JP6579824B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents
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Description
色再現性には、電子写真用感光体の明部電位も重要な要因の一つである。特に多数枚出力時に電位が大きく変動すると、色再現性が変化し、画像品質が低下する事になる。
フルカラー出力に限らず、白黒出力の際も、ハーフトーン画像の濃度が変化する等、画像品質の低下につながる。
下引き層に電子輸送物質を含有させる技術としては、例えば特許文献1、特許文献2および特許文献3には、下引き層にフルオレノン化合物誘導体、イミド化合物誘導体やアントラキノン誘導体等の電子輸送物質を含有させる技術が開示されている。
本発明の目的は、連続画像出力前後での電位変動が抑制された電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
R1は、2つ以上の重合性官能基を有する主鎖の炭素数が1〜6のアルキル基、または、2つ以上の重合性官能基を有するアリール基を示し、
前記R 1 としてのアルキル基は、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、アルコキシカルボニル基、または、フェニル基で置換されていてもよく、
前記R 1 としてのアリール基は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基、またはアルコキシカルボニル基で置換されていてもよく、
該重合性官能基は、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、またはカルボキシル基である。
式(1)中、R2は、
主鎖の炭素数が1〜6のアルキル基、
主鎖の炭素数が3〜6のアルキル基の主鎖中のCH2の少なくとも1つを酸素原子に置き換えて導かれる基、
主鎖の炭素数が3〜6のアルキル基の主鎖中のCH2の少なくとも1つを硫黄原子に置き換えて導かれる基、
主鎖の炭素数が3〜6のアルキル基の主鎖中のCH2の少なくとも1つをNR3に置き換えて導かれる基、
主鎖の炭素数が2〜6のアルキル基の主鎖中のCH2の少なくとも1つをカルボニル基に置き換えて導かれる基、
主鎖の炭素数が3〜6のアルキル基の主鎖中のC2H4の少なくとも1つをCOOに置き換えて導かれる基、
炭素数が3〜6の環状アルキル基、または
アリール基を示し、
前記R 2 としての、主鎖の炭素数が1〜6のアルキル基、主鎖の炭素数が3〜6のアルキル基の主鎖中のCH 2 の少なくとも1つを酸素原子に置き換えて導かれる基、主鎖の炭素数が3〜6のアルキル基の主鎖中のCH 2 の少なくとも1つを硫黄原子に置き換えて導かれる基、主鎖の炭素数が3〜6のアルキル基の主鎖中のCH 2 の少なくとも1つをNR 3 に置き換えて導かれる基、主鎖の炭素数が2〜6のアルキル基の主鎖中のCH 2 の少なくとも1つをカルボニル基に置き換えて導かれる基、主鎖の炭素数が3〜6のアルキル基の主鎖中のC 2 H 4 の少なくとも1つをCOOに置き換えて導かれる基、および、炭素数が3〜6の環状アルキル基であるアルキル基は、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、アルコキシカルボニル基、またはフェニル基で置換されていてもよく、
前記R 2 としてのアリール基は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基、またはアルコキシカルボニル基で置換されていてもよい。
式(1)中、R3は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示し、前記R 3 としてのアルキル基は、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、アルコキシカルボニル基、またはフェニル基で置換されていてもよい。
R2は主鎖の炭素数が1〜6の置換若しくは無置換のアルキル基、主鎖の炭素数が3〜6の置換若しくは無置換のアルキル基の主鎖中のCH2の少なくとも1つを酸素原子に置き換えて導かれる基、主鎖の炭素数が3〜6の置換若しくは無置換のアルキル基の主鎖中のCH2の少なくとも1つを硫黄原子に置き換えて導かれる基、主鎖の炭素数が3〜6の置換若しくは無置換のアルキル基の主鎖中のCH2の少なくとも1つをNR3に置き換えて導かれる基、主鎖の炭素数が2〜6の置換若しくは無置換のアルキル基の主鎖中のCH2の少なくとも1つをカルボニル基に置き換えて導かれる基、主鎖の炭素数が3〜6の置換若しくは無置換のアルキル基の主鎖中のC2H4の少なくとも1つをCOOに置き換えて導かれる基、炭素数が3〜6の置換若しくは無置換の環状アルキル基、または置換若しくは無置換のアリール基を示す。但し、アルキル基の主鎖中のCH2の少なくとも1つを酸素原子、硫黄原子、またはNR3に置き換えて導かれる基において、前記酸素原子、硫黄原子、及びNR3は、R2が結合する窒素原子に直接結合しない。
R3は水素原子または置換若しくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基を示す。
前記置換アルキル基、アルキル基の主鎖中のCH2の少なくとも1つを酸素原子、硫黄原子、NR3、カルボニル基、または主鎖中のC2H4の少なくとも1つをCOOに置き換えて導かれる基、および環状アルキル基の置換基は、さらに置換されていても良い炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、アルコキシカルボニル基、フェニル基である。
前記置換のアリール基の置換基は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、さらに置換されていても良い炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基、またはアルコキシカルボニル基である。
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)であることが好ましい。例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、金、鉄などの金属または合金製の支持体が挙げられる。
また、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ガラスなどの絶縁性支持体上にアルミニウム、銀、金などの金属の薄膜または酸化インジウム、酸化スズなどの導電性材料の薄膜を形成してなるものが挙げられる。
支持体の表面には、電気的特性の改善や、半導体レーザーなどコヒーレント光照射時に発生しやすい干渉縞の抑制のため、陽極酸化などの電気化学的な処理や、湿式ホーニング、ブラスト、切削などの処理を施してもよい。
感光層と支持体との間に下引き層が設けられる。
下引き層は、式(1)で示される化合物を含む組成物を含有する下引き層用塗布液の塗膜を形成し、塗膜を乾燥させることによって形成することができる。下引き層用塗布液の塗膜乾燥時に、式(1)で示される化合物が重合するが、その際に熱や光のエネルギーを印加することで重合反応(硬化反応)が促進される。
架橋剤としては、式(1)で示される化合物と重合(硬化)または架橋する化合物を用いることができる。具体的には、山下晋三,金子東助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊(1981年)などに記載されている化合物等を用いることができる。
架橋剤と式(1)で示される化合物との質量比は何れでも良いが、その中でも100:50〜100:250が好ましい。
前記の質量比であると、架橋剤同士の凝集が抑制され、その結果、下引き層中のトラップサイトが減少し、より電位変動抑制効果が向上すると考えられる。下引き層中の重合性官能基を有する樹脂の含有量は、下引き層の組成物の全質量に対して、3〜60質量%が好ましく、さらには5〜20質量%が好ましい。
イソシアネート化合物としては、イソシアネート基またはブロックイソシアネート基を複数個有しているイソシアネート化合物が好ましい。例えば、トリイソシアネートベンゼン、トリイソシアネートメチルベンゼン、トリフェニルメタントリイソシアネート、リジントリイソシアネートの他、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートジフェニメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、メチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート、ノルボルナンジイソシアネート等のジイソシアネートのイソシアヌレート変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、トリメチロールプロパンやペンタエリストールとのアダクト変性体等が挙げられる。これらの中でもイソシアヌレート変性体とアダクト変性体がより好ましい。
イソシアネート化合物の中で一般的に購入可能なものとしては、例えば、旭化成社製デュラネートMFK−60B、SBA−70B、住化バイエルウレタン社製デスモジュールBL3175、BL3475が挙げられる。
一般的に購入可能なアミン化合物としては、例えば、三井化学社製ユーバン20SE60、220、DIC社製、スーパーベッカミンL−125−60、G−821−60等が挙げられる。
R314〜R319は、アセチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、または水素原子を示す。
前記(S−1)構造並びに前記(S−2)構造中、R304〜R308としてのアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、アントラニル基、フェナンスレニル基ビフェニル基等が挙げられるが、これらに限られない。
前記式(4)、並びに前記(S−3)構造並びに(S−4)構造並びに(S−5)構造中、R302およびR309〜R313としてのアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられるが、これらに限られない。
前記(S−3)構造並びに(S−4)構造並びに(S−5)構造中、R309〜R313としてのアリーレン基としては、フェニレン基、ナフチル基、フルオレニレン基、アントラニレン基、フェナンスレニレン基、ビフェニル基等が挙げられるが、これらに限られない。
前記、アルキル基、アリール基、アルキレン基、およびアリーレン基の置換基としては、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基等が挙げられる。
また、式(4)で示される構造単位を有する樹脂は、一般的に購入することも可能である。購入可能な樹脂としては、例えば、日本ポリウレタン工業(株)製AQD−457、AQD−473、三洋化成工業(株)製サンニックスGP−400、GP−700などのポリエーテルポリオール系樹脂、日立化成工業(株)製フタルキッドW2343、DIC(株)製ウォーターゾールS−118、CD−520、ベッコライトM−6402−50、M−6201−40IM、ハリマ化成(株)製ハリディップWH−1188、日本ユピカ社製ES3604、ES6538などのポリエステルポリオール系樹脂、DIC(株)製、バーノックWE−300、WE−304などのポリアクリルポリオール系樹脂、(株)クラレ製クラレポバールPVA−203などのポリビニルアルコール系樹脂、積水化学工業(株)製BX−1、BM−1などのポリビニルアセタール系樹脂、ナガセケムテックス(株)製トレジンFS−350などのポリアミド系樹脂、日本触媒(株)製アクアリック、鉛市(株)製ファインレックスSG2000などのカルボキシル基含有樹脂、DIC(株)製、ラッカマイドなどのポリアミン樹脂、東レ(株)製QE−340Mなどのポリチオール樹脂などが挙げられる。これらの中でもポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルポリオール系樹脂などが重合性、電子輸送層の均一性の観点からより好ましい。
重量平均分子量(Mw)は600〜400,000の範囲であることがより好ましい。
本発明では、式(1)で示される化合物(電子輸送物質)は、Aで示される芳香族部分の片側にヒドロキシ基やカルボキシル基などの水素結合性の重合性官能基が2つ以上存在しおり、反対側はこれらの水素結合性の重合性官能基が存在しない。
これにより、片側の水素結合性の重合性官能基の相互作用により、電子輸送物質同士が比較的近接して存在することができると考えている。
その事により、多数枚印字時でも電子輸送の滞りが減少し、電位の変動が抑制されていると予想している。この効果は、(2)の構造を有した化合物よりも、(3)の構造を有した化合物の方が比較的大きいと考えている。
さらに、特に分岐鎖アルキル基を持ったイミド誘導体では、その嵩高い構造により電子輸送物質同士の凝集による電子トラップも抑えられ、電子輸送の滞りをより抑える事が出来ると予想している。
・質量分析
マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間質量分析計(MALDI−TOF MS:ブルカー・ダルトニクス(株)製 ultraflex)を用いた。条件としては、加速電圧:20kV、モード:Reflector、分子量標準品:フラーレンC60であり、得られたピークトップ値で分子量を確認した。
下引き層上には、電荷発生物質および正孔輸送物質を含有する感光層が設けられる。
電荷発生物質および正孔輸送物質を含有する感光層には、支持体側から電荷発生物質を含有する電荷発生層と正孔輸送物質を含有する正孔輸送層をこの順に積層してなるもの(以下「積層型感光層」ともいう。)と、電荷発生物質と正孔輸送物質を同一の層に含有させてなるもの(以下「単層型感光層」ともいう。)がある。電荷発生層や正孔輸送層は、それぞれ複数設けてもよい。
また、これらの重量平均分子量(Mw)は、5,000〜300,000の範囲であることが好ましい。
電荷発生層の膜厚は、0.05μm以上5μm以下であることが好ましい。
また、感光層(または積層型感光層の場合には、正孔輸送層)上には、導電性粒子または正孔輸送物質と結着樹脂とを含有する保護層を設けてもよい。保護層には、潤滑剤などの添加剤をさらに含有させてもよい。また、保護層の樹脂(結着樹脂)自体に導電性や正孔輸送性を有させてもよく、その場合、保護層には、当該樹脂以外の導電性粒子や正孔輸送物質を含有させなくてもよい。また、保護層の結着樹脂は、熱可塑性樹脂でもよいし、熱、光、放射線(電子線など)などにより硬化させてなる硬化性樹脂であってもよい。
図1に、本発明の電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。
図1において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、回転軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1の表面(周面)は、回転過程において、帯電手段3(例えば、接触系一次帯電器、非接触系一次帯電器など)により、正または負の所定電位に帯電される。次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(画像露光手段)(不図示)からの露光光(画像露光光)4(例えば、レーザー光)を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に静電潜像が順次形成されていく。
形成された静電潜像は、次いで現像手段5(例えば、接触型現像器、非接触型現像機など)のトナーにより現像される。得られたトナー像は、転写材7(例えば、紙)に、転写手段6(例えば、転写帯電器)により順次転写されていく。転写材7は、不図示の転写材供給部から電子写真感光体1の回転と同期して取り出され、電子写真感光体1と転写手段6との間に給送される。
トナー像が転写された転写材7は、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより複写物(コピー)として電子写真装置外へプリントアウトされる。
トナー転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄化され、さらに前露光手段(不図示)からの前露光光により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。
帯電手段3は、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器を用いてもよいし、ローラー形状、ブレード形状、ブラシ形状などの帯電部材を備える接触型帯電器を用いてもよい。
まず、式(1)で示されるイミド化合物の合成例を示す。なお、化合物E201に係る合成例2、及び実施例11〜実施例20、実施例31〜実施例40、実施例43、及び実施例44は、参考例である。
室温下、窒素気流下300ml3つ口フラスコに、1,2,4,5−ピロメリット酸二無水物21.8g(100mmol)、ジメチルアセトアミド150mlを入れた。これに、4−ヘプチルアミン5.8g(50mmol)と2−アミノ―1,3−プロパンジオール4.6g(50mmol)、ジメチルアセトアミド50mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチルを加えた後濾過を行い、濾液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品を酢酸エチル/ヘキサンにより再結晶し、表2に示す式(E101)で表されるイミド化合物11.3gを得た。
この化合物をMALDI−TOF MSで測定したところ、ピークトップ値388を得た。
室温下、窒素気流下300ml3つ口フラスコに、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物39.2g(100mmol)、ジメチルアセトアミド150mlを入れた。これに、4−ヘプチルアミン5.8g(50mmol)と2−アミノ―1,3−プロパンジオール4.6g(50mmol)、ジメチルアセトアミド50mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチルを加えた後濾過を行い、濾液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品を酢酸エチル/ヘキサンにより再結晶し、表2に示す式(E201)で表されるイミド化合物16.0gを得た。
この化合物をMALDI−TOF MSで測定したところ、ピークトップ値562を得た。
式(E101)、(E201)で示されるイミド化合物以外の本発明のイミド化合物も、その構造に対応した原料を選択し、上述の方法と同様の方法で合成することができる。
次に、電子写真感光体の作製および評価について示す。
長さ260.5mmおよび直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体(導電性支持体)とした。
次に、酸素欠損型酸化スズが被覆されている酸化チタン粒子(粉体抵抗率:120Ω・cm、酸化スズの被覆率:40%)50部、フェノール樹脂(プライオーフェンJ−325、DIC(株)製、樹脂固形分:60%)40部、メトキシプロパノール55部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、3時間分散処理することによって、導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液における酸素欠損型酸化スズが被覆されている酸化チタン粒子の平均粒径を、(株)堀場製作所製の粒度分布計(商品名:CAPA700)を用い、テトラヒドロフランを分散媒とし、回転数5000rpmにて遠心沈降法で測定した。その結果、平均粒径は0.30μmであった。
この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間160℃で乾燥
・熱硬化させることによって、膜厚が18μmの導電層を形成した。
この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間160℃で加熱し、溶媒を蒸発させるとともに、硬化させることによって、膜厚が0.85μmの下引き層を形成した。
この電荷発生層用塗布液を、下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を10分間95℃で乾燥させることによって、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
このようにして、支持体上に導電層、下引き層、電荷発生層および正孔輸送層を有する電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体を、23℃、50%RHの環境下にて、キヤノン(株)製のレーザービームプリンター(商品名:LBP−2510)の改造機(一次帯電:ローラー接触DC帯電、プロセススピード180mm/秒、レーザー露光)に装着した。そして、初期及び20,000枚画像出力後の表面電位の評価行った。詳しくは以下のとおりである。
前記レーザービームプリンターのシアン色用のプロセスカートリッジを改造し、現像位置に電位プローブ(model6000B−8:トレック・ジャパン(株)製)を装着した。次に、電子写真感光体の中央部の電位を表面電位計(model344:トレック・ジャパン(株)製)を使用して測定した。また、暗部電位(Vd)が−600V、明部電位(Vl)が−150Vになるよう、画像露光の光量を設定した。
続いて、前記レーザービームプリンターのシアン色用のプロセスカートリッジに、作製した電子写真感光体を装着して、そのプロセスカートリッジをシアンのプロセスカートリッジのステーションに装着し、画像を出力した。
画像出力終了後、再び電位プローブ及び電位計を使用し、電位の測定を行った。
表4に示すように例示化合物、架橋剤、樹脂の種類および質量部を変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作成し、同様に評価を行った。結果を表4に示す。
架橋剤2は、イソシアネート系架橋剤(商品名:デスモジュールBL3175、住化バイエル社製(固形分75%))である。架橋剤3は、ブチル化メラミン系架橋剤(商品名:スーパーベッカミンJ821−60、DIC社製(固形分60%))である。架橋剤4は、2,4,6−トリス[ビス(メトキシメチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン(東京化成工業社製)である。
Claims (8)
- 支持体、該支持体上に形成されている下引き層、及び該下引き層上に形成されている感光層を有する電子写真感光体であって、
前記下引き層が、式(1)で示される化合物を含む組成物の重合物を含有することを特徴とする電子写真感光体:
R1は、2つ以上の重合性官能基を有する主鎖の炭素数が1〜6のアルキル基、または、2つ以上の重合性官能基を有するアリール基を示し、
前記R 1 としてのアルキル基は、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、アルコキシカルボニル基、または、フェニル基で置換されていてもよく、
前記R 1 としてのアリール基は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基、またはアルコキシカルボニル基で置換されていてもよく、
前記重合性官能基は、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、またはカルボキシル基であり、
R2は、
主鎖の炭素数が1〜6のアルキル基、
主鎖の炭素数が3〜6のアルキル基の主鎖中のCH2の少なくとも1つを酸素原子に置き換えて導かれる基、
主鎖の炭素数が3〜6のアルキル基の主鎖中のCH2の少なくとも1つを硫黄原子に置き換えて導かれる基、
主鎖の炭素数が3〜6のアルキル基の主鎖中のCH2の少なくとも1つをNR3に置き換えて導かれる基、
主鎖の炭素数が2〜6のアルキル基の主鎖中のCH2の少なくとも1つをカルボニル基に置き換えて導かれる基、
主鎖の炭素数が3〜6のアルキル基の主鎖中のC2H4の少なくとも1つをCOOに置き換えて導かれる基、
炭素数が3〜6の環状アルキル基、または
アリール基を示し、
前記R 2 としての、主鎖の炭素数が1〜6のアルキル基、主鎖の炭素数が3〜6のアルキル基の主鎖中のCH 2 の少なくとも1つを酸素原子に置き換えて導かれる基、主鎖の炭素数が3〜6のアルキル基の主鎖中のCH 2 の少なくとも1つを硫黄原子に置き換えて導かれる基、主鎖の炭素数が3〜6のアルキル基の主鎖中のCH 2 の少なくとも1つをNR 3 に置き換えて導かれる基、主鎖の炭素数が2〜6のアルキル基の主鎖中のCH 2 の少なくとも1つをカルボニル基に置き換えて導かれる基、主鎖の炭素数が3〜6のアルキル基の主鎖中のC 2 H 4 の少なくとも1つをCOOに置き換えて導かれる基、および、炭素数が3〜6の環状アルキル基であるアルキル基は、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、アルコキシカルボニル基、またはフェニル基で置換されていてもよく、
前記R 2 としてのアリール基は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基、またはアルコキシカルボニル基で置換されていてもよく、
R3は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示し、前記R 3 としてのアルキル基は、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、アルコキシカルボニル基、またはフェニル基で置換されていてもよく、
Aは、式(2)で示される構造を示す。
- 前記R2のアルキル基が分岐鎖アルキル基である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記組成物は、さらに架橋剤を含有する請求項1または2に記載の電子写真感光体。
- 前記架橋剤が、イソシアネート基もしくはブロックイソシアネート基を有するイソシアネート化合物、または、N−メチロール基もしくはアルキルエーテル化されたN−メチロール基を有するアミン化合物である請求項3に記載の電子写真感光体。
- 前記組成物は、さらに重合性官能基を有する樹脂を含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
- 前記式(1)で示される化合物と前記架橋剤および/または前記重合性官能基を有する樹脂との質量比率が100:50〜100:250である請求項3〜5のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
- 電子写真感光体と、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくとも一つの手段とを一体に支持し、電子写真装置に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、該電子写真感光体が請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 少なくとも電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有する電子写真装置において、該電子写真感光体が請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真装置。
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