JP6474279B2 - クッション - Google Patents

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Description

本発明は、緩衝シート材と中シート材とコア緩衝材等がこの順に重なったクッションに関するものであって、より詳しくは、座り心地等のソフト感と、緩衝シート材のヘタリに対する耐久性を両立したクッションにおいて、柔らかな座り心地等を実現する為に導入される緩衝シート材のヘタリを改善したクッションに関する。
従来、繊維弾性体(クッション部材)が知られている(特許文献1)。
この繊維弾性体は、繊維素材のうち50重量%以上が炭素繊維からなり、繊維と繊維との交点を第1のバインダー樹脂で結着している結着点を有する三次元構造体を備え、前記結着点を、前記第1のバインダー樹脂と同一又は性質の異なる第2のバインダー樹脂で補強している。
特開2006−225771号公報
しかしながら、特許文献1に記載された繊維構造体は、ランダムな方向に配列した繊維(ランダムな繊維)が複雑に交わっているため、特許文献1の繊維構造体を、その外面を表皮材だけで覆われたクッションとしても用いた場合には、繊維構造体のランダムな繊維の間に、表皮材が落ち込んでしまう。
この落ち込みによって、クッションにかかる荷重は、表皮材における繊維構造体のランダムな繊維が当る部分に集中するため、ランダムな繊維に沿って、表皮材にヘタリが生じる。
又、特許文献1の繊維構造体では、ランダムな繊維が、着座等をした使用者に当ってしまい(使用者にはランダムな繊維の当りが感じられ)、座り心地等のソフト感が失われる。
更に、特許文献1の繊維構造体をクッションとして用いる場合、繊維構造体を覆われた表皮材から出し入れすることもあるが、この出し入れの際、繊維構造体のランダムな繊維が表示材に当たって(引っ掛かって)、表皮材が破損する虞もある。
しかしながら、特許文献1には、表皮材のヘタリや、その破損についての言及は一切ない。
そこで、本発明は、重なった緩衝シート材と中シート材とコア緩衝材において中シート材を緩衝シート材より薄くする、又は、重なった表シート材と緩衝シート材とコア緩衝材において緩衝シート材の厚さを5mm以上40mm以下等とすることで、緩衝シート材等の「ヘタリ低減」と、クッションとしての「ソフト感の保持」を同時に実現したクッションを提供することを目的とする。
本発明に係るクッション1は、少なくとも緩衝シート材と中シート材とコア緩衝材がこの順に重なったクッションであって、前記コア緩衝材は前記緩衝シート材及び前記中シート材越しにかかる荷重を支える線条体を有し、前記中シート材は前記緩衝シート材より薄く、前記コア緩衝材における前記線条体の太さは0.17mm以上2.00mm以下であり、前記コア緩衝材は、前記線条体を三次元ランダムに配設した繊維集合体であり、前記三次元ランダムに配設された線条体間に5mm以上20mm以下の空隙を少なくとも1つ有していることを第1の特徴とする。
本発明に係るクッション1の第2の特徴は、少なくとも表シート材と緩衝シート材とコア緩衝材がこの順に重なったクッションであって、前記コア緩衝材は前記表シート材及び前記緩衝シート材越しにかかる荷重を支える線条体を有し、前記緩衝シート材の厚さは5mm以上40mm以下であり、前記コア緩衝材における前記線条体の太さは0.17mm以上2.00mm以下であり、前記コア緩衝材は、前記線条体を三次元ランダムに配設した繊維集合体であり、前記三次元ランダムに配設された線条体間に5mm以上20mm以下の空隙を少なくとも1つ有している点にある。
本発明に係るクッション1の第3の特徴は、上記第1又は2の特徴に加えて、前記緩衝シート材と中シート材とコア緩衝材、又は、前記表シート材と緩衝シート材とコア緩衝材は、重なる順番を維持したまま、互いに固定されていない点にある。
本発明に係るクッション1の第4の特徴は、上記第1〜3の特徴に加えて、当該クッションに着座した使用者の体重による体圧の分布をVerg社製「FSA(Force Sensitive Applications、S6エキスパート)」にて測定した際、その測定した体圧値が180mmHg以上200mmHg以下となるセンサの個数は、7個以下である点にある。
本発明に係るクッション1の第5の特徴は、上記第1〜4の特徴に加えて、前記緩衝シート材の20g/cm2 加圧時における減少厚さは3mm以上20mm以下である点にある。
本発明に係るクッション1の第6の特徴は、上記第1〜5の特徴に加えて、前記コア緩衝材の厚さは20mm以上50mm以下である点にある。
これらの特徴により、少なくとも緩衝シート材2と中シート材3とコア緩衝材4をこの順に重ね、緩衝シート材2及び中シート材3越しにかかる荷重を支える線条体5を有したコア緩衝材4であっても、中シート材3を緩衝シート材2とコア緩衝材4の間に用いることで、コア緩衝材4における線条体5の間に緩衝シート材2が落ち込み難い(緩衝シート材2の一部が落ち込んだ図2(a)に対して、緩衝シート材2は何れの部分も落ち込んでいない図2(b)のようになる)。
従って、使用者の着座等によって、クッション1にかかる荷重が、緩衝シート材2において、特許文献1のように、コア緩衝材4の線条体5が当る部分に集中することはなく、緩衝シート材2にヘタリが生じ難くなる(緩衝シート材2の「ヘタリ低減」)。
これと同時に、緩衝シート材2が落ち込まないことで、着座等をした使用者には、コア緩衝材4における線条体5だけでなく緩衝シート材2も万遍なく当たるため、クッションとしてのソフト感が保持される(「ソフト感の保持」)。
尚、本発明における「重なる」とは、緩衝シート材2と中シート材3とコア緩衝材4などの素材が、この順に積み重なっている部分があれば良く、例えば、上から緩衝シート材2と中シート材3とコア緩衝材4がこの順で積み重なった後、当該コア緩衝材4の下方に中シート材3と緩衝シート材2がこの順で再び積み重ねられているもの等も含む。
又、本発明における「重なる」とは、緩衝シート材2と中シート材3とコア緩衝材4などの素材が、積み重なっているのであれば、それぞれの素材2、3、4等が互いに固定されていなくとも(つまり、各素材2、3、4等は、重なる順番を維持したまま、互いの距離や表面方向における相対位置が変化し得ても)良く、逆に、それぞれの素材2、3、4等が互いに固定されていても構わない。
本発明における「ソフト感」とは、使用者がクッション1に着座した際の座り心地だけではなく、着座以外の行為(例えば、枕やマットなどとして、頭を乗せたり、横たわる等)をして、使用者がクッション1に荷重をかけた際に感じる心地も含まれる。
又、中シート材3の目付M3を20g/m2 以上85g/m2 以下としたり、中シート材3の厚さD3を100μm以上1000μm以下とすることでも、ソフト感の保持等に寄与する。
更に、少なくとも表シート材6と緩衝シート材2とコア緩衝材4をこの順に重ね、コア緩衝材4は表シート材6及び緩衝シート材2越しにかかる荷重を支える線条体5を有すると同時に、緩衝シート材2の厚さD2を5mm以上40mm以下とすることで、後述する表2、図7〜9で示したように、緩衝シート材2によって、クッションとしてのソフト感の更なる保持が図れる。
そして、緩衝シート材2の20g/cm2 加圧時における減少厚さD2’を3mm以上20mm以下としたり、コア緩衝材4の厚さD4を20mm以上50mm以下とし、コア緩衝材4における線条体5の太さTを0.17mm以上2.00mm以下とし、コア緩衝材4を、線条体5を三次元ランダムに配設した繊維集合体として、三次元ランダムに配設された線条体5間に5mm以上20mm以下の空隙Kを少なくとも1つ有しても良い。
本発明に係るクッションによると、重なった緩衝シート材と中シート材とコア緩衝材において中シート材を緩衝シート材より薄くする、又は、重なった表シート材と緩衝シート材とコア緩衝材において緩衝シート材の厚さを5mm以上40mm以下等とすることで、シート材の「ヘタリ低減」と、クッションとしての「ソフト感の保持」を同時に実現できる。
は、本発明の第1実施形態に係るクッションを示した断面概要図である。 は、緩衝シート材の落込みとのその抑制を示し、(a)は中シート材がないため緩衝シート材が落ち込んだ状態を示した図面代用写真であり、(b)は中シート材によって緩衝シート材の落込みが抑えられた状態を示した図面代用写真である。 は、本発明の第2実施形態に係るクッションを示した断面概要図である。 は、本発明の第3実施形態に係るクッションを示した断面概要図である。 は、試験1を行う緩衝シート材のレプリカを示し、(a)は中シート材を有さないレプリカを示し、(b)は中シート材を有するレプリカを示す。 は、試験1を行う緩衝シート材のレプリカにおける局所ヘタリ深さとレプリカ厚さを示した断面概要図である。 は、試験2において、実施例1〜12と比較例1〜3における体圧分散図を示した平面概要図である。 は、試験2を行った実施例1〜12と比較例1〜3における高荷重領域の面積を示したグラフである。 は、試験2を行った実施例1〜12と比較例1〜3における低荷重領域の面積を示したグラフである。 は、試験3を行った中シート材の引張強度を示したグラフである。
<クッション1の第1実施形態>
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1〜10には、本発明に係るクッション1が示されている。
このうち、図1は、本発明の第1実施形態に係るクッション1を示し、この第1実施形態のクッション1は、表シート材6と緩衝シート材2と中シート材3とコア緩衝材4の4種類が、この順で重なっている部分を有する。
尚、第1実施形態のクッション1は、後に詳解するが表シート材6、緩衝シート材2及び中シート材3のそれぞれが袋状に形成されていても良い。
このように、シート材6、2、3が袋状で(シート材6、2、3がコア緩衝材4を上下から包むので)あれば、第1実施形態のクッション1は、上から、表シート材6と緩衝シート材2と中シート材3とコア緩衝材4がこの順で積み重なった後、当該コア緩衝材4の下方に中シート材3と緩衝シート材2と表シート材6の合計7つ(7層)が、この順で積み重ねられている。
よって、第1実施形態は、表シート材6、緩衝シート材2、中シート材3及びコア緩衝材4が、本発明における「重なる」状態であると言える。
第1実施形態において、表シート材6、緩衝シート材2、中シート材3及びコア緩衝材4は、上述したように、互いに固定されているか否かは問わない。
尚、それぞれの素材6、2〜4が相対移動可能であれば、互いを固定(接着、溶着等)する工程(手間)等を省くことが可能であり、それぞれの素材6、2〜4が相対移動可能であっても、表シート材6、緩衝シート材2及び中シート材3のそれぞれが袋状に形成されていれば、それぞれの素材6、2〜4が重なった状態で容易に分解しない。
<クッション1の全体厚さD1等>
クッション1の全体の厚さ(全体厚さ)D1は、特に限定はないが、例えば、25mm以上90mm以下、好ましくは27mm以上75mm以下、更に好ましくは30mm以上60mm以下であっても良い。
尚、クッション1を椅子の座面上に敷いて使用者が着座した場合には、全体厚さD1が厚すぎると、座面の高さが大きく変わるため、椅子としての良好な座り心地が得づらく、逆に、全体厚さD1が薄すぎる場合には、良好なクッション性(ソフト感)が得らないとも言える。
クッション1の形状も、特に限定はなく、例えば、平面視において、略矩形状等の略多角形状であったり、略円形状、略楕円形状であっても良く、更に、略直方体状、略角錐体状、略球体状、略楕円体状、略円柱、略円錐体状などでも構わない。
クッション1の大きさも、同様に限定はなく、例えば、平面視で略矩形状であれば、JIS−L−4403:2000の4.d)に規定されたSサイズ(幅51cm、長さ55cm、木綿判)、Mサイズ(幅55cm、長さ59cm、銘仙判(団地サイズ))、Lサイズ(幅59cm、長さ63cm、八端判(旧式サイズ))であっても良く、上述した以外でも、茶席判(幅43cm、長さ47cm)、緞子判(幅63cm、長さ68cm)、夫婦判(幅67cm、長さ72cm)などでも構わない。
その他、クッション1が、例えば、平面視で略円形であれば、その直径は、40cm以上75cm以下であっても良く、略直方体であれば、上述したMサイズのように、幅55cm、長さ59cmで、高さ30cm以上80cm以下(上述した全体厚さD1より大きい値)であっても構わない(この場合は、クッション1だけで、椅子のような使い方も出来る)。
又、マットやソファーのような大きさであっても構わない。
<緩衝シート材2>
図1、2に示したように、上述の第1実施形態のクッション1で用いられる緩衝シート材2は、表シート材6と中シート材3の間に重ねられるシート状物であって、コア緩衝材4よりも表面側(上側)に位置する。
第1の実施形態における緩衝シート材2は、内部にコア緩衝材4や中シート材3が袋状に形成されていても良く、その厚さD2は、後述する中シート材3の厚さD3より厚い。
この緩衝シート材2がより厚いことで、緩衝シート材2の方が、中シート材3より、コア緩衝材4の線条体5が当った際に凹む余地が大きく、使用者の着座等によってかかる荷重を十分に緩衝(緩和)でき、ソフト感の保持に寄与する。
この緩衝シート材2の厚さD2等について、以下に述べる。
<緩衝シート材2の厚さD2等>
緩衝シート材2の厚さD2は、中シート材3の厚さD3より厚いのであれば、何れの値でも良いが、例えば、5mm以上40mm以下、好ましくは8mm以上35mm以下、更に好ましくは10mm以上30mm以下であっても構わない。
このような範囲の厚さD2を緩衝シート材2が有することで、着座等をした使用者からの荷重(体重)がかかった際に、ソフト感を保持した状態でより支え易くなる。
緩衝シート材2は、所定の厚さD2を持つのであれば、何れのシート状物でも構わないが、例えば、不織布、編物、織物等の布帛などであっても良い。
緩衝シート材2が不織布である場合には、例えば、往復するニードルに繊維を引っ掛けて繊維相互間を交絡したニードルパンチ不織布であっても良く、その他、熱融着性繊維を含有し加熱により成形されたサーマルボンド不織布、アクリル樹脂やウレタン樹脂等のエマルション樹脂の吹き付け加工により成形されたケミカルボンド不織布、ノズルから紡糸された長繊維(フィラメント)を動くスクリーン上に積層して結合させたスパンボンド不織布、ステッチボンド不織布等をニードルパンチ法などによって結合させたものであっても構わない。
その他、緩衝シート材2が不織布である場合には、上述した不織布を波状に配置した(緩衝シート材2の厚さ方向に向いた繊維を有した)不織布であっても良く、緩衝シート材2の厚さ方向に向いた繊維の数が、緩衝シート材2のシート面に沿った方向に向いた繊維の数より多い不織布であっても構わない。
緩衝シート材2が編物である場合には、この編物は、経糸又は緯糸によって編成される。緩衝シート材2が経糸のみで編成された経編布帛であれば、例えば、トリコット編等を起毛することで嵩高感を出した編物であっても良い。
その他、緩衝シート材2が経編布帛である場合には、当然、トリコット編以外の組織であっても構わず、ダブル・ラッシェル編等の立体編物や、ダブル・ラッシェル編に対して緯方向に挿入糸を挿入した編物でも構わない。
上述した以外に、緩衝シート材2が織物である場合には、片面又は両面にパイルをもつパイル織物(モケット等)であっても良い。
その他、緩衝シート材2は、ウレタンフォームなどの合成樹脂を発泡させた発泡樹脂でも構わない。
緩衝シート材2の素材は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレナフタレート(PBN)等のポリエステル樹脂を挙げることが出来るが、これら例示に限定されるものではない。
又、緩衝シート材2の素材は、ポリエステル樹脂以外でも、アラミド等のポリアミド(ナイロン)系樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、フッ素系樹脂などの熱可塑性合成樹脂の他、レーヨン、キュプラ、アセテートなどの半合成樹脂、木綿、羊毛、絹、麻などの天然素材であったり、上述した素材を組み合わせたものであっても何ら問題ない。
緩衝シート材2が不織布、編物、織物等の布帛である場合には、それらを構成する繊維の総繊度は、特に限定はないが、例えば、0.5dtex以上10000.0dtex以下、好ましくは0.8dtex以上1000dtex以下、更に好ましくは1.0dtex以上500.0dtex以下であっても良い。
又、緩衝シート材2が編物、織物等の布帛である場合には、それらを構成する繊維は、マルチフィラメント、モノフィラメントの何れであっても良い。
このような素材で構成される緩衝シート材2が、ソフト感の保持に寄与するためには、所定の荷重がかかった時に凹む(減少する)厚さも影響すると言える。
<緩衝シート材2の減少厚さD2’>
又、緩衝シート材2は、当該緩衝シート材を20g/cm2 で加圧した時における減少する厚さ(減少厚さ)D2’は、何れの値であっても良いが、例えば、3mm以上20mm以下、好ましくは4mm以上15mm以下、更に好ましくは5mm以上12mm以下であっても良い。
この減少厚さD2’の範囲について詳解すれば、この減少厚さD2’が3mm未満の場合は、使用者の着座時等に底つき感が出て柔らかな感触(ソフト感)が得られ難い。
更に、使用者が本発明のクッション1に着座した時の体圧分散の圧力帯域毎の面積と座り心地(着座した時のソフト感)においては、後に詳解する低荷重領域の面積がより大きい方が(又は、高荷重領域の面積がより小さい方が)座り心地に優れているとも言え、そのことからも、20g/cm2 加圧時における減少厚さD2’が3mm以上であることが望ましい。
一方、20g/cm2 加圧時における減少厚さD2’が大きすぎると、すなわち、柔らかすぎると使用者の着座等の繰り返しによって、緩衝シート材2自体のヘタリが出やすくなるとも言え、減少厚さD2’が20mm以下であることが望ましい。
<中シート材3>
図1、2に示したように、上述の第1実施形態のクッション1で用いられる中シート材3は、緩衝シート材2とコア緩衝材4の間に重ねられるシート状物であって、コア緩衝材4よりも表面側(上側)に位置する。
第1の実施形態における中シート材3も、内部にコア緩衝材4が収容可能な袋状に形成されていても良い。
このように、中シート材3が袋状に形成されていれば、コア緩衝材4を緩衝シート材2から出し入れする際でも、コア緩衝材4と中シート材3を一緒に出し入れし易く、線条体5が引っ掛かって緩衝シート材2を破損し難くなる(緩衝シート材2の「破損抑制」)。
尚、中シート材3を袋状に形成する方法は問わないが、例えば、熱溶着によって袋状に縫製されていても良く、合理的な生産が可能となる(生産効率が向上する)。このように熱溶着によって袋状に縫製される場合には、中シート材3が熱可塑性合成樹脂(熱可塑性合成樹脂)で構成されている。
中シート材3の厚さD3は、上述した緩衝シート材2の厚さD2より薄く、このように中シート材3がより薄いことで、中シート材3の方が、緩衝シート材2より、コア緩衝材4の線条体5が当っても凹む余地が小さく、使用者の着座等によって荷重がかかった際にも、線条体5の面上において張った状態となり、緩衝シート材2が線条体5の間に落ち込み難くなる(図2(a)、(b)参照)。
従って、使用者の着座等による荷重が、線条体5が当る部分に集中することはなく、中シート材3全体として支えられるため、緩衝シート材2にヘタリが生じ難くなって、緩衝シート材2の「ヘタリ低減」、つまり、緩衝シート材2のヘタリに対する耐久性向上に繋がる。
これと同時に、緩衝シート材2が落ち込まないことで、着座等をした使用者には、コア緩衝材4における線条体5だけでなく緩衝シート材2も万遍なく当たるため、クッションとしてのソフト感が保持される(「ソフト感の保持」)。
ここまで述べた緩衝シート材2の「ヘタリ低減」・「破損抑制」、クッション1の「ソフト感の保持」と、中シート材3の厚さD3等の関係について、以下に述べる。
<中シート材3の厚さD3、目付M3等>
中シート材3の厚さD3は、緩衝シート材2の厚さD2より薄いのであれば、何れの値でも良いが、例えば、100μm以上1000μm以下、好ましくは200μm以上700μm以下、更に好ましくは300μm以上500μm以下であっても構わない。
又、中シート材3において、厚さD3は単位面積当たりの重さ(目付M3)に相関がある(中シート材3は、厚さD3が薄いほど目付M3が軽く、厚さD3が厚いほど目付M3が重くなる)と言える。
よって、目付M3についても言及すると、中シート材3の目付M3も、何れの値でも良いが、例えば、20g/m2 以上85g/m2 以下、好ましくは25g/m2 以上75g/m2 以下、更に好ましくは30g/m2 以上60g/m2 以下であっても構わない。
以下は、中シート材3に関する値として、目付M3を主に用いる。
この目付M3の範囲について詳解すれば、20g/m2 未満の場合は、中シート材3が緩衝シート材2を支えて、線条体5間に落ち込むことを抑制し難くなることから、目付M3は20g/m2 以上であることが望ましい。
一方、使用者が本発明のクッション1に着座した時においては、中シート材3の目付M3が重すぎる(厚さD3が厚すぎる)と、使用者が中シート材3(ゴワゴワ感等)を感じるとも言え、中シート材3の目付M3が85g/m2 以下であることが望ましい。
又、中シート材3は、引張強さも何れの値でも良いが、例えば、上降伏点における引張強さが、0.1kgf以上5.0kgf以下、好ましくは0.3kgf以上4.5kgf以下、更に好ましくは0.5kgf 以上4.0kgf以下であっても構わない。
又、使用者の着座等によってクッション1に荷重がかかった際にも、緩衝シート材2が厚さ方向に凹むより、中シート材3がシート面に沿った方向に伸び難く、線条体5の面上において張った状態となり易いため、中シート材3は、所定の引張強さを持つこととしても良い。
尚、中シート材3の引張強さも、目付M3に相関があるとも言える。
中シート材3は、所定の目付M3(厚さD3)などを持つ何れのシート状物でも構わないが、例えば、不織布、編物、織物等の布帛などであっても良い。
中シート材3が不織布である場合には、例えば、ノズルから紡糸された長繊維(フィラメント)を動くスクリーン上に積層して結合させたスパンボンド不織布であっても良く、その他、熱融着性繊維を含有し加熱により成形されたサーマルボンド不織布、アクリル樹脂やウレタン樹脂等のエマルション樹脂の吹き付け加工により成形されたケミカルボンド不織布、往復するニードルに繊維を引っ掛けて繊維相互間を交絡したニードルパンチ不織布、ステッチボンド不織布等や、これらを組み合わせたものであっても構わない。
尚、スパンボンド不織布について詳解すれば、スパンボンド不織布は、特定の方向に繊維が配向しておらず、タテ・ヨコ・バイアス方向での伸び特性が織編物と比較して均等であり、後述するコア緩衝材4の表面に露出している線条体5の方向が何れであっても、その影響を受け難く、線条体5間の空隙への沈み込み(落ち込み)を抑制する事が可能である。
中シート材3が織物である場合には、この織物は、タフタ織物や、経糸と緯糸を交互に交差させた平織、その他、綾織(斜文織)や朱子織をはじめ、これら平織、綾織、朱子織の三原組織を変化させた変化組織や、二重組織、二重より多い多重組織、紋織組織(ジャガード織)など、何れの織組織であっても構わない。
中シート材3が編物である場合には、この編物は、経糸又は緯糸によって編成される。中シート材3が経糸のみで編成された経編布帛であれば、例えば、トリコット編であっても良い。
その他、中シート材3が経編布帛である場合には、当然、トリコット編以外の組織であっても構わず、コード編であったり、バンダイク編、糸抜き編(レース編)、パイル編など何れの経編組織であっても構わない。
又、中シート材3が経編布帛である場合には、緯方向に挿入糸を挿入しても構わない。
そして、中シート材3が緯糸のみで編成された緯編布帛であれば、平編、ゴム編、パール編、タック編、浮き編、両面編、透孔編(レース編)、パイル編など何れの緯編組織や、これら以外に丸編組織であっても構わない。
又、中シート材3が緯編布帛である場合には、経編布帛の場合と同様に、経方向に挿入糸を挿入しても構わない。
その他、中シート材3は、合成樹脂のフィルムや、緩衝シート材2の裏面(緩衝シート材2におけるコア緩衝材4側の面)2bに樹脂を塗布して膜状(層状)としてものでも構わない。
中シート材3の素材は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレナフタレート(PBN)等のポリエステル樹脂を挙げることが出来るが、これら例示に限定されるものではない。
又、中シート材3の素材は、ポリエステル樹脂以外でも、アラミド等のポリアミド(ナイロン)系樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、フッ素系樹脂などの熱可塑性合成樹脂の他、レーヨン、キュプラ、アセテートなどの半合成樹脂、木綿、羊毛、絹、麻などの天然素材であったり、上述した素材を組み合わせたものであっても何ら問題ない。
中シート材3が不織布、編物、織物等の布帛である場合には、それらを構成する繊維の総繊度は、特に限定はないが、例えば、0.5dtex以上10000.0dtex以下、好ましくは0.8dtex以上1000dtex以下、更に好ましくは1.0dtex以上500.0dtex以下であっても良い。
又、中シート材3が編物、織物等の布帛である場合には、それらを構成する繊維は、マルチフィラメント、モノフィラメントの何れであっても良い。
<コア緩衝材4>
図1、2に示したように、上述の第1実施形態のクッション1で用いられるコア緩衝材4は、表シート材6、緩衝シート材2、中シート材3に囲まれて、使用者の着座等による荷重を支える部材(芯材)であって、他のシート材2、3、6の最も中心側に位置する。
第1の実施形態におけるコア緩衝材4は、後述する線条体5を有していて、この線条体5を三次元ランダムに配設した繊維集合体である。
<コア緩衝材4の厚さD4等>
コア緩衝材4の厚さD4は、特に限定はないが、例えば、20mm以上50mm以下、好ましくは20mm以上40mm以下、更に好ましくは20mm以上30mm以下であっても良い。
コア緩衝材4の形状も、特に限定はないが、クッション1と同様に、例えば、平面視において、略矩形状等の略多角形状であったり、略円形状、略楕円形状であっても良く、更に、略直方体状、略角錐体状、略球体状、略楕円体状、略円柱、略円錐体状などでも構わない。
コア緩衝材4の大きさも、同様に限定はなく、例えば、平面視で略矩形状であれば、上述したJIS−L−4403:2000の4.d)に規定されたクッション1全体としてのSサイズ、Mサイズ、Lサイズ等で、それぞれの幅・長さから、緩衝シート材2と中シート材3と後述する表シート材6の厚さD2、D3、D6を引いた大きさなどでも構わない。
その他、クッション1が、例えば、平面視で略円形であれば、その直径はクッション1全体としての直径から緩衝シート材2と中シート材3と後述する表シート材6の厚さD2、D3、D6を引いた値であっても良く、略直方体であれば、クッション1全体としての幅、長さ、高さから、各シート材2、3、6の厚さD2、D3、D6を引いた値であっても構わない。
コア緩衝材4は、線条体5を有した繊維集合体であれば、何れの素材でも構わないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレナフタレート(PBN)等のポリエステル樹脂を挙げることが出来るが、これら例示に限定されるものではない。
又、コア緩衝材4の素材は、ポリエステル樹脂以外でも、アラミド等のポリアミド(ナイロン)系樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、フッ素系樹脂などの熱可塑性合成樹脂の他、レーヨン、キュプラ、アセテートなどの半合成樹脂、木綿、羊毛、絹、麻などの天然素材であったり、上述した素材を組み合わせたものであっても何ら問題ない。
更に、コア緩衝材4は、燃焼時に有毒なガスを発生し難い素材で構成されていても良い。
<線条体5>
図1、2に示したように、上述の第1実施形態のクッション1で用いられる線条体5は、コア緩衝材4に含まれる繊維糸条であって、コア緩衝材4の内部で三次元ランダムに配設されている。
この三次元ランダムな配設によって、第1実施形態の線条体5は、互いの間に所定の大きさの空隙Kを有しており、この空隙Kに、緩衝シート材2が落ち込み得る。
そこで、この空隙K等について以下に述べる。
<線条体5の空隙K、太さT等>
線条体5の空隙Kは、何れの大きさであっても良いが、例えば、5mm以上20mm以下、好ましくは5mm以上17mm以下、更に好ましくは7mm以上15mm以下であっても良い。
このような空隙Kを構成する線条体5の太さ(直径)Tも、何れの値であっても良いが、例えば、0.17mm以上2.00mm以下、好ましくは0.30mm以上1.70mm以下、更に好ましくは0.40mm以上1.50mm以下であっても良い。
尚、線条体5の太さTは、当然、総繊度としても表現でき、特に限定はないが、例えば、300dtex以上45000dtex以下、好ましくは1000dtex以上30000dtex以下、更に好ましくは2500dtex以上20000dtex以下であっても良い。
<表シート材6>
図1、2に示したように、上述の第1実施形態のクッション1で用いられる表シート材6は、緩衝シート材2の上に重なって、緩衝シート材2を覆うシート状物であって、他のシート材2、3やコア緩衝材4において最も表面側(上側)に位置する。
第1の実施形態における表シート材6も、内部に緩衝シート材2、中シート材3、コア緩衝材4が収容可能な袋状に形成されていても良い。
表シート材6も、その素材は、何れのシート状物でも構わないが、例えば、所定の編組織・織組織をプリント、染色して、柄・色相(白色も含む)により意匠を表現した織編物(織物、編物)であることが好ましい。
表シート材6は、JIS−L−1096:2010の8.19におけるA法(ユニバーサル形法(A−1法(平面法)、A−2法(屈曲法)、A−3法(折目法)))、B法(スコット形法)、C法(テーバ形法)、D法(アクセレロータ形法)、E法(マーチンデール形法)又はF法(ユニホーム形法(F−1法(スチールブレード法)、F−2法(研磨紙法)))に準じた摩耗強さが所定値以上・所定等級以上・所定値以下であっっても良い。
又、表シート材6は、JIS−L−1076:2012のピリング試験方法におけるA法(ICI形試験機を用いる方法)、B法(TO形試験機を用いる方法)、C法(アピアランス・リテンション形試験機を用いる方法)又はD法(ランダム・タンブル形試験機を用いる方法(D−1法(クロロプレン・シートを用い、綿繊維を入れる方法)、D−2法(クロロプレン・シートを用い、綿繊維を入れない方法)、D−3(コルク・シートを用いる方法)))に準じた所定等級以上であっても良い。
表シート材6は、厚さ・柄に制約をされず意匠性(デザイン性)に優れた織編物等を最外面に使用することでデザイン性に優れたクッション1を実現できるため、その厚さD6・密度(目付)・糸種は限定されないが、以下で、表シート材6の厚さD6等について述べる。
<表シート材6の厚さD6等>
表シート材6の厚さD6は、上述の通り、特に限定はないが、例えば、0.05mm以上10.00mm以下、好ましくは0.10mm以上5.00mm以下、更に好ましくは0.30mm以上3.00mm以下であっても構わない。
表シート材6は、上述した編物、織物などの他、不織布、フィルムであったり、緩衝シート材2の表面(緩衝シート材2において露出した側の面)2aに樹脂を塗布して膜状(層状)としてものでも構わない。
表シート材6が編物や織物である場合について詳解すれば、表シート材6が織物であれば、この織物は、紋織組織(ジャガード織)や、経糸と緯糸を交互に交差させた平織、その他、綾織(斜文織)や朱子織をはじめ、これら平織、綾織、朱子織の三原組織を変化させた変化組織や、二重組織(経二重組織、緯二重組織)、二重より多い多重組織など、何れの織組織であっても構わない。
表シート材6が編物であれば、経糸又は緯糸によって編成される。表シート材6が経糸のみで編成された経編布帛であれば、例えば、トリコット編(デンビー編とも言う。詳しくは、筬が3枚のトリプル・トリコット編や、筬が2枚のダブル・トリコット編、筬が1枚のシングル・トリコット編等)や、ダブル・ラッシェル編等の立体編物であっても良い。
その他、表シート材6が経編布帛である場合には、当然、トリコット編以外の組織であっても構わず、コード編(詳しくは、筬1枚で、3つの針編を越えたシングル・コード編(1×3シングル・コード編)や、筬2枚を用いるダブル・コード編、筬3枚を用いるトリプル・コード編など)であったり、バンダイク編(アトラス編とも言う。詳しくは、シングル・バンダイク編、ダブル・バンダイク編等)、糸抜き編(レース編)、パイル編など何れの経編組織であっても構わない。
又、表シート材6が経編布帛である場合には、緯方向に挿入糸を挿入しても構わない。
そして、表シート材6が緯糸のみで編成された緯編布帛であれば、平編、ゴム編、パール編、タック編、浮き編、両面編、透孔編(レース編)、パイル編など何れの緯編組織や、これら以外に丸編組織であっても構わない。
又、表シート材6が緯編布帛である場合には、経編布帛の場合と同様に、経方向に挿入糸を挿入しても構わない。
表シート材6の素材も、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレナフタレート(PBN)等のポリエステル樹脂を挙げることが出来るが、これら例示に限定されるものではない。
又、表シート材6の素材は、ポリエステル樹脂以外でも、アラミド等のポリアミド(ナイロン)系樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、フッ素系樹脂などの熱可塑性合成樹脂の他、レーヨン、キュプラ、アセテートなどの半合成樹脂、木綿、羊毛、絹、麻などの天然素材であったり、上述した素材を組み合わせたものであっても何ら問題ない。
表シート材6が編物、織物、不織布等の布帛である場合には、それらを構成する繊維の総繊度は、特に限定はないが、例えば、0.5dtex以上3000.0dtex以下、好ましくは0.8dtex以上1000.0dtex以下、更に好ましくは1.0dtex以上500.0dtex以下であっても良い。
又、表シート材6が編物、織物等の布帛である場合には、それらを構成する繊維は、マルチフィラメント、モノフィラメント、スパンの何れであっても良い。
<第2実施形態のクッション1>
図3は、本発明の第2実施形態に係るクッション1を示し、この第2実施形態のクッション1は、第1実施形態と異なり、中シート材3がなく、表シート材6と緩衝シート材2とコア緩衝材4の3種類が、この順に重なっている部分を有する。
この第2実施形態のクッション1においても、第1実施形態のように、表シート材6及び緩衝シート材2それぞれが袋状に形成されている。
このようにシート材6、2が袋状であれば、第2実施形態のクッション1は、上から、緩衝シート材2と中シート材3とコア緩衝材4と中シート材3と緩衝シート材2の合計5つ(5層)が、この順で積み重ねられ、第2実施形態も、表シート材6、緩衝シート材2及びコア緩衝材4が、本発明における「重なる」状態であると言える。
その他のクッション1の構成、作用効果及び使用態様は、第1実施形態と同様である。
<第1、2実施形態のクッション1の変形例>
尚、第1、2実施形態に係るクッション1は、表シート材6の更に上に重なり且つ当該表シート材6を覆う布帛等により構成された最表シート材7を有していても良い(尚、図1、2では、表シート材6と合わせて、最表シート材7を示している)。
この変形例におけるクッション1は、最表シート材7が、所定の編組織・織組織をプリント、染色して、柄・色相により意匠を表現して、表シート材6が白色の経編布帛で構成されている。
更に、変形例におけるクッション1は、例えば、表シート材6と中シート材3は袋状に形成されるなど、コア緩衝材4に直接重なる(最も近接する)シート材(緩衝シート材2又は中シート材3)と、最も表面側のシート材(表シート材6又は緩衝シート材2)だけが袋状であっても良い。
その他のクッション1の構成、作用効果及び使用態様は、第1、2実施形態と同様である。
<第3実施形態のクッション1>
図4は、本発明の第3実施形態に係るクッション1を示し、この第3実施形態のクッション1は、第1、2実施形態と異なり、表シート材6がなく、緩衝シート材2と中シート材3とコア緩衝材4の3種類が、この順で重なっている部分を有する。
この第3実施形態のクッション1においても、第1、2実施形態のように、緩衝シート材2及び中シート材3それぞれが袋状に形成されている。
このようにシート材2、3が袋状であれば、第3実施形態のクッション1は、上から、緩衝シート材2と中シート材3とコア緩衝材4と中シート材3と緩衝シート材2の合計5つ(5層)が、この順で積み重ねられている。
よって、第3実施形態も、緩衝シート材2、中シート材3及びコア緩衝材4が、本発明における「重なる」状態であると言える。
その他のクッション1の構成、作用効果及び使用態様は、第1、2実施形態と同様である。
<試験1〜3>
ここからは、まず本発明に係るクッション1の実施例1〜12と、比較例1〜3について言及する。
これら実施例1〜12と比較例1〜3、又は、各例の部材を用いて、後述する試験1〜3を行う。
尚、実施例1〜9は上述した第1実施形態(詳しくは実施例1〜4、8、9は第1実施形態の変形例に係るクッション1、実施例5〜7は第1実施形態に係るクッション1)であり、実施例10〜12は上述した第2実施形態(詳しくは、実施例10は第2実施形態の変形例に係るクッション1、実施例11、12は第2実施形態に係るクッション1)である。
<実施例1>
実施例1におけるクッション1は、緩衝シート材2が厚さD2を10mmとし且つ減少厚さD2’を6mmとしたポリエステル製で且つ厚さ方向の繊維を有した袋状のニードルパンチ不織布(後述の緩衝シート材2A)であり、中シート材3が目付M3を30g/m2 としたポリプロピレン製で袋状のスパンボンド不織布(後述の中シート材3A)であり、コア緩衝材4が厚さを30mmとしたポリエステル繊維製の線条体を三次元ランダムに配設した繊維集合体であり、表シート材6がポリエステル製で且つ熱溶着により袋状に縫製された経編布帛である。
更に加えて、最表シート材7を有し、この最表シート材7はポリエステル製のジャガード織物としたものを、実施例1のクッション1とした。
<実施例2>
実施例1のクッション1において、中シート材3を目付M3が40g/m2 のもの(後述の中シート材3B)に変えて、実施例2のクッション1とした。
<実施例3>
実施例1のクッション1において、中シート材3を目付M3が50g/m2 のもの(後述の中シート材3C)に変えて、実施例2のクッション1とした。
<実施例4>
実施例1のクッション1において、中シート材3を目付M3が70g/m2 のもの(後述の中シート材3D)に変えて、実施例4のクッション1とした。
<実施例5>
実施例1のクッション1において、緩衝シート材2を厚さD2が15mmで且つ減少厚さD2’が7mmであるもの(後述の緩衝シート材2B)に変え、中シート材3を目付M3が40g/m2 のもの(後述の中シート材3B)に変え、表シート材6をポリエステル製のジャガード織物に変え、最表シート材7を除いて、実施例5のクッション1とした。
<実施例6>
実施例5のクッション1において、緩衝シート材2を厚さD2が25mmで且つ減少厚さD2’が12mmのもの(後述の緩衝シート材2C)に変えて、実施例6のクッション1とした。
<実施例7>
実施例5のクッション1において、緩衝シート材2を厚さD2が7mmで且つ減少厚さD2’が5mmのもの(後述の緩衝シート材2D)に変えて、実施例7のクッション1とした。
<実施例8>
実施例1のクッション1において、中シート材3を、目付M3を25g/m2 としたポリエステル(PET)製で袋状のタフタ織物に変えて、実施例8のクッション1とした。
<実施例9>
実施例1のクッション1において、中シート材3を目付M3が80g/m2 のものに変えて、実施例9のクッション1とした。
<実施例10>
実施例1のクッション1において、中シート材3を除いて、実施例10のクッション1とした。
<実施例11>
実施例5のクッション1において、中シート材3を除いて、実施例11のクッション1とした。
<実施例12>
実施例7のクッション1において、中シート材3を除いて、実施例12のクッション1とした。
<比較例1>
実施例5のクッションにおいて、緩衝シート材2及び中シート材3を除いて、比較例1のクッション1とした。
<比較例2>
実施例5のクッションにおいて、緩衝シート材2及び中シート材3を除き、表シート材6をダブル・ラッシェル編物に変えて、比較例2のクッション1とした。
<比較例3>
実施例5のクッションにおいて、緩衝シート材2、中シート材3、表シート材6を除いて、比較例3のクッション1とした。
<試験1>
試験1では、上述した実施例1〜4、8〜10で用いた厚さD2を10mmとし且つ減少厚さD2’を6mmとしたポリエステル製で袋状のニードルパンチ不織布である緩衝シート材2Aと、上述した実施例5、11で用いた厚さD2を15mmとし且つ減少厚さD2’を7mmとしたポリエステル製で袋状のニードルパンチ不織布である緩衝シート材2Bと、上述した実施例6で用いた厚さD2を25mmとし且つ減少厚さD2’を12mmとしたポリエステル製で袋状のニードルパンチ不織布である緩衝シート材2Cと、上述した実施例7、12で用いた厚さD2を7mmとし且つ減少厚さD2’を5mmとしたポリエステル製で袋状のニードルパンチ不織布である緩衝シート材2Dに対して、ヘタリ評価を行う。
まずは、これらの緩衝シート材2A〜2Dに対する局所ヘタリ率Hの測定について述べる。
<緩衝シート材2の局所ヘタリ率H>
図5、6に示すように、緩衝シート材2A〜2Dの局所ヘタリ率Hの測定は、まず、ヘタリ状態の緩衝シート材2A〜2Dを試験片(レプリカ)として作成する。
これらのレプリカの作成は、80℃環境下で、<1>緩衝シート材2A〜2Dと、コア緩衝材4の例として上述した実施例1〜12、比較例1〜3で用いた厚さを30mmとしたポリエステル繊維製の線条体を三次元ランダムに配設した繊維集合体をこの順に重ねたもの(図5(a)に例示したように、中シート材3を有さないもの)と、<2>緩衝シート材2A〜2Dと、中シート材3の例として上述した実施例2、5〜5で用いた目付M3を30g/m2 としたポリプロピレン製で熱溶着により袋状に縫製されたスパンボンド不織布と、<1>と同様のコア緩衝材4をこの順に重ねたもの(図5(b)に例示したように、中シート材3を有するもの)の2種類(<1>、<2>)を、緩衝シート材2A〜2Dに上から40g/m2 の圧力を加えて24時間放置した後、ヘタリ(凹み)が形成された<1>、<2>の緩衝シート材2A〜2Dをレプリカとする。
図6で示したように、これら作成された<1>、<2>の緩衝シート材2A〜2Dのレプリカは、ヘタリが形成されているが、ルーペ等を介した目視により、ヘタリ(凹み)の最深部にマークをつける。
<1>、<2>の緩衝シート材2A〜2Dのレプリカ上に、透光性を有し且つ別途マークを付けた所定の板(例えば、所定の大きさで厚さ3mmのガラス板(このガラス板の自重による圧力は0.713g/cm2 )など)を、マークを付けた面がレプリカに接する側にとなるように乗せて、基準面とする(図6参照)。
この基準面を乗せた緩衝シート材2A〜2Dのレプリカを、キーエンス社製「デジタルマイクロスコープ(VHX−1000)」にて、緩衝シート材2A〜2Dのレプリカに凹みの最深部に記したマークと、所定の板に付けたマークの距離を測定し、その値を凹みの深さ(つまり、局所ヘタリ深さF)とし、基準面から緩衝シート材2A〜2Dのレプリカ裏面までの厚さをレプリカ厚さRとする。
尚、このように透過性を有した所定の板をレプリカの上に乗せて測定することで、本来は、空中に存在するヘタリの基準面を表現することが可能となり、光学的な機器にて局所ヘタリ深さFやレプリカ厚さRが測定できるようになる。
測定した上述の局所ヘタリ深さFとレプリカ厚さRを用いて、ヘタリ率(局所ヘタリ率)Hの計算は、下記式(1)により行う。

局所ヘタリ率H(%)=(F/R)×100(=(F÷R)×100)・・・(1)

緩衝シート材2A〜2Dのレプリカにおける局所ヘタリ深さF、レプリカ厚さ、局所ヘタリ率Hを、以下の表1に示す。
尚、表1中の局所ヘタリの改善率とは、<1>中シート材3を有さない各緩衝シート材2A〜2Dにおける局所ヘタリ率Hから、<2>中シート材3を有する各緩衝シート材2A〜2Dにおける局所ヘタリ率Hを引いた後、<1>中シート材3を有さない各緩衝シート材2A〜2Dにおける局所ヘタリ率Hで割ったものを意味する。
<試験1の評価(ヘタリの評価)>
表1で示したように、何れの緩衝シート材2A〜2Dにおいても、中シート材3を有していない場合、コア緩衝材4の表面に露出している線条体5の当りによる、局所的なヘタリが確認される。
一方、中シート材3を有している場合は、何れの緩衝シート材2A〜2Dにおいても、局所的なヘタリが抑制されている。
つまり、中シート材3の方が、緩衝シート材2より、コア緩衝材4の線条体5が当っても凹む余地が小さく、使用者の着座等によって荷重がかかった際にも、線条体5の面上において張った状態となり、緩衝シート材2が線条体5の間に落ち込み難くなっている。
従って、使用者の着座等による荷重が、線条体5が当る部分に集中することはなく、中シート材3全体として支えられるため、緩衝シート材2にヘタリが生じ難くなる(緩衝シート材2の「ヘタリ低減」が可能となる)。
尚、局所ヘタリの改善率は、緩衝シート2Aが最も高い。
<試験2>
試験2では、上述した実施例1〜12、比較例1〜3のクッションに対して、体圧面積とソフト感の評価を行う。
まずは、これら実施例1〜12、比較例1〜3のクッションに対する体圧面積の測定とソフト感の判定について述べる。
尚、試験2におけるソフト感は、着座した使用者の座り心地とする。
<体圧面積の測定・ソフト感の判定>
実施例1〜12、比較例1〜3のクッションにおける体圧面積の測定は、まず、これらの実施例、比較例に、使用者が実際に着座をする。
着座した使用者の体重により、実施例1〜12、比較例1〜3のクッションに圧力(体圧)がかかるが、その体圧は一様ではないため、この体圧の分布を、Verg社製「FSA(Force Sensitive Applications、S6エキスパート)」にて測定する。
この「FSA」は、縦530mm×横530mm測定範囲内に、縦32個×横32個で総数1024個のセンサを取り付け、これらの各センサが、測定範囲内において当該センサが位置する部分にかかる体圧値を測定する。
図7に示すように、1024個のセンサが測定した体圧値を、当該センサの対応する位置における色で表現することによって、「FSA」の測定範囲における体圧分布が表示される。
表示された体圧分布のうち、低荷重領域(0mmHg以上80mmHg以下)での低荷重面積(低荷重領域の値を測定したセンサの個数)と、高荷重領域(180mmHg以上測定範囲の上限値(当該「FSA」の場合は200mmHg)以下)での高荷重面積(高荷重領域の値を測定したセンサの個数)を算出する。尚、この高荷重面積には、実際には測定範囲の上限値を超える体圧がかかっているものの、その上限値が測定値として表示されるセンサの個数も含まれるが、何れのセンサが位置する部分にも180mmHg以上の圧力がかかっていることに違いはない。
一方、実施例1〜12、比較例1〜3のクッションにおける座り心地(ソフト感)は、使用者が、実際に各クッションに着座した時の感じ方を、「◎(大変座り心地が良い)」、「○(座り心地が良い)」、「△(座り心地はやや良い)」、「×(座り心地は悪い)」で判断する。
この座り心地の判断と上述した低荷重面積、高荷重面積を比べると、少なくとも低荷重面積は座り心地の良さに比例し(低荷重面積が多ければ多いほど、座り心地は良いと感じ)ており、高荷重面積は座り心地の良さに反比例する(高荷重面積が多ければ多いほど、座り心地は悪いと感じる)傾向にあると言える。
ここまで述べた実施例1〜12、比較例1〜3における低荷重面積、高荷重面積、座り心地(ソフト感)を表2に示し、体圧分布については実施例1〜12と比較例1〜3を図7に示し、実施例1〜12、比較例1〜3の低荷重面積、高荷重面積を示したグラフを図8、9に示す。
尚、表2中では、熱溶着により袋状に縫製した各中シート材3における縫製部分の溶着強度の欄も設けている。
<試験2の評価(体圧分布・ソフト感などの評価)>
表2で示されたように、中シート材3を有したクッション(実施例1〜9)であるか、緩衝シート材2の厚さD2が5mm以上40mm以下(又は、緩衝シート材2の20g/cm2 加圧時における減少厚さD2’が3mm以上20mm以下)であるクッション(実施例10〜12)であれば、座り心地は、「△」以上となっている。
又、表2を図7〜9と関連させて、以下の(1)、(2)について述べる。
(1)体圧分布から算出された低荷重面積は、実施例1〜12、比較例1〜3のうち、最も少ない506個の実施例11でも、座り心地は「◎」であることから、低荷重面積(低荷重領域の値を測定したセンサ個数)が所定数(例えば、500個)以上であれば、具体的な低荷重面積が幾らであっても、座り心地には大きく影響しない。
(2)体圧分布から算出された高荷重面積は、実施例1〜12のうち、高荷重面積(高荷重領域の値を測定したセンサ個数)が最も多い4個や3個である実施例4、7、9、12でも、座り心地は「△」である一方、高荷重面積が8個を越える比較例1〜3は何れの座り心地も「×」であることから、高荷重面積の方が低荷重面積より座り心地に与える影響は大きく、高荷重面積が所定数(例えば、7個)以下でなければ、座り心地は悪くなる。
これに加えて、更に(3)、(4)についても言及する。
(3)実施例5、6、11において、厚さD2が厚めの緩衝シート材2(緩衝シート材2B、2C)を用いると、高荷重面積が4個以下となり、実際の座り心地も全て「◎」となっている一方で、実施例7、12において、厚さD2が薄めの緩衝シート材2(緩衝シート材2D)を用いると、高荷重面積が3個となり、実際の座り心地も全て「△」となっている。
つまり、緩衝シート材2の厚さD2は、中シート材3より厚いのであれば、何れの値でも座り心地が「△」以上となるが、例えば、厚さD2が厚めの方が良いとも言え、8mm以上35mm以下がより望ましく、10mm以上30mm以下が更に望ましいとも言える。
(4)実施例1〜4、8〜10において、厚さD2が10mmで且つ減少厚さD2’が6mmの緩衝シート材2Aを共通して用いているが、目付M3が重めの中シート材3(実施例4で目付M3が70g/m2 の中シート材3Dや、実施例9で目付M3が80g/m2 の中シート材3)の場合には、実施例1〜3、10と異なり、高荷重面積が4個となっており、実際の座り心地も2つとも「△」となっている。
つまり、中シート材3は、緩衝シート材2の厚さD2より薄いのであれば、何れの値でも座り心地が「△」以上となるが、例えば、目付M3が重すぎない(厚さD3が厚すぎない)方が良いとも言え、20g/m2 以上60g/m2 以下が更に望ましいとも言える。
尚、ここまでは、クッションに着座した使用者の座り心地を中心に述べたが、当然、クッションを、枕やマットとして使用した際のソフト感でも、着座した使用者によるソフト感(つまり、座り心地)と同様の傾向があると言える。
<中シート材3における縫製部分の溶着強度>
表2には、それぞれの中シート材3を袋状とする縫製部分の溶着強度も示されているが、この溶着強度は、中シート材3において幅が25mmである縫製部分に対して縫製部分を中心につかみ間隔(標点距離)30mmで把持した状態で且つ引張試験機で引っ張っていく過程において、縫製部分が剥離する時の試験力(引張力)を測定した値である。
尚、上述した試験力(引張力)の単位は、kgf(kg重)であり、何れの値であっても、溶着されていれば十分であるが、例えば、1.00kgf以上を「○」、1.00kgf未満を「△」としても良い。
<試験2の評価(溶着強度の評価)>
表2で示されたように、中シート材3を有した実施例1〜9のうち、溶着強度が最も小さい値は、目付M3が最も大きい80g/m2 である中シート材3を用いた実施例9の「0.28kgf」であり、溶着強度が2番目に小さい値は、目付M3が最も小さい25g/m2 である中シート材3を用いた実施例8の「0.68kgf」である。
つまり、中シート材3は、緩衝シート材2の厚さD2より薄いのであれば、何れの値でも座り心地が「△」以上となるが、例えば、目付M3が重すぎず軽すぎない(厚さD3が厚すぎず薄すぎない)方が良いとも言え、30g/m2 以上75g/m2 以下が更に望ましいとも言える。
尚、上述した溶着強度が所定値以上となることで、中シート材3とその内部に収容されたコア緩衝材4を一緒に出し入れ時に、仮に、線条体5が引っ掛かったとしても、袋状の中シート材3が壊れ難くなる。
この壊れ難さによって、袋状の中シート材3から内部のコア緩衝材4の線条体5が飛び出すことも抑制され、緩衝シート材2が破損することを更に抑制できる(緩衝シート材2の更なる「破損抑制」)。
<試験3>
試験3では、上述した実施例1〜4で用いた目付M3を30、40、50、70g/m2 としたポリプロピレン製で袋状のスパンボンド不織布である中シート材3A、3B、3C、3Dに対して、引張強さの評価を行う。
まずは、これらの中シート材3A〜3Dに対する引張強さの測定について述べる。
<中シート材3の引張強さ>
中シート材3A〜3Dの引張強さの測定は、まず、中シート材3A〜3Dの試験片を作成する。
ここでの試験片は、中シート材3A〜3Dを幅25.0mmとし且つ厚さが1.8mmとなるよう重ねたものである。
それらの試験片を、標点距離を30.0mmとして引張試験機で引っ張っていく過程において、各試験片にかかった最も大きい試験力(最大点−試験力(引張力))、破断点における試験力(破断点−試験力(引張力))、破断点までの変異(破断点−変位(引っ張りによって延びた長さ))、上降伏点における試験力(上降伏点−試験力(引張力))、下降伏点における試験力(下降伏点−試験力(引張力))の5つを測定する。
ここまで述べた中シート材3A〜3Dにおける最大点−試験力、破断点−試験力、破断点−変位、上降伏点−試験力、下降伏点−試験力を以下の表2に示し、中シート材3A〜3Dにおける試験力の変化を図10に示す。
尚、上述した試験力(引張力)の単位は、kgf(kg重)であり、上降伏点−試験力は、測定値の制度誤差が、試験力(引張力)の全測定範囲(Full Scale)における±1.0%である。
又、図10の横軸は、中シート材3Aの変位は、原点(0mm)から始まる目盛の通りであるが、中シート材3B〜3Dは、見やすくするために、それぞれ8mm、16mm、24mmから始まる目盛としている(例えば、中シート材3Dにおける実際の変位は、図7における横軸の数値から24mmを引く)。
<試験3の評価(引張強さの評価)>
表3、図10で示したように、中シート材3A〜3Dにおいて、目付M3は、最大値(70g/m2 )が最小値(30g/m2 )の約2.3倍であり、最大点−試験力、上降伏点−試験力、下降伏点−試験力の3つの値は、何れも最大値が最小値の約2〜3倍であるものの、破断点−試験力、破断点−変位の2つの値については、中シート材3A〜3Dに殆ど違いがない。
更に、試験2における表2や図7〜9で示したように、中シート材3A〜3Dの引張強度や、この引張強度に相関がある目付Mは、その中シート材3が緩衝シート材2より薄ければ、何れの値であっても、ソフト感に影響は少なく、座り心地が「△」以上となると言える。
尚、中シート材3の引張強さの測定は、上述した試験方法をはじめ、JIS−L−1913:2010の6.3におけるISO法に準じたり、JIS−L−1096:2010の8.14におけるJIS法(A法(ストリップ法)、B法(グラブ法)、C法(湿潤時ストリップ法)又はD法(湿潤時グラブ法))又はISO法(E法(ストリップ法)、F法(グラブ法))に準じても良い。
<その他>
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。クッション1等の各構成又は全体の構造、形状、寸法などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することが出来る。
クッション1の第1〜3実施形態において、表シート材6、緩衝シート材2、中シート材3などは、それぞれが袋状に形成されていたが、例えば、表シート材6と中シート材3は袋状に形成され、緩衝シート材2は略板状に形成されるなど、コア緩衝材4に直接重なる(最も近接する)シート材(緩衝シート材2又は中シート材3)と、最も表面側のシート材(表シート材6又は緩衝シート材2)だけが袋状であっても良い。
緩衝シート材2が、表シート材6に固定されて(一体化されて)いたり、これら2つのシート材2、6を同時に開くファスナー等を有していても良い。
この場合に、袋状に形成された中シート材3とこの中シート材3に収容されたコア緩衝材4を一緒に出し入れし易くなる。
中シート材3は、袋状以外の形状であっても良く、例えば、コア緩衝材4の全面を覆う(密封する)ように形成されていても良い。
コア緩衝材4は、線条体5を三次元ランダムに配設した繊維集合体であったが、それ以外に、金属コイルバネ、金属Sバネ等が敷き詰められた構成であっても良い。
この場合、線条体5は、それぞれの金属バネの構成する金属製の線条体である。
尚、クッション1における緩衝シート材2、中シート材3、コア緩衝材4、表シート材6、最表シート材7の各素材は、それぞれが複数の層で形成されていても良い。
本発明のクッションは、使用者が着座するものに用いられるだけでなく、枕、マット、敷布団の他、更には椅子そのものなど、荷重がかかるものであれば何れにも利用可能である。
1 クッション
2 緩衝シート材
D2 緩衝シート材の厚さ
D2’ 緩衝シート材の20g/cm2 加圧時における減少厚さ
3 中シート材
M3 中シート材の目付
D3 中シート材の厚さ
4 コア緩衝材
D4 コア緩衝材の厚さ
5 コア緩衝材の線条体
T コア緩衝材の線条体の太さ
K コア緩衝材の線条体間の空隙
6 表シート材

Claims (6)

  1. 少なくとも緩衝シート材と中シート材とコア緩衝材がこの順に重なったクッションであって、前記コア緩衝材は前記緩衝シート材及び前記中シート材越しにかかる荷重を支える線条体を有し、前記中シート材は前記緩衝シート材より薄く、
    前記コア緩衝材における前記線条体の太さは0.17mm以上2.00mm以下であり、
    前記コア緩衝材は、前記線条体を三次元ランダムに配設した繊維集合体であり、前記三次元ランダムに配設された線条体間に5mm以上20mm以下の空隙を少なくとも1つ有していることを特徴とするクッション。
  2. 少なくとも表シート材と緩衝シート材とコア緩衝材がこの順に重なったクッションであって、前記コア緩衝材は前記表シート材及び前記緩衝シート材越しにかかる荷重を支える線条体を有し、前記緩衝シート材の厚さは5mm以上40mm以下であり、
    前記コア緩衝材における前記線条体の太さは0.17mm以上2.00mm以下であり、
    前記コア緩衝材は、前記線条体を三次元ランダムに配設した繊維集合体であり、前記三次元ランダムに配設された線条体間に5mm以上20mm以下の空隙を少なくとも1つ有していることを特徴とするクッション。
  3. 前記緩衝シート材と中シート材とコア緩衝材、又は、前記表シート材と緩衝シート材とコア緩衝材は、重なる順番を維持したまま、互いに固定されていないことを特徴とする請求項1又は2に記載のクッション。
  4. 当該クッションに着座した使用者の体重による体圧の分布をVerg社製「FSA(Force Sensitive Applications、S6エキスパート)」にて測定した際、その測定した体圧値が180mmHg以上200mmHg以下となるセンサの個数は、7個以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のクッション。
  5. 前記緩衝シート材の20g/cm2 加圧時における減少厚さは3mm以上20mm以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のクッション。
  6. 前記コア緩衝材の厚さは20mm以上50mm以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のクッション。
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