JP6456118B2 - 荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法 - Google Patents

荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法 Download PDF

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Description

本発明は、荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法に係り、例えば、データ変換時にAU(アドレスユニット)の最小単位に丸められることで生じる誤差(AU誤差)を補正する装置および方法に関する。
半導体デバイスの微細化の進展を担うリソグラフィ技術は半導体製造プロセスのなかでも唯一パターンを生成する極めて重要なプロセスである。近年、LSIの高集積化に伴い、半導体デバイスに要求される回路線幅は年々微細化されてきている。これらの半導体デバイスへ所望の回路パターンを形成するためには、高精度の原画パターン(レチクル或いはマスクともいう。)が必要となる。ここで、電子線(EB:Electron beam)描画技術は本質的に優れた解像性を有しており、高精度の原画パターンの生産に用いられる。
図9は、可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。可変成形型電子線描画装置は、以下のように動作する。第1のアパーチャ410には、電子線330を成形するための矩形の開口411が形成されている。また、第2のアパーチャ420には、第1のアパーチャ410の開口411を通過した電子線330を所望の矩形形状に成形するための可変成形開口421が形成されている。荷電粒子ソース430から照射され、第1のアパーチャ410の開口411を通過した電子線330は、偏向器により偏向され、第2のアパーチャ420の可変成形開口421の一部を通過して、所定の一方向(例えば、X方向とする)に連続的に移動するステージ上に搭載された試料340に照射される。すなわち、第1のアパーチャ410の開口411と第2のアパーチャ420の可変成形開口421との両方を通過できる矩形形状が、X方向に連続的に移動するステージ上に搭載された試料340の描画領域に描画される。第1のアパーチャ410の開口411と第2のアパーチャ420の可変成形開口421との両方を通過させ、任意形状を作成する方式を可変成形方式(VSB方式)という。
まず、描画したい図形パターンが配置されたレイアウトデータ(設計データ)が作成されると、描画装置に入力可能なフォーマットの描画データへとデータ変換される。そして、かかる描画データが描画装置に入力されると、描画装置では、描画データを複数段のデータ変換処理を行って、描画データに定義された図形パターンを1回のビームのショットで照射可能な複数のショット図形に分割する。かかる複数のショット図形を繋ぎ合わせることで、レイアウトデータに定義された設計上の図形パターンを試料上に描画する。かかる一連の処理の際、データ上の図形サイズが、いくつかのデータ変換処理の前後でAU(アドレスユニット)にずれが生じるため、最終的に描画される各ショット図形のサイズにかかるデータ変換時にAU(アドレスユニット)の最小単位に丸められることで生じるAU誤差に起因した誤差が生じる。その結果、レイアウトデータで定義した図形パターンのサイズに対して最終的に描画される図形パターンのサイズに誤差が生じる。AU誤差は、直接的には補正することが困難である。従来、ショットサイズに対して、かかる誤差のサイズが相対的に無視できる程度であったため、考慮されてこなかった。しかし、昨今のパターンの微細化に伴って、ショットサイズの微細化も進んでいる。
一方で、電子ビーム描画では、電子ビームをレジストが塗布されたマスクに照射して回路パターンを描画する場合、電子ビームがレジスト層を透過してその下の層に達し、再度レジスト層に再入射する後方散乱による近接効果と呼ばれる現象が生じてしまう。これにより、描画の際、所望する寸法からずれた寸法に描画されてしまう寸法変動が生じてしまう。かかる現象を回避するために、描画装置内では、近接効果補正演算を行って、例えば、照射量を変調することでかかる寸法変動を抑制することが行われる。
従来の近接効果補正演算では、最終的に描画されるショット図形のサイズについては考慮されてこなかった。しかし、かかるショットサイズの微細化に伴い、かかるAU誤差が、近接効果に与える影響が大きくなってきている。そのため、従来の手法で近接効果補正演算を行って、照射量を変調しても、近接効果補正に補正残差が生じてしまうといった問題があった。
なお、ショット図形をサイズに応じて予め決められたリサイズ値でリサイズして、リサイズ処理されたショット図形に基づいて近接効果補正量を算出するという技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、AU誤差は、そもそもリサイズが困難な誤差であり、かかる技術によっても上述した問題を解決することは困難である。
特開2012−019066号公報
そこで、本発明は、かかる問題を克服しAU誤差に起因する近接効果の補正残差を抑制することが可能な描画装置および方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様の荷電粒子ビーム描画装置は、
形パターンを用いて、近接効果密度を演算する近接効果密度演算部と、
設計上の図形パターンに対する描画される図形パターンの近接効果密度の誤差を補正する補正項を演算する補正項演算部と、
補正項を用いて、近接効果を補正する近接効果補正照射係数を演算する近接効果補正照射係数演算部と、
近接効果補正照射係数を用いて、荷電粒子ビームの照射量を演算する照射量演算部と、
照射量の荷電粒子ビームを用いて試料上に図形パターンを描画する描画部と、
を備えたことを特徴とする。
また、補正項は、設計上の図形パターンに対する描画される図形パターンのパターン密度の誤差値であると好適である。
本発明の他の態様の荷電粒子ビーム描画装置は、
図形パターンを、1回の荷電粒子ビームのショットで照射可能なサイズの複数のショット図形に分割するショット分割部と、
前記複数のショット図形が実際に描画される場合のAU(アドレスユニット)ずれの情報を記憶する記憶装置と、
前記記憶装置から前記AUずれの情報を読み出し、前記AUずれの情報と分割された前記複数のショット図形を用いて、かかる複数のショット図形が実際に描画される場合のAU誤差を考慮したパターン密度を演算するパターン密度演算部と、
複数のショット図形を用いて演算されたパターン密度を用いて、近接効果を補正する近接効果補正照射係数を演算する近接効果補正照射係数演算部と、
近接効果補正照射係数を用いて、荷電粒子ビームの照射量を演算する照射量演算部と、
照射量の荷電粒子ビームを用いて試料上に図形パターンを描画する描画部と、
を備えると好適である。
また、本発明の一態様の荷電粒子ビーム描画方法は、
形パターンを用いて、近接効果密度を演算する工程と、
設計上の図形パターンに対する描画される図形パターンの近接効果密度の誤差を補正する補正項を演算する工程と、
補正項を用いて、近接効果を補正する近接効果補正照射係数を演算する工程と、
近接効果補正照射係数を用いて、荷電粒子ビームの照射量を演算する工程と、
照射量の荷電粒子ビームを用いて試料上に図形パターンを描画する工程と、
を備えたことを特徴とする。
また、本発明の他の態様の荷電粒子ビーム描画方法は、
図形パターンを、1回の荷電粒子ビームのショットで照射可能なサイズの複数のショット図形に分割する工程と、
前記複数のショット図形が実際に描画される場合のAU(アドレスユニット)ずれの情報を記憶する記憶装置から前記AUずれの情報を読み出し、前記AUずれの情報と分割された前記複数のショット図形を用いて、かかる複数のショット図形が実際に描画される場合のAU誤差を考慮したパターン密度を演算する工程と、
複数のショット図形を用いて演算されたパターン密度を用いて、近接効果を補正する近接効果補正照射係数を演算する工程と、
近接効果補正照射係数を用いて、荷電粒子ビームの照射量を演算する工程と、
照射量の荷電粒子ビームを用いて試料上に図形パターンを描画する工程と、
を備えたことを特徴とする。
本発明の一態様によれば、AU誤差に起因する近接効果の補正残差を抑制できる。よって、精度の高い寸法でパターンを描画できる。
実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。 実施の形態1における各領域を説明するための概念図である。 実施の形態1におけるショット図形のAU誤差の一例を示す図である。 実施の形態1におけるショット図形の設計上のサイズと実際に生成されるサイズとの関係を示す図である。 実施の形態1における描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。 実施の形態2における描画装置の構成を示す概念図である。 実施の形態2における描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。 実施の形態2におけるΔρ(x)の計算手法を説明するための図である。 可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。
以下、実施の形態では、荷電粒子ビームの一例として、電子ビームを用いた構成について説明する。但し、荷電粒子ビームは、電子ビームに限るものではなく、イオンビーム等の荷電粒子を用いたビームでも構わない。また、荷電粒子ビーム装置の一例として、可変成形型の描画装置について説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。図1において、描画装置100は、描画部150と制御部160を備えている。描画装置100は、荷電粒子ビーム描画装置の一例である。特に、可変成形型(VSB型)の描画装置の一例である。描画部150は、電子鏡筒102と描画室103を備えている。電子鏡筒102内には、電子銃201、照明レンズ202、ブランキング偏向器(ブランカー)212、ブランキングアパーチャ214、第1の成形アパーチャ203、投影レンズ204、成形偏向器205、第2の成形アパーチャ206、対物レンズ207、主偏向器208、及び副偏向器209が配置されている。描画室103内には、少なくともXY方向に移動可能なXYステージ105が配置される。XYステージ105上には、レジストが塗布された描画対象となる試料101(基板)が配置される。試料101には、半導体装置を製造するための露光用のマスクやシリコンウェハ等が含まれる。マスクにはマスクブランクスが含まれる。
制御部160は、制御計算機110、メモリ112、偏向制御回路120、DAC(デジタル・アナログコンバータ)アンプユニット130,132(偏向アンプ)、及び磁気ディスク装置等の記憶装置140,142,144を有している。制御計算機110、メモリ112、偏向制御回路120、及び記憶装置140,142,144は、図示しないバスを介して互いに接続されている。偏向制御回路120にはDACアンプユニット130,132が接続されている。DACアンプユニット130は、ブランキング偏向器212に接続されている。DACアンプユニット132は、成形偏向器205に接続されている。主偏向器208、及び副偏向器209用のDACアンプユニットについては、記載を省略している。
また、制御計算機110内には、ショット分割部64、割り当て処理部66、ρ’(x)演算部68、U’(x)演算部70、Dp(x)演算部72、D(x)演算部74、照射時間t(x)演算部76、及び、描画制御部78が配置される。ショット分割部64、割り当て処理部66、ρ’(x)演算部68、U’(x)演算部70、Dp(x)演算部72、D(x)演算部74、照射時間t(x)演算部76、及び、描画制御部78といった各機能は、プログラムといったソフトウェアで構成されても良い。或いは、電子回路等のハードウェアで構成されてもよい。或いは、これらの組み合わせであってもよい。制御計算機110内に必要な入力データ或いは演算された結果はその都度メモリ112に記憶される。
描画データが描画装置100の外部から入力され、記憶装置140に格納されている。また、後述する各AUずれ情報が描画装置100の外部から入力され、記憶装置144に格納されている。AUずれ情報には、各データのデータフォーマットのAUの最小単位AUunitの情報が含まれる。
ここで、図1では、実施の形態1を説明する上で必要な構成を記載している。描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成を備えていても構わない。
図2は、実施の形態1における各領域を説明するための概念図である。図2において、試料101の描画領域10は、主偏向器208の偏向可能幅で、例えばy方向に向かって短冊状に複数のストライプ領域20に仮想分割される。また、各ストライプ領域20は、副偏向器209の偏向可能サイズで、メッシュ状に複数のサブフィールド(SF)30(小領域)に仮想分割される。そして、各SF30内の各ショット位置42にショット図形が描画される。
偏向制御回路120からDACアンプユニット130に対して、ブランキング制御用のデジタル信号が出力される。そして、DACアンプユニット130では、デジタル信号をアナログ信号に変換し、増幅させた上で偏向電圧として、ブランキング偏向器212に印加する。かかる偏向電圧によって電子ビーム200が偏向させられ、各ショットのビームが形成される。
偏向制御回路120からDACアンプユニット132に対して、成形偏向制御用のデジタル信号が出力される。そして、DACアンプユニット132では、デジタル信号をアナログ信号に変換し、増幅させた上で偏向電圧として、成形偏向器205に印加する。かかる偏向電圧によって電子ビーム200が偏向させられ、各ショットのビームの図形種とサイズが決定される。
描画装置100では、複数段の偏向器を用いて、ストライプ領域20毎に描画処理を進めていく。ここでは、一例として、主偏向器208、及び副偏向器209といった2段偏向器が用いられる。XYステージ105が例えば−x方向に向かって連続移動しながら、1番目のストライプ領域20についてx方向に向かって描画を進めていく。そして、1番目のストライプ領域20の描画終了後、同様に、或いは逆方向に向かって2番目のストライプ領域20の描画を進めていく。以降、同様に、3番目以降のストライプ領域20の描画を進めていく。そして、主偏向器208が、XYステージ105の移動に追従するように、SF30の基準位置Aに電子ビーム200を順に偏向する。また、副偏向器209(第2の偏向器)が、各SF30の基準位置Aから、当該SF30内に照射されるビームのショット位置42に電子ビーム200を偏向する。このように、主偏向器208、及び副偏向器209は、サイズの異なる偏向領域をもつ。
図3は、実施の形態1における図形パターンのAU誤差の一例を示す図である。上述したように、設計上の図形パターンが配置されたレイアウトデータが、描画装置100に入力可能なフォーマットの描画データに変換され、かかる描画データが描画装置に入力される。レイアウトデータと描画データではデータフォーマットが異なるため、変換の際、AU(アドレスユニット)にずれが生じる。その結果、定義される図形パターンのサイズにもデータ変換時にAU(アドレスユニット)の最小単位に丸められることで生じるAU誤差(a)が生じる。さらに、描画装置100では、描画データを複数段のデータ変換処理を行って、描画データ上の図形パターンを1回のビームのショットで照射可能な複数のショット図形に分割する。かかる複数のショット図形を繋ぎ合わせることで、設計上の図形パターンを試料上に描画する。かかるショット図形に分割する際、ショット図形のデータフォーマットが描画データと異なるため、変換の際、AUにずれが生じる。その結果、分割されたショット図形のサイズにもAU誤差(b)が生じる。さらに、ショット図形を定義したショットデータが、ビーム成形する偏向電圧を生成するDACアンプ132でデジタル信号をアナログ信号に変換する際にも、DACアンプ132のデジタル信号のAUがショットデータ上のAUと異なる場合があるため、AUにずれが生じる。その結果、描画されるショット図形のサイズにさらにAU誤差(c)が生じる。このように、レイアウトデータ上(設計上)の段階から実際に描画される段階までの間に、AU誤差(a)からAU誤差(c)といった複数のAU誤差(例えば、3回のAU誤差)が積み重なり得る。図3の例では、設計上の理想的な矩形の図形50に対して、実際に生成される図形52は、AU誤差δ分だけ、例えば、小さくなり、サイズに誤差が生じる。
図4は、実施の形態1における設計上の図形パターンのサイズと変換後の図形パターンのサイズとの関係を示す図である。図4の例では、上述した例えば3回のAU誤差発生原因となる各工程において、それぞれ、例えば、設計上の理想的な図形サイズLに対して、変換後の図形は、図4(a)に示すサイズL’、若しくは図4(b)に示すサイズL’となる。その際、設計上の理想的な図形サイズLと、AUの最小単位AUunitと、描画の最初(もしくはストライプ領域を描画する毎)のオフセット調整後に残る誤差Δが決まれば、データ変換前後のAUの差により丸められることで図4(a)に示すAU誤差δ1或いは図4(b)に示すAU誤差δ2が求まる。誤差Δは、オフセット調整後の描画の最初、もしくはストライプ領域を描画する毎に得られる。なお、サイズL’=L’となるが、δ1≠δ2となる。図形サイズLが小さい方が、大きい場合に比べて、変換後の図形のサイズへ誤差が与える影響は大きくなる。なお、複数の処理工程で生じるAU誤差の値は、処理工程毎に異なることは言うまでもない。
一連のAU誤差のうち、AU誤差(b)とAU誤差(c)の合成後のAU誤差を例えば0.05nmとすると、ショットサイズ10nmの50%ラインアンドスペースパターンに対して、最大−0.05nmの寸法誤差が生じると、実際に描画されるショット図形(ライン部)のサイズは、9.95nmとなり、逆にスペース部のサイズは、10.05nmになる。よって、描画データ上のパターン密度50%に対して、実際に描画されるパターンは、49.75%のパターン密度(面積率)となる。例えば、近接効果補正係数ηについて、η=0.5にしたとき、近接効果補正時の近接効果補正照射係数Dp(x)は、簡易計算を行うと、以下の式(1)で定義できる。
Figure 0006456118
近接効果密度U(x)は、パターン密度ρ(x)と分布関数g(x)を用いて、以下の式(2)で定義できる。分布関数g(x)として、例えば、ガウシアン関数を用いると好適である。
Figure 0006456118
ここで、設計上、50%ラインアンドスペースパターンなので、近接効果補正係数ηは0.5とし、近接効果密度U(x)も0.5とする。かかる場合、Dp=(1/2+0.5)/(1/2+0.5×0.5)となる。
一方、実際に描画されるショット図形では、パターン密度が49.75%なので、近接効果密度U(x)は、0.4975となる。かかる場合、Dp’=(1/2+0.5)/(1/2+0.5×0.4975)となる。よって、Dp’/Dp=1.0017となり、誤差が最大で0.17%生じることになる。
他方、近接効果補正演算において、尤度DL=0.8〜1.0nm/%doseを仮定すると、かかる0.17%の誤差によって、近接効果補正でのCD誤差は、0.14〜0.17nmとなる。よって、AU誤差に起因する近接効果補正誤差(残差)は、AU誤差に起因する実際に描画された図形サイズ誤差0.05nmの約3倍の誤差が生じることになる。よって、実施の形態1では、かかるAU誤差に起因する近接効果の補正残差を抑制する。
なお、レイアウトデータと描画データとの間でのAUずれの情報と、描画データとショットデータの間でのAUずれの情報と、ショットデータとDACアンプ制御データとの間でのAUずれの情報とは、それぞれの仕様が定まれば、予め、描画装置100に入力できる。よって、AUの最小単位AUunitがわかる。また、描画の最初(もしくはストライプ領域を描画する毎)のオフセット調整後に残る誤差Δは、オフセット調整後に、描画制御部78から入力すればよい。よって、描画データに定義される図形パターン毎に、当該図形パターンについてのAU誤差(a)からAU誤差(c)といった複数のAU誤差のそれぞれに起因する寸法ずれ量が演算できる。同様に、当該図形パターンがショット分割された後の各ショット図形についてのAU誤差(a)からAU誤差(c)といった複数のAU誤差のそれぞれに起因する寸法ずれ量が演算できる。よって、実施の形態1では、かかるAU誤差を事前に考慮して、近接効果補正計算を行う。なお、実施の形態1では、描画データに定義された既にAU誤差(a)が生じている図形パターンに基づく近接効果の補正残差を抑制するので、描画データとショットデータの間でのAUずれの情報と、ショットデータとDACアンプ制御データとの間でのAUずれの情報とがあれば足りる。よって、レイアウトデータと描画データとの間でのAUずれの情報は記憶装置144に格納されていなくてもよい。
図5は、実施の形態1における描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。図5において、実施の形態1における描画方法は、ショット分割工程(S102)と、割り当て工程(S104)と、パターン密度ρ’(x)演算工程(S204)と、近接効果密度U’(x)演算工程(S206)と、近接効果補正照射係数Dp(x)演算工程(S210)と、照射量D(x)演算工程(S214)と、描画工程(S220)と、いう一連の工程を実施する。かかる一連の各工程はストライプ領域毎に実施される。すなわち、前のストライプ領域の描画工程(S220)が終了する前に次のストライプ領域のショット分割工程(S102)から照射量D(x)演算工程(S214)までの各工程が終了するようにリアルタイム処理が実施される。その際、描画制御部78は、当該ストライプ領域用のパターン密度ρ’(x)演算工程(S204)が開示されるまでに当該ストライプ領域のオフセット調整を終了させておく。これにより、オフセット調整後の誤差Δを得ることができる。
ショット分割工程(S102)として、ショット分割部64は、記憶装置140から描画データを読み出し、描画データに定義された図形パターンを、1回の電子ビーム200のショットで照射可能なサイズの複数のショット図形に分割する。描画データは、例えば、描画対象チップのチップ領域を短冊上に仮想分割されたフレーム領域毎にファイル構成されている。また、チップには複数の図形パターンが配置されるが、描画装置100では、1回のビームショットで形成可能なサイズが限られている。そのため、データ変換処理の中で、各図形パターンは、1回のビームショットで形成可能なショット図形に分割される。かかるショット分割の際、各ショット図形のサイズには、データ変換時にAUの最小単位に丸められることで生じるAU誤差δが含まれる。
割り当て工程(S104)として、割り当て処理部66は、各ショット図形を試料101の描画領域が仮想分割された所定のサイズの複数のメッシュ領域のうち該当するメッシュ領域に割り当てる。これにより、各ショット図形の図形種、サイズ、位置等がショットデータとして生成される。ショットデータは、順次、記憶装置142に格納される。かかるメッシュ領域のサイズは、近接効果補正用のメッシュ(近接効果メッシュ)よりもサイズが小さい。近接効果メッシュは、近接効果の影響半径の例えば1/10程度に設定される。例えば、1μm程度である。これに対して、ショット分割されたショット図形を割り当てるメッシュ領域のサイズは、かかる1μmよりも小さいサイズに設定される。
パターン密度ρ’(x)演算工程(S204)として、ρ’(x)演算部68は、分割された複数のショット図形を用いて、パターン密度ρ’(x)を演算する。具体的には、メッシュ領域毎のパターン密度ρ’(x)を演算する。ショット分割されたショット図形のサイズには、レイアウトデータが描画データに変換される際に生じるAU誤差(a)とショット分割される際に生じるAU誤差(b)とが含まれる。しかし、DACアンプ132で偏向電圧に変換される際に生じるAU誤差(c)は含まれていない。そこで、ρ’(x)演算部68は、分割された複数のショット図形が実際に描画される場合のAU誤差(c)を考慮したパターン密度ρ’(x)を演算する。AU誤差(c)については、ショットデータとDACアンプ制御データとの間でのAUずれの情報を記憶装置144から読み出し、かかるAUずれの情報と、当該ストライプ領域のオフセット調整後の誤差Δと、ショット図形のサイズ及び位置とを用いて演算可能である。そして、これにより、積み重ねられたAU誤差が含まれた、最終的に描画されるショット図形を用いたパターン密度ρ’(x)が演算できる。
次に、演算されたパターン密度ρ’(x)を用いて、近接効果を補正する近接効果補正照射係数Dp(x)を演算する。そのために、まず、近接効果密度U(x)を演算する。
近接効果密度U’(x)演算工程(S206)として、U’(x)演算部70は、積み重ねられたAU誤差が含まれた、最終的に描画されるショット図形を用いたパターン密度ρ’(x)を用いて、近接効果密度U’(x)を演算する。近接効果密度U’(x)は、ショット図形を用いたパターン密度ρ’(x)と分布関数g(x)を用いて、以下の式(3)で定義できる。分布関数g(x)として、例えば、ガウシアン関数を用いると好適である。かかる近接効果密度U’(x)の演算は、近接効果補正用のメッシュ(近接効果メッシュ)よりもサイズが小さいショット分割用の上述したメッシュ領域単位で実施すればよい。
Figure 0006456118
かかる近接効果密度U’(x)は、積み重ねられた例えば複数のAU誤差が含まれた、最終的に描画されるショット図形に基づいた値となる。
近接効果補正照射係数Dp(x)演算工程(S210)として、Dp(x)演算部72は、複数のショット図形を用いて演算されたパターン密度ρ’(x)を用いて、近接効果を補正する近接効果補正照射係数Dp(x)を演算する。近接効果補正照射係数Dp(x)は、以下の式(4)で定義できる。かかる演算により求められた近接効果補正照射係数Dp(x)は、積み重ねられた例えば複数のAU誤差が含まれた、最終的に描画されるショット図形に基づいた値となる。よって、積み重ねられた例えば複数のAU誤差に起因する近接効果の補正残差を抑制できる。
Figure 0006456118
上述した例では、近接効果密度U’(x)を演算した後に、近接効果補正照射係数Dp(x)を演算しているが、これに限るものではなく、近接効果密度U’(x)の項を含めた近接効果補正照射係数Dp(x)を同時に演算しても構わない。
照射量D(x)演算工程(S214)として、D(x)演算部74は、近接効果補正照射係数Dp(x)を用いて、電子ビームの照射量D(x)を演算する。照射量D(x)は、近接効果補正照射係数Dp(x)と基準照射量Dbを用いて、以下の式(5)で定義できる。
Figure 0006456118
そして、照射時間t(x)演算部76は、得られた照射量D(x)を電流密度Jで割ることで照射時間を演算する。演算された照射時間データ(照射量データ)は、記憶装置142に格納される。
描画工程(S220)として、描画制御部86は、偏向制御回路120等を介して描画部150を制御して、描画処理を開始する。描画部150は、演算された照射量D(x)の電子ビーム200を用いて試料101上に図形パターンを描画する。具体的には、以下のように動作する。偏向制御回路120は、記憶装置142に格納された照射時間データを取得する。そして、偏向制御回路120は、ショット毎の照射時間を制御するデジタル信号をDACアンプユニット130に出力する。そして、DACアンプユニット130は、デジタル信号をアナログ信号に変換し、増幅した上で偏向電圧としてブランキング偏向器212に印加する。
電子銃201(放出部)から放出された電子ビーム200は、ブランキング偏向器212内を通過する際にブランキング偏向器212によって、ビームONの状態では、ブランキングアパーチャ214を通過するように制御され、ビームOFFの状態では、ビーム全体がブランキングアパーチャ214で遮へいされるように偏向される。ビームOFFの状態からビームONとなり、その後ビームOFFになるまでにブランキングアパーチャ214を通過した電子ビーム200が1回の電子ビームのショットとなる。ブランキング偏向器212は、通過する電子ビーム200の向きを制御して、ビームONの状態とビームOFFの状態とを交互に生成する。例えば、ビームONの状態では電圧を印加せず、ビームOFFの際にブランキング偏向器212に電圧を印加すればよい。かかる各ショットの照射時間で試料101に照射される電子ビーム200のショットあたりの照射量が調整されることになる。
以上のようにブランキング偏向器212とブランキングアパーチャ214を通過することによって生成された各ショットの電子ビーム200は、照明レンズ202により矩形の穴を持つ第1の成形アパーチャ203全体を照明する。ここで、電子ビーム200をまず矩形に成形する。そして、第1の成形アパーチャ203を通過した第1のアパーチャ像の電子ビーム200は、投影レンズ204により第2の成形アパーチャ206上に投影される。成形偏向器205によって、かかる第2の成形アパーチャ206上での第1のアパーチャ像は偏向制御され、ビーム形状と寸法を変化させる(可変成形を行なう)ことができる。かかる可変成形はショット毎に行なわれ、通常ショット毎に異なるビーム形状と寸法に成形される。そして、第2の成形アパーチャ206を通過した第2のアパーチャ像の電子ビーム200は、対物レンズ207により焦点を合わせ、主偏向器208、及び副偏向器209によって偏向され、連続的に移動するXYステージ105に配置された試料101の所望する位置に照射される。
以上のように、実施の形態1によれば、一連のAU誤差によって、パターンサイズそのものをそれ以上補正することが困難な場合であっても、さらに、近接効果補正でパターンの寸法ずれを広げないようにできる。上述したように、一連のAU誤差に起因する近接効果の補正残差は、一連のAU誤差による描画されるショット図形の寸法誤差よりも大きい。よって、かかる一連のAU誤差に起因する近接効果の補正残差を無くすように演算することで、精度の高い寸法でパターンを描画できる。
実施の形態2.
実施の形態1では、近接効果補正用のメッシュ(近接効果メッシュ)よりもサイズが小さいショット分割用の上述したメッシュ領域単位で実施するため、近接効果メッシュ単位で実施する場合よりも計算領域数が増え、計算時間が長くかかることになる。そこで、実施の形態2では、近接効果メッシュ単位で実施した結果を流用する構成について説明する。
図6は、実施の形態2における描画装置の構成を示す概念図である。図6において、制御計算機110内の構成が異なる点以外は、図1と同様である。制御計算機110内には、近接メッシュ分割部62、ショット分割部64、割り当て処理部66、ρ(x)演算部69、U(x)演算部71、Dp(x)演算部72、D(x)演算部74、t(x)演算部76、描画制御部78、パターン分割部80、及び、Δρ(x)演算部82が配置される。近接メッシュ分割部62、ショット分割部64、割り当て処理部66、ρ(x)演算部69、U(x)演算部71、Dp(x)演算部72、D(x)演算部74、t(x)演算部76、描画制御部78、パターン分割部80、及び、Δρ(x)演算部82といった各機能は、プログラムといったソフトウェアで構成されても良い。或いは、電子回路等のハードウェアで構成されてもよい。或いは、これらの組み合わせであってもよい。制御計算機110内に必要な入力データ或いは演算された結果はその都度メモリ112に記憶される。
図7は、実施の形態2における描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。図7において、実施の形態1における描画方法は、ショット分割工程(S102)と、割り当て工程(S104)と、パターン分割工程(S202)と、パターン密度ρ(x)演算工程(S205)と、近接効果密度U(x)演算工程(S207)と、Δρ(x)演算工程(S208)と、近接効果補正照射係数Dp(x)演算工程(S210)と、照射量D(x)演算工程(S214)と、描画工程(S220)と、いう一連の工程を実施する。ショット分割工程(S102)と割り当て工程(S104)とによる工程グループは、パターン分割工程(S202)とパターン密度ρ(x)演算工程(S205)と近接効果密度U(x)演算工程(S207)とによる工程グループと、並列に実施されると好適である。但し、これに限るものではなく、ショット分割工程(S102)と割り当て工程(S104)との工程グループは、パターン分割工程(S202)とパターン密度ρ(x)演算工程(S205)と近接効果密度U(x)演算工程(S207)との工程グループと、直列に実施されてもよい。また、両工程グループは、いずれが先に実施されても構わない。
ショット分割工程(S102)と、割り当て工程(S104)との内容は実施の形態1と同様である。
パターン分割工程(S202)として、まず、近接メッシュ分割部62は、試料101の描画領域10をメッシュ状の複数の近接効果メッシュ領域に分割する。かかる近接効果メッシュ領域のサイズは、上述したように、近接効果の影響半径の例えば1/10程度に設定される。例えば、1μm程度にすると好適である。次に、パターン分割部80は、記憶装置140から描画データを読み出し、描画データに定義された図形パターンを、近接効果メッシュ領域単位で分割する。近接効果メッシュ領域よりも小さい図形パターンは、分割せずにその近接効果メッシュ領域に割り当てればよいことは言うまでもない。このように、複数のショット図形に分割される前の図形パターンを近接効果メッシュ領域単位で分割する。
パターン密度ρ(x)演算工程(S205)として、ρ(x)演算部69は、近接効果メッシュ領域毎に、パターン密度ρ(x)を演算する。
近接効果密度U(x)演算工程(S207)として、U(x)演算部71は、複数のショット図形に分割される前の図形パターンを用いて、近接効果密度U(x)を演算する。近接効果密度U(x)は、上述した式(2)で定義できる。
Δρ(x)演算工程(S208)として、Δρ(x)演算部82は、複数のショット図形に分割される前の図形パターンを用いたパターン密度ρ(x)と、最終的に描画されるショット図形を用いた場合のパターン密度ρ’(x)との差分Δρ(x)を演算する。上述した近接効果密度U(x)は、描画データに定義された図形パターンに基づいて演算されているので、レイアウトデータが描画データに変換される際に生じるAU誤差(a)は含まれている。しかし、ショット分割される際に生じるAU誤差(b)と、DACアンプ132で偏向電圧に変換される際に生じるAU誤差(c)は含まれていない。そこで、さらに、AU誤差(b)とAU誤差(c)とが含まれる場合のショット図形を用いた場合のパターン密度ρ’(x)を演算し、一連のAU誤差のうち、AU誤差(a)しか含まれていないパターン密度ρ(x)との差分Δρ(x)を演算する。AU誤差(b)とAU誤差(c)については、記憶装置144に格納された各AUずれの情報と、分割前の図形パターンのサイズ及び位置、及び分割後のショット図形のサイズ及び位置とを用いて演算可能である。そして、これにより、積み重ねられたAU誤差が含まれた、最終的に描画されるショット図形を用いたパターン密度ρ’(x)が演算できる。或いは、AU誤差(b)とAU誤差(c)で生じたサイズ誤差分についてのパターン密度を演算し、それを差分Δρ(x)としても同じ結果が得られる。
ここで、AU誤差(b)とAU誤差(c)により図形サイズが変更になると、最終的に描画されるショット図形を用いた場合のパターン密度ρ’(x)は、ρ’(x)=ρ(x)+Δρ(x)で定義できる。差分Δρ(x)は、AU誤差(b)とAU誤差(c)により図形サイズが変更した分の面積密度変化を示す。よって、最終的に描画されるショット図形を用いた場合の近接効果密度U’(x)は、以下の式(6)で定義できる。かかる近接効果密度U’(x)の演算は、近接効果補正用のメッシュ(近接効果メッシュ)単位で実施することを想定している。
Figure 0006456118
図8は、実施の形態2におけるΔρ(x)の計算手法を説明するための図である。図8(a)では、隣接する近接効果メッシュ毎のパターン密度の差分Δρ(x)の一例を示す図である。ここで、実施の形態2では、式(6)の右辺第2項を演算する際、計算対象の近接効果メッシュを取り囲む周囲の積分範囲の近接効果メッシュについて、図8(b)及び図8(c)に示すように、差分Δρ(x)の値を計算対象の近接効果メッシュの値と同じ値にみなす。これにより、式(6)の右辺第2項の補正項Error(x)は、Δρ(x)と近似できる。すなわち、式(6)は、以下の式(7)にように近似できる。
Figure 0006456118
よって、差分Δρ(x)は、設計上の図形パターンに対する描画される図形パターンの近接効果密度の誤差を補正する補正項となる。よって、Δρ(x)演算工程(S208)では、Δρ(x)演算部82が、設計上の図形パターンに対する描画される図形パターンの近接効果密度の誤差を補正する補正項を演算することになる。Δρ(x)演算部82は、補正項演算部の一例となる。式(7)を用いることで、周囲の近接効果メッシュを積分範囲とした畳み込み積分計算を省略できる。その結果、演算時間を大幅に短縮できる。
近接効果補正照射係数Dp(x)演算工程(S210)として、Dp(x)演算部72は、近接効果密度U(x)演算工程(S207)で演算済の近接効果密度U(x)と、Δρ(x)演算工程(S208)で演算済の差分Δρ(x)とを用いて、近接効果を補正する近接効果補正照射係数Dp(x)を演算する。近接効果補正照射係数Dp(x)は、以下の式(8)で定義できる。
Figure 0006456118
実施の形態2によれば、近接効果メッシュで近接効果密度U(x)を演算することで、ショット分割用メッシュよりも領域数を少なくでき、計算時間を短縮できる。また、近接効果密度U(x)演算工程(S207)での近接効果密度U(x)の計算手法は、従来の近接効果補正演算と同様の手法であるので、従来の計算機構をそのまま流用できる。
照射量D(x)演算工程(S214)と、描画工程(S220)との内容は、実施の形態1と同様である。
以上のように、実施の形態2によれば、実施の形態1よりも演算時間を短縮しながら、一連のAU誤差に起因する近接効果の補正残差を無くすように演算できる。よって、精度の高い寸法でパターンを描画できると共に、装置のスループットを向上できる。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、実施の形態2では、式(6)の右辺第2項のError(x)をΔρ(x)と置き換えて計算したが、これに限るものではない。置き換えずに補正項Error(x)を用いて式(4)(或いは式(8))の近接効果補正照射係数Dp(x)を演算しても良い。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。例えば、描画装置100を制御する制御部構成については、記載を省略したが、必要とされる制御部構成を適宜選択して用いることは言うまでもない。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての荷電粒子ビーム描画装置及び方法は、本発明の範囲に包含される。
10 描画領域
20 ストライプ領域
30 SF
62 近接メッシュ分割部
64 ショット分割部
66 割り当て処理部
68 ρ’(x)演算部
69 ρ(x)演算部
70 U’(x)演算部
71 U(x)演算部
72 Dp(x)演算部
74 D(x)演算部
76 t(x)演算部
78 描画制御部
80 パターン分割部
82 Δρ(x)演算部
100 描画装置
101 試料
102 電子鏡筒
103 描画室
105 XYステージ
110 制御計算機
112 メモリ
120 偏向制御回路
130,132 DACアンプユニット
140,142 記憶装置
150 描画部
160 制御部
200 電子ビーム
201 電子銃
202 照明レンズ
203 第1の成形アパーチャ
204 投影レンズ
205 成形偏向器
206 第2の成形アパーチャ
207 対物レンズ
208 主偏向器
209 副偏向器
212 ブランキング偏向器
214 ブランキングアパーチャ
330 電子線
340 試料
410 第1のアパーチャ
411 開口
420 第2のアパーチャ
421 可変成形開口
430 荷電粒子ソース

Claims (5)

  1. 図形パターンを用いて、近接効果密度を演算する近接効果密度演算部と、
    設計上の前記図形パターンに対する描画される前記図形パターンの近接効果密度の誤差を補正する補正項を演算する補正項演算部と、
    前記補正項を用いて、近接効果を補正する近接効果補正照射係数を演算する近接効果補正照射係数演算部と、
    前記近接効果補正照射係数を用いて、荷電粒子ビームの照射量を演算する照射量演算部と、
    前記照射量の荷電粒子ビームを用いて試料上に前記図形パターンを描画する描画部と、
    を備えたことを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。
  2. 前記補正項は、設計上の前記図形パターンに対する描画される前記図形パターンのパターン密度の誤差値であることを特徴とする請求項1記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  3. 図形パターンを、1回の荷電粒子ビームのショットで照射可能なサイズの複数のショット図形に分割するショット分割部と、
    前記複数のショット図形が実際に描画される場合のAU(アドレスユニット)ずれの情報を記憶する記憶装置と、
    前記記憶装置から前記AUずれの情報を読み出し、前記AUずれの情報と分割された前記複数のショット図形を用いて、前記複数のショット図形が実際に描画される場合のAU誤差を考慮したパターン密度を演算するパターン密度演算部と、
    前記パターン密度を用いて、近接効果を補正する近接効果補正照射係数を演算する近接効果補正照射係数演算部と、
    前記近接効果補正照射係数を用いて、荷電粒子ビームの照射量を演算する照射量演算部と、
    前記照射量の荷電粒子ビームを用いて試料上に前記図形パターンを描画する描画部と、
    を備えたことを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。
  4. 図形パターンを用いて、近接効果密度を演算する工程と、
    設計上の前記図形パターンに対する描画される前記図形パターンの近接効果密度の誤差を補正する補正項を演算する工程と、
    前記補正項を用いて、近接効果を補正する近接効果補正照射係数を演算する工程と、
    前記近接効果補正照射係数を用いて、荷電粒子ビームの照射量を演算する工程と、
    前記照射量の荷電粒子ビームを用いて試料上に前記図形パターンを描画する工程と、
    を備えたことを特徴とする荷電粒子ビーム描画方法。
  5. 図形パターンを、1回の荷電粒子ビームのショットで照射可能なサイズの複数のショット図形に分割する工程と、
    前記複数のショット図形が実際に描画される場合のAU(アドレスユニット)ずれの情報を記憶する記憶装置から前記AUずれの情報を読み出し、前記AUずれの情報と分割された前記複数のショット図形を用いて、前記複数のショット図形が実際に描画される場合のAU誤差を考慮したパターン密度を演算する工程と、
    前記複数のショット図形を用いて演算された前記パターン密度を用いて、近接効果を補正する近接効果補正照射係数を演算する工程と、
    前記近接効果補正照射係数を用いて、荷電粒子ビームの照射量を演算する工程と、
    前記照射量の荷電粒子ビームを用いて試料上に前記図形パターンを描画する工程と、
    を備えたことを特徴とする荷電粒子ビーム描画方法。
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