JP6565352B2 - サクサクとした食感を有する乾燥食肉スナック菓子 - Google Patents

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Description

本発明は、サクサクとした食感を有する乾燥食肉スナック菓子に関する。
近年、食品においては、「ヘルシー・健康」を訴求したラインナップの商品が増加する傾向にある。特に、肥満が原因となるメタボリックシンドロームに対する認識が高まり、糖質や脂質の過剰摂取への対策に消費者の関心が高まっている。そのため、ビールや日本酒のような醸造酒、パンやおにぎりなどの食品に低糖質という付加価値を付与した商品の市場が拡大している。スナック菓子市場も例外ではなく、健康感のある素材を生かしたスナック菓子が増えており、かぼちゃ、たまねぎ、さつまいも、しいたけなどの野菜の素材そのものを生かしたタイプのスナック菓子がある。更に、ヘルシー・健康感のある新しい素材をそのまま生かしたスナック菓子が求められている。
一方で、糖質を制限する代わりに高タンパク質の食品を摂取する習慣が流行している。その中でも低糖質、高たんぱく質の食肉を摂取する方法が注目を浴びている。菓子市場において食肉はおつまみとしての乾燥食肉製品が主流である。特に人気があるジャーキー類は高タンパク質食品として認知されている。ジャーキー類の製造方法は食肉を調味液に浸漬、インジェクション、あるいは塩漬や、燻製,蒸煮などの処理を行ない、切断して乾燥させる方法がとられている。一般的なジャーキー類は、肉の繊維を噛みきる食感が心地良い。しかし、ジャーキー類は水分値が20〜30%あり、また味付けとして糖類や香辛料などが多く使用されている場合が多いため、非常に硬くかつ弾力性としなやかさがあるため噛み切るには、咀嚼力を有し、手軽に喫食することができないという課題がある。この状況を鑑み、ジャーキー類の食感改良の研究が盛んに行われている。
例えば、特許文献1には、食肉、食肉加工品を真空凍結乾燥することでサクサクとした食感の食肉おつまみが開示されている。食感はジャーキーとは異なり、サクサクとした軽い食感となったが、多孔質になりすぎるためスナック菓子としての歯ごたえや崩壊性がなく魅力に欠ける。また、真空凍結乾燥機は専用の設備が必要でありコストがかかる。
特許文献2、3には、ミンチ状の肉類を主原料にしたスナック食品が開示されている。スナック菓子としての歯ごたえや崩壊性はあるが、非常に薄くスライスしなければならないという課題と食肉を利用したスナックとしては薄くスライスしているため魅力にかける。また、特許文献3ではケーシングに詰める必要があるため形状も限定される。
特許文献4、5には、食肉を凍結乾燥することで味付けの均一化や吸水復元性に優れた乾燥肉が開示されているが、特許文献1と同様に、凍結乾燥に特有の課題がある。
特許文献6〜8には、食肉をミンチ状にするなどの加工処理を施すことなくジャーキーを製造する方法が開示されており、食肉の筋繊維は維持されているが、構成成分に言及はなくまた従来のジャーキー食感を有することを特徴としており、本発明の目的と異なる。
また、特許文献9には果糖を含有する糖加熱品、天然多糖類、コラーゲンを含有することを特徴とする肉質改善剤、特許文献10〜12には黒砂糖、糖類、糖アルコール、アミノ酸などを含有するジャーキーなどが開示されているが、いずれもソフトでしなやかな食感を有することを特徴としており、本発明の目的と異なる。
特許文献13には、実質的に整列したタンパク質繊維を有する構造化植物タンパク質製品と強化剤を含む乾燥食品組成物が開示されており、実施例にジャーキー型スナックも提案されている。しかし、ケーシングに充填する必要があることや食感に対する明言はされておらず、組成も本発明とは異なる。
特許文献14には、肉含量の高いスナック風食品が提案されている。肉の水分量をコントロールし澱粉質を組み合わせ、膨化させることでサクサクとしたスナック様食感を作り出している。これは、たしかに、非常に優れた食感となっているが、澱粉質を多量に配合しており、肉含量としては物足りないものであった。
特許文献15には、肉類を主体とする高蛋白スナック風発泡食品の製造法が提案されている。しかし、肉量と澱粉質量が55重量%:45重量%が最適の比率と記載があるように澱粉質をかなり配合しており、肉含量としては物足りないものであった。
特開2000−354471号公報 特開昭54−163855号公報 特開昭62−96064号公報 特開昭47−23564号公報 特開平7−8224号公報 特開2011−217676号公報 特開昭47−25350号公報 特開平2−113871号公報 特開平2011−45296号公報 特開平2−97364号公報 特開平3−19646号公報 特開2004−215571号公報 特表2010−523154号公報 特開2007−49949号公報 特開昭57−144941号公報
本発明は、食肉を主体としながら、ジャーキーのようにしなやかで硬く、噛み切りにくい食感ではなく、誰にでも食べやすいサクサクとした食感を有する低糖質、高タンパク質のスナック菓子を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、驚くべきことに単一肉塊をスライス加工した食肉に、特定の分子量のペプチドを含有した調味液を含浸させ温風乾燥を行ったところ、ジャーキー様の外観を有しながら、ジャーキーとは全く異なる、サクサクとしたスナック特有の食感を有する乾燥食肉スナック菓子となることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、
[1]平均分子量1000〜10000のペプチドが含有され、かつスライス加工された単一肉塊の温風乾燥物であり、最終的な組成が、前記ペプチドの含有量1〜15重量%、肉塊由来の総タンパク質の含有量55重量%以上、炭水化物の含有量10重量%以下、糖質の含有量5重量%以下かつ水分値10重量%以下である、サクサクとした食感を有する乾燥食肉スナック菓子、
[2]前記ペプチドが、コラーゲンペプチド、大豆ペプチド、乳ペプチド、小麦ペプチドおよび卵ペプチドからなる群から選択される少なくとも1種類以上である前記[1]に記載の乾燥食肉スナック菓子、
[3]前記乾燥食肉スナック菓子の破断強度が1500〜5000gの範囲にある前記[1]または[2]記載の乾燥食肉スナック菓子、
に関する。
本発明の乾燥食肉スナック菓子は、食肉を主体としながら、公知の乾燥食肉系食品であるジャーキーのようなしなやかで硬く、噛み切りにくい食感ではなく、誰にでも食べやすいサクサクとしたスナック菓子特有の食感を有し、しかも、炭水化物を多量に使用したり、油で揚げたりしている公知のスナック菓子に比べると、低糖質、高タンパク質のため、ヘルシー・健康志向の高い消費者へ訴求することができ、スナック菓子分野における新たな市場の開拓が期待できる。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明の乾燥食肉スナック菓子は、スライス加工した単一肉塊に平均分子量1000〜10000のペプチドを配合し、温風乾燥により、最終的な組成が、前記ペプチドの含有量1〜15重量%、肉塊由来の総タンパク質の含有量55重量%以上、炭水化物の含有量10重量%以下、糖質の含有量5重量%以下かつ水分値10重量%以下となるように調製されていることを特徴とする。
本発明において、単一肉塊とは、単独の食肉からなり、この食肉を構成する筋繊維を細断するような加工が施されていない食肉の塊をいう。したがって、スライス加工した単一肉塊を構成する食肉は、スライスされている以外は、他の筋繊維を細断するような加工が施されていない一種類の食肉から構成される。なお、筋繊維を細断する加工としては、ミンチ加工などが挙げられる。また、単一肉塊としては、好ましい味を付与するために、調味料、油脂等を注入した食肉も含まれる。なお、スライス加工した単一肉塊が、スライスした状態を保っている程度に、単一肉塊の表面に切れ目をいれる加工を施した食肉も、単一肉塊に含まれる。
前記単一肉塊の原料となる食肉としては、牛肉、豚肉、鶏肉、羊の肉、ダチョウ肉、鹿肉、馬肉、鴨肉、ワニ肉、うさぎ肉、カンガルー肉などの食用の畜産動物の肉が対象となる。中でも、使用する単一肉塊の原料となる食肉の組成としてタンパク質が20重量%以上かつ脂質が5重量%以下である食肉が好ましく、例えば、鶏肉のむね肉やささ身肉、豚肉のヒレ肉などがより好ましい。
本発明では、前記単一肉塊をスライス加工した食肉を使用する。非単一肉塊を使用した場合は、いわゆるミンチ肉に成型するために結着剤や同等の効果のある食品素材を使用しなければならないが、そのため、目的とするサクサクとした食感が得られない。前記スライス加工した食肉の厚みとしては、作製し易く、食べ易いという観点から、3〜5mmが好ましいが、特に限定はない。以降、スライス加工した単一肉塊をスライス片ともいう。
本発明の乾燥食肉スナック菓子は、前記スライス加工した単一肉塊を高含有していることで、肉の味わいや旨みを感じることができる。
本発明では、原料における前記スライス加工した単一肉塊の量を70〜99重量%となるように使用するのが好ましい。なお、前記単一肉塊の量は、水分量を含む重量をいう。
本発明で用いる平均分子量1000〜10000のペプチドとしては、食品で使用されているコラーゲンペプチド、大豆ペプチド、乳ペプチド、小麦ペプチド、卵ペプチドなどが挙げられる。これらのペプチドは、単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。
前記ペプチドとしては、平均分子量1000未満であれば前記単一肉塊に配合してもサクサクとした食感は得られず、ペプチドに由来する嫌な苦味や風味が出てしまう。また、平均分子量10000より大きいペプチドを単一肉塊に配合すると食感が硬くなりすぎる。
なお、ペプチドの平均分子量は、粘度測定やHPLC及びゲルろ過法等の定量方法によって得られ、すでに公知の手法を使用することが可能である。
本発明において、スライス加工した単一肉塊にペプチドを配合するとは、単一肉塊中にペプチドを含有させることをいい、例えば、前記単一肉塊の表面にペプチドを付着させたり、肉塊の内部にペプチドを含浸させたりすることをいう。付着させる方法としては、前記単一肉塊の表面に平均分子量1000〜10000のペプチドを溶解させた液を噴霧または塗布したり、平均分子量1000〜10000のペプチドを溶解させた液に単一肉塊を浸漬したりする方法が挙げられる。含浸させる方法としては、単一肉塊に注射針を用いて平均分子量1000〜10000のペプチドを溶解させた液を注入したり(インジェクション法)、前記単一肉塊を通風乾燥などに供し、水分を減少させた後で、平均分子量1000〜10000のペプチドを溶解させた液を噴霧または塗布する方法が挙げられる。
本発明で用いる温風乾燥としては、所定の温度に調整された温風をスライス加工した単一肉塊に当てて乾燥する方法であればよく、特に限定はない。また、温風の条件については、暖められたスライス片の断面積や厚み等によって適宜設定されるが、乾燥温度60〜80℃で、24〜48時間とすればよい。
食肉の乾燥方法としては、真空乾燥や真空凍結乾燥、油ちょうなどあるが、温風乾燥であれば、真空乾燥や真空凍結乾燥をした場合のような多孔質が発生せず、また油ちょうをした場合のような余分な脂質の増加もなく乾燥させることができる。
本発明では前記温風乾燥を用いて最終的なスライス片の水分量を10重量%以下となるように乾燥させる。最終的なスライス片の水分量が10重量%以下であれば水分活性が0.50未満となり、常温流通可能で、日持ちもする。なお、最終的な水分量を10重量%より多くなるように調整すると、得られる乾燥食肉スナック菓子の食感がサクサクとせず、従来のジャーキーに似たような食感となる。最終的なスライス片の水分量は、好ましくは5重量%以下がよい。
なお、最終的なスライス片とは、スライス片に前記平均分子量1000〜10000のペプチドを配合して、温風乾燥した後のスライス片をいい、前記平均分子量1000〜10000のペプチドの配合と温風乾燥とを2回以上繰り返す場合には、最後の温風乾燥を行った後のスライス片をいう。
また、本発明では、食肉の選定、加工方法、ペプチドの配合を行い、温風乾燥を経て規定の水分量に調整することに加えて、最終的なスライス片における最終的な組成として平均分子量1000〜10000のペプチドの含有量を1〜15重量%、肉塊由来の総タンパク質の含有量を55重量%以上、炭水化物の含有量を10重量%以下かつ糖質の含有量を5重量%以下とすることで目的のサクサクとした食感を有する乾燥食肉スナック菓子が得られる。
本発明の乾燥食肉スナック菓子における前記平均分子量1000〜10000のペプチドの含有量は、1〜15重量%であり、好ましくは5〜10重量%である。前記ペプチドの含有量が1重量%未満の場合、乾燥食肉スナック菓子ではサクサクとした食感の効果が得られない。また、原料である前記ペプチドを15重量%より多く配合すると、乾燥食肉スナック菓子では食肉本来の風味や旨みが弱くなり、ペプチドに由来する嫌な苦味や風味が強くなる。
平均分子量1000〜10000のペプチドの含有量は、前記のように平均分子量1000〜10000のペプチドを配合した乾燥食肉スナック菓子の重量から、平均分子量1000〜10000のペプチドを配合しないで作製した乾燥食肉の重量を引いた差として測定することができる。
乾燥食肉スナック菓子における前記肉塊由来の総タンパク質の含有量は、55重量%以上である。本発明では、肉塊由来の層タンパク質の含有量を55重量%以上とすることで、肉塊を主原料とした、高タンパク質の菓子とすることができる。前記総タンパク質の含有量としては、味付けを効率よく行う観点から、80重量%以下が好ましいが、特に限定はない。
前記総タンパク質の含有量は、ケルダール法や燃焼法を用いて測定することができる。具体的には、燃焼法によって算出することができる。
また、乾燥食肉スナック菓子における前記炭水化物の含有量は、10重量%以下および糖質の含有量は5重量%以下である。本発明の乾燥食肉スナック菓子は、肉塊を主原料としていることから、肉塊に含まれていない炭水化物および糖質は前記のように低く抑えられた低炭水化物および低糖質の菓子となっている。具体的には、本発明の乾燥食肉スナック菓子における炭水化物の含有量は、7重量%以下、かつ糖質の含有量は、3重量%以下がそれぞれ好ましい。
本発明において、炭水化物とは組成式 Cm(HO)nで表される化合物であり、糖質と食物繊維とを含む。
前記炭水化物の含有量は、水分,タンパク質,脂質及び灰分量を除くことで算出することができる。
本発明において、糖質とは、炭水化物から食物繊維を除いたものをいう。
前記糖質の含有量は、酵素-重量法(プロスキー法),酵素−HPLC法などを用いて食物繊維量を測定し、炭水化物の含有量から食物繊維量を除くことで算出することができる。なお、水分、脂質及び灰分量は公知の方法によって測定することができる。
また、乾燥食肉スナック菓子には、前記組成の範囲内でかつ食感に影響を及ぼさない程度、食肉の味付けを目的として、砂糖や黒糖、ソルビトールなどの糖質、甘味料、有機酸、アミノ酸、香料、塩、香辛料、醤油、酒、みりん、果汁、野菜、味噌など所望の味となるように様々な原料を組み合わせて使用することができる。また、歩留まり、品質、作業性などの向上を目的として穀類、動物性タンパク質や植物性タンパク質、ゼラチンや多糖類のようなゲル化剤、発色剤、pH調整剤、乳化剤、着色料、保存料、キレート剤、酵素類など目的に合わせて様々な原料を組み合わせて使用することができる。
前記の各種の原料は、例えば、前記平均分子量1000〜10000のペプチドを含有するペプチド溶液を作製して、このペプチド溶液を前記スライス片に付着させる際に、ペプチド溶液中に含有させればよいが、ペプチド溶液とは別の溶液中に含有させてもよい。
本発明の乾燥食肉スナック菓子は、サクサクした食感を有する。この食感を有する指標として、破断強度が挙げられる。例えば、テクスチャー・アナライザー(「Texture Analyzer TA.XT.plus」、Stable Micro Systems社製)を用いて、直径2mmの円柱プローブ(スピード2mm/s)を1500〜5000gの範囲で乾燥食肉スナック菓子に力を加えると、一般的なスナック菓子と同様に割れて、2個以上に分解する。本発明では、前記プローブの押圧によって乾燥食肉スナック菓子が2個以上に分解される時の強度を破断強度とする。
一方、ジャーキーなどの干し肉は、しなやかな硬さを有しているため、前記プローブがジャーキーを貫通するまで押圧してもジャーキーは2個以上に割れず形状を保ったままとなる。
本発明の乾燥食肉スナック菓子は、例えば、
単一肉塊をスライス加工し、平均分子量1000〜10000のペプチドを含む溶液を配合する工程、
温風乾燥を行い、スライス片の水分量を10重量%以下にする乾燥工程
を経て製造することができる。
前記単一肉塊のスライス加工には、食肉用のスライサーや包丁などを用いればよいが、特に限定はない。
また、本発明では、単一肉塊へのペプチドの配合を効率よく行う観点から、スライス加工する前に前記単一肉塊を温風乾燥して肉塊中の水分を低減させてもよいし、スライス加工した後の肉塊を温風乾燥してもよい。
前記ペプチドを含む溶液としては、ペプチドを溶解させた水溶液が挙げられる。前記ペプチドを含む溶液中のペプチドの濃度については特に限定はない。例えば、後述のように、ペプチドの配合を2回以上繰り返す場合、一次配合工程で使用する前記平均分子量1000〜10000のペプチドを含む溶液中のペプチドの含有量としては、5〜10重量%に調整することが好ましい。
前記単一肉塊のスライス片に前記ペプチドを含む溶液を配合する方法としてはスライス片にペプチドを含む溶液を噴霧、塗布したり、ペプチド溶液中にスライス片を浸漬したり、注入したり(インジェクション法)する方法などが挙げられるが、特に限定はない。前記一次配合時の温度としては、食品衛生上の観点から、4〜10℃が好ましく、冷蔵庫内で保管すればよい。
また、温風乾燥を効率よく行う観点から、ペプチド溶液に接触させたスライス片から、遠心脱水機を用いて水分を除去してもよい。
次いで行う前記温風乾燥には、公知の食品用の温風乾燥装置を用いればよい。また、温風乾燥の条件は、乾燥温度60〜80℃で、24〜48時間とすればよい。なお、後述のように温風乾燥を繰り返す場合でも同様の条件にすればよい。
特に、本発明では、前記温風乾燥工程に続いて、ペプチド含有量が前記配合工程より同等以上の濃度のペプチド溶液をさらに配合する工程と温風乾燥工程を2回以上繰り返し、最終的なスライス片の水分量が10重量%以下となるまで温風乾燥を行うことが好ましい。
本発明では、前記温風乾燥工程後、スライス加工した単一肉塊の筋繊維間にペプチドが入り込むことで食肉の繊維を噛み切る心地よさを残しつつ、サクサクとしたスナック菓子の食感を生み出すと考えられる。
一方、原料である単一肉塊は水分を多量に含むため、ペプチドを含有する液を配合しても、単一肉塊の筋繊維間にペプチドがうまく入り込まず、不均一な配合になる場合もあるが、前記のようにペプチド溶液の配合と温風乾燥を2回以上繰り返すことで、単一肉塊全体にわたって均一にペプチドを配合することができる。
前記一次配合工程後に使用するペプチド溶液中のペプチド含有量は、一次配合工程で使用するペプチド溶液の濃度と同等以上となるように調整することで、スライス片内に前記ペプチドを効率よく含浸させることができる。
また、このペプチド溶液のスライス片への配合は、一次配合工程と同様に行えばよい。なお、配合時の温度としては、食品衛生上の観点から、4〜10℃が好ましく冷蔵庫内で保管すればよい。
また、前記単一肉塊、ペプチドなどの成分以外に、砂糖、黒糖、ソルビトールなどの糖質、甘味料、有機酸、アミノ酸、香料、塩、香辛料、醤油、酒、みりん、果汁、野菜、味噌、穀類、動物性タンパク質や植物性タンパク質、ゼラチンや多糖類のようなゲル化剤、発色剤、pH調整剤、乳化剤、着色料、保存料、キレート剤、酵素類などを使用する場合、これらの原料を前記ペプチド溶液中に混合したり、前記原料を混合した溶液を、前記ペプチド溶液とは別に調製し、これを温風乾燥前にスライス片に接触させるようにすればよい。
以上のようにして最終的なスライス片を本発明の乾燥食肉スナック菓子として効率よく製造することができる。
前記乾燥食肉スナック菓子は、温風乾燥前のスライス片の形状をほぼ維持したものとなっており、例えば、厚みについても前記スライス片とほぼ同じか、若干小さくなっている。
また、得られた乾燥食肉スナック菓子は、必要に応じて、切断、シート加工などをして形を整える加工をすることができる。
次に、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
(実施例1)
表1に示す配合割合で、乾燥食肉スナック菓子を作製した。具体的には、若鶏ささ身1000重量部を4mm厚にスライス加工したのち、コラーゲンペプチド(平均分子量3100)20重量部、食塩5重量部、醤油3重量部および水700重量部を含む溶液に冷蔵で2時間浸漬した。
浸漬後、余分な水分を除去した後、温風乾燥機を用いて65℃で15時間乾燥させた。
次いで、乾燥させたささ身に対して、コラーゲンペプチド(平均分子量3100)30重量部、食塩5重量部、醤油3重量部および水700重量部を含む溶液に冷蔵で2時間浸漬した。
浸漬後、余分な水分を除去した後、温風乾燥機を用いて65℃で5時間乾燥させた。
次いで、乾燥させたささ身に対して、コラーゲンペプチド(平均分子量3100)45重量部、食塩5重量部、醤油3重量部および水700重量部を含む溶液に冷蔵で2時間浸漬した。浸漬後、余分な水分を除去した後、温風乾燥機を用いて65℃で36時間乾燥させ乾燥食肉スナック菓子を作製した。
乾燥食肉スナック菓子の形状として、スライス片の形状を維持していた。
得られた乾燥食肉スナック菓子の最終的な組成については、表1に示す。
(比較例1)
実施例1で使用した原料のうちコラーゲンペプチドを使用しない以外は、実施例1と同様にして乾燥食肉スナック菓子を作製した。配合割合を表1に示す(以下の実施例2〜4、比較例2〜5も同じ)。
(実施例2、3)
実施例1で配合した原料の種類、量を変えた以外は、実施例1と同様にして乾燥食肉スナック菓子を作製した。
(実施例4)
実施例1で配合した原料で3回目の浸漬をしないこと以外は、実施例1と同様にして乾燥食肉スナック菓子を作製した。
(比較例2)
実施例1と同じ配合で、3回目の温風乾燥時間を10時間として最終水分値を12%としたこと以外は、実施例1と同様にして乾燥食肉スナック菓子を作製した。
(比較例3)
実施例1で配合した原料の種類、量を変えた以外は、実施例1と同様にして乾燥食肉スナック菓子を作製した。
(比較例4)
実施例1で配合した原料で1回目の浸漬のみとし、乾燥方法を真空凍結乾燥に変更して乾燥食肉スナック菓子を作製した。
(比較例5)
若鶏ささ身1000重量部をミートチョッパーでミンチ肉としたのち、コラーゲンペプチド(平均分子量3100)20重量部、食塩5重量部および醤油3重量部を配合しソーセージケーシングに充填後、75℃の湯中で1.5時間加熱、冷却後-20℃で冷凍した。半解凍の状態としてから、スライサーで1.5mm厚にスライスし、温風乾燥を70℃、3時間行い乾燥食肉スナック菓子を作製した。
<評価>
<破断強度の測定方法>
得られた乾燥食肉スナック菓子の破断強度を測定するためにテクスチャー・アナライザー(「Texture Analyzer TA.XT.plus」、Stable Micro Systems社製)を使用した。下記に記載した条件で測定を行った。
測定プローブ:P/2
測定:プローブが底面に到達するまで降下させる。
プローブスピード:2mm/s
測定温度:20℃
破断強度:食品が割れて2個以上に分解されたときの力(g)

得られた乾燥食肉スナック菓子1つあたり、5つの測定を行い、その平均値を破断強度とし、得られた結果を表2に示す。
<サクサク食感の評価方法>
得られた乾燥食肉スナック菓子の破断強度の測定時、プランジャーが食品を貫通し底面まで到達した時に、試料が2個以上に分解する場合、サクサクとした食感の指標となる。試料の分解状態を下記に示す基準で評価を行った。得られた結果を表2に示す。
○:試料が2個以上に分解する
×:試料は1個のままで分解しない
なお、本発明では、評価が「○」のものを、所望の食感を有する食品であり合格品とし、「×」を不合格品と判定した。
得られた乾燥食肉スナック菓子について、外観を下記の基準で評価した。結果を表2に示す。
○:干し肉であるジャーキー様の外観を有する。
×:干し肉であるジャーキー様の外観を有さない。
得られた乾燥食肉スナック菓子について、5名のパネラーによる官能試験を行なった。下記に示す官能評価方法によって得られた結果を表2に示す。
<官能評価方法>
(1)乾燥食肉スナック菓子のサクサク食感に関する評価
5名のパネラーが、下記の内容に従って得られた乾燥食肉スナック菓子の食感を5段階評価し、その平均値を四捨五入して整数で表したものを評点とする。
乾燥食肉スナック菓子の食感:内容
1:非常にサクサクとした食感を感じる
2:サクサクとした食感を感じる
3:どちらともいえない
4:サクサクとした食感を感じない
5:全くサクサクとした食感を感じない
なお、本発明では、食感の評価の平均値が「1」または「2」となるものを、所望の食感を有する食品であり合格品とし、それ以外のものを不合格品と判定した。
表2の結果より、実施例1〜4で得られた乾燥食肉スナック菓子は、いずれも一見すると、ジャーキーのような外観を有しているにも関わらず、食べてみるとジャーキーとは全く異なるサクサクとした食感を有する菓子となっていた。このサクサクとした食感は、炭水化物を多量に使用したり、油で揚げた公知のスナック菓子と類似の食感であった。
また、実施例1〜4で得られた乾燥食肉スナック菓子は、炭水化物を多量に使用したり、油で揚げた公知のスナック菓子と比べて、タンパク質の含有量が高く、かつ炭水化物や糖質の含有量が顕著に抑えられているため、ヘルシーで、健康志向の新規な菓子であることがわかる。
一方、比較例1は、ペプチドを配合していないことにより、肉の繊維感が強くなりサクサク感を感じにくいことが分かった。
比較例2は、温風乾燥時間を短くし水分値を高くすると、従来のジャーキーと同様の非常に硬く、噛みしめるような食感となりサクサク食感とは異なるものであった。
比較例3は、最終組成の炭水化物や糖質の比率を高くした場合、比較例2と同様に従来のジャーキーの食感となった。
比較例4は、温風乾燥を真空凍結乾燥に変更したが、外観はジャーキー様にはならず本発明のサクサクとした食感にはならなかった。
比較例5は、ケーシングに充填しているため円形の形となり外観がジャーキー様にはならず、食感も本発明のサクサクとした食感にはならなかった。
Figure 0006565352
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Claims (3)

  1. 均分子量1000〜10000のペプチドが含有され、かつスライス加工された単一肉塊の温風乾燥物であり、最終的な組成が、前記ペプチドの含有量1〜15重量%、肉塊由来の総タンパク質の含有量55重量%以上、炭水化物の含有量10重量%以下、糖質の含有量5重量%以下かつ水分値10重量%以下である、サクサクとした食感を有する乾燥食肉スナック菓子。
  2. 前記ペプチドが、コラーゲンペプチド、大豆ペプチド、乳ペプチド、小麦ペプチドおよび卵ペプチドからなる群から選択される少なくとも1種類以上である請求項1に記載の乾燥食肉スナック菓子。
  3. 前記乾燥食肉スナック菓子の破断強度が1500〜5000gの範囲にある請求項1または2記載の乾燥食肉スナック菓子。

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