JP2023131675A - 電子写真装置 - Google Patents

電子写真装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2023131675A
JP2023131675A JP2022036569A JP2022036569A JP2023131675A JP 2023131675 A JP2023131675 A JP 2023131675A JP 2022036569 A JP2022036569 A JP 2022036569A JP 2022036569 A JP2022036569 A JP 2022036569A JP 2023131675 A JP2023131675 A JP 2023131675A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrophotographic photoreceptor
charging
electrophotographic
charging potential
electrophotographic apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022036569A
Other languages
English (en)
Inventor
修平 岩崎
Shuhei Iwasaki
要 渡口
Kaname Toguchi
晃洋 丸山
Akihiro Maruyama
賢一 加来
Kenichi Kako
道代 関谷
Michiyo Sekiya
康平 牧角
Kohei Makikado
達也 山合
Tatsuya Yamaai
秀春 下澤
Hideharu Shimozawa
直樹 福島
Naoki Fukushima
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2022036569A priority Critical patent/JP2023131675A/ja
Priority to US18/168,736 priority patent/US11947275B2/en
Priority to DE102023105601.8A priority patent/DE102023105601A1/de
Priority to CN202310220188.XA priority patent/CN116736660A/zh
Publication of JP2023131675A publication Critical patent/JP2023131675A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/14Inert intermediate or cover layers for charge-receiving layers
    • G03G5/142Inert intermediate layers
    • G03G5/144Inert intermediate layers comprising inorganic material
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/02Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for laying down a uniform charge, e.g. for sensitising; Corona discharge devices
    • G03G15/0266Arrangements for controlling the amount of charge
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/02Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for laying down a uniform charge, e.g. for sensitising; Corona discharge devices
    • G03G15/0208Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for laying down a uniform charge, e.g. for sensitising; Corona discharge devices by contact, friction or induction, e.g. liquid charging apparatus
    • G03G15/0216Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for laying down a uniform charge, e.g. for sensitising; Corona discharge devices by contact, friction or induction, e.g. liquid charging apparatus by bringing a charging member into contact with the member to be charged, e.g. roller, brush chargers
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/02Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for laying down a uniform charge, e.g. for sensitising; Corona discharge devices
    • G03G15/0283Arrangements for supplying power to the sensitising device
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/02Charge-receiving layers
    • G03G5/04Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
    • G03G5/06Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being organic
    • G03G5/0664Dyes
    • G03G5/0696Phthalocyanines
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/10Bases for charge-receiving or other layers
    • G03G5/102Bases for charge-receiving or other layers consisting of or comprising metals

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Cleaning In Electrography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】画像形成時の電子写真感光体の帯電電位を短時間で高精度に制御できる電子写真装置を提供する。【解決手段】電子写真感光体と、導電性部材から該電子写真感光体に放電させるための電圧印加手段と、該導電性部材から該電子写真感光体への放電による単位時間当たりの電荷移動量を検知する電荷移動量検知手段と、帯電電位制御手段と、を有する電子写真装置であって、該電子写真感光体について、特定の手順により定めたV1およびV2が下記式(E-4)で示される関係を満たし、 100V1<V2-V1(E-4) 該帯電電位制御手段は、該電圧印加手段によって印加される直流電圧の絶対値が700V以上の範囲から選ばれる少なくとも2点の直流電圧と、該少なくとも2点の直流電圧における電荷移動量との関係から、画像形成時の該電子写真感光体の帯電電位を制御するように構成されている、ことを特徴とする電子写真装置。【選択図】なし

Description

本発明は電子写真装置に関する。
複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ等の電子写真感光体を用いた電子写真装置では、初めに電子写真感光体を一様に帯電し、レーザースキャナ等の像露光手段で、電子写真感光体に静電潜像を形成する。次いで、前記静電潜像をトナーによって現像し、電子写真感光体上にトナー像を形成させる。さらに、前記トナー像を電子写真感光体から紙等の転写材へ転写し、転写されたトナー像を熱、圧力等によって定着させることによって、画像の形成が行われる。
近年の電子写真装置では、電子写真装置の使用環境や感光体の膜厚等の状態変化によらずに一定濃度の画像を出力するため、画像形成時の電子写真感光体の帯電電位を所望の値に精度よく制御することが求められている。
またそれと同時に、画像形成が行われない間に上記の制御等を行うキャリブレーション時間(ダウンタイムと呼ぶ)を短くすることも求められており、上記制御を高速で実行することも強く求められている。
画像形成時の電子写真感光体の帯電電位を所望の値に制御するための従来の技術としては、電子写真感光体の帯電電位を、電子写真装置内に搭載した電位計にて直接検知する技術が提案されている(特許文献1)。
また、電位計を用いない技術として、帯電部材と電子写真感光体との間で放電が生じ始める電圧(放電開始電圧と呼ぶ)を推定することで、画像形成時の電子写真感光体の帯電電位を高い精度で適正化する手法が提案されている(特許文献2)。例えば、帯電部材としての帯電ローラーによって電子写真感光体を帯電する場合に、帯電手段によって、帯電ローラーに高電圧が印加される。そして、帯電ローラーに流れる放電電流を検知しながら、印加する電圧を徐々に変化させていき、印加した電圧に応じて検知された放電電流の値から、放電開始電圧を推定する。
特開平5-66638号公報 特許第5615004号公報
しかし特許文献1に記載の帯電電位の測定方法では、帯電電位を所望の値に精度よく制御するために、装置内に電位計を設けるスペースを確保すると、電子写真装置のサイズが大きくなる上に、コストがかかるという問題があった。
また、特許文献2に記載の方法では、帯電ローラーから電子写真感光体に対し放電が生じない電圧から、徐々にその絶対値を上昇させていく必要がある。そのため、精度は高い一方で、制御の完了までに時間を要するという課題があった。そのため、帯電電位の制御を短時間かつ高精度に実施することが困難であり、ダウンタイムのさらなる低減が求められる近年では、特許文献2に記載の方法で得られる効果が十分ではなかった。
したがって本発明の目的は、画像形成時の電子写真感光体の帯電電位を短時間で高精度に制御できる電子写真装置を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。
即ち、本発明に係る電子写真装置は、電子写真感光体と、導電性部材から該電子写真感光体に放電させるための電圧印加手段と、該導電性部材から該電子写真感光体への放電による単位時間当たりの電荷移動量を検知する電荷移動量検知手段と、該電子写真感光体の帯電電位を制御する帯電電位制御手段とを有する電子写真装置であって、
該電子写真感光体について、以下の手順(1)~(8)によりVおよびVを定めた時、該Vおよび該Vが下記式(E-4)で示される関係を満たし、
100V<V-V (E-4)
該帯電電位制御手段は、該電圧印加手段によって印加される直流電圧の絶対値が700V以上の範囲から選ばれる少なくとも2点の直流電圧と、該少なくとも2点の直流電圧における電荷移動量との関係から、画像形成時の該電子写真感光体の帯電電位を制御するように構成されている、ことを特徴とする。
(1)該電子写真感光体を0.005秒間帯電させる。
(2)(1)の帯電開始から0.06秒後に測定して得られる帯電電位の絶対値をV[V]とする。
(3)(1)の帯電開始から0.18秒後に再び帯電電位の絶対値が該Vとなるように該電子写真感光体を0.005秒間帯電させる。
(4)(3)の帯電開始から0.02秒後に波長が805nmで光量が0.5μJ/cmの光で露光する。
(5)(3)の帯電開始から0.06秒後に測定して得られる帯電電位の絶対値を残留電位V[V]とする。
(6)該Vを100Vから1000Vまで50Vの間隔で変化させながら(1)~(5)の手順を繰り返し行い、各該Vに対応する該Vを測定する。
(7)(6)で得られた該Vおよび該Vについて、横軸を該Vで縦軸を該Vとしてプロットしたグラフを下記式(E-1)で近似することで、下記式(E-1)中の定数A、m、τを決定する。
Figure 2023131675000001
(8)(7)で決定した該定数A、m、τを用いて下記式(E-2)および(E-3)により計算される電圧をそれぞれ該V、該Vとする。
Figure 2023131675000002
(式(E-2)中、Vminは該電荷移動量検知手段の精度で決まる数値である。)
Figure 2023131675000003
本発明によれば、画像形成時の電子写真感光体の帯電電位を短時間で高精度に制御できる電子写真装置を提供することができる。
本発明で用いられる電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。 帯電電位の絶対値Vと残留電位Vとの関係を表すグラフである。 帯電電位の絶対値Vと、Vと残留電位Vとの差ΔVとの関係を表すグラフである。 電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備え、電圧印加手段が帯電手段である場合の本発明に係る電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。 実施例において評価に用いた評価装置の概略を示した図である。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
[電子写真装置]
本発明に係る電子写真装置は、電子写真感光体と、導電性部材から該電子写真感光体に放電させるための電圧印加手段と、該導電性部材から該電子写真感光体への放電による単位時間当たりの電荷移動量を検知する電荷移動量検知手段と、該電子写真感光体の帯電電位を制御する帯電電位制御手段とを有する電子写真装置であって、
該電子写真感光体について、以下の手順(1)~(8)によりVおよびVを定めた時、該Vおよび該Vが下記式(E-4)で示される関係を満たし、
100V<V-V (E-4)
該帯電電位制御手段は、該電圧印加手段によって印加される直流電圧の絶対値が700V以上の範囲から選ばれる少なくとも2点の直流電圧と、該少なくとも2点の直流電圧における電荷移動量との関係から、画像形成時の該電子写真感光体の帯電電位を制御するように構成されている。
(1)該電子写真感光体を0.005秒間帯電させる。
(2)(1)の帯電開始から0.06秒後に測定して得られる帯電電位の絶対値をV[V]とする。
(3)(1)の帯電開始から0.18秒後に再び帯電電位の絶対値が該Vとなるように該電子写真感光体を0.005秒間帯電させる。
(4)(3)の帯電開始から0.02秒後に波長が805nmで光量が0.5μJ/cmの光で露光する。
(5)(3)の帯電開始から0.06秒後に測定して得られる帯電電位の絶対値を残留電位V[V]とする。
(6)該Vを100Vから1000Vまで50Vの間隔で変化させながら(1)~(5)の手順を繰り返し行い、各該Vに対応する該Vを測定する。
(7)(6)で得られた該Vおよび該Vについて、横軸を該V、縦軸を該Vとしてプロットして得たであるグラフを下記式(E-1)で近似することで、下記式(E-1)中の定数A、m、τを決定する。
Figure 2023131675000004
(8)(7)で決定した該定数A、m、τを用いて下記式(E-2)および(E-3)により計算される電圧をそれぞれ該V、該Vとする。
Figure 2023131675000005
(式(E-2)中、Vminは該電荷移動量検知手段の精度で決まる数値である。)
Figure 2023131675000006
一般に、電子写真感光体を実際の画像形成プロセスにおいて帯電および露光したとき、電子写真感光体の帯電電位は必ずしも0にはならない。露光量が大きい場合の露光部における電位は特に残留電位と呼ばれる。
本発明においては、残留電位Vを次の手順により定めた。
(1)該電子写真感光体を0.005秒間帯電させる。
(2)(1)の帯電開始から0.06秒後に測定して得られる帯電電位の絶対値をV[V]とする。
(3)(1)の帯電開始から0.18秒後に再び帯電電位の絶対値が該Vとなるように該電子写真感光体を0.005秒間帯電させる。
(4)(3)の帯電開始から0.02秒後に波長が805nmで光量が0.5μJ/cmの光で露光する。
(5)(3)の帯電開始から0.06秒後に測定して得られる帯電電位の絶対値を残留電位Vr[V]とする。
本発明者らは、Vを100Vから1000Vまで50Vの間隔で変化させながら、上記(1)~(5)の手順に従い、Vと残留電位Vとの関係を調べた結果、両者の関係を下記式(E-1)によって近似できることを見出した。
Figure 2023131675000007
ここで、定数Aは、式(E-1)においてV=0を代入したときの残留電位Vに対応し、横軸をV、縦軸をVとして、図2に示すようなグラフを描いたときに、式(E-1)が表す近似関数が縦軸と交わる切片を意味している。
また、定数mは式(E-1)が表す近似関数においてV=0およびV=1000の2点を結んだ直線の傾きを意味している。
さらに、定数τは式(E-1)が表す近似関数において、関数の直線性を表しており、特にτ→±∞の極限において、式(E-1)が表す近似関数は直線になる。
また本発明者らは、種々の電子写真感光体について上記の近似関数を用いた解析を試みた結果、電子写真感光体の構成によって、式(E-1)の定数A、m、τの値が異なることを見出した。
さらに、後述する帯電電位制御手段によって画像形成時の電子写真感光体の帯電電位を制御した場合に、高精度と短時間とが両立される条件が、これらの定数の値をもとに算出できることを見出した。
以下、上記の条件について詳細に記載する。
本発明では、電子写真感光体の帯電電位を検知するのではなく、放電による単位時間あたりの電荷移動量を検知する構成を用いる。電子写真感光体への放電による単位時間あたりの電荷移動量Iは、電子写真感光体のVと残留電位Vの差に比例し、下記式(E-5)により表すことができる。
Figure 2023131675000008
(式(E-5)中、kは電子写真感光体の容量等によって決まる定数である。)
さらに式(E-5)において、ΔVは式(E-1)の関係を用いると、下記式(E-6)で表すことができる。
Figure 2023131675000009
後述するように、電荷移動量検知手段は、電子写真装置に固有な最小検知可能電位差を有する。最小検知可能電位差の絶対値をVminとすると、電子写真感光体のVと残留電位Vの差がちょうどVminに合致するときの帯電電位の絶対値が、検知が可能な最小の帯電電位の絶対値である。この検知が可能な最小の帯電電位の絶対値をVとすると、式(E-6)から、下記式(E-7)を導くことができる。
Figure 2023131675000010
は電子写真装置本体における検知可能な電荷移動量の下限値をもとに計算される帯電電位の絶対値の下限値である。式(E-7)をVについて解くと、下記式(E-2)が得られる。
Figure 2023131675000011
また式(E-6)で示される関係は、横軸をV、縦軸をΔVとして描くと、図3に示されるようなグラフで表される。図3に示されるようなグラフは、式(E-6)から明らかなように傾きが必ずしも一定でなく、Vが大きくなるにつれて傾きも変化する。このことから、Vが大きな領域で、前述の従来技術のように放電開始電圧を推定すると、実際の放電開始電圧に対してずれΔを生じる。このずれΔはその絶対値が小さいほど、検知の精度が高いことを意味する。そこで、ずれΔの絶対値が所定の値に達するときの帯電電位の絶対値をVとして、Vによって高精度な帯電電位制御が可能な上限条件を規定する。すなわち、Vは電子写真感光体の特性をもとに計算した、所望の精度を得るための帯電電位の絶対値の上限条件である。
は次のように計算される。まず、式(E-6)をVで微分すると、下記式(E-8)が得られる。
Figure 2023131675000012
式(E-8)で求められる値は、図3に示すグラフにおける任意の点における接線の傾きを意味するから、V=Vにおける接線の方程式は、下記式(E-9)となる。
Figure 2023131675000013
したがって、式(E-9)で表される接線の横軸との切片は、ΔV=0として、下記式(E-10)で表される。
Figure 2023131675000014
式(E-10)をVについて解きV=Δとおくと、下記式(E-11)が得られる。
Figure 2023131675000015
高精度に帯電電位を制御するためのずれΔの絶対値は、一般的な電子写真装置では30V以内であることが必要である。τが正の時、図2に示したようにVとVとの関係は、下に凸の関数になるため、図3に示したようにVとΔVとの関係は上に凸の関数になる。したがって、式(E-9)で表される接線の横軸との切片は負の値をとる。つまり、τが正の場合、Vは、式(E-11)に対してΔ=-30を代入し、さらに式(E-11)をVについて解くことで得られ、下記式(E-3-a)で表すことができる(V>0)。
Figure 2023131675000016
一方、τが負の時、VとΔVとの関係は下に凸の関数になる。したがって、式(E-9)で表される接線の横軸との切片は正の値をとる。つまり、τが負の場合、Vは、式(E-11)に対してΔ=30を代入し、さらに式(E-11)をVについて解くことで得られ、下記式(E-3-b)で表すことができる(V>0)。
Figure 2023131675000017
以上から、Vはτの正負によって場合分けされ、下記式(E-3)が得られる。
Figure 2023131675000018
次に、前述のVとVとの関係について説明する。VおよびVによって規定されるVの範囲は、本発明における電荷移動量検知手段の検知下限、すなわちVよりも十分に広く設けられることが必要であり、本発明者らが検討した結果、下記条件式(E-4)を満たす必要があることが分かった。すなわち、画像形成時の電子写真感光体の帯電電位を制御した場合に、高精度と短時間とが両立される条件は、下記式(E-4)を満たすことである。
100V<V-V (E-4)
これまで述べてきたように、放電による単位時間あたりの電荷移動量を検知することで子写真感光体の残留電位が、帯電電位の上昇とともに変化することにある。したがって、このずれΔを小さく抑制する別の手法として、十分に長い露光時間を与えて残留電位を0に近づける制御を実施すれば、高精度に帯電電位を制御することが可能である。しかしながら、この手法を用いた場合、残留電位を0にするまでの制御時間が長くなり、ダウンタイムの増大につながるため、高精度化と短時間化との両立は達成できない。
本発明において、より高精度に帯電電位を制御するためには、ずれΔは、10V以内であることが好ましい。この場合、先に述べた場合と同様にして、式(E-11)にΔ=-10またはΔ=10を代入することで、下記式(E-12)で表されるV´が得られる。
Figure 2023131675000019
したがって、上記V´と、式(E-2)で表されるV1とが、下記式(E-13)で表される関係を満足することが、画像形成時の電子写真感光体の帯電電位をより高精度に制御するために好ましい。
100V<V´-V (E-13)
本発明において、電子写真感光体の特性として、帯電電位によらず残留電位の絶対値は低いことが式(E-2)で表される下限条件をより小さくし、式(E-3)で表される上限条件をより大きくできるため好ましい。特に定数Aの絶対値は小さいことが好ましく、具体的には、定数Aは15以下であることが好ましい。
また本発明において、電子写真感光体の特性として、帯電電位に対する残留電位の変化の傾きは小さいことが好ましい。すなわち定数mは小さいことが、式(E-2)で表される下限条件をより小さくし、式(E-3)で表される上限条件をより大きくできるため好ましい。具体的には、定数mは0.05以下であることが好ましい。
さらに本発明において、電子写真感光体の特性を表す定数τの絶対値は大きいことが、式(E-2)で表される下限条件をより小さくし、式(E-3)で表される上限条件をより大きくできるため好ましい。具体的には、定数τの絶対値は4000以上であることが好ましい。
本発明における電圧印加手段は、電子写真感光体を帯電するための帯電手段であってもよいし、トナーを前記電子写真感光体の表面から転写材に転写するための転写手段であってもよいし、帯電手段および転写手段とは別にこれを設けてもよい。また本発明における導電性部材は、電子写真感光体を帯電するための帯電部材であってもよいし、転写部材であってもよいし、これらとは別に設けてもよい。
中でも、電圧印加手段は、電子写真感光体を帯電するための帯電手段であり、かつ、導電性部材は帯電部材であることが好ましい。また、電圧印加手段は、トナーを前記電子写真感光体の表面から転写材に転写するための転写手段であり、かつ、導電性部材は転写部材であることが好ましい。
また、電圧印加手段が電子写真感光体を帯電するための帯電手段であり、かつ、導電性部材が帯電部材である場合、帯電部材は帯電ローラーであることが好ましい。
また、電圧印加手段がトナーを前記電子写真感光体の表面から転写材に転写するための転写手段であり、かつ、導電性部材が転写部材である場合、転写部材は転写ローラーであることが好ましい。
本発明に係る電子写真装置は、このほかに像露光手段、現像手段、定着手段、およびクリーニング手段等を設けても良い。像露光手段は、電子写真感光体の表面に像露光光を照射して電子写真感光体の表面に静電潜像を形成するための手段である。また、現像手段は、静電潜像をトナーによって現像して電子写真感光体の表面にトナー像を形成するための手段である。また、定着手段は、転写手段によってトナー像が転写された転写材に対して、トナー像を定着処理する手段である。また、またクリーニング手段は、転写後の電子写真感光体の表面に残ったトナー等の付着物を除去するための手段である。
図4に電圧印加手段が帯電手段であり、導電性部材が帯電部材である場合の、本発明に係る電子写真装置の概略構成の一例を示す。
円筒状の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1の表面は、帯電手段13により、帯電部材3を介した放電によって正または負の所定電位に帯電される。帯電された電子写真感光体1の表面には、露光手段(不図示)から露光光4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内に収容されたトナーで現像され、電子写真感光体1の表面にはトナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段16が搭載する転写部材6によって転写材7に転写される。トナー像が転写された転写材7は、定着手段8へ搬送され、トナー像の定着処理を受け、電子写真装置の外へプリントアウトされる。
電子写真装置は、転写後の電子写真感光体1の表面に残ったトナー等の付着物を除去するための、クリーニング手段9を有していてもよい。また、クリーニング手段9を別途設けず、上記付着物を現像手段5等で除去する、所謂、クリーナーレスシステムを用いてもよい。
電子写真装置は、電子写真感光体1の表面を、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理する除電機構を有していてもよい。また、プロセスカートリッジ11を電子写真装置本体に着脱するために、レール等の案内手段12を設けてもよい。
帯電手段13が電圧印加手段であり、導電性部材が帯電部材3である場合の電子写真装置は、さらに電荷移動量検知手段14を有する。
電荷移動量検知手段14は、帯電部材3から電子写真感光体1への放電による単位時間あたりの電荷移動量を検知する。電荷移動量検知手段14の検出部は、帯電部材3と電子写真感光体1と間で直流電圧印加時に流れる電荷移動量を電圧に変換する検出回路と、変換された電圧信号を増幅し、放電検出信号としてCPUに出力するアンプとで構成される。CPUは、アンプからの放電検出信号をA/D変換器によってA/D変換する。このA/D変換されたアンプの出力から、CPUは、発生した電流の大きさ(帯電部材と電子写真感光体間に流れた電流の大きさ)を認識し、電子写真感光体1の1周の時間T(ms)で平均化した電流値を出力することができる。
なお、図2においては、電圧印加時に帯電部材側に流れる電荷移動量を検出する構成となっているが、電圧印加時に電子写真感光体1側に流れる電荷移動量を検出する構成としてもよい。
また電荷移動量検知手段14は、電子写真装置に固有な最小検知可能電位差を有する。これは次のように算出できる。電荷移動量検知手段14は、電気的なAC成分によるノイズや回路抵抗の温度変化、電子写真感光体1や帯電部材3の回転ムラにより、前述の単位時間あたりの電荷移動量が低い場合では、帯電部材3から電子写真感光体1への放電による電荷移動量を検知できない。よって、検知可能な最小の単位時間あたりの電荷移動量Iminが存在する。Iminの測定方法については特に限定されないが、例えば、次のようにして測定することができる。まず、画像形成中の直流電圧(例えば-1100V)を電子写真感光体1に印加する。そして、温湿度32.5℃80%の高温高湿度環境下および温湿度15℃10%の低温低湿度環境下のそれぞれにおいて、ドラムモータを駆動させたときの上記単位時間あたりの電荷移動量を、電子写真感光体1を10周させてサンプリングする。続いて、上記単位時間あたりの電荷移動量の最大値と最小値との差を、検出可能な最小の単位時間あたりの電荷移動量Iminとすることができる。
さらにIminは最小検知可能電位差に変換することができる。その方法については特に限定されないが、例えば次のような方法等がある。まず、(1)電子写真感光体1の回転速度v、電子写真感光体1の電荷輸送層の膜厚d、電子写真感光体1の誘電率εを基にQ=CVを解く。ここでQは電荷量、Cは静電容量、Vは帯電電位である。続いて、(2)温湿度および気圧を考慮して確実に放電開始電圧を超える帯電電圧VaおよびVを印加し、その時の単位時間あたりの電荷移動量IaおよびIを測定し、下記式(E-14)によってVminを算出する。
min=|Imin×(Va-V)/(Ia-I)| (E-14)
本発明において、電子写真装置は、帯電電位制御手段15を有する。帯電電位制御手段15は、電圧印加手段によって印加される直流電圧の絶対値が700V以上の範囲から選ばれる少なくとも2点の直流電圧と、該少なくとも2点の直流電圧における電荷移動量との関係から、画像形成時の電子写真感光体1の帯電電位を制御する。
本発明で用いられる帯電電位制御手段15において、帯電電位を制御するための制御変数を決定する方法については特に限定されないが、例えば次の(1)および(2)のような方法等が挙げられる。
(1)少なくとも2点における直流電圧と単位時間あたりの電荷移動量との関係から、放電開始電圧Vthを推定し、帯電電位の制御目標値Vtdに対し、下記式(E-15)に基づき、画像形成時に印加する直流電圧VDCを決定する方法。
DC=Vth+Vtd (E-15)
(2)少なくとも2点における直流電圧と単位時間あたりの電荷移動量の関係から、下記式(E-16)で表される傾きSを算出し、下記式(E-17)に基づいて単位時間あたりの電荷移動量の狙い値Iを決定する方法。
S=(I-I)/(V-V) (E-16)
=S×Vtd (E-17)
帯電電位制御手段15は、電圧印加手段によって印加される絶対値が700V以上の範囲から選ばれる少なくとも2点の直流電圧と、該少なくとも2点の直流電圧における電荷移動量との関係から、画像形成時に印加する直流電圧を制御することが好ましい。
また帯電電位制御手段15は、電圧印加手段によって印加される絶対値が700V以上の範囲から選ばれるn点における直流電圧と、該n点における直流電圧における電荷移動量の関係を自由度n以下の関数で近似し、該関数を校正曲線として画像形成時の該電子写真感光体の帯電電位を制御することが好ましい。ここで、nは2以上の整数である。この場合特に、上記関数は一次関数であることがより好ましい。
また本発明に係る電子写真装置は、次の条件を満たすことが、画像形成時の電子写真感光体の帯電電位をより高精度に制御するために好ましい。まず、前記電圧印加手段によって印加される、絶対値が700V以上の範囲から選ばれる少なくとも2点の直流電圧のうち、絶対値が最も小さいものをVDC-minとし、絶対値が最も大きいものをVDC-MAXとする。また、該VDC-minにおける該電子写真感光体の帯電電位の絶対値をVdmとし、該VDC-MAXにおける該電子写真感光体の帯電電位の絶対値をVdMとする。このとき、該Vdmおよび該VdMは、前記Vより大きく前記V以下である。すなわち、該Vdmおよび該VdMと、前記Vおよび前記Vとは、下記式(E-18)で示される関係を満たすことが好ましい。
<Vdm<VdM≦V (E-18)
また、該Vdmおよび該VdMと、前記Vおよび前記V´とは、下記式(E-19)で示される関係を満たすことがより好ましい。
<Vdm<VdM≦V´ (E-19)
[電子写真感光体]
本発明で用いられる電子写真感光体を製造する方法としては、後述する各層の塗布液を調製し、所望の層の順番に支持体の上に塗布して、乾燥させる方法が挙げられる。このとき、塗布液の塗布方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、インクジェット塗布、ロール塗布、ダイ塗布、ブレード塗布、カーテン塗布、ワイヤーバー塗布、リング塗布等が挙げられる。これらの中でも、効率性および生産性の観点から、浸漬塗布が好ましい。
以下、支持体および各層について説明する。
<支持体>
本発明において、電子写真感光体は、導電性支持体を有する。また、支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状等が挙げられる。中でも、円筒状支持体であることが好ましい。また、支持体の表面に、陽極酸化等の電気化学的な処理や、ブラスト処理、切削処理等を施してもよい。
支持体の材質としては、金属、樹脂、ガラス等が好ましい。
金属としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、金、ステンレスや、これらの合金等が挙げられる。中でも、アルミニウムを用いたアルミニウム製支持体であることが好ましい。
また、樹脂やガラスには、導電性材料を混合または被覆する等の処理によって、導電性を付与してもよい。
<導電層>
本発明において、支持体の上に導電層を設けてもよい。導電層を設けることで、支持体表面の傷や凹凸を隠蔽することや、支持体表面における光の反射を制御することができる。
導電層は、導電性粒子と、樹脂と、を含有することが好ましい。
導電性粒子の材質としては、金属酸化物、金属、カーボンブラック等が挙げられる。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス等が挙げられる。金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀等が挙げられる。
これらの中でも、導電性粒子として、金属酸化物を用いることが好ましく、特に、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛を用いることがより好ましい。
導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、金属酸化物の表面をシランカップリング剤等で処理したり、金属酸化物にリンやアルミニウム等元素やその酸化物をドーピングしたりしてもよい。
また、導電性粒子は、芯材粒子と、その粒子を被覆する被覆層とを有する積層構成としてもよい。芯材粒子としては、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛等が挙げられる。被覆層としては、酸化スズ等の金属酸化物が挙げられる。
また、導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、その体積平均粒子径が、1nm以上500nm以下であることが好ましく、3nm以上400nm以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等が挙げられる。
また、導電層は、シリコーンオイル、樹脂粒子、酸化チタン等の隠蔽剤等をさらに含有してもよい。
導電層の膜厚は、1μm以上50μm以下であることが好ましく、3μm以上40μm以下であることが特に好ましい。
導電層は、上述の各材料および溶剤を含有する導電層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤等が挙げられる。導電層用塗布液中で導電性粒子を分散させるための分散方法としては、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
<下引き層>
本発明において、導電性支持体または導電層の上に、下引き層を設けてもよい。下引き層を設けることで、層間の接着機能が高まり、電荷注入阻止機能を付与することができる。
下引き層は、樹脂を含有することが好ましい。また、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として下引き層を形成してもよい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、ポリプロピレンオキシド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、セルロース樹脂等が挙げられる。
重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、メチロール基、アルキル化メチロール基、エポキシ基、金属アルコキシド基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、カルボン酸無水物基、炭素-炭素二重結合基等が挙げられる。
これらの中でも、ポリアミド樹脂が好ましく、アルコール系溶剤に可溶なポリアミド樹脂が好ましい。例えば、3元系(6-66-610)共重合ポリアミド、4元系(6-66-610-12)共重合ポリアミド、N-メトキシメチル化ナイロン、重合脂肪酸系ポリアミド、重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体、ジアミン成分を有する共重合ポリアミド等が好ましく用いられる。
また、下引き層は、電気特性を高める目的で、電子輸送物質、金属酸化物、金属、導電性高分子等をさらに含有してもよい。これらの中でも、電子輸送物質、金属酸化物を用いることが低電界においても電荷発生層中の電荷の引き抜き効果が得られるため好ましい。
電子輸送物質としては、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物、フルオレノン化合物、キサントン化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノビニル化合物、ハロゲン化アリール化合物、シロール化合物、含ホウ素化合物等が挙げられる。電子輸送物質として、重合性官能基を有する電子輸送物質を用い、上述の重合性官能基を有するモノマーと共重合させることで、硬化膜として下引き層を形成してもよい。
金属酸化物としては、酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素等が挙げられる。金属としては、金、銀、アルミ等が挙げられる。
また、下引き層は、添加剤をさらに含有してもよい。
下引き層の膜厚は、0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、0.2μm以上5μm以下であることがより好ましく、0.5μm以上3μm以下であることが特に好ましい。
下引き層は、上述の各材料および溶剤を含有する下引き層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥および/または硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤等が挙げられる。
<感光層>
電子写真感光体の感光層は、主に、(1)積層型感光層と、(2)単層型感光層とに分類される。(1)積層型感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と、を有する感光層である。(2)単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を共に含有する感光層である。
(1)積層型感光層
積層型感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層と、を有する。
(1-1)電荷発生層
電荷発生層は、電荷発生物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷発生物質としては、アゾ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、フタロシアニン顔料等が挙げられる。これらの中でも、フタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料またはチタニルフタロシアニン顔料が好ましい。
電荷発生物質としてフタロシアニン顔料を用いる場合において、該フタロシアニン顔料の調製におけるミリング処理において分散剤を用いる場合、その分散剤の量は、質量基準でフタロシアニン顔料の10~50倍が好ましい。また、用いられる溶剤としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルホルムアミド、N-メチルアセトアミド、N-メチルプロピオアミド等のアミド系溶剤、クロロホルム等のハロゲン系溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤等が挙げられる。また、溶剤の使用量は、質量基準でフタロシアニン顔料の5~30倍が好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルブチラール樹脂がより好ましい。
また、電荷発生層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤をさらに含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物等が挙げられる。
本発明の電荷発生層の平均膜厚は、0.12μm以上であることが帯電電位の大きさによらず残留電位を低く安定させる点で好ましく、0.14μm以上であることがより好ましい。
電荷発生層は、上述の各材料および溶剤を含有する電荷発生層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤等が挙げられる。
(1-2)電荷輸送層
電荷輸送層は、電荷輸送物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷輸送物質としては、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂等が挙げられる。これらの中でも、本願の効果を得るにはイオン化ポテンシャルが5.2eV以上5.4eV以下である化合物が好ましい。5.2eVより小さいと電界強度依存性を表すαが大きく耐久後にメモリ現象が悪化する場合があり、5.4eVより大きいと、残留電位が上がる場合があった。
イオン化ポテンシャルの測定は、理研計器(株)製の大気中光電子分光装置(商品名:AC-2)を用いて、電子を放出する閾値エネルギーを測定してイオン化ポテンシャルを測定した。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して、25質量%以上70質量%以下であることが好ましく、30質量%以上55質量%以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂としては、特にポリアリレート樹脂が好ましい。
電荷輸送物質と樹脂との含有量比(質量比)は、4:10~20:10が好ましく、5:10~12:10がより好ましい。
また、電荷輸送層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤等の添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子等が挙げられる。
電荷輸送層の平均膜厚は、5μm以上30μm以下であることが好ましく、8μm以上17μm以下であることがより好ましく、10μm以上14μm以下であることが特に好ましい。
電荷輸送層は、上述の各材料および溶剤を含有する電荷輸送層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。これらの溶剤の中でも、エーテル系溶剤または芳香族炭化水素系溶剤が好ましい。
(2)単層型感光層
単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂および溶剤を含有する感光層用塗布液を調製し、この塗膜を下引き層上に形成し、乾燥させることで形成することができる。電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂としては、上記「(1)積層型感光層」における材料の例示と同様である。
<保護層>
本発明において、感光層の上に、保護層を設けてもよい。保護層を設けることで、耐久性を向上することができる。
保護層は、導電性粒子および/または電荷輸送物質と、樹脂とを含有することが好ましい。
導電性粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物の粒子が挙げられる。
電荷輸送物質としては、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂等が挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
また、保護層は、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として形成してもよい。その際の反応としては、熱重合反応、光重合反応、放射線重合反応等が挙げられる。重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基等が挙げられる。重合性官能基を有するモノマーとして、電荷輸送能を有する材料を用いてもよい。
保護層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤、等の添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子等が挙げられる。
保護層の平均膜厚は、0.5μm以上5μm以下であることが好ましく、1μm以上3μm以下であることが好ましい。
保護層は、上述の各材料および溶剤を含有する保護層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥および/または硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、スルホキシド系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。
本発明に用いられる電子写真感光体は、支持体と、下引き層と、電荷発生層と、電荷輸送層と、をこの順に有し、該下引き層は、ポリアミド樹脂と、金属酸化物粒子とを含有することが好ましい。また、前記金属酸化物粒子は、酸化チタン粒子であり、該酸化チタン粒子の形状は球形であることが好ましく、その平均一次粒径は、電荷の蓄積の抑制と均一分散性という観点から、10nm以上100nm以下であることが好ましい。また、前記下引き層の膜厚は、0.5μm以上3.0μm以下であることが好ましい。
上記酸化チタン粒子を構成する酸化チタンの結晶構造は、残留電位上昇の抑制という観点から、ルチル型またはアナターゼ型であることが好ましく、光触媒活性の弱いルチル型であることがより好ましい。ルチル型である場合、ルチル化率90%以上であることが好ましい。酸化チタン粒子は、分散性の観点からシランカップリング剤等で処理をしてもよい。例えば、酸化チタン粒子がビニルシランで表面処理されていると、低電界においても電荷発生層中の電荷の引き抜き効果が得られることから残留電位がより低く安定するため好ましい。
さらに、前記電荷発生層は、チタニルフタロシアニン顔料を含有し、該チタニルフタロシアニン顔料は、次の条件を満たすチタニルフタロシアニン顔料であることが好ましい。すなわち、該ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおけるブラッグ角度2θの9.8°±0.3°および27.1°±0.3°にピークを示す結晶型の結晶粒子を有する。さらに、該チタニルフタロシアニン顔料は、小角X線散乱を用いて測定した結晶粒子サイズ分布において50nm~150nmの範囲内にピークAを有し、該ピークAの半値幅が100nm以下である。
また、前記電荷発生層は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を含有し、該ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、次の条件を満たすヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料であることが好ましい。すなわち、該ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおけるブラッグ角度2θの7.4°±0.3°および28.2°±0.3°にピークを示す結晶型の結晶粒子を有する。さらに、該ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、小角X線散乱を用いて測定した結晶粒子サイズ分布において20nm~50nmの範囲内にピークBを有し、該ピークBの半値幅は、50nm以下である。
フタロシアニン顔料の粉末X線回折測定は、次の条件で行うことができる。
(粉末X線回折測定)
使用測定機:理学電気(株)製、X線回折装置RINT-TTRII
X線管球:Cu
X線波長:Kα1
管電圧:50KV
管電流:300mA
スキャン方法:2θスキャン
スキャン速度:4.0°/min
サンプリング間隔:0.02°
スタート角度2θ:5.0°
ストップ角度2θ:35.0°
ゴニオメータ:ローター水平ゴニオメータ(TTR-2)
アタッチメント:キャピラリ回転試料台
フィルター:なし
検出器:シンチレーションカウンター
インシデントモノクロ:使用する
スリット:可変スリット(平行ビーム法)
カウンターモノクロメータ:不使用
発散スリット:開放
発散縦制限スリット:10.00mm
散乱スリット:開放
受光スリット:開放
以下、実施例および比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
実施例および比較例に係る電子写真感光体の各層の膜厚は、電荷発生層を除き、渦電流式膜厚計(Fischerscope、フィッシャーインスツルメント製)を用いる方法、または、単位面積当たりの質量から比重換算する方法で求めた。電荷発生層の膜厚は、マクベス濃度値と、断面SEM画像観察による膜厚測定値から予め取得した校正曲線とを用いて、電子写真感光体のマクベス濃度値を換算することで測定した。ここで、マクベス濃度値は、電子写真感光体の表面に分光濃度計(商品名:X-Rite504/508、X-Rite製)を押し当てて測定した。
[下引き層用塗布液1の調製例]
ルチル型酸化チタン粒子(平均一次粒径:50nm、テイカ製)100部をトルエン500部と攪拌混合し、メチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)3.0部を添加し、8時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、3時間120℃で乾燥させることによって、メチルジメトキシシランで表面処理済みのルチル型酸化チタン粒子を得た。
続いて、以下の材料を用意した。
・前記メチルジメトキシシランで表面処理済みのルチル型酸化チタン粒子18部
・N-メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF-30T、ナガセケムテックス製)4.5部
・共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ製)1.5部
これらを、メタノール90部と1-ブタノール60部との混合溶剤に加えて分散液を調製した。この分散液について、直径1.0mmのガラスビーズを用いて縦型サンドミルにて6時間分散処理を行った。サンドミル分散処理を行った分散液について、その後さらに超音波分散機(UT-205、シャープ製)にて1時間分散処理を行うことにより下引き層用塗布液1を調製した。該超音波分散機の出力は100%とした。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。
[下引き層用塗布液2の調製例]
下引き層用塗布液1の調製例において、サンドミル分散処理時間を4時間に変更した以外は、下引き層用塗布液1と同様にして、下引き層用塗布液2を調製した。
[下引き層用塗布液3の調製例]
ルチル型酸化チタン粒子(平均一次粒径:15nm、テイカ製)100部をトルエン500部と攪拌混合し、さらにメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)9.6部を添加して8時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、3時間120℃で乾燥させることによって、メチルジメトキシシランで表面処理済みのルチル型酸化チタン粒子を得た。
続いて、以下の材料を用意した。
・前記メチルジメトキシシランで表面処理済みのルチル型酸化チタン粒子6部
・N-メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF-30T、ナガセケムテックス製)4.5部
・共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ製)1.5部
これらを、メタノール90部と1-ブタノール60部との混合溶剤に加えて分散液を調製した。この分散液について、直径1.0mmのガラスビーズを用いて縦型サンドミルにて6時間分散処理を行った。サンドミル分散処理を行った分散液について、その後さらに超音波分散機(UT-205、シャープ製)にて1時間分散処理を行うことにより下引き層用塗布液3を調製した。該超音波分散機の出力は100%とした。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。
[下引き層用塗布液4の調製例]
下引き層用塗布液2の調製例において、サンドミル分散処理時間を4時間に変更した以外は、下引き層用塗布液2と同様にして、下引き層用塗布液4を調製した。
[下引き層用塗布液5の調製例]
ルチル型酸化チタン粒子(平均一次粒径:35nm、テイカ製)100部をトルエン500部と攪拌混合し、さらにメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)4.32部を添加して8時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、3時間120℃で乾燥させることによって、メチルジメトキシシランで表面処理済みのルチル型酸化チタン粒子を得た。
続いて、以下の材料を用意した。
・前記メチルジメトキシシランで表面処理済みのルチル型酸化チタン粒子12部
・N-メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF-30T、ナガセケムテックス製)4.5部
・共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ製)1.5部
これらを、メタノール90部と1-ブタノール60部との混合溶剤に加えて分散液を調製した。この分散液について、直径1.0mmのガラスビーズを用いて縦型サンドミルにて6時間分散処理を行った。サンドミル分散処理を行った液について、その後さらに超音波分散機(UT-205、シャープ製)にて1時間分散処理を行うことにより下引き層用塗布液5を調製した。該超音波分散機の出力は100%とした。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。
[下引き層用塗布液6の調製例]
下引き層用塗布液5の調製例において、サンドミル分散処理時間を4時間に変更した以外は、下引き層用塗布液5と同様にして、下引き層用塗布液6を調製した。
[下引き層用塗布液7の調製例]
ルチル型酸化チタン粒子(平均一次粒径:80nm、テイカ製)100部をトルエン500部と攪拌混合し、さらにメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)1.8部を添加して8時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、3時間120℃で乾燥させることによって、メチルジメトキシシランで表面処理済みのルチル型酸化チタン粒子を得た。
続いて、以下の材料を用意した。
・前記メチルジメトキシシランで表面処理済みのルチル型酸化チタン粒子18部
・N-メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF-30T、ナガセケムテックス製)4.5部
・共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ製)1.5部
これらを、メタノール90部と1-ブタノール60部との混合溶剤に加えて分散液を調製した。この分散液について、直径1.0mmのガラスビーズを用いて縦型サンドミルにて6時間分散処理を行った。サンドミル分散処理を行った液について、その後さらに超音波分散機(UT-205、シャープ製)にて1時間分散処理を行うことにより下引き層用塗布液7を調製した。該超音波分散機の出力は100%とした。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。
[下引き層用塗布液8の調製例]
下引き層用塗布液7の調製例において、サンドミル分散処理時間を4時間に変更した以外は、下引き層用塗布液7と同様にして、下引き層用塗布液8を調製した。
[下引き層用塗布液9の調製例]
ルチル型酸化チタン粒子(平均一次粒径:120nm、テイカ製)100部をトルエン500部と攪拌混合し、さらにメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)1.8部を添加して8時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、3時間120℃で乾燥させることによって、メチルジメトキシシランで表面処理済みのルチル型酸化チタン粒子を得た。
続いて、以下の材料を用意した。
・前記メチルジメトキシシランで表面処理済みのルチル型酸化チタン粒子18部
・N-メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF-30T、ナガセケムテックス製)4.5部
・共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ製)1.5部
これらを、メタノール90部と1-ブタノール60部との混合溶剤に加えて分散液を調製した。この分散液について、直径1.0mmのガラスビーズを用いて縦型サンドミルにて6時間分散処理を行った。サンドミル分散処理を行った液について、その後さらに超音波分散機(UT-205、シャープ製)にて1時間分散処理を行うことにより下引き層用塗布液9を調製した。該超音波分散機の出力は100%とした。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。
[下引き層用塗布液10の調製例]
下引き層用塗布液1の調製例において、メチルジメトキシランをビニルトリメトキシシラン(商品名:KBM-1003、信越化学製)に変更した以外は、下引き層用塗布液1と同様にして、下引き層用塗布液10を調製した。
[下引き層用塗布液11の調製例]
下引き層用塗布液10の調製例において、サンドミル分散処理時間を4時間に変更した以外は、下引き層用塗布液10と同様にして、下引き層用塗布液11を調製した。
[下引き層用塗布液12の調製例]
以下の材料を用意した。
・ルチル型酸化チタン粒子(平均一次粒径:50nm、テイカ製)18部
・N-メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF-30T、ナガセケムテックス製)4.5部
・共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ製)1.5部
これらを、メタノール90部と1-ブタノール60部との混合溶剤に加えて分散液を調製した。この分散液について、直径1.0mmのガラスビーズを用いて縦型サンドミルにて6時間分散処理を行った。こうしてサンドミル分散処理を行った液について、その後さらに超音波分散機(UT-205、シャープ製)にて1時間分散処理を行うことにより下引き層用塗布液12を調製した。該超音波分散機の出力は100%とした。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。
[下引き層用塗布液13の調製例]
N-メトキシメチル化ナイロン6(商品名:トレジンEF-30T、ナガセケムテックス製)25部をメタノール/n-ブタノール=2/1混合溶液480部に65℃で加熱して溶解させた。その後、これにより得られた溶液を室温まで冷却した。その後、冷却して得た溶液をメンブランフィルター(商品名:FP-022、孔径:0.22μm、住友電気工業製)で濾過して、下引き層用塗布液13を調製した。
[フタロシアニン顔料の合成]
[合成例1]
窒素フローの雰囲気下、オルトフタロニトリル5.46部およびα-クロロナフタレン45部を反応釜に投入した後、加熱して温度30℃まで昇温させ、温度30℃を維持した。次に、この温度30℃で三塩化ガリウム3.75部を反応釜に投入した。投入時の反応釜中の混合液の水分濃度は150ppmであった。その後、反応釜の温度を200℃まで昇温させた。次に、窒素フローの雰囲気下、温度200℃で4.5時間反応させた後、冷却し、温度150℃に達したときに生成物を濾過した。得られた濾過物をN,N-ジメチルホルムアミドを用いて温度140℃で2時間分散洗浄した後、濾過した。得られた濾過物をメタノールで洗浄した後、乾燥させ、クロロガリウムフタロシアニン顔料を収率71%で得た。
[合成例2]
前記合成例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料4.65部を、温度10℃で濃硫酸139.5部に溶解させた。得られた溶液を、氷水620部中に攪拌下で滴下して再析出させ、析出物を含む溶液を、フィルタープレスを用いて減圧濾過した。このときにフィルターとして、No.5C(アドバンテック社製)を用いた。得られた濾過物を2%アンモニア水で30分間分散洗浄した後、フィルタープレスを用いて濾過した。次いで、得られた濾過物をイオン交換水で分散洗浄した後、フィルタープレスを用いた濾過を3回繰り返した。最後に凍結乾燥を行い、固形分23%のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(含水ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料)を収率97%で得た。
[合成例3]
前記合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料6.6kgをハイパー・ドライ乾燥機(商品名:HD-06R、周波数(発振周波数):2455MHz±15MHz、日本バイオコン製)を用いて以下のように乾燥させた。
上記ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を、専用円形プラスチックトレイにフィルタープレスから取り出したままの固まりの状態(含水ケーキ厚4cm以下)で載せ、遠赤外線はオフ、乾燥機の内壁の温度は50℃になるように設定した。そして、マイクロ波照射時は真空ポンプとリークバルブを調整し、真空度が4.0~10.0kPaの範囲内となるように調整した。
先ず、第1工程として、4.8kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に50分間照射し、次に、マイクロ波を一旦オフにしてリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この時点でのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の固形分は88%であった。
第2工程として、リークバルブを調整し、真空度(乾燥機内の圧力)を上記設定値(4.0~10.0kPa)内に調整した。その後、1.2kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に5分間照射し、また、マイクロ波を一旦オフにしてリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この第2工程をさらに1回繰り返した(計2回)。この時点でのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の固形分は98%であった。
さらに第3工程として、第2工程でのマイクロ波の出力を1.2kWから0.8kWに変更した以外は第2工程と同様にしてマイクロ波照射を行った。この第3工程をさらに1回繰り返した(計2回)。
さらに第4工程として、リークバルブを調整し、真空度(乾燥機内の圧力)を上記設定値(4.0~10.0kPa)内に復圧した。その後、0.4kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に3分間照射し、また、マイクロ波を一旦オフにしてリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この第4工程をさらに7回繰り返した(計8回)。
以上、合計3時間で、含水率1%以下のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(結晶)を1.52kg得た。
[合成例4]
α-クロロナフタレン100g中、o-フタロジニトリル5.0gおよび四塩化チタン2.0gを200℃にて3時間加熱攪拌した後、50℃まで冷却した。冷却により析出した結晶を濾別してジクロロチタニウムフタロシアニンのペーストを得た。次に得られたペーストを、100℃に加熱したN,N-ジメチルホルムアミド100mLで攪拌洗浄し、次いで60℃のメタノール100mLで2回洗浄を繰り返した後、濾別した。さらに濾別により得られたペーストを脱イオン水100mL中80℃で1時間攪拌し、濾別して青色のチタニルフタロシアニン顔料を4.3g得た。
次に得られた青色のチタニルフタロシアニン顔料を濃硫酸30mLに溶解させ20℃の脱イオン水300mL中に攪拌下で滴下して再析出した。その後、析出物を含む溶液を濾過して十分に水洗することで、非晶質のチタニルフタロシアニン顔料を得た。この非晶質のチタニルフタロシアニン顔料4.0gをメタノール100mL中で室温(22℃)下、8時間懸濁攪拌処理した。その後、濾別して減圧乾燥し、低結晶性のチタニルフタロシアニン顔料を得た。
[合成例5]
窒素フローの雰囲気下、α-クロロナフタレン100mLに、三塩化ガリウム10gおよびオルトフタロニトリル29.1gを加え、温度200℃で24時間反応させた後、生成物を濾過した。得られた濾過物を、N,N-ジメチルホルムアミドを用いて温度150℃で30分間加熱撹拌した後、濾過した。得られた濾過物をメタノールで洗浄した後、乾燥させ、クロロガリウムフタロシアニン顔料を収率83%で得た。
上記の方法で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料2部を、濃硫酸50部に溶解させ、2時間攪拌した。その後、これにより得た溶液を、氷冷しておいた蒸留水170mLおよび濃アンモニア水66mLの混合溶液に滴下して、再析出させた。析出物を含む溶液を蒸留水で十分に洗浄し、乾燥して、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1.8部を得た。
[電荷発生層用塗布液1の調製例]
以下の材料を用意した。
・合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部
・N-メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9.5部
・直径0.9mmのガラスビーズ15部
これらを室温(23℃)下で6時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS-6、柏洋硝子製)を用いた。ミリング処理した液を、室温(23℃)下で100時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器の中身を取り出すことなく、容器をそのままボールミルにセットし、容器が1分間に120回転する条件で行った。したがって、二段階目のミリング処理において一段階目と同様のガラスビーズを用いた。処理した液をフィルター(品番:N-NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。濾過後の溶液にN-メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。
得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、次の位置にピークを有していた。すなわち、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、ブラッグ角度2θの7.4°±0.3°、9.9°±0.3°、16.2°±0.3°、18.6°±0.3°、25.2°±0.3°および28.2°±0.3°にピークを有していた。
また、H-NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内におけるN-メチルホルムアミドの含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して1.9質量%であった。
続いて、以下の材料を用意した。
・前記ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料20部
・ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX-1、積水化学工業製)10部
・シクロヘキサノン190部
・直径0.9mmのガラスビーズ482部
これらを冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K-800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部および酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液1を調製した。
フタロシアニン顔料の小角X線散乱を用いた測定は以下の手順により行った。
まず、調製した電荷発生層塗布液1に対してシクロヘキサノンを追加し、電荷発生物質の濃度が1質量%になるまで希釈し、測定試料とした。
得られた測定試料について、リガク製の多目的X線回折装置SmartLabを用い、小角X線散乱測定(X線の波長:0.154nm)を行った。
測定で得られた散乱プロファイルを、粒径解析ソフトウェアNANO-Solverを用いて解析し、結晶粒子サイズ分布を得た。なお、粒子形状は球を仮定した。
測定の結果、電荷発生層用塗布液1が含有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、小角X線散乱を用いて測定した結晶粒子サイズ分布において38nmの位置にピークを有し、ピークの半値幅は38nmであった。
[電荷発生層用塗布液2の調製例]
電荷発生層用塗布液1の調製例において、二段階目のボールミルで100時間のミリング処理を1000時間に変更したこと以外は、電荷発生層用塗布液1と同様にして、電荷発生層用塗布液2を調製した。電荷発生層用塗布液2が含有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、小角X線散乱を用いて測定した結晶粒子サイズ分布において33nmの位置にピークを有し、ピークの半値幅は35nmであった。
また、H-NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内におけるN-メチルホルムアミドの含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して1.5質量%であった。
[電荷発生層用塗布液3の調製例]
電荷発生層用塗布液1の調製例において、二段階目のボールミルで100時間のミリング処理を2000時間に変更したこと以外は、電荷発生層用塗布液1と同様にして、電荷発生層用塗布液3を調製した。電荷発生層用塗布液3が含有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、小角X線散乱を用いて測定した結晶粒子サイズ分布において27nmの位置にピークを有し、ピークの半値幅は35nmであった。
また、H-NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内におけるN-メチルホルムアミドの含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して1.5質量%であった。
[電荷発生層用塗布液4の調製例]
以下の材料を用意した。
・電荷発生層用塗布液3の調製例におけるミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料25部
・ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX-1、積水化学工業製)5部
・シクロヘキサノン190部
これらを遠心分離用容器に入れ、設定温度18℃下で30分間、高速冷却遠心機(商品名:himac CR22G、日立工機社製)を用いて遠心分離処理した。この際、ローターとして商品名:R14A(日立工機社製)を用い、加速減速は最短時間、1分間に1,800回転する条件で行った。この遠心分離後の上澄み液を速やかに別の遠心分離用容器に収集した。これにより得られた溶液について、1分間に8,000回転する条件にしたこと以外は上記と同様にして再び遠心分離処理し、遠心分離後の上澄み液を除いて残った溶液を速やかに別のサンプルびんに収集した。これにより得られた溶液中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料とポリビニルブチラールとの重量比を、H-NMR測定によって求めた。また、得られた溶液について、150℃に設定した乾燥機を用いて30分間の乾燥を行い、乾燥前後の重量差を測定する方法で固形分を求めた。
続いて、前記遠心分離処理で得られた溶液に対し、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX-1、積水化学工業製)およびシクロヘキサノンを加えた。このとき、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料とポリビニルブチラールとシクロヘキサノンとの重量比が20:10:190(ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料:ポリビニルブチラール:シクロヘキサノ)となるようにした。この溶液220部と、直径0.9mmのガラスビーズ482部とを冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K-800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部および酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液4を調製した。電荷発生層用塗布液4が含有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、小角X線散乱を用いて測定した結晶粒子サイズ分布において20nmの位置にピークを有し、ピークの半値幅は27nmであった。
[電荷発生層用塗布液5の調製例]
電荷発生層用塗布液4の調製例の遠心分離処理前において、用意するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を、以下により得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に変更した。それ以外は、電荷発生層用塗布液4の調製例と同様にして、電荷発生層用塗布液5を調製した。
まず、以下の材料を用意した。
・合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部
・N-メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9.5部
・直径0.9mmのガラスビーズ15部
これらを室温(23℃)下で100時間、ボールミルでミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS-6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に60回転する条件で行った。上記処理で得た液をフィルター(品番:N-NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。得られた濾液にN-メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.45部得た。
上記で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、次の位置にピークを有していた。すなわち、上記で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、ブラッグ角度2θの7.4°±0.3°、9.9°±0.3°、16.2°±0.3°、18.6°±0.3°、25.2°±0.3°および28.2°±0.3°にピークを有していた。
電荷発生層用塗布液5が含有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、小角X線散乱を用いて測定した結晶粒子サイズ分布において41nmの位置にピークを有し、ピークの半値幅は40nmであった。また、H-NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内におけるN-メチルホルムアミドの含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.1質量%であった。
[電荷発生層用塗布液6の調製例]
電荷発生層用塗布液5の調製例において、ボールミルで100時間のミリング処理を40時間に変更したこと以外は、電荷発生層用塗布液5と同様にして、電荷発生層用塗布液6を調製した。電荷発生層用塗布液6が含有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、小角X線散乱を用いて測定した結晶粒子サイズ分布において55nmの位置にピークを有し、ピークの半値幅は49nmであった。
[電荷発生層用塗布液7の調製例]
電荷発生層用塗布液1の調製例において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、電荷発生層用塗布液1と同様にして、電荷発生層用塗布液7を調製した。
まず、以下の材料を用意した。
・合成例5で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部
・N,N-ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)7.5部
・直径0.9mmのガラスビーズ29部
これらを温度25℃下で24時間、ボールミルでミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS-6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に60回転する条件で行った。上記処理で得た液をフィルター(品番:N-NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。得られた濾液にN,N-ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物を酢酸n-ブチルで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.45部得た。
電荷発生層用塗布液7が含有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、小角X線散乱を用いて測定した結晶粒子サイズ分布において60nmの位置にピークを有し、ピークの半値幅は58nmであった。
[電荷発生層用塗布液8の調製例]
以下の材料を用意した。
・合成例4で得られたチタニルフタロシアニン顔料0.5部
・テトラヒドロフラン10部
・直径0.9mmのガラスビーズ15部
これらを冷却水温度18℃下で48時間、サンドミル(K-800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いてミリング処理した。この際、ディスクが1分間に500回転する条件で行った。上記処理で得た液をフィルター(品番:N-NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。得られた濾液にテトラヒドロフランを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をメタノールと水で十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、チタニルフタロシアニン顔料を0.46部得た。得られたチタニルフタロシアニン顔料はCuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度2θ°の9.8°±0.3°および27.1°±0.3°にピークを有していた。
続いて、以下の材料を用意した。
・前記ミリング処理で得られたチタニルフタロシアニン顔料12部
・ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX-1、積水化学工業製)10部
・シクロヘキサノン139部
・直径0.9mmのガラスビーズ354部
これらを冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K-800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン326部および酢酸エチル465部を加えることによって、電荷発生層用塗布液8を調製した。
電荷発生層用塗布液8が含有するチタニルフタロシアニン顔料は、小角X線散乱を用いて測定した結晶粒子サイズ分布において70nmの位置にピークを有し、ピークの半値幅は90nmであった。
[電荷発生層用塗布液9の調製例]
以下の材料を用意した。
・チタニルフタロシアニン顔料(CG-01H、ITchem社製)15部
・ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX-1、積水化学工業製)10部
・シクロヘキサノン139部
・直径0.9mmのガラスビーズ354部
これらを冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K-800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン326部および酢酸エチル465部を加えることによって、電荷発生層用塗布液9を調製した。
電荷発生層用塗布液9が含有するチタニルフタロシアニン顔料は、小角X線散乱を用いて測定した結晶粒子サイズ分布において100nmの位置にピークを有し、ピークの半値幅は140nmであった。
[電荷輸送層用塗布液1の調製例]
以下の材料を用意した。
・電荷輸送物質として、下記式(A1)で示されるトリアリールアミン化合物5部
・電荷輸送物質として、下記式(A2)で示されるトリアリールアミン化合物5部
・ポリカーボネート(商品名:ユーピロンZ-400、三菱エンジニアリングプラスチックス製)10部
Figure 2023131675000020
Figure 2023131675000021
これらをオルトキシレン25部/安息香酸メチル25部/ジメトキシメタン25部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液1を調製した。
[電荷輸送層用塗布液2の調製例]
以下の材料を用意した。
・電荷輸送物質として、下記式(A10)で表される電荷輸送物質90部
・下記式(A11)で示される構造単位と、下記式(A12)で示される構造単位とを、5:5の割合で有し、重量平均分子量が100,000であるポリアリレート樹脂100部
Figure 2023131675000022
Figure 2023131675000023
Figure 2023131675000024
これらを、ジメトキシメタン300部およびクロロベンゼン700部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液2を調製した。
[電荷輸送層用塗布液3の調製例]
以下の材料を用意した。
・電荷輸送物質として、下記式(A14)で示される電荷輸送物質50部
・下記式(A15)で示される構造単位と、下記式(A16)で示される構造単位とを、繰り返し単位51モル%:49モル%の割合で有し、p-t-ブチルフェノールに由来する末端構造式を有するポリカーボネート樹脂100部
・2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール8部
・シリコーンオイル(商品名:KF96、信越化学工業(株)製)0.03部
Figure 2023131675000025
Figure 2023131675000026
Figure 2023131675000027
これらをテトラヒドロフラン/トルエン(重量比8/2)混合溶媒640部に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液3を調製した。
[保護層用塗布液1の調製例]
以下の材料を用意した。
・下記式(4-1)で示される化合物24部
・シロキサン変性アクリル化合物(サイマックUS270、東亞合成(株)製)1.2部
これらを、シクロヘキサン42部と1-プロパノール18部との混合溶媒と混合して撹拌し、保護層用塗布液1を調製した。
Figure 2023131675000028
[電子写真感光体製造例1]
<支持体>
直径30mm、長さ260.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体(円筒状支持体)とした。
<導電層>
基体として、平均一次粒径が200nmのアナターゼ型酸化チタンを使用した。また、チタンをTiO換算で33.7部、ニオブをNb換算で2.9部含有するチタンニオブ硫酸溶液を調製した。
基体100部を純水に分散して1000部の懸濁液とし、60℃に加温した。チタンニオブ硫酸溶液と10mol/L水酸化ナトリウムとを懸濁液のpHが2~3になるよう3時間かけて上記懸濁液に滴下した。全量滴下後、pHを中性付近に調製し、ポリアクリルアミド系凝集剤を添加して固形分を沈降させた。上澄みを除去し、ろ過および洗浄を行い、110℃で乾燥することで、凝集剤由来の有機物をC換算で0.1質量%含有する中間体を得た。この中間体を窒素中750℃で1時間焼成を行った後、空気中450℃で焼成して、酸化チタン粒子を作製した。得られた酸化チタン粒子は、走査型電子顕微鏡を用いた粒径測定方法で求められる平均粒径(平均一次粒径)が220nmであった。
続いて、結着材料としてのフェノール樹脂50部を、溶剤としての1-メトキシ-2-プロパノール35部に溶解させて溶液を得た。フェノール樹脂としては、フェノール樹脂のモノマーとオリゴマーとの混合物である市販品(商品名:プライオーフェンJ-325、DIC製、樹脂固形分:60%、硬化後の密度:1.3g/cm)を用いた。
この溶液に酸化チタン粒子1を60部加え、これを分散媒体として平均粒径1.0mmのガラスビーズ120部を用いた縦型サンドミルに入れ、分散液温度23±3℃、回転数1500rpm(周速5.5m/s)の条件で4時間分散処理を行い、分散液を得た。この分散液からメッシュでガラスビーズを取り除いた。
続いて、以下の材料を用意した。
・レベリング剤としてシリコーンオイル(商品名:SH28 PAINT ADDITIVE、東レ・ダウコーニング製)0.01部
・表面粗さ付与材としてシリコーン樹脂粒子(商品名:KMP-590、信越化学工業製、平均粒径:2μm、密度:1.3g/cm)8部
これらを、ガラスビーズを取り除いた後の分散液に添加して攪拌し、PTFE濾紙(商品名:PF060、アドバンテック東洋製)を用いて加圧ろ過することによって、導電層用塗布液を調製した。
上記により調製した導電層用塗布液を上述の支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を150℃で20分間加熱し硬化させることにより、膜厚が25μmの導電層を形成した。
<下引き層>
下引き層用塗布液1を上述の導電層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を温度100℃で10分間加熱乾燥することにより、膜厚が2μmの下引き層を形成した。
<電荷発生層>
電荷発生層用塗布液1を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を温度100℃で10分間加熱乾燥することにより、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
<電荷輸送層>
電荷輸送層用塗布液1を上述の電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を温度120℃で30分間加熱乾燥することにより、膜厚が14μmの電荷輸送層を形成した。
以上のようにして、電子写真感光体1を得た。
[評価1]
電子写真感光体製造例1で得られた電子写真感光体1について、次の測定および解析を行い、定数A、m、τを算出した。
図5に示す測定装置を用意した。透明電極が表面に蒸着された透明ガラス201を用意し、その上に導通が取れるように電子写真感光体202を設置する。電子写真感光体202は支持体を介してアースに接続されている。電子写真感光体は透明ガラス201と導線を介して電源203と繋がっており、制御用のコンピュータ204から指令を出すことで電子写真感光体202に電圧を印加することができる。また、電子写真感光体202は透明ガラス201と導線を介して高速電位計205とも接続されており、透明ガラス201と接した電子写真感光体202表面の電位を瞬時に読み取ることができる。電子写真感光体表面202には、透明ガラス201の裏側から光源206によって光を照射することができ、帯電された電子写真感光体202に光源206から光を照射し、その時の電位の変化を高速電位計205で読み取ることができる。
図5に示す測定装置を用いて、電子写真感光体の特性を以下の条件で規定した。
(1)電子写真感光体202を0.005秒間帯電させる。
(2)(1)の帯電開始から0.06秒後に測定して得られる帯電電位の絶対値をV[V]とする。
(3)(1)の帯電開始から0.18秒後に再び帯電電位の絶対値がVとなるように該電子写真感光体202を0.005秒間帯電させる。
(4)(3)の帯電開始から0.02秒後に光源206を用いて波長が805[nm]で光量が0.5[μJ/cm2]の光で露光する。
(5)(3)の帯電開始から0.06秒後に測定して得られる帯電電位の絶対値を残留電位V[V]とする。
(6)Vを100Vから1000Vまで50Vの間隔で変化させながら(1)~(5)の手順を繰り返し行い各該Vに対応する該Vを測定する。
(7)(6)で得られた該Vおよび該Vについて、横軸をV、縦軸をVとしてプロットして得たグラフを下記式(E-1)で近似することで、下記式(E-1)中の定数A、m、τを決定する。
Figure 2023131675000029
従来の電子写真感光体の特性評価においては、電子写真装置を改造して電子写真感光体の帯電電位を測定することが多い。この場合、電子写真感光体の露光位置と電位測定位置とが異なるため、露光部が露光位置から電位測定位置に来るまでの間に暗減衰による電位減少が生じる。そのため、残留電位Vは露光した瞬間の電位よりも絶対値が小さく測定される。このとき、電子写真装置のプロセススピードが速いほど時間差は小さくなり暗減衰も小さくなる。本実施例における電子写真感光体の特性評価方法は、時間差なく電子写真感光体の帯電電位を測定することができることから、電子写真装置のプロセススピードを最大化した最も厳しい条件で測定できる装置と考えることができる。
[電子写真感光体製造例2]
電子写真感光体製造例1において、導電層を設けずに、支持体上に下引き層を形成した以外は、電子写真感光体製造例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
[電子写真感光体製造例3]
電子写真感光体製造例1において、保護層用塗布液1を電子写真感光体製造例1の電荷輸送層上に浸漬塗布して以下の条件で塗膜を形成した。それ以外は、電子写真感光体製造例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
保護層用塗布液1を電荷輸送層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を4分間35℃で乾燥させた。その後、窒素雰囲気下にて、加速電圧57kV、ビーム電流5.3mAの条件で支持体(被照射体)と電子線照射窓の距離を25mmとし、支持体(被照射体)を300rpmの速度で回転させながら、4.8秒間電子線を塗膜に照射した。なお、このときの電子線の吸収線量を測定したところ、20kGyであった。その後、窒素雰囲気下にて、25℃から137℃まで10秒かけて昇温させ、塗膜の加熱を行った。電子線照射から、その後の加熱処理までの酸素濃度は10ppm以下であった。次に、大気中において、塗膜の温度が25℃になるまで自然冷却し、塗膜の温度が100℃になる条件で10分間加熱処理を行い、膜厚3.0μmの保護層を形成した。
[電子写真感光体製造例3~29]
電子写真感光体製造例1に対して、導電層の有無;下引き層、電荷発生層、電荷発生層および電荷輸送層の形成に用いた各塗布液の種類および各層の膜厚;ならびに保護層の有無および膜厚を表1のように変更した。それ以外は電子写真感光体製造例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
Figure 2023131675000030
[実施例1]
ヒューレットパッカード社製のレーザービームプリンタ(商品名:HP LaserJet Enterprise M612dn)を改造した電子写真装置Xに電子写真感光体1を取り付け、これを電子写真装置1とした。
電子写真装置Xは、電子写真感光体の帯電電位を表面電位計によって測定できる。また電子写真装置Xには、電圧印加手段と、電荷移動量検知手段と、帯電電位制御手段とが取り付けられている。該電圧印加手段は、帯電ローラーに対して直流電圧を印加し、帯電ローラーから電子写真感光体1に放電させるための手段である。また、該電荷移動量検知手段は、帯電ローラーから電子写真感光体への放電による単位時間あたりの電荷移動量を検知するための手段である。また、該帯電電位制御手段は、検知された単位時間あたりの電荷移動量の情報をもとに、放電開始電圧Vthと直流電圧に対する電荷移動量の傾きとを算出する。帯電電位制御手段はさらに、算出結果をもとに帯電電位の制御目標値Vtdに対する制御直流電圧VDC1を算出し、その結果を電圧印加手段にフィードバックする。
電子写真装置Xにおける検出可能な最小の単位時間あたりの電荷移動量Iminは次のような方法で測定した.
以下、Iminの測定方法の具体的な手順を説明する。
まず、プロセスカートリッジと帯電ローラーとの接点Aと、プロセスカートリッジと電子写真装置X本体との帯電高圧接点B(電子写真装置本体に内蔵された高圧電源からプロセスカートリッジへ電圧供給するための接点のこと)と、の間に電荷移動量検知手段を接続する。そして、接点Aと帯電高圧接点Bとの間を絶縁することで、電荷移動量検知手段を介して電流が流れるようにする。これにより、帯電ローラーから電子写真感光体に流れる電荷移動量である電流量を測定できるようになる。
次に、べた白画像を5枚プリントし、前回転3秒、後回転1秒を除いた区間における、画像形成時の電流値を電荷移動量検知手段により測定する。電流値は10ms刻みにサンプリングし、上記区間における電流値の最大値および最小値を特定する。
上記で特定する電流値の最大値と最小値との差とを、温湿度32.5℃80%の高温高湿度環境と15℃10%の低温低湿度環境との2環境において算出し、上記2環境で得られた電流値差の大きい方の値をIminとする。
上述した方法を用いて、電子写真装置Xにおける検出可能な最小の単位時間あたりの電荷移動量Iminを測定した結果、Iminは1.4μAであった。なお、高温高湿度環境で得られた電流値の最大値と最小値との差は1.2μAであり、低温低湿度環境で得られた電流値の最大値と最小値との差は1.4μAであった。
次に、測定されたIminから次の方法で最小検知可能電位差の絶対値Vminを算出した。以下、Vmin測定方法の具体的な手順を説明する。
まず、上記電子写真装置X本体の帯電高圧接点Bを絶縁する。外部電源(TREK615-3-L)を用意し、上記外部電源と接点Aとを電荷移動量検知手段を介して接続する。上記外部電源はプロセスカートリッジを駆動させるモータに連動させ、モータ駆動と同時に電圧を印加し、モータ停止と同時に電圧の印加を停止するようにする。
次に、べた白画像を5枚プリントし、前回転3秒、後回転1秒を除いた区間における、画像形成時の電流値を測定する。外部電源の印加電圧Vを-800Vに設定し、電流値は10ms刻みにサンプリングし、上記区間における電流値の平均値Iを算出する。外部電源の設定を-1200V(V)に変更し、同様に上記区間における電流値の平均値Iを算出する。
上記条件で電子写真装置1について測定を行ったところ、I=20.9μA、I=65.7μAであった。
次に、V、V、I、およびIから電流に対して電圧をプロットして得られる直線の傾きを求め、Vminを算出した。
min=|Imin×(V-V)/(I-I)|
=|-1.4×400/44.8|
=12.5V
これより、最小検知可能電位差の絶対値Vminは、12.5Vと算出された。
[評価2]
上述したVの算出式(E-2)およびVの算出式(E-3)に基づき、[評価1]で解析した電子写真感光体1の特性(A、m、τ)および上記算出したVminの値から、VおよびVを見積もった。その結果、表2に示す通り、V=16.8(V)、V=8105(V)であった。
これより、電子写真装置1は、下記不等式(E-4)を満たすことが分かった。
100V<V-V (E-4)
評価2では、上記不等式(E-4)を満たす場合をA、満たさない場合をBと判定した。
[評価3]
上述したVの算出式(E-2)およびV´の算出式(E-11)に基づき、[評価1]で解析した電子写真感光体1の特性(A、m、τ)および上記算出したVminの値から、VおよびV´を見積もった。その結果、表2に示す通り、V=16.8(V)、V´=5237(V)であった。
これより、電子写真装置1は下記不等式(E-12)を満たすことが分かった。
100V1<V2´-V1 (E-12)
評価3では、上記不等式(E-12)を満たす場合をA、満たさない場合をBと判定した。
[評価4]
電子写真装置1において、以下の制御方法1に基づいて帯電電位の制御を実施した。帯電電位の制御目標値Vtd=-500Vとし、制御後に得られた帯電電位の絶対値Vd1を用いて下記式(E-20)に基づいて制御の精度Acc1を算出した。
Acc1=100×|Vd1-500|/500 (E-20)
[制御方法1]
(1)帯電電位が0Vの状態でシーケンススタート。
(2)メインモータを駆動。
(3)現像バイアスを印加。
(4)露光。
(5)帯電ローラーにVA=-800(V)を印加し、電子写真感光体1周分の電流値を平均化する。
(6)帯電ローラーにVB=-3000(V)を印加し、電子写真感光体1周分の電流値を平均化する。
(7)(5)および(6)の2点における印加電圧と電流値との関係を直線で近似することで、放電開始電圧Vthを算出する。
(8)(7)で算出された放電開始電圧Vthと、帯電電位の制御目標値Vtd=-500Vとから上述した式(E-15)を用いて制御直流電圧VDC1を算出する。
(9)メインモータ、現像バイアス停止、露光停止。
(10)シーケンス終了。
上記制御(5)における帯電電位の絶対値はVdm=269(V)、上記制御(6)における帯電電位の絶対値はVdM=2469(V)であった。一方、[評価2]および[評価3]より、電子写真感光体1のV、V、およびV´は、それぞれV=16.8(V)、V=8105(V)、V´=5237(V)である。これより、電子写真装置1は下記不等式(E-18)および下記不等式(E-19)を満たすことが分かった。
<Vdm<VdM≦V (E-18)
<Vdm<VdM≦V´ (E-19)
なお、評価4では、上記不等式(E-18)および上記不等式(E-19)それぞれについて、満たす場合をA、満たさない場合をBと判定した。
上記制御(5)および(6)で得られた値より算出された推定放電開始電圧Vthは-527Vであった。よって上記制御(8)で得られた制御直流電圧VDC1は-527(V)+(-500(V))=-1027Vであった。これにより得られた制御直流電圧VDC1を用いて電子写真装置1において電子写真感光体1を帯電させた結果、得られた帯電電位は-496Vであった。
よってAcc1は、Acc1=100×|496-500|/500=0.8(%)であった。
なお、上記の制御方法1を電子写真装置1に対して実行した結果、制御に要した時間は、1.5秒であった。
[実施例2]
実施例1において、評価4で実施する制御方法として制御方法1の代わりに以下に示す制御方法2を用いて帯電電位を制御した以外は、実施例1と同様に制御を実施した。
[制御方法2]
(1)帯電電位が0Vの状態でシーケンススタート。
(2)メインモータを駆動。
(3)現像バイアスを印加。
(4)露光。
(5)帯電ローラーにVA=-800(V)を印加し、電子写真感光体1周分の電流値を平均化する。
(6)帯電ローラーにVC=-1350(V)を印加し、電子写真感光体1周分の電流値を平均化する。
(7)(5)および(6)の2点における印加電圧と電流値との関係を直線で近似することで、放電開始電圧Vthを算出する。
(8)(7)で算出された放電開始電圧Vthと、帯電電位の制御目標値Vtd=-500Vとから上述した式(E-15)を用いて制御直流電圧VDC2を算出する。
(9)メインモータ、現像バイアス停止、露光停止。
(10)シーケンス終了。
上記制御(5)における帯電電位の絶対値はVdm=269(V)、上記制御(6)における帯電電位の絶対値はVdM=819(V)であった。一方、[評価2]および[評価3]より、電子写真感光体1のV、V、およびV´は、それぞれV=16.8(V)、V=8105(V)、V´=5237(V)である。これより、電子写真装置1は上記不等式(E-18)および上記不等式(E-19)を満たすことが分かった。
上記制御(5)および(6)で得られた値より算出された推定放電開始電圧Vthは-528Vであった。よって上記制御(8)で得られた制御直流電圧VDC1は-528(V)+(-500(V))=-1028Vであった。これにより得られた制御直流電圧VDC1を用いて電子写真装置1において電子写真感光体1を帯電させた結果、得られた帯電電位は-497Vであった。
よってAcc1は、Acc1=100×|497-500|/500=0.6(%)であった。
なお、上記の制御方法2を電子写真装置1に対して実行した結果、制御に要した時間は、1.5秒であった。
[実施例3]
実施例1において、評価4で実施する制御方法として制御方法1の代わりに以下に示す制御方法3を用いて帯電電位を制御した以外は、実施例1と同様に制御を実施した。
[制御方法3]
(1)帯電電位が0Vの状態でシーケンススタート。
(2)メインモータを駆動。
(3)現像バイアスを印加。
(4)露光。
(5)帯電ローラーにVA=-800(V)を印加し、ドラム1周分の電流値を平均化する。
(6)帯電ローラーにVC=-1350(V)を印加し、ドラム1周分の電流値を平均化する。
(7)帯電ローラーにVE=-1800(V)を印加し、ドラム1周分の電流値を平均化する。
(8)(5)、(6)、および(7)の3点における印加電圧と電流値との関係を2次関数で近似することで、放電開始電圧Vthを算出する。
(9)(8)で算出された放電開始電圧Vthと、帯電電位の制御目標値Vtd=-500Vとから上述した式(E-15)を用いて制御直流電圧VDC3を算出する。
(10)メインモータ、現像バイアス停止、露光停止。
(11)シーケンス終了。
上記制御(5)における帯電電位の絶対値はVdm=269(V)、上記制御(7)における帯電電位の絶対値はVdM=1269(V)であった。一方、[評価2]および[評価3]より、電子写真感光体1のV、V、およびV´は、それぞれV=16.8(V)、V=8105(V)、V´=5237(V)である。これより、実施例3は上記不等式(E-18)および上記不等式(E-19)を満たすことが分かった。
上記制御(5)、(6)、および(7)で得られた値より算出された推定放電開始電圧Vthは-528Vであった。よって上記制御(8)で得られた制御直流電圧VDC1は-528(V)+(-500(V))=-1028Vであった。これにより得られた制御直流電圧VDC1を用いて電子写真装置1において電子写真感光体1を帯電させた結果、得られた帯電電位は-497Vであった。
よってAcc1は、Acc1=100×|497-500|/500=0.6(%)であった。
なお、上記の制御方法3を電子写真感光体1に対して実行した結果、制御に要した時間は、1.8秒であった。
[実施例4~30、比較例1~11]
電子写真装置Xに取り付ける電子写真感光体の種類および帯電電位制御の制御方法を表2に示す通りに変えた以外は実施例1と同様にして評価を行った。
Figure 2023131675000031
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電部材
4 露光光
5 現像手段
6 転写部材
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段
13 帯電手段
14 電荷移動量検知手段
15 帯電電位制御手段
16 転写手段
101 支持体
102 下引き層
103 電荷発生層
104 電荷輸送層
105 感光層
201 透明ガラス
202 電子写真感光体
203 電源
204 コンピュータ
205 高速電位計
206 光源

Claims (17)

  1. 電子写真感光体と、
    導電性部材から該電子写真感光体に放電させるための電圧印加手段と、
    該導電性部材から該電子写真感光体への放電による単位時間当たりの電荷移動量を検知する電荷移動量検知手段と、
    該電子写真感光体の帯電電位を制御する帯電電位制御手段と、
    を有する電子写真装置であって、
    該電子写真感光体について、以下の手順(1)~(8)によりVおよびVを定めた時、該Vおよび該Vが下記式(E-4)で示される関係を満たし、
    100V<V-V (E-4)
    該帯電電位制御手段は、該電圧印加手段によって印加される直流電圧の絶対値が700V以上の範囲から選ばれる少なくとも2点の直流電圧と、該少なくとも2点の直流電圧における電荷移動量との関係から、画像形成時の該電子写真感光体の帯電電位を制御するように構成されている、ことを特徴とする電子写真装置。
    (1)該電子写真感光体を0.005秒間帯電させる。
    (2)(1)の帯電開始から0.06秒後に測定して得られる帯電電位の絶対値をV[V]とする。
    (3)(1)の帯電開始から0.18秒後に再び帯電電位の絶対値が該Vとなるように該電子写真感光体を0.005秒間帯電させる。
    (4)(3)の帯電開始から0.02秒後に波長が805nmで光量が0.5μJ/cmの光で露光する。
    (5)(3)の帯電開始から0.06秒後に測定して得られる帯電電位の絶対値を残留電位V[V]とする。
    (6)該Vを100Vから1000Vまで50Vの間隔で変化させながら(1)~(5)の手順を繰り返し行い、各該Vに対応する該Vを測定する。
    (7)(6)で得られた該Vおよび該Vについて、横軸を該V、縦軸を該Vとしてプロットして得たグラフを下記式(E-1)で近似することで、下記式(E-1)中の定数A、m、τを決定する。
    Figure 2023131675000032
    (8)(7)で決定した該定数A、m、τを用いて下記式(E-2)および(E-3)により計算される電圧をそれぞれ該Vおよび該Vとする。
    Figure 2023131675000033
    (式(E-2)中、Vminは該電荷移動量検知手段の精度で決まる数値である。)
    Figure 2023131675000034
  2. 前記定数A、m、τから下記式(E-12)で計算される電圧をV´としたとき、
    Figure 2023131675000035
    前記Vと該V´とが、下記式(E-13)の関係を満たす、請求項1に記載の電子写真装置。
    100V<V´-V (E-13)
  3. 前記電圧印加手段は、前記電子写真感光体を帯電するための帯電手段であり、
    前記導電性部材は、帯電部材である、請求項1または2に記載の電子写真装置。
  4. 前記帯電部材は、帯電ローラーである、請求項3に記載の電子写真装置。
  5. 前記電圧印加手段は、トナーを前記電子写真感光体の表面から転写材に転写するための転写手段であり、
    前記導電性部材は、転写部材である、請求項1または2に記載の電子写真装置。
  6. 前記帯電電位制御手段は、前記少なくとも2点の直流電圧と、前記少なくとも2点の直流電圧における前記電荷移動量との関係から、画像形成時に印加する直流電圧を制御するように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の電子写真装置。
  7. 前記帯電電位制御手段は、前記電圧印加手段によって印加される直流電圧の絶対値が700V以上の範囲から選ばれるn点における直流電圧と、該n点における直流電圧における電荷移動量との関係を自由度n以下の関数で近似し、ここでnは2以上の整数であり、該関数を校正曲線として画像形成時の前記電子写真感光体の帯電電位を制御するように構成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の電子写真装置。
  8. 前記関数は、一次関数である、請求項7に記載の電子写真装置。
  9. 前記定数Aは、15以下である、請求項1~8のいずれか1項に記載の電子写真装置。
  10. 前記定数mは、0.05以下である、請求項1~9のいずれか1項に記載の電子写真装置。
  11. 前記定数τの絶対値は、4000以上である、請求項1~10のいずれか1項に記載の電子写真装置。
  12. 前記電子写真感光体は、支持体と、下引き層と、電荷発生層と、電荷輸送層と、をこの順に有し、
    該下引き層は、ポリアミド樹脂と、金属酸化物粒子とを含有する、請求項1~11のいずれか1項に記載の電子写真装置。
  13. 前記金属酸化物粒子は、酸化チタン粒子であり、
    該酸化チタン粒子の平均一次粒径は、10nm以上100nm以下である、請求項12に記載の電子写真装置。
  14. 前記下引き層の膜厚は、0.5μm以上3.0μm以下である請求項12または13に記載の電子写真装置。
  15. 前記電荷発生層は、チタニルフタロシアニン顔料を含有し、
    該チタニルフタロシアニン顔料は、
    CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおけるブラッグ角度2θの9.8°±0.3°および27.1°±0.3°にピークを示す結晶型の結晶粒子を有し、かつ
    小角X線散乱を用いて測定した結晶粒子サイズ分布において50nm~150nmの範囲内にピークAを有し、
    該ピークAの半値幅は、100nm以下である、請求項12~14のいずれか1項に記載の電子写真装置。
  16. 前記電荷発生層は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を含有し、
    該ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、
    CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおけるブラッグ角度2θの7.4°±0.3°および28.2°±0.3°にピークを示す結晶型の結晶粒子を有し、かつ、
    小角X線散乱を用いて測定した結晶粒子サイズ分布において20nm~50nmの範囲内にピークBを有し、
    該ピークBの半値幅は、50nm以下である、請求項12~15のいずれか1項に記載の電子写真装置。
  17. 前記電荷発生層の膜厚は、0.12μm以上である、請求項12~16のいずれか1項に記載の電子写真装置。
JP2022036569A 2022-03-09 2022-03-09 電子写真装置 Pending JP2023131675A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022036569A JP2023131675A (ja) 2022-03-09 2022-03-09 電子写真装置
US18/168,736 US11947275B2 (en) 2022-03-09 2023-02-14 Electrophotographic apparatus
DE102023105601.8A DE102023105601A1 (de) 2022-03-09 2023-03-07 Elektrophotographisches Gerät
CN202310220188.XA CN116736660A (zh) 2022-03-09 2023-03-09 电子照相设备

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022036569A JP2023131675A (ja) 2022-03-09 2022-03-09 電子写真装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023131675A true JP2023131675A (ja) 2023-09-22

Family

ID=87759727

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022036569A Pending JP2023131675A (ja) 2022-03-09 2022-03-09 電子写真装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US11947275B2 (ja)
JP (1) JP2023131675A (ja)
CN (1) CN116736660A (ja)
DE (1) DE102023105601A1 (ja)

Family Cites Families (91)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5615004U (ja) 1979-07-13 1981-02-09
JP3258681B2 (ja) 1991-09-06 2002-02-18 株式会社リコー 画像形成装置
JP3913148B2 (ja) 2002-08-30 2007-05-09 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
EP2328029B1 (en) 2003-07-25 2012-05-23 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus
WO2005064414A2 (ja) 2003-12-26 2005-07-14 Canon Kk 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
US7585604B2 (en) 2004-09-10 2009-09-08 Canon Kabushiki Kaisha Electrographic photosensitive member, process cartridge and electrophotographic apparatus
JP4380794B2 (ja) 2007-12-04 2009-12-09 キヤノン株式会社 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP5451253B2 (ja) 2008-09-09 2014-03-26 キヤノン株式会社 電子写真感光体の製造装置および電子写真感光体の製造方法
JP4594444B2 (ja) 2009-01-30 2010-12-08 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP5361665B2 (ja) 2009-11-02 2013-12-04 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP5430353B2 (ja) 2009-11-02 2014-02-26 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP5430352B2 (ja) 2009-11-02 2014-02-26 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP5615004B2 (ja) 2010-03-05 2014-10-29 キヤノン株式会社 高圧制御装置、画像形成装置及び高電圧出力装置
JP4940370B2 (ja) 2010-06-29 2012-05-30 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP4958995B2 (ja) 2010-08-27 2012-06-20 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP6039368B2 (ja) 2011-11-30 2016-12-07 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置、ならびに、ガリウムフタロシアニン結晶
JP5827612B2 (ja) 2011-11-30 2015-12-02 キヤノン株式会社 ガリウムフタロシアニン結晶の製造方法、及び該ガリウムフタロシアニン結晶の製造方法を用いた電子写真感光体の製造方法
JP6071439B2 (ja) 2011-11-30 2017-02-01 キヤノン株式会社 フタロシアニン結晶の製造方法、および電子写真感光体の製造方法
JP5993720B2 (ja) 2011-11-30 2016-09-14 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP6105974B2 (ja) 2012-03-15 2017-03-29 キヤノン株式会社 電子写真感光体の製造方法、および電荷輸送層用乳化液
JP6105973B2 (ja) 2012-03-22 2017-03-29 キヤノン株式会社 電子写真感光体の製造方法、電荷輸送層用乳化液
CN103529663B (zh) 2012-06-29 2016-04-20 佳能株式会社 电子照相感光构件、处理盒以及电子照相设备
US9029054B2 (en) 2012-06-29 2015-05-12 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus
CN103529662B (zh) 2012-06-29 2016-05-18 佳能株式会社 电子照相感光构件、处理盒以及电子照相设备
JP5911459B2 (ja) 2012-09-28 2016-04-27 キヤノン株式会社 電子写真感光体、その製造方法、プロセスカートリッジ、および電子写真装置
JP6198571B2 (ja) 2012-11-30 2017-09-20 キヤノン株式会社 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ、及び電子写真装置
JP6150701B2 (ja) 2013-09-30 2017-06-21 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP6463104B2 (ja) 2013-12-26 2019-01-30 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2015143831A (ja) 2013-12-26 2015-08-06 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP6427024B2 (ja) 2014-03-26 2018-11-21 キヤノン株式会社 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ、および電子写真装置
JP6427026B2 (ja) 2014-03-26 2018-11-21 キヤノン株式会社 電子写真感光体、その製造方法、プロセスカートリッジ、及び電子写真装置
US9274442B2 (en) 2014-03-27 2016-03-01 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic image forming apparatus having charge transport layer with matrix-domain structure and charging member having concavity and protrusion
JP6478769B2 (ja) 2014-04-30 2019-03-06 キヤノン株式会社 電子写真感光体、その製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置、ならびに、フタロシアニン結晶およびその製造方法
JP6478750B2 (ja) 2014-04-30 2019-03-06 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置、ならびに、フタロシアニン結晶およびその製造方法
US20150346616A1 (en) 2014-06-03 2015-12-03 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, manufacturing method of electrophotographic photosensitive member, process cartridge and electrophotographic apparatus, and phthalocyanine crystal and manufacturing method of phthalocyanine crystal
US9760030B2 (en) 2014-10-24 2017-09-12 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus
US9563139B2 (en) 2014-11-05 2017-02-07 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge and electrophotographic apparatus
US9645516B2 (en) 2014-11-19 2017-05-09 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge and electrophotographic apparatus
US9599917B2 (en) 2014-12-26 2017-03-21 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge and electrophotographic apparatus
JP6508948B2 (ja) 2015-01-26 2019-05-08 キヤノン株式会社 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
US9772568B2 (en) 2015-03-30 2017-09-26 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus
US9864285B2 (en) 2015-06-25 2018-01-09 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus
US9811011B2 (en) 2015-06-25 2017-11-07 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus
US9851648B2 (en) 2015-06-25 2017-12-26 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge and electrophotographic apparatus
JP6579824B2 (ja) 2015-06-25 2019-09-25 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP2017223874A (ja) * 2016-06-16 2017-12-21 キヤノン株式会社 画像形成装置
US10416581B2 (en) 2016-08-26 2019-09-17 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus
US10203617B2 (en) 2017-02-28 2019-02-12 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge and electrophotographic apparatus
US10162278B2 (en) 2017-02-28 2018-12-25 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge and electrophotographic apparatus
JP2018159757A (ja) * 2017-03-22 2018-10-11 キヤノン株式会社 画像形成装置
JP7060923B2 (ja) 2017-05-25 2022-04-27 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP6850205B2 (ja) 2017-06-06 2021-03-31 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP7187270B2 (ja) 2017-11-24 2022-12-12 キヤノン株式会社 プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP7057104B2 (ja) 2017-11-24 2022-04-19 キヤノン株式会社 プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置
JP7046571B2 (ja) 2017-11-24 2022-04-04 キヤノン株式会社 プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2019152699A (ja) 2018-02-28 2019-09-12 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP7034768B2 (ja) 2018-02-28 2022-03-14 キヤノン株式会社 プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP7034769B2 (ja) 2018-02-28 2022-03-14 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP7129225B2 (ja) 2018-05-31 2022-09-01 キヤノン株式会社 電子写真感光体および電子写真感光体の製造方法
JP7150485B2 (ja) 2018-05-31 2022-10-11 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP7059112B2 (ja) 2018-05-31 2022-04-25 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置
US10747130B2 (en) 2018-05-31 2020-08-18 Canon Kabushiki Kaisha Process cartridge and electrophotographic apparatus
JP7054366B2 (ja) 2018-05-31 2022-04-13 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP7059111B2 (ja) 2018-05-31 2022-04-25 キヤノン株式会社 電子写真感光体およびその製造方法、並びにプロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置
JP7115198B2 (ja) * 2018-10-01 2022-08-09 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置
JP2020085991A (ja) 2018-11-19 2020-06-04 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2020086308A (ja) 2018-11-29 2020-06-04 キヤノン株式会社 電子写真感光体、電子写真装置、およびプロセスカートリッジ
JP7413054B2 (ja) 2019-02-14 2024-01-15 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP7358276B2 (ja) 2019-03-15 2023-10-10 キヤノン株式会社 電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP7301613B2 (ja) 2019-06-14 2023-07-03 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP7269111B2 (ja) 2019-06-25 2023-05-08 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP7353824B2 (ja) 2019-06-25 2023-10-02 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
US11126097B2 (en) 2019-06-25 2021-09-21 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus
JP7305458B2 (ja) 2019-06-25 2023-07-10 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP7337650B2 (ja) 2019-10-18 2023-09-04 キヤノン株式会社 プロセスカートリッジおよび電子写真装置
US11112719B2 (en) 2019-10-18 2021-09-07 Canon Kabushiki Kaisha Process cartridge and electrophotographic apparatus capable of suppressing lateral running while maintaining satisfactory potential function
JP7337649B2 (ja) 2019-10-18 2023-09-04 キヤノン株式会社 プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP7337652B2 (ja) 2019-10-18 2023-09-04 キヤノン株式会社 プロセスカートリッジ及びそれを用いた電子写真装置
JP7337651B2 (ja) 2019-10-18 2023-09-04 キヤノン株式会社 プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP7449151B2 (ja) 2020-04-21 2024-03-13 キヤノン株式会社 電子写真感光ドラム
JP7444691B2 (ja) 2020-04-21 2024-03-06 キヤノン株式会社 電子写真感光体の製造方法
JP7483477B2 (ja) 2020-04-21 2024-05-15 キヤノン株式会社 電子写真感光ドラム、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置
JP2023024119A (ja) 2021-08-06 2023-02-16 キヤノン株式会社 電子写真装置
JP2023024108A (ja) 2021-08-06 2023-02-16 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2023024114A (ja) 2021-08-06 2023-02-16 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2023024115A (ja) 2021-08-06 2023-02-16 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP2023024120A (ja) 2021-08-06 2023-02-16 キヤノン株式会社 電子写真装置
JP2023024116A (ja) 2021-08-06 2023-02-16 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2023024117A (ja) 2021-08-06 2023-02-16 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
US20230115474A1 (en) 2021-10-08 2023-04-13 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus
JP2023061679A (ja) 2021-10-20 2023-05-02 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、および電子写真装置

Also Published As

Publication number Publication date
DE102023105601A1 (de) 2023-09-14
US11947275B2 (en) 2024-04-02
US20230288836A1 (en) 2023-09-14
CN116736660A (zh) 2023-09-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6015645A (en) Photoconductive imaging members
JP7059111B2 (ja) 電子写真感光体およびその製造方法、並びにプロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置
JP5623212B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
CN112130431A (zh) 电子照相感光构件、处理盒和电子照相设备
CN105911822B (zh) 电子照相感光体、处理盒和成像装置
US9122183B2 (en) Electrophotographic photoreceptor, image forming apparatus and process cartridge
DE102017103153A1 (de) Elektrophotographisches photosensitives element, prozesskartusche und elektrophotographischer apparat
JP2020201467A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
EP4130887A1 (en) Electrophotographic apparatus
US20230115474A1 (en) Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus
US20230059041A1 (en) Electrophotographic apparatus
JP2023131675A (ja) 電子写真装置
US20230059773A1 (en) Electrophotographic photosensitive member, process cartridge and electrophotographic apparatus
CN115877678A (zh) 电子照相感光构件、处理盒和电子照相设备
JP2023024116A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JPH0815870A (ja) 電子写真感光体の製造方法
US20160252833A1 (en) Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus
JP4136836B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真装置及びプロセスカートリッジ
US9519232B2 (en) Electrophotographic photosensitive member, method for producing electrophotographic photosensitive member, process cartridge and electrophotographic apparatus, and hydroxygallium phthalocyanine crystal
JP2020067596A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP5473554B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
US10935898B2 (en) Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus
US20170261873A1 (en) Electrophotographic photoreceptor, process cartridge, and image forming apparatus
JP2006119308A (ja) 画像形成装置
US20230093328A1 (en) Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20220630