JP5850655B2 - 布バネ材用経編地 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車、鉄道車両、航空機、チャイルドシート、ベビーカー、車椅子、家具、事務椅子等の座席シート用クッション材として用いられる布バネ材用経編地に関する。
高強力で伸長回復性に優れた織編物をフレームに張設することにより、織編物の伸長回復性を活かしてクッション性を発現させることができ、金属バネやウレタンクッション材に比べて、薄型、軽量、高通気性等の特徴を有する座席が得られる。このような織編物は布バネと称され、事務椅子や家具等の多くの座席用途に使用されつつある。
下記特許文献1には、地組織が鎖編と3〜8針振りトリコット編とで構成され、挿入糸が経糸挿入されている編物であって、高い引裂き抵抗力を有し、人体とのフィット性に優れ、伸長回復性が良好な布バネ材が開示されている。しかしながら、特許文献1の布バネ材は、金属フレームに強く接した状態でこすられると、金属と繊維の摩擦によって生じる異音が発生する場合があった。例えば布バネ材の端部を折り返して縫合することにより筒状の空洞を形成し、該空洞部分に円筒状の支持フレームを挿入後、支持フレームをシート骨格と結合させて布バネ材を張設する場合、布バネ材に人の体重等の負荷が掛かると、支持フレームと布バネ材の間に摩擦が生じ、支持フレームと繊維がこすられて生じるこすれ音が発生する問題点があった。体重による負荷が掛かる度に発生するこすれ音は、静かな車内空間等の中では大きな問題となっていた。
特開2006−97170号公報
本発明の目的は、前記問題点を解決し、布バネ材と金属等のフレーム等がこすられて発生するこすれ音を防止すると共に、フレーム等とのこすれに対する耐摩耗性を向上できる布バネ材用経編地を提供することである。
本発明者は、布バネ材用経編地の表面状態に着目し、表面に特殊な畝状の凸部を配することで、布バネ材と金属等のフレーム材との摩擦によって発生するこすれ音を低減できると共に耐摩耗性も向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下のとおりのものである。
(1)地組織の表裏面の少なくとも一方の面に畝状の凸部が形成されており、該畝状の凸部の少なくとも一部において凸部の幅が0.5〜30mm、凸部の高さが0.1〜1.0mm、凸部の間隔が0.3〜8mm、凸部の幅A(mm)と凸部の間隔B(mm)の比A/Bが0.5〜15であることを特徴とする布バネ材用経編地。
(2)畝状の凸部がニットループの連なりによって形成され、隣接する凸部間の底部が該ニットループを形成する同一地組織内のシンカーループ又は挿入糸で形成されていることを特徴とする上記(1)に記載の布バネ材用経編地。
(3)凸部を形成するニットループの連なりにおいて、該ニットループの中央に形成される孔の幅が、該ニットループのヨコ幅の2分の1以下であることを特徴とする上記(2)に記載の布バネ材用経編地。
本発明によれば、布バネ材を金属等のフレームに張設した座席シート等において、布バネ材とフレーム等がこすられる際に発生するこすれ音を防止することができる。また、人の体重等の負荷が布バネ材に掛かり、布バネ材が変形したり撓むことによってフレーム材との摩擦が生じても、不快なこすれ音が発生し難い。さらには、布バネ材がフレーム等によってこすられる際の耐摩耗性を向上させることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいう布バネ材とは、略4角形および多角形などの各種形状のシートフレームに布バネ材を縫製、樹脂成型、ボルト止め等の各種方法で張設することにより、面状のクッション材を形成し、布バネ材の伸長特性を利用して人が座った際のクッション性を発現させるものである。
布バネ材はシートフレームと直接接合したり、金属バネ等を介してシートフレームと接合することによりクッション層を形成する。必要に応じて布バネ材の上に立体編物、硬綿、不織布、立体網状体等の繊維状クッション性材料、ウレタンおよび表皮材等を積層したクッション材とすることができる。
本発明の布バネ材用経編地は経編によって形成されるが、布バネ材の表面と金属等のフレーム部材がこすられて発生するこすれ音を低減するために、地組織の表裏面の少なくとも一方の面に畝状の凸部が形成される。畝状の凸部において、凸部の表面、及び隣接する凸部の間(以下、隣接する凸部の間のことを凹部と称することがある)の底面の表面状態は完全な平面である必要はなく、それぞれの表面の中にさらに細かい沈み込み部や膨らみ部が存在していてもよいし、開口部等が存在していてもよい。
畝の方向は地組織の長さ方向に形成しても良く幅方向に形成しても良い。畝は、蛇行して形成されていても良いが、略直線状であることが好ましい。畝は、安定的にこすれ音を防止する上で、地組織の長さ方向または幅方向の全域に渡って連続していることが好ましいが、畝が部分的に切断されたり、畝の幅が部分的に変化していても良い。畝が部分的に切断される場合、こすれ音を低減するためには、畝の形成されている方向における編地長さのうち50%以上の領域で畝が形成されていることが好ましく、80%以上であればより好ましい。畝の最小の長さは3mm以上が好ましく、より好ましくは5mm以上である。畝が切断されている領域の長さは最大でも5mm以下であることが好ましく、3mm以下であることがより好ましい。
凸部形状は、凸部を有する表面を真上方向や、地組織の長さ方向、又は幅方向の断面を、拡大鏡等によって観察することにより測定されるものであるが、布バネ材のこすれ音を防止し表面の耐摩耗性を向上させる観点から、凸部の幅が0.5〜30mm、凸部の間隔が0.3〜8mm、凸部の幅A(mm)と凸部の間隔B(mm)の比A/Bが0.5〜15であることが必要である。
ここでいう凸部の幅、間隔とは、凸部を有する表面を真上から見てそれぞれ任意に10個所の幅を測定し、その平均値によって得られるものであるが、凸部の幅が0.5mm未満であると、表面の耐摩耗性が極めて低下する。凸部の幅が30mmを超える場合、こすれ音を低減するためには隣り合った凸部との間隔(凹部の幅)を広くせざるを得なくなり、その結果、凹部の幅が広くなり過ぎることで、布バネ材がフレーム部材に押し付けられ易くなり、凹部もフレーム材と接触してこすれ音が発生しやすくなる。凸部の幅のより好ましい範囲は0.7〜8mmであり、さらに好ましくは0.8〜4mmである。
なお、本発明において、凸部の幅とは、その凸部を構成する編糸が存在する領域の幅をいう。
尚、本発明の凸部の中に微小な凹部が存在する場合、該凹部を凸部の間隔とは見なさず、連続する凸部を見なしてよく、幅が0.3mm未満の凹部の場合は、凹部を無視して凸部の幅を計算しても良い。例えば、1mm幅の凸部と1mm幅の凸部の間に0.2mm幅の凹部が存在する場合は、これらは2.2mm幅である1本の凸部としてみなして良い。
又、凸部の間隔(凹部の幅)が0.3mm未満であるとこすれ音防止効果が少なく、8mmを越えると布バネ材がフレーム部材に押し付けられる際に、凹部もフレーム材と接触してこすれ音が発生しやすくなる。凸部の間隔のより好ましい範囲は0.4〜5mmであり、さらに好ましくは0.4〜3mmである。
本発明では、凸部の幅Aと凸部の間隔Bとの比率A/Bが0.5〜15の範囲内であることを特徴とする。A/Bが0.5未満の場合は耐摩耗性が低下するか、凹部がこすられてこすれ音防止効果が低下する問題点が発生し、A/Bが15を超えるとこすれ音防止効果がなくなる。A/Bのより好ましい範囲は1〜10であり、さらに好ましくは1.5〜7である。
又、本発明においては、こすれ音を防止し布バネ材の取り扱い性を向上させる観点から、凸部の高さは0.1〜1.0mmの範囲であることが好ましい。ここでいう凸部の高さとは、隣接する凸部間の底部を基準として断面写真の観察等により凸部を任意に10個所測定した平均値によって示すものであるが、凸部の高さが0.1mm未満の場合、フレーム部材に押し付けられる際に、凸部と同時に凹部もフレーム部材と接することとなり、こすれ音の防止が困難となる。凸部の高さが1.0mmを超えると、縫製等により布バネ材同士や他部材と結合させる場合の取扱い性や接合強度が低下するものとなる。凸部のより好ましい高さは0.2〜0.8mmである。
ここで、編地における凸部の幅、高さや間隔が異なるものが混在している場合、全凸部のうち80%以上が上記範囲であることが好ましく、90%以上であればより好ましく、100%が上記範囲であれば最も好ましい。上記A/Bに関しても同様に、全隣り合った凸部の幅Aと間隔BにおけるA/Bのうち80%以上が上記範囲であることが好ましく、90%以上であればより好ましく、100%が上記範囲であれば最も好ましい。
布バネ材用経編地において畝状の凸部の形成方法は、ニットループを地組織の片面に突出させて長さ方向に連ねて地組織の表面に形成する方法、シンカーループを地組織の片面に突出させて長さ方向や幅方向に連ねて形成する方法、ニットループやシンカーループを形成する繊維を部分的に太くする方法等がある。このうち、ニットループを地組織の長さ方向に連ねて畝状の凸部を形成する方法が、畝の形態をより安定させ、耐摩耗性を向上させる上で好ましい。
ニットループの連なりによって畝状の凸部を形成するには、編機のゲージに対して、ニットループの連なりを形成する糸の太さを調整し、さらに、仕上げセット時の幅出しの最適化によりニットループとニットループ側から見えるシンカーループの間に明確な凸部を形成させ、凸部の幅と間隔を適正化する方法が好ましい。特に、畝状の凸部形状を形成する上で、生機のヒートセット時のタテ、ヨコ方向の寸法固定方法が重要であり、生機の編目の状態に応じて幅出し率とアンダーフィード率を適宜調整して、明確な畝状の凸部を形成することができる。
凸部がニットループの連なりによって形成される場合、隣接する凸部間の底部(凹部の底部)はニットループを形成する糸のシンカーループ、又は、ニットループの連なりに編み込まれる挿入糸、凸部を形成するニットループとは異なるニットループの連なりによって形成される。凸部を形成するニットループの連なりは、1ウエールで構成されていてもよく、複数のウエールによって形成されていても良い。複数のウエールによって凸部を形成する場合、こすれ音防止の観点から5ウエール以下が好ましく、より好ましくは2ウエール以下、さらに好ましくは1ウエールである。
さらに、ニットループの連なりによって畝状の凸部を形成する場合、ニットループの中央に形成される孔の幅が、ニットループのヨコ幅(最もヨコ幅が広い部位の幅)の2分の1以下であることが好ましい。ここでいう孔の幅及びニットループのヨコ幅は地組織の幅方向の長さを示す。又、ニットループの中央に形成される孔の幅とは、ニットループの最もヨコ幅が広い部位におけるニットループの2本の柱部分の内側の距離のことを言う。ニットループの中央に形成される孔の幅(任意に10個の孔の幅を測定した平均値)が、ニットループのヨコ幅(任意に10個のニットループのヨコ幅を測定した平均値)の2分の1より大きい場合は、凸部表面の耐摩耗性が低下すると共に、布バネ材の伸長回復性が不十分なものとなり、より好ましくは3分の1以下、さらに好ましくは4分の1以下である。又、ニットループの中央に形成される孔の幅は耐摩耗性と伸長回復性向上の観点から0〜0.5mmが好ましく、さらに好ましくは0〜0.3mmである。
凸部をニットループの連なりによって形成する場合、ニットループは少なくとも1枚の筬から供給されるマルチフィラメントによって形成されることが好ましい。この場合、ニットループは若干蛇行しながら連なるが、蛇行をより減少させて地組織の長さ方向の伸長回復性を高めるために、ニットループは少なくとも2枚の筬から供給されるマルチフィラメントで構成されることがさらに好ましい。また、該2枚の筬の振りが逆方向であることがニットループの蛇行を抑える上で好ましい。さらに、少なくとも2枚の筬から供給されたマルチフィラメントで形成されたニットループにおいて、少なくとも1枚の筬から供給されるマルチフィラメントが鎖編であると、地組織の長さ方向の弾性率を高めることができより好ましい。
本発明においては、畝の凸部の最表面がマルチフィラメントで構成され、畝状凸部の長さ方向を0度の基準線としたときに、該凸部最表面のマルチフィラメントの単繊維の傾きが、0〜60度の範囲内にあることが好ましい。マルチフィラメントの単繊維の傾きを0〜60度の範囲内にすることで、基準線方向にこすられる場合の音をより低減することができると共に、基準線方向にこすられる際の耐摩耗性も向上させることができる。
凸部最表面のマルチフィラメントの単繊維の傾きは、凸部を真上から見て拡大写真(100〜200倍程度)を撮影し、畝状凸部の長さ方向の基準線に対して単繊維が最大に傾いている鋭角側の角度を測定することにより得られる値であり、全て正の値で表示するものである。拡大写真は任意に10個所の凸部最表面を撮影して、このうち単繊維が最大に傾いている角度を単繊維の傾きとする。
尚、凸部最表面とは、マイクロスコープや光学顕微鏡等による拡大写真の焦点を合わせる最に、最表面側(0〜50μm程度)に焦点を合わせることで観察されるものとし、凸部の中において50μm以上沈み込んでいる部分は、最表面とは定義しないものとする。又、単繊維が単発的に浮き出ているものは無視するものとする。
凸部最表面のマルチフィラメントの単繊維の傾きは、こすれ音をより低減し耐摩耗性を向上するため好ましくは0〜45度であり、より好ましくは0〜40度、さらに好ましくは0〜30度である。
本発明の布バネ材用経編地は、伸長後の回復性を向上させると同時に面剛性を上げ、人体の姿勢支持を良好にするため、タテ方向及び/又はヨコ方向にモノフィラメントからなる挿入糸を混入させることが好ましい。タテ方向に挿入糸を編み込む場合、鎖編やトリコット編等の組織で編まれる地糸のニードルループとシンカーループの間に1コース当り3針振り以下の振り幅で挿入された状態、または経編地の長さ方向に連なる地糸のシンカーループの間を上下しながら挿入された状態で、編物の全長に渡り挿入糸を直線状か又はジグザグに近い形態で挿入するのが好ましい。ヨコ方向に挿入糸を編み込む場合は、鎖編やトリコット編等の組織で編まれる地糸のニードルループとシンカーループの間に、経編地の全幅に渡るように挿入糸を直線に近い形態で挿入することが好ましい。
本発明の布バネ材用経編地はシングルラッセル編機やダブルラッセル編機を用いて製造することが好ましい。布バネ材用経編地はシングル経編地であってもよく、本発明の布バネ材用経編地の地組織を少なくとも一層に形成して、二層以上の経編地が一体化したダブル経編地や表裏の地組織を連結糸によってつなぎ合わせた立体編地でもよい。ダブル経編地や立体編地の場合は、布バネ材用経編地に厚み方向のクッションを付与できるものとなり好ましい。
本発明の布バネ材用経編地の地組織を構成する繊維には任意の繊維を使用することができるが、布バネ材の強度を高めるためには、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維等の合成繊維を用いることが好ましい。又、布バネ材の伸長回復性をより向上させる上で、ポリトリメチレンテレフタレート繊維またはポリエステル系エラストマー繊維等の弾性回復性に優れた繊維を用いることもできる。
本発明の布バネ材用経編地の地組織に用いるマルチフィラメントには任意の繊度のものを用いることができるが、150〜1500デシテックスの繊度を用いることが好ましい。より好ましくは160〜1000デシテックス、更に好ましくは250〜700デシテックスである。又、単糸繊度は2〜10デシテックスが好ましい。
地組織にモノフィラメントを使用する場合、モノフィラメントの繊度は200〜3000デシテックスの繊度を用いることが好ましい。尚、モノフィラメントを用いる場合は、モノフィラメントがスリップして地組織が変形することを防止するために、モノフィラメントが地組織に接着されていても良い。接着の方法は、モノフィラメント表面を低融点のポリマーで覆った鞘芯モノフィラメントを用い、地組織を形成した後にヒートセット等で熱融着させる方法や、地組織に低融点の繊維を編み込み、地組織とモノフィラメントとを熱融着させる方法、或いは地組織の少なくとも片面を樹脂コーティングする方法等が好ましい。
布バネ材用経編地の目付は目的に応じて任意に設定できるが、好ましくは200〜1000g/m2、より好ましくは250〜800g/m2である。
又、本発明の布バネ材用経編地は、乗物用座席シートとして用いる場合に安全性を確保する上で、JASO M 403−88法による引張強さ(A法カットストリップ法)が、編地の長さ方向、幅方向共に1000N以上であることが好ましく、1500N以上であることがより好ましい。さらに、引裂強さ(A法シングルタング法)が編地の長さ方向、幅方向共に120N以上であることが好ましく、150N以上であることがより好ましい。
布バネ材用経編地は必要に応じて座席シート等のフレームに接合するための縫製等の加工処理が行われ、布バネ材として張設タイプの座席シート等に用いられる。
布バネ材をシートフレームに張設する状態は限定されるものではなく、布バネ材の外周または少なくとも2辺を、背部または座席のフレームに緊張状態または弛ませた状態で張ることにより、布バネ材が座部や背部を形成した座席が得られる。
フレームへの布バネ材の固定方法は任意の方法を用いることができる。例えば、布バネ材の末端部に断面略U字状の溝部を有する樹脂製プレート部材を縫製し、該プレート部材の溝部を適宜のフレーム材に係合する方法、布バネ材の末端部を溶着、縫製、樹脂加工等により処理した後、端部を押さえ部材等で押さえてボルト止め等でフレームに固定する方法、端部を折り返して縫製した空洞の中に金属棒を通し、金属棒をフレームに固定する方法、樹脂フレームと一体成型する等、任意の方法を用いることができる。尚、布バネ材をコイルスプリング、トーションバー等の金属バネを介してフレームに固定する方法等を用いることにより、よりストローク感のあるクッション性が付与できる。
尚、本発明の布バネ材用経編地によってこすれ音を抑制するためには、編地の畝状凸部の長さ方向が、シートフレームとズレる方向と略直角方向に配置されていれば良い。
本発明の布バネ材用経編地は、生機を精練、染色、ヒートセット等の工程を通して仕上げた後、所望の形状、寸法に裁断後、切断部の周辺に縫い糸を縫い込んでほつれ防止を行ったり、本布バネ材用経編地同士や他の部材と縫製や接着等により接合することで布バネ材に形成される。仕上げ工程時には本発明の目的を損なわなければ、通常、繊維加工に用いられている樹脂加工、制電加工、抗菌加工、撥水加工、難燃加工などの仕上げ加工を適用して良い。特に、地組織のほつれ防止性をより改善するためにはポリウレタン、塩化ビニル、アクリル、シリコーン、フッ素、クロロプレン等の樹脂加工を行うことが好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例中の各特性の評価および測定は下記の方法で行った。
(1)凸部形状測定
布バネ材用経編地の表面写真、断面写真を10〜50倍の範囲の凸部形状の見やすい適当な倍率で撮影し、凸部の高さ、幅および凸部の間隔寸法を測定する。寸法測定は任意に10個所測定し、平均値を求める。
(2)こすれ音
座部が幅52cm、奥行き47cm、高さ32cmの口型金属パイプ材からなる座席フレーム(背もたれなし)を作製する。仕上げした布バネ材用経編地から、畝状凸部の長さ方向に57cmの長さを有する57cm×50cmの長方形を切り出し、切断端部から4mmの距離で全周を、#8ポリエステル糸のミシン糸により縫目ピッチ3mmで本縫いして、布バネ材を得た。さらに50cmの辺(2個所)の全幅にポリブチレンテレフタレート樹脂製の略U字状のプレートを縫製で取り付ける。布バネ材の一方の略U字プレートを座席フレーム前縁下方に取り付けた金属製略U字プレートとかみ合わせ、布バネ材の50cmの幅全体に10Kgの荷重をかけて張力を付与した状態で座席フレームの前後に布バネ材を張り、座席フレームの後ろ縁下方の金属製略U字プレートと布バネ材の樹脂製略U字状のプレートとかみ合わせて布バネ材を張設した座席を作製する。10Kgの張力を掛けた際に金属製略U字プレートと樹脂製略U字プレートの位置がずれる場合は、金属製樹脂略U字プレートのボルト止めした位置をずらせて調節する。布バネ材は座席フレームの前縁と後ろ縁のフレームの上辺及び外側の側面と接しており、布バネ材の57cmの辺の方向と膝の向きを合わせて、座席の上に人が座ると布バネ材と前縁及び後ろ縁のフレームがこすられる状態となる。
該座席に体重65Kgの男性が深く腰掛ける動作を5回繰り返す際に発生するこすれ音を聴いて、以下の4段階で評価する。
◎:こすれ音が殆どしない。
○:若干こすれ音が発生する。
△:かなりこすれ音が発生する。
×:非常に大きなこすれ音が発生する。
(3)耐摩耗性
JASO M403−88 平面摩耗試験法に準じ、6号綿帆布摩擦布、押圧荷重9.81N、試験回数10000回の摩耗試験を行い、表面の摩耗状況を目視評価により以下の等級をつける。
等級5:変化が認められない。
等級4:変化がわずかに認められる。
等級3:変化が明らかに認められる。
等級2:変化がやや著しい。
等級1:変化が著しい。
[実施例1〜5および比較例1〜4]
4枚筬を装備した14ゲージのラッセル編機を用い、地組織を形成する筬(L2)から560デシテックス/96フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維の原糸をオールインの配列で供給し、挿入用の筬(L3)から880デシテックスのポリトリメチレンテレフタレート繊維のモノフィラメントをオールインの配列で供給した。又、地組織を形成する筬(L1)から560デシテックス/96フィラメントの原糸を糸抜きにより、1イン1アウト、2イン1アウト、5イン1アウト、10イン1アウト、10イン3アウト、1イン2アウト、10イン5アウト、20イン1アウト、オールインの配列で供給した。
以下に示す編組織で、機上コース14.0コース/2.54cmの密度で生機を編成した。得られた生機を有り幅(幅出し率0%、アンダーフィード率0%)で150℃×3分で乾熱ヒートセットし、布バネ材用経編地を得た。
(編組織)
L1:20/02/
L2:20/1012/
L3:44/00/
得られた布バネ材用経編地はニットループ面の凸部形状の計測と耐摩耗性評価を行うと共に、布から長さ方向に57cm、幅方向に50cmの57cm×50cmの長方形を切り出し、切断端部から4mmの距離で全周を、#8ポリエステル糸のミシン糸により縫目ピッチ3mmで本縫いした布バネ材とし、ニットループ面をフレームに接するようにして張設座席を試作し、こすれ音を評価した。得られた結果を表1に示す。
得られた布バネ材用編地は、編地経方向にニットループの連なりによる凸部および、糸抜きによる凹部が連続した畝状に形成されていた。凸部の幅に対して、糸抜きによる凹部の幅が適正に形成されているものについてはこすれ音の発生が殆どなく、耐摩耗性も良好なものであった。なお、凸部幅と凸部間隔(凹部幅)の比A/Bが比較的小さい実施例1では耐摩耗性において変化がわずかに認められたが、A/Bが大きくなるにつれ耐摩擦性も改善される傾向であった。
[実施例6]
4枚筬を装備した14ゲージのラッセル編機を用い、地組織の鎖編を形成する筬(L1)から560デシテックス/96フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維の原糸をオールインの配列で供給し、地組織の多針振りトリコット編を形成する筬(L2、L3)から280デシテックス/48フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維の原糸をオールインの配列で供給し、挿入糸用の筬(L4)から660デシテックスのポリエチレンテレフタレート繊維のモノフィラメントをオールインの配列で供給した。
以下に示す編組織で、ニットループの連なりにより凸部を形成するL1、L2、L3から供給する糸のうち、L1は鎖編とし、L2とL3はニットループの柱部の傾きを小さくするため逆方向の振りとし生機を編成した。得られた生機を幅出し率3%、アンダーフィード率2%で180℃×3分で乾熱ヒートセットし布バネ材用経編地を得た。
(編組織)
L1:20/02/(オールイン)
L2:20/810/(オールイン)
L3:810/20(オールイン)
L4:44/00/(オールイン)
該布バネ材用経編地は実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示す。
得られた布バネ材用編地は、ニットループの連なりによる凸部がほぼ直線状に形成されており、こすれ音の発生が殆どなく耐摩耗性も表面に変化が認められず良好なものであった。
[実施例7]
4枚筬を装備した14ゲージのラッセル編機を用い、地組織の鎖編を形成する筬(L1)から560デシテックス/96フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維の原糸をオールインの配列で供給し、地組織の多針振りトリコット編を形成する筬(L2)から280デシテックス/96フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維の原糸をオールインの配列で供給し、挿入糸用の筬(L3)から660デシテックスのポリエチレンテレフタレート繊維のモノフィラメントをオールインの配列で、L2の振り方向と同方向の振りで供給した。
以下に示す編組織で生機を編成し、得られた生機を幅出し率3%、アンダーフィード率3%で180℃×3分で乾熱ヒートセットし布バネ材用編地を得た。
(編組織)
L1:20/02/(オールイン)
L2:20/1012/(オールイン)
L3:00/66(オールイン)
該布バネ材用編地は実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示す。
得られた布バネ材用編地は、こすれ音は若干発生するが気にならないものであった。又、ニットループの連なりによる凸部がやや蛇行しており、凸部最表面の単繊維の傾きがやや大きいため、耐摩耗性もわずかに変化が認められたが、良好なレベルであった。
[比較例5]
実施例7で得られた生機において、乾熱ヒートセット時の幅出し率とアンダーフィード率を変更し、幅出し率−3%、アンダーフィード率0%として布バネ材用編地を得た。該布バネ材用編地は実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示す。
得られた布バネ材用編地は凸部の間隔が小さいため、こすれ音がかなり発生するものであった。又、ニットループ内の孔の幅がニットループのヨコ幅に対して比較的大きいため、耐摩耗性において変化が明らかに認められた。
[実施例8]
実施例7で得られた生機において、乾熱ヒートセット時の幅出し率とアンダーフィード率を変更し、幅出し率5%、オーバーフィード率3%として布バネ材用編地を得た。該布バネ材用編地は実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示す。
得られた布バネ材用編地は、こすれ音防止効果は高いものであったが、凸部最表面の単繊維の傾きが60度を超えていることに起因し、耐摩耗性は変化が明らかに認められるものであった。
[比較例6]
4枚筬を装備した18ゲージのラッセル編機を用い、地組織の鎖編を形成する筬(L1)から280デシテックス/48フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維の原糸をオールインの配列で供給し、地組織の多針振りトリコット編を形成する筬(L2、L3)から280デシテックス/96フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維の原糸をオールインの配列で供給し、挿入糸用の筬(L4)から330デシテックスのポリエチレンテレフタレート繊維のモノフィラメントをオールインの配列で供給した。
実施例1と同様の編組織で布バネ材を編成し、シンカーループ側に畝状の凸部が形成された布バネ材用生機を編成した。得られた生機を幅出し率0%、アンダーフィード率0%で180℃×3分で乾熱ヒートセットし布バネ材用編地を得た。
該布バネ材用編地はシンカーループ面をフレームに接する面として評価を行い、その結果を表1に示す。
得られた布バネ材用編地は、シンカーループによる凸部が長さ方向の断続的に形成されているが、凸部の幅が小さすぎるため、こすれ音を防止する効果が少なく、耐摩耗性も表面変化が著しいものであった。
[実施例9]
6枚筬を装備した14ゲージ、釜間6mmのダブルラッセル編機を用い、地組織を形成する筬(L2)から560デシテックス/96フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維の原糸をオールインの配列で供給し、挿入用の筬(L1)から880デシテックスのポリトリメチレンテレフタレート繊維のモノフィラメントをオールインの配列で供給した。又、地組織を形成する筬(L3)から560デシテックス/96フィラメントの原糸を糸抜きにより、2イン1アウトの配列で供給した。又、連結糸を形成する筬(L4)から200デシテックスのポリトリメチレンテレフタレート繊維をオールインの配列で供給し、反対面の地組織を形成する筬(L5、L6)から330デシテックス/96フィラメントのポリエチレンテレフタレート仮撚加工糸をオールインの配列で供給した。
以下に示す編組織で、機上コース14.0コース/2.54cmの密度で生機を編成した。得られた生機を有り幅(幅出し率0%、アンダーフィード率0%)で150℃×3分で乾熱ヒートセットし、布バネ材用経編地を得た。
(編組織)
L1:4400/0044/
L2:2044/101266/
L3:2022/2422/
L4:2046/
L5:2220/2224
L6:2224/2220
得られた布バネ材用経編地はL1、L2、L3の地組織で形成されたニットループ面の凸部形状の計測と耐摩耗性評価を行うと共に、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示す。
得られた布バネ材用編地は、凸部の幅に対して、糸抜きによる凸部の間隔が適性に形成されており、こすれ音の発生が殆どなく耐摩耗性も良好なものであった。又、厚み方向のクッション性が良好なものであった。
Figure 0005850655
本発明の布バネ材用経編地は、布バネ材と金属等のフレーム等がこすられて発生するこすれ音を防止すると共に、フレーム等とのこすれに対する耐摩耗性を向上できるものである。従って、自動車、鉄道車両、航空機、チャイルドシート、ベビーカー、車椅子、家具、事務用等の座席シート用クッション材に使用できると共に、特に静かな車内空間等で違和感なく好適に用いられる。

Claims (2)

  1. 地組織の表裏面の少なくとも一方の面に畝状の凸部が形成されており、該畝状の凸部の少なくとも一部において凸部の幅が0.5〜30mm、凸部の高さが0.1〜1.0mm、凸部の間隔が0.3〜8mm、凸部の幅A(mm)と凸部の間隔B(mm)の比A/Bが0.5〜15であり、該畝状の凸部がニットループの連なりによって形成され、隣接する凸部間の底部が該ニットループを形成する同一地組織内のシンカーループ又は挿入糸で形成されていることを特徴とする布バネ材用経編地。
  2. 凸部を形成するニットループの連なりにおいて、ニットループの中央に形成される孔の幅が、該ニットループのヨコ幅の2分の1以下である、請求項に記載の布バネ材用経編地。
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