以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、ケーブル挿脱方向を前後方向X,ハウジングの長手方向(コンタクトの並設方向:レバーの回動軸方向:ケーブル挿脱方向および厚さ方向と直交する方向)を幅方向Y、ハウジングの厚さ方向(挿入したケーブルの厚さ方向)を上下方向Zとして説明する。
また、ケーブルをハウジングから離脱させる際にケーブルが移動する方向(ハウジングのケーブルが配置される側)を前方、ケーブルをハウジングに挿入する際にケーブルが移動する方向(ハウジングのレバーが配置される側)を後方と規定する。そして、ハウジングに装着したレバーが上部に位置するようにコネクタを配置した状態における上方を上方として上下方向を規定する。
本実施形態のコネクタ10は、図1〜図3に示すように、FPCやFFC等の表面及び裏面を持つシート状(平板状)のケーブル20が挿入される絶縁性のハウジング30と、ハウジング30に収容されてケーブル20に導通接続されるコンタクト(端子)40と、を備えている。また、コネクタ10は、ハウジング30に、開位置(図1に示す状態)と閉位置(図2に示す状態)との間で回動できるように取り付けられるレバー70を備えている。
シート状のケーブル20は、本体部20aと、本体部20aの後端に連設される挿入端部20bと、を備えている。この挿入端部20bには、導体21が幅方向Yに所定のピッチで複数露出しており、導体21におけるコンタクト(端子)40の接点部が当接する部位(Y方向に幅広の部位)が前後2列の千鳥状に配置されている(図3〜図5参照)。
なお、導体21は、挿入端部20bの表裏面にほぼ同一形状となるようにパターニングされており、基本的に、本体部20a内に形成された導体(図示せず)と電気的に接続されている。
そして、ハウジング30の内部には、ケーブル20の導体21に導通接続される導電性の第1コンタクト(第1端子)50および第2コンタクト(第2端子)60が幅方向Yに所定のピッチで複数並設されている。
このように、本実施形態では、コンタクト(端子)40は、第1コンタクト(第1端子)50および第2コンタクト(第2端子)60を有している。そして、導体21に導通接続される複数の第1コンタクト50および複数の第2コンタクト60をハウジング30の幅方向(短手方向)Yに略一直線上に並ぶように配置することで、信号伝送用のコンタクトとして用いられる端子群40Gを構成している。
なお、本実施形態では、導体21の幅広の部位のうち前側(本体部20a側)に位置する幅広部21aに第1コンタクト50の接点部(固定側接点部54a、可動側接点部56a)が当接するようにしている。そして、導体21の幅広の部位のうち後側(先端側)に位置する幅広部21bに第2コンタクト60の接点部(固定側接点部64a、可動側接点部66a)が当接するようにしている。
さらに、ハウジング30の幅方向Y両端には、保持端子50Aが設けられている。この保持端子50Aは、端子群4Gの幅方向Yの両側に1つずつ配置されており、当該保持端子50Aと端子群40Gを構成する複数の端子40(第1コンタクト50および第2コンタクト60)とが略一直線上に並ぶように配置されている。さらに、本実施形態では、保持端子50Aから端子群40Gまでの距離が、上述した所定のピッチ(端子群40Gを構成する端子40において、幅方向Yで隣り合う第1コンタクト50と第2コンタクト60との幅方向Yの距離)よりも大きくなっている。
そして、ケーブル20の幅方向Yの両端には、幅方向Yの外側に開口した切り欠き状の保持孔(係止部:保持部)22が、厚さ方向に貫通するように形成されている。この保持孔22は、ケーブル20をハウジング30に挿入した状態で、保持端子50Aの後述する保持部54aと対応する部位に形成されている。
そして、ケーブル20をハウジング30に挿入した際に、ケーブル20の保持孔22に保持端子50Aの保持部54aを係止させるようにすることで、ハウジング30に挿入されたケーブル20の抜け止めがなされるようにしている(図5および図18参照)。
また、ハウジング30には、上述したように、絶縁性のレバー70が回動可能に取り付けられている。具体的には、レバー70は、ケーブル20をハウジング30に挿入することのできる開位置(図1に示す状態)と、ハウジング30に挿入したケーブル20を第1コンタクト40および第2コンタクト50で挟持する閉位置(図2に示す状態)と、の間で回動できるように、ハウジング30に取り付けられている。
ハウジング30は、合成樹脂等の絶縁材料で形成されている。そして、このハウジング30の前後方向Xの前部(図11〜図16の左側:ケーブル挿脱方向の離脱側)には、ケーブル20を前方から挿入する袋状のケーブル受入部31が上下方向Zの略中間部に形成されている。
このケーブル受入部31は、天壁部32と、底壁部33と、ハウジング30の前部の幅方向Y両端に形成された両側壁部34,34と、両側壁部34,34の後端に連設される後壁部35,35とで、横広がりとなる扁平な矩形状に画成されている。そして、このケーブル受入部31は、前方に開口している。このように、本実施形態では、ケーブル受入部31は、前方に開口する挿入開口31aを有する袋状に形成されている。この挿入開口31aの開口面積は、シート状(平板状)のケーブル20の厚さおよび横幅に見合った上下および左右の寸法となっている。
なお、ハウジング30は、天壁部32と底壁部33とでケーブル受入部31の上下を画成していればよく、幅方向Yの両端をハウジング30とは別部材で形成された側壁(例えば、金属板や樹脂板等)によって画成するようにしてもよい。
また、底壁部33の後部には、後壁部35の後面35aよりも後方に突出する延設部331が形成されている。この延設部331の上面331a側にはレバー70が載置されるレバー装着部37が形成されており、このレバー装着部37にレバー70が回動可能に装着されている。
レバー70は、ハウジング30のレバー装着部37に収容可能な板状の部材であり、このレバー70も合成樹脂等の絶縁材料で形成されている。また、レバー70の本体は、レバー70を開閉操作するための操作部72となっている。
そして、本実施形態では、レバー70の幅方向(回動軸方向)Yの両端部に形成された取付部としての枢支軸(回動軸部)71を、ハウジング30に形成された被取付部としての軸受部38に取り付けることで、レバー装着部37にレバー70を回動可能に装着している。
具体的には、軸受部(被取付部)38は、レバー装着部37の幅方向Y両端部に、幅方向Yの内側および前後方向Xの前後両側が開放するように形成されており、この軸受部38がハウジング30の幅方向Yで対向している。より具体的には、2つの軸受部38は、後述する縦壁部38aの内側面38cがハウジング30の幅方向Yで互いに対向するように形成されている。
一方、枢支軸(回動軸部:取付部)71は、図3および図7に示すように、レバー70の幅方向Y両端面の基端側にそれぞれ突出形成されている。
そして、ハウジング30の上方からレバー70の幅方向Y両端の枢支軸71をハウジング30の幅方向Y両端の軸受部38に軸支させる(取り付ける)ことで、ハウジング30のレバー装着部37に、レバー70が開閉(回動)可能に取り付けられるようにしている(図3、図7および図8参照)。なお、枢支軸(回動軸部)71は、操作部72に一体に形成されており、レバー70を開位置から閉位置に回動させた際に、当該レバー70の回動に伴って回動するようになっている。
ところで、レバー70の幅方向Y両端の枢支軸71をハウジング30の幅方向Y両端の軸受部38に単に軸支させる構成では、ケーブル20がハウジング30に挿入されていない状態で、レバー70に触れたり回路基板を積み重ねたりすることで、レバー70が開位置から閉位置に回動してしまう場合があった。すなわち、レバー70を開位置から閉位置までスムースに回動させることができる構成(例えば、円柱状に突出させた枢支軸を軸受部に軸支させる構成)では、ケーブル20がハウジング30に挿入されていない状態でレバー70が開位置から閉位置に回動してしまう、いわゆるレバー70の空閉じが生じてしまう場合があった。そして、このようなレバー70の空閉じが行われると、端子40が塑性変形してしまうことがあった。
そこで、本実施形態では、軸受部(被取付部)38および枢支軸(回動軸:取付部)71のうち少なくとも何れか一方に、ケーブル20がハウジング30に挿入されていない状態でレバー70が開位置から閉位置に回動するのを抑制する空閉抑制構造80を形成した。
具体的には、軸受部38を、延設部331の幅方向Yの端部と、延設部331の幅方向Yの端部から上方に延設される縦壁部38aと、当該縦壁部38aの上端から幅方向Yの内側に向けて延設された上壁部38bとで、略U字状に形成した(図7および図8参照)。
このように、本実施形態では、延設部331の幅方向Yの端部が第1壁部に相当し、上壁部38bが第2壁部に相当しており、上壁部(第2壁部)38bが、延設部331の幅方向Yの端部(第1壁部)に片持ち構造で支持されるようになっている。
さらに、延設部(第1壁部)311および上壁部(第2壁部)38bのうち少なくともいずれか一方の壁部である上壁部(第2壁部)38bが延設部(第1壁部)331に対して弾性変形できる構成としている。
そして、軸受部38には、当該軸受部38に枢支軸(回動軸部)71を軸支した際に、枢支軸(回動軸部)71の外周面71kに対向する内面が形成されている。
本実施形態では、図9に示すように、略U字状の軸受部38に枢支軸(回動軸部)71を軸支した際には、延設部331の幅方向Yの端部の上面331aが、枢支軸(回動軸部)71の外周面71kが対向する内面の一部を構成する第1内面38eとなる。さらに、上壁部(第2壁部)38bの下面38dが、第1壁部の第1内面に対して離間した状態で対向し、枢支軸(回動軸部)71の外周面71kが対向する内面の一部を構成する第2内面となる。なお、軸受部38における縦壁部38aの内側面38cは、枢支軸(回動軸部)71の端面71mを受ける軸受面となる(図3,図7および図8参照)。
このように、本実施形態では、軸受部38は、枢支軸(回動軸部)71の外周面71kが対向する内面の一部を構成する上面331a(第1内面38e)を有する延設部(第1壁部)331を備えている。また、軸受部38は、延設部(第1壁部)331の上面331a(第1内面38e)に対して離間した状態で対向して内面の一部を構成する下面(第2内面)38dを有する上壁部(第2壁部)38bを備えている。
そして、上壁部(第2壁部)38bが、延設部331の幅方向Yの端部(第1壁部)に片持ち構造で支持されるようにしている。さらに、延設部(第1壁部)331および上壁部(第2壁部)38bのうち少なくともいずれか一方の壁部が弾性変形可能となるようにしている。
一方、枢支軸(回動軸部:取付部)71は、XZ平面による断面形状(回動軸方向Yと直交する方向の断面形状)が略正方形状となるように形成されている。さらに、レバー70を開位置にした状態で、1つの辺部(1つの平坦面)が上壁部(第2壁部)38bの下面38dと対向するように、枢支軸(回動軸部:取付部)71をレバー70の幅方向Y両端面の基端側からそれぞれ突出させている(図9参照)。すなわち、枢支軸(回動軸部:取付部)71は、レバー70を開位置にした状態で、2つの平坦面が略水平に延在した状態で上下に配置されるように形成されている。
かかる状態で前後方向および上下方向を規定した場合、枢支軸(回動軸部:取付部)71の外周面71kは、図9に示すように、上面71aと、下面71bと、前側面71cと、後側面71dの4つの平坦面を有することとなる。
そして、上面71aと前側面71cとが前側上部頂点71eで連設されており、前側面71cと下面71bとが前側下部頂点71fで連設されている。また、下面71bと後側面71dとが後側下部頂点71gで連設されており、後側面71dと上面71aとが後側上部頂点71hで連設されている。
このような形状とすることで、枢支軸(回動軸部)71は、幅方向(回動軸方向)と直交する方向の幅が幅広となる幅広部71iと幅狭となる幅狭部71jとを有することとなる。
なお、枢支軸(回動軸部)71の対角部分(前側上部頂点71eと後側下部頂点71gとの間、および、前側下部頂点71fと後側上部頂点71hとの間)が、幅広部71iとなっている。一方、枢支軸(回動軸部)71の互いに対向する平面間(例えば、上面71aと下面71bとの間)が幅狭部71jとなっている。
ここで、本実施形態では、枢支軸(回動軸部)71の幅狭部71jの幅(上面71aから下面71bまでの距離、断面で視た際の1辺の長さ)D1を、軸受部38の内面の幅(第1内面38eから下面(第2内面)38dまでの距離)D2よりも小さくなるようにした。
そして、枢支軸(回動軸部)71の幅広部71iの幅(前側上部頂点71eから後側下部頂点71gまでの距離、断面で視た際の対角線の長さ)D3を、軸受部38の内面の幅(第1内面38eから下面(第2内面)38dまでの距離)D2よりも大きくなるようにした。
さらに、レバー70を開位置から閉位置に回動させる途中で、枢支軸(回動軸部)71の幅広部71iの両端の外周面が、軸受部38の内面と摺接するようにした。すなわち、幅広部71iの一端である後側下部頂点71gが第1内面38eに摺接するとともに、他端である前側上部頂点71eが下面(第2内面)38dに摺接するようにした。
本実施形態では、枢支軸(回動軸部)71および軸受部38をこのような構成とすることで、ケーブル20がハウジング30に挿入されていない状態でレバー70が開位置から閉位置に回動するのを抑制する空閉抑制構造80を形成している。
また、レバー70を開位置と閉位置との間で回動させると、枢支軸(回動軸部)71は、回動中心Cを中心に回動することとなる(図9(b)参照)。
このとき、枢支軸(回動軸部)71は、回動中心Cからの距離が最大となる最長部と最小となる最短部とを有している。本実施形態では、前側上部頂点71eが最長部となっており、回動中心Cを含み、後側面71dと直交する平面と後側面71dとの交線が最短部となっている。
したがって、軸受部38の内面のうち上壁部38bの下面(第2内面)38dが、レバー70を開位置から閉位置まで回動させた際に枢支軸(回動軸部)71の最長部(前側上部頂点71e)と対向する対向領域となっている。そして、対向領域(下面38d)内において、回動中心Cからの距離が最短となる領域が最短領域Rとなる。この最短領域Rは、回動中心Cを含み、下面38dと直交する平面と下面38dとの交線である。
ここで、本実施形態では、レバー70を開位置から閉位置に回動させる途中で最長部(前側上部頂点71e)と対向する領域が最短領域Rとなるようにしている。
さらに、回動中心Cから最長部(前側上部頂点71e)までの距離D4が回動中心Cから最短領域Rまでの距離D5よりも大きくなるようにしている。
こうすることで、レバー70を開位置から閉位置に回動させる途中で、枢支軸(回動軸部)71は、後側下部頂点71gの近傍を第1内面38eに摺接させた状態で、最長部(前側上部頂点71e)が上壁部38bの下面(第2内面)38dに摺接することになる。その結果、ケーブル20がハウジング30に挿入されていない状態でレバー70が開位置から閉位置に回動するのを抑制することができるようになる。
このように、空閉抑制構造80は、レバー70を開位置から閉位置に回動させる途中で最長部(前側上部頂点71e)と対向する領域が最短領域Rとなるようにするとともに、回動中心Cから最長部(前側上部頂点71e)までの距離D4が回動中心Cから最短領域Rまでの距離D5よりも大きくなるようにすることで形成することもできる。
さらに、本実施形態では、枢支軸(回動軸部)71および軸受部38を樹脂で形成しているため、枢支軸(回動軸部)71および軸受部38は、少なくとも互いに当接する部位が樹脂で形成されることになる。
また、図3、図17および図18に示すように、ケーブル20を挿入するケーブル受入部31を画成する両側壁部34,34の幅方向Yの内側には、ケーブル20の挿入をガイドするガイド面34a,34aが設けられている。このガイド面34a,34aは、後方に向かうにつれて幅方向Yの内側に位置するように湾曲した湾曲面となっている。
なお、ケーブル受入部31は、後壁部35によって後側が画成されており、この後壁部35の前側内面35bによってケーブル20のケーブル受入部31の幅方向Yの両端の後側が画成されている(図17参照)。
また、レバー70は、上述したように、図1に示す開位置から図2に示す閉位置まで回動するように、ハウジング30に取り付けられている。
そして、レバー70が開位置にある時には、レバー70はハウジング30のレバー装着部37から起立姿勢で立ち上がり、レバー装着部37の後側略半分がハウジング30の上方に開放される(図12、図14および図16参照)。このとき、ハウジング30のケーブル受入部31にケーブル20を挿入できるようになっている。
一方、レバー70が閉位置にある時には、当該レバー70は略水平姿勢となりハウジング30のレバー装着部37に収容され、ケーブル受入部31内に挿入したケーブル20を第1コンタクト50および第2コンタクト60で挟持するようになっている。
第1コンタクト50および第2コンタクト60は、ハウジング30の幅方向Yに複数並設されており、この第1コンタクト50および第2コンタクト60は、薄板金属を打抜き加工することで形成されている。
本実施形態では、第1コンタクト50および第2コンタクト60は、ハウジング30の幅方向Yに交互に配置されており、端子群40Gの幅方向Y両端に第2コンタクト60が配置されるようにしている。
なお、第1コンタクト50は、後方からハウジング30に挿入されて固定保持され(図12参照)、第2コンタクト60は、前方からハウジング30に挿入されて固定保持される(図14参照)。
本実施形態では、ハウジング30には、複数の第1コンタクト50を収容する溝状の第1コンタクト収容部(端子40を収容する端子収容部)361が前後方向Xに貫通するように複数設けられている。また、第2コンタクト60を収容する溝状の第2コンタクト収容部(端子40を収容する端子収容部)362が前後方向Xに貫通するように複数設けられている。そして、この第1コンタクト収容部361と第2コンタクト収容部362とが、ハウジング30の幅方向Yに交互に設けられている。
この第1コンタクト収容部361および第2コンタクト収容部362は、前後方向Xに延在する縦壁部36によって仕切られている。すなわち、本実施形態では、複数の第1コンタクト収容部361および複数の第2コンタクト収容部362は、天壁部32と底壁部33と幅方向Yの両側で隣り合う2つの縦壁部36,36とで前後方向Xに貫通するように形成されている。そして、それぞれの第1コンタクト収容部361に1つの第1コンタクト50が後方から挿入され、それぞれの第2コンタクト収容部362に1つの第2コンタクト60が前方から挿入されるようになっている。
そして、図11〜図14に示すように、縦壁部36の前部には、前方に開口する略U字状の切り欠き36aが形成されており、シート状のケーブル20のケーブル受入部31への挿入が、縦壁部36によって邪魔されないようにしている。また、切り欠き36aの奥部(前後方向Xの後側)に形成される奥壁面36bによって、ケーブル20の後方(挿入方向)への移動が規制されるようにしている。
また、縦壁部36の後部は、後方かつ上方に開放するように略L字状に切り欠かれた形状をしている。そして、縦壁部36の略L字状に切りかかれた部位における下側表面36cと上側後面36dとでレバー装着部37を画成している。このように、本実施形態では、縦壁部36の後部が上述した延設部331の一部を形成している。したがって、縦壁部36の下側表面36cが、延設部331の上面331aの一部を形成している。
さらに、天壁部32には、前後方向Xに延在する第1溝部32aおよび第2溝部32bが形成されており、底壁部33には、前後方向Xに延在する第1溝部33aおよび第2溝部33bが形成されている(図3参照)。
そして、上述したように、1つの第1コンタクト収容部361には、1つの第1コンタクト50が後方から挿入され、1つの第2コンタクト収容部362には、1つの第2コンタクト50が前方から挿入されるようになっている。
このとき、第1コンタクト50は、天壁部32の第1溝部32aおよび底壁部33の第1溝部33aに挟持される。一方、第2コンタクト60は、天壁部32の第2溝部32bおよび底壁部33の第2溝部33bに挟持される。
さらに、第1コンタクト50を収容する第1コンタクト収容部361には、第1コンタクト50を圧入保持する圧入部361aが形成されている。具体的には、第1コンタクト収容部361には、後述する固定側アーム部(第1端子側アーム部)54が挿入される挿通孔361cが形成されており、この挿通孔361cは、底壁部33と壁部361bとで上下が画成されている。そして、この挿通孔361cに固定側アーム部(第1端子側アーム部)54を後側から圧入することで、第1コンタクト50をハウジング30に固定保持させている。
また、第2コンタクト60を収容する第2コンタクト収容部362には、第2コンタクト60を圧入保持する圧入部362aが形成されている。具体的には、第2コンタクト収容部362には、後述する端子アーム部65が挿入される挿通孔362cが形成されており、この挿通孔362cは、底壁部33と壁部362bとで上下が画成されている。そして、この挿通孔362cに端子アーム部65を前側から圧入することで、第2コンタクト60をハウジング30に固定保持させている。
第1コンタクト50は、図12に示すように、底壁部33近傍で、前後方向Xに延在する棒状の固定側コンタクト部51を備えている。また、第1コンタクト50は、天壁部32近傍で、前後方向Xに延在し、固定側コンタクト部51と上下方向(ハウジング30の厚さ方向:ケーブル20の厚さ方向)Zに対向する棒状の可動側コンタクト部52を備えている。そして、固定側コンタクト部51および可動側コンタクト部52は、それぞれの前後方向(長手方向)Xの中間部同士が連結ばね部53によって連結されており、略H字状に形成されている。
固定側コンタクト部51は、図12に示すように、底壁部33に沿って前後方向X前側(固定側コンタクト部51の一側)に延在する固定側アーム部(接触部:第1端子側アーム部)54を備えている。また、固定側コンタクト部51は、底壁部33に沿って前後方向X後側(固定側コンタクト部51の他側)に延在する端子アーム部55を備えている。
そして、固定側アーム部(接触部)54の先端部には、上方(挿入したケーブル20)に向かって突出した固定側接点部(接点部)54aが形成されている。そして、この固定側接点部54aがケーブル20の裏面側(下面側)の図示せぬ導体における前側の幅広部に接触するようになっている。
また、固定側アーム部(接触部)54の根元側(連結ばね部53側)には、上方(壁部361b)に向かって突出した突出部54bが形成されている。そして、挿通孔361cに固定側アーム部(接触部)54を後側から挿入した際に、この突出部54bを壁部361bに食い込ませることで、固定側アーム部(接触部)54が圧入部361aに圧入されるようにしている。
また、端子アーム部55の先端部には、下向きに突出した突出部55aが形成されている。この突出部55aは、コネクタ10を回路基板(図示せず)に実装させる際の表面実装用の半田付け部としての機能を有している。なお、突出部55aに、第1コンタクト50の第1コンタクト収容部361への挿入時における第1コンタクト50のハウジング30に対する最大挿入量を規制するストッパとしての機能を持たせることも可能である。
また、可動側コンタクト部52は、図12に示すように、天壁部32に沿って前後方向X前側(可動側コンタクト部52の一側)に延在する可動側アーム部(接触部)56を備えている。さらに、可動側コンタクト部52は、天壁部32に沿って前後方向X後側(可動側コンタクト部52の他側)に延在するばね部57を備えている。
そして、可動側アーム部(接触部)56の先端部には、下方(挿入したケーブル20)に向かって突出した可動側接点部(接点部)56aが形成されている。そして、この可動側接点部56aがケーブル20の表面側(上面側)の導体21における前側の幅広部21aに接触するようになっている(図5参照)。
本実施形態では、レバー70が開位置にあるときには、固定側接点部54aと可動側接点部56aとの間の距離は、ケーブル20の厚さとほぼ同程度の大きさとなっている。また、ケーブル20を挿入しない状態でレバー70を閉位置にしたときには、固定側接点部54aと可動側接点部56aとの間の距離が、ケーブル20の厚さよりも小さくなるようにしている。したがって、レバー70が開位置にあるときには、ケーブル20をハウジング30に挿入することができるようになっている。一方、レバー70が閉位置にあるときには、固定側接点部54aと可動側接点部56aとがケーブル20を圧着し、第1コンタクト50がケーブル20を挟持することとなる。
また、ばね部57の下面には、後述するレバー70のカム部74が摺接する略円弧状のカム面57aが形成されている。
また、連結ばね部53は、ばね性を有しており、弾性的に撓み変形可能となっている。本実施形態では、連結ばね部53は、上方かつ前方に傾斜した状態で固定側コンタクト部51および可動側コンタクト部52を連結している。そして、ばね部57の後端と端子アーム部55の後端とが相対的に開く方向にばね部57を撓み変形させた際には、連結ばね部53が弾性的に撓み変形し、可動側コンタクト部52の可動側アーム部(接触部)56と固定側コンタクト部51の固定側アーム部(接触部)54との間隔が小さくなるようにしている。
一方、第2コンタクト60は、図14に示すように、底壁部33近傍で、前後方向Xに延在する棒状の固定側コンタクト部61を備えている。さらに、第2コンタクト60は、天壁部32近傍で、前後方向Xに延在し、固定側コンタクト部61と上下方向(ハウジング30の厚さ方向:ケーブル20の厚さ方向)Zに対向する棒状の可動側コンタクト部62を備えている。そして、固定側コンタクト部61および可動側コンタクト部62は、それぞれの前後方向(長手方向)Xの中間部同士が連結ばね部63によって連結されており、略H字状に形成されている。
固定側コンタクト部61は、図14に示すように、底壁部33に沿って前後方向X前側(固定側コンタクト部61の一側)に延在する固定側アーム部(接触部:第2端子側アーム部)64を備えている。さらに、固定側コンタクト部61は、底壁部33に沿って前後方向X後側(固定側コンタクト部61の他側)に延在する端子アーム部65を備えている。
そして、固定側アーム部(接触部)64の略中間部には、上方(挿入したケーブル20)に向かって突出した固定側接点部(接点部)64aが形成されている。そして、この固定側接点部64aがケーブル20の裏面側(下面側)の図示せぬ導体における後側の幅広部に接触するようになっている。
また、固定側アーム部(接触部)64の先端部には、下向きに突出した突出部64bが形成されている。この突出部64bは、コネクタ10を回路基板(図示せず)に実装させる際の表面実装用の半田付け部としての機能を有している。なお、突出部64bに、第2コンタクト60の第2コンタクト収容部362への挿入時における第2コンタクト60のハウジング30に対する最大挿入量を規制するストッパとしての機能を持たせることも可能である。
また、端子アーム部65には、下方に突出する突起部65aが設けられており、底壁部33の挿通孔362cに対応する部位には上方に突出する係合突部362dが形成されている。そして、挿通孔362cに端子アーム部65を圧入する際に、突起部65aが係合突部362dを乗り越えて係合突部362dの後端に引っ掛かるようにしている。このように、突起部65aを係合突部362dの後端に引っ掛けて係合させることで、第2コンタクト60をハウジング30に固定保持させている。
また、可動側コンタクト部62は、図14に示すように、天壁部32に沿って前後方向X前側(可動側コンタクト部62の一側)に延在する可動側アーム部(接触部)66を備えている。さらに、可動側コンタクト部62は、天壁部32に沿って前後方向X後側(可動側コンタクト部62の他側)に延在するばね部67を備えている。
そして、可動側アーム部(接触部)66の先端部には、下方(挿入したケーブル20)に向かって突出した可動側接点部(接点部)66aが形成されている。そして、この可動側接点部66aがケーブル20の表面側(上面側)の導体21における後側の幅広部21bに接触するようになっている(図5参照)。
本実施形態では、レバー70が開位置にあるときには、固定側接点部64aと可動側接点部66aとの間の距離は、ケーブル20の厚さとほぼ同程度の大きさとなっている。また、ケーブル20を挿入しない状態でレバー70が閉位置にあるときには、固定側接点部64aと可動側接点部66aとの間の距離が、ケーブル20の厚さよりも小さくなるようにしている。したがって、レバー70が開位置にあるときには、ケーブル20をハウジング30に挿入することができるようになっている。一方、レバー70が閉位置にあるときには、固定側接点部64aと可動側接点部66aとがケーブル20を圧着し、第2コンタクト60がケーブル20を挟持することとなる。
また、ばね部67の下面には、後述するレバー70のカム部74が摺接する略円弧状のカム面67aが形成されている。
そして、連結ばね部63は、ばね性を有しており、弾性的に撓み変形可能となっている。本実施形態では、連結ばね部63は、上方かつ前方に傾斜した状態で固定側コンタクト部61および可動側コンタクト部62を連結している。そして、ばね部67の後端と端子アーム部65の後端とが相対的に開く方向にばね部67を撓み変形させた際には、連結ばね部63が弾性的に撓み変形し、可動側コンタクト部62の可動側アーム部(接触部)66と固定側コンタクト部61の固定側アーム部(接触部)64との間隔が小さくなるようにしている。
さらに、本実施形態では、図12および図14に示すように、第1コンタクト50の可動側アーム部(接触部)56のアーム長(有効嵌合長)D6が、第2コンタクト60の可動側接触部66のアーム長(有効嵌合長)D7よりも長くなるようにし、それぞれの有効嵌合長を異ならせている。
このように、本実施形態では、可動側接点部56aを含む第1コンタクト50の可動側アーム部(接触部)56が有効嵌合長の長い接触部に相当し、可動側接点部66aを含む第2コンタクト60の可動側アーム部(接触部)66が有効嵌合長の短い接触部に相当している。
なお、コンタクトの種類は2種類に限るものではなく、3種類以上とすることも可能であるし、1種類とすることも可能である。
ここで、本実施形態では、ハウジング30の幅方向Y両端に第1コンタクト50が設けられるようにし、当該両端の第1コンタクト50を保持端子50Aとして用い、ハウジング30に挿入されたケーブル20の抜け止めを行うようにしている。
このように、本実施形態では、第1コンタクト50を保持端子50Aとして用いているため、保持端子50Aの形状は、第1コンタクト50と同一の形状となっている。なお、第1コンタクト50を保持端子50Aとして用いる必要はなく、保持端子50Aの形状を第1コンタクト50の形状と完全に同一となるようにしなくてもよい。例えば、保持部の形状等、一部の形状が第1コンタクト50とは異なる保持端子を用いることが可能である。
保持端子50Aは、図16に示すように、底壁部33近傍で、前後方向Xに延在する棒状の固定側保持端子部51Aを備えている。さらに、保持端子50Aは、天壁部32近傍で、前後方向Xに延在し、固定側保持端子部51Aと上下方向(ハウジング30の厚さ方向:ケーブル20の厚さ方向)Zに対向する棒状の可動側保持端子部52Aを備えている。そして、固定側保持端子部51Aおよび可動側保持端子部52Aは、それぞれの前後方向(長手方向)Xの中間部同士が連結ばね部53Aによって連結されており、略H字状に形成されている。
そして、2つの保持端子50Aは、幅方向Yの両端に形成された保持端子収容部363に、それぞれ後方から挿入されるようになっている。
この保持端子収容部363は、幅方向Yの内側が、前後方向Xに延在する縦壁部36によって、幅方向Yの内側で隣り合う第2コンタクト収容部362と仕切られている。一方、保持端子収容部363は、幅方向Yの外側が、側壁部34によって画成されている。すなわち、本実施形態では、保持端子収容部363は、天壁部32と底壁部33と側壁部34と縦壁部36とで、前後方向Xに貫通するように形成されており、それぞれの保持端子収容部363に1つの保持端子50Aが後方から挿入されるようになっている。
そして、図15および図16に示すように、縦壁部36の前部には、前方に開口する略U字状の切り欠き36aが形成されており、シート状のケーブル20のケーブル受入部31への挿入が、縦壁部36によって邪魔されないようにしている。また、切り欠き36aの奥部(前後方向Xの後側)に形成される奥壁面36bによって、ケーブル20の後方(挿入方向)への移動が規制されるようにしている。
また、縦壁部36の後部は、後方かつ上方に開放するように略L字状に切り欠かれた形状をしている。そして、縦壁部36の略L字状に切りかかれた部位における下側表面36cと上側後面36dとでレバー装着部37を画成している。このように、本実施形態では、保持端子収容部363と当該保持端子収容部363に幅方向Yの内側で隣り合う第2コンタクト収容部362とを仕切る縦壁部36の後部も、上述した延設部331の一部を形成している。したがって、当該縦壁部36の下側表面36cも、延設部331の上面331aの一部を形成することとなる。
そして、保持端子収容部363に後方から挿入された状態で、保持端子50Aが天壁部32の第1溝部32aおよび底壁部33の第1溝部33aに挟持されるようにしている。
さらに、保持端子50Aを収容する保持端子収容部363にも、保持端子50Aを圧入保持する圧入部363aが形成されている。具体的には、保持端子収容部363には、後述する固定側アーム部(保持端子側アーム部)54が挿入される挿通孔363cが形成されており、この挿通孔363cは、底壁部33と壁部363bとで上下が画成されている。そして、この挿通孔363cに固定側アーム部(保持端子側アーム部)54Aを後側から圧入することで、保持端子50Aをハウジング30に固定保持させている。
固定側保持端子部51は、図16に示すように、底壁部33に沿って前後方向X前側(固定側保持部51Aの一側)に延在する固定側アーム部(保持端子側アーム部)54Aを備えている。さらに、固定側保持端子部51は、底壁部33に沿って前後方向X後側(固定側保持部51Aの他側)に延在する端子アーム部55Aを備えている。
そして、固定側アーム部(保持端子側アーム部)54Aの先端部には、上方(挿入したケーブル20)に向かって突出した固定側保持部(保持部)54aAが形成されている。そして、この固定側保持部54aAが切り欠き状の保持孔(係止部)22に下側から係止されるようになっている。なお、固定側保持部54aAは、第1コンタクト50の固定側接点部54aを、ケーブル20を保持する保持部として機能させたものである。
また、固定側アーム部(保持端子側アーム部)54Aの根元側(連結ばね部53A側)には、上方(壁部363b)に向かって突出した突出部54bAが形成されている。そして、挿通孔363cに固定側アーム部(保持端子側アーム部)54Aを後側から挿入した際に、この突出部54bAを壁部363bに食い込ませることで、固定側アーム部(保持端子側アーム部)54Aが圧入部363aに圧入されるようにしている。
また、端子アーム部55Aの先端部には、下向きに突出した突出部55aAが形成されている。この突出部55aAは、コネクタ10を回路基板(図示せず)に実装させる際の表面実装用の半田付け部としての機能を有している。なお、突出部55aAに、保持端子50Aの保持端子収容部363への挿入時における保持端子50Aのハウジング30に対する最大挿入量を規制するストッパとしての機能を持たせることも可能である。
また、可動側保持端子部52Aは、図16に示すように、天壁部32に沿って前後方向X前側(可動側保持端子部52Aの一側)に延在する可動側アーム部56Aを備えている。さらに、可動側保持端子部52Aは、天壁部32に沿って前後方向X後側(可動側保持端子部52Aの他側)に延在するばね部57Aを備えている。
そして、可動側アーム部56Aの先端部には、下方(挿入したケーブル20)に向かって突出した可動側保持部56aAが形成されている。そして、この可動側保持部56aAが切り欠き状の保持孔(係止部)22に上側から係止されるようになっている。なお、可動側保持部56aAは、第1コンタクト50の可動側接点部56aを、ケーブル20を保持する保持部として機能させたものである。
また、ばね部57Aの下面には、後述するレバー70のカム部74が摺接する略円弧状のカム面57aAが形成されている。
また、連結ばね部53Aは、ばね性を有しており、弾性的に撓み変形可能となっている。本実施形態では、連結ばね部53Aは、上方かつ前方に傾斜した状態で固定側保持端子部51Aおよび可動側保持端子部52Aを連結している。そして、ばね部57Aの後端と端子アーム部55Aの後端とが相対的に開く方向にばね部57Aを撓み変形させた際には、連結ばね部53Aが弾性的に撓み変形し、可動側保持端子部52Aの可動側アーム部56Aと固定側保持端子部51Aの固定側アーム部54Aとの間隔が小さくなるようにしている。
このように、第1コンタクト50を保持端子50Aとして用いれば、ケーブル20を保持するための端子を別途用意する必要がなくなり、コストの削減を図ることができる。
しかしながら、本実施形態では、レバー70が開位置にあるときに、固定側接点部54aと可動側接点部56aとの間の距離を、ケーブル20の厚さとほぼ同程度の大きさとすることで、ケーブル20のハウジング30への挿入性を向上できるようにしている。
そのため、第1コンタクト50を保持端子50Aとして単に用いるだけでは、ケーブル20をハウジング30に挿入した際に、保持端子50Aによってケーブル20を仮保持することができない。
一方、保持端子50Aによってケーブル20を仮保持できるようにすると、ケーブル20のハウジング30への挿入性が悪化してしまう。
そこで、本実施形態では、ケーブル20のハウジング30への挿入性を向上させつつ、保持端子50Aによってケーブル20を仮保持できるようにした。
具体的には、ハウジング30を前後方向(ケーブル挿脱方向)Xが水平となるように配置した状態で、保持端子収容部363に収容された保持端子50Aの固定側保持部(保持部)54aAの高さ位置(上下方向Zの位置)が、第1コンタクト収容部361に収容された第1コンタクト50の固定側接点部(接点部)54aの高さ位置(上下方向Zの位置)と異なるようにした。
本実施形態では、固定側保持部(保持部)54aAおよび固定側接点部(接点部)54aを、図17に示すように、挿入されるケーブル20よりも下側に位置させた状態で、固定側保持部(保持部)54aAが固定側接点部(接点部)54aよりも上方に位置している。
すなわち、前後方向(ケーブル挿脱方向)Xが水平となるようにするとともに、固定側保持部(保持部)54aAおよび固定側接点部(接点部)54aの上方にケーブル20が挿入されるようにハウジング30を配置した場合には、固定側保持部(保持部)54aAが固定側接点部(接点部)54aよりも上方に位置するようにしている。
そして、本実施形態では、保持端子収容部363および第1コンタクト収容部361のうち少なくとも何れか一方の収容部に、当該収容部に収容される端子40のアーム部を変位させる段差部を形成することで、固定側保持部(保持部)54aAの高さ位置を固定側接点部(接点部)54aの高さ位置と異ならせている。
具体的には、保持端子収容部363の下部(底壁部33側)に、前方側が上方となるように段差部363dを形成した。このような段差部363dを形成することで、ハウジング30を前後方向(ケーブル挿脱方向)Xが水平となるように配置するとともに、ケーブル20を当該ハウジング30に挿入した状態では、保持端子収容部363の上面(天壁部32の下面32c)および下面(底壁部33の上面33c)のうち少なくとも何れか一方の面(本実施形態では下面)は、ケーブル挿脱方向の離脱側(前後方向Xの前側)のほうが、ケーブル挿脱方向の挿入側(前後方向Xの後側)よりもケーブル20までの距離が短くなる。
そして、保持端子収容部363に保持端子50Aを後側から挿入した際には、固定側アーム部(保持端子側アーム部)54Aは、先端(固定側保持部54aA)が上方に移動するように変位するこことなる。
さらに、第1コンタクト収容部361の下部(底壁部33側)に、前方側が下方となるように段差部361dを形成した。このような段差部361dを形成することで、ハウジング30を前後方向(ケーブル挿脱方向)Xが水平となるように配置するとともに、ケーブル20を当該ハウジング30に挿入した状態では、第1コンタクト収容部361の上面(天壁部32の下面32c)および下面(底壁部33の上面33c)のうち少なくとも何れか一方の面(本実施形態では下面)は、ケーブル挿脱方向の挿入側(前後方向Xの後側)のほうが、ケーブル挿脱方向の離脱側(前後方向Xの前側)よりもケーブル20までの距離が短くなる。
そして、第1コンタクト収容部361に第1コンタクト50を後から挿入した際には、固定側アーム部(保持端子側アーム部)54は、先端(固定側接点部54a)が下方に移動するように変位することとなる。
このように、段差部363dを前方が上側となるように形成するとともに、段差部361dを前方が下側となるように形成することで、固定側保持部(保持部)54aAの高さ位置を固定側接点部(接点部)54aの高さ位置よりも上方に位置させている。
したがって、保持端子収容部363に収容した状態における保持端子50Aの固定側保持部54aAと可動側保持部56aAとの間の距離D8は、第1コンタクト収容部361に収容した状態における第1コンタクト50の固定側接点部54aと可動側接点部56aとの間の距離D9よりも短くなる。
かかる構成とすれば、レバー70が開位置にある状態でケーブル20をハウジング30に挿入する際に、ケーブル20が第1コンタクト50の固定側接点部54aおよび可動側接点部56aに干渉してしまうのが抑制される。そのため、ケーブル20のハウジング30への挿入性を高めることができるようになる。
さらに、レバー70が開位置にある状態でケーブル20をハウジング30に挿入した際に、固定側保持部54aAでケーブル20が仮保持されることとなるため、ケーブル20のコネクタ10からの外れを抑制することができるようになる。なお、レバー70を閉位置にさせると、ケーブル20は、固定側保持部54aAと可動側保持部56aAとで保持されることとなる。
このような段差部363dおよび段差部361dは、ハウジング30を金型により樹脂成形する際に形成することができる。例えば、前後方向Xに分割された2つの金型(図示せず)を用い、当該2つの金型を合わせた際に、2つの金型の合わせ部(奥壁面36bの位置)に段差が生じるようにすることで、ハウジング30を樹脂成形する際に段差部363dおよび段差部361dも形成されるようにすることができる。
また、本実施形態では、図4および図5に示すように、ケーブル20における両端の保持端子50Aと対応する部位では、導体21は、本体部20a内に形成された導体(図示せず)との電気的接続が保持孔22によって分断されており、両端の保持端子50Aは、信号伝送用のコンタクトとして用いられていない。なお、ケーブル20における両端の保持端子50Aと対応する部位に導体21を設けないようにすることも可能である。
レバー70には、図3および図7に示すように、第1コンタクト50、第2コンタクト60および保持端子50Aにそれぞれ設けたばね部57,67,57Aに対応するように、貫通孔73が形成されている。さらに、レバー70の貫通孔73に隣接する位置には、レバー70の回動に伴って回動し、ばね部57,67,57Aに設けたカム面57a,67a,57aAに摺接するカム部74が形成されている。
本実施形態では、カム部74は、略円柱状の円形部74aと、当該円形部74aに連設された略直方体状の方形部74bとを備えており、前後方向X断面視で略鍵穴状に形成されている(図12,図14および図16参照)。
そして、カム部74は、レバー70が開位置にあるときには、横方向(前後方向X)に細長くなっており、上下方向Zの寸法が、第1コンタクト50のばね部57と端子アーム部55との間隔、第2コンタクト60のばね部67と端子アーム部65との間隔および保持端子50Aのばね部57Aと端子アーム部55Aとの間隔よりも小さくなっている。すなわち、レバー70が開位置にあるときには、カム部74とばね部57,67,57Aとは、非接触状態となっている。
一方、レバー70を閉方向に回動させた際には、カム部74が立ち上がるように回動する途中で、カム部74の上下方向Zの寸法が、ばね部57と端子アーム部55との間隔、ばね部67と端子アーム部65との間隔およびばね部57Aと端子アーム部55Aとの間隔よりも大きくなるようにしている。
そして、ばね部57の先端と端子アーム部55の先端との間隔、ばね部67の先端と端子アーム部65の先端との間隔およびばね部57Aの先端と端子アーム部55Aの先端との間隔が相対的に開くように、ばね部57,67,57Aを弾性的に撓み変形させるようにしている。
次に、レバー70を閉じる際のコネクタ10の動作を説明する。
まず、レバー70が開位置にある状態で、ケーブル20をハウジング30内に挿入する。このとき、固定側アーム部(保持端子側アーム部)54Aの固定側保持部54aAがケーブル20の保持孔(係止部:保持部)22に下方から挿入され、ケーブル20が固定側保持部54aAによって係止される。すなわち、ケーブル20が保持端子50Aによって仮保持される。
そして、レバー70を図1の時計回り方向に回動させると、カム部74がばね部57のカム面57a、ばね部67のカム面67aおよびばね部57Aのカム面57aAに当接し、カム面57a,67a,57aAと摺接する。さらに、レバー70を閉方向に回動させると、カム部74は、ばね部57の先端と端子アーム部55の先端との間隔、ばね部67の先端と端子アーム部65の先端との間隔およびばね部57Aの先端と端子アーム部55Aの先端との間隔が相対的に開くように、ばね部57,67,57Aを弾性的に撓み変形させる。
そして、ばね部57の撓み変形に伴い、連結ばね部53が弾性的に撓み変形する。このように、ばね部57および連結ばね部53を撓ませることで、第1コンタクト50は、可動側コンタクト部52の可動側アーム部(接触部)56と固定側コンタクト部51の固定側アーム部(接触部)54との間隔(可動側接点部56aと固定側接点部54aとの距離)が小さくなるように弾性的に撓み変形する。すなわち、可動側接点部56aが固定側接点部54a方向に移動する。その結果、ケーブル20は、可動側接点部56aと固定側接点部54aとに圧着された状態で、第1コンタクト50に導通接続される。
第2コンタクト60においても同様の動作が行われる。すなわち、ばね部67の撓み変形に伴い、連結ばね部63が弾性的に撓み変形する。このように、ばね部67および連結ばね部63を撓ませることで、第2コンタクト60は、可動側コンタクト部62の可動側アーム部(接触部)66と固定側コンタクト部61の固定側アーム部(接触部)64との間隔(可動側接点部66aと固定側接点部64aとの距離)が小さくなるように弾性的に撓み変形する。すなわち、可動側接点部66aが固定側接点部64a方向に移動する。その結果、ケーブル20は、可動側接点部66aと固定側接点部64aとに圧着された状態で、第2コンタクト60に導通接続される。
このとき、幅方向Yの両端に配置された保持端子50Aの可動側保持部56aAおよび固定側保持部54aAは、ばね部57Aおよび連結ばね部53Aを撓ませた際に、互いの間隔が小さくなるように弾性的に撓み変形する。その結果、可動側保持部56aAおよび固定側保持部54aAが保持孔22にケーブル20の表裏面側からより挿入された状態となる。その結果、可動側保持部56aAおよび固定側保持部54aAが保持孔22に係止されて、ハウジング30に挿入されたケーブル20の抜け止めがなされる。
一方、枢支軸71は、レバー70を図1の時計回り方向に回動させると、レバー70の回動に伴い、回動中心Cを中心として回動する。
具体的には、枢支軸71は、レバー70の回動初期には、前側上部頂点71eが後方かつ上方に移動するように回動する。
そして、レバー70を開位置から閉位置に回動させる途中で、幅広部71iの一端である後側下部頂点71gが第1内面38eに当接するとともに、前側上部頂点71eが上壁部(第2壁部)38bの下面(第2内面)38dに当接する。
この状態で、レバー70を閉位置に向けてさらに回動させると、枢支軸(回動軸部)71は、幅広部71iの一端である後側下部頂点71gが第1内面38eに摺接した状態で、他端である前側上部頂点71eが下面(第2内面)38dに摺接する。このとき、枢支軸71の前側上部頂点71eは、上壁部(第2壁部)38bを上方に弾性変形させながら上壁部(第2壁部)38bの下面(第2内面)38dを摺動することとなる。
この上壁部(第2壁部)38bの上方への弾性変形は、後側下部頂点71gと前側上部頂点71eとを結ぶ対角線が鉛直方向となるまで行われる。すなわち、前側上部頂点71eが最上部に到達するまで、上壁部(第2壁部)38bが上方に弾性変形することとなる。
さらに、レバー70を閉位置に向けて回動させると、枢支軸71は、前側上部頂点71eが後方かつ下方に移動するように回動し、上壁部(第2壁部)38bが、元の状態に復帰するように下方に移動する。そして、レバー70を閉位置まで回動させた際には、枢支軸71の前側面71cが略水平となった状態で上方に配置される。
このように、本実施形態では、レバー70を開位置から閉位置まで閉方向に回動させた際に、途中までは、上壁部(第2壁部)38bの弾性復元力がレバー70の回動方向への回動を阻害する方向に働き、所定の回動量を超えると、上壁部(第2壁部)38bの弾性復元力がレバー70の回動方向への回動を促進する方向に働くようにしている。すなわち、上壁部(第2壁部)38bの弾性復元力によって枢支軸71が押圧されることでレバー70に働くモーメントの作用方向が、レバー70を開位置から閉位置まで回動させる途中で、開方向から閉方向へと変化するようにしている。
このように、レバー70の回動の途中で、レバー70に働くモーメントの作用方向を開方向から閉方向へと変化させることで、レバー70の操作時にクリック感を与えるようにしている。なお、閉方向から開方向への回動の際にも、同様のクリック感を与えることができる。
このように、ケーブル20をハウジング30内に挿入した状態で、レバー70を開位置から閉位置まで回動させることで、コネクタ10のハウジング30にケーブル20を係止したコネクタ組立体100が形成される。
以上説明したように、本実施形態では、コネクタ10は、ケーブル20が挿入されるハウジング30と、ハウジング30に収容されてケーブル20に導通接続される端子40と、ハウジング30に、開位置と閉位置との間で回動できるように取り付けられるレバー70と、を備えている。
また、レバー70の幅方向(回動軸方向)Yの両端部には、ハウジング30の軸受部(被取付部)38に取り付けられる枢支軸(回動軸部:取付部)71が形成されている。
そして、枢支軸(回動軸部:取付部)71および軸受部(被取付部)38のうち少なくとも何れか一方に、ケーブル20がハウジング30に挿入されていない状態でレバー70が開位置から閉位置に回動するのを抑制する空閉抑制構造80を形成した。
こうすることで、ケーブル20がハウジング30に挿入されていない状態でレバー70に触れたり、回路基板を積み重ねたりすることで、レバー70が開位置から閉位置に回動してしまうのを抑制することができる。その結果、レバー70の空閉じによる端子40の塑性変形を抑制することができ、コネクタ10の接続信頼性が低下してしまうのを抑制することができるようになる。
また、空閉抑制構造80をレバー70の幅方向Yの両端に形成することで、芯数(端子40の数)によらず、レバー70の開閉時に生じる負荷を一定にすることができる。
また、本実施形態では、取付部をレバー70に形成された枢支軸(回動軸部)71とし、被取付部をハウジング30に形成されて枢支軸(回動軸部)71を軸支する軸受部38としている。
また、レバー70を開位置から閉位置に回動させた際に、当該レバー70の回動に伴って回動するように枢支軸(回動軸部)71を形成している。
そして、枢支軸(回動軸部)71の形状を、幅方向(回動軸方向)Yと直交する方向の幅が幅広となる幅広部71iと幅狭となる幅狭部71jとを有する形状とし、軸受部38に、枢支軸(回動軸部)71の外周面71kに対向する内面(第1内面38eおよび第2内面38d)が形成されるようにしている。
そして、レバー70を開位置から閉位置に回動させる途中で、枢支軸(回動軸部)71の幅広部71iの両端の外周面が軸受部38の内面と摺接するように当該軸受部38を形成することで、空閉抑制構造80を形成している。
こうすることで、幅広部71iを回動の途中で軸受部38の内面に当接させるだけで、レバー70が開位置から閉位置に回動してしまうのを抑制することができるようになるため、構成の簡素化を図ることができる。
また、枢支軸(回動軸部)71が、当該枢支軸(回動軸部)71の回動中心Cからの距離が最大となる最長部(前側上部頂点71e)と最小となる最短部(後側面71d)とを有するようにし、下記の方法により空閉抑制構造80を形成するようにしてもよい。
まず、軸受部38の内面におけるレバー70を開位置から閉位置まで回動させた際に枢支軸(回動軸部)71の最長部(前側上部頂点71e)と対向する領域を対向領域(下面38d)とし、対向領域のうち枢支軸(回動軸部)71の回動中心Cからの距離が最短となる領域を最短領域Rとする。
そして、レバー70を開位置から閉位置に回動させる途中で最長部(前側上部頂点71e)と対向する領域が最短領域Rとなるようにするとともに、枢支軸(回動軸部)71の回動中心Cから最短領域Rまでの距離が枢支軸(回動軸部)71の回動中心Cから最長部(前側上部頂点71e)までの距離よりも短くなるように軸受部38を形成する。
こうして、空閉抑制構造80を形成する。
このような構成とすれば、最長部を回動の途中で軸受部38の内面に当接させるだけで、レバー70が開位置から閉位置に回動してしまうのを抑制することができるようになるため、構成の簡素化を図ることができるようになる。
また、本実施形態では、枢支軸(回動軸部)71は、幅方向(回動軸方向)Yと直交する方向の断面形状が略正方形状をしている。
こうすれば、構成を複雑化させることなく空閉抑制構造80を形成することができるようになる上、レバー70をより容易に製造することができる。
また、断面形状を略正方形状とすることで、本実施形態のように、レバー70を開位置から閉位置まで約90°回動させる場合には、レバー70が開位置にある状態および閉位置にある状態のいずれの状態であっても、4つの平坦面のうちの1つの平坦面(本実施形態では、開位置にある状態では図9の下面71b、閉位置にある状態では図9の後側面71d)を延設部331の幅方向Yの端部の上面331a(第1内面38e)に面接触させることが可能となる。そのため、レバー70を、開位置および閉位置の状態でより安定して保持させることができるようになる。すなわち、レバー70が開位置にあるときには、レバー70が閉位置に回動してしまうのが、下面71bと第1内面38eとの面接触によって抑制され、レバー70が閉位置にあるときには、レバー70が開位置に回動してしまうのが、後側面71dと第1内面38eとの面接触によって抑制されるようにすることができる。
また、本実施形態では、枢支軸(回動軸部)71および軸受部38の少なくとも互いに当接する部位を樹脂で形成している。
このように、枢支軸(回動軸部)71と軸受部38との接触を樹脂同士の接触とすることで、金属と樹脂との接触の場合に比べて樹脂が削られにくくなるため、レバー70の開閉時に生じる負荷をより適正な状態で維持することが可能となる。すなわち、レバー70の開閉時に生じる負荷が大きくなりすぎたり、小さくなりすぎたりしてしまうのを抑制することができる。
また、本実施形態では、軸受部38は、枢支軸(回動軸部)71の外周面71kが対向する内面の一部を構成する第1内面38eを有する延設部(第1壁部)331と、当該延設部(第1壁部)331の第1内面38eに対して離間した状態で対向して内面の一部を構成する下面(第2内面)38dを有する上壁部(第2壁部)38bと、を備えている。
そして、上壁部(第2壁部)38bが延設部(第1壁部)331に片持ち構造で支持されるようにしている。
こうすれば、上壁部(第2壁部)38bが延設部(第1壁部)331に対して相対的に変位しやすくなるため、レバー70の開閉時に生じる負荷をこの変位により吸収することが可能となる。その結果、レバー70の開閉時に生じる負荷をより適正な状態で維持することが可能となる。
また、本実施形態では、上壁部(第2壁部)38bおよび延設部(第1壁部)331のうち少なくともいずれか一方の壁部が弾性変形可能に形成されている。
そのため、レバー70の開閉時に生じる負荷をこの弾性変形により吸収することが可能となる。その結果、レバー70の開閉時に生じる負荷をより適正な状態で維持することが可能となる。
また、本実施形態では、第1コンタクト収容部(第1端子収容部)361に収容される第1コンタクト(第1端子)50と、保持端子収容部363に収容される保持端子50Aと、を備えている。そして、第1コンタクト(第1端子)50と保持端子50Aとは形状が同一となっている。
また、第1コンタクト(第1端子)50は、ケーブル20に接触する固定側接点部(接点部)54aを有しており、保持端子50Aは、第1コンタクト(第1端子)50の固定側接点部(接点部)54aと対応する部位に形成されて、ケーブル20を保持する固定側保持部(保持部)54aAを有している。
そして、ハウジング30を前後方向(ケーブル挿脱方向)Xが水平となるように配置した状態で、保持端子収容部363に収容された保持端子50Aの固定側保持部(保持部)54aAの高さ位置が、第1コンタクト収容部(第1端子収容部)361に収容された第1コンタクト(第1端子)50の固定側接点部(接点部)54aの高さ位置と異なるようにしている。
こうすれば、同一形状の端子40を、第1コンタクト50および保持端子50Aとして共用することができる上、保持端子50Aとして用いる端子40にケーブル20の仮保持機能を持たせることが可能となる。
また、本実施形態では、前後方向(ケーブル挿脱方向)Xが水平となるようにするとともに、固定側保持部(保持部)54aAおよび固定側接点部(接点部)54aの上方にケーブル20が挿入されるようにハウジング30を配置した場合には、固定側保持部(保持部)54aAが固定側接点部(接点部)54aよりも上方に位置するようにしている。
このような構成とすることで、レバー70が開位置にあるときに、固定側接点部54aと可動側接点部56aとの間の距離を、ケーブル20の厚さとほぼ同程度の大きさとした場合であっても、固定側保持部(保持部)54aAがケーブル20の裏面(下面)よりも上方に突出することになるため、ケーブル20をハウジング30に挿入した際には、固定側保持部(保持部)54aAがケーブル20の保持孔(係止部:保持部)22に下方から挿入されて係止されることとなる。
したがって、ケーブル20のハウジング30への挿入性を向上させつつ、保持端子50Aによってケーブル20を仮保持できるようになる。
また、第1コンタクト(第1端子)50は、前後方向(ケーブル挿脱方向)Xに延在して固定側接点部(接点部)54aが形成される固定側アーム部(第1端子側アーム部)54を有しており、保持端子50Aは、前後方向(ケーブル挿脱方向)Xに延在して固定側保持部(保持部)54aAが形成される固定側アーム部(保持端子側アーム部)54Aを有している。
そして、保持端子収容部363および第1コンタクト収容部(第1端子収容部)361のうち少なくとも何れか一方の収容部には、当該収容部に収容される端子のアーム部を変位させる段差部(段差部361d、段差部363d)が形成されている。
このように、段差部(段差部361d、段差部363d)を設けることで、同一形状の端子40を、保持端子収容部363や第1コンタクト収容部(第1端子収容部)361に収容させるだけで、固定側保持部(保持部)54aAの高さ位置を固定側接点部(接点部)54aの高さ位置と異ならせることができる。
したがって、より簡素な構成で、保持端子50Aとして用いる端子40にケーブル20の仮保持機能を持たせることが可能となる。
このとき、保持端子収容部363および第1コンタクト収容部(第1端子収容部)361の両方に互いに逆方向となる段差部を設けるようにすれば、高さの差を所定の量とする際に、それぞれの端子40の変位量を少なくすることができる。その結果、端子40の塑性変形を抑制することができ、コネクタ10の接続信頼性が低下してしまうのを抑制することができるようになる。
また、ハウジング30を樹脂により形成し、当該ハウジング30を金型により樹脂成形する際に、段差部(段差部361d、段差部363d)も同時に形成されるようにしてもよい。
こうすれば、ハウジング30を樹脂成形する際に段差部(段差部361d、段差部363d)も形成されるため、段差部の製造がより容易になる。
また、ハウジング30を前後方向(ケーブル挿脱方向)Xが水平となるように配置するとともに、ケーブル20を当該ハウジング30に挿入した状態で、保持端子収容部363の上面(天壁部32の下面32c)および下面(底壁部33の上面33c)のうち少なくとも何れか一方の面(本実施形態では下面)は、ケーブル挿脱方向の離脱側(前後方向Xの前側)のほうが、ケーブル挿脱方向の挿入側(前後方向Xの後側)よりもケーブル20までの距離が短くなるようにした。
こうすれば、同一形状の端子40を、保持端子収容部363に収容させるだけで、固定側保持部(保持部)54aAの高さ位置を固定側接点部(接点部)54aの高さ位置と異ならせることができる。すなわち、固定側保持部(保持部)54aAを固定側接点部(接点部)54aよりもケーブル20側に位置させることができる。
したがって、より簡素な構成で、保持端子50Aとして用いる端子40にケーブル20の仮保持機能を持たせることが可能となる。
また、ハウジング30を前後方向(ケーブル挿脱方向)Xが水平となるように配置するとともに、ケーブル20を当該ハウジング30に挿入した状態で、第1コンタクト収容部361の上面(天壁部32の下面32c)および下面(底壁部33の上面33c)のうち少なくとも何れか一方の面(本実施形態では下面)は、ケーブル挿脱方向の挿入側(前後方向Xの後側)のほうが、ケーブル挿脱方向の離脱側(前後方向Xの前側)よりもケーブル20までの距離が短くなるようにした。
こうすれば、同一形状の端子40を、第1コンタクト収容部(第1端子収容部)361に収容させるだけで、固定側保持部(保持部)54aAの高さ位置を固定側接点部(接点部)54aの高さ位置と異ならせることができる。すなわち、固定側保持部(保持部)54aAを固定側接点部(接点部)54aよりもケーブル20側に位置させることができる。
したがって、より簡素な構成で、保持端子50Aとして用いる端子40にケーブル20の仮保持機能を持たせることが可能となる。
このように、本実施形態によれば、コストの削減を図りつつ、ケーブル20のコネクタ10からの外れを抑制することのできるコネクタ10、コネクタ組立体100および当該コネクタ組立体100で用いられるケーブル20を得ることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、延設部(第1壁部)331および上壁部(第2壁部)38bのうち少なくともいずれか一方の壁部に傾斜面38fを形成するようにしてもよい。
図19では、上壁部(第2壁部)38bの下面38dに前方かつ下方に向けて傾斜する傾斜面38fを形成したものを例示している。このように、上壁部(第2壁部)38bの下面38dに前方かつ下方に向けて傾斜する傾斜面38fを形成することで、レバー70を開位置から閉位置に回動させる際に上方に移動する枢支軸(回動軸部)71の前側において、枢支軸(回動軸部)71と下面38dとの距離が小さくなる。
その結果、レバー70を開位置から閉位置に回動させる途中の初期段階(レバー70をあまり回動させない状態)で、枢支軸(回動軸部)71の前側上部頂点71eを傾斜面38fに接触させることができるようになる。すなわち、レバー70は、ほぼ開位置の状態で前側上部頂点71eを傾斜面38fに接触することとなる。
このような構成としても、レバー70を開位置から閉位置に回動させる途中で、枢支軸(回動軸部)71の幅広部71iの両端の外周面が、軸受部38の内面と摺接する。すなわち、幅広部71iの一端である後側下部頂点71gが第1内面38eに摺接するとともに、他端である前側上部頂点71eが下面(第2内面)38dの傾斜面38fに摺接することとなる。
そして、枢支軸(回動軸部)71および軸受部38をこのような構成とすることでも、ケーブル20がハウジング30に挿入されていない状態でレバー70が開位置から閉位置に回動するのを抑制する空閉抑制構造80を形成することができる。
以上の構成としても、上記実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
また、図19に示す構成とすれば、レバー70がほぼ開位置にある状態で、枢支軸(回動軸部)71の前側上部頂点71eが傾斜面38fに接触するため、早い段階でレバー70の閉方向への回動が規制されることとなり、より確実にレバー70の空閉を抑制することができるようになる。
また、図20に示すように、枢支軸(回動軸部)71の頂点のエッジが鋭くなる(曲率半径Rが小さくなる)ようにすることで、空閉抑制構造80を形成することも可能である。
具体的には、図20においても、図9と同様に、枢支軸(回動軸部)71は、XZ平面による断面形状(回動軸方向Yと直交する方向の断面形状)が略正方形状となるように形成されている。すなわち、枢支軸(回動軸部)71は、XZ平面による断面形状が4つの頂点(3つ以上の頂点)を有する形状をしている。
これら4つの頂点(前側上部頂点71e、前側下部頂点71f、後側下部頂点71g、および、後側上部頂点71h)は、レバー70が開位置から閉位置に回動する際に、延設部(第1壁部)331の第1内面38eおよび上壁部(第2壁部)38bの下面(第2内面)38dに当接する2つの頂点(前側上部頂点71eおよび後側下部頂点71g)を有している。また、延設部(第1壁部)331の第1内面38eおよび上壁部(第2壁部)38bの下面(第2内面)38dに当接しない頂点(前側下部頂点71fおよび後側上部頂点71h)を有している。
そして、レバー70が開位置から閉位置に回動する際に、第1内面38eおよび下面(第2内面)38dに当接する2つの頂点のうち少なくともいずれか一方の頂点の曲率半径R1を、第1内面38eおよび下面(第2内面)38dに当接していない頂点の曲率半径R2よりも小さくしている。
図20では、下面(第2内面)38dに当接する前側上部頂点71eの曲率半径R1を、第1内面38eおよび下面(第2内面)38dに当接していない頂点(前側下部頂点71fおよび後側上部頂点71h)の曲率半径R2よりも小さくしたものを例示している。
なお、図20では、第1内面38eに当接する後側下部頂点71gの曲率半径が、第1内面38eおよび下面(第2内面)38dに当接していない頂点(前側下部頂点71fおよび後側上部頂点71h)の曲率半径R2と略同一の大きさとなるものを例示している。
しかしながら、後側下部頂点71gの曲率半径も、前側上部頂点71eの曲率半径R1と略同一の大きさとすることも可能である。また、前側上部頂点71eの曲率半径を曲率半径R2と同じ大きさとしつつ、後側下部頂点71gの曲率半径を曲率半径R2よりも小さくする(曲率半径R1とする)ことも可能である。
このような構成としても、レバー70を開位置から閉位置に回動させる途中で、枢支軸(回動軸部)71の幅広部71iの両端の外周面が、軸受部38の内面と摺接する。すなわち、幅広部71iの一端である後側下部頂点71gが第1内面38eに摺接するとともに、他端である前側上部頂点71eが下面(第2内面)38dの傾斜面38gに摺接することとなる。
このとき、前側上部頂点71eの曲率半径R1が他の頂点の曲率半径R2よりも小さくなっているため、前側上部頂点71eが下面(第2内面)38dを押圧する力を頂点部分に集中させることができる。すなわち、前側上部頂点71eと下面(第2内面)38dとが接触する直線上に押圧力をより集中させることができる。その結果、前側上部頂点71eが下面(第2内面)38dに摺動しにくくなって、ケーブル20がハウジング30に挿入されていない状態でレバー70が開位置から閉位置に回動するのをより確実に抑制することができるようになる。
以上の構成としても、上記実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
また、上記実施形態では、端子収容部に段差部を設けることで、保持部の高さ位置を接点部の高さ位置と異ならせているが、端子収容部に傾斜面を設けることで保持部の高さ位置を接点部の高さ位置と異ならせるようにしてもよい。また、保持端子収容部自体の高さ位置を第1端子収容部とは異なるようすることで、保持部の高さ位置を接点部の高さ位置と異ならせるようにしてもよい。
また、回動軸部の断面形状を楕円形状や多角形状、星形等の形状とすることも可能であるし、軸受部を幅方向内側に開口する筒状とすることも可能である。
また、ハウジングやレバー、カム部、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更することが可能である。