JP6567911B2 - 音響発生器およびこれを備えた音響発生装置、電子機器 - Google Patents

音響発生器およびこれを備えた音響発生装置、電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP6567911B2
JP6567911B2 JP2015146818A JP2015146818A JP6567911B2 JP 6567911 B2 JP6567911 B2 JP 6567911B2 JP 2015146818 A JP2015146818 A JP 2015146818A JP 2015146818 A JP2015146818 A JP 2015146818A JP 6567911 B2 JP6567911 B2 JP 6567911B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frame member
diaphragm
adhesive
sound generator
frame
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015146818A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017028576A (ja
Inventor
靖人 藤井
靖人 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2015146818A priority Critical patent/JP6567911B2/ja
Publication of JP2017028576A publication Critical patent/JP2017028576A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6567911B2 publication Critical patent/JP6567911B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Piezo-Electric Transducers For Audible Bands (AREA)
  • Diaphragms For Electromechanical Transducers (AREA)
  • Details Of Audible-Bandwidth Transducers (AREA)

Description

本発明は、音響発生器およびこれを備えた音響発生装置、電子機器に関するものである。
従来、振動板と、振動板の外周部を支持する枠部材と、枠部材の枠内の振動板上に設けられた圧電素子と、圧電素子を被覆する樹脂層とから構成された圧電スピーカが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
また、振動板の外周部を一対の枠部材で挟持するように支持した圧電スピーカも知られている(例えば、特許文献2を参照)。
実開昭57−128299号公報 実開平2−90600号公報
近年では圧電スピーカの音圧向上が求められており、高電圧駆動により音圧を向上させる場合がある。しかしながら、上記のような圧電スピーカにおいては、高電圧で連続駆動させた場合に、初期的には音圧を向上できるものの、駆動時間の経過とともに振動板が緩み、音圧が低下するおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、高電圧で連続駆動した場合でも音圧の低下を抑制できる、信頼性に優れた音響発生器およびこれを備えた音響発生装置、電子機器を提供することを目的とする。
本発明の音響発生器は、振動板と、該振動板の外周部を支持する枠部材と、該枠部材の枠内の前記振動板上に設けられた励振器とを備え、前記振動板の外周部の少なくとも一部が前記枠部材から枠外に向けて突出しており、突出した当該振動板から前記枠部材の外面にかけて接着剤が設けられおり、前記接着剤は、前記枠部材の外面における接着面の高さ方向に起伏があることを特徴とする。
また本発明の音響発生装置は、上記構成の音響発生器と、該音響発生器を収容する筐体とを備えることを特徴とする。
また本発明の電子機器は、上記構成の音響発生器と、該音響発生器に接続された電子回路と、該電子回路および前記音響発生器を収容する筐体とを備えることを特徴とする。
本実施形態の音響発生器によれば、高電圧で連続駆動した場合でも音圧の低下を抑制でき、信頼性に優れた音響発生器を実現することができる。また、本実施形態の音響発生装置および電子機器によれば、高音圧、高音質で高信頼性を有する優れた音響性能を有する音響発生装置および電子機器を実現することができる。
(a)は本実施形態の音響発生器の一例を示す概略平面図、(b)は(a)に示すA−A線で切断した概略断面図である。 (a)は本実施形態の音響発生器の他の例を示す概略平面図、(b)は(a)に示すA−A線で切断した概略断面図である。 (a)は本実施形態の音響発生器の他の例を示す概略平面図、(b)は(a)に示す矢印の方向から見た概略正面図である。 本実施形態の音響発生器の他の例を示す概略断面図である。 本実施形態の音響発生器の他の例を示す概略断面図である。 本実施形態の音響発生装置の一例を示すブロック図である。 本実施形態の電子機器の一例を示すブロック図である。 (a)は本実施形態の音響発生器の周波数−音圧特性の一例を示すグラフであり、(b)は比較例となる従来の音響発生器の周波数−音圧特性を示すグラフである。
以下、添付図面を参照して、本実施形態の音響発生器の一例を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1(a)は本実施形態の音響発生器の一例を示す概略平面図、図1(b)は図1(a)に示すA−A線で切断した概略断面図である。図1に示す音響発生器1は、振動板12と、振動板12の外周部を支持する枠部材13と、枠部材13の枠内の振動板12上に設けられた励振器としての圧電素子11とを備え、振動板12の外周部の少なくとも一部が枠部材13から枠外に向けて突出しており、突出した振動板12から枠部材13の外面にかけて接着剤15が設けられている。
音響発生器1を構成する圧電素子11としては、その構成を図示していないが、例えば、圧電体層と内部電極層とが積層されて板状に形成された積層体を備え、この積層体の内部電極層が導出された側面に設けられた外部電極と、この外部電極に接続されて積層体の主面に設けられた表面電極とを備えた形態を採用できる。この圧電素子11は、枠部材13の枠内に位置する振動板12の主面上に貼り付けられるなどして設けられ、電圧の印加を受けて振動することによって振動板12を振動させる。
圧電素子11を構成する圧電体層は圧電特性を有するセラミックスで形成されたもので、このようなセラミックスとして、チタン酸ジルコン酸鉛(lead zirconate titanate)
、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、Bi層状化合物、タングステンブロンズ構造化合物等の非鉛系圧電体材料等、従来から用いられている圧電セラミックスを用いることができる。圧電体層の厚みは例えば0.04〜1.0mmに設定される。また、大きな屈曲振動を得るために、200pm/V以上の圧電定数d31を有することが好ましい。
また、圧電素子11を構成する内部電極層は、圧電体層を形成するセラミックスと同時焼成により形成されたもので、第1の内部電極層および第2の内部電極層からなり、圧電体層と交互に積層されて圧電体層を上下から挟んでいる。内部電極層を形成する材料としては、種々の金属材料を用いることができる。例えば、低温焼成が可能な銀や銀−パラジウムを主成分とする導体、あるいは銅、白金などを含む導体を用いることができるが、これらにセラミック成分やガラス成分を含有させてもよい。なお、銀とパラジウムとからなる金属成分と、圧電体層を構成するセラミック成分とを含有した材料で内部電極層を構成した場合、圧電体層と内部電極層との熱膨張差による応力を低減することができるので、積層不良のない圧電素子11を得ることができる。
また、圧電素子11を構成する外部電極および表面電極の材料としては、銀や銀にシリカを主成分としたガラス等を含有させた銀化合物、ニッケルなどを用いることができる。
圧電素子11としては、例えば上面側および下面側の主面が長方形状または正方形状といった多角形の形状、あるいは円形または楕円形といった形状をなしている板状体からなることが好ましく、このような圧電素子11および後述の振動板12と枠部材13を用いることにより、音響発生器を薄型にすることができる。
圧電素子11は例えば圧電体層が1層のモノモルフ構造(単層の圧電体)であって構わないが、圧電体層が2層以上でバイモルフ構造とするのが好ましい。それにより、薄型化に貢献するとともに、少ないエネルギーで効率よく振動板12を振動できる。また、ある瞬間に加えられる電界による変位の向きが、厚み方向における一方側と他方側とで逆転するように分極されているバイモルフ構造においては、圧電素子11自体が屈曲振動することにより、振動板12との接合面での機械的損失を低減できるため、音圧の向上に寄与することができる。
なお、表面電極と内部電極層との電気的な接続は、上述したような外部電極によるものにかえて、圧電体層を貫通する貫通導体によるものであってもよい。
音響発生器1を構成する振動板12としては、樹脂や金属等の種々の材料を用いて形成することができる。例えば、ステンレス等の金属板、ポリエチレン、ポリイミド、アクリル、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート等の樹脂フィルムで、厚さ10〜200μmとされた振動板12を用いることができる。
この振動板12には、励振器としての圧電素子11が取り付けられている。具体的には、圧電素子11の主面がエポキシ系樹脂等の接着剤により振動板12の主面に接合されている。
そして、振動板12は、圧電素子11の振動によって振動するようになっている。例えば、圧電素子11の表面電極に配線部材(図示せず)が接続され、この配線部材を介して圧電素子11に電気信号が入力される。ここで、圧電素子11が面内方向(振動板12の主面に平行な方向)に伸長したとき、振動板12は圧電素子11側へ凸となるように屈曲する。次に、この状態で電気信号の正負極を逆転すると圧電素子11が収縮し、振動板12は圧電素子11側へ凹となるように屈曲する。すなわち、圧電素子11に交流信号を与えることにより、圧電素子11を伸縮させて、振動板12に屈曲振動を与えることができる。
また、振動板12の主面の外周部を支持するように枠部材13が設けられている。ここで、枠部材13は、当該枠部材13の主面(図1では下面)と振動板12の主面(図1では上面)の外周部とが例えば熱硬化樹脂、UV熱硬化樹脂などの接着剤を介して接合されることによって、振動板12の主面の外周部を支持している。
枠部材13としては、例えば内周形状および外周形状が矩形である枠部材を用いることができる。なお、図1に示す例では、枠部材13は振動板12の一方主面側のみに設けられているが、後述する図5に示すように、振動板12の他方主面側にも設けられていて、一方主面側の第1の枠部材131と他方主面側の第2の枠部材132とで振動板12の外周部を挟持して支持していてもよい。
枠部材13(第1の枠部材131、第2の枠部材132)の厚さ(高さ)としては、例えば100μm〜5.0mmのものを採用することができる。
また、枠部材13の材質としては、例えばガラスや金属や樹脂など種々の材料を用いる
ことができる。枠部材13がガラスや金属からなる場合は、剛性が高いため変形が小さく、音質が安定する。一方、枠部材13が樹脂からなる場合は、ガラスや金属よりも剛性が小さく、振動板12の振動による変形を起こしやすいため、振動板12の共振にスプリアス振動を誘発し易くなる。したがって、音圧特性において共振ピークが分散されピークやディップを低減でき、周波数特性を平坦化することができる。よって、音圧の平坦化による音質の向上を図ることができる。
また、枠部材13は、周方向において複数個の部材が配置されて組み立てられてなり、これらが互いに接合されたものであってもよい。
また、図1には、枠部材13の外周形状が長方形状であり、内周形状も長方形状である例を示しているが、このように縦横比が1よりも大きい形状であることで、共振の分散に寄与し、ピークやディップの低減に寄与することができる。ただし、正方形、平行四辺形、台形および正n角形といった多角形であってもよく、円形や楕円形であってもよい。
また、図1に示すように、必要により枠部材13の枠内に圧電素子11を被覆するように樹脂層14が設けられてもよい。
図1では圧電素子11が1個の場合を例示しているが、圧電素子11の個数を限定するものではない。また、図1では振動板12の一方主面に圧電素子11が設けられた例を示しているが、振動板12の両主面にそれぞれ圧電素子11が設けられてもよい。
そして、本実施形態の音響発生器においては、振動板12の少なくとも一部が枠部材13から枠外に向けて突出しており、図1に示す音響発生器1においては、振動板12の長手方向に沿った両端部が、枠部材13から枠外に向けて突出している。ここでいう枠外とは振動板12の主面に垂直な方向から見たときの枠部材13の外周よりも外側のことを意味し、枠外に向けて突出しているとは枠部材13の外周よりも外側に振動板12の一部があることを意味している。
さらに、突出した当該振動板12から枠部材13の外面にかけて接着剤15が設けられている。言い換えると、枠部材13の枠外に突出した振動板12の主面上に接着剤15が盛り上がって設けられていて、この接着剤15が枠部材13の外面に付着し、振動板12の主面上と枠部材13の外面とを接合している。
ここで、接着剤15としては、例えば熱硬化樹脂、UV熱硬化樹脂などの接着剤を採用することができ、枠部材13の主面(図1では下面)と振動板12の一方主面(図1では上面)の外周部との間に介在される接着剤と同じものを用いてもよく、異なるものを用いてもよい。
このような構成とすることで、振動板12と枠部材13との接着強度が増し、駆動電圧を高くして連続駆動させても振動板12が緩まないため、音圧レベルの低下を抑制でき、信頼性の向上した音響発生器1とすることができる。
なお、平面視したときの枠部材13から枠外に突出する振動板12の最大突出量(最大突出距離)は、例えば50μm〜2.0mmに設定される。そして、平面視したときの枠部材13の外周から接着剤15の先端までの最大距離(接着剤15の最大突出距離)は、例えば50μm〜1.0mmに設定され、水平方向から見たときの振動板12の主面から接着剤15の先端までの最大距離(接着剤15の最大高さ)は、例えば80μm〜1.0mmに設定される。
ここで、図2に示すように、振動板12が全周にわたって枠部材13から枠外に向けて突出し、突出した当該振動板12から枠部材13の外面にかけて接着剤15が設けられていることがより好ましい。このような構成とすることで、枠部材13との接着強度が更に増し、駆動電圧を高くして連続駆動させても振動板12がより緩まなくなるため、音圧レベルの低下を更に抑制できる。
また、図3に示すように、接着剤15は、枠部材13の外面における接着面の高さ方向に起伏があることがより好ましい。このような構成とすることで、接着剤15の枠部材13の外面からの剥がれに対する応力が分散されることから、振動板12と枠部材13の接合強度の低下を更に抑制でき、音圧レベルの低下をさらに抑制できる。
ここで、枠部材13の外面における隣り合う山の頂点と谷の底との高さの差は例えば10〜30μmに設定され、最大高さ(最も高い山の頂点の高さ)と最小高さ(最も低い谷の底の高さ)との差は例えば10〜20μmに設定される。
なお、図示しないが、平面視したときの振動板12の主面における接着面の外周形状が凹凸を有する形状であってもよい。
また、図4に示すように、接着剤15がメニスカス状に振動板12および枠部材13の外面に接着されていてもよい。このような構成とすることで、枠部材13に伝搬した振動の反射波が分散されることから、反射波によって生じる歪を低減でき、音質を向上させることができる。なお、メニスカス形状の他、表面が曲面になっている形状、表面が鉛直方向に対して傾斜している形状などでもよい。
ここで、図5に示すように、枠部材13が第1の枠部材131と第2の枠部材132とからなり、突出した振動板12の一方の主面から第1の枠部材131の外面にかけて第1の接着剤151が設けられているとともに、突出した振動板12の他方の主面から第2の枠部材132の外面にかけて第2の接着剤152が設けられており、第1の接着剤151の第1枠部材131の外面における接着面の高さと第2の接着剤152の第2の枠部材132の外面における接着面の高さとが異なっていることがより好ましい。
このような構成とすることで、枠部材13に伝搬した振動の反射波に起因する振動へ共振周波数の異なるスプリアス振動を重ねることができ、反射波の振動が分割され、周波数特性でピーク/ディップが低減することから音質を向上できる。
なお、第1の接着剤151の第1枠部材131の外面における接着面の高さが例えば50〜100μmの場合において、第2の接着剤152の第2の枠部材132の外面における接着面の高さとの差は例えば50〜100μmに設定される。
次に、本実施形態の音響発生器の製造方法について説明する。
まず、圧電素子を構成する圧電体層となるセラミックグリーンシートを作製する。具体的には、圧電セラミックスの仮焼粉末と、アクリル系,ブチラール系等の有機高分子からなるバインダーと、可塑剤とを混合してセラミックスラリーを作製する。そして、ドクターブレード法、カレンダーロール法等のテープ成型法を用いることにより、このセラミックスラリーを用いてセラミックグリーンシートを作製する。圧電セラミックスとしては圧電特性を有するものであればよく、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO−PbTiO)からなるペロブスカイト型酸化物等を用いることができる。また、可塑剤としては、フタル酸ジブチル(DBP),フタル酸ジオクチル(DOP)等を用いることができる。
なお、プレス成形や押し出し成形等のその他の製法を用いてセラミック成形体を作製してもよい。
また、圧電体層と内部電極層とからなる積層体を作製する場合は、内部電極層となる導電性ペーストを作製する。具体的には、銀−パラジウムの金属粉末にバインダーおよび可塑剤を添加混合することによって導電性ペーストを作製する。この導電性ペーストを上記のセラミックグリーンシート上に、スクリーン印刷法を用いて所望の内部電極層のパターンで塗布し、この導電性ペーストが印刷されたセラミックグリーンシートを複数枚積層してセラミックグリーンシート積層体とすればよい。
そして、上記で得られたセラミックグリーンシートないしセラミックグリーンシート積層体を所定の温度で脱バインダー処理を行なった後、900℃〜1200℃の温度で焼成し、平面研削盤等を用いて所定の形状になるよう研削処理を施すことによって、単層の圧電体または交互に積層された内部電極層および圧電体層を備えた積層体を作製する。
なお、単層の圧電体、または内部電極層と圧電体層とを複数積層してなる積層体を作製できれば、どのような製造方法によって作製されてもよい。
次に、同様に銀を主成分とする導電粒子とガラスとを混合したものに、バインダー,可塑剤および溶剤を加えて作製した銀ガラス含有導電性ペーストを、圧電体または積層体の主面および側面に所定のパターンにてスクリーン印刷法等によって印刷して乾燥させた後、600℃〜800℃の温度で焼き付け処理を行ない、表面電極および外部電極を形成する。
その後、圧電体または積層体を分極処理して圧電活性を付与する。分極処理には直流電源装置を用いて、例えば圧電素子の表面に設けられた第1の表面電極を負極に、第2の表面電極を正極にそれぞれ接続し、例えば2kV/mm〜3kV/mmの電位差を、15℃〜35℃の雰囲気温度にて、印加時間として数秒印加すればよい。圧電材料の性質により、電圧、雰囲気温度、印加時間は好適に選定される。
上述のようにして所望の圧電素子11を得ることができるが、配線部材が必要な場合は以下の方法で、圧電素子11に接続すればよい。例えば導電性接着剤を用いて、フレキシブル配線基板を圧電素子11に接続固定(接合)する場合、圧電素子11の所定の位置に導電性接着剤用ペーストをスクリーン印刷等の手法を用いて塗布形成する。その後、フレキシブル配線基板を当接させた状態で導電性接着剤用ペーストを硬化させることにより、フレキシブル配線基板を圧電素子11に接続固定する。なお、導電性接着剤用ペーストは、フレキシブル配線基板側に塗布形成しておいてもよい。
なお、配線部材としては絶縁被覆したリード線を用い、接合部材としてはんだを用いてもよく、同様の機能を有する部材を好適に選択できる。
次に振動板12を作製する。例えばステンレス等の金属で振動板12を作製する場合は、所望の形状でプレス打ち抜き加工やエッチング処理により作製する。また、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等の樹脂で振動板12を作製する場合は、所望の形状となるように作製した金型を用い、射出成型により作製する。また、ポリエチレン、ポリイミド等の樹脂フィルムで振動板12を作製する場合は、所望の形状でプレス打ち抜き加工やレーザーカットにより作製する。
次に、振動板12の一方主面に接合材を用いて圧電素子11を接合固定する。接合材と
して、例えば嫌気性樹脂接着剤を用いる場合は、振動板12の一方主面側の所定の位置に嫌気性接着剤用ペーストをスクリーン印刷等の手法を用いて塗布形成する。
その後、圧電素子11を当接させた状態で圧力を印加し、嫌気性接着剤用ペーストを硬化させることにより、圧電素子11を振動板12に接合固定する。なお、嫌気性接着剤用ペーストは、圧電素子11側に塗布形成しておいてもよい。
次に枠部材13を作製する。例えばステンレス等の金属で枠部材13を作製する場合は、プレス打ち抜き加工やエッチング処理により作製する。また、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等の樹脂材料で枠部材13を作製する場合は、金型を用い射出成型により作製する。
次に、上記方法で加工された枠部材13の主面に、接着剤15を用いて振動板12を接合固定する。接着剤15として、例えば嫌気性樹脂接着剤を用いる場合は、振動板12の主面側の所定の位置に嫌気性接着剤用ペーストをスクリーン印刷等の手法を用いて塗布形成し、その後、枠部材13を当接させた状態で圧力を印加し嫌気性接着剤用ペーストを硬化させることにより、枠部材13を振動板12に接合固定する。なお、嫌気性接着剤用ペーストは、枠部材13側に塗布形成しておいてもよい。その他の接着剤15としては、例えば、加熱硬化型のエポキシ系接着剤等の接着剤を用いることができる。
ここで、振動板12の外周部の少なくとも一部が枠部材13から枠外に向けて突出した構成とするには、振動板12をレーザーにより枠部材13よりも大きくカットすればよい。また、突出した振動板12から枠部材13の外面にかけて接着剤15が設けられている構成とするには、接着剤の塗布量と塗布位置を調整して塗布すればよい。
また、振動板12の外周部が、全周にわたって枠部材13から枠外に向けて突出し、突出した当該振動板12から枠部材13の外面にかけて接着剤が設けられている構成についても、上記と同様の方法により得られる。
また、枠部材13の外面における接着面の高さ方向に起伏がある構成とするには、ディスペンサーまたは印刷により塗布量を適宜調整すればよく、接着剤15がメニスカス状に振動板12および枠部材13の外面に接着されている構成とするにも、塗布方向および塗布量を適宜調整すればよい。
また、枠部材13が第1の枠部材131と第2の枠部材132とからなり、突出した振動板12の一方の主面から第1の枠部材131の外面にかけて第1の接着剤151が設けられているとともに、突出した振動板12の他方の主面から第2の枠部材132の外面にかけて第2の接着剤152が設けられており、第1の接着剤151の第1枠部材131の外面における接着面の高さと第2の接着剤152の第2の枠部材132の外面における接着面の高さとが異なっている構成とするには、塗布量、塗布時間を適宜調整すればよい。
なお、上記では所望の形状に加工した振動板12を準備して圧電素子11を接着し、その後に振動板11と枠部材13を接着するとして説明を行ったが、特に樹脂フィルムを振動板12に用いる場合には、大面積の樹脂フィルムへ複数の圧電素子11と複数の枠部材13を接着した後、樹脂フィルムを所望の形状となるように、レーザーカットしてもよい。
以上の製法により、本実施形態の音響発生器が得られる。
次に、本実施形態の音響発生装置の一例について説明する。
音響発生装置はいわゆるスピーカのような発音装置であり、図6に示すように、本例の音響発生装置20は、音響発生器1と、音響発生器1を収容する筐体30を備える。なお、筐体30の一部が音響発生器1を構成する振動板12になっていてもよく、筐体30が音響発生器1を収容するとは、音響発生器1の一部(圧電素子11)を収容している状態も含むことを意味している。
筐体30は、音響発生器1の発する音響を内部で共鳴させるとともに、筐体30に形成された図示せぬ開口から音響を外部へ放射する。このような筐体30を有することにより、たとえば低周波数帯域における音圧を高めることができる。
かかる音響発生装置20は、スピーカとして単独で用いることができる他、後述するように、携帯端末や薄型テレビ、あるいはタブレット端末などへ好適に組み込むことが可能である。また、冷蔵庫、電子レンジ、掃除機、洗濯機などのように、従来、音質については重視されなかった家電製品に組み込むこともできる。
上述した本実施形態の音響発生装置20は、高電圧で連続駆動した場合でも音圧低下を抑制でき、信頼性の向上した音響発生器を用いて構成されていることから、高音圧、高音質で高信頼性を有する音響性能を有するものとなる。
次に、本実施形態の電子機器の一例について説明する。
図7に示すように、本例の電子機器50は、音響発生器1と、音響発生器1に接続された電子回路60と、電子回路60および音響発生器1を収容する筐体40とを備えており、音響発生器1から音響を発生させる機能を有する。
電子機器50は、電子回路60を備える。電子回路60は、たとえば、コントローラ50aと、送受信部50bと、キー入力部50cと、マイク入力部50dとから構成される。電子回路60は、音響発生器1に接続されており、音響発生器1へ音声信号を出力する機能を有している。音響発生器1は電子回路60から入力された音声信号に基づいて音響を発生させる。
また、電子機器50は、表示部50eと、アンテナ50fと、音響発生器1とを備え、これら各デバイスを収容する筐体40を備える。なお、図7では、1つの筐体40にコントローラ50aをはじめとする各デバイスがすべて収容されている状態をあらわしているが、各デバイスの収容形態を限定するものではない。本実施形態では、少なくとも電子回路60と音響発生器1とが、1つの筐体40に収容されていればよい。
コントローラ50aは、電子機器50の制御部である。送受信部50bは、コントローラ50aの制御に基づき、アンテナ50fを介してデータの送受信などを行う。キー入力部50cは、電子機器50の入力デバイスであり、操作者によるキー入力操作を受け付ける。マイク入力部50dは、同じく電子機器50の入力デバイスであり、操作者による音声入力操作などを受け付ける。表示部50eは、電子機器50の表示出力デバイスであり、コントローラ50aの制御に基づき、表示情報の出力を行う。
そして、音響発生器1は、電子機器50における音響出力デバイスとして動作する。なお、音響発生器1は、電子回路60のコントローラ50aに接続されており、コントローラ50aによって制御された電圧の印加を受けて音響を発することとなる。
なお、図7では、電子機器50が携帯用端末装置であるものとして説明を行ったが、電
子機器50の種別を問うものではなく、音響を発する機能を有する様々な民生機器に適用されてよい。たとえば、薄型テレビやカーオーディオ機器は無論のこと、音響を発する機能を有する製品、例を挙げれば、掃除機や洗濯機、冷蔵庫、電子レンジなどといった種々の製品に用いられてよい。
上述した本発明の電子機器は、高電圧で連続駆動した場合でも音圧低下を抑制できる、信頼性に優れた音響発生器を用いて構成されていることから、高音圧、高音質で高信頼性を有する優れた音響性能を有するものとなる。
次に、本実施形態の音響発生器の具体例について説明する。
チタン酸ジルコン酸鉛からなる圧電体層8層と、銀からなる内部電極層7層とが積層されてなるバイモルフ構造の圧電素子は、長さが65mm、幅が35mm、厚みが2mmの長尺板状とした。また、振動板は厚みが25μmの樹脂フィルムとし、振動板が枠部材から枠外にはみ出すように作製し、実施例の音響発生器を準備した。
なお、枠部材はステンレス製の上下一対の枠部材からなる構成とし、この一対の枠部材で振動板の外周部を挟持する形態とした。それぞれの枠部材は、内周の寸法が縦30mm、横60mm、外周の寸法が縦35mm、横65mmで、平面視による幅は2.5mm、厚み(高さ)は1.0mmのものを用いた。
また、振動板は全周にわたって枠部材から枠外に向けて突出し、その突出距離は1mmとした。
さらに、接着剤はエポキシ系接着剤からなり、枠部材と振動板との間にある接着剤が全周にわたって枠部材の枠外にはみ出し、枠部材の外面における接着面の高さ方向に起伏がある形態(図3の形態)とした。ここで、平面視による枠部材の外周からの接着剤の最大突出距離は100μm、枠部材の外面に垂直な方向から見て接着剤の最大高さは100μmであった。
上記のようにして作製した実施例の音響特性である音圧レベルの特性を測定した。その結果を図8(a)に示す。
一方、比較例として、振動板が枠部材から枠外にはみ出さないようにし、枠外に接着剤が設けられていない構成以外は実施例の音響発生器と同様の構成とした音響発生器を作製した。この音響発生器についても、上記実施例と同様に音響特性である音圧レベルの特性を測定した。その結果を図8(b)に示す。
図8(a)と図8(b)とを比較すると、実施例の音響発生器のほうが、比較例の音響発生器に対して、明らかに音圧レベル特性が向上していることがわかる。
以上のことから、振動板の外周部の少なくとも一部が枠部材から枠外に向けて突出し、突出した当該振動板から枠部材の外面にかけて接着剤が設けられている構成とすることにより、音圧レベル特性を改善できることが確認できた。
1 音響発生器
11 圧電素子
12 振動板
13 枠部材
131 第1の枠部材
132 第2の枠部材
14 樹脂層
15 接着剤
151 第1の接着剤
152 第2の接着剤
20 音響発生装置
30,40 筐体
50 電子機器
60 電子回路

Claims (6)

  1. 振動板と、該振動板の外周部を支持する枠部材と、該枠部材の枠内の前記振動板上に設けられた励振器とを備え、前記振動板の外周部の少なくとも一部が前記枠部材から枠外に向けて突出しており、突出した当該振動板から前記枠部材の外面にかけて接着剤が設けられており、前記接着剤は、前記枠部材の外面における接着面の高さ方向に起伏があることを特徴とする音響発生器。
  2. 前記枠部材が第1の枠部材と第2の枠部材とからなり、突出した前記振動板の一方の主面から前記第1の枠部材の外面にかけて第1の接着剤が設けられているとともに、突出した前記振動板の他方の主面から前記第2の枠部材の外面にかけて第2の接着剤が設けられており、前記第1の接着剤の前記第1枠部材の外面における接着面の高さと前記第2の接着剤の前記第2の枠部材の外面における接着面の高さとが異なっていることを特徴とする請求項1に記載の音響発生器。
  3. 振動板と、該振動板の外周部を支持する枠部材と、該枠部材の枠内の前記振動板上に設けられた励振器とを備え、前記振動板の外周部の少なくとも一部が前記枠部材から枠外に向けて突出しており、突出した当該振動板から前記枠部材の外面にかけて接着剤が設けられており、前記枠部材が第1の枠部材と第2の枠部材とからなり、突出した前記振動板の一方の主面から前記第1の枠部材の外面にかけて第1の接着剤が設けられているとともに、突出した前記振動板の他方の主面から前記第2の枠部材の外面にかけて第2の接着剤が設けられており、前記第1の接着剤の前記第1枠部材の外面における接着面の高さと前記第2の接着剤の前記第2の枠部材の外面における接着面の高さとが異なっていることを特徴とする音響発生器。
  4. 前記振動板の外周部が、全周にわたって前記枠部材から枠外に向けて突出し、突出した当該振動板から前記枠部材の外面にかけて接着剤が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちのいずれか1つに記載の音響発生器。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の音響発生器と、該音響発生器を収容する筐体とを備えることを特徴とする音響発生装置。
  6. 請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の音響発生器と、該音響発生器に接続された電子回路と、該電子回路および前記音響発生器を収容する筐体とを備えることを特徴とする電子機器。
JP2015146818A 2015-07-24 2015-07-24 音響発生器およびこれを備えた音響発生装置、電子機器 Expired - Fee Related JP6567911B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015146818A JP6567911B2 (ja) 2015-07-24 2015-07-24 音響発生器およびこれを備えた音響発生装置、電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015146818A JP6567911B2 (ja) 2015-07-24 2015-07-24 音響発生器およびこれを備えた音響発生装置、電子機器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017028576A JP2017028576A (ja) 2017-02-02
JP6567911B2 true JP6567911B2 (ja) 2019-08-28

Family

ID=57950024

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015146818A Expired - Fee Related JP6567911B2 (ja) 2015-07-24 2015-07-24 音響発生器およびこれを備えた音響発生装置、電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6567911B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6807771B2 (ja) 2017-02-20 2021-01-06 株式会社アルファ 車両用監視装置
JP7259278B2 (ja) * 2018-11-16 2023-04-18 Tdk株式会社 振動デバイス及び電子機器

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0833098A (ja) * 1994-07-18 1996-02-02 Taiyo Yuden Co Ltd 圧電音響装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017028576A (ja) 2017-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6367693B2 (ja) 圧電素子、圧電振動装置、音響発生器、音響発生装置および電子機器
JP5883202B1 (ja) 圧電素子及びこれを備えた音響発生器、音響発生装置、電子機器
JP5788110B2 (ja) 圧電素子ならびにこれを備えた圧電振動装置、携帯端末、音響発生器、音響発生装置および電子機器
JP6193783B2 (ja) 圧電アクチュエータおよびこれを備えた圧電振動装置、携帯端末、音響発生器、電子機器
WO2015129061A1 (ja) 圧電アクチュエータおよびこれを備えた圧電振動装置、携帯端末、音響発生器、音響発生装置、電子機器
WO2015125370A1 (ja) 音響発生器、音響発生装置、携帯端末および電子機器
JP5730452B1 (ja) 圧電アクチュエータおよびこれを備えた圧電振動装置、携帯端末、音響発生器、音響発生装置、電子機器
JP6567911B2 (ja) 音響発生器およびこれを備えた音響発生装置、電子機器
JP6434373B2 (ja) 圧電アクチュエータおよびこれを備えた圧電振動装置、音響発生器、音響発生装置、電子機器
JP6442531B2 (ja) 音響発生器、音響発生装置及び電子機器
JP2015207740A (ja) 圧電アクチュエータ、圧電振動装置、携帯端末、音響発生器、音響発生装置および電子機器
JP2015126605A (ja) 圧電アクチュエータおよびこれを備えた圧電振動装置、携帯端末、音響発生器、電子機器
WO2016047155A1 (ja) 音響発生器、音響発生装置および電子機器
WO2016067667A1 (ja) 音響発生器、音響発生装置および電子機器
JP6585821B2 (ja) 音響発生器およびこれを備えた電子機器
JP6411958B2 (ja) 音響発生器およびこれを備えた音響発生装置、電子機器
JP2019146108A (ja) 音響発生器および電子機器
JP6649077B2 (ja) 圧電素子、音響発生器、音響発生装置および電子機器
JP6193748B2 (ja) 圧電アクチュエータおよびこれを備えた圧電振動装置、携帯端末、音響発生器、電子機器
JP6431086B2 (ja) 圧電素子、音響発生器、音響発生装置および電子機器
JP6567955B2 (ja) 圧電素子およびこれを備えた音響発生器、音響発生装置、電子機器
JP6418962B2 (ja) 積層型圧電素子、音響発生器、音響発生装置及び電子機器
JP2017118424A (ja) 音響発生器、音響発生装置および電子機器
JP6923476B2 (ja) 圧電振動装置およびこれを備えた電子機器
JP2016154298A (ja) 音響発生器、音響発生装置および電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180323

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190305

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190409

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190702

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190801

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6567911

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees