JP6566018B2 - 車両の衝撃吸収構造 - Google Patents

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Description

この発明は、樹脂材料から形成されたフレーム部材を有する車両の衝撃吸収構造に関する。
従来より、車両前後方向の先端側(前部又は後部)において、左右1対のサイドフレームが設けられ、これらサイドフレームの先端部に、衝突時の衝撃エネルギを吸収可能な左右1対の衝撃吸収構造としてのクラッシュカンを介して車幅方向に延びるバンパレインフォースメントを取り付けた構造が知られている。
これら1対のクラッシュカンは、通常、金属材料によって成形され、車両衝突時には、軸方向に圧縮破壊されることにより車室に伝達される衝撃エネルギを吸収している。
クラッシュカンは大型部品であるため、車体重量の軽量化を狙いとして、特許文献1のクラッシュボックスに例示されるように、CFRP等の樹脂材料にて形成することも知られている。
一方、CFRP等の樹脂製のクラッシュカンは、車種の違いに関わらず共通化(単一化)した方が型費等コスト面で効率化できるメリットがある。
しかしながら衝突体に対するバンパレインフォースメントの高さは、車種によって異なることから該衝突体がバンパレインフォースメントに衝突時には、車種によってはクラッシュカンの軸方向に対して上方又は下方へ角度を有する斜め方向から衝突する。
具体的には、スポーツタイプ等の車種は、車高が低いため、バンパレインフォースメントの高さが衝突体に対して低くなる。このため、衝突体がバンパレインフォースメントに対して斜め上方から衝突する。これに対して、SUV等の車種は、車高が高いため、バンパレインフォースメントの高さが衝突体に対して高くなる。このため、衝突体がバンパレインフォースメントに対して斜め下方から衝突する。
そしてこのような上方斜突又は下方斜突によってクラッシュカンには、バンパレインフォースメントを介して上方又は下方へ角度を有する斜め方向から荷重が入力する。これにより、クラッシュカンの長手方向(車両前後方向又は軸方向)の一端と他端との間部分には、上下方向に圧縮するような曲げ応力が作用するため、クラッシュカンに折れが生じて軸方向に適切に圧縮破壊されないことが懸念される。
一方、特許文献1のものは、上方斜突又は下方斜突によってクラッシュカンの根元部(サイドフレームとの結合部、付根部)の曲げ応力が作用することによって折れが生じ得る課題に対する対策については言及されているが、クラッシュカンの根元部と先端部(バンパレインフォースメントとの結合部)との間部分については言及されておらず、さらなる検討の余地があった。
特開2009−274663号公報
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、上方斜突又は下方斜突によって衝撃吸収構造の前端と後端の間部分に作用する曲げ応力に対しての衝撃吸収構造の折れを抑制することを目的とする。
この発明は、車両前後方向に延びるとともに該車両前後方向の直交断面が車幅方向の内側又は外側に開口する開口部を車両前後方向の全長に渡って有する略コ字状に樹脂材料から形成されたフレーム部材を備えた車両の衝撃吸収構造において、上記フレーム部材は、車両前後方向の直交断面が車両前方へ向けて徐々に小さくなる先細り形状に形成されるとともに、上記開口部の上下各開口端部に上下相反する方向へ突出するフランジ部が車両前後方向に形成されており、上記上下各フランジ部同士をその車両前後方向について部分的に連結する連結部が設けられ、上記連結部は、上記フレーム部材の車両前後方向の中央のみに設けられ、上記フレーム部材の前端に、該前端から上記フレーム部材の内部に有する開断面空間の側に延出する先端側フランジ部が、上記フレーム部材の後端に、該後端から上記開断面空間の側と反対側に延出する付根側フランジ部が、夫々形成され、上記上下各フランジ部は共に、フレーム部材の前後方向の全長に渡って形成されるとともに、前端が上記先端側フランジ部と、後端が上記付根側フランジ部と、夫々連続して形成され、さらに、上記先端側フランジ部には、締結部材による、車幅方向に延びるバンパレイン側への取付け用の取り付け穴が、上記付根側フランジ部には、締結部材による、車両前後方向に延びるフロントサイドフレーム側への取り付け穴が、夫々設けられたものである。
上記構成によれば、上記フレーム部材を、成形上閉断面構造とすることが困難であるが故に車両前後方向の直交断面が略コ字状になるように形成したものでありながら、該フレーム部材の車両前後方向の車両先端側(前方側又は後方側)に対して上方又は下方へ角度を有する斜め方向からの衝突(上方斜突又は下方斜突)によって、フレーム部材の前端と後端の間部分に作用する曲げ応力に対しての折れの抑制を簡単な構成で実現することができる。
さらに、上記連結部は、上記フレーム部材の車両前後方向の中央のみに設けられたものであるため、フレーム部材の車両前後方向の中でも最も折れが生じ易い中央又はその近傍を効果的に補強することができ、車両前後方向において部分的に設けた連結部によってフレーム部材の折れを効率よく抑制することができる。
なお、上記フレーム部材の車両前後方向の中央とは、フレーム部材の車両前後方向(長手方向)の長さを2等分する中間位置を示す。
この発明の態様として、上記フレーム部材の側壁部には凹状の湾曲部が、上記フレーム部材の上下各壁部には段状の湾曲部が、夫々フレーム部材の前後方向の全長に渡って形成されたものである。
この発明によれば、上方斜突又は下方斜突によって衝撃吸収構造の前端と後端の間部分に作用する曲げ応力に対しての衝撃吸収構造の折れを抑制することができる。
本実施形態の衝撃吸収構造を備えた車両前部の要部を示す外観図。 本実施形態の衝撃吸収構造を備えた車両前部の要部を示す右側面図。 図2のA−A線矢視拡大断面図。 フレーム部材の前方かつ左斜め上方から視た外観図。 連結部材の配置位置を示す説明図(a)、連結部が(a)中のL=0のときのクラッシュカンの上方斜突時の変形量を示す解析図(b)。 図5(a)中のL=0以外のときのクラッシュカンへの前方からの衝突荷重入力時の変形量を示す解析図。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Lは車両左方(車幅方向外側)を示し、矢印Rは車両右方(車幅方向内側)を示し、矢印Uは車両上方を示すものとする。なお、本実施形態の衝撃吸収構造を備えた車体前部の要部は左右対称形状であるため、以下、特に示す場合を除いて車両左側の構成に基づいて説明する。
本実施形態は衝撃吸収構造を、車体前部に備えるとともに、炭素繊維強化樹脂(以下、「CFPR」と略記する)製のクラッシュカン1に適用したものである。
車体前部には、エンジンルームの左右両サイドに車両の前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレーム100が配設され、これらフロントサイドフレーム100の前端部には、締結等によってクラッシュカン1の取付けプレート110が取付けられている。
これら左右の取付けプレート110には、それぞれクラッシュカン1が取付けられており、左右のクラッシュカン1の前端部相互間には、車幅方向に延びるバンパレインフォースメント120(以下、「バンパレイン120」と略記する)を横架している。
図1に示すように、上述のフロントサイドフレーム100はフロントサイドフレームインナ101とフロントサイドフレームアウタ102との上下の接合フランジ部を接合固定して、車両の前後方向に延びる閉断面を形成した車体強度部材である。
また図1、図2に示すように、フロントサイドフレーム100の前部における各コーナー部(車幅方向外側の上下各部および車幅方向内側の上下各部)には、ボルト取付け部103が径外方向へ延出するように設けられている。なお、車幅方向内側下部のボルト取付け部103の図示は省略している。これらボルト取付け部103には、図2、図4に示すように、取付け穴103aが車両前後方向に貫通形成されている。
一方図2に示すように、取付けプレート110の正面視でボルト取付け部103の取付け穴103aに対応する部位には、取付け穴110a(図2参照)が貫通形成されている。
取付けプレート110は、フロントサイドフレーム100の前端部に当接した状態でボルトを各取付け穴103a,110aに挿通させてナットで締め付けることで、ボルトおよびナットから成る締結部材Taによりフロントサイドフレーム100の前端部に取り付けられている(図1、図2参照)。
一方図1、図2に示すように、上述のバンパレイン120は、不図示のバンパに所定の強度を持たせるための部材であり、その車幅方向における両端部分がそれぞれクラッシュカン1を介してフロントサイドフレーム100に固定されている。なお、バンパレイン120は、前方へ緩やかに湾曲しつつ車幅方向に延びており、その内部には閉断面空間11Aが形成されている。
図1、図2に示すように、上述したクラッシュカン1は、車両前後方向に延びるとともに図1〜図4に示すように、該車両前後方向の直交断面が車幅方向外側に開口する開口部15を有する略コ字状にCFPRから形成されたフレーム部材10と、図1〜図3に示すように、該フレーム部材10の上下一対の開口端部15u,15d同士を連結する連結部材20とで構成される。
図4に示すように、フレーム部材10は、フレーム本体部11と上側フランジ部12uと下側フランジ部12dと付根側フランジ部13と先端側フランジ部14とで成形により一体形成している。
図3に示すように、フレーム本体部11は、上壁部11aと下壁部11bと、これら壁部11a,11bの車幅方向内端を連結する車幅方向内側の側壁部11cとで車両前後方向に延びるとともにその車両前後方向全長に渡って車幅方向外側に開口した開断面空間11Aが形成されている。また図1、図2、図4に示すように、フレーム本体部11は、車両前後方向の直交断面が車両前方へ向けて徐々に小さくなる先細り形状にて構成されている。
図3に示すように、車幅方向内側の側壁部11cは、その上下方向の中間部に開断面空間11Aに向けて凹んだ凹入部11c1が車両前後方向の全長に渡って形成されており、該凹入部11c1に対して上下各側に、開断面空間11Aの側と反対側(車幅方向内側)へ滑らかに膨出する膨出部11c2,11c2が形成されている。
そして、上壁部11aと側壁部11cとのコーナー部および下壁部11bと側壁部11cとのコーナー部には、それぞれ上下各側の膨出部11c2,11c2の一部として湾曲した湾曲部11d,11dが形成されている(図3参照)。
また図3に示すように、上壁部11aは、車幅方向内側に対して車幅方向外側が段状の上壁湾曲部11eを介して上方へ迫り出した形状で形成されている一方、下壁部11bは、車幅方向内側に対して車幅方向外側が段状の下壁湾曲部11fを介して下方へ迫り出した形状で形成されている。
図1〜図4に示すように、上述した上側フランジ部12uは、フレーム本体部11の開口部15の上側開口端部15uから上方に突出形成される一方、上述した下側フランジ部12dは、フレーム本体部11の開口部15の下側開口端部15dから下方に突出形成される。
図2、図4に示すように、これら上下各フランジ部12u,12dは、共にフレーム本体部11の車両前後方向(長手方向)の略全長に渡って形成されるとともに、これら車両前後方向の中央部(中間位置)には、後述する連結部材20の接続用のリベット穴16(16u,16f)が車幅方向に貫通形成されている。
また図1、図2、図4に示すように、上述した付根側フランジ部13(13u,13d)は、フレーム本体部11の付け根側の端部(後端)から上下各側へ延出している。
同図に示すように、上下各側の付根側フランジ部13u,13dには、複数の取付け穴13aが貫通形成されている。一方図2に示すように、取付けプレート110は、その前面に上下各側の付根側フランジ部13u,13dが当接した状態において、正面視(車両後方視)で取付け穴13aに対応する部位に取付け穴110bが貫通形成されている。
そして図1、図2に示すように、クラッシュカン1に備えたフレーム部材10は、その上下各側の付根側フランジ部13u,13dが取付けプレート110の前面に当接した状態でボルトを各取付け穴13a,110bに挿通させてナットで締め付けることで、ボルトおよびナットから成る締結部材Tbより取り付けられている。
これにより、車両前後方向に対して上方又は下方へ角度を有する車両前方向からの衝突(以下、「上方斜突又は下方斜突」という)によって、クラッシュカン1に対して曲げ応力が入力した際に、その曲げ応力が最大となるクラッシュカン1の付根部においては、曲げ応力に対して折れが生じない強度が確保されている。
また図1、図2、図4に示すように、上述した先端側フランジ部14は、フレーム本体部11の先端(前端)から車幅方向外側に延出している。
図2、図4に示すように、先端側フランジ部14には、その上下各側に取付け穴14aが貫通形成されている。一方図2に示すように、バンパレイン120の後壁部121には、先端側フランジ部14との当接部位において、正面視(車両後方視)で取付け穴14aに対応する部位に取付け穴120aが貫通形成されている。
そして図2に示すように、バンパレイン120は、その後面121aにクラッシュカン1の先端側フランジ部14を当接した状態でボルトを各取付け穴14a,120aに挿通させてナットで締め付けることで、ボルトおよびナットから成る締結部材Tcによりクラッシュカン1(フレーム部材10)の先端部に取り付けられている。
また図1〜図3に示すように、上述した連結部材20は、短冊状の鋼板であり、フレーム本体部11の上記中央部における、上側フランジ部12uの上端と下側フランジ部12dの下端との間隔に相当する長手方向長さを有して形成されている。図2、図3に示すように、連結部材20は、フレーム本体部11の車両前後方向(長手方向)の上記中央部において上下各フランジ部12u,12dを連結するように配置した状態で、該連結部材20の長手方向(上下方向)の一端(上端)側における、上側フランジ部12uのリベット穴16uに対応する部位に、リベット穴21uが貫通形成されるとともに、その長手方向(上下方向)の他端(下端)側における、下側フランジ部12dのリベット穴16dに対応する部位には、リベット穴21dが貫通形成されている。
連結部材20の上部と上側フランジ部12uとにおける各リベット穴16u,21uにてリベットRを用いて締結接合するとともに、連結部材20の下部と下側フランジ部12dとにおける各リベット穴16d,21dにてリベットRを用いて締結接合することで、図2、図3に示すように、連結部材20は、フレーム部材10の車両前後方向の中間部にて上下各フランジ部12u,12dを連結するように配設される。
すなわち連結部材20は、クラッシュカン1の車両前後方向における前端(バンパレイン120の後面121aとの接合箇所)と後端(クラッシュカン1の取付けプレート110の前面との接合箇所)との間の略中央(中間位置)に設けられている。
これにより図3に示すように、連結部材20を、フレーム部材10の車両前後方向の中央において、開口部15を閉じるように上下方向に配設して連結部材20とフレーム本体部11とで閉断面空間11Aを構成することで、上方斜突時又は下方斜突時に上下各開口端部15u,15dが互いに近接しないように補強している。
(シミュレーション)
ここでは図5(a)に示すように、フレーム部材10の車両前後方向における連結部材20の配設位置の違いに応じて用意した本発明の実施品1〜5の各クラッシュカン1ついて、前後両端を拘束して前方からの衝突荷重Fの入力時のフレーム部材10の変形量および該フレーム部材10に作用する応力集中に基づいて、連結部材20をフレーム部材10の車両前後方向の中間位置に配設した上述した実施形態の有効性をシミュレーションにて検証した。
図5(a)は、本発明の実施品1〜5のクラッシュカン1に対応するフレーム部材10の車両前後方向における連結部材20の配設位置(L=0,50,100,−50,−100)[mm]を示す。なお、図5(a)中のL=0はフレーム部材10の前端と後端との中間位置を示し、該中間位置から車両前方を正方向とする一方、車両後方を負方向として示すものとする。
図5(a)、図6(a)(b)(c)(d)では、各フレーム部材10に引張荷重又は圧縮荷重の応力集中が加わる領域にドットを付して表示するとともに、引張荷重又は圧縮荷重の応力集中の絶対値の大きさに応じてドットを密に(濃く)表示している。さらに図5(a)、図6(a)(b)(c)(d)では、フレーム部材10の上下方向の変形量について実際よりも強調して表示している。
図6(a)(b)(c)(d)より明らかなとおり、実施品3(図6(b)参照)よりも実施品2(図6(a)参照)、又は実施品5(図6(d)参照)よりも実施品4(図6(c)参照)の方が前突荷重Fに対するフレーム部材10の上下方向の変形量および該フレーム部材10に作用する応力集中の絶対値が全体的に抑制されている。
さらに、図5(a)、図6(a)(c)より明らかなとおり、実施品2(図6(b)参照)よりも実施品1(図5(a)参照)、又は実施品4(図6(c)参照)よりも実施品1(図5(a)参照)の方が前突荷重Fに対するフレーム部材10の上下方向の変形量および該フレーム部材10に作用する応力集中の絶対値がさらに抑制されている。
以上より、前突時において、連結部材20をフレーム部材10の長手方向のより中間位置に配設することによりフレーム部材10の剛性を効率よく高めて、前突時において、フレーム部材10が長手方向の途中での折れを抑制することができるとともに、該フレーム部材10の上下方向の変形量の抑制により前端から後方へ確実に逐次破壊することができ、結果的に安定した荷重吸収性能を得ることができることをシミュレーションにより確認できた。
一方、上方斜突時又は下方斜突時においては、フレーム部材10に対して上下方向の曲げ応力が加わることになるため、フレーム部材10が長手方向に沿った上述した前突荷重Fのときよりも、フレーム部材10の応力集中の絶対値がより大きくなることが想定されるが、連結部材20をフレーム部材10の長手方向のより中間位置に配設した上述した実施形態を採用することによって、フレーム部材10の剛性を効率よく高めることができるため、上方斜突時又は下方斜突時にフレーム部材10に作用する曲げ応力に対しても有効であると考えられる。
このように、本実施形態の車両の衝撃吸収構造としてのクラッシュカン1は、車両前後方向に延びるとともに該車両前後方向の直交断面が、車幅方向の外側に開口する開口部15を有する略コ字状に樹脂材料としてのCFPRから形成されたフレーム部材10からなり(図1〜図4参照)、フレーム部材10は、その開口部15の上側開口端部15uに上方向へ突出する上側フランジ部12uと、下側開口端部15dに下方向へ突出する下側フランジ部12dとが共に車両前後方向に形成されており(同図参照)、上下各フランジ部12u,12d同士をその車両前後方向について部分的に連結する連結部としての連結部材20が設けられたものである(図1〜図3参照)。
上記構成によれば、フレーム部材10を、成形上閉断面構造とすることが困難であるが故に車両前後方向の直交断面が略コ字状になるように形成したものでありながら、上方斜突又は下方斜突によって、フレーム部材10の前端と後端の間部分に作用する曲げ応力に対しての折れの抑制を例えば、車両前後方向全体を閉断面構造に成形したものと比較して簡単な構成で実現することができる。
さらに上記構成によれば、連結部材20によって上下各フランジ部12u,12d同士をその車両前後方向(長手方向)について部分的に連結したため、開口部15が車両前後方向において連結部材20によって完全に閉塞されることがない。よって、車両衝突時に、逐次破壊されたフレーム部材10の破片が、連結部材20によって阻害されることなく開口部15を通じて外部に排出することができるため、該フレーム部材10の内部に蓄積することがなく、クラッシュカン1を潰し切ることができる。
この発明の態様として、連結部材20は、フレーム部材10の車両前後方向の中央、すなわち中間位置に設けられたものである(図1〜図3参照)。
フレーム部材10の車両前後方向の前後各端部は、夫々バンパレイン120、フロントサイドフレーム100に対して直接又は間接的に共に締結等により強固に接合されている。一方、フレーム部材10の車両前後方向の中間位置又はその近傍は、フレーム部材10の車両前後方向の中でも上方斜突又は下方斜突によって特に曲げ応力が加わり易い箇所に相当する。
この点本実施形態では連結部材20を、フレーム部材10の車両前後方向の中央(中間位置)に設けたため、フレーム部材10の車両前後方向の中でも特に折れが生じ易い中間又はその近傍を効果的に補強することができ、このようにフレーム部材10の車両前後方向において部分的に設けた連結部材20によって折れを効率よく抑制することができる。
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく様々な実施形態で形成することができる。
例えば、連結部材20は板金で形成したが、これに限らず、CFPR製の部材で形成してもよい。
1…クラッシュカン(衝撃吸収構造)
10…フレーム部材
12u…上側フランジ部(フランジ部)
12d…下側フランジ部(フランジ部)
15…開口部
15u…上側開口端部
15d…下側開口端部
20…連結部材(連結部)

Claims (2)

  1. 車両前後方向に延びるとともに該車両前後方向の直交断面が車幅方向の内側又は外側に開口する開口部を車両前後方向の全長に渡って有する略コ字状に樹脂材料から形成されたフレーム部材を備えた車両の衝撃吸収構造において
    上記フレーム部材は、車両前後方向の直交断面が車両前方へ向けて徐々に小さくなる先細り形状に形成されるとともに、上記開口部の上下各開口端部に上下相反する方向へ突出するフランジ部が車両前後方向に形成されており、
    上記上下各フランジ部同士をその車両前後方向について部分的に連結する連結部が設けられ
    上記連結部は、上記フレーム部材の車両前後方向の中央のみに設けられ、
    上記フレーム部材の前端に、該前端から上記フレーム部材の内部に有する開断面空間の側に延出する先端側フランジ部が、上記フレーム部材の後端に、該後端から上記開断面空間の側と反対側に延出する付根側フランジ部が、夫々形成され、
    上記上下各フランジ部は共に、フレーム部材の前後方向の全長に渡って形成されるとともに、前端が上記先端側フランジ部と、後端が上記付根側フランジ部と、夫々連続して形成され、
    さらに、上記先端側フランジ部には、締結部材による、車幅方向に延びるバンパレイン側への取付け用の取り付け穴が、上記付根側フランジ部には、締結部材による、車両前後方向に延びるフロントサイドフレーム側への取り付け穴が、夫々設けられた
    車両の衝撃吸収構造。
  2. 上記フレーム部材の側壁部には凹状の湾曲部が、上記フレーム部材の上下各壁部には段状の湾曲部が、夫々フレーム部材の前後方向の全長に渡って形成された
    請求項1に記載の車両の衝撃吸収構造。
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