JP6618605B2 - 3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸又はその塩を含有する組成物 - Google Patents
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Description
即ち、本発明は以下の通りである。
前記溶液が、不純物として次亜塩素酸若しくはその塩によるジアセトンアルコールの酸化反応の副生成物及び/又は2,3−ジヒドロキシ−3−メチルブタン酸を含有し、
前記溶液における3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸及び不純物が、pH6.0以下の環境下に曝されたものであり、かつ
前記処理工程が、前記溶液に対して、下記(a)〜(d)の少なくとも1種の操作を行う工程であることを特徴とする、3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸又はその塩の製造方法。
(a)前記溶液に次亜塩素酸又はその塩を添加する。
(b)前記溶液を40〜200℃で30分以上保持する(但し、前記溶液は次亜塩素酸又はその塩を含有するものである。)。
(c)前記溶液にカルシウム塩を添加し、析出する2,3−ジヒドロキシ−3−メチルブタン酸カルシウムを3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸及び/又はその塩が溶解する液相と分離する。
(d)前記溶液に塩基を添加し、生成する2,3−ジヒドロキシ−3−メチルブタン酸の塩が溶解する液相と3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸及び/又はその塩が溶解する液相を分離する。
<4> 前記(a)の操作における次亜塩素酸又はその塩の添加量が、前記溶液の3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸の含有量に対して物質量換算で、0.0005〜10倍である、<1>〜<3>の何れかに記載の3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸又はその塩の製造方法。
<5> 前記(c)の操作におけるカルシウム塩の添加量が、前記溶液の2,3−ジヒドロキシ−3−メチルブタン酸の含有量に対して物質量換算で、0.1〜10倍である、<1>〜<4>の何れかに記載の3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸又はその塩の製造方法。
<6> 前記(d)の操作における塩基の添加量が、前記溶液の2,3−ジヒドロキシ−3−メチルブタン酸の含有量に対して物質量換算で、0.1〜10倍である、<1>〜<5>の何れかに記載の3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸又はその塩の製造方法。
<7> 前記処理工程を経て得られた溶液に水酸化カルシウムを添加し、析出する3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸カルシウムを液相と分離する分離工程をさらに含む、<1>〜<6>の何れかに記載の3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸又はその塩の製造方法。
本発明の一態様である3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸又はその塩の製造方法(以下、「本発明の製造方法」と略す場合がある。)は、「3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸及び不純物を含有する溶液を準備する準備工程(以下、「準備工程」と略す場合がある。)」、並びに「前記溶液の不純物を減少又は消失させる処理工程(以下、「処理工程」と略す場合がある。)」を含む方法である。そして、前記溶液が、不純物として次亜塩素酸若しくはその塩によるジアセトンアルコールの酸化反応の副生成物及び/又は2,3−ジヒドロキシ−3−メチルブタン酸を含有し、前記溶液における3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸及び不純物が、pH6.0以下の環境下に曝されたものであり、かつ処理工程が、前記溶液に対して、下記(a)〜(d)の少なくとも1種の操作を行う工程であることを特徴とする。
(a)前記溶液に次亜塩素酸又はその塩を添加する。
(b)前記溶液を40〜200℃で30分以上保持する(但し、前記溶液は次亜塩素酸又はその塩を含有するものである。)。
(c)前記溶液にカルシウム塩を添加し、析出する2,3−ジヒドロキシ−3−メチルブタン酸カルシウムを3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸及び/又はその塩が溶解する液相と分離する。
(d)前記溶液に塩基を添加し、生成する2,3−ジヒドロキシ−3−メチルブタン酸の塩が溶解する液相と3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸及び/又はその塩が溶解する液相を分離する。
本発明者らは、3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸及び不純物をpH6.0以下の環境下に曝した上で、(a)〜(d)の少なくとも1種の操作を行うことにより、純度の高い3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸又はその塩を効率良く製造することができることを見出したのである。
(a)の操作と(b)の操作は、特に「次亜塩素酸若しくはその塩によるジアセトンアルコールの酸化反応の副生成物」を減少又は消失させるための操作であり、「次亜塩素酸又はその塩」がpH6.0以下の環境下に曝されたこの副生成物を3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸や2,3−ジヒドロキシ−3−メチルブタン酸等に分解する役割を果たすものと考えられる。
一方、(c)の操作と(d)の操作は、特に「2,3−ジヒドロキシ−3−メチルブタン酸」を減少又は消失させるための操作であり、(c)の操作は、カルシウム塩の添加によって2,3−ジヒドロキシ−3−メチルブタン酸のカルシウム塩が優先的に析出するため、2,3−ジヒドロキシ−3−メチルブタン酸と3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸を容易に分離することが可能となる。
また、(d)の操作は、塩基の添加によって2,3−ジヒドロキシ−3−メチルブタン酸の塩が優先的に水溶性の液体に溶解するため、2,3−ジヒドロキシ−3−メチルブタン酸が溶解する水溶性の液相と3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸が溶解する液相を液液抽出により容易に分離することが可能となる。
本発明の製造方法は、比較的簡易的な方法によって純度の高い3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸又はその塩を効率良く製造することができ、工業的に非常に優れた方法であると言える。
以下、「準備工程」、「処理工程」等について詳細に説明する。
準備工程は、3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸(以下、「HMB」と略す場合がある。)及び不純物を含有する溶液(以下、「溶液」と略す場合がある。)を準備する工程であり、溶液が、不純物として次亜塩素酸若しくはその塩によるジアセトンアルコールの酸化反応の副生成物及び/又は2,3−ジヒドロキシ−3−メチルブタン酸(以下、「DHMB」と略す場合がある。)を含有するものであるが、「3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸及び不純物を含有する溶液」は、室温で液体として取り扱えるものであればよく、HMBは室温で液体であるため、無溶媒、例えばHMBに不純物が溶解した溶液であってもよいものとする。
また、「溶液における3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸及び不純物」は、pH6.0以下の環境下に曝されたものであるが、これはHMBと不純物が一度pH6.0以下に曝されればよく、pH6.0以下に曝されたHMBと不純物から溶液を調製する方法は特に限定されないものとする。例えばHMBと不純物が溶解した溶液自体をpH6.0以下にするほか、pH6.0以下にした溶液を濃縮したもの、pH6.0以下にした溶液からHMBと不純物を液液抽出した抽出液やその濃縮物であってもよい。
溶媒としては、水;エタノール、i−プロパノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール;ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン(THF)、1,2−ジオキサン等のエーテル系溶媒;酢酸エチル等のエステル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒;アセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられ、溶媒は2種類以上の混合溶媒であってもよい。この中でも、水、酢酸エチルが特に好ましい。
DHMB等を含有するHMBを合成する方法としては、ジアセトンアルコール(以下、「DAA」と略す場合がある。)と次亜塩素酸(HClO)又はその塩(MClO)を反応させてHMBを生成する方法(以下、「DAA酸化反応」と略す場合がある。)が挙げられる。
DAA酸化反応の反応時間は、通常5分〜24時間、好ましくは10分以上、より好ましくは30分以上であり、好ましくは8時間以下、より好ましくは2時間以下である。
前記範囲内であると、HMB又はその塩をより効率良く製造し易くなる。
(I)DAA酸化反応の反応溶液又は反応溶液に還元剤を添加して過剰に使用した次亜塩素酸又はその塩の一部又は全部を失活した失活溶液(以下、反応溶液又は失活溶液を「反応混合液」と略す場合がある。)に酸、又は酸及び塩基を添加してpHを6.0以下にする方法。
(II)反応混合液に酸、又は酸及び塩基を添加してpHを6.0以下にした後に濃縮する方法。
(III)反応混合液に酸、又は酸及び塩基を添加してpHを6.0以下にした後に液液抽出をしてHMB及び不純物を抽出する方法。
(IV)反応混合液に酸、又は酸及び塩基を添加してpHを6.0以下にした後に濃縮し、液液抽出をしてHMB及び不純物を抽出する方法。
(V)反応混合液に酸、又は酸及び塩基を添加してpHを6.0以下にした後に液液抽出をしてHMB及び不純物を抽出し、抽出液を濃縮する方法。
(VI)反応混合液に酸、又は酸及び塩基を添加してpHを6.0以下にした後に濃縮し、液液抽出をしてHMB及び不純物を抽出し、抽出液を濃縮する方法。
過剰に使用した次亜塩素酸又はその塩の一部又は全部を失活するための還元剤の種類は、特に限定されず、公知の還元剤を適宜使用することができるが、チオ硫酸塩、亜硫酸塩等が好ましく、チオ硫酸ナトリウムが特に好ましい。なお、過剰に使用した次亜塩素酸又はその塩の一部又は全部を失活するための方法としては還元剤を使用せず、pHを6.0以下として次亜塩素酸又はその塩を分解する方法を使用してもよい。
また、pHを6.0以下とするための酸、塩基の種類は、特に限定されず、公知の有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基等を適宜使用することができるが、塩酸(HCl)、硫酸(H2SO4)、硝酸(HNO3)等の無機酸、水酸化ナトリウム(NaOH)等の無機塩基が好ましく、塩酸、水酸化ナトリウムが特に好ましい。
処理工程は、「準備工程で準備した前記溶液の不純物を減少又は消失させる」工程であり、溶液に対して、下記(a)〜(d)の少なくとも1種の操作を行う工程であるが、(a)〜(d)の操作は、1種類の操作のみに限られず、2種類以上の操作を組み合わせてもよい。この中でも(a)の操作と(c)の操作の組み合わせ、(a)の操作と(d)の操作の組み合わせが好ましい。
(a)前記溶液に次亜塩素酸又はその塩を添加する。
(b)前記溶液を40〜200℃で30分以上保持する(但し、前記溶液は次亜塩素酸又はその塩を含有するものである。)。
(c)前記溶液にカルシウム塩を添加し、析出する2,3−ジヒドロキシ−3−メチルブタン酸カルシウムを3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸及び/又はその塩が溶解する液相と分離する。
(d)前記溶液に塩基を添加し、生成する2,3−ジヒドロキシ−3−メチルブタン酸の塩が溶解する液相と3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸及び/又はその塩が溶解する液相を分離する。
以下、(a)〜(d)の操作について、詳細に説明する。
次亜塩素酸又はその塩の添加量が前記範囲内であると、HMB又はその塩をより効率良く製造し易くなる。
溶液の保持温度は、好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下であり、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上である。
溶液の保持時間は、30分以上であるが、好ましくは2時間以上、より好ましくは4時間以上であり、通常12時間以下である。
溶液の保持温度と保持温度が前記範囲内であると、HMB又はその塩をより効率良く製造し易くなる。
次亜塩素酸又はその塩の添加量が前記範囲内であると、HMB又はその塩をより効率良く製造し易くなる。
カルシウム塩としては、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム等が挙げられる。
また、「析出する2,3−ジヒドロキシ−3−メチルブタン酸カルシウム」は、DHMBカルシウム単体に限られず、DHMBカルシウムの水和物、溶媒和物、DHMB−Ca−HMBのような複合塩であってもよいものとする。
カルシウム塩の添加方法としては、溶媒等に溶解させず、粉末等の状態で直接溶液に添加する方法が好ましい。
カルシウム塩の添加量が前記範囲内であると、HMB又はその塩をより効率良く製造し易くなる。
DHMBカルシウムを析出させるための温度が前記範囲内であると、HMB又はその塩をより効率良く製造し易くなる。
塩基の種類は、特に限定されず、公知の有機塩基、無機塩基等を適宜使用することができるが、具体的にはアルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物等の無機塩基が挙げられる。
アルカリ金属の水酸化物としては水酸化ナトリウム、アルカリ土類金属の水酸化物としては水酸化カルシウムが挙げられる。
塩基の添加方法は、粉末等の状態で直接添加する方法や、水溶液や水溶性溶媒に溶解させて添加させる方法が挙げられるが、粉末等の状態で直接添加する場合は、予め溶液に水や水溶性溶媒が含まれている、あるいはその後水や水溶性溶媒を添加する必要がある。
塩基の添加量が前記範囲内であると、HMB又はその塩をより効率良く製造し易くなる。
液相を分離するための温度が前記範囲内であると、HMB又はその塩をより効率良く製造し易くなる。
(d)の操作においてHMB及び/又はその塩が溶解する液相は、酢酸エチル等の非水溶性溶媒又は難水溶性溶媒からなる相である。
水酸化カルシウムの添加量が前記範囲内であると、HMB又はその塩をより効率良く製造し易くなる。
HMBカルシウムを析出させるための温度が前記範囲内であると、HMB又はその塩をより効率良く製造し易くなる。
フラスコに濃度13.3重量%の次亜塩素酸ナトリウムの水溶液347g(0.620mol)を仕込み、冷却し、0〜10℃を保ちながらジアセトンアルコール20.0g(0.172mol)を添加して0〜10℃で15分間撹拌を継続してジアセトンアルコールと次亜塩素酸ナトリウムを反応させた。なお、反応後の反応混合物について、下記表1の条件で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を測定した。測定結果のチャートを図1に、ピーク面積を表2に示す。
次に反応混合物を塩酸60.8g(0.600mol)で酸性化(pH:1.0)した後、残さ重量が125g(濃縮前重量の約30%)になるまで濃縮し、遊離酸の3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸(HMB)を酢酸エチル(45ml×3回)で抽出回収し、3回の抽出液の合一物を濃縮して遊離酸のHMB14.9g(HMB換算で0.126mol)を得た。なお、抽出回収した遊離酸のHMBについて同じくHPLCを測定した。測定結果のチャートを図2に、ピーク面積を表2に示す。
さらに得られたHMB14.7g(HMB換算で0.124mol)をフラスコに仕込み、95容量%のエタノール水溶液85mlを加えて溶解し、この液に水酸化カルシウム4.77g(0.064mol)を添加して中和(pH7.6)し、0〜5℃まで冷却した。析出した結晶をろ過、乾燥してHMBのカルシウム塩17.8gを回収した。なお、回収したHMBのカルシウム塩について同じくHPLCを測定した。測定結果のチャートを図3に、ピーク面積を表2に示す。
フラスコに濃度13.3重量%の次亜塩素酸ナトリウムの水溶液694g(1.24mol)を仕込み、冷却し、0〜10℃を保ちながらジアセトンアルコール40.0g(0.344mol)を添加して0〜10℃で30分間撹拌を継続してジアセトンアルコールと次亜塩素酸ナトリウムを反応させ、反応混合物を塩酸でそれぞれ下記表3に記載のpHに酸性化した(酸性化した溶液中には次亜塩素酸及び/又は次亜塩素酸ナトリウムがDAAの使用量に対して物質量換算で0.1倍溶存していることが推定される。)。この溶液を60℃にて6時間保存し、保存後の副生成物(NaClOによるDAAの酸化反応の副生成物)の量を、表1の条件によるHPLC測定で算出した。結果を表3に示す。
フラスコに濃度13.3重量%の次亜塩素酸ナトリウムの水溶液694g(1.24mol)を仕込み、冷却し、0〜10℃を保ちながらジアセトンアルコール40.0g(0.344mol)を添加して0〜10℃で30分間撹拌を継続してジアセトンアルコールと次亜塩素酸ナトリウムを反応させ、反応混合物を塩酸でそれぞれ下記表4に記載のpHに酸性化した。この溶液に濃度13.3重量%の次亜塩素酸ナトリウムの水溶液(DAAの使用量に対して物質量換算で0.5倍)を添加し、30℃で撹拌した。添加1時間後の副生成物(NaClOによるDAAの酸化反応の副生成物)の量を、表1の条件によるHPLC測定で算出した。結果を表4に示す。
副生成物(NaClOによるDAAの酸化反応の副生成物)を含有するHMB100gに水25g及び濃度12.6重量%の次亜塩素酸ナトリウムの水溶液をそれぞれ下記表5に記載の量添加し、30℃で30分〜2時間撹拌した。添加撹拌後の副生成物(NaClOによるDAAの酸化反応の副生成物)の量を、表1の条件によるHPLC測定で算出した。結果を表5に示す。
副生成物(NaClOによるDAAの酸化反応の副生成物)を含有するHMB15.0gに2.9g及び酢酸エチル60mlを加えて溶液とし、これに濃度13.3重量%の次亜塩素酸ナトリウムの水溶液を下記表6に記載の量添加し、30℃で1時間撹拌した。添加撹拌後の副生成物(NaClOによるDAAの酸化反応の副生成物)の量を、表1の条件によるHPLC測定で算出した。結果を表6に示す。
フラスコに濃度13.0重量%の次亜塩素酸ナトリウムの水溶液311g(0.543mol)を仕込み、冷却し、0〜10℃を保ちながらジアセトンアルコール18.0g(0.155mol)を添加して0〜10℃で30分間撹拌を継続してジアセトンアルコールと次亜塩素酸ナトリウムを反応させ、反応混合物を塩酸55.0g(0.543mol)で酸性化(pH:0.9)した後、残さ重量が70g(濃縮前重量の約20%)になるまで濃縮(50〜60℃で3時間保持しながら減圧濃縮)し、遊離酸のHMBを酢酸エチル73mlで抽出回収し、この抽出回収した溶液に濃度13.0重量%の次亜塩素酸ナトリウムの水溶液を下記表7に記載の量添加し、33℃で3時間撹拌した。それぞれの場合における副生成物(NaClOによるDAAの酸化反応の副生成物)の量を、表1の条件によるHPLC測定で算出した。結果を表7に示す。
フラスコに濃度13.0重量%の次亜塩素酸ナトリウムの水溶液311g(0.543mol)を仕込み、冷却し、0〜10℃を保ちながらジアセトンアルコール18.0g(0.155mol)を添加して0〜10℃で30分間撹拌を継続してジアセトンアルコールと次亜塩素酸ナトリウムを反応させ、反応混合物を塩酸56.0g(0.553mol)で酸性化(pH:0.8)した後、残さ重量が95g(濃縮前重量の約30%)になるまで濃縮し、遊離酸のHMBを酢酸エチル(20ml×4回)で抽出回収し、4回の抽出液を合一した。この合一した溶液に水酸化カルシウム(含有する2,3−ジヒドロキシ−3−メチルブタン酸(DHMB)に対して物質量換算で0.45倍)を添加してDHMBのカルシウム塩を0〜5℃まで冷却して析出させた。これをろ別してろ過後のDHMBの量を、表1の条件によるHPLC測定で算出した。結果を表8に示す。
2,3−ジヒドロキシ−3−メチルブチレート(DHMB)を含有するHMB8.3gに水2.5g及び酢酸エチル33mlを加えて溶解し、この溶液に水酸化カルシウムをそれぞれ下記表9に記載の量添加してDHMBのカルシウム塩を析出させ、0〜5℃でこれをろ別してろ過後のDHMBの量を、表1の条件によるHPLC測定で算出した。結果を表9に示す。
フラスコに濃度13.0重量%の次亜塩素酸ナトリウムの水溶液311g(0.543mol)を仕込み、冷却し、0〜10℃を保ちながらジアセトンアルコール18.0g(0.155mol)を添加して0〜10℃で30分間撹拌を継続してジアセトンアルコールと次亜塩素酸ナトリウムを反応させ、反応混合物を塩酸55.6g(0.549mol)で酸性化(pH:0.9)した後、残さ重量が101g(濃縮前重量の約30%)になるまで濃縮(50〜60℃で3時間保持しながら減圧濃縮)し、遊離酸のHMBを酢酸エチル(30ml×1回、20ml×3回)で抽出回収し、4回の抽出液を合一した。この合一した溶液に濃度13.0重量%の次亜塩素酸ナトリウムの水溶液(DAAの使用量に対して物質量換算で0.02倍)を添加して30〜32℃で3時間撹拌した。続いてこの液に塩酸0.25gを添加してpHを0.4まで酸性化した後、水酸化カルシウム(含有する2,3−ジヒドロキシ−3−メチルブチレート(DHMB)に対して0.45倍モル)を添加してDHMBのカルシウム塩を0〜5℃まで冷却して析出させ、これをろ別した。続いてろ液に水3mlを加えた後、遊離酸のHMBを抽出回収後、濃縮して高純度なHMB10.2g(0.086mol)を得た。また、得られたHMBをフラスコに仕込み、95容量%のエタノール水溶液59mlを加えて溶解し、この液に水酸化カルシウム3.16g(0.043mol)を添加して中和(pH7.8)し、0〜5℃まで冷却した。析出した結晶をろ過、乾燥して高純度なHMBのカルシウム塩10.0gを回収した。なお、それぞれの場合における副生成物(NaClOによるDAAの酸化反応の副生成物)の量及びDHMB等の量について、表1の条件によるHPLC測定で算出した。結果を表10に示す。
反応釜に副生成物(NaClOによるDAAの酸化反応の副生成物)及び2,3−ジヒドロキシ−3−メチルブチレート(DHMB)を含有するHMB601.1kg(5.09kmol)及び水60lを仕込み、溶解し、濃度13.2%の次亜塩素酸ナトリウムの水溶液98kg(0.174kmol)を添加し、27〜32℃で3時間撹拌した。塩酸12.8kg(0.126kmol)を添加してpHを0.7まで酸性化した後、水酸化カルシウム(含有する2,3−ジヒドロキシ−3−メチルブチレート(DHMB)に対して物質量換算で0.45倍)及び酢酸エチル2405lを添加後、−5〜5℃まで冷却してDHMBのカルシウム塩を析出させ、これをろ別した。遊離酸のHMBを抽出回収後、濃縮して高純度なHMB498.5kg(4.22kmol)を得た。また、得られたHMBを反応釜に仕込み、95容量%のエタノール水溶液2955lを加えて溶解し、この液に水酸化カルシウム149.2kg(2.01kmol)を添加して中和(pH8.0)し、−5〜10℃まで冷却した。析出した結晶をろ過、乾燥して高純度なHMBのカルシウム塩502.5kgを回収した。なお、それぞれの場合における副生成物(NaClOによるDAAの酸化反応の副生成物)の量及びDHMB等の量について、表1の条件によるHPLC測定で算出した。結果を表11に示す。
フラスコに濃度13.3重量%の次亜塩素酸ナトリウムの水溶液868g(1.551mol)を仕込み、冷却し、0〜10℃を保ちながらジアセトンアルコール50.0g(0.430mol)を添加して0〜10℃で30分間撹拌を継続してジアセトンアルコールと次亜塩素酸ナトリウムを反応させた。反応混合物を塩酸148.8g(1.469mol)で酸性化(pH:0.9)した後、残さ重量が308g(濃縮前重量の約30%)になるまで濃縮(50〜60℃で5時間保持しながら減圧濃縮)し、遊離酸のHMBを酢酸エチル(126ml×3回)で抽出回収し、3回の抽出液を合一した。この溶液に水酸化ナトリウムの水溶液をそれぞれ下記表12に記載の量添加してDHMBのナトリウム塩を生成させ、20℃で各液相を分離した。分離後の上層中のDHMBの量を、表1の条件によるHPLC測定で算出した。結果を表12に示す。
フラスコに濃度13.3重量%の次亜塩素酸ナトリウムの水溶液868g(1.551mol)を仕込み、冷却し、0〜10℃を保ちながらジアセトンアルコール50.0g(0.430mol)を添加して0〜10℃で30分間撹拌を継続してジアセトンアルコールと次亜塩素酸ナトリウムを反応させた。反応混合物を塩酸147.9g(1.460mol)で酸性化(pH:1.0)した後、残さ重量が293g(濃縮前重量の約30%)になるまで濃縮(50〜60℃で5時間保持しながら減圧濃縮)し、遊離酸のHMBを酢酸エチル(111ml×3回)で抽出回収し、3回の抽出液を合一した。この溶液に10重量%の水酸化ナトリウム水溶液8.0g(DHMBに対する物質量換算で0.35倍モル)を添加してDHMBのナトリウム塩を生成させ、20〜30℃で各液相を分離した。分離により得られた上層の溶液に濃度13.3重量%の次亜塩素酸ナトリウムの水溶液24.1g(0.043mol)を添加し、30〜31℃で3時間撹拌した。塩酸1.50g(0.015mol)を添加してpHを0.6まで酸性化した後、水酸化カルシウム1.1g(DHMBに対する物質量換算で0.446倍モル)を添加してDHMBのカルシウム塩を生成させ、40℃で各液相を分離した。分離後の上層を濃縮して高純度なHMB25.8g(0.218mol)を得た。なお、それぞれの場合における副生成物(NaClOによるDAAの酸化反応の副生成物)の量及びDHMB等の量について、表1の条件によるHPLC測定で算出した。結果を表13に示す。
Claims (4)
- 下記HPLC測定条件で測定した2,3−ジヒドロキシ−3−メチルブタン酸の含有量が、3-ヒドロキシ−3−メチルブタン酸の面積に対して、1.0面積%以下であり、3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸又はその塩の対総面積が、98面積%以上であることを特徴とする、3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸又はその塩を含有する組成物。
HPLC測定条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:210nm)
カラム:内径4.6mm、長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填したもの。
カラム温度:35℃付近の一定温度
移動相:50mMリン酸二水素アンモニウム試薬(リン酸二水素アンモニウム5.75gを水に溶かし、1000mlとする。この液にリン酸を加えてpH3.0に調整)/アセトニトリル(体積比95:5)
流量:1.0ml/min - 下記HPLC測定条件で測定した時に、保持時間4〜5分にピークを有する次亜塩素酸又はその塩によるジアセトンアルコールの酸化反応の副生成物の含有量が、3-ヒドロキシ−3−メチルブタン酸の面積に対して、0.4面積%以下であり、3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸又はその塩の対総面積が、98面積%以上であることを特徴とする、3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸又はその塩を含有する組成物。
HPLC測定条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:210nm)
カラム:内径4.6mm、長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填したもの。
カラム温度:35℃付近の一定温度
移動相:50mMリン酸二水素アンモニウム試薬(リン酸二水素アンモニウム5.75gを水に溶かし、1000mlとする。この液にリン酸を加えてpH3.0に調整)/アセトニトリル(体積比95:5)
流量:1.0ml/min - 下記HPLC測定条件で測定した時に、保持時間4〜5分にピークを有する次亜塩素酸又はその塩によるジアセトンアルコールの酸化反応の副生成物、及び2,3−ジヒドロキシ−3−メチルブタン酸の含有量が、3-ヒドロキシ−3−メチルブタン酸の面積に対して、それぞれ0.3面積%以下であり、3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸又はその塩の対総面積が、98面積%以上であることを特徴とする、3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸又はその塩を含有する組成物。
HPLC測定条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:210nm)
カラム:内径4.6mm、長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填したもの。
カラム温度:35℃付近の一定温度
移動相:50mMリン酸二水素アンモニウム試薬(リン酸二水素アンモニウム5.75gを水に溶かし、1000mlとする。この液にリン酸を加えてpH3.0に調整)/アセトニトリル(体積比95:5)
流量:1.0ml/min - 下記HPLC測定条件で測定した3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸又はその塩の対総面積が、98面積%以上であることを特徴とする、3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸又はその塩を含有する組成物。
HPLC測定条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:210nm)
カラム:内径4.6mm、長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填したもの。
カラム温度:35℃付近の一定温度
移動相:50mMリン酸二水素アンモニウム試薬(リン酸二水素アンモニウム5.75gを水に溶かし、1000mlとする。この液にリン酸を加えてpH3.0に調整)/アセトニトリル(体積比95:5)
流量:1.0ml/min
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