JP6409408B2 - 液体吐出装置、及び、液体吐出装置の製造方法 - Google Patents
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Description
第7の発明の液体吐出装置は、前記第1〜第6の発明の何れかにおいて、前記複数の凸部は、それぞれ、前記ノズル配列方向に長い楕円形状を有することを特徴とするものである。
前記流路構造体に含まれ、前記複数のノズルが形成される合成樹脂製の第1プレートと、同じく前記流路構造体に含まれ、前記液体流路のうちの前記複数のノズルに連通する複数の個別流路部分が形成される金属製の第2プレートとを積層して接合する、積層工程と、前記積層工程の後に、前記第1プレートと前記第2プレートの積層体に、前記第1プレートの前記複数のノズルの吐出口が配置される液体吐出面から突出する複数の凸部を、前記ノズル配列方向に沿って形成する、凸部形成工程と、を備え、前記凸部形成工程において、前記積層体に対して前記第2プレート側からのプレス加工を行って、前記積層体を局所的に屈曲変形させることで、前記複数の凸部をそれぞれ頂部が丸みを帯びた形状に形成することを特徴とするものである。
図4に示すように、流路ユニット23は、複数枚のプレート31〜39が積層された構造を有する。複数枚のプレート31〜39は、互いに積層された状態でそれぞれ接着剤によって接合されている。複数枚のプレート31〜39のうちの、最下層のプレート39は、複数のノズル44が形成されたノズルプレートである。ノズルプレート39は、ポリイミド等の合成樹脂からなるプレートである。ノズルプレート39には、このプレート39を厚み方向に貫通する、先細りのテーパ形状の複数のノズル44が形成されている。尚、以下の説明では、複数のノズル44の吐出口44aが形成されたノズルプレート39の下面を、特に、インク吐出面39aとも呼ぶこともある。
図2〜図4に示すように、圧電アクチュエータ24は、振動板60と、圧電層64,65と、複数の個別電極62と、共通電極66を備えている。振動板60は、複数の圧力室47を覆った状態で流路ユニット23の上面に接合されている。2枚の圧電層64,65は、振動板60の上面に積層されている。複数の個別電極62は、上層の圧電層65の上面において、複数の圧力室47とそれぞれ対向するように配置されている。共通電極66は、2枚の圧電層64,65の間において、複数の圧力室47に跨って配置されている。
まず、図4に示される、流路ユニット23を構成する複数の金属プレート31〜38に対して、それぞれ、圧力室47やマニホールド46となる孔や、個別流路孔32c〜38cなどの、それぞれインク流路の一部を構成する各種流路孔を、エッチングで形成する。また、このとき同時に、プレート37にハーフエッチングで凹部37bを形成する。また、プレート38にも、ハーフエッチングで凹部38bを形成することによって、薄肉部38aを形成する。
次に、図6(a)に示すように、ノズルプレート39となる合成樹脂プレート70の一方の面(インク吐出面39aとなる面)に、撥液膜40を形成する。撥液膜40は、フッ素系樹脂のフィルムを合成樹脂プレート70に貼り付けることによって形成してもよいし、液状のフッ素系樹脂を合成樹脂プレート70に塗布することによって形成してもよい。
次に、図6(b)に示すように、ノズルプレート39となる合成樹脂プレート70と、先の工程で複数の個別流路孔38cが形成された1枚の金属プレート38とを積層し、両者を接着剤で接合する。
次に、図6(c)に示すように、合成樹脂プレート70の、インク吐出面39aとなる面に、合成樹脂フィルムからなる保護膜71を貼り付ける。この保護膜71は、例えば、UV剥離性の接着剤を用いて合成樹脂プレート70に接着する。
次に、図6(d)に示すように、積層体52の合成樹脂プレート70に対してレーザー加工を行って、複数のノズル44を形成する。詳細には、図示しないレーザー照射装置から積層体52に対して、プレート38の複数の個別流路孔38cが形成されている部分にそれぞれレーザー光を照射する。照射されたレーザー光は個別流路孔38cを通過して、合成樹脂プレート70を貫通する。これにより、合成樹脂プレート70の、複数の個別流路孔38cと重なる部分に、複数のノズル44がそれぞれ形成される。尚、合成樹脂プレート70の、インク吐出面39aとなる下面は、保護膜71に覆われているため、ノズル44の形成時に発生するススがインク吐出面39aの撥液膜40に付着することが防止される。
次に、図6(e)に示すように、積層体52にプレス加工を行って、複数の凸部50を形成する。まず、保護膜71で覆われた積層体52を、複数の孔72aを有するダイ72の上に設置する。また、金属プレート38の薄肉部38aがダイ72の複数の孔72aを覆うように、積層体52を設置する。次に、金属プレート38の薄肉部38aにパンチ73を当て、積層体52に対して、プレート38側からパンチ73の先端部を押し込んでプレス加工を行う。即ち、金属のプレート38に塑性変形を生じさせて、積層体52を部分的に下方に突出変形させる。これにより、積層体52に、ノズルプレート39(合成樹脂プレート70)の下面のインク吐出面39aよりも突出する複数の凸部50を形成する。尚、このプレス加工の際に、ノズルプレート39のインク吐出面39aは保護膜71に覆われて、ダイ72に接触していないため、ノズルプレート39に形成されている撥液膜40が傷むことが防止される。
次に、図6(f)に示すように、合成樹脂プレート70(ノズルプレート39)から保護膜71を剥離する。尚、保護膜71が、UV剥離性の接着剤でノズルプレート39に接合されている場合には、UVを照射することによって保護膜71を簡単に剥離することができる。その他、保護膜71の種類によっては、適当な溶剤によって保護膜71を溶かして除去することも可能である。
次に、複数の凸部50及び複数のノズル44が形成された積層体52と、流路ユニット23を構成する他のプレート31〜37、及び、圧電アクチュエータ24の振動板60を接合する。詳細には、図6(g)に示すように、積層体52、金属プレート31〜37、及び、振動板60のそれぞれの接合面に熱硬化性接着剤を塗布してから積層し、ヒータプレート74,75によって上下両側から加熱しながら押圧することで接着を行う。尚、図6(g)に示すように、下側のヒータプレート75には、押圧接着の際に、積層体52の凸部50が押し潰されてしまうのを防止するために、凸部50と接触しない凹状、あるいは、孔状の逃がし部75aが形成されていることが好ましい。上記の接合工程後、振動板60の上に、別工程で製造した圧電層64,65を貼り付けて、圧電アクチュエータ24を形成する。
23 流路ユニット
37 プレート
37a 底壁部
38 プレート
38a 薄肉部
38b 凹部
38c 個別流路孔
38d 厚肉部
39 ノズルプレート
39a インク吐出面
44 ノズル
44a 吐出口
46 マニホールド
50 凸部
52 積層体
70 合成樹脂プレート
73 パンチ
73b ストレート部
73a テーパ部
Claims (12)
- 所定のノズル配列方向に沿って配列された複数のノズル、及び、前記複数のノズルに連通する液体流路が形成された流路構造体を備え、
前記流路構造体は、前記複数のノズルが形成された合成樹脂製のノズルプレートと、前記ノズルプレートに積層された状態で接合され、且つ、前記液体流路のうちの前記複数のノズルに連通する複数の個別流路部分が形成された金属製の流路プレートとを含む、積層体を有し、
前記積層体には、前記ノズルプレートの前記複数のノズルの吐出口が配置される液体吐出面から突出する複数の凸部が、前記ノズル配列方向に沿って、前記複数のノズルと並んで配列され、
前記複数の凸部は、前記積層体に対する前記流路プレート側からのプレス加工によって、それぞれ、前記積層体が局所的に屈曲変形した部分であって、頂部が丸みを帯びた形状に形成されていることを特徴とする液体吐出装置。 - 前記流路プレートは、圧延によって形成された圧延材からなり、
前記流路プレートの圧延方向に沿って、前記複数のノズルが配列されていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。 - 前記流路プレートは、圧延によって形成された圧延材からなり、
前記複数の凸部は、前記ノズル配列方向と前記ノズル配列方向と直交する方向の、2つの方向に沿ってそれぞれ配列されており、
前記ノズル配列方向における前記凸部の配列数と、前記ノズル配列方向と直交する方向における前記凸部の配列数とが異なっており、
前記2つの方向のうちの前記凸部の配列数が多い方向が、前記流路プレートの圧延方向に沿っていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置。 - 前記流路プレートは、部分的に厚みが薄くなった薄肉部を有し、
前記流路プレートの前記薄肉部に、プレス加工が施されて前記凸部が形成され、
前記流路プレートの、前記薄肉部よりも厚い厚肉部に、前記個別流路部分が形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の液体吐出装置。 - 前記流路プレートの、前記ノズルプレートとは反対側に凹部が形成され、
前記流路プレートの前記凹部が形成された部分が、前記薄肉部であることを特徴とする請求項4に記載の液体吐出装置。 - 前記流路構造体は、前記複数のノズルと共通に連通する共通液室が形成された、液室形成部材を有し、
前記積層体の前記流路プレートの、前記ノズルプレートと反対側の面が、前記液室形成部材の、前記共通液室を区画する1つの壁部に接して配置され、
前記液室形成部材の前記1つの壁部と、前記流路プレートの前記薄肉部との間に、空間が存在することを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置。 - 前記複数の凸部は、それぞれ、前記ノズル配列方向に長い楕円形状を有することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の液体吐出装置。
- 所定のノズル配列方向に沿って配列された複数のノズル、及び、前記複数のノズルに連通する液体流路が形成された流路構造体を備えた、液体吐出装置の製造方法であって、
前記流路構造体に含まれ、前記複数のノズルが形成される合成樹脂製の第1プレートと、同じく前記流路構造体に含まれ、前記液体流路のうちの前記複数のノズルに連通する複数の個別流路部分が形成される金属製の第2プレートとを積層して接合する、積層工程と、
前記積層工程の後に、前記第1プレートと前記第2プレートの積層体に、前記第1プレートの前記複数のノズルの吐出口が配置される液体吐出面から突出する複数の凸部を、前記ノズル配列方向に沿って形成する、凸部形成工程と、を備え、
前記凸部形成工程において、前記積層体に対して前記第2プレート側からのプレス加工を行って、前記積層体を局所的に屈曲変形させることで、前記複数の凸部をそれぞれ頂部が丸みを帯びた形状に形成することを特徴とする液体吐出装置の製造方法。 - 前記第2プレートに、部分的に厚みが薄くなった薄肉部を形成する、薄肉部形成工程をさらに備え、
前記凸部形成工程において、前記第2プレートの前記薄肉部に、プレス加工を行うことにより、前記積層体に前記複数の凸部を形成することを特徴とする請求項8に記載の液体吐出装置の製造方法。 - 前記凸部形成工程において、前記積層体に対して、前記第2プレートにパンチを押し込んで前記凸部を形成し、
前記パンチは、先端部に設けられた先細り状のテーパ部と、このテーパ部に連なるストレート部とを有し、
前記パンチの前記テーパ部のみを前記第2プレートに押し込み、前記ストレート部まで押し込まないことを特徴とする請求項8又は9に記載の液体吐出装置の製造方法。 - 前記凸部形成工程において、前記プレス加工を行う際に加工油を使用しないことを特徴とする請求項8〜10の何れかに記載の液体吐出装置の製造方法。
- 前記凸部形成工程において、前記第2プレートにストリッパーを設置せずに、前記積層体に対して、前記第2プレートにパンチを押し込んで前記凸部を形成することを特徴とする請求項10又は11に記載の液体吐出装置の製造方法。
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