JP6552323B2 - 磁性トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真、静電荷像を顕像化するための画像形成方法及びトナージェットに使用される磁性トナー(以下、単に「トナー」と称することがある。)に関する。
近年、複写機,プリンタ等に、さらなる高速化,高寿命化が求められるようになってきており、これまで以上の長期間使用にも耐え得る磁性トナーでなければならなくなってきている。さらに、装置の省エネ化に対する要望も高くなってきており、それらに対応すべくトナーの優れた低温定着性能も同時に強く求められている。
一般的に低温定着性能は、トナーの粘度と関係があり、定着時の熱により素早く融ける性質、所謂シャープメルト性が求められる。
特許文献1のように、結晶性ブロックポリエステルを含有しシャープメルト性を高めたトナー粒子に対して、外添剤によるトナー粒子の表面被覆率を100%以上の高被覆とするトナーが提案されている。そうすることで、低温定着性を達成しつつ、現像安定性を向上させるといったことが提案されている。ところが、将来の更なる高速化、高寿命化を想定すると、現像器内の撹拌や本体の昇温といった外的ストレスが一層強まり、外添剤が埋没することによる現像性低下や画像欠損、部材融着が発生することが予想され、改良の余地を有する。
こうした埋め込みを抑制するべく、外添剤のトナー表面への埋没を抑え、現像耐久性を向上させるために、大粒径外添剤を使用する試みが多くなされている。
例えば、特許文献2乃至4に記載されているように、スペーサー粒子を添加することで外添剤の埋め込みを抑制し耐久安定性の向上を図る提案がなされているが、これらスペーサー粒子の添加によって、トナーの低温定着性に影響を及ぼすことが予想される。
更に、一般的にスペーサー粒子として利用する無機微粒子や高架橋密度を有する樹脂をコア樹脂とする有機無機複合微粒子は容積比熱が高いことが知られている。そのため、外添剤の温度を十分に高めることができる熱量を定着器に投入すると、定着後のトナー像の温度が下がりにくくなり、印刷直後の紙を積層した際に紙同士が接着する、所謂、排紙接着を引き起こす可能性もある。
以上、将来のプリンタ等の高速化、長寿命化、更には省エネ化を考慮すると、高い現像性を有し、且つ低温定着性、耐排紙接着性に優れたトナーが必要となるが、現在のところ技術的課題は非常に多く、改良の余地を有する。
特開2004−138920号公報 特開2002−318467号公報 特開2005−202131号公報 特開2013−92748号公報
本発明の目的は上記問題点を解消した磁性トナーを提供することにある。
具体的には、本発明の目的は高速印字における耐久安定性と低温定着性、更には、排紙接着の発生を良好に抑制できる磁性トナーを提供することである。
本発明は、結着樹脂、磁性体、及び離型剤を含有するトナー粒子と、該トナー粒子表面に無機微粒子a及び有機無機複合微粒子を有する磁性トナーであって、
該有機無機複合微粒子は、
i)ビニル系樹脂粒子に無機微粒子bが埋め込まれた構造を有し、
ii)80℃における容積比熱が2900kJ/(m3・℃)以上4200kJ/(m3・℃)以下であり、
iii)該トナー質量を基準として、0.5質量%以上3.0質量%以下含有されており、
該無機微粒子aは、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、及びアルミナ微粒子からなる群より選択される無機酸化物微粒子を少なくとも含有し、個数平均粒径(D1)が5nm以上25nm以下であり、
無機微粒子aによるトナー粒子表面の被覆率をA(%)とした時に、該被覆率Aが45.0%以上70.0%以下であり、
該離型剤が、エステル化合物であることを特徴とする磁性トナーに関する。
無機微粒子の外添混合に用いることができる混合処理装置の一例を示す模式図である。 混合処理装置に使用される撹拌部材の構成の一例を示す模式図である。
低温定着性が良好なトナーを得るためには、定着器ニップを通過するわずかな時間でトナーを素早く溶融させる必要がある。一般的にトナーを素早く溶融させる手法としては、トナーの主成分である樹脂成分の溶融特性を制御することが知られている。
一方で、高速印字システムに対応するためには現像性の安定化が求められる。そのような中、上記のような低温定着性能を満足させたトナーは現像器内の撹拌や本体の昇温といった外的ストレスに対して弱く、外添剤の埋め込みによる耐久性の悪化や部材への付着といった問題を生じやすい。
こうした埋め込みを抑制するべく、外添剤のトナー表面への埋没を抑え、現像耐久性を向上させるために、大粒径の無機微粒子をスペーサーとして添加することが知られている。ところが、大粒径の無機微粒子の添加が、トナーの低温定着性に影響を及ぼすことが考えられる。これは、外添剤の大粒径化によりトナー同士の間隔が広がり、トナーの熱溶融による合一化や紙への定着が阻害されるためと予想される。また、大粒径無機微粒子でトナー表面を一定面積被覆するためには、添加される外添剤の体積が大きくなる。この場合、外添剤全体としての熱容量が大きくなり、定着時にトナー母粒子の溶融に十分な熱エネルギーを供給することが困難になる。この点も、低温定着性が低下する要因の1つとなり得る。さらに、これら大粒径無機微粒子は容積比熱が高く、トナーの温度を十分に高めることができる熱量を定着器に投入すると、定着後のトナー像の温度が下がりにくくなり、排紙接着を引き起こす可能性がある。逆に、容積比熱の低いスペーサー粒子として大粒径の樹脂粒子が例として挙げられるが、樹脂粒子は一般的にトナーの流動性を低下させるため、均一な帯電分布が得られず、現像安定性に支障をきたす恐れがある。
そこで本発明者らは、現像安定性と低温定着性に優れ、排紙接着の発生が抑制されたトナーを見出すべく検討を進めた。その結果、ある特定の有機無機複合微粒子を一定量用い、無機微粒子による磁性トナー粒子表面の被覆率と、磁性トナー粒子表面に固着された無機微粒子による被覆率の関係を規定する。併せて、結着樹脂中に含有させる離型剤種を特徴づけることにより、上記の矛盾を解決できることが明らかとなった。
まず本発明の磁性トナーの概要を説明する。
本発明の磁性トナーでは、結着樹脂のシャープメルト性を向上させている。そして、シャープメルト性を達成する手段は、磁性トナー粒子に離型剤としてエステル化合物を含有させることで達成している。
また、本発明の磁性トナーでは高速印字時の現像安定性と耐排紙接着性向上のために特定の形状を有し、且つ特定の容積比熱を有する有機無機複合微粒子を適正量添加している。
また、本発明の磁性トナーでは磁性トナー粒子表面に固着された無機微粒子による被覆率を適正化している。
このような磁性トナーとすることで、良好な現像安定性を達成しつつ、磁性トナーに熱が伝わりやすく、逃がしやすくなり、低温定着性の向上と印刷後の排紙接着の抑制を達成することができた。
本発明のトナーは、離型剤として、エステル化合物を含有する。離型剤としてエステル化合物を含有させると、離型剤が結着樹脂中に微分散し、結着樹脂中に離型剤によるミクロドメインが形成される。このドメインにより、樹脂を可塑化させ、トナー粒子のシャープメルト性が向上し低温定着性が良化する。ところが、そこに外添剤として無機微粒子を外添すると、上述した通り、現像器内の撹拌や本体の昇温といった外的なストレスにより、外添剤の埋没による耐久性の悪化や部材への付着といった問題が生じる。また、そこにスペーサー粒子として大粒径無機微粒子を添加しても、耐久後半でトナー粒子表面の凹部に転がり込み、耐久を通じて十分な現像安定性が得られない可能性がある。さらには、無機微粒子には容積比熱が高い粒子が存在し、耐排紙接着性に問題をきたす恐れがある。その一方で、容積比熱が低い樹脂粒子を添加して、耐排紙接着性を向上させたとしても、一般的に樹脂粒子はトナーの流動性を低下させるため、安定した帯電性を持つことができない可能性がある。
そこで、本発明者らが鋭意検討した結果、スペーサー粒子として該有機無機複合微粒子を用い、さらにエステル化合物を離型剤として用いた場合において、上記課題を解決でき大きな効果が得られることが分かった。
理由は定かではないが、以下のように推測している。
エステル化合物を離型剤として用いることで、結着樹脂がシャープメルト性を持つ。上述したように、このエステル化合物が微分散しミクロドメインを形成した結着樹脂に熱を与えると、溶融時の吸熱挙動が非常に短時間で終了する。こうした結着樹脂を用いたトナー粒子に、容積比熱を制御した有機無機複合微粒子を外添させることにより、高速プリンタでの定着においてもシャープメルトを維持し、低温定着性が達成される。さらに、定着後の紙上のトナーの冷却速度においても、結着樹脂の発熱挙動が短時間で終了するため、排紙接着性も良好となると推測している。
さらに、有機無機複合微粒子の80℃における容積比熱が2900kJ/(m3・℃)以上4200kJ/(m3・℃)以下である場合、高速化・長寿命化された電子写真プロセス中で比較的強い物理的摩擦などを受けても、トナーが温度上昇しトナー母体粒子表面に埋没されにくくなる。定着時においては、トナー粒子の溶融への影響が小さいため、トナー粒子が有する低温定着性を良好に維持することができる。これらの効果は、3100kJ/(m3・℃)以上4200kJ/(m3・℃)以下であるとより良好に発揮されるため好ましい。
有機無機複合微粒子の容積比熱は、無機微粒子の種類を変更したり、ビニル系樹脂微粒子に対する無機微粒子の量を変えたりすることによって調整することができる。
容積比熱は物体の温度により変化する熱的特性値であるが、一般的なプリンター及び複写機の熱定着工程における紙上の温度を考慮し、トナーの熱的な変化を表現する上では80℃が最適な値であると本発明者らは考えた。そのため、本発明においては、80℃での容積比熱を規定している。
また、該有機無機複合微粒子は、該トナー質量を基準として、0.5質量%以上3.0質量%以下含有される。有機無機複合微粒子の添加部数が上記範囲内であると、低温定着性を阻害することなく、高速化・長寿命化された装置構成であっても、トナーに十分な帯電性と流動性を付与することができる。
さらに、本発明において離型剤として使用するエステル化合物は、1官能(エステル結合を分子内に1つ有する)または2官能以上(エステル結合を分子内に2つ以上有する)の多官能エステルであることが好ましい。その中でも1官能のエステル化合物(モノ官能エステル化合物)は、エステル化合物が直鎖状になりやすいため、結着樹脂との相溶性が高くなり、低温定着性が向上する。
さらに該エステル化合物を結着樹脂に含有したトナー粒子に、容積比熱を制御した有機無機複合微粒子を用いることで、効果的にトナーの熱を逃がすことができ、排紙接着を抑制することができる。
好ましい1官能エステル化合物の具体例としては、カルナバワックス、モンタン酸エステルワックス等の脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;及び脱酸カルナバワックスなどの如き脂肪酸エステル類から酸成分の一部または全部を脱酸したもの;植物性油脂の水素添加等によって得られる、ヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物;ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル等の飽和脂肪酸モノエステル類が挙げられる。
エステル化合物の原料として用いることのできる脂肪酸としては、ステアリン酸、ベヘン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、アラキジン酸及びリグノセリン酸などが好ましく挙げられ、エステル化合物の構成成分のアルコールとしては、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、アラキジルアルコール及びジペンタエリスリトールが好ましく挙げられる。
該離型剤の示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時の最大吸熱ピークのピーク温度で規定される融点は、60乃至140℃であることが好ましい。より好ましくは60乃至90℃である。上記範囲内に融点を持つエステル化合物を用いることで、低温定着性を向上させることができる。さらに、上述した通り、ある特定の容積比熱を持つ有機無機複合微粒子を外添することによって、定着後のトナー粒子の持つ熱を効果的に逃がし、良好な耐排紙接着性を達成できる。
さらに、トナー粒子の吸熱ピークの半値幅が、2.0℃以上10.0℃以下であることが好ましく、2.0℃以上8.0℃以下がより好ましい。トナー粒子の吸熱ピークの半値幅が上記範囲に制御されることで、定着時にトナー粒子が溶融しやすくなり、低温定着性が向上する。さらに、該トナー粒子に有機無機複合微粒子が固着した際、定着後の紙上トナーの熱を効果的に逃がし、耐排紙接着性が良化する。本発明のトナーの吸熱ピーク半値幅、およびエステル化合物の融点の測定方法は、後述する。
上述の吸熱ピーク熱量を上記範囲に制御するために、エステル化合物の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1.0質量部以上10.0質量部以下であることが好ましい。吸熱ピーク熱量の測定方法については後述する。
離型剤の含有量が上記範囲内に制御されることで、低温定着性を維持した状態で、耐排紙接着性および現像耐久性を向上させることができる。
また、これらの離型剤は、樹脂製造時、樹脂を溶剤に溶解し、樹脂溶液温度を上げ、撹拌しながら添加混合する方法や、トナー製造中の溶融混練時に添加する方法などにより結着樹脂に含有させることができる。
また、本発明のトナーに使用される結着樹脂としては、結着樹脂中での離型剤の微分散の度合いを制御し易い、スチレン系共重合体、ポリエステル樹脂が好ましい。
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸,アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸ブチル,アクリル酸ドデシル,アクリル酸オクチル,アクリル酸−2−エチルヘキシル,アクリル酸フェニル,メタクリル酸,メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸ブチル,メタクリル酸オクチル,アクリロニトリル,メタクリニトリル,アクリルアミドなどのような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;例えば、マレイン酸,マレイン酸ブチル,マレイン酸メチル,マレイン酸ジメチルなどのような二重結合を有するジカルボン酸およびその置換体;例えば塩化ビニル,酢酸ビニル,安息香酸ビニルなどのようなビニルエステル類;例えばエチレン,プロピレン,ブチレンなどのようなエチレン系オレフィン類;例えばビニルメチルケトン,ビニルヘキシルケトンなどのようなビニルケトン類;例えばビニルメチルエーテル,ビニルエチルエーテル,ビニルイソブチルエーテルなどのようなビニルエーテル類;等のビニル単量体が単独もしくは2つ以上用いられる。
結着樹脂の酸価を調整するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸、ビニル酢酸、イソクロトン酸、アンゲリカ酸などのアクリル酸及びそのα−或いはβ−アルキル誘導体、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、アルケニルコハク酸、イタコン酸、メサコン酸、ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸などの不飽和ジカルボン酸及びそのモノエステル誘導体又は無水物などがあり、このようなモノマーを単独、或いは混合し、他のモノマーと共重合させることにより所望の重合体を作ることができる。この中でも、特に不飽和ジカルボン酸のモノエステル誘導体を用いることが酸価をコントロールする上で好ましい。
より具体的には、例えば、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノオクチル、マレイン酸モノアリル、マレイン酸モノフェニル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノブチル、フマル酸モノフェニルなどのようなα,β−不飽和ジカルボン酸のモノエステル類;n−ブテニルコハク酸モノブチル、n−オクテニルコハク酸モノメチル、n−ブテニルマロン酸モノエチル、n−ドデセニルグルタル酸モノメチル、n−ブテニルアジピン酸モノブチルなどのようなアルケニルジカルボン酸のモノエステル類などが挙げられる。
以上のようなカルボキシル基含有モノマーは、結着樹脂を構成している全モノマー100質量部に対し0.1乃至20質量部、好ましくは0.2乃至15質量部添加すればよい。
結着樹脂として用いられるポリエステル樹脂を生成するために用いることができるアルコール、酸は以下の通りである。
2価のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また(A)式で表わされるビスフェノール及びその誘導体;
Figure 0006552323
(式中Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x,yはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は0〜10である。)
また(B)式で示されるジオール類;
Figure 0006552323
2価の酸成分としては、例えばフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベンゼンジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;n−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸などのアルケニルコハク酸類もしくはアルキルコハク酸類、又はその無水物、低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;等のジカルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。
また架橋成分として働く3価以上のアルコール成分と3価以上の酸成分を併用することが好ましい。
3価以上の多価アルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
また、本発明における三価以上の多価カルボン酸成分としては、例えばトリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの無水物、低級アルキルエステル;次式
Figure 0006552323
(式中Xは炭素数3以上の側鎖を1個以上有する炭素数5〜30のアルキレン基又はアルケニレン基)
で表わされるテトラカルボン酸等、及びこれらの無水物、低級アルキルエステル等の多価カルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。
ポリエステル樹脂の生成に用いられるアルコール成分としては、アルコール成分と酸成分との合計に対して、40〜60mol%、好ましくは45〜55mol%であることが良い。また三価以上の多価の成分は、全成分中の5〜60mol%であることが好ましい。
該ポリエステル樹脂も通常一般に知られている縮重合によって得られる。
結着樹脂は、酸価が5mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることがより好ましい。この範囲に酸価を制御することにより、結着樹脂中で離型剤が微分散しやすいため、定着後のトナー粒子から熱を効果的に逃がすことが可能となる。また、帯電性も制御しやすく、現像安定性にも効果をもたらす。
また、結着樹脂は、低温定着性と保存性の両立がしやすいという観点から、ガラス転移温度(Tg)が45℃乃至70℃であることが好ましく、より好ましくは50℃乃至70℃である。Tgが45℃以上であると、保存性が向上しやすく、Tgが70℃以下であると、低温定着性が良化する傾向にあり好ましい。
さらに本発明の磁性トナーは無機微粒子aを有し、該無機微粒子aは、シリカ、酸化チタン、アルミナからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機酸化物微粒子を含有し、個数平均粒径(D1)が5nm以上25nm以下であり、無機微粒子による磁性トナー粒子表面の被覆率Aが45.0%以上70.0%以下であることを特徴とする。
本発明の磁性トナーは上記構成をとることで長期使用時の安定性も維持しつつ定着性と耐排紙接着性を両立できることが分かった。この理由について、本発明者らは次のように考えている。
従来耐久劣化を抑制するためにスペーサー粒子が用いられてきた。上述した通り、これらスペーサー粒子は外添剤の埋め込みに対しては効果が見られるものの、過度なストレスを受けることで耐久後半になるに従い、スペーサー粒子がトナー母粒子の凹部に移動し効果が低減することが明らかとなった。これに対し、本発明らの検討によりスペーサー粒子の形状を制御しトナー母粒子との付着力を上げることで耐久後半のスペーサー効果の維持が果たせることが明らかとなった。さらに、上記形状のスペーサーは従来の無機微粒子による被覆状態に比して、より多く被覆されたトナー表面においてより効果が現れることが分かった。これは、無機微粒子による被覆により磁性トナー表面の凹凸の大きさが緩和されたことによると推察する。
このように有機無機複合微粒子を用い、無機微粒子による磁性トナー粒子表面の被覆率と、磁性トナー粒子表面に固着された無機微粒子による被覆率の関係を規定する。さらに、離型剤としてエステル化合物を含有することにより長期使用時にもトナー劣化が起こりにくく画像の安定化が図れたものと推測している。
以下に本発明の磁性トナーについて具体的に示していく。
本発明のトナーにおいては、トナー粒子の表面に無機微粒子a及び有機無機複合微粒子が存在することを特徴としている。これは上述したように、耐久後半に至るまでトナー劣化を抑制するためには必要な構成であり、より効果的にスペーサーの効果を発現させるためには無機微粒子aは必須となる。又、本発明に使用される有機無機複合微粒子は、ビニル系樹脂粒子に無機微粒子bが埋め込まれた構造を有していることを特徴とする。トナーの流動性、帯電性の制御、および低温定着性の観点で、有機無機複合微粒子のコア樹脂はビニル系樹脂粒子であり、そのコア樹脂に無機微粒子bが一部埋め込まれた構造を取ることが必須である。ビニル系樹脂は架橋密度の制御が容易であり、架橋点間距離が短く高架橋密度を有する樹脂は、容積比熱が高くなる傾向にあるため、排紙接着が生じやすくなる。また、スペーサー粒子として利用する微粒子が有機微粒子の場合、流動性、トナーの帯電性が低下し、無機微粒子の場合、定着を阻害し、低温定着性が低下し、あるいは排紙接着が生じやすくなる。
さらに本発明で使用される有機無機複合微粒子は表面に無機微粒子b由来の凸部が複数有する方が良い。これはトナー表面との付着力の制御の点から好ましい形態となる。又、有機無機複合微粒子の個数平均粒径は耐久変動の抑制と部材汚染の点から50nm以上200nm以下が好ましい。
該有機無機複合微粒子は、例えば、WO 2013/063291の実施例の記載に従って製造することができる。有機無機複合微粒子に使用される無機微粒子bは、特に限定されるものではないが、トナー表面との付着性の点から本発明においてはシリカ、酸化チタン、アルミナからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機酸化物粒子であることが好ましい。
本発明の磁性トナーは、無機微粒子aによる磁性トナー粒子表面の被覆率を被覆率A(%)としたときに、被覆率Aが45.0%以上70.0%以下であることを特徴とする。
本発明の磁性トナーは、上記被覆率Aが45.0%以上と高いために、磁性トナーと部材とのvan der Waals力が低く、磁性トナー同士や部材との付着力が低下しやすくなり、長期使用時の画像安定化の向上が可能となる。さらに、トナー表面の微小な凹凸を減少させる効果もある。
一方、被覆率Aを70.0%より大きくしようとするには、無機微粒子を多量に添加する必要がある。この時、外添処理の方法を工夫しても、遊離した無機微粒子により定着時の熱伝導が低下したり、定着フィルムとの離型性が低下したりするため、低温定着性が低下する。
さらに本発明の磁性トナーは、トナー粒子表面に固着された無機微粒子によるトナー粒子表面の被覆率を被覆率B(%)としたとき、被覆率Bの被覆率Aに対する比[被覆率B/被覆率A、以下単にB/Aともいう]が、0.50以上0.85以下であることが好ましい。
被覆率Aは容易に遊離しうる粒子も含めた被覆率であり、被覆率Bは後述の遊離操作によっては遊離しない、磁性トナー粒子表面に固着された無機微粒子による被覆率を示す。被覆率Bで表わされる無機微粒子は、磁性トナー粒子表面に半埋没状態で固着されており、現像スリーブ上や静電潜像担持体上で、磁性トナーがシェアを受けても、外添剤の移行がないと考えられる。
一方、被覆率Aの算出に寄与する無機微粒子は、上記固着された無機微粒子と、さらにその上層に存在する、比較的自由度の高い無機微粒子も含む。
B/Aが0.50以上0.85以下であることは、磁性トナー表面に固着された無機微粒子がある程度存在し、その上にさらに無機微粒子が容易に遊離しうる状態(磁性トナー粒子から離れて挙動できる状態)で、適当量存在していることを意味している。おそらく、この固着された無機微粒子に対して、遊離可能な無機微粒子が滑ることにより、ベアリングのような効果を発揮し、磁性トナー間の凝集力が大幅に低減すると考えられる。そのため、先述したように、未定着画像の表面を平滑にし、最密充填に近い状態とすることが可能となり、定着器からの熱を均一かつ効率良く磁性トナーに付与できるようになる。また、ベアリング効果により磁性トナーへの過度なストレスが無くなるため、長期使用時の画像安定性が顕著に向上する。
本発明者らの検討の結果、上述の付着力低減効果及びベアリング効果は以下の構成の時に最大限効果が得られる。即ち、固着された無機微粒子と、容易に遊離しうる無機微粒子とを含む無機微粒子aが、個数平均粒径(D1)が5nm以上25nm以下であることが必要である。
さらには、無機酸化物微粒子中の85質量%以上がシリカ微粒子であることが好ましく、さらには90質量%以上がシリカ微粒子であることがより好ましい。これは、帯電性付与及び流動性付与の点で、シリカ微粒子が最もバランスが優れているだけでなく、トナー間の凝集力低減の点でも優れているためである。
無機微粒子aの一次粒子の個数平均粒径(D1)が上記範囲であることにより、被覆率A、及びB/Aを適切に制御しやすく、前述の付着力低減やベアリング効果が得られる。
本発明に用いる無機微粒子aは、疎水化処理を施したものであることが好ましく、メタノール滴定試験によって測定された疎水化度が40%以上、より好ましくは50%以上となるように疎水化処理したものが特に好ましい。
上記疎水化処理の方法としては、有機ケイ素化合物、シリコーンオイル、長鎖脂肪酸等で処理する方法が挙げられる。
上記有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン等が挙げられる。これらは一種或いは二種以上の混合物で用いられる。
上記シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が挙げられる。
上記長鎖脂肪酸は炭素数が10乃至22の脂肪酸を好適に用いることが出来、直鎖脂肪酸であっても、分岐脂肪酸であっても良い。また、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸のいずれも用いる事が可能である。
この中で、炭素数が10乃至22の直鎖の飽和脂肪酸は無機微粒子表面を均一に処理し易く、非常に好ましい。
該直鎖の飽和脂肪酸としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミルスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等が挙げられる。
本発明に用いられる無機微粒子において、無機微粒子はシリコーンオイルにより処理されたものが好ましく、より好ましくは、無機微粒子を有機ケイ素化合物とシリコーンオイルにより処理されたものである。疎水化度が好適に制御出来るからである。
無機微粒子をシリコーンオイルで処理する方法としては、例えば、有機ケイ素化合物で処理された無機微粒子とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混合する方法や、無機微粒子にシリコーンオイルを噴霧する方法が挙げられる。或いは、適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解又は分散させた後、無機微粒子を加えて混合し、溶剤を除去する方法でもよい。
シリコーンオイルの処理量は、良好な疎水性を得るために、無機微粒子100質量部に対し1質量部以上40質量部以下であることが好ましく、3質量部以上35質量部以下であることがより好ましい。
シリカ微粒子、チタニア微粒子、及びアルミナ微粒子は磁性トナーに良好な流動性を付与できるという点で、窒素吸着によるBET法で測定した比表面積(BET比表面積)が20m2/g以上350m2/g以下のものが好ましく、25m2/g以上300m2/g以下のものがより好ましい。
上記窒素吸着によるBET法で測定した比表面積(BET比表面積)の測定は、JISZ8830(2001年)に準じて行う。測定装置としては、定容法によるガス吸着法を測定方式として採用している「自動比表面積・細孔分布測定装置 TriStar3000(島津製作所社製)」を用いる。
また、本発明においては、トナー粒子間における被覆率Aの変動係数が10.0%以下であることが好ましい。より好ましくは8.0%以下である。変動係数が10.0%以下であるということは、磁性トナー粒子間、及び磁性トナー粒子内での被覆率Aが極めて均一であることを意味している。
被覆率Aの変動係数が10.0%以下であると、先述したように定着ニップ通過後において固着された無機微粒子がより均一に定着画像表面に存在できるようになるため、定着フィルムとの離型性がより発揮されやすくなるため好ましい。
上記被覆率Aの変動係数を10.0%以下にするための手法は特に限定されないが、磁性トナー粒子表面に高度にシリカ微粒子等の金属酸化物微粒子を拡散させることができる、後述するような外添装置や手法を用いることが好ましい。
無機微粒子の被覆率については、無機微粒子、磁性トナーが真球状であると仮定することにより、特開2007−293043号公報などに記載の計算式で理論被覆率を算出することが可能である。しかし、無機微粒子や磁性トナーが真球状でない場合も多く、さらに、無機微粒子がトナー粒子表面で凝集した状態で存在する事もあるため、これらの手法で導き出された理論被覆率は本発明とは関連しない。
そこで本発明者らは、磁性トナー表面の走査電子顕微鏡(SEM)観察を行い、無機微粒子が磁性トナー粒子表面を実際に覆っている被覆率を求めている。
一例として、体積平均粒子径(Dv)が8.0μmの粉砕法による磁性トナー粒子(磁性体の含有量は43.5質量%)100質量部に、シリカ微粒子の添加量(シリカ添加部数)を変えて混合したものの理論被覆率と実際の被覆率を求める。なお、シリカ微粒子としては体積平均粒径(Dv)が15nmのシリカ微粒子を用いる。
また、理論被覆率を算出する際のシリカ微粒子の真比重は2.2g/cm3、磁性トナーの真比重を1.65g/cm3とし、シリカ微粒子及び磁性トナー粒子に関しては、それぞれ粒径15nm、8.0μmの単分散の粒子とする。
また、本発明者らの検討によれば、シリカ微粒子の添加量が同じであっても、外添の手法によって被覆率が変化することがわかった。すなわち、シリカ微粒子の添加量から一義的に被覆率を求めることは不可能である。
このような理由から、本発明者らは磁性トナー表面のSEM観察により得られる無機微粒子の被覆率を用いている。
本発明において、磁性トナーに含まれる磁性体としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属或はこれらの金属とアルミニウム、銅、マグネシウム、スズ、亜鉛、ベリリウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金及びそれらの混合物等が挙げられる。
上記磁性体は一次粒子の個数平均粒径(D1)が0.50μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.05μm乃至0.30μmである。
また、上記磁性体の795.8kA/m印加での磁気特性として、抗磁力(Hc)が1.6乃至12.0kA/mであることが好ましく、磁化の強さ(σs)が50乃至200Am2/kgであることが好ましく、より好ましくは50乃至100Am2/kgであり、残留磁化(σr)が2乃至20Am2/kgであることが好ましい。
本発明の磁性トナーは、磁性体を35質量%以上50質量%以下含有することが好ましく、40質量%以上50質量%以下含有することがより好ましい。
磁性トナーにおける磁性体の含有量が35質量%未満の場合には、現像スリーブ内のマグネットロールとの磁気引力が低下し、カブリが発生する傾向にある。
一方、磁性体の含有量が50質量%を超える場合には、現像性が低下する傾向にある。
なお、磁性トナー中の磁性体の含有量は、パーキンエルマー社製熱分析装置TGA Q5000IR等を用いて測定することができる。測定方法は、窒素雰囲気下において昇温速度25℃/分で常温から900℃まで磁性トナーを加熱し、100乃至750℃の減量質量を磁性トナーから磁性体を除いた成分の質量とし、残存質量を磁性体量とする。
本発明の磁性トナーにおいて、荷電制御剤を添加することが好ましい。なお、本発明の磁性トナーは、負帯電性トナーであることが好ましい。
負帯電用の荷電制御剤としては、有機金属錯化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯化合物;アセチルアセトン金属錯化合物;芳香族ハイドロキシカルボン酸または芳香族ダイカルボン酸の金属錯化合物等が例示される。
市販品の具体例として、Spilon Black TRH、T−77、T−95(保土谷化学工業(株))、BONTRON(登録商標)S−34、S−44、S−54、E−84、E−88、E−89(オリエント化学工業(株))が挙げられる。
これらの荷電制御剤は単独、或いは二種以上組み合わせて用いることが可能である。これらの荷電制御剤の使用量は、磁性トナーの帯電量の点から、結着樹脂100質量部当たり0.1乃至10.0質量部が好ましく、より好ましくは0.1乃至5.0質量部である。
本発明の磁性トナーには、上記無機微粒子に加えて、一次粒子の個数平均粒径(D1)が80nm以上3μm以下の粒子を添加してもよい。例えば、フッ素樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤;酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末などの研磨剤を効果に影響を与えない程度に少量用いることもできる。
本発明の磁性トナーは、現像性や定着性のバランスの観点から、重量平均粒径(D4)が、6.0μm以上10.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは、7.0μm以上9.0μm以下である。
また、本発明の磁性トナーは、チャージアップ抑制の観点から、平均円形度が0.935以上0.955以下であることが好ましく、より好ましくは0.938以上0.950以下である。
本発明の磁性トナーの平均円形度は、磁性トナーの製造方法や、製造条件の調整によって上記範囲に調整することが可能である。
以下に、本発明の磁性トナーの製造方法について例示するが、これに限定されるわけではない。
本発明の磁性トナーは、被覆率A及びB/Aを調整することができ、好ましくは平均円形度を調整する工程を有する製造方法であれば、それ以外の製造工程においては、特に限定されず、公知の方法によって製造することができる。
そのような、製造方法としては、以下の方法を好適に例示できる。まず、結着樹脂及び磁性体、並びに、必要に応じて、離型剤及び荷電制御剤などのその他の材料を、ヘンシェルミキサー又はボールミルの如き混合機により十分混合してから、ロール、ニーダー及びエクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融、捏和及び混練して樹脂類を互いに相溶せしめる。
得られた溶融混練物を冷却固化後に粗粉砕、微粉砕、分級を行い、得られた磁性トナー粒子に、無機微粒子等の外添剤を外添混合することによって、磁性トナーを得ることができる。
上記混合機としては、ヘンシェルミキサー(日本コークス社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス、ノビルタ(ホソカワミクロン株式会社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)等が挙げられる。
上記混練機としては、KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(日本コークス社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)等が挙げられる。
上記粉砕機としては、カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング)等が挙げられる。
このうち、ターボミルを使用し、微粉砕時の排気温度を調整することにより、平均円形度の制御が可能である。排気温度を低く(例えば40℃以下)すると、平均円形度の値が小さくなり、排気温度を高く(例えば50℃前後)すると、平均円形度の値が大きくなる。
上記分級機としては、クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)等が挙げられる。
粗粒等をふるい分けるために用いられる篩い装置としては、ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社製);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い等が挙げられる。
無機微粒子を外添混合する混合処理装置としては、上記混合機などの公知の混合処理装置を用いることができるが、被覆率A、B/A、及び被覆率Aの変動係数を容易に制御できる点で図1に示すような装置が好ましい。
図1は、本発明に用いられる無機微粒子を外添混合する際に、用いることができる混合処理装置の一例を示す模式図である。
当該混合処理装置は、磁性トナー粒子と無機微粒子に対して、狭いクリアランス部において、シェアがかかる構成になっているために、磁性トナー粒子表面に無機微粒子を固着させやすい。
次に、本発明に係る各物性の測定方法に関して記載する。後述の実施例もこの方法に基づいている。
<無機微粒子の定量方法>
(1)磁性トナー中のシリカ微粒子の含有量の定量(標準添加法)
磁性トナー3gを直径30mmのアルミリングに入れ、10トンの圧力でペレットを作製する。波長分散型蛍光X線分析(XRF)により、珪素(Si)の強度を求める(Si強度−1)。なお、測定条件は使用するXRF装置で最適化されたものであれば良いが、一連の強度測定はすべて同一条件で行うこととする。磁性トナーに、一次粒子の個数平均粒径が12nmのシリカ微粒子を、磁性トナーに対して1.0質量%添加して、コーヒーミルにより混合する。
この際、混合するシリカ微粒子は、一次粒子の個数平均粒径が5nm以上50nm以下のものであれば、本定量に影響なく使用することができる。
混合後、上記と同様にペレット化したのちに、上記同様にSiの強度を求める(Si強度−2)。同様の操作を、シリカ微粒子を、磁性トナーに対して2.0質量%、3.0質量%添加混合したサンプルにおいても、Siの強度を求める(Si強度−3,Si強度−4)。Si強度−1乃至4を用いて、標準添加法により磁性トナー中のシリカ含有量(質量%)を計算する。但し、無機微粒子aのシリカを複数添加している場合、XRFにおいてSiの強度が複数種類分検出されるため、本測定方法はシリカ1種類の場合に限る。
磁性トナー中のチタニア含有量(質量%)及び、アルミナ含有量(質量%)については、上記のシリカ含有量の定量と同様に標準添加法により定量する。すなわち、チタニア含有量(質量%)については、一次粒子の個数平均粒径が5nm以上50nm以下のチタニア微粒子を添加混合し、チタン(Ti)強度を求めることにより、定量することができる。アルミナ含有量(質量%)については、一次粒子の個数平均粒径が5nm以上50nm以下のアルミナ微粒子を添加混合し、アルミニウム(Al)強度を求めることにより、定量することができる。
(2)磁性トナー粒子から無機微粒子の分離
磁性トナー5gを、精密天秤を用いて200mlの蓋付きポリカップに秤量し、メタノールを100ml加え、超音波分散機で5分間分散させる。ネオジム磁石により磁性トナーを引き付け、上澄み液を捨てる。メタノールによる分散と上澄みを捨てる操作を3回繰り返したのち、10%NaOHを100mlと、「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を数滴加え、軽く混合したのち、24時間静置する。その後、再びネオジム磁石を用いて分離する。なお、この際にNaOHが残留しないように繰り返し蒸留水ですすぐ。回収された粒子を真空乾燥機により十分に乾燥させ、粒子Aを得る。上記操作により、外添されたシリカ微粒子は溶解、除去される。チタニア微粒子、アルミナ微粒子は10%NaOHに対して難溶解性であるため、粒子A中に残存しうる。
トナー中に無機微粒子aとしてシリカ微粒子を含有し、かつシリカを含む外添剤を含有する場合は、この除去された水溶液を遠心分離器にかけ、比重の違いによりそれぞれを分取したのち溶媒を除去し真空乾燥機で十分に乾燥させ重量を測定することで無微微粒子の含有量を得ることが出来る。
(3)粒子A中のSi強度測定
3gの粒子Aを直径30mmのアルミリングに入れ、10トンの圧力でペレットを作製し、波長分散型XRFにより、Siの強度を求める(Si強度−5)。Si強度−5と磁性トナー中のシリカ含有量の定量で使用したSi強度−1乃至4を利用して、粒子A中のシリカ含有量(質量%)を計算する。
(4)磁性トナーから磁性体の分離
5gの粒子Aに対して、100mlのテトラヒドロフランを加え、良く混合した後に超音波分散を10分間行う。磁石により磁性粒子を引き付け、上澄み液を捨てる。この作業を5回繰り返し、粒子Bを得る。この操作で、磁性体以外の樹脂等の有機成分はほぼ取り除くことができる。ただし、樹脂中のテトラヒドロフラン不溶解分が残存する可能性があるため、上記操作で得られた粒子Bを800℃まで加熱して残存する有機成分を燃焼させることが好ましく、加熱後得られた粒子Cを含有する磁性体と近似することができる。
粒子Cの質量を測定することにより、磁性トナー中の磁性体含有量W(質量%)とすることができる。この際、磁性体の酸化増量分を補正するために、粒子Cの質量に0.9666(Fe23→Fe34)を乗じる。
(5)分離した磁性体中のTi強度、Al強度の測定
磁性体中に不純物もしくは添加物として含まれることにより、波長分散型XRFのFP定量法によって、検出されるTi強度、Al強度を、チタニア、アルミナ換算した場合の磁性体中のチタニア、アルミナ含有量を算出する。
上記手法により得られた、各定量値を以下の式に代入することにより、外添シリカ微粒子量、外添チタニア微粒子量、外添アルミナ微粒子量を算出する。
外添シリカ微粒子量(質量%)=磁性トナー中のシリカ含有量(質量%)−粒子A中のシリカ含有量(質量%)
外添チタニア微粒子量(質量%)=磁性トナー中のチタニア含有量(質量%)−{磁性体のチタニア含有量(質量%)×磁性体含有量W/100}
外添アルミナ微粒子量(質量%)=磁性トナー中のアルミナ含有量(質量%)−{磁性体のアルミナ含有量(質量%)×磁性体含有量W/100}
(6)磁性トナー粒子表面に固着された無機微粒子において、シリカ微粒子、チタニア微粒子、及びアルミナ微粒子からなる群より選ばれる金属酸化物微粒子中のシリカ微粒子の割合の算出。
後述する、被覆率Bの算出法において、「固着されていない無機微粒子の除去」操作をした後のトナーを乾燥したのち、上記(1)乃至(5)の方法と同様な操作を実施することにより、金属酸化物微粒子中のシリカ微粒子の割合の算出が可能である。
<無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径の測定方法>
外添剤の個数平均粒径の測定は、走査型電子顕微鏡「S−4800」(商品名;日立製作所製)を用いて行う。外添剤が外添されたトナーを観察して、最大20万倍に拡大した視野において、ランダムに100個の外添剤の一次粒子の長径を測定して個数平均粒径を求める。観察倍率は、外添剤の大きさによって適宜調整する。
<被覆率Aの算出>
本発明における被覆率Aは、日立超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡S−4800((株)日立ハイテクノロジーズ)にて撮影された磁性トナー表面画像を、画像解析ソフトImage−Pro Plus ver.5.0((株)日本ローパー)により解析して算出する。S−4800の画像撮影条件は以下の通りである。
(1)試料作製
試料台(アルミニウム試料台15mm×6mm)に導電性ペーストを薄く塗り、その上に磁性トナーを吹きつける。さらにエアブローして、余分な磁性トナーを試料台から除去し十分乾燥させる。試料台を試料ホルダにセットし、試料高さゲージにより試料台高さを36mmに調節する。
(2)S−4800観察条件設定
被覆率Aの算出は、S−4800の反射電子像観察により得られた画像を用いて行う。反射電子像は2次電子像と比べて無機微粒子のチャージアップが少ないため、被覆率Aを精度良く測定することが出来る。
S−4800の鏡体に取り付けられているアンチコンタミネーショントラップに液体窒素を溢れるまで注入し、30分間置く。S−4800の「PC−SEM」を起動し、フラッシング(電子源であるFEチップの清浄化)を行う。画面上のコントロールパネルの加速電圧表示部分をクリックし、[フラッシング]ボタンを押し、フラッシング実行ダイアログを開く。フラッシング強度が2であることを確認し、実行する。フラッシングによるエミッション電流が20〜40μAであることを確認する。試料ホルダをS−4800鏡体の試料室に挿入する。コントロールパネル上の[原点]を押し試料ホルダを観察位置に移動させる。
加速電圧表示部をクリックしてHV設定ダイアログを開き、加速電圧を[0.8kV]、エミッション電流を[20μA]に設定する。オペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、信号選択を[SE]に設置し、SE検出器を[上(U)]および[+BSE]を選択し、[+BSE]の右の選択ボックスで[L.A.100]を選択し、反射電子像で観察するモードにする。同じくオペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、電子光学系条件ブロックのプローブ電流を[Normal]に、焦点モードを[UHR]に、WDを[3.0mm]に設定する。コントロールパネルの加速電圧表示部の[ON]ボタンを押し、加速電圧を印加する。
(3)磁性トナーの個数平均粒径(D1)算出
コントロールパネルの倍率表示部内をドラッグして、倍率を5000(5k)倍に設定する。操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止める又は最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。この操作を更に2度繰り返し、ピントを合わせる。
その後、磁性トナー粒子300個について粒径を測定して個数平均粒径(D1)を求める。尚、個々の粒子の粒径は、磁性トナーの粒子を観察した際の最大径とする。
(4)焦点調整
上記(3)で得た、個数平均粒径(D1)の±0.1μmの粒子について、最大径の中点を測定画面の中央に合わせた状態でコントロールパネルの倍率表示部内をドラッグして、倍率を10000(10k)倍に設定する。操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止める又は最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。その後、倍率を50000(50k)倍に設定し、上記と同様にフォーカスつまみ、STIGMA/ALIGNMENTつまみを使用して焦点調整を行い、再度オートフォーカスでピントを合わせる。この操作を再度繰り返し、ピントを合わせる。ここで、観察面の傾斜角度が大きいと被覆率の測定精度が低くなりやすいので、ピント調整の際に観察面全体のピントが同時に合うものを選ぶことで、表面の傾斜が極力無いものを選択して解析する。
(5)画像保存
ABCモードで明るさ合わせを行い、サイズ640×480ピクセルで写真撮影して保存する。この画像ファイルを用いて下記の解析を行う。磁性トナー粒子一つに対して写真を1枚撮影し、少なくとも磁性トナー30粒子以上について画像を得る。
(6)画像解析
本発明では下記解析ソフトを用いて、上述した手法で得た画像を2値化処理することで被覆率Aを算出する。このとき、上記一画面を正方形で12分割してそれぞれ解析する。ただし、分割区画内に、粒径が50nm以上の無機微粒子が入る場合はその区画では被覆率Aの算出を行わないこととする。
画像解析ソフトImage−Pro Plus ver.5.0の解析条件は以下の通りである。
ソフトImage−ProPlus5.1J
ツールバーの「測定」から「カウント/サイズ」、「オプション」の順に選択し、二値化条件を設定する。オブジェト抽出オプションの中で8連結を選択し、平滑化を0とする。その他、予め選別、穴を埋める、包括線は選択せず、「境界線を除外」は「なし」とする。ツールバーの「測定」から「測定項目」を選択し、面積の選別レンジに2〜107と入力する。
被覆率の計算は、正方形の領域を囲って行う。この時、領域の面積(C)は24000〜26000ピクセルになるようにする。「処理」−2値化で自動2値化し、シリカの無い領域の面積の総和(D)を算出する。
正方形の領域の面積C、シリカの無い領域の面積の総和Dから下記式で被覆率aが求められる。
被覆率a(%)=100−C/D×100
上述したように、被覆率aの計算を磁性トナー30粒子以上について行う。得られた全データの平均値を本発明における被覆率Aとする。
<被覆率Aの変動係数>
本発明における被覆率Aの変動係数は下記のように求める。上述の被覆率Aの計算において使用した全被覆率データの標準偏差をσ(A)とすると、被覆率Aの変動係数は下記式で得られる。
変動係数(%)={σ(A)/A}×100
<被覆率Bの算出>
被覆率Bは、まず、磁性トナー表面の固着されていない無機微粒子を除去し、その後被覆率Aの算出と同様の操作を行って、算出する。
(1)固着されていない無機微粒子の除去
固着されていない無機微粒子の除去は下記のように行う。この除去条件は、トナー表面に埋没した無機微粒子以外を十分除去するために本発明者らが検討し、決定した。
より詳細には、水16.0g、コンタミノンN(和光純薬製中性洗剤、商品No.037−10361)4.0gをガラス製の30mlバイアルに投入し、十分混合する。作製した溶液に磁性トナー1.50gを投入して磁石を底面から近付け、磁性トナーを全て沈める。その後、磁石を動かして気泡を除くと共に溶液に磁性トナーを馴染ませる。
超音波振動機UH−50(株式会社エスエムテー製、先端径φ6mmのチタン合金チップ使用)の先端が、バイアルの中央部であり、かつ、バイアル底面から5mmの高さになるようにセットし、超音波分散による無機微粒子の除去を行う。30分間、超音波を掛けた後、磁性トナーを全量取り出して乾燥させる。この時、極力熱を掛けないこととし、30℃以下で真空乾燥を行う。
(2)被覆率Bの算出
上述の乾燥後の磁性トナーを上述の被覆率Aと同様に被覆率を算出し、被覆率Bを得る。
<磁性トナーの重量平均粒径(D4)及び粒度分布の測定方法>
磁性トナーの重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行う。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャのフラッシュ」機能により、アパーチャチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<容積比熱の測定方法>
本発明における容積比熱は個別にサンプルの比熱(J/g・℃)と真密度(g/cm3)を求め、両値の積から算出する。
比熱の測定には、TA Instruments社製の入力補償型示差走査熱量測定装置DSC8500を用い、StepScanモードにて測定を行う。サンプルはアルミニウム製パンを用い対照用に空パンを使用する。サンプルは20℃で1分間等温放置後、10℃/minで100℃まで昇温し、80℃時の比熱を算出する。
真密度は、島津製作所製の乾式自動密度計アキュピック1330により測定する。
有機無機複合微粒子の容積比熱を測定する場合は、例えば次のようにして有機無機複合微粒子を単離する。まずトナーを「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を数滴加えたイオン交換水に超音波分散し24時間静置する。上澄み液を採取して乾燥することで、外添剤を単離することができる。トナーに複数の外添剤が外添されている場合は、上澄み液を遠心分離法で分離して単離が可能である。
<有機無機複合微粒子の個数平均粒径の測定方法>
外添剤の個数平均粒径の測定は、走査型電子顕微鏡「S−4800」(商品名;日立製作所製)を用いて行う。外添剤が外添されたトナーを観察して、最大20万倍に拡大した視野において、ランダムに100個の外添剤の一次粒子の長径を測定して個数平均粒径を求める。観察倍率は、外添剤の大きさによって適宜調整する。
<磁性トナー中の有機無機複合微粒子の定量方法>
磁性トナー粒子に複数の外添剤が外添されている磁性トナーにおいて、有機無機複合微粒子の含有量を測定する場合、磁性トナー粒子から外添剤を取り除き、さらに、複数種の外添剤を単離・回収する必要がある。
具体的な方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
(1)磁性トナー5gをサンプル瓶に入れ、メタノールを200ml加える。
(2)超音波洗浄機で5分間試料を分散させて外添剤を分離させる。
(3)吸引ろ過(10μmメンブランフィルター)して磁性トナー粒子と外添剤を分離する。または、ネオジム磁石をサンプル瓶の底にあてて磁性トナー粒子を固定して上澄み液だけ分離させても構わない。
(4)上記(2)、(3)を計3回行う。
上記操作により、外添された外添剤は磁性トナー粒子から単離される。この回収された水溶液を遠心分離器にかけ、シリカ微粒子と有機無機複合微粒子とを分離、回収する。次いで、溶媒を除去し真空乾燥機で十分に乾燥させ質量を測定することで有機無機複合微粒子の含有量を得ることができる。
<結着樹脂の酸価の測定方法>
本発明における酸価は、以下の操作により求められる。基本操作はJIS K0070に属する。
測定装置としては、電位差滴定測定装置を用いて測定する。この滴定には、京都電子株式会社の電位差滴定測定装置AT−400(winworkstation)とABP−410電動ビュレットとを用いての自動滴定が利用できる。
装置の校正は、トルエン120mlとエタノール30mlの混合溶媒を使用する。測定温度は25℃とする。
試料の調製は、結着樹脂0.5gをトルエン120mlとエタノール30mlの混合溶媒に投入したのち、超音波分散で10分間分散する。その後、マグネチックスターラーを入れて、フタをした状態で約10時間、撹拌溶解させる。0.1mol/lの水酸化カリウムのエタノール溶液を用いて、ブランクテストを行う。この時の水酸化カリウムのエタノール溶液の使用量をB(ml)とする。上記10時間撹拌後の試料溶液について、磁性体は磁力分離し、可溶分(磁性トナー又は樹脂による試料溶液)の滴定を行う。このときの水酸化カリウム溶液の使用量をS(ml)とする。
下記式により酸価を計算する。なお下記式中のfはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)={(S−B)×f×5.61}/W
<離型剤の融点およびトナー粒子の吸熱ピーク半値幅の測定方法>
離型剤の融点およびトナー粒子の吸熱ピーク半値幅は、示差走査熱量計(DSC測定装置)、DSC−7(パーキンエルマー社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
測定試料は5mg以上20mg以下、好ましくは10mgを精密に秤量する。
これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測定を行う。尚、測定においては、一度200℃まで昇温速度10℃/minで昇温させ、続いて10℃/minで30℃まで降温し、その後に再度昇温速度10℃/minで昇温を行う。この2回目の昇温過程で、温度40〜120℃の範囲において最大吸熱ピークが得られる。該最大吸熱ピークのピーク温度を離型剤の融点とする。
また、測定試料をトナー粒子として上記と同様の測定方法で測定した際の吸熱ピークにおけるベースラインからピーク高さの2分の1に当る部分の吸熱チャートの温度幅を、トナー粒子の吸熱ピーク半値幅とする。
以下実施例にもとづいて具体的に本発明について説明する。しかしながら、これによって本発明の実施の態様がなんら限定されるものではない。実施例中の部数は質量部である。
<有機無機複合微粒子1乃至6>
後述の実施例において用いる有機無機複合微粒子としては、有機無機複合微粒子1乃至5は、表1に示すシリカを用いて、WO 2013/063291の実施例1に従って製造したものを用意する。有機無機複合微粒子6は、特開2005−202131の複合粒子の作製例に従って製造したものを用意する。有機無機複合微粒子1乃至6の物性を表1に示す。
Figure 0006552323
<その他の添加剤>
後述のトナー製造例中で、上記有機無機複合微粒子以外に使用する無機微粒子aとその他添加剤を表2および3に示す。
Figure 0006552323
Figure 0006552323
<結着樹脂の製造例>
(結着樹脂の製造例1)
ポリエステルモノマーのモル比を下記とする。
BPA−PO/BPA−EO/TPA/TMA=50/50/70/12
ここで、それぞれ、BPA−PO:ビスフェノールA プロピレンオキサイド2.2モル付加物、BPA−EO:ビスフェノールA エチレンオキサイド2.2モル付加物、TPA:テレフタル酸、TMA:無水トリメリット酸、を示す。
上記に示す原料モノマーのうち、TMA以外の原料モノマーと、触媒としてテトラブチルチタネート0.1質量%を脱水管、撹拌羽根、窒素導入管等を備えたフラスコに入れ、220℃で10時間縮合重合する。さらにTMAを添加し、210℃で所望の酸価に達するまで反応させて、表4に示す結着樹脂1を得る。
(結着樹脂の製造例2及び3)
結着樹脂の製造例1において、原料モノマーの比率を変更することで、ピーク分子量、ガラス転移点Tg、酸価を適宜調整し、表4に示す結着樹脂2及び3を得る。
(結着樹脂の製造例4)
4ツ口フラスコ内にキシレン300部を投入し、撹拌しながら容器内を充分に窒素で置換した後、昇温して還流させる。
この還流下で、スチレン73.5部、アクリル酸−n−ブチル20部、マレイン酸モノブチル5部、及び、ジ−tert−ブチルパーオキサイド1.5部の混合液を4時間かけて滴下後、2時間保持し重合を完了し、低分子量重合体(L−1)溶液を得る。
4ツ口フラスコに脱気水180部とポリビニルアルコールの2質量%水溶液20部を投入した後、スチレン70部、アクリル酸−n−ブチル25部、マレイン酸モノブチル5部、ジビニルベンゼン0.003部、及び、2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン(半減期10時間温度92℃)0.1部の溶液の混合液を加え、撹拌し懸濁液とする。
フラスコ内を充分に窒素で置換した後、85℃まで昇温して重合を開始する。同温度に24時間保持した後、ベンゾイルパーオキサイド(半減期10時間温度92℃)0.1部を添加する。さらに、12時間保持して重合を完了する。これを濾別し、水洗・乾燥し、高分子量重合体(H−1)を得る。
低分子量重合体(L−1)70部と高分子量重合体(H−1)30部を、還流キシレン100部に溶解させた後、有機溶剤を留去し、表4に示す結着樹脂4を得る。
(結着樹脂の製造例5及び6)
結着樹脂の製造例4において、原料モノマーの比率を変更することで、ピーク分子量、ガラス転移点Tg、酸価を適宜調整し、表4に示す結着樹脂5及び6を得る。
Figure 0006552323
<離型剤の製造例1>
ジムロート還流器、及びDean−Stark水分離器を備えた4つ口フラスコ反応装置内に、ベンゼン120部、ベヘン酸100部、べヘニルアルコール80部、及びp−トルエンスルホン酸8.0部を加え十分撹拌し溶解した後、5時間還流した後、水分離器のバルブを開け、共沸留去を行う。共沸留去後炭酸水素ナトリウムで十分洗浄後、乾燥しベンゼンを留去する。得られた生成物を再結晶後、洗浄し精製して、表5に示す離型剤1を合成する。
<離型剤2乃至4の製造例>
離型剤の製造例1において、原料となる脂肪酸、アルコールの種類、量を変更することで、表5に示す離型剤2乃至4を得る。
<離型剤5>
表5に示す離型剤5は、東亜化成(株)社製のカルナバワックスを使用する。
<離型剤6>
表5に示す離型剤6は、ポリエチレンワックスである。
<磁性トナー粒子の製造例1>
・表4に示す結着樹脂1:100部
(ピーク分子量:6200、Tg:64℃、酸価:17mgKOH/g)
・表5に示す離型剤1:5部
(ベヘン酸ベヘニル、融点:73℃)
・磁性体:95.0部
(組成:Fe34、形状:球状、一次粒子の個数平均粒径:0.21μm、795.8kA/mにおける磁気特性;Hc:5.5kA/m、σs:84.0Am2/kg、σr:6.4Am2/kg)
・荷電制御剤 T−77(保土谷化学工業(株)):1.0部
上記原材料をヘンシェルミキサーFM10C(三井三池化工機(株))で予備混合した後、回転数200rpmに設定した二軸混練押し出し機(PCM−30:池貝鉄工所社製)により、混練物の出口付近における直接温度が155℃となるように設定温度を調節し、混練する。
得られた溶融混練物を冷却し、冷却された溶融混練物をカッターミルで粗粉砕した後、得られた粗粉砕物を、ターボミルT−250(ターボ工業社製)を用いて、フィード量を20kg/hrとし、排気温度が38℃になるようエアー温度を調整して微粉砕し、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級して、重量平均粒径(D4)が7.8μmの磁性トナー粒子1を得る。結果を表6に示す。
<磁性トナー粒子の製造例2乃至10>
磁性トナー粒子の製造例1において、表1に示す結着樹脂、表2に示す離型剤の種類を変更した以外は、磁性トナー粒子の製造例1と同様にして、磁性トナー粒子2乃至10を得る。磁性トナー粒子2乃至10の製造処方ならびに重量平均粒径(D4)を表6に示す。
Figure 0006552323
Figure 0006552323
<磁性トナーの作製>
[実施例1]
磁性トナー粒子の製造例1で得る磁性トナー粒子1に対して、図1に示す装置を用いて、外添混合処理を行う。
本実施例においては、図1に示す装置で、本体ケーシング1の内周部の径が130mmであり、処理空間9の容積が2.0×10-33の装置を用い、駆動部8の定格動力を5.5kWとし、撹拌部材3の形状を図2のものとする。そして、図2における撹拌部材3aと撹拌部材3bの重なり幅dを撹拌部材3の最大幅Dに対して0.25Dとし、撹拌部材3と本体ケーシング1内周とのクリアランスを3.0mmとする。
上記した装置構成で、該磁性トナー粒子1の100部と、表1及び2に示す添加剤を、表7に示す種類・添加量で、図1に示す装置に投入した。
磁性トナー粒子と、添加剤として有機無機複合微粒子1、無機微粒子a1を投入後、磁性トナー粒子とシリカ微粒子を均一に混合するために、プレ混合を実施する。プレ混合の条件は、駆動部8の動力を0.1W/g(駆動部8の回転数150rpm)とし、処理時間を1分間とする。
プレ混合終了後、外添混合処理を行う。外添混合処理条件は、駆動部8の動力を1.0W/g(駆動部8の回転数1800rpm)で一定となるように、撹拌部材3の最外端部周速を調整し、処理時間を5分間とする。外添混合処理条件を表7に示す。
外添混合処理後、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で粗粒等を除去し、磁性トナー1を得る。なお、磁性トナー1を走査型電子顕微鏡で拡大観察し、磁性トナー表面の有機無機複合微粒子1、無機微粒子a1の一次粒子の個数平均粒径を測定し、表1及び2の外添剤物性表の通りの粒径になっていることを確認している。さらに、上述した実験方法に基づき、有機無機複合微粒子1、及び無機微粒子a1の磁性トナー中の含有量を確認する。磁性トナー1の外添条件、各物性を表7、表8にそれぞれ示す。
Figure 0006552323
Figure 0006552323
<現像性の評価>
HP LaserJet Enterprise600 M603dnで評価を行う。
本来のプロセススピードよりも高速である400mm/sに改造して使用する。
磁性トナー1を所定のプロセスカートリッジに982g充填する。試験実施環境は、母体樹脂を軟化させ外添剤の埋め込みを促進する、より厳しい条件である高温高湿環境下(32.5℃,80%RH)で行う。耐久試験は印字率1%となる横線パターンを2枚/1ジョブとして、ジョブとジョブの間にマシンがいったん停止してから次のジョブが始まるように設定したモードで、計25000枚の画出し試験を実施する。
画像濃度は、反射濃度計であるマクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して、5mm丸のベタ黒画像の反射濃度を測定することにより評価する。数値が大きいほど現像性が良いことを示す。具体的な評価基準を以下に示す。
A:初期から25000枚の時点で反射濃度1.40以上を維持している
B:初期から25000枚の時点で反射濃度1.35以上1.40未満を維持している
C:初期から25000枚の時点で反射濃度1.30以上1.35未満を維持している
D:25000枚終了まで、1.30を維持できない。
結果を表9に示す。
<低温定着性の評価>
HP LaserJet Enterprise600 M603dnの定着装置の定着温度を任意に設定できるように改造する。試験実施環境は、通常環境(23℃,50%RH)で行う。
この装置を用いて、定着器の温度を230℃に設定し、ボンド紙(坪量75g/m2)に画像濃度が0.6〜0.65となるようにハーフトーン画像を出力する。得られた画像を4.9kPaの荷重をかけたシルボン紙で5往復摺擦し、摺擦前後の画像濃度の濃度低下率を測定する。具体的な評価基準を以下に示す。
画像濃度の低下率が10.0%以下となる温度が、
A:220℃未満である。
B:220℃以上230℃未満である。
C:230℃以上240℃未満である。
D:240℃以上である。
結果を表9に示す。
<耐排紙接着性の評価>
耐排紙接着性の評価では、HP LaserJet Enterprise600 M603dn(HP社製)を、プロセススピードを400mm/sに改造して使用する。
試験実施環境は、耐排紙接着性にはより厳しい条件である高温高湿環境下(32.5℃,80%RH)で行う。
評価では、まず印字比率6%のテストチャートを用いてオフィスプランナーA4紙(坪量68g/m2)に両面で10枚の連続プリント試験を行う。その後、10枚重ねた状態で未開封のオフィスプランナー用紙の束(500枚/束)を7束(3500枚に相当)重ねて1時間荷重をかけ、剥がした際の状態を評価する。具体的な評価基準は以下の通りである。
A:排紙接着が発生しない。
B:紙同士の接着は見られるが剥がした際に画像に欠陥が見られることはない。
C:剥がした際に画像に欠陥が見られるが実用上問題になるレベルではない。
D:剥がした際に画像に顕著な欠陥が見られる。
結果を表9に示す。
[実施例2乃至13]
表7に記載の処方により実施例1と同様に磁性トナー2乃至13を作製する。このようにして得られる磁性トナーの物性値を表8に示し、同様の試験をした結果を表9に示す。
[比較例1乃至11]
表7に記載の処方により実施例1と同様に磁性トナー14乃至24を作製する。このようにして得られる磁性トナーの物性値を表8に示し、同様の試験をした結果を表9に示す。
Figure 0006552323
1:本体ケーシング、2:回転体、3、3a、3b:撹拌部材、4:ジャケット、5:原料投入口、6:製品排出口、7:中心軸、8:駆動部、9:処理空間、10:回転体端部側面、11:回転方向、12:戻り方向、13:送り方向、16:原料投入口用インナーピース、17:製品排出口用インナーピース、d:撹拌部材の重なり部分を示す間隔、D:撹拌部材の幅

Claims (9)

  1. 結着樹脂、磁性体、離型剤を含有するトナー粒子と、該トナー粒子表面に無機微粒子a及び有機無機複合微粒子を有する磁性トナーであって、
    該有機無機複合微粒子は、
    ビニル系樹脂粒子に無機微粒子bが埋め込まれた構造を有し、
    80℃における容積比熱が2900kJ/(m3・℃)以上4200kJ/(m3・℃)以下であり、
    該トナー質量を基準として、0.5質量%以上3.0質量%以下含有されており、
    該無機微粒子aは、シリカ微粒子、チタニア微粒子及びアルミナ微粒子からなる群より選択される無機酸化物微粒子を少なくとも含有し、個数平均粒径(D1)が5nm以上25nm以下であり、
    該無機微粒子aによるトナー粒子表面の被覆率をA(%)としたときに、該被覆率Aが45.0%以上70.0%以下であり、
    該離型剤が、エステル化合物であることを特徴とする磁性トナー。
  2. 該結着樹脂は、酸価が5mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁性トナー。
  3. トナー粒子表面に固着された無機微粒子aによるトナー粒子表面の被覆率をB(%)としたとき、該被覆率Bの該被覆率Aに対する比(B/A)が0.50以上0.85以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性トナー。
  4. 該トナー粒子間における該被覆率Aの変動係数が10.0%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の磁性トナー。
  5. 該有機無機複合微粒子は、表面に該無機微粒子b由来の凸部を複数有し、個数平均粒径が50nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の磁性トナー。
  6. 該離型剤の融点が、60〜140℃であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の磁性トナー。
  7. 該離型剤の融点が、60〜90℃であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の磁性トナー。
  8. 該トナー粒子は、示差走査型熱量計(DSC)で測定される吸熱ピークを有しており、該吸熱ピークの半値幅が2.0℃以上10.0℃以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の磁性トナー。
  9. 該トナー粒子は、示差走査型熱量計(DSC)で測定される吸熱ピークを有しており、該吸熱ピークの半値幅が2.0℃以上8.0℃以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の磁性トナー。
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