JP6443411B2 - 連続熱間圧延における鋼片の接合方法 - Google Patents

連続熱間圧延における鋼片の接合方法 Download PDF

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本発明は、連続熱間圧延ラインの仕上圧延機の入側で先行鋼片と後行鋼片とを接合する方法に関する。
従来、連続熱間圧延ラインの仕上圧延機の入側で先行鋼片と後行鋼片とを接合する方法としては、例えば、連続熱間圧延ラインの仕上圧延機の入側で先行鋼片の尾端と後行鋼片の先端とを互いに非接触で対向配置して、この状態で誘導加熱装置によって先行鋼片の尾端と後行鋼片の先端とを急速加熱し、次いで、加熱された先行鋼片の尾端と後行鋼片の先端とを突き合わせて押圧(アップセット)接合する方法が知られている。
しかしながら、大気雰囲気中で接合を行う際に、鋼中にCr、Ti、Mn、Al、Si等のように鋼の融点(1400〜1600℃)よりも高い融点の酸化物(例えば、Cr酸化物:融点約2000℃)を生成する成分を含むステンレス鋼や高張力鋼等については、誘導加熱時に接合面に生成されるこれらの酸化物が、アップセット後も接合部に固相として残って接合強度を著しく低下させ、後工程の仕上圧延にて接合部が破断する等の問題が生じる。
この問題に対し、加熱工程で、誘導加熱装置を用いて先行鋼片及び後行鋼片の各接合面の温度を鋼片の液相線温度以上にする方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、各接合面の温度が鋼片の液相線温度以上となった状態でのアップセットによる接合では、アップセット時に酸化物を溶鋼と共に、接合界面から排出することが、接合強度を得る上で重要である。酸化物が接合界面から排出されない場合、鉄同士の接合が阻害され接合強度が低下し、仕上圧延中に接合部が破断する場合があった。
従来、アップセット時に酸化物を接合部から除くため、接合部端面から積極的に溶鋼を排出する技術が検討されてきた。例えば、特許文献2〜6では、接合部端面の形状について検討した技術が記載されている。通常、接合部端面はスリットや端面研削によってほぼ平坦面を呈しているが、これらの技術では、接合部端面を接合の前にテーパ加工して、加工した端部形状によって溶接時の溶鋼排出を良好にすることを目的としている。
しかしながら、前述の特許文献2〜6に記載の技術では、接合部端面の形状を接合前に加工するための設備を必要とする。そのため、接合部端面の形状を接合前に加工するための設備を必要とせずに、接合部の破断を防止できる方法が希求されていた。
特開2000−271605号公報 特開2009−119483号公報 特開2009−119484号公報 特開2011−25311号公報 特開2013−6207号公報 特開2009−119482号公報
本発明は、前述した問題点を解消するためになされたものであり、接合部端面の形状を加工する設備を必要とせずに、簡便に、仕上圧延にて接合部の破断を防止できる、連続熱間圧延における鋼片の接合方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を鑑み、加熱周波数による接合強度への影響を調査した結果、誘導加熱の周波数を1.2kHz以上にすることにより酸化物を十分排出することができることを明らかにした。
このような知見に基づき、本発明者らの鋭意検討の結果完成した本発明の要旨は、以下の通りである。
[1]連続熱間圧延ラインの仕上圧延機の入側で先行鋼片の尾端と後行鋼片の先端とを互いに非接触で対向配置し、前記先行鋼片の尾端と前記後行鋼片の先端とを誘導加熱する加熱工程と、
該加熱工程で加熱された前記先行鋼片の尾端と前記後行鋼片の先端とを突き合わせて押圧接合する接合工程と、を含み、
前記加熱工程では、加熱周波数fを1.2〜500kHzとし、前記先行鋼片の尾端と前記後行鋼片の先端とを溶融させることを特徴とする、連続熱間圧延における鋼片の接合方法。
[2]前記加熱工程では、前記加熱周波数f(kHz)と加熱時間t(sec)とが以下の式(1)を満たすことを特徴とする、前記[1]に記載の連続熱間圧延における鋼片の接合方法。
{30/(f+10)}+0.2≦t≦{1400/(f+100)}+4.0 ・・・(1)
[3]前記加熱工程で前記先行鋼片及び前記後行鋼片の各接合面の全幅に対して50〜100%の幅範囲の温度が鋼片の液相線温度以上になるまで加熱し、
前記接合工程におけるアップセット量を、前記先行鋼片の最大溶融深さと前記後行鋼片の最大溶融深さとの和に対して1.1〜7.0倍とすることを特徴とする、前記[1]または[2]に記載の連続熱間圧延における鋼片の接合方法。
ここで、溶融深さとは、図6に示す、各鋼片における、加熱により液相線温度以上となり溶融した範囲の圧延方向長さのことであり、最大溶融深さとは、図7に一例を示す、接合面内全体(全幅・全厚)での溶融深さの最大値のことである。
また、アップセット量とは、接合工程における圧延方向の鋼片の押し込み量(先行鋼片の尾端の接合面と後行鋼片の先端の接合面との距離がゼロになった状態(2つの面がぴったり合わさった状態)からの押し込み量)のことである。アップセット量は、先行鋼片と後行鋼片との相対的な距離によるので、先行鋼片と後行鋼片とのそれぞれの押し込み量の和とする。そのアップセット量の範囲内の値となる条件であれば、先行鋼片と後行鋼片のそれぞれの押し込み量は任意に決めることが出来る。例えば、先行鋼片は押し込まず(動かさず)に、後行鋼片のみを所望のアップセット量で押し込んでもよい。
本発明によれば、後工程の仕上圧延にて接合部が破断することを防止できる。
連続熱間圧延ラインのコイルボックスから仕上圧延機の第1スタンドまでの設備配列を示す概略図である。 接合装置の概略断面図である。 誘導加熱装置の概略図である。 交番磁界と誘導電流の流れを説明するための説明図である。 加熱周波数を1.0kHz、1.2kHz、または5.0kHzとした場合における、溶融範囲の接合端面からの長手方向長さ(溶融深さ)の幅中央の板厚方向分布を示す図である。 溶融深さの定義を説明するための図である。 最大溶融深さの定義を説明するための図である。
以下、本発明について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施形態によって本発明が限定されるものではない。
図1は、連続熱間圧延ラインのコイルボックスから仕上圧延機の第1スタンドまでの設備配列を示す概略図である。図1において、符号1は粗圧延機から出た板材を巻き取るコイルボックス、符号2はコイルボックス1から巻き出された先行鋼片S1の尾端及び後行鋼片S2の先端を切断するクロップシャー、符号3は先行鋼片S1及び後行鋼片S2の切断面(接合面)同士を接合する接合装置、符号4はレベラー、符号5a〜5cはピンチロール、符号6は脱スケール装置、符号7は仕上圧延機の第1スタンドである。
図2は、接合装置3の概略断面図である。接合装置3は、図2に示すように、クロップシャー2によって後端のクロップが切り落とされた先行鋼片S1及び先端のクロップが切り落とされた後行鋼片S2の各切断端を接合面同士が互いに非接触で対向配置されるように把持する左右のクランプ装置8、9と、該クランプ装置8、9によって把持された先行鋼片S1及び後行鋼片S2の各切断端を加熱する誘導加熱装置10と、クランプ装置8をクランプ装置9側に押圧移動させて誘導加熱装置10によって加熱された先行鋼片S1及び後行鋼片S2の各切断端の接合面同士を突き合わせてアップセット接合して接合部αを形成する押圧シリンダ11と、該アップセット接合時に先行鋼片S1と後行鋼片S2とが上下方向にずれることを防止する目違い防止板20とを有する。
なお、接合装置3は、ライン方向に沿って所定長さだけ延在するレール19(図1も参照)上を走行可能な台車17上に設置されている。また、台車17の走行可能範囲に設置される鋼片搬送用テーブルローラ18は昇降式のテーブルローラとなっており、接合装置3の位置に相当する搬送用テーブルローラ18は台車17により押し下げられるようになっている。接合装置3をこのような構成とすることにより、鋼片の搬送を停止させることなく先行鋼片S1と後行鋼片S2との接合を行うことができる。
図3は、誘導加熱装置10の概略図である。誘導加熱装置(高周波誘導加熱装置)10は、先行鋼片S1及び後行鋼片S2の各切断端の板厚方向に交番磁界を貫通させるためのものである。図3に示すように、誘導加熱装置10は、先行鋼片S1及び後行鋼片S2の各切断端の上下に配設された一対の磁極芯13と、これらの磁極芯13に上下方向に連続して巻回されたコイル14と、電源15とを備える。
図4は、交番磁界と誘導電流の流れを説明するための説明図である。上記の構成の誘導加熱装置10を用いて、図4に示すように、先行鋼片S1及び後行鋼片S2の各切断端の板厚方向に交番磁界を貫通させることにより、各切断端に渦電流が発生して接合面同士が優先的に加熱されるようになっている。なお、本実施形態では、加熱・接合処理を鋼片の走行と同期させるいわゆるトランスバース方式の接合装置3を採用したが、接合装置3を停止した状態で加熱・接合処理を行う場合には、図1に破線で示すルーパー16を用いる。
ここで、本発明では、先行鋼片S1及び後行鋼片S2の鋼種については特に限定されず、例えば、先行鋼片S1及び後行鋼片S2の内の少なくとも一方が鋼の融点(1400〜1600℃)よりも高い融点の酸化物を生成する元素を1質量%以上含有する鋼種とすることができる。鋼の融点よりも高い融点の酸化物とは、Cr、Ti、Mn、Al、Si等の酸化物(例えば、Cr酸化物:融点約2000℃)のことを指す。
本発明の連続熱間圧延における接合方法では、上述した連続熱間圧延ラインの仕上圧延機の入側で先行鋼片S1の尾端と後行鋼片S2の先端とを互いに非接触で対向配置し、先行鋼片S1の尾端と後行鋼片S2の先端とを加熱する加熱工程と、加熱された先行鋼片S1の尾端と後行鋼片S2の先端とを突き合わせて押圧接合する接合工程とを含む。
上記加熱工程では、加熱周波数fを1.2〜500kHzとし、先行鋼片S1の尾端と後行鋼片S2の先端とを溶融させることを特徴とする。
以下、本発明の連続熱間圧延における接合方法のこれらの特徴を詳細に説明する。
まず、加熱工程について説明する。
本発明者らが、加熱周波数fによる接合強度への影響を調査した結果、誘導加熱の周波数を1.2kHz以上とすることにより酸化物を十分排出することができることを明らかにした。
ここで、図5を参照して、加熱周波数fによる接合強度への影響を調査した一例を示す。
図5は、加熱周波数を1.0kHz、1.2kHz、または5.0kHzとした場合における、溶融範囲の接合端面からの長手方向長さ(溶融深さ)の幅中央の板厚方向分布を示す図である。より具体的には、図5では、電磁−熱伝導連成有限要素法解析により計算した、板幅方向の溶融範囲の割合が全幅の90%となる加熱時間における、溶融範囲の接合端面からの長手方向長さ(溶融深さ)の幅中央の板厚方向分布を示している。先行鋼片S1、後行鋼片S2の寸法はそれぞれ幅1200mm、厚み30mmになるシートバー(1.5質量%Si鋼)とし、先行シートバーと後行シートバーの各接合面の間隔を5mmとしている。他の加熱条件としては、本発明では、特に限定されないが、投入電力を1000kWとしている。
この電磁−熱伝導連成有限要素法解析は、汎用計算ソフトJMAGを使用し、対象とするシートバー、コイル、磁極芯をモデル化し、シートバーの寸法及び接合面間隙、鋼の電気抵抗、比熱、熱伝導率、密度及び比透磁率、コイル・磁極芯の寸法及びシートバーとの相対的な位置関係、並びに加熱条件(加熱時間、投入電力及び周波数)を適宜設定して行うことができる。
図5(a)に示すように、加熱周波数1.0kHzの場合は板厚中心に近いほど溶融深さが大きくなるが、図5(b)や図5(c)に示すように、1.2kHz以上では上面・下面に近いほど溶融深さが大きくなり、テーパ形状を上面と下面に付けたのと疑似的に同様な形状となっている。したがって、加熱周波数を1.2kHz以上することにより、接合する端部の上下面にテーパを付けたのと同様の酸化物排出効果を得ることができる。
本手法が適用できるシートバー寸法範囲としては巾200mm〜2400mm、厚み10mm〜60mm程度である。加熱周波数の範囲としては、酸化物を排出するに十分な溶融金属を得るための加熱効率をかんがみて500kHzが上限である。以上のような検討を行い、本発明では、加熱周波数fを1.2〜500kHzとする。好ましくは、加熱周波数fは、1.5〜500kHzであり、より好ましくは、5〜100kHzである。
また、加熱工程では、上述のように加熱周波数fを1.2〜500kHzとしつつ、加熱周波数f(kHz)と加熱時間t(sec)とが以下の式(1)を満たすことが好ましい。
{30/(f+10)}+0.2≦t≦{1400/(f+100)}+4.0 ・・・(1)
加熱時間t(sec)が、[{30/(f+10)}+0.2]未満であると、液相線温度以上まで加熱される箇所の幅方向割合が小さく、圧延中に破断する可能性がある。一方、加熱時間t(sec)が[{1400/(f+100)}+4.0]を超えると、溶融深さが大きくなりアップセットの実施が困難になる場合がある。
よって、加熱時間t(sec)は、[{30/(f+10)}+0.2]以上、[{1400/(f+100)}+4.0]以下とすることが好ましい。より好ましくは、加熱時間t(sec)は、[{50/(f+10)}+0.4]以上、[{1100/(f+100)}+3.2]以下である。
また、いずれの加熱周波数においても、安定して圧延を続行するためには、各接合面の全幅に対して50〜100%の幅範囲の温度が鋼片の液相線温度以上になるまで加熱することが好ましい。これは、板幅に対する幅端部の未接合部の割合が大きい場合は後工程の仕上圧延において接合部に張力が集中し、接合部が分離する可能性がある為である。以上、本発明では、加熱工程において、幅方向50〜100%の範囲の温度が鋼片の液相線温度以上になるまで加熱することが好ましく、より好ましくは、上記幅方向は、70〜100%であり、さらに好ましくは、85〜100%である。幅方向50〜100%の範囲の温度が鋼片の液相線温度以上になるようにするためには、加熱時間、加熱時の投入電力、加熱周波数f等により調整することができる。
次に、接合工程について説明する。
本発明では、特に限定されないが、好ましくは、接合面の全幅・全厚にわたり十分にアップセットを施すために、先行鋼片S1の最大溶融深さと後行鋼片S2の最大溶融深さとの和に対して1.1〜7.0倍とし、より好ましくは、1.3〜7.0倍とする。アップセット量を適切に設定するためには溶融範囲の接合端面からの長手方向長さ(溶融深さ)の板厚方向分布を事前に知っておく必要があるが、図5のように電磁−熱伝導連成有限要素法解析により計算することで求めることができる。
ここで、溶融深さとは、図6に示す、各鋼片における、加熱により液相線温度以上となり溶融した範囲の圧延方向長さのことであり、最大溶融深さとは、図7に一例を示す、接合面内全体(全幅・全厚)での溶融深さの最大値のことである。
また、アップセット量とは、接合工程における圧延方向の鋼片の押し込み量(先行鋼片の尾端の接合面と後行鋼片の先端の接合面との距離がゼロになった状態(2つの面がぴったり合わさった状態)からの押し込み量)のことである。アップセット量は、先行鋼片と後行鋼片の相対的な距離によるので、先行鋼片と後行鋼片のそれぞれの押し込み量の和とする。そのアップセット量の値となる条件で、先行鋼片と後行鋼片のそれぞれの押し込み量は任意に決めることが出来る。例えば、先行鋼片は押し込まず(動かさず)に、後行鋼片のみを所望のアップセット量で押し込んでも良い。
また、加熱終了からアップセット完了までの時間が2.0sec以上である場合、接合面の温度低下により粘度が下がるため、この場合もテーパ形状による排出促進効果が顕著である。
なお、本実施形態では、接合工程における押圧力については特に限定されない。
以上説明したように、本発明では、加熱工程における加熱周波数fを1.2〜500kHzとすることで、端面を加工する設備を必要とせず、簡便に、後工程の仕上圧延にて接合部が破断することを防止できる。また、本発明では、加熱時間を短縮することもでき、接合にかかる時間を短縮化して生産性を向上させることができる。また、本発明では、発生する溶鋼を少なくすることができ、次の鋼片の接合の際、残存した溶鋼が接合面に噛み込まれる可能性を低減することができる。
また、本発明の連続熱間圧延における接合方法を用いて熱延鋼帯を製造する際、上述した接合方法の条件以外の製造条件については、従来公知の条件を採用し、鋼種や鋼の形状に応じて適宜設定することができる。
なお、上記説明では、1.5%Si鋼のみを例に挙げたが、鋼組成として、Cの場合最大1.2質量%、Siの場合最大4.0質量%、Mnの場合最大6.2質量%、Crの場合最大35.0質量%、Tiの場合最大0.5質量%、Alの場合最大0.5質量%、Pの場合最大0.5質量%、Sの場合最大0.4質量%、Niの場合最大25.0質量%、Moの場合最大1.0質量%、Vの場合最大0.5質量%含有していても、同様の条件で、接合部が分離することなく仕上げ板厚2mmまで良好な連続圧延を継続可能である。
以下、実施例に基づき、本発明について説明する。
先行鋼片、後行鋼片としてそれぞれ幅1250mm、厚み30mmになるシートバー(3.0質量%Mn鋼)を図1に示した連続熱間圧延ラインに供した。先行鋼片および後行鋼片としては、質量%で、Si:1.5%、C:0.12%、Mn:3.0%、Cr:0.3%を有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼組成を有するものを用いた。
また、接合装置3内で先行シートバーと後行シートバーの各接合面を5mmの間隙を隔てて対向配置した後、誘導加熱装置10(幅方向の寸法1300mm、長手方向の寸法240mm)によって各接合面を加熱した。このときの加熱条件は投入電力を1000kWとし、加熱周波数fと加熱時間は表1に示す通りとした。
鋼の液相線温度以上となる領域を、電磁−熱伝導連成有限要素法解析により計算した結果を図5に示す。この電磁−熱伝導連成有限要素法解析では汎用計算ソフトJMAGを使用しており、シートバー、コイル、磁極芯をモデル化している。当モデルにおいて、シートバーの寸法および接合面間隙は前述の当実施例と同等の寸法とし、物性値については当実施例と同等成分の鋼の特性値(電気抵抗・比熱・熱伝導率・密度・比透磁率)を使用した。具体的には、電気抵抗:120μΩ・cm、比熱:350J/kg/degC、熱伝導率:28W/m/degC、密度:7850kg/m、比透磁率:8とした。コイル・磁極芯の寸法及びシートバーとの相対的な位置関係は、当実施例にて使用の接合機と同等としており、加熱条件(投入電力・周波数)は当実施例と同等としている。
引き続き、接合面同士を突き合わせて押圧シリンダ11によって押圧力5.2kg/mmで押圧して接合を完了させた。アップセット量は表1に示す通りである。
接合部より引張試験片を採取し、JIS14A号の引張試験片を用いて接合部熱間引張強度(試験温度1000℃)を実施したところ、本発明例では、母材強度の80%以上の接合部強度が得られた。
また、接合完了後、仕上圧延機の7スタンドミルにより板厚2mmまで20回の接合・圧延を施し、その際に接合部が破断した確率(破断確率(%))を表中に示した。本発明例では、周波数を1.2kHz以上とすることにより破断確率を35%以下にすることができた
また、本発明例の中でも、加熱条件として、式(1)を満たし、先行鋼片及び後行鋼片の各接合面の幅方向50〜100%の範囲の温度を鋼片の液相線温度以上になるまで加熱し、接合条件として、アップセット量を、先行鋼片の最大溶融深さと後行鋼片の最大溶融深さとの和に対して1.1〜7.0倍としたNo.3、4、5、6、7、10、12、13、14では、接合部強度を80%以上としつつ、破断確率を0%とすることができた。
Figure 0006443411
1 コイルボックス
2 クロップシャー
3 接合装置
4 レベラー
5 ピンチロール
6 脱スケール装置
7 仕上圧延機の第1スタンド
8、9 クランプ装置
10 誘導加熱装置
11 押圧シリンダ
13 磁極芯
14 コイル
15 電源
16 ルーパー
17 台車
18 鋼片搬送用テーブルローラ
19 レール
20 目違い防止板
S1 先行鋼片
S2 後行鋼片

Claims (3)

  1. 連続熱間圧延ラインの仕上圧延機の入側で先行鋼片の尾端と後行鋼片の先端とを互いに非接触で対向配置し、前記先行鋼片の尾端と前記後行鋼片の先端とを誘導加熱する加熱工程と、
    該加熱工程で加熱された前記先行鋼片の尾端と前記後行鋼片の先端とを突き合わせて押圧接合する接合工程と、を含み、
    前記加熱工程では、加熱周波数fを1.2〜500kHzとし、前記先行鋼片の尾端と前記後行鋼片の先端とを溶融させることを特徴とする、連続熱間圧延における鋼片の接合方法。
  2. 前記加熱工程では、前記加熱周波数f(kHz)と加熱時間t(sec)とが以下の式(1)を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の連続熱間圧延における鋼片の接合方法。
    {30/(f+10)}+0.2≦t≦{1400/(f+100)}+4.0 ・・・(1)
  3. 前記加熱工程で前記先行鋼片及び前記後行鋼片の各接合面の全幅に対して50〜100%の幅範囲の温度が鋼片の液相線温度以上になるまで加熱し、
    前記接合工程におけるアップセット量を、前記先行鋼片の最大溶融深さと前記後行鋼片の最大溶融深さとの和に対して1.1〜7.0倍とすることを特徴とする、請求項1または2に記載の連続熱間圧延における鋼片の接合方法。
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