずが排出され、一方、途中で分断される細かい切りくず片は、開口部52Kに進入して第二案内壁片52Eを経由して排出される。結果として、細かい切りくず片が、切りくず案内壁52の途中で滞留しないので、常に安定した切削を実現できる。
なお、図10乃至図12で示した上記切削工具Kでは、刃先側立設面52Aと、開口部52Kを介した第二案内壁片52Eが、延在方向(螺旋方向)に沿って略連続する場合を示したが、本発明はこれに限定されない。
例えば図13に示す切削工具Kのように、刃先側立設面52Aと、開口部52Kを介した第二案内壁片52Eとが、位置ズレして設けられるようにしても良い。具体的には、刃先側立設面52Aと比較して第二案内壁片52Eが、各面が向いている方向に対して退避側に位置するようにする。換言すると、切りくず案内壁52の螺旋方向(矢印D参照)を基準として、刃先側立設面52Aよりも第一案内壁片52Dが、反螺旋方向側(矢印Q参照)にオフセットしている。このようにすると、刃先側立設面52Aによって案内されるコイル状態の切りくずの突端が、分岐の根本部分52Fに衝突して第一案内壁片52Dに案内される状況を抑制することができる。結果、第二案内壁片52E側は、主として細かい切りくずが排出され、長尺の切りくずは、第一案内壁52D側から円滑に排出できる。
また、図2等で示した上記切削工具Kでは、切りくず案内壁52が、刃先2Bの相対すくい方向Hにおける、ワークに対する刃先2Bの進行方向(図2(B)における上方)と反対方向に旋回する場合を例示したが、図14に示すように、ワークに対する刃先2Bの進行方向(図14における上方、矢印H1参照)に旋回するようにしても良い。このようにしても、切りくずを滑らかに排出することができる。
また特に図示しないが、排出方向規制面56と刃先側立設面52Aが連続する場合において、排出方向規制面56と刃先側立設面52Aの境界が明確である必要はない。例えば、図15に示すように、チップホルダ25の長手方向に対して傾斜する面が、チップ1の刃先近傍に形成され、この傾斜面が、排出方向規制面56と刃先側立設面52Aを兼ねるようにしても良い。
次に本実施形態の切削用工具によって加工される被加工物の事例として、ボルト等のいわゆる雄ねじ体と、ナット等のいわゆる雌ねじ体を用いるものを紹介しておく。
このねじ体による締結構造に関して、一つの雄ねじ体に対して、リード角及び/又はリード方向が相異なる二種類の螺旋溝(例えば右雄ねじ部と左雄ねじ部)を形成し、この二種類の螺旋溝に対して、ダブルナットのごとく、二種類の雌ねじ体(例えば右雌ねじ体と左雌ねじ体)を別々に螺合させるものがある。何らかの係合手段により、二種類の雌ねじ体の相対回転を抑止すれば、リード角及び/又はリード方向が相異なることによる軸方向干渉作用又は軸方向離反作用により、雄ねじとの間で機械的な緩み止め効果を提供できる。
図16(A)は、両ねじ体であり、一つの雄ねじ体に対して、リード方向が相異なる二種類の螺旋溝(右雄ねじ部と左雄ねじ部)を形成したものである。
雄ねじ体140は、基部側から軸端に向かって、雄ねじ螺旋構造が形成された雄ねじ部153が設けられる。この例では、この雄ねじ部153に、対応した右ねじとして成る雌ねじ状の螺旋条を螺合可能に構成される右ねじと成る第一雄ねじ螺旋構造154と、対応した左ねじとして成る雌ねじ状の螺旋条を螺合可能に構成される左ねじと成る第二雄ねじ螺旋構造155との二種類の雄ねじ螺旋構造が同一領域上に重複して形成される。雄ねじ部153には、図16(B)に示すように、軸心(ねじ軸)Cに垂直となる面方向において周方向に延びる略三日月状のねじ山153aが、雄ねじ部153の一方側(図の左側)及び他方側(図の右側)に交互に設けられる。ねじ山153aをこのように構成することで、右回りに旋回する螺旋構造及び左回りに旋回する螺旋構造の二種類の螺旋溝を、ねじ山53aの間に形成することが出来る。
このようにすることで、第一雄ねじ螺旋構造154及び第二雄ねじ螺旋構造155の二種類の雄ねじ螺旋構造を、雄ねじ体140に形成している。従って、雄ねじ体140は、右ねじ及び左ねじの何れの雌ねじ体とも螺合することが可能となる。
このような二重螺旋構造(両ねじ体)を用いて、緩みのない締結構造を実用的な強度で実現するためには、本願発明者の鋭意研究の成果である特許第4663813号公報等に記載された、軸に直行する断面が略楕円形であるような特殊なねじ山が効果的である(図16(B)参照)。
なお、上記実施形態では、チップ1とチップホルダ25が別体となり、チップ1の刃先部2L1,2L2近傍は、チップホルダ25の収容孔35の周囲部材によって保持される場合を例示している。従って、本発明における特許請求の範囲で表現される「刃部を保持する基部」は、本実施形態では、チップホルダ25の収容孔35の周囲部材を含み、シャンク部27に拡がる概念となるが、その基部の範囲は特に限定されるものではない。これは、チップ1とチップホルダ25が一体部材で構成される完成バイト等においても同様である。
本発明の実施形態に係る切削用チップ1の刃部2L1、2L2が、前述のように図8(A)における相対すくい方向Zから視た場合に、チップ本体長手方向Yに延びる基準線に対して対称、即ち刃先2Bから見て二つの主切り刃2D1、2D2を対称に備えることは、リード方向が異なる2つの螺旋条を形成するときに、送り方向のみ逆転させてねじの切削加工を行う際に好ましい。具体的には本形状により、ラジアルインフィードで仕上げることを可能にする。ただしインフィードの方法は、ラジアルインフィードに限られないので、二つの主切り刃の角度は、必ずしも同じでなくて良い。
以上、本発明に係る切削用工具の実施形態について説明したが、本発明は説明した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲において各種の変形を行うことが可能である。例えば、図1等において、チップホルダ25の本体に対して、チップ収容孔35は、チップホルダ25の幅方向Wに貫通するように設ける場合を例示したが、チップホルダ25の長手方向Lの端面に、同長手方向Lに沿って形成されていても良く、また傾斜していてもよい。
次に、ねじ体を切削する際に適用される上記切削用チップ1の刃先2Bの角度について説明する。なお、この刃先2Bの角度は、ねじ体のねじ山角によって決まることから、ここでは、ねじ体のねじ山角について説明する。
<雄ねじ体及び雌ねじ体>
図17及び図18に示すように、被加工物となる雄ねじ体1010及び雌ねじ体1100の締結構造1001は、雌ねじ体1100を雄ねじ体1010に螺合させることによって構成される。
図20及び図21に示すように、雄ねじ体1010は、軸部1012における基部側から軸端に向かって、雄ねじ螺旋溝が形成された雄ねじ部1013が設けられる。本実施形態では、この雄ねじ部1013に、対応した右ねじとして成る雌ねじ状の螺旋条を螺合可能に構成される右ねじと成る第一螺旋溝1014と、対応した左ねじとして成る雌ねじ状の螺旋条を螺合可能に構成される左ねじと成る第二螺旋溝1015との二種類の雄ねじ螺旋溝が、雄ねじ体1010の軸方向における同一領域上に重複して形成される。なお、当該重複部分以外に、一方の向きの螺旋溝が形成されて成る片螺旋溝領域を設けてもよい。
第一螺旋溝1014は、これに対応する雌ねじ体1100の右ねじとして成る雌ねじ状の螺旋条と螺合可能であり、第二螺旋溝1015は、これに対応する雌ねじ体1100(これは、上記右ねじを有する雌ねじ体と別体の場合を含む)の左ねじとして成る雌ねじ状の螺旋条と螺合可能となる。
雄ねじ部1013には、図20(C)及び図21(C)に示すように、軸心(ねじ軸)Cに垂直となる面方向において周方向に延びる略三日月状の条状を成すねじ山Gが、雄ねじ部1013の直径方向における一方側(図の左側)及び他方側(図の右側)に交互に設けられる。即ち、このねじ山Gは、その稜線が軸に対して垂直に延びており、ねじ山Gの高さは、周方向中央が高くなり、周方向両端が次第に低くなるように変化する。ねじ山Gをこのように構成することで、右回りに旋回する仮想的な螺旋溝構造(図20(A)の矢印1014参照)及び左回りに旋回する仮想的な螺旋溝構造(図20(A)の矢印15参照)の二種類の螺旋溝を、ねじ山Gの間に形成することが出来る。
本実施形態では、このようにすることで、第一螺旋溝1014及び第二螺旋溝1015の二種類の雄ねじ螺旋溝を、雄ねじ部1013に重畳形成している。従って、雄ねじ部1013は、右ねじ及び左ねじの何れの雌ねじ体とも螺合することが可能となる。なお、二種類の雄ねじ螺旋溝が形成された雄ねじ部1013の詳細については、本願の発明者に係る特許第4663813号公報を参照されたい。
図19(A)に示すように、雌ねじ体1100は、筒状部材1106で構成される。筒状部材1106は、所謂六角ナット状を成しており、中心に貫通孔部1106aを有する。勿論、雌ねじ体1100の概形は、六角ナット状に限らず、円筒状、周面にローレットを有する形状、四角形状、星型形状など任意に適宜設定可能である。貫通孔部1106aには、右ねじとしての第一雌ねじ螺旋条1114が形成される。即ち、筒状部材1106の第一雌ねじ螺旋条1114は、雄ねじ体1010の雄ねじ部1013における第一螺旋溝1014と螺合する。
なお、図19(B)に示すように、雌ねじ体1101として、貫通孔部1106aに左ねじとしての第二雌ねじ螺旋条1115が形成されるようにしても良い。この場合は、第二雌ねじ螺旋条1115は、雄ねじ体1010の雄ねじ部13における第二螺旋溝1015と螺合する。
次に、図22(A)を参照して、雄ねじ体1010における雄ねじ部1013に形成されるねじ山Gの軸方向に沿う断面を軸直交方向視する際の形状について説明する。
また、図22(B)に示す、雌ねじ体1100の第一雌ねじ螺旋条1114及び/又は雌ねじ体1101の第二雌ねじ螺旋条1115のねじ山Pの形状は、雄ねじ体1010のねじ山Gの形状に基づいて相対設定されるものであることから、ここでの詳細な説明を省略する。
更にまた、本実施形態の雄ねじ体1010の呼び径については、頭文字にNを付けて呼ぶことにする。例えば、N16の雄ねじ体1010の場合は、ねじ山Gの頂点Gtにおける直径Fが16mmであることを意味し、N16の雌ねじ体1100の場合は、ねじ山の谷の径が16mmであることを意味する。
ねじ山Gの山角度T(山角度は、ねじ山Gの頂部から谷に向かって延在する一対の斜面の成す角度を意味する)は、61°以上且つ75°以下の範囲に設定され、より好ましくは63°以上且つ73°以下の範囲に設定され、更に好ましくは、67°以上且つ73°以下に設定され、より具体的には70°に設定される。また、ねじ山Gの谷径D(即ち、雄ねじ体1010の軸部1012においてねじ山Gを省略する場合の外径)は、N16の場合は13.5mm以上且つ14.3mm以下に設定されることが好ましい。N16の場合の谷径Dは13.5mm以上且つ14.3mm以下に設定されることが好ましい。N24の場合の谷径Dは19.6mm以上且つ20.5mm以下に設定されることが好ましい。N30の場合の谷径Dは25.8mm以上且つ26.7mm以下に設定されることが好ましい。なお、ここで言う谷径とは従来のメートルねじでいうところの有効径ではなく、谷底部分の直径に相当する。
従って、図22(B)に示すように、雌ねじ体1100に関しても、ねじ山Pの山角度Qは、61°以上且つ75°以下の範囲に設定され、より好ましくは63°以上且つ73°以下の範囲に設定され、更に好ましくは、67°以上且つ73°以下に設定され、より具体的には70°に設定される。また、ねじ山Pの頂点Ptの山径Eは、N16の場合は13.5mm以上且つ14.3mm以下に設定されることが好ましい。N16の場合の山径Eは13.5mm以上且つ14.3mm以下に設定されることが好ましい。N24の場合の山径Eは19.6mm以上且つ20.5mm以下に設定されることが好ましい。N30の場合の山径Eは25.8mm以上且つ26.7mm以下に設定されることが好ましい。勿論、雌ねじの山径の設定は、雄ねじ体の谷径に比して、同等以上に設定する必要があることは言うまでもない。
<設計手法及び設計根拠>
次に、雄ねじ体10及び雌ねじ体100の設計手法及び設計根拠について以下に説明する。なお、ここでは呼び径N16の雄ねじ体10を設計する際の事例を紹介する。
<雄ねじ体10及び雌ねじ体100のシリーズの準備>
先ず、呼び径N16と成る雄ねじ体10に関して、図23(A)に示すように、相異なる複数の谷径D1,D2,・・・,Dnと、相異なる複数の山角度T1,T2,・・・,Tnから構成されるマトリクス条件の一部又は全部を埋めるように、複数の検証用雄ねじ体10(Tn,Dn)を準備する。
また、この複数の検証用雄ねじ体1010(Tn,Dn)のそれぞれに対応させて、それと螺合可能な検証用雌ねじ体1100を同じ数だけ準備する。即ち、図23(B)に示すように、相異なる複数の山径E1,E2,・・・,Enと、互いの相複数の山角度Q1,Q2,・・・,Qnから構成されるマトリクス条件の全部又は一部を埋めるように、複数の検証用雌ねじ体1100(Qn,En)を準備する。具体的には、検証用雌ねじ体1100(Qn,En)の山径Enは、検証用雄ねじ体1010(Tn,Dn)の谷径Dnに略一致し、山角度Qnは、検証用雄ねじ体1010(Tn,Dn)の山角度Tnと略一致する。結果、図23(A)と図23(B)のマトリクス上の同じ位置に存在する検証用雄ねじ体1010(Tn,Dn)と、検証用雌ねじ体1100(Qn,En)が対となる検証用セットが多数用意される。
なお、検証用雌ねじ体1100(Qn,En)の軸方向長さW(これを、軸方向かかり長Wとも呼ぶ。図17参照。)は、呼び径N16における締結強度試験では、全ての試験体に共通して呼び径N16に対する素材固有の所定の比率γ(0<γ<1)としている。即ち、N16の本事例の場合、検証用雌ねじ体100(Qn,En)の軸方向長さWは、16mm×γに設定される。勿論、Wの値は、材料固有値である所定比率のγを呼び径毎にそれぞれ乗じて算出される。
この軸方向かかり長Wは、図24に示すように、概ね、雄ねじ体1010の軸部1012の軸直角断面1012Aが耐え得る引張強度Hと、軸方向かかり長Wにおける、雄ねじ体1010のねじ山Gの基底面GL(図22(A)参照)から構成される周面Jのせん断強度Sが近似し易い値を選定している。引張強度Hは、谷径Dnにおける断面積に係数a1を乗算した値となり、H=π×Dn×a1で表現できる。せん断強度Sは、谷径Dnにおける軸方向かかり長W相当の円筒面積に係数a2を乗算した値となり、S=π×Dn×W×a2で表現できる。
係数a1やa2は、母材の材料等によってそれぞれ異なるが、本発明者の検討によれば、本実施形態では母材にS45CやSCM435等のような汎用の鋼材を選定し、Wを上述の通り設定すると、引張強度Hとせん断強度Sがかなり近い値となることが分かっている。この結果、検証用雌ねじ体1100(Qn,En)と検証用雄ねじ体1010(Tn,Dn)の締結強度は、山角Tや谷径Dが変化することから、実際には、せん断強度S側が微妙に大きくなったり、引張強度H側が微妙に大きくなったりする。どちらが優位になるかは、締結強度試験によって検証すれば良く、せん断強度S優位状態と引張強度H優位状態の境界を、実験によって見出すことが可能となる。
なお、ここでは説明の便宜上、図23に示すマトリクスを利用して、谷径Dや山角度T等を変量させる場合を例示したが、実際には、マトリクスの全ての場所を埋めるように検証用雄ねじ体1010(Tn,Dn)と検証用雌ねじ体1100(Qn,En)を用意する必要はなく、また、マトリクス化する必要もない。後述するように、谷径Dと山角Tがある程度の範囲で変動する検証用雄ねじ体と検証用雌ねじ体の組み合わせで、最適値を抽出できる態様であれば良い。
<境界谷径抽出工程>
次に、対となる検証用雄ねじ体1010(Tn,Dn)と、検証用雌ねじ体1100(Qn,En)(以下、検証用ボルトナットセットという)をそれぞれ螺合させて締結強度試験を行う。ここでの締結強度試験は、図24に示すように、検証用雄ねじ体1010(Tn,Dn)と検証用雌ねじ体1100(Qn,En)を、軸方向に離れる方向(矢印A参照)に相対移動させて、締結状態(螺合状態)を強制的に解除させる引張試験を意味するが、特にこれに限定されず、繰り返し雄ねじ体1100(Tn,Dn)と雌ねじ体1100(Qn,En)とを相対離反させる疲労試験の他、ねじ体のトルク・軸力・回転角を検証するための所謂ねじ締付試験等であってもよく、これらの試験結果と引張試験の結果との間に相関性があることが確認されている。全ての検証用ボルトナットセットについて締結強度試験を行い、その結果が、雄ねじ体1100の軸部1012で破断することで締結が解除される軸破断形態となるか、ねじ山Gが変形又は崩れることで締結が解除されるねじ山崩れ形態となるかを判定する。
この判定結果のグラフ例を図25に示す。本グラフでは、横軸を山角度Tn、縦軸を谷径Dnに設定し、軸破断形態となった検証用ボルトナットセットを○、ねじ山崩れ形態となった検証用ボルトナットセットを△で表示している。この結果から判るように、グラフ上は、ねじ山崩れ形態が生じる領域X(ねじ山崩れ領域X)と、軸破断形態が生じる領域Y(軸破断領域Y)に二分され、その境界線Kを明らかにすることができる。この境界線Kは、或る特定の山角度Tkに対応して軸破断形態を生じさせることが可能な最大谷径の値を境界谷径Dkと定義した場合、山角度Tkの変化と境界谷径Dkの変化の相関関係を意味することになる。
例えば、山角度Tを68°に設定し、軸部の谷径Dを14.1mm以上にする設計思想は、ねじ山崩れ領域Xに属するので、引張試験による締結解除時に軸破断形態は得られ難く、ねじ山崩れ形態が生じる可能性が高いことを意味し、それだけ軸部の強度が無駄になっている設計と考えることができる。一方、山角度Tを68°に設定し、軸部の谷径Dを13.6mmに設定する設計思想は、締結解除時に軸破断形態が得られ易いが、境界谷径Dkは約14.05mmとなることから、その範囲内であれば軸部の谷径Dをもっと大きく設定することができて引張強度を高めることができる点で、非効率な設計であることを意味する。
逆説すると、この境界線Kからは、境界谷径Dkの変化に対応して、その雄ねじ体を軸破断形態にさせることが可能な境界山角度Tkの許容範囲(これを境界山角度領域Tsと呼ぶ)を決定できることになる。
<軸破断優位ねじ山角選定工程>
境界谷径抽出工程が終了した後、境界線Kの中で、前記境界谷径Dkが最大値と成り得る山角度(以下、軸破断優位山角度Tp)を選定する。図25のグラフでは、境界線Kのピーク値から、軸破断優位山角度Tpは70.5°となる。この軸破断優位山角度Tpは、軸部を極力太くして引張強度を高めたとしても、締結解除に関しては軸破断形態に導き易い山角度、即ち、山G側の剪断強度Sが最も高く成り易い山角度、と説明できる。
<ねじ山角決定工程>
最後に、決定される軸破断優位山角度Tpと近似する山角度を、呼び径N16における実際の雄ねじ体1010及び/又は雌ねじ体1100に適用して設計を行う。例えば、実際の山角度Tを70°に設定すれば、谷径Dを大きく設定することが可能になる。具体的な谷径Dとしては、例えば14.25mm程度が好ましいことになる。
なお、図25では、呼び径N16の場合の設計手法について説明したが、本発明はこれに限定されず、他の呼び径であっても良い。例えば図26には呼び径N24の場合の検証結果のグラフを示し、図27には、呼び径N30の場合の検証結果のグラフを示す。これらのグラフに共通して言えることは、軸破断優位山角度Tpは61°以上且つ75°以下の範囲内であり、より好ましくは65°以上且つ73°以下の範囲内であり、概ね70°前後となる。つまり、本実施形態の構造を有する雄ねじ体1010の場合、ねじ山の山角度は、従来の常識である60°ではなく、それよりも大きな値が適しており、70°近傍が最適値であることが分かる。
なお、上記の雄ねじ体1010及び雌ねじ体1100では、第一螺旋溝1014及び雌ねじ螺旋条1114の対と、第二螺旋溝1015及び雌ねじ螺旋条1115の対とが、互いに逆ねじの関係(リード角が同じでリード方向が反対)となっている場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば図28に示すように、リード方向(L1、L2)が同じで、リード角が異なる第一螺旋溝1014及び雌ねじ螺旋条1114と、第二螺旋溝1015及び雌ねじ螺旋条1115を採用することもできる。この場合、第一螺旋溝1014に対して、更にリード角の異なる螺旋溝を重畳形成することにより、リードがL1(リード角α1)の第一螺旋溝1014及びリードがL2(リード角がα2)の第二螺旋溝1015が、ねじ方向を揃えて形成される。この場合は、第一螺旋溝1014の第一ねじ山G1と、第二螺旋溝1015の第二ねじ山G2は、共有されずに別々となることから、そのねじ山G1、G2の少なくとも一方に本発明を適用すれば良く、また、双方に適用しても良い。勿論、第一ねじ山G1の山角度と第二ねじ山G2の山角度は、互いに異なっても良い。
なお、上記実施形態では、二重らせん構造の雄ねじ体1010の場合を例示したが、本発明はこれに限定されず、一重らせん構造の雄ねじ体1010においても、上記設計手順を適用すれば、最適な山角度を理論的及び/又は実験的に明らかにすることが可能である。
以上の結果、上記チップ1の刃先2Bの角度Iや形状は、上記ねじ山を加工できるように設定すれば良く、例えばその角度Iは「ねじ山角度T」と略一致させるか、又は、それよりも小さく設定することが好ましい。チップ1が、刃先を母材に片あたりさせながら切削する場合は、その片側刃先の角度Jは、軸直角方向に対して上記角度Iの1/2に設定すれば良いことになる。
なお、上記ねじ体や山角度の特徴を説明すると以下の通りとなる。
(1)軸部と、上記軸部の周面に形成され、適宜のリード角及び/又はリード方向に設定される第一螺旋溝と、上記軸部の周面に形成され、上記リード角及び/又はリード方向に対して相異なるリード角及び/又はリード方向に設定される第二螺旋溝と、を備え、上記第一螺旋溝と上記第二螺旋溝とが、上記軸部の軸方向における同一領域上に重畳形成されることで条状に形成されるねじ山部を有し、上記ねじ山部は、上記軸方向に沿う断面を軸直交方向視する際において、該ねじ山の頂部から谷に向かって延在する一対の斜面の成す山角度が61°以上且つ75°以下に設定されることを特徴とする雄ねじ体である。
(2)前記雄ねじ体に関連して、前記山角度が73°以下に設定されることを特徴とする。
(3)前記雄ねじ体に関連して、前記山角度が65°以上に設定されることを特徴とする。
(4)前記雄ねじ体に関連して、前記山角度が、70°±3°の範囲に設定されることを特徴とする。
(5)雌ねじ部を有し、該雌ねじ部を構成する雌ねじ山部は、軸方向に沿う断面における軸直交方向視において、該雌ねじ部のねじ山の頂部から谷に向かって延在する一対の斜面の成す山角度が61°以上75°以下に設定されることを特徴とする雌ねじ体である。
(6)前記雌ねじ体に関連して、上記のいずれかに記載の雄ねじ体と螺合可能に構成されることを特徴とする。
(7)呼び径を一定として前記山角度及び谷径を相異ならせた複数の検証用雄ねじ体と、上記検証用雄ねじ体と螺合する複数の検証用雌ねじ体を用い、上記検証用雄ねじ体に上記検証用雌ねじ体を螺合させて軸方向に相対離反させる締結強度試験を行う場合において、上記検証用雄ねじ体が軸部で破断して締結状態が解除される軸破断形態、及び、上記検証用雄ねじ体のねじ山が変形若しくは剪断することによって締結状態が解除されるねじ山崩れ形態の双方の形態の破壊を生じさせることで、上記軸破断形態と上記ねじ山崩れ形態の境界近傍と成り得る上記谷径(以下、境界谷径と称す)について、前記山角変量に起因する変化度合いを抽出する境界谷径抽出工程と、上記境界谷径の変化度合いに基づいて、該境界谷径が最大値と成り得る特定の前記山角度(以下、軸破断優位山角度と称す)を選定する軸破断優位山角度選定工程と、上記軸破断優位山角度と近似する山角度を、前記呼び径における実際の前記雄ねじ体及び/又は前記雌ねじ体に適用する山角度決定工程と、を有することを特徴とするねじ体設計方法である。
(8)前記ねじ体設計方法に関連して、前記境界谷径抽出工程は、前記山角度及び前記呼び径が一定で、該谷径を相異ならせた複数の前記検証用雄ねじ体と、該検証用雄ねじ体と螺合する複数の前記検証用雌ねじ体を用い、前記検証用雄ねじ体に前記検証用雌ねじ体を螺合させて軸方向に相対離反させる締結強度試験を行う場合において、前記検証用雄ねじ体が軸部で破断して締結が解除される軸破断形態、及び、前記検証用雄ねじ体のねじ山が変形若しくは剪断することによって締結が解除されるねじ山崩れ形態の双方の形態の破壊を生じさせることで、前記軸破断形態と前記ねじ山崩れ形態の境界近傍と成り得る特定の前記谷径(以下、境界谷径と称す)を抽出する個別境界谷径抽出工程と、互いに異なる複数の前記山角度を選定し、各山角度に基づいて、前記個別境界谷径抽出工程を繰り返し行うことで、前記山角度変量に起因する前記境界谷径の変化度合いを抽出する工程と、を有することを特徴とする。
(9)上記ねじ体設計方法に基づいて設計されたものであることを特徴とする雄ねじ体である。
(10)上記ねじ体設計方法に基づいて設計されたものであることを特徴とする雌ねじ体である。
(11)雄ねじ体及び/又は雌ねじ体に適用されるねじ山構造であって、該ねじ山構造におけるねじ山の頂部から谷に向かって延在する一対の斜面の成す山角度が61°以上且つ75°以下に設定されることを特徴とするねじ山構造である。
1 チップ
2L1、2L2 刃部
3 本体部
4 傾斜面
25 チップホルダ
15L1,15L2 位置決め面
25 チップホルダ
27 シャンク部
30 ボルト孔
35 チップ収容孔
40 下あご部
45 傾斜面
60 ホルダ側位置決め面
70 締め付けねじ
120 チップホルダ
130 スローアウェイチップ
140 雄ねじ体

Claims (10)

  1. 軸支されて相対回転する外部ワークに対して、所定方向に相対送りさせながら切削加工を行う切削用工具であって、
    刃先を備える刃部と、
    前記刃部に対して一体又は別体に設けられ、該刃部を保持する基部と、
    前記外部ワークと前記刃先の相対送り方向に関して前記刃先と略同位置を含み、かつ、前記刃先のすくい面に対して立設される刃先側立設面を有し、前記刃先の近傍から始まり、該刃先から離れる方向に延びるように前記基部の外周面に形成され、前記外部ワークの切りくずと干渉して該切りくずを前記刃先から離れる方向に案内する切りくず案内壁と、を備え、
    前記刃先側立設面は、凹状の湾曲面を成し、刃先に向くように傾斜面として、刃先から生じる切りくずを屈曲させないように滑らかに湾曲させて、切りくず案内壁に沿って排出することを特徴とする切削用工具。
  2. 前記切りくず案内壁は、前記基部の外周に対して螺旋状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の切削用工具。
  3. 前記切りくず案内壁は、前記刃先から離れる方向に沿って該刃先のすくい方向と反対方向に旋回することを特徴とする、請求項2に記載の切削用工具。
  4. 前記切りくず案内壁は、前記刃先のすくい面に対向することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の切削用工具。
  5. 前記基部は棒状のシャンク部であり、
    前記刃先は、前記シャンク部の半径方向に突出するように配設されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の切削用工具。
  6. 前記切りくず案内壁は、該刃先から離れる方向に延びる途中において、第一案内壁片と第二案内壁片に分岐することを特徴とする、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の切削用工具。
  7. 更に、前記刃先の近傍に形成され、前記外部ワークと前記刃先の相対送り方向に面する排出方向規制面を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の切削用工具。
  8. 前記排出方向規制面は、前記刃先を基準として、前記相対送り方向における前記刃先の前進側に配設され、かつ、前記相対送り方向における前記刃先の後退側に面することを特徴とする請求項7に記載の切削用工具。
  9. 前記刃先の近傍に形成され、前記外部ワークと前記刃先の相対送り方向に面する排出方向規制面を備え、
    前記排出方向規制面と前記切りくず案内壁が連続することを特徴とする、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の切削用工具。
  10. 内径加工又は雌ねじ加工用であることを特徴とする請求項1から9の何れか一項に記載の切削用工具。
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