JP6468445B2 - エンジンの排気消音装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンを備えた車両に搭載される排気消音装置に関する。
自動車等の車両には、エンジンの排気騒音を低減するために排気消音装置(マフラー)が備えられている。一般に排気消音装置は、消音空間(膨張室)を形成する消音器本体と、前記消音空間内において前記排気が通過する排気経路を構成する排気管とを含む。前記排気管は、消音空間へエンジンの排気を導入する排気導入管と、前記消音空間から前記排気を外部へ放出する排気導出管とを含む。
排気騒音を低減する構造として、排気導入管及び/又は排気導出管に多数の小孔を穿孔し、その周囲をグラスウール等の吸音材で覆う構造が知られている。特許文献1には、消音器本体内に仕切板で吸音材の充填空間を作成し、当該充填空間を通過するように小孔付き排気管を配置してなる消音装置が開示されている。
特開2005−344640号公報
排気騒音の低減には、消音空間内における排気管長を長く形成すると共に、排気導入管の騒音が排気導出管へ伝達し難くなるよう、排気導入管の排気出口と排気導出管の排気入口とを可及的に離間させることが望ましい。しかしながら、上記の離間配置を採用すると、消音空間内において前記排気出口と前記排気入口との間に排気フローが形成されることになる。この場合、前記排気フローによる気流音が発生し得るため、当該気流音に対する対策が必要となる。
本発明の目的は、吸音材で排気導入管及び/又は排気導出管の排気騒音を消音しつつ、排気導入管の排気出口から排気導出管の排気入口へ向かう排気フローによる気流音も消音することができるエンジンの排気消音装置を提供することにある。
本発明の一局面に係るエンジンの排気消音装置は、車両のエンジンの排気が導入される消音空間を形成する壁部を有する消音器本体と、吸音材と、前記消音空間内において前記吸音材が充填される吸音室を区画する枠部材と、排気出口を有し、前記消音空間へ前記排気を導入する排気導入管と、排気入口を有し、前記消音空間から前記排気を外部へ放出する排気導出管と、前記排気出口と前記排気入口との間において、前記消音器本体の壁部と前記枠部材とによって形成される排気通路と、を備え、前記排気導入管又は前記排気導出管の少なくとも一方が、前記吸音室を経由する吸音配管部を有し、前記枠部材は、前記吸音室と前記排気通路とを連通させる多数の小孔を有し、前記消音器本体の壁部は、車両前後方向に並ぶ前壁及び後壁と、車幅方向に並ぶ一対の側壁と、車両上下方向に並ぶ上壁及び下壁とを含み、前記排気導入管は前記前壁を貫通し、前記排気出口は前記排気が前記後壁に向かう方向に配向され、前記排気導出管は前記側壁を貫通し、前記排気入口は、前記前壁の近傍位置であって前記側壁に近接する位置に配置されている。
この排気消音装置によれば、排気導入管又は排気導出管の少なくとも一方が、吸音材が充填される吸音室を経由する吸音配管部を有するので、前記吸音材による消音効果を得ることができる。さらに、排気出口と排気入口との間において、消音器本体の壁部と吸音室を区画する枠部材とによって形成される排気通路を備え、前記枠部材には、吸音室と排気通路とを連通させる多数の小孔が穿孔されている。このため、前記排気通路を通過する排気に気流音が発生したとしても、前記小孔を通して前記吸音材に吸音される。従って、排気出口から排気入口へ向かう排気フローによる気流音も消音することができる。
上記の排気消音装置において、前記消音器本体の壁部は、車両前後方向に並ぶ前壁及び後壁と、車幅方向に並ぶ一対の側壁と、車両上下方向に並ぶ上壁及び下壁とを含み、前記消音器本体は、前記上壁及び前記下壁が、それぞれ前記排気導入管及び前記排気導出管に隣接する偏平な形状を有し、前記枠部材は、前記上壁と前記下壁との間に延びていることが望ましい。
この排気消音装置によれば、扁平な形状を有する消音器本体の上下方向の剛性を、吸音室を区画する枠部材によって高めることができる。
この場合、前記吸音配管部は、前記吸音室の上方領域に対応する部分にのみ、その管内と前記吸音室とを連通させる多数の小孔を有し、前記吸音材は、前記吸音室の全領域に充填されていることが望ましい。
一般に、エンジンでの燃焼により発生する水は、排気導出管から外部に放出される。しかし、排気導入管及び排気導出管が消音器本体の下壁に隣接する構造では、消音空間内に滞留する水に排気導入管及び排気導出管が浸漬される懸念、さらには水が排気導入管を逆流する懸念がある。しかし、上記の排気消音装置によれば、吸音配管部の上方部分にのみ小孔が穿孔されている。このため、消音空間の滞留水は吸音配管部に進入することはなく、逆に吸音配管部の管内に存在する水は消音空間内には漏れ出さない。従って、水の逆流の問題を防止することができる。
上記の排気消音装置において、前記排気導入管は前記前壁を貫通し、前記排気出口は前記排気が前記後壁に向かう方向に配向され、前記排気通路は、前記後壁と、前記枠部材の一部とで形成される後方通路部分を含み、前記排気入口は、前記前壁の近傍に配置されていることが望ましい。
この排気消音装置によれば、消音空間内において、排気導入管の排気出口と排気導出管の排気入口とを遠ざけることができ、排気導入管の排気騒音を排気導出管へ伝達し難くすることができる。また、排気は後方通路部分を通って排気入口に向かうことになるので、排気出口から排気入口への短絡的な排気フローの発生を防止することができる。さらに、前記後方通路部分を経由する分、前記排気通路も長くなるので、枠部材の小孔を通した吸音材による消音効果をより高めることができる。
上記の排気消音装置において、前記排気導出管は、各々排気入口を有する第1排気導出管及び第2排気導出管を含み、前記排気導入管は、車幅方向中央付近において前記前壁を貫通し、前記枠部材は、前記排気導入管と一方の側壁との間に配置される第1枠部材と、前記排気導入管と他方の側壁との間に配置される第2枠部材とを含み、前記排気通路は、前記第1枠部材と前記第2枠部材との間の中央通路部分と、前記一方の側壁と前記第1枠部材の一部とで形成される第1側方通路部分と、前記他方の側壁と前記第2枠部材の一部とで形成される第2側方通路部分と、をさらに含むことが望ましい。
この排気消音装置によれば、排気通路が、中央通路部、第1側方通路部分及び第2側方通路部分をさらに含むので、枠部材の小孔を通した吸音材による消音効果を一層高めることができる。
この場合、前記第1枠部材と前記第2枠部材とを前記前壁付近において連結する連結部材をさらに備え、前記排気導入管は、前記連結部材で支持されていることが望ましい。
この排気消音装置によれば、第1枠部材と第2枠部材とを連結させることで、両枠部材の剛性を高めることができる。また、連結部材に排気導入管の支持機能を具備させることで、部品点数を削減することができる。さらに、第1、第2枠部材の前方側の枠片を、前記連結部材を兼ねる部材とすることで、一層の部品点数削減に貢献できる。
上記の排気消音装置において、前記第1排気導出管は前記第1枠部材で支持され、前記第2排気導出管は前記第2枠部材で支持され、前記第1枠部材と前記第2枠部材とを前記後壁に近い部分において下方位置で結合する結合部材をさらに備えることが望ましい。
この排気消音装置によれば、排気導入管、第1、第2排気導出管、第1、第2枠部材が、上記の連結部材及び結合部材により一体化された状態とすることができる。このため、これら構成部品を予めアセンブリした上で、消音器本体に取り付けることが可能となり、製造効率を高めることができる。
上記の排気消音装置において、前記排気導入管の前記排気出口は、上方に向けて開口しており、前記排気出口の周囲を囲う遮蔽板をさらに備えることが望ましい。
この排気消音装置によれば、遮蔽板によって、一旦は排気入口に向かった排気が、再び排気出口付近に戻り、排気通路を再循環することを防止できる。
本発明によれば、吸音材で排気導入管及び/又は排気導出管の排気騒音を消音しつつ、排気導入管の排気出口から排気導出管の排気入口へ向かう排気フローによる気流音も消音することができる。従って、消音効果を高めたエンジンの排気消音装置を提供することができる。
図1は、本発明に係るエンジンの排気消音装置が適用される車両の排気系統の概略図である。 図2は、本発明の実施形態に係るメイン消音装置(排気消音装置)の、アッパープレートを取り外した状態の斜視図である。 図3は、斜視方向を変えた前記メイン消音装置の斜視図である。 図4は、前記メイン消音装置の水平方向の断面図である。 図5は、図4のV−V線断面図である。 図6は、図4のVI−VI線断面図である。 図7は、図4のVII−VII線断面斜視図である。 図8は、図4のVIII−VIII線断面図である。
[車両の排気系統]
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態に係るエンジンの排気消音装置を詳細に説明する。先ずは、前記排気消音装置が搭載される車両の排気系統について、図1を参照して概略的に説明する。なお、図1及び他の図面において、前後、左右、上下の方向表示を付している。これらの方向は、車両を基準としている。つまり、以下の説明中において用いている前後、左右、上下の方向は、図1に示している前後方向(車両前後方向)、左右方向(車幅方向)、及び、図1の紙面に垂直な方向である上下方向と一致させている。また、上流、下流というときは、排気のフロー方向を基準としている。
車両は、例えば四輪自動車であり、エンジン1と、当該エンジン1の排気系統を構成する排気装置10とを含む。エンジン1は、例えば直列4気筒のターボ過給機付きガソリンエンジンであり、車室前方のエンジン室に横置き、つまり、車幅方向に気筒が並ぶように設置されている。排気装置10は、このエンジン1に繋がっており、車両下面に沿って後方に向けて延びている。
排気装置10は、排気マニホールド11、ターボ過給機12、排気管路13、第1触媒装置14、第2触媒装置15、プリ消音装置16及びメイン消音装置2(排気消音装置)を備えている。排気マニホールド11は、エンジン1の各シリンダヘッドの排気ポートに接続される分岐端を上流側に、これら排気ポートから排出される排気を一つの流路に集合させる集合端を下流側に有する排気通路を内部に備える。ターボ過給機12は、排気マニホールド11の前記集合端に接続され、エンジン1から排出される排気のエネルギーを利用して、エンジン1の吸気を過給する。
排気管路13は、排気の通路となる管路であり、ターボ過給機12の下流端に接続され、後方に延びている。排気管路13には、上流側から順に、第1触媒装置14、第2触媒装置15及びプリ消音装置16が組み込まれており、末端にはメイン消音装置2が接続されている。第1、第2触媒装置14、15は、エンジン1から排出される排気中の有害成分を浄化するもので、例えば排気中のNOxを一時的に吸蔵し後に還元するNOx吸蔵還元触媒を含む触媒本体と、この触媒本体を収容するケーシングとから構成されている。
プリ消音装置16及びメイン消音装置2は、エンジン1の排気系統において排気騒音を低減させるために組み込まれている。これら消音装置16、2のうち、上流側に配置されるプリ消音装置16は、排気騒音のうち、主に高周波成分を低減する機能を有している。プリ消音装置16は、例えば吸音型の消音装置を採用することができ、排気が通る多孔質の内筒管と、これを覆う外筒管と、内筒管と外筒管との間に充填されたガラスウール等の吸音材とを備える。一方、メイン消音装置2は、排気騒音のうち、主に低中周波成分を低減する機能を有している。以下、このメイン消音装置2の構造について詳細に説明する。
[メイン消音装置の詳細構造]
以下、メイン消音装置2について詳細に説明する。図2は、メイン消音装置2の斜視面図(後記のアッパープレート20Aを取り外した状態)、図3は、斜視方向を変えたメイン消音装置2の斜視図、図4は、メイン消音装置2の水平方向の断面図である。図5、図6、図7及び図8はそれぞれ、図4のV−V線、VI−VI線、VII−VII線及びVIII−VIII線断面図(図7は断面斜視図)である。
メイン消音装置2は、車両後端のリアフロア下に配置され、消音器本体20と、この消音器本体20内に収容される排気導入管3、第1排気導出管4A、第2排気導出管4B、吸音室フレーム枠5(枠部材)及び吸音材6と、消音器本体20内に設けられる排気通路7とを備えている。以下、これら各部材について詳細に説明する。
<消音器本体>
消音器本体20は、エンジン1の排気が導入される消音空間S(膨張室)を形成する壁部を有するハウジングである。消音器本体20は、前後方向に比較的短く、左右方向に比較的長い形状、すなわち車幅方向に長手で、上下方向に偏平な、全体として丸味を帯びた直方体状の形状を有している。これにより、消音器本体20内の消音空間Sも、車幅方向に長手で偏平な空間となっている。
消音器本体20は、消音空間Sを区画する壁部として、車両の前後方向に並ぶ前壁21及び後壁22と、左右方向(車幅方向)に並ぶ右壁23及び左壁24(一対の側壁)と、上下方向(車高方向)に並ぶ上壁25及び下壁26とを備えている。図4に示す通り、前壁21は、左右方向に直線的に延びる壁である。後壁22は、上面視で後方に向けて緩やかな凸形状となるように湾曲して、左右方向に延びる壁である。右壁23及び左壁24は、前後方向へ直線的に延びる比較的短尺の壁であり、前壁21と後壁22とを、それぞれ右端側、左端側で繋いでいる。右壁23と左壁24との間隔は、後方に向かうに連れて、僅かに幅狭になっている。上壁25は、前壁21、後壁22、右壁23及び左壁24からなる側壁で囲まれる空間の上面を封止する壁、下壁26は、前記側壁の下面を封止する壁である。
消音器本体20は、上壁25と下壁26との間隔が、前壁21と後壁22との間隔、及び右壁23と左壁24との間隔と比較して相当短い偏平ハウジングである。このため上壁25及び下壁26は、図5〜図8に示されているように、消音器本体20内に収容される排気導入管3及び第1、第2排気導出管4Aに隣接している。このように消音器本体20の下壁26は、緩やかに後方に向けて先上がりに傾斜しており、下壁26の後端からさらに大きな傾斜を持たせることによって後壁22が形成されている。このため、下壁26の後端において風を剥離させることができ、バンパフェース内に巻き込まないので、車両の走行抵抗を抑制することができる。
消音器本体20は、上下方向に分割された半割れハウジングである、アッパープレート20Aとボトムプレート20Bとの接合体からなる。アッパープレート20Aは、上側に膨出したキャビティを有する半割れハウジングであり、その下縁の外周に上フランジ部201を有する。ボトムプレート20Bは、下側に膨出したキャビティを有する半割れハウジングであり、その上縁の外周に下フランジ部202を有する。
アッパープレート20Aは、上壁25と前記側壁の概ね上半分とを形成し、ボトムプレート20Bは、下壁26と前記側壁の概ね下半分とを形成する。上フランジ部201と下フランジ部202とが上下に重ね合わされ、接合されることで、アッパープレート20Aとボトムプレート20Bとが一体化され、消音空間Sを有する消音器本体20が形成されている。アッパープレート20Aの上壁25及びボトムプレート20Bの下壁26は、前後方向に延びる複数のビード203を備えている。ビード203は、消音空間Sに向けて凸となる溝形状部であり、消音器本体20の剛性を高める等の目的で設けられている。
<排気導入管及び排気導出管>
排気導入管3、第1排気導出管4A及び第2排気導出管4Bは、消音空間S内において排気が通過する排気経路を構成する排気管である。つまり、消音空間Sという閉じた空間内において、排気を所望の経路に沿って流すために配置される管である。排気導入管3と、第1排気導出管4A及び第2排気導出管4Bとは、互いに分離された管である。排気導入管3は、排気を消音空間Sへ吹き出す排気出口Aを有する。一方、第1、第2排気導出管4A、4Bは各々、消音空間S内の排気を取り入れる第1排気入口B1、第2排気入口B2を有する。排気出口Aから吐出された排気は、消音空間Sに入って膨張し、その後、第1、第2排気入口B1、B2に取り入れられ、それぞれ第1、第2出口開口C1、C2から外部へ放出される。
排気導入管3は、消音空間Sへエンジン1の排気を導入する直線的な中空円管である。本実施形態では、比較的短尺の排気導入管3が用いられている。排気導入管3の上流端31には、図略の中継管が差し込まれ、前記中継管の上流端は、排気管路13の下流端に接続される。排気導入管3の下流端32は、上述の排気出口Aである。排気出口Aは、当該排気出口Aから吐出される排気が後壁22に向かう方向に配向されている。
排気導入管3は、左右方向の中央付近(車幅方向の中央位置)において前壁21を貫通している。排気導入管3は短尺であることから、排気出口Aは前壁21の近傍に位置している。図6を参照して、排気導入管3は、排気出口Aが斜め上を向くように、後ろ上がりに消音器本体20へ取り付けられている。排気導入管3の下流端32は、管軸に対して垂直ではなく、排気導入管3の下部側が長くなるように所定角だけ斜めにカットされた端面とされている。このため、排気導入管3としては後壁22に向かって前壁21に差し込まれているが、排気出口Aは上壁25(上方)に向けて開口している。排気出口Aから吹き出される排気は、上壁25に吹き当たり、その後に後壁22へ向かうことになる。
排気導入管3を上記のように傾けて消音器本体20へ取り付けるのは、消音空間S内で凝縮した排気中の水分(凝縮水)などが下壁26上に滞留することがあり、その滞留水が排気出口Aを通して排気導入管3へ逆流しないようにするためである。本実施形態の消音器本体20は上下方向に偏平なハウジングであるため、排気導入管3を水平に取り付けると当該排気導入管3の下部側と下壁26との距離が近くなってしまう。この場合、下壁26上に水が少し滞留しただけでも前記逆流の問題が発生し得る。そこで、排気導入管3を後ろ上がりに消音器本体20へ取り付けると共に、下流端32を斜めカットして排気導入管3の下部側と下壁26との距離を離間させることで、前記水の逆流を防止している。
排気導入管3の上流端31は、アッパープレート20A及びボトムプレート20Bの前壁21の左右方向中央に各々設けられた凹部である一対の管受け部204、205により、上下から挟まれるように支持されている。また、排気導入管3の管軸方向の中央付近が、後述する連結部材55にて支持されている。
第1排気導出管4A及び第2排気導出管4Bは、消音空間から前記排気を外部へ放出するための管である。第1、第2排気導出管4A、4Bは同じ構成要素を備え、排気導入管3の左右に対称に、消音空間S内に配置されている。すなわち、排気導入管3を挟んで、第1排気導出管4Aは右壁23側に配置され、第2排気導出管4Bは左壁24側に配置されている。また、第1排気導出管4Aの下流端は右壁23を貫通し、第2排気導出管4Bの下流端は左壁24を貫通している。
図4を主に参照して、第1、第2排気導出管4A、4Bは各々、第1直線管41、第2直線管42及び湾曲管43(吸音配管部)を備えている。湾曲管43は、U字状に湾曲した管であり、排気フローの上流側の上流端431と、下流側の下流端432とを備える。第1直線管41と第2直線管42とは、湾曲管43の両端部から左右方向へ平行に各々延び出している。すなわち、湾曲管43の上流端431には第1直線管41の一端が、下流端432には第2直線管42の一端が各々接続されている。
第1、第2排気導出管4A、4B内の排気フローF1、F2において、第1直線管41は、第2直線管42よりも上流側に配置される排気管である。第1直線管41は、前壁21に比較的近接した位置に配置されている。すなわち、第1直線管41の前側の側部と前壁21との前後方向の間隔は、狭小である。一方、第2直線管42は、前壁21から離間し、且つ後壁22からも離間した、消音空間Sの前後方向の略中央位置に配置されている。第1直線管41と第2直線管42との上下方向の高さ位置は、略同一である。湾曲管43は、このような第1、第2直線管41、42同士を接続している。
第1直線管41は、左右方向に直線状に延びる断面円形の管であり、上流端411と下流端412とを備えている。上流端411は、上述の第1、第2排気入口B1、B2となる開口を備える管端部である。上流端411には、第1、第2排気入口B1、B2に排気をスムースに取り入れるために、ベルマウス状に内径を拡径させる加工が施されている。下流端412は、湾曲管43の上流端431に差し込まれる管端部である。
第1、第2排気入口B1、B2は、前壁21の近傍位置であって前壁21の右端側、左端側に各々配置されている。詳しくは、第1排気入口B1が前壁21付近の右壁23と対向し、第2排気入口B2が前壁21付近の左壁24と対向し、それぞれ右壁23、左壁24と近接する位置に配置されている。これに対し排気出口Aは、前壁21の左右方向の中央位置に配置されている。このように、排気出口Aと第1、第2排気入口B1、B2とを遠ざけることで、排気導入管3の排気騒音が第1、第2排気導出管4A、4Bに伝わり難い構造とされている。
第2直線管42は、左右方向に直線状に延びる断面円形の管であって、第1直線管41よりも左右幅が長い管である。第2直線管42の上流端421は、湾曲管43の下流端432に差し込まれている。第1排気導出管4Aの第2直線管42の下流端422は、右壁23を貫通しており、第1出口開口C1に連なっている。この貫通した下流端には、第1テール管44A(図1)が接続される。また、第2排気導出管4Bの第2直線管42の下流端422は、左壁24を貫通しており、第2出口開口C2に連なっている。この貫通した下流端には、第2テール管44Bが接続される。第1テール管44Aの下流端が第1出口開口C1であり、第2テール管44Bの下流端が第2出口開口C2である。排気は、これら第1、第2出口開口C1、C2から外部へ放出される。
第2直線管42には消音部が備えられている。第2直線管42の管軸方向の所定範囲において管壁の全周に亘って、図略の多数の小孔が穿孔されている。当該小孔を有する管壁の全周を覆うように、ガラスウール等からなる吸音材61が配置されている。さらに、吸音材61を覆うことが可能な筒状の吸音材カバー44が、第2直線管42の外周面に取り付けられている。
図4、図5、図7を主に参照して、湾曲管43(吸音配管部)は、断面略円形であってU字型に湾曲した排気経路を作る管である。後記で詳述するが、湾曲管43は吸音室フレーム枠5によって区画される吸音室R内に配置される。既述の通り、湾曲管43は、第1直線管41が接続される上流端431と、第2直線管42が接続される下流端432とを備える。湾曲管43は、上下方向に分割された半割れ管である第1半割れ管43Aと第2半割れ管43Bとの接合体からなる。第1半割れ管43Aと第2半割れ管43Bとは、U字湾曲の外周側の嵌合部433と、内周側の内フランジ部434とによって互いに接合されている。
第1半割れ管43Aは、上側に膨出した断面半円形であって下面視でU字型のキャビティを有し、嵌合部433を形成する上嵌合片433Aを外周側に、内フランジ部434の上側を形成する上フランジ434Aを内周側に、それぞれ有している。第2半割れ管43Bは、下側に膨出した断面半円形であって上面視でU字型のキャビティを有し、嵌合部433を形成する下嵌合片433Bを外周側に、内フランジ部434の下側を形成する下フランジ434Bを内周側に、それぞれ有している。第1半割れ管43Aの膨出頂面である上面には、その管壁を貫通する多数の小孔43Hが穿孔されている。一方、第2半割れ管43Bには、そのような小孔は穿孔されていない。
上嵌合片433Aと下嵌合片433Bとが嵌め合わされ、上フランジ434Aと下フランジ434Bが上下に重ね合わされ、接合されることで、湾曲管43が形成される。嵌合部433は、上嵌合片433Aが下嵌合片433Bの外側に上から嵌り込む構造である。これにより、上面側から湾曲管43の周囲に物品(吸音材6)を挿入する際に、嵌合部433への引っ掛かりが生じ難くしている。
<吸音室フレーム枠>
吸音室フレーム枠5は、消音空間S内において吸音材6が充填される吸音室Rを区画する枠部材である。吸音室フレーム枠5は、排気導入管3と右壁23(一方の側壁)との間に配置される第1フレーム枠5A(第1枠部材)と、排気導入管3と左壁24(他方の側壁)との間に配置される第2フレーム枠5B(第2枠部材)とを含む。第1、第2フレーム枠5A、5Bは、上面視で前後方向に長い四角の枠体であり、各々、前フレーム51、後フレーム52、内フレーム53及び外フレーム54を備えている。これらフレーム51〜54で区画される矩形の空間が、吸音室Rである。
フレーム51〜54は、いずれも消音器本体20の上壁25と下壁26との間に延びる平板状の部材である。つまり、第1、第2フレーム枠5A、5Bは、上壁25〜下壁26間を仕切り、消音空間Sにほぼ閉じた空間(吸音室R)を創出している。フレーム51〜54は、各々の壁面に、吸音室Rと後述の排気通路7とを連通させる多数の小孔(51H、52H、53H、54H)を具備している。なお、図2、図3では、図の見易さを考慮して、フレーム51〜54の一部にのみ小孔を描いているが、実際は図7に一部記載している通り、各フレーム51〜54の壁面の殆ど全ての領域に小孔が穿孔されている。
前フレーム51は、消音器本体20の前壁21に近接して配置され、前壁21と略平行に左右方向へ延びている。前フレーム51の壁面には、多数の小孔51Hが穿孔されている。また、前フレーム51の上端縁には、上壁25のビード203と嵌め合わされる凹部511が設けられている。さらに、前フレーム51の上下方向中央付近には、左右方向に延びる絞り凹部からなる補強部512が備えられている。
後フレーム52は、後壁22に対して所定間隔を置いた位置に、前フレーム51と平行に左右方向へ延びている。後フレーム52の壁面には、多数の小孔52Hが穿孔されている。後フレーム52の上端縁には後方向に延びる上フランジ部521が、下端縁には後方向に延びる下フランジ部522が、それぞれ設けられている。上フランジ部521は、例えば栓溶接にて上壁25に、下フランジ部522は、例えばスポット溶接にて下壁26に、それぞれ固着される。なお、後フレーム52の下端縁には、下壁26のビード203と嵌め合わされる凹部523が設けられている。
内フレーム53は、前フレーム51及び後フレーム52の内側端縁(排気導入管3側の端縁)同士を繋ぐように前後方向に延びている。第1フレーム枠5Aの内フレーム53は、排気導入管3の右側に隣接し、第2フレーム枠5Bの内フレーム53は、排気導入管3の左側に隣接している。内フレーム53の壁面には、多数の小孔53Hが穿孔されている。
内フレーム53の上端縁には左方向(右方向)に延びる上フランジ部531が、下端縁には右方向(左方向)に延びる下フランジ部532が、それぞれ設けられている。上フランジ部531は、例えば栓溶接にて上壁25に、下フランジ部532は、例えばスポット溶接にて下壁26に、それぞれ固着される。また、内フレーム53の前端及び後端には、前フレーム51及び後フレーム52に各々接合される横フランジ部533が、それぞれ設けられている。
外フレーム54は、前フレーム51及び後フレーム52の外側端縁同士を繋ぐように前後方向に延びている。第1フレーム枠5Aの外フレーム54は、右壁23に対して所定間隔を置いた位置に、第2フレーム枠5Bの外フレーム54は、左壁24に対して所定間隔を置いた位置に、それぞれ配置されている。外フレーム54の壁面には、多数の小孔54Hが穿孔されている。
外フレーム54の上端縁には右方向(左方向)に延びる上フランジ部541が、下端縁には左方向(右方向)に延びる下フランジ部542(図7)が、それぞれ設けられている。上フランジ部541は、例えば栓溶接にて上壁25に、下フランジ部542は、例えばスポット溶接にて下壁26に、それぞれ固着される。また、外フレーム54の前端及び後端には、前フレーム51及び後フレーム52に対する接合部が設けられている。
さらに、外フレーム54は2つの貫通孔を備え、これら貫通孔の周縁に形成されたバーリング部543を有している。図4に示す通り、2つの貫通孔は、湾曲管43の上流端431及び下流端432に位置合わせして穿孔されている。そして、2つのバーリング部543は、第1直線管41が差し込まれた上流端431、及び、第2直線管42が差し込まれた下流端432を支持している。これにより、第1排気導出管4Aは第1フレーム枠5Aで支持され、第2排気導出管4Bは第2フレーム枠5Bで支持されている。
図2に模式的示しているように、上記のフレーム51〜54で区画される吸音室Rには吸音材6が充填される。吸音材6としては、例えばガラスウールを袋体に詰めたガラスウールバックを用いることができる。吸音材6は、吸音室Rの上下、左右及び前後の概ね全領域を埋めるように、吸音室Rに充填される。なお、図2では、各吸音室Rに充填される吸音材6を、一つのガラスウールバックの如く描いているが、複数の小型ガラスウールバックを、各吸音室Rに充填するようにしても良い。
第1排気導出管4Aは、第1フレーム枠5Aで区画される吸音室Rを経由する吸音配管部を有するように、消音空間S内に配管されている。また、第2排気導出管4Bは、第2フレーム枠5Bで区画される吸音室Rを経由する吸音配管部を有するように、消音空間S内に配管されている。本実施形態では、第1、第2排気導出管4A、4Bとも、前記吸音配管部は湾曲管43である。つまり、湾曲管43が吸音室R内に配置されている。従って、湾曲管43の周囲は吸音材6で囲まれることになる。
既述の通り、湾曲管43には多数の小孔43Hが穿孔されている。小孔43Hは、湾曲管43の管内と吸音室Rとを連通させる。従って、湾曲管43を通過する排気に気流音(排気騒音)が発生した場合、当該気流音は小孔43Hを通して吸音室Rに逃がされ、吸音材6で吸音される。ここで、小孔43Hは、湾曲管43の上側に位置する第1半割れ管43Aの膨出頂部だけに穿孔されている。つまり、湾曲管43が吸音室Rに据え付けられた状態において、当該吸音室Rの上方領域に対応する部分にのみ小孔43Hが穿孔されている。これは、消音器本体20の下壁26上に滞留することがある水が、湾曲管43内に進入しないようにするためである。
<吸音室フレーム枠の付属品>
消音器本体20には、吸音室フレーム枠5の付属品として、連結部材55及び結合部材56が備えられている。連結部材55は、第1フレーム枠5Aと第2フレーム枠5Bとを、消音器本体20の前壁21付近において連結する板状部材である。具体的には、連結部材55は、第1フレーム枠5Aの前フレーム51と第2フレーム枠5Bの前フレーム51との間、つまり、排気導入管3が挿入されている位置に立設されている。連結部材55は、左右の前フレーム51同士を左右方向に繋いでいると共に、排気導入管3を支持している。
本実施形態では、左右の前フレーム51と連結部材55とが、一体の板状部材にて形成されている例を示している。すなわち、前記一体の板状部材は、右側の外フレーム54から左側の外フレーム54まで延びる左右長さを有し、その中央部分が連結部材55、右側部分が第1フレーム枠5Aの前フレーム51、左側部分が第2フレーム枠5Bの前フレーム51としての役目をそれぞれ果たすものである。もちろん、連結部材55を左右の前フレーム51とは別体の部材としても良い。
連結部材55は、支持孔55H、上フランジ部551及び遮蔽板552を備える。支持孔55Hは、排気導入管3を貫通させ、これを支持するための孔である。図6に示すように、支持孔55Hはバーリング加工が施された孔であり、排気導入管3の前後方向の中央付近を支持している。上フランジ部551は、連結部材55を上壁25に接合され、固着されるフランジ部である(図8)。なお、連結部材55の下端縁は、下壁26に接している(図7)。
遮蔽板552は、連結部材55の本体部分と上フランジ部551との間に位置する板部分である。図6、図7に示すように、遮蔽板552は、連結部材55の本体部分の上端から斜め上後方へ延び出しており、排気導入管3の排気出口Aに上方から覆い被さっている。連結部材55の後端に連なる上フランジ部551は上壁25に接合されるので、遮蔽板552は、排気出口Aの上方の空間と連結部材55(前フレーム51)の前方側の空間とを遮断する隔壁の役目を果たす。この遮蔽板552によって、前フレーム51と前壁21との間の通路を通して排気出口Aへ戻ろうとする排気フローを遮断することができる。なお、内フレーム53の前端付近には、小孔53Hが穿孔されていない平板部53Fが設けられている。このため、排気出口Aの上方は遮蔽板552で、左右側方は平板部53Fで囲まれており、一層排気フローの遮断効果が高められている。
結合部材56は、第1フレーム枠5Aと第2フレーム枠5Bとを、後壁22に近い部分において両者の下方位置で結合する部材である。結合部材56は、左右の内フレーム53の下端付近同士を、後壁22寄りの位置において繋いでいる。結合部材56は、下壁26に接するように配置されている(図6)。これは、結合部材56が、排気出口Aから吐出される排気フローの抵抗にならないようにするためである。
第1フレーム枠5Aと第2フレーム枠5Bとは、前側付近が上記の連結部材55で、後側付近が結合部材56で、それぞれ連結一体化される。また、排気導入管3は連結部材55で支持され、第1、第2排気導出管4A、4Bは第1、第2フレーム枠5A、5Bで支持されている。従って、排気導入管3、第1、第2排気導出管4A、4B及び第1、第2フレーム枠5A、5Bが、連結部材55及び結合部材56により一体化された状態とすることができる。このため、これら構成部品を予めアセンブリした上で、消音器本体20に取り付けることが可能となり、製造効率を高めることができる。
<排気通路>
排気通路7は、排気出口Aと第1、第2排気入口B1、B2との間において、消音器本体20の壁部と第1、第2フレーム枠5A、5Bとによって形成される、消音空間S内における排気の通路である。排気出口Aから吐出された排気は、その大部分が排気通路7を通過して第1、第2排気入口B1、B2へ至る。図4を主に参照して、排気通路7は、中央通路71(中央通路部分)、後方通路72(後方通路部分)、右側方通路73A(第1側方通路部分)及び左側方通路73B(第2側方通路部分)を含む。
中央通路71は、第1、第2フレーム枠5A、5Bとの間に形成される通路である。詳しくは中央通路71は、排気導入管3を挟んで対峙している左右の内フレーム53間に形成され、前後方向に延びる通路である。後方通路72は、消音器本体20の後壁22と、左右の後フレーム52(枠部材の一部)との間に形成され、左右方向に延びる通路である。中央通路71の下流端が後方通路72の左右方向中央に合流するように、両通路71、72はT字型に交差している。
右側方通路73Aは、右壁23と第1フレーム枠5Aの外フレーム54(第1枠部材の一部)との間に形成され、前後方向に延びる通路である。左側方通路73Bは、左壁24と第2フレーム枠5Bの外フレーム54(第2枠部材の一部)との間に形成され、前後方向に延びる通路である。右側方通路73Aの上流端は後方通路72の右下流端に連なり、左側方通路73Bの上流端は後方通路72の左下流端に連なっている。一方、右側方通路73Aの下流端付近には第1排気入口B1が、左側方通路73Bの下流端付近には第2排気入口B2が、それぞれ開口している。
排気出口Aから吐出された排気は上壁25に吹き当たるが(図6)、中央通路71にガイドされて、後壁22に向かう排気フローFを形成する。その後、排気フローFは、後壁22に吹き当たることで右方に向かう第1排気フローF1と、左方に向かう第2排気フローF2とに分流される。第1排気フローF1は、後方通路72の右半分を通過して、右壁23方向へ向かう。そして、後壁22と右壁23とが交差する角部がラウンド形状とされていることも相俟って、第1排気フローF1は右側方通路73Aにスムースに入る。しかる後、第1排気フローF1は右側方通路73Aを前方に進み、第1排気入口B1へ至る。同様に、第2排気フローF2は、後方通路72の左半分を通過して左壁24方向へ向かい、左側方通路73Bへ入る。そして、第2排気フローF2は左側方通路73Bを前方に進み、第2排気入口B2へ至る。その後、排気は第1、第2排気導出管4A、4Bを通過し、それぞれ第1、第2出口開口C1、C2から外部へ放出されるものである。
[作用効果等]
以上説明したメイン消音装置2によれば、次のような作用効果を奏する。まず、第1、第2排気導出管4A、4Bが、吸音材6が充填される吸音室Rを経由する吸音配管部である湾曲管43を有する。このため、湾曲管43を通過する第1、第2排気フローF1、F2に気流音が発生したとしても、該気流音は吸音材6で吸音されるので、消音効果を得ることができる。
また、排気出口Aから第1、第2排気入口B1、B2までの間において第1、第2排気フローF1、F2が流通する排気通路7、すなわち中央通路71、後方通路72、右側方通路73A及び左側方通路73Bを区画している後フレーム52、内フレーム53及び外フレーム54、さらに前フレーム51は、それぞれの壁面の実質的に全域に、吸音室Rと排気通路7とを連通させる多数の小孔52H、53H、54H、51Hが穿孔されている。このため、排気通路7を通過する第1、第2排気フローF1、F2に気流音が発生したとしても、小孔51H〜54Hを通して吸音室R内の吸音材6に吸音される。従って、排気出口Aから第1、第2排気入口B1、B2へ向かう排気フローによる気流音も消音することができる。
消音器本体20は、上壁25及び下壁26が、それぞれ排気導入管3及び第1、第2排気導出管4A、4Bに隣接する偏平な形状を有する。そして、第1、第2フレーム枠5A、5Bは、上壁25と下壁26との間に延びているフレーム51〜54によって形成されている。このため、排気を排気通路7からさほど漏らすことなく、排気出口Aから第1、第2排気入口B1、B2まで案内することができる。従って、小孔51H〜54Hを通した吸音材6の吸音効果を確実に享受することができる。これに加え、扁平な形状を有する消音器本体20の上下方向の剛性を、吸音室Rを区画する第1、第2フレーム枠5A、5Bによって高めることができる。
湾曲管43は、吸音室Rの上方領域に対応する上面部分にのみ小孔43Hを有する。その一方で、第1、第2フレーム枠5A、5Bの小孔51H〜54Hは、フレーム51〜54の実質的に上下全領域に穿孔され、また吸音材6は、吸音室Rの全領域に充填されている。このため、エンジン1での燃焼により発生する水が消音器本体20の下壁26に滞留したとしても、当該滞留水は湾曲管43内へ進入することはない。逆に、湾曲管43の管内に存在する水は消音空間S内には漏れ出さない。従って、水の逆流の問題を防止することができる。その一方で、フレーム51〜54の上下幅をフル活用して小孔51H〜54Hが穿孔されているので、第1、第2排気フローF1、F2の気流音を良好に吸音室Rへ取り込むことができる。
排気出口Aは前壁21付近に配置され、第1、第2排気入口B1、B2は前壁21の近傍であって右壁23、左壁24の近傍に配置され、排気通路は、中央通路71、後方通路72、右側方通路73A及び左側方通路73Bを含む大回りの経路を備えている。このため、排気出口Aと第1、第2排気入口B1、B2は、第1、第2排気フローF1、F2の流通経路において遠ざけられており、排気導入管3の排気騒音を第1、第2排気導出管4A、4Bへ伝達し難くすることができる。また、排気は後方通路72を経由して第1、第2排気入口B1、B2に向かうので、排気出口Aと第1、第2排気入口B1、B2への短絡的な排気フローの発生を防止することができる。さらに、後方通路72を経由する分、排気通路7も長くなるので、第1、第2フレーム枠5A、5Bの小孔51H〜54Hを通した吸音材6による消音効果をより高めることができる。
また、メイン消音装置2は、第1フレーム枠5Aと第2フレーム枠5Bとを、消音器本体20の前壁21付近において連結する連結部材55を備える。排気導入管3は、連結部材3で支持されている。このように、第1、第2フレーム枠5A、5Bを連結させることで、両フレーム枠の支持剛性を高めることができる。また、連結部材55に排気導入管3の支持機能を具備させることで、部品点数を削減することができる。さらに、第1、第2フレーム枠5A、5Bの前フレーム51を連結部材55で一体的に構成とすることで、一層の部品点数削減に貢献できる。
さらに、メイン消音装置2は、排気出口Aの周囲を囲う遮蔽板552を備える。この遮蔽板552によって、一旦は排気通路7を経由して第1、第2排気入口B1、B2に向かった排気が、再び排気出口A付近に戻り、排気通路7を再循環することを防止できる。すなわち、排気圧の上昇を抑制することができる。
[変形実施形態の説明]
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、以下に示すような種々の変形実施形態を取ることができる。
(1)上記実施形態では、第1、第2排気導出管4A、4Bの一部を構成する湾曲管43が、吸音室Rを経由する吸音配管部である例を示した。吸音配管部は、第1、第2排気導出管4A、4Bの他の配管部、すなわち第1直線管41又は第2直線管42としても良い。或いは、排気導入管3の一部を吸音配管部としても良い。
(2)上記実施形態では、排気導入管3と、その左右両側に第1、第2排気導出管4A、4Bがシンメトリーに配置され、第1、第2排気導出管4A、4Bが第1、第2直線管41、42及び湾曲管43を備える例を示した。これは一例であり、排気導出管が1本の形態としても良い。また、第1、第2直線管41、42及び湾曲管43が排気導入管3に備えられている態様としても良い。或いは、第1、第2排気導出管4A、4B乃至は排気導入管3が、湾曲管43を備えない態様としても良い。
(3)第1、第2フレーム枠5A、5Bの小孔51H〜54Hは、フレーム51〜54の実質的に上下全領域ではなく、一部に穿孔する態様としても良い。また、水の逆流の問題が生じないならば、湾曲管43の全周に小孔43Hを穿孔する態様としても良い。
1 エンジン
10 排気装置
2 メイン消音装置(排気消音装置)
20 消音器本体
21 前壁21
22 後壁22
23 右壁23(側壁)
24 左壁24(側壁)
25 上壁25
26 下壁26
3 排気導入管
4A 第1排気導出管
4B 第2排気導出管
43 湾曲管(吸音配管部)
43H 小孔
5 吸音室フレーム枠
5A 第1フレーム枠
5B 第2フレーム枠
55 連結部材
552 遮蔽板
56 結合部材
6 吸音材
7 排気通路7
71 中央通路(中央通路部分)
72 後方通路(後方通路部分)
73A 右側方通路(第1側方通路部分)
73B 左側方通路(第2側方通路部分)
S 消音空間
R 吸音室
A 排気出口
B1 第1排気入口
B2 第2排気入口

Claims (4)

  1. 車両のエンジンの排気が導入される消音空間を形成する壁部を有する消音器本体と、
    吸音材と、
    前記消音空間内において前記吸音材が充填される吸音室を区画する枠部材と、
    排気出口を有し、前記消音空間へ前記排気を導入する排気導入管と、
    排気入口を有し、前記消音空間から前記排気を外部へ放出する排気導出管と、
    前記排気出口と前記排気入口との間において、前記消音器本体の壁部と前記枠部材とによって形成される排気通路と、を備え、
    前記排気導入管又は前記排気導出管の少なくとも一方が、前記吸音室を経由する吸音配管部を有し、
    前記枠部材は、前記吸音室と前記排気通路とを連通させる多数の小孔を有し、
    前記消音器本体の壁部は、車両前後方向に並ぶ前壁及び後壁と、車幅方向に並ぶ一対の側壁と、車両上下方向に並ぶ上壁及び下壁とを含み、
    前記消音器本体は、前記上壁及び前記下壁が、それぞれ前記排気導入管及び前記排気導出管に隣接する偏平な形状を有し、
    前記枠部材は、前記上壁と前記下壁との間に延び、
    前記排気導入管は前記前壁を貫通し、前記排気出口は前記排気が前記後壁に向かう方向に配向され、
    前記排気通路は、前記後壁と、前記枠部材の一部とで形成される後方通路部分を含み、
    前記排気入口は、前記前壁の近傍に配置され、
    前記排気導出管は、各々排気入口を有する第1排気導出管及び第2排気導出管を含み、
    前記排気導入管は、車幅方向中央付近において前記前壁を貫通し、
    前記枠部材は、前記排気導入管と一方の側壁との間に配置される第1枠部材と、前記排気導入管と他方の側壁との間に配置される第2枠部材とを含み、
    前記排気通路は、前記第1枠部材と前記第2枠部材との間の中央通路部分と、前記一方の側壁と前記第1枠部材の一部とで形成される第1側方通路部分と、前記他方の側壁と前記第2枠部材の一部とで形成される第2側方通路部分と、をさらに含む、エンジンの排気消音装置。
  2. 請求項1に記載のエンジンの排気消音装置において、
    前記第1枠部材と前記第2枠部材とを前記前壁付近において連結する連結部材をさらに備え、
    前記排気導入管は、前記連結部材で支持されている、エンジンの排気消音装置。
  3. 請求項2に記載のエンジンの排気消音装置において、
    前記第1排気導出管は前記第1枠部材で支持され、前記第2排気導出管は前記第2枠部材で支持され、
    前記第1枠部材と前記第2枠部材とを前記後壁に近い部分において下方位置で結合する結合部材をさらに備える、エンジンの排気消音装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジンの排気消音装置において、
    前記排気導入管の前記排気出口は、上方に向けて開口しており、
    前記排気出口の周囲を囲う遮蔽板をさらに備える、エンジンの排気消音装置。
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