JP6603510B2 - 床材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、床材の製造方法に関する。
木質ボード基材層と、化粧層とを備える床材が知られているが、パーティクルボード、木質繊維板などの木質ボードは、合板と比較して吸放湿による膨張または収縮が大きいため、木質ボード基材層の裏面に防湿シートを貼り付けることが行われている。また、例えば、特許文献1〜3には、パーティクルボード基材層の両面に防湿シートを貼り付けた床材が開示されている。
特開2009−150128号公報 特開2010−1688号公報 特開2010−144460号公報
木質ボード基材層の表裏面を防湿シートで覆ってしまえば、木質繊維板(MDFなど)層または化粧層と木質ボード基材層との水分の移動を制限できる。しかし、両面に防湿シートを貼り付けるのは、材料費を上昇させ、製造工程を増加させる。また、木質ボード基材層の表面側には化粧材が貼り付けられる関係上、その接着性能が悪いと、製品品質を低下させるため、特殊な接着を行う必要がある。
ここで、化粧層としては、天然木製化粧材(突板または挽板)のほか、樹脂シート製化粧材が用いられる。
図1には、天然木製化粧層40、硬質層30および木質ボード基材層10を備える床材100の例を示している。この例では、木質ボード基材層10の裏面には接着層1aを介して防湿シート20が貼り付けられている。そして、天然木製化粧層40、硬質層30、木質ボード基材層10および防湿シート20は、それぞれ接着層1c、接着層1bおよび接着層1aを介して接合されている。なお、硬質層30は、省略されることもある。また、その他の層が含まれる場合もある。
図2には、樹脂シート製化粧層41および木質ボード基材層10を備える床材101の例を示している。この例においても、木質ボード基材層10の裏面には接着層1aを介して防湿シート20が貼り付けられている。
天然木製化粧材の基材への貼付は、例えば、水性接着剤を塗布した基材上に湿潤状態の化粧材を貼付け、熱間プレスによって行われる。この方法は、薄突板など薄い化粧材の場合に多用される。また、水性接着剤または非水性接着剤を塗布した基材上に乾燥状態の化粧材を貼付け、熱間プレスまたは冷間プレスによって形成される。この方法は厚突板、挽板など厚い化粧材の場合に多用される。一方、樹脂シート製化粧材の基材への貼付は、例えば、水性接着剤または非水性接着剤を用い、冷間プレスによって形成される。
木質ボード基材層の裏面への防湿シートの貼付は、例えば、水性接着剤または非水性接着剤を用い、冷間プレスによって形成される。また、木質ボード基材層の表面に硬質層を設ける場合には、例えば、水性接着剤または非水性接着剤を用い、熱間プレスまたは冷間プレスによって形成される。
このように、その製造過程においては、木質ボード基材層には接着剤からの水分が供給されたり、熱が付与されたりするため、含水率のバランスが崩れやすい。このため、様々な防湿を行っても、木質ボード基材層の反りを完全に防止することは困難であり、従来技術の方法では、床材の反りを根本的に解決することができない。
本発明は、基本的な製造方法を変更することなく、床材の反りを低減することが可能な床材の製造方法を提供することを目的とする。
そこで、本発明者らは、基本的な製造方法を変更することなく、床材の反りを低減する方法について鋭意研究を行った結果、下記の知見を得た。
(a)床材は、その使用中に凸反りになりやすい。その傾向は、床暖房用床材に顕著である。これは、床材の裏面側が乾燥しやすい環境にあるからである。特に、木質ボード基材に樹脂シート製化粧材を直接貼り付ける構成の床材の場合、水分の移動があった場合でも、床材表面側から水分が放出されにくいからである。したがって、床材としては、出荷時、若干凹反り傾向のものが好ましい。
(b)ここで、化粧材が樹脂シート製である床材などのように、その製造工程において熱間プレスによる接合工程が含まれない方法によって製造される床材は、基本的には素材としての木質ボードの反りの影響を受けやすく、使用した木質ボードが凸反りであれば、床材も凸反りになりやすい。したがって、熱間プレスによる接合工程が含まれない製造工程によって床材を製造する場合には、木質ボードの巾反りが凹形状となる面が化粧層側となるように木質ボード基材層を配置することが重要である。
(c)一方、突板貼り床材や挽板貼り床材のように、その製造工程において熱間プレスによる接合工程が含まれる方法によって製造される床材は、その製造過程において、木質ボード基材層が凹反り方向に変化しやすく、その結果、床材も凹反りしやすくなる。よって、熱間プレスによる接合工程が含まれる製造工程によって床材を製造する場合には、木質ボードの巾反りが凸形状となる面が化粧層側となるように木質ボード基材層を配置することが重要である。
(d)上記(c)の傾向は、水性接着剤を用いて熱間プレスによる接合工程を行う場合に特に顕著となる。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、下記の床材の製造方法を要旨とする。
(1)木質ボード基材層と、化粧層とを備える床材を製造するに際し、木質ボードの巾反りを測定し、巾反りがあるものを選別し、熱間プレスによる接着工程を含む場合には、該木質ボードの巾反りが凸形状となる面が化粧層側となるように木質ボード基材層を配置し、熱間プレスによる接着工程を含まない場合には、該木質ボードの巾反りが凹形状となる面が化粧層側となるように木質ボード基材層を配置する、床材の製造方法。
(2)前記木質ボード基材層と前記化粧層との間に硬質層を備える、上記(1)の床材の製造方法。
(3)前記硬質層は、厚みが0.01〜0.5mmである、上記(2)の床材の製造方法。
(4)前記化粧層と前記硬質層との接着を、水性接着剤を用いた熱間プレスによって行う、上記(2)または(3)の床材の製造方法。
(5)前記木質ボード基材層と硬質層との接着を、湿気硬化型ホットメルト接着剤を用いて行う、上記(2)〜(4)のいずれかの床材の製造方法。
(6)前記湿気硬化型ホットメルト接着剤は、ポリウレタン系の湿気硬化型ホットメルト接着剤である、上記(5)の床材の製造方法。
(7)前記木質ボード基材層は、含水率が4〜9%である、上記(1)〜(6)のいずれかの床材の製造方法。
(8)前記木質ボード基材層の裏面に防湿フィルム層を備える、上記(1)〜(7)のいずれかの床材の製造方法。
本発明によれば、基本的な製造方法を変更することなく、床材の反りを低減することが可能となる。
天然木製化粧層を設けた床材の例を示す断面図である。 樹脂シート製化粧層を設けた床材の例を示す断面図である。
以下、本発明の床材の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
本発明においては、木質ボード基材層と、化粧層とを備える床材を製造するに際し、木質ボードの巾反りを測定し、巾反りがあるものを選別する必要がある。
ここで、木質ボードの巾反りは、平らな測定台に置いて、(1)定規で矢高を測定する方法と、(2)巾反り計(3尺長さのフレームの両端に支持脚、中央部にダイヤルゲージを取り付けた物)で矢高を測定する方法がある。いずれの方法においても、3尺巾の両端付近を基準にして中央部の高さを測定する。両端よりも中央部が高い場合を「凸反り」と呼び、逆に中央部よりも両端が高い場合を「凹反り」と呼ぶ。
化粧層は、例えば、天然木製化粧層(天然木の突板、挽き板など)、樹脂シート製(樹脂含浸紙を含む)などで構成される。
図1には、天然木製化粧層40、硬質層30および木質ボード基材層10を備える床材100の例を示している。この例では、木質ボード基材層10の裏面には接着層1aを介して防湿シート20が貼り付けられている。そして、天然木製化粧層40、硬質層30、木質ボード基材層10および防湿シート20は、それぞれ接着層1c、接着層1bおよび接着層1aを介して接合されている。なお、硬質層30は、省略されることもある。また、その他の層が含まれる場合もある。なお、本発明の効果が顕著なのは厚さ0.2〜0.6mmの天然木製化粧層を有する場合である。厚さは、0.5mm未満が好ましい。
例えば、この床材100は、下記のようにして製造される。まず、木質ボード基材層10上に接着層1aとして水性接着剤を塗布し、その上に防湿シート20を貼り付けた状態で冷間プレスによって接合する。次に、防湿シート20が貼り付けられた木質ボード基材層10を反転させ、防湿シート20が貼られていない面(表面)が上になるように配置し、その表面に接着層1bとして水性接着剤または非水性接着剤を塗布し、その上に硬質層30を貼り付けた状態で冷間プレスまたは熱間プレスによって接合する。続いて、硬質層30の表面に接着層1cとして水性接着剤または非水性接着剤を塗布し、天然木製化粧層40を貼り付けた状態で、冷間プレスまたは熱間プレスによって接合し、その後に実加工、塗装などを行って床材100が製造される。硬質層30を省略する場合には、木質ボード基材層10の表面に接着剤1cとして水性接着剤または非水性接着剤を塗布し、天然木製化粧層40を貼り付けた状態で、冷間プレスまたは熱間プレスによって接合される。
特に、突板など薄い化粧材の場合には、水性接着剤を塗布した基材上に、湿潤状態の化粧材を貼付け、熱間プレスによって形成される。また、厚単板、挽板など厚い化粧材の場合には、水性接着剤または非水性接着剤を塗布した基材上に乾燥状態の化粧材を貼付け、熱間プレスまたは冷間プレスによって形成される。なお、化粧材として天然木の化粧単板(湿潤状態)を用いる場合、貼り付け前の化粧材の含水率が、30%未満では、寸法変形が発生し、反り、歪が発生しやすい。このため、貼り付け前の木化粧材の含水率は30%以上とするのが好ましく、35%以上とするのがより好ましい。熱間プレスとは、80〜150℃の温度で加圧加工する工程を意味し、冷間プレスとは、室温以下の温度で加圧加工する工程を意味する。なお、PUR(湿気硬化型ホットメルト)を用いた接合を行う場合には、冷却したプレスで加圧することがある。例えば、化粧層の接合時の熱間プレスは、例えば、温度約110℃、圧力約7kg/cmで60秒間程度行われる。また、パンクを防止するために、解圧直前に弱圧プレス(接合時の熱間プレスよりも低い圧力で行う熱間プレス)を行ってもよい。弱圧プレスは、例えば、熱間プレスと同じ温度で、保持時間1〜10秒間の条件で行う。
なお、化粧材を基材に貼り付けた直後には、接着剤中の水分などによって化粧層表面の含水率が上昇し、一時的に凸反りが発生するため、次の加工工程(通常は実加工、溝加工などの切削工程)の前に、一定時間安置して、表裏面の含水率の均一にする、養生工程が設けられるのが一般的である。この養生工程の期間を短縮するために、例えば、接着のための熱間プレス後に、一旦、解圧し、再び熱間プレスをする、脱蒸気処理を実施することが好ましい。脱蒸気のための熱間プレスは、接着のための熱間プレスと同じ装置を用いることができる。また、1回でもよいし、2回以上でもよい。
脱蒸気のための熱間プレスの温度は、表裏面ともに80〜150℃となる条件がよい。80℃未満では脱蒸気の効果が小さく、150℃を超えると、変色、接着不良などの不具合が生じるからである。ただし、脱蒸気のための熱間プレスは、接着のための熱間プレスと同じ温度で行うのが最も生産効率がよい。脱蒸気のための熱間プレスの圧力は、接着のための熱間プレス以下でよい。ただし、高すぎると、プレスマークの発生、厚さの減少などの問題が生じるので、5kg/cm以下が好ましく、3kg/cm以下がより好ましい。脱蒸気のための熱間プレスの時間は、接着のための熱間プレス以下でよい。ただし、あまりに短いと、十分に加熱されず、脱蒸気の効果が小さくなる。よって、2秒以上が好ましく、5秒以上がより好ましい。一方、あまりに長くても効果は飽和し、生産性を低下させるだけであるので、30秒以下が好ましく、20秒以下がより好ましく、15秒以下が更に好ましい。
養生工程は、貼り付け後の基材を積層した状態で保持し、単板および接着剤の水分が基材全体に拡散し、反りが安定するまで行う。養生工程は、積層した基材全体を断熱材で覆う、断熱材を最上面に載せるなど、冷却過程において温度ムラが発生しにくいような条件で行うのがよい。
図2には、樹脂シート製化粧層41および木質ボード基材層10を備える床材101の例を示している。この例においても、木質ボード基材層10の裏面には接着層1aを介して防湿シート20が貼り付けられている。
例えば、この床材101は、下記のようにして製造される。まず、木質ボード基材層10上に接着層1aとして水性接着剤を塗布し、その上に防湿シート20を貼り付けた状態で冷間プレスによって接合する。次に、防湿シート20が貼り付けられた木質ボード基材層10を反転させ、防湿シート20が貼られていない面(表面)が上になるように配置し、その表面に接着層1dとして水性接着剤または非水性接着剤を塗布し、その上に樹脂シート製化粧層41を貼り付けた状態で冷間プレスによって接合して床材101を得ることができる。
上述のように、熱間プレスによる接着工程が行われるのは、木質ボード基材層10の表面側の接着工程(木質ボード基材層10と硬質層30との接着工程、および、硬質層30と化粧層40との接着工程)であり、接着時には、各材料(化粧層、硬質層、接着剤)が一旦、水分を吸収して膨張した後に、乾燥して収縮するため、床材全体として凹反りの傾向が強くなる。このため、熱間プレスによる接着工程を含む場合には、木質ボードの巾反りが凸形状となる面が化粧層40側となるように木質ボード基材層10を配置する必要がある。その傾向は、水性接着剤を用いた場合に顕著となる。木質ボード基材層10内の水分が増加するからである。特に、木質ボード基材層10と化粧層40との接合または硬質層30との接合を熱間プレスで行う場合、さらには、水性接着剤を用い、熱間プレスを行う場合にその傾向がさらに顕著となる。
一方、熱間プレスによる接着工程を含まない場合には、木質ボード基材層10の表裏面における水分の差が生じにくいため、基本的には素材としての木質ボードが凸反りであれば、床材も凸反りになりやすい。前述のように、床材は、その使用中に凸反りになりやすいため、出荷時の床材を凹反り傾向とするためには、木質ボードの巾反りが凹形状となる面が化粧層側となるように木質ボード基材層10を配置する必要がある。
なお、木質ボードは、通常、凸反りまたは凹反りがあるものが通常であるが、反りがゼロのものもある。反りがゼロのものは、熱間プレスによる接着工程を含む場合および含まない場合のいずれに用いてもよい。ただし、熱間プレスによる接着工程を含む場合には、製造過程において凹反り傾向になりやすいため、特に、反りがゼロの木質ボードは、熱間プレスによる接着工程を含まない場合に用いるのが好ましい。
木質ボード基材層10としては、パーティクルボード、木質繊維板またはこれらの積層体を用いることができる。例えば、パーティクルボードを用いる場合には、その厚みは9〜15mmのものを用いることができる。また、その含水率は、JIS A 5908に規定されているパーティクルボードの含水率の範囲(5〜13%)であればよい。特に、4〜9%のものを用いるのがよい。好ましい下限は5%、好ましい上限は8%である。一般的に、パーティクルボードは、水分によって膨れまたは剥離などが生じやすいため、水分にあまり触れないのが好ましいからである。
木質ボード基材層10としては、例えば、JIS A 5905に規定される木質繊維板などを用いることができ、たとえば、中密度繊維板(MDF:medium density fiberboard)である。木質繊維板の含水率は、例えば6〜8%のものを用いるのが好ましい。例えば、米松、米栂、ラジアータパイン、杉、桧などを原材料とする針葉樹系のMDFが好ましい。このような針葉樹系のMDFは、色が薄いため、化粧層13の色が薄い場合の下地材として適している。化粧層の色が濃い場合には、広葉樹系(ラワン等)の繊維板を使うのが好ましい。
硬質層30としては、例えば、木質繊維板、ポリサンド紙、樹脂含浸紙などを用いることができる。木質繊維板は、JIS A 5905に規定される繊維板であり、たとえば、中密度繊維板(MDF:medium density fiberboard)である。木質繊維板の厚みは、0.3〜3mmのものを用いることができるが、好ましい上限は0.5mmである。木質繊維板は、薄い方が床材1の反り及び伸縮が生じにくい。しかしながら、薄い木質繊維板は、水分が多いと、膨れまたは剥離が生じやすい。木質繊維板の含水率は、例えば6〜8%である。
木質繊維板は、例えば、米松、米栂、ラジアータパイン、杉、桧などを原材料とする針葉樹系のMDFが好ましい。このような針葉樹系のMDFは、色が薄いため、化粧層13の色が薄い場合の下地材として適している。化粧層の色が濃い場合には、広葉樹系(ラワン等)の繊維板を使うのが好ましい。また、ポリサンド紙は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂フィルムの表裏に紙を貼り付けたものである。
硬質層30として樹脂含浸紙を用いる場合には、予め樹脂が含浸された紙を木質ボード基材に貼り付ける方法と、紙を樹脂系接着剤で木質ボード基材に貼り付ける方法がある。前者の方法では、予め、クラフト紙に、メラミン樹脂やフェノール樹脂等の樹脂(熱硬化性樹脂が一般的)を含浸・硬化させ、樹脂含浸紙(厚さ0.1〜0.5mm程度)を作成し、この樹脂含浸紙を木質ボード基材に、水系接着剤(熱圧、冷圧)またはPUR(冷圧)で貼り付ける。後者の方法では、基材に、樹脂系の接着剤(水系・非水系)を塗布し、紙(0.05〜0.5mm程度)を貼り付けて熱圧する。これにより、樹脂が木質ボード層および紙に含浸されると同時に、硬化し、紙が木質ボード層に固定される。
硬質層30としての木質繊維板と木質ボード基材層10としてのパーティクルボードとの接着は、非水性接着剤を用いるのが好ましい。特に、湿気硬化型ホットメルト接着剤を用いるのが良い。湿気硬化型ホットメルト接着剤は、空気中の水分と反応して硬化する一方、一旦硬化すると再溶融しない湿気硬化型ホットメルト接着剤である。湿気硬化型ホットメルト接着剤は、主に、ポリウレタン系とポリオレフィン系とがあり、本実施形態では、湿気硬化型ホットメルト接着剤として、ポリウレタン系のホットメルト接着剤を用いる。このようなポリウレタン系の接着剤を用いることにより、接着剤に水分がほとんど含まれないとともに、木質ボード基材層10と硬質層30との接着が熱の影響を受けにくい。
防湿シート20は、例えば、PETフィルムやポリオレフィンフィルム(ポリエチ
レン、ポリプロピレンなど)を用いることができる。防湿シート20は、JIS K
7129Bにおいて、例えば、水蒸気透過度が5g/m2・d以下であり、好ましくは
4g/m2・d以下である。防湿シート20は、木質ボード基材層20の裏面側から
水分が浸入するのを効果的に抑制することができる。防湿シート20は、接着剤以外
の固定部材によって木質ボード基材層10に固定されていてもよい。
湿気硬化型ホットメルト接着剤を用いる場合には、その厚みは、30〜100μmとするのが好ましく、より好ましい下限は40μm、より好ましい上限は80μmである。これは、硬質層30から木質ボード基材層10への水分の移動を抑制できるとともに、化粧層40と硬質層30とを接着する水性接着剤の適度な水分が硬質層30から木質ボード基材層10へ移動するのを許容できる。これにより、硬質層30および木質ボード基材層10の両方が、水分によって影響を受けるのを防止できる。
本発明の効果を確認するべく、下記の実験を行った。
まず、巾反りが3mm程度のパーティクルボード(12mm×946mm×1841mm)を複数用意し、防湿シートとしてPETフィルムを凹面側に貼り付けた凸試験材と、その凸面側に貼り付けた凹試験材を用意した。この接着は、水性接着剤を用いた冷間プレスにより行った。貼り付け後のパーティクルボードの巾反りにはほとんど変化がなかった。得られた凸試験材および凹試験材を各種の方法で積層体を作製し、3日間養生した。これを短手方向に三分割して、310mm×1841mmのサンプル材を得た。得られたサンプル材の巾反りを測定し、評価した。±0.7mmの範囲内のものを「○」、それ以外のものを「×」とした。製造条件および巾反り測定結果を表1に示す。なお、実験は、積層体を作製した後に、実加工および塗装を行っていない。また、No.1〜3におけるWet単板の貼り付けは、いずれも、温度110℃、圧力7kg/cmで60秒間の熱間プレスによって行った。
Figure 0006603510
表1の参考例1は、突板貼りをしていない点を除き、試験No.1と同じ条件で製造した例である。参考例1では、凸試験材および凹試験材のいずれを用いた例でも、その巾反りは、素材としてのパーティクルボードの反りと同じ傾向の反りであった。いずれも、反りが小さかった。これに対して、No.1において、凹試験材を用いた例では、すべて凹反り傾向であり、一部に巾反りが許容範囲を超えたものがあったが、凸試験材を用いた例では、多くが凹反り傾向であったが、いずれも巾反りの許容範囲内であった。
試験No.2は、パーティクルボードと硬質層としての木質繊維板との接合を、接着層1bとして水性接着剤を用い、熱間プレスで行った点を除き、試験No.1と同じ条件で製造した例である。この例では、凸試験材および凹試験材のいずれを用いた例でも、その巾反りが大きく許容範囲を超えたものがあった。ただし、凸試験材を用いた例では凹試験材を用いた例よりも巾反りが小さかった。
試験No.2および3の結果から、パーティクルボードと他の層との接合を熱間プレスで行う場合には、約3mmという巾反りでは足りないことが分かった。
試験No.4は、化粧層としての樹脂シートをパーティクルボードに直接貼り付けた例である。この例では、凸試験材および凹試験材のいずれを用いた例でも、床材の巾反りは、許容範囲であった。ここで、樹脂シート製化粧材を直接貼り付ける構成の床材の場合、水分の移動があった場合でも床材表面側から水分が放出されにくいため、製品出荷段階では凹反り傾向としておく必要があるが、凸試験材を用いた例では、一部に凸反りのものがあった。
次に、脱蒸気処理を行った場合の効果を確認するべく、下記の実験を行った。
上記と同様に、巾反りが3mm程度のパーティクルボード(12mm×946mm×1841mm)を複数用意し、防湿シートとしてPETフィルムを凹面側に貼り付けた凸試験材を用意した。この接着は、水性接着剤を用いた冷間プレスにより行った。貼り付け後のパーティクルボードの巾反りにはほとんど変化がなかった。得られた凸試験材を用い、試験No.5では、Wet単板を、温度110℃、圧力7kg/cmで60秒間の熱間プレスを行って、基材に貼り付けた。試験No.6では、Wet単板を、温度110℃、圧力7kg/cmで60秒間の熱間プレスを行い、解圧の後、温度110℃、圧力2kg/cmで10秒間の熱間プレスを行った。1日間養生した後に、それぞれ930mm×1841mmサイズのままの巾反り(3尺巾反り)を測定し、その後、短手方向に三分割して、310mm×1841mmのサンプル材を得た。得られたサンプル材の巾反り(1尺巾反り)を測定し、評価した。実験は、積層体を作製した後に、実加工および塗装を行っていない。その結果を表2に示す。
Figure 0006603510
表2に示すように、脱蒸気処理を行っていない試験No.5では、単板貼りから1日経過後の1尺巾反りが大きくなっており、養生期間を長くせざるを得ない。一方、脱蒸気処理を行った試験No.6では、単板貼りから1日経過後の1尺巾反りが小さく、そのまま次工程での実加工を行える状態であった。この結果から、脱蒸気処理を行うことにより、単板貼り後の養生時間を短縮できることが分かる。
本発明によれば、基本的な製造方法を変更することなく、床材の反りを低減することが可能となる。
1a、1b、1c 接着層
10 木質ボード基材層
20 防湿シート
30 硬質層
40 天然木製化粧層
41 樹脂シート製化粧層
100、101 床材

Claims (6)

  1. パーティクルボード基材層と、化粧層とを備える床材を製造するに際し、
    パーティクルボードの巾反りを測定し、巾反りがあるものを選別し、
    熱間プレスによる接着工程を含む場合には、該パーティクルボードの巾反りが凹形状となる面に防湿シートを、冷間プレスにより貼り付けた後、該パーティクルボードの巾反りが凸形状となる面が化粧層側となるようにパーティクルボードを配置し、熱間プレスによる接着工程を含まない場合には、該パーティクルボードの巾反りが凸形状となる面に防湿シートを、冷間プレスにより貼り付けた後、該パーティクルボードの巾反りが凹形状となる面が化粧層側となるようにパーティクルボードを配置する、床材の製造方法。
  2. 前記パーティクルボードを配置した後、前記化粧層側となる前記パーティクルボードの面に非水性接着剤を塗布し、厚みが0.01〜0.5mmである硬質層を配置し、冷間プレスにより接着する、
    請求項1に記載の床材の製造方法。
  3. 前記化粧層と前記硬質層との接着を、水性接着剤を用いた熱間プレスによって行う、請求項2に記載の床材の製造方法。
  4. 前記パーティクルボード基材層と硬質層との接着を、湿気硬化型ホットメルト接着剤を用いて行う、請求項2または3に記載の床材の製造方法。
  5. 前記湿気硬化型ホットメルト接着剤は、ポリウレタン系の湿気硬化型ホットメルト接着剤である、請求項に記載の床材の製造方法。
  6. 前記パーティクルボード基材層は、含水率が4〜9%である、請求項1からまでのいずれかに記載の床材の製造方法。
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