JP6408826B2 - エアバッグを有する車両 - Google Patents

エアバッグを有する車両 Download PDF

Info

Publication number
JP6408826B2
JP6408826B2 JP2014160700A JP2014160700A JP6408826B2 JP 6408826 B2 JP6408826 B2 JP 6408826B2 JP 2014160700 A JP2014160700 A JP 2014160700A JP 2014160700 A JP2014160700 A JP 2014160700A JP 6408826 B2 JP6408826 B2 JP 6408826B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
airbag
lid portion
vehicle
lid
deployment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014160700A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016037127A (ja
Inventor
久幸 長津
久幸 長津
孝有 渡森
孝有 渡森
佐々木 淳
淳 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Subaru Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Subaru Corp filed Critical Subaru Corp
Priority to JP2014160700A priority Critical patent/JP6408826B2/ja
Publication of JP2016037127A publication Critical patent/JP2016037127A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6408826B2 publication Critical patent/JP6408826B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Air Bags (AREA)

Description

本発明は、エアバッグを有する車両に関する。
従来において、例えば特許文献1に記載の発明のように、エアバッグの展開性能の安定化及び向上を図る目的で、表皮層、基層、及び樹脂層等を備え、適宜の開裂予定部を設けて成る車両用内装パネルがあった。
特開2013−010455号公報
しかしながら、近年では様々な車両の衝突形態に対応するために、例えば従来用いられていたエアバッグの一部から特定の方向に突出する部位を有するエアバッグ等が提案されている。そこで、突出部位を有するエアバッグが安定して展開することができる車両が求められていた。
よって、本発明が解決しようとする課題は、突出部位を有するエアバッグであっても安定して展開可能なエアバッグを有する車両を提供することである。
前記課題を解決するための手段として、本発明に係るエアバッグを有する車両は、乗員室の内装を形成する内装部材と、内装部材に配置され、裏側からの圧力により周囲が破断又は押し退けられて開口するように形成された蓋部と、蓋部の裏側に配置され、蓋部を開いて乗員室内に展開可能な第1エアバッグと、第1エアバッグに設けられると共に第1エアバッグよりも蓋部の裏面に近接して配置され、第1エアバッグから展開して突出可能な第2エアバッグと、第1エアバッグ及び第2エアバッグの展開の際に開かれる蓋部の裏側に設けられ、第1エアバッグ及び第2エアバッグから蓋部が受ける力を均一化するために、第1エアバッグのみが蓋部の裏面に到達する時間と第2エアバッグが蓋部の裏面に到達する時間のうち到達時間が長い部分のみに到達時間の差に応じた距離だけ蓋部の裏面側に張り出すように配置された充填部材と、を備える。
本発明に係る車両において、充填部材は、蓋部の裏面から第1エアバッグ及び第2エアバッグの少なくとも一方に向かって突出する凸部、又は蓋部の裏面に固定的に取付けられるスペーサであることが好ましい。
本発明に係る車両において、車両幅方向において、第2エアバッグは第1エアバッグの一部に設けられ、充填部材は、蓋部が第1エアバッグ及び第2エアバッグから受ける力において車両幅方向に沿った力のバラつきを均一化するために、車両幅方向の到達時間の差に応じた距離だけ蓋部の裏面側に張り出すように配置されることが好ましい。
本発明に係る車両において、展開前の第2エアバッグは、展開前の第1エアバッグよりも蓋部に到達する到達時間が短くなるように形成され、充填部材は第1エアバッグに面して蓋部の裏面側に張り出すように配置されることが好ましい。
本発明によると、第1エアバッグ及び第1エアバッグから突出する第2エアバッグを展開する場合、展開の際に内装部材が第1エアバッグ及び第2エアバッグから受ける力が、内装部材の部位によって不均一となる。充填部材によって内装部材が第1エアバッグ及び第2エアバッグから作用する力を均一化することができるので、従来の第2エアバッグを設けていないエアバッグと同様に、かつ一様に内装部材が開くので、突出部位を有するエアバッグであっても安定して展開可能なエアバッグを有する車両を提供することができる。
図1は、本発明に係るエアバッグを有する車両を採用し得る車両を示す模式図である。図1(A)は、本発明を適用したエアバッグを有する車両を俯瞰したときの模式図である。図1(B)は、本発明を適用したエアバッグを有する車両の助手席を側方視したときの模式図である。 図2は、エアバッグが収容されるダッシュボードの一部を拡大した斜視図である。 図3は、展開前の乗員保護装置が収容されるダッシュボードの内部を示す概略図である。 図4は、本発明を適用していないエアバッグを有する車両において、突出部位を有するエアバッグの展開形態を示す模式図である。図4(A)は、本発明を適用していないエアバッグを有する車両を俯瞰したときの模式図である。図4(B)は、本発明を適用していないエアバッグを有する車両の助手席を側方視したときの模式図である。
本発明に係るエアバッグを有する車両の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係るエアバッグを有する車両を採用し得る車両を示す模式図である。図1(A)は、本発明を適用したエアバッグを有する車両を俯瞰したときの模式図である。図1(B)は、本発明を適用したエアバッグを有する車両の助手席を側方視したときの模式図である。
なお、図1(A)及び図1(B)は、図面左方がフロント側であり、図面右方がリヤ側である。また、図1(A)及び図1(B)に示す車両1は、進行方向に向かって左側に運転席及びステアリングホイールが設けられている。
更に、図2は、エアバッグが収容されるダッシュボードの一部を拡大した斜視図である。
図1(A)に示すように、車両1は、車両本体2、運転席3、助手席4、後部座席5、ダッシュボード6、ステアリングホイール7、及び乗員保護装置8を備える。
また、図1(B)に示すように、車両1における助手席4には、乗員保護装置8が配設されている。なお、図1(A)及び図1(B)に示す乗員保護装置8は、第1エアバッグ9及び第2エアバッグ10が展開状態であり、展開前状態については、図3を参照しつつ後述する。
なお、ダッシュボード6は、乗員室の前方の内装を形成する部材の一つであり、本発明における内装部材の一例である、
乗員保護装置8は、第1エアバッグ9、第2エアバッグ10、収容部11、及びインフレータ12を有する。
第1エアバッグ9は、ダッシュボード6の裏側に配置され、正規の乗車姿勢の乗員M側に向かって正対するように、ダッシュボード6を開いて乗員室内に展開可能な袋体である。第2エアバッグ10は、第1エアバッグ9に設けられ、第1エアバッグ9から展開して突出可能な袋体である。収容部11は、ダッシュボード6の裏側に配置され、展開前の第1エアバッグ9及び第2エアバッグ10を収容する筐体である。インフレータ12は、適宜のガス噴射部材であり、第1エアバッグ9及び第2エアバッグ10の内部にガスを圧入することによって、第1エアバッグ9及び第2エアバッグ10を膨張させて展開することができる。
なお、第1エアバッグ9は本発明における第1エアバッグの一例であり、第2エアバッグ10は本発明における第2エアバッグの一例である。
続いて図2に示すように、乗員保護装置8は、展開前においてダッシュボード6内に収容されている。また、ダッシュボード6におけるグローブボックス61の前方でかつ上方には、蓋部13が設けられている。蓋部13は、ダッシュボード6において第1エアバッグ9及び第2エアバッグ10により開かれる部位であり、上記ダッシュボード6と同様、本発明における内装部材の一例である。第1エアバッグ9及び第2エアバッグ10の展開前状態においては、蓋部13は、折り畳まれて成る第1エアバッグ9及び第2エアバッグ10を収容している収容部11を、覆蓋する。
図2において蓋部13の周囲に図示する破線は、蓋部13が開く際に変形、移動又は破断する予定の部位を示す。なお、蓋部13は全体が偏り無く一様に開くことにより、第1エアバッグ9及び第2エアバッグ10は所望の軌道で展開することができる。
本実施形態において、内装部材が開く形態としては、例えば第1エアバッグ及び第2エアバッグから受ける力によって破断して開く形態、及び、内装部材の配置箇所から押し退けられて開く形態等を挙げることができる。本実施形態においては、蓋部13の周囲が破断することによって蓋部13が開き、結果としてダッシュボード6の一部が開いたことになる。
図2に示す破線部分には蓋部13の裏面に破断し易いように溝部131が形成されている。乗員保護装置8の展開時に蓋部13が破線で示す溝部131に沿って破断することになる。
蓋部13は通常、ダッシュボード6の外観向上、運転者の視線妨害物の排除等の観点からダッシュボード6に一体的に設けられているが、必要であれば別体的に設けられていても良い。ダッシュボード6の車両幅方向の略中央部には、車両前後方向及び車両上下方向に延在するセンターコンソール62がダッシュボード6と略一体化して形成されている。
図1(A)及び図1(B)に示すように、乗員Mは、助手席4においてシートベルト14を装着して座位で乗車することができる。乗員保護装置8における第1エアバッグ9は、展開したときに乗員Mの前方において拡張することによって、フルラップ衝突等で乗員Mが衝突時に生じる慣性によって前方に移動したときに、乗員Mがダッシュボード6及びフロントガラス等に当接することを防止可能である。
更に、近年では様々な車両の衝突形態に対応するために、例えば従来用いられてきた形状を有する第1エアバッグ9の車両幅方向の内側部分から、第2エアバッグ10が突出する形状のエアバッグが提案されている。第2エアバッグ10は、例えば図1(A)に示すように第1エアバッグ9の後端側から後方に向かって、かつ、図1(B)に示すように正規の乗車姿勢の乗員Mの顔の高さと略同一高さ、又は乗員Mが倒れ込んだときに乗員Mの顔の側方に位置する高さにおいて突出するように配置されている。
特に図1(A)に示すように、運転席3の前側から車両前後方向に対して斜め方向への衝突、つまり白抜き矢印で示す方向からの衝突が生じた場合、助手席4側の乗員Mは、ダッシュボード6の中央部及びセンターコンソール62に向かって倒れ込もうとする。この場合、第1エアバッグ9及び第2エアバッグ10を有する乗員保護装置8は、乗員Mが特に硬質部材が多く使用されるセンターコンソール62に直接当接することを防止可能である。
このように、従来用いられていたエアバッグの一部から特定の方向に突出する部位を有する乗員保護装置8は、フルラップ衝突及びオフセット衝突等だけでなく、斜めからの衝突にも乗員Mを保護することができる。
次に示す図3は、展開前の乗員保護装置8が収容されるダッシュボード6の裏側を示す概略図である。乗員保護装置8は、図3における上方に向かって第1エアバッグ9及び第2エアバッグ10が膨張することにより展開する。図3に示すように、展開前の乗員保護装置8は、第1エアバッグ9及び第2エアバッグ10が展開方向に沿って小さくなるように折り畳まれて収容部11内に収容されている。
第1エアバッグ9及び第2エアバッグ10の周囲において一点鎖線で示す部材は、展開前の第1エアバッグ9及び第2エアバッグ10を包んでおく包装用の袋体である。該包装用の袋体は、第1エアバッグ9及び第2エアバッグ10の展開の際に破断する。
また、収容部11の底部にはインフレータ12が配設されている。なお、インフレータ12からのガスの噴射時機は、基本的に車両本体の適宜の位置に設けられる加速度センサが衝撃を検知し、加速度センサが検知信号をECUに入力し、ECUがインフレータ12に対してガスの噴射開始の信号を入力したときである。
図3に示した実施形態においてインフレータ12の数は一つであるが、本発明においては特に制限されない。基本的にインフレータの数はエアバッグの容量に基づいて決定されることが多く、例えば本実施形態においてインフレータを2つ以上設置したとしても、同時にガスを噴射すれば良い。
図3に示すように、本発明に係るエアバッグを有する車両の一実施形態には、スペーサ15が配設されている。スペーサ15は、蓋部13の裏側に設けられ、第1エアバッグ9及び第2エアバッグ10の展開の際に、第1エアバッグ9及び第2エアバッグ10から蓋部13が開くために受ける力を均一化する部材である。
なお、スペーサ15は、本発明における充填部材の一例である。
本実施形態において、展開前の第2エアバッグ10は、展開前の第1エアバッグ9よりも蓋部13の裏面に近接して配置され、蓋部13の裏面と該裏面に面している第1エアバッグ9の上面との間の間隙を埋めるようにしてスペーサ15が配置されている。
仮に、本実施形態の展開前の第1エアバッグ9及び第2エアバッグ10の配置は維持しつつ、スペーサ15を設けないこととすると、乗員保護装置8の展開形態が従来のように安定しなくなる可能性がある。
乗員保護装置8の展開形態が安定しない場合として、従来では設けられていなかった第2エアバッグ10によって、蓋部13が開くために受ける力が蓋部13の部位によって不均一になることが原因の一つと考えられる。
従来のように第1エアバッグ9のみが設けられる場合は、第1エアバッグ9がその展開の際に蓋部13の裏面に当接することにより、蓋部13が開くために受ける力は、第1エアバッグ9のみに起因するので、基本的に蓋部13全体において均一である。
これに対して、第2エアバッグ10が追加で設けられる場合は、第2エアバッグ10が蓋部13の裏面に対して直接的に、又は第1エアバッグ9を介して間接的に当接することにより、蓋部13が開くために受ける力は、第2エアバッグ10が当接する部位が他の部位よりも大きくなる又は小さくなると考えられる。換言すると、蓋部13が開くために受ける力は、蓋部13の部位によってバラつきが生じ、不均一となる。
なお、本実施形態において、図1(A)に示したように、第2エアバッグ10は第1エアバッグ9の車両幅方向内側に設けられ、第1エアバッグ9は乗員Mの前方に車両幅方向に広く展開する形状を有する。よって、車両幅方向において、第2エアバッグ10は第1エアバッグ9の一部に配置される。これにより、蓋部13が開くために受ける力は、例えば第2エアバッグ10によって車両幅方向内側のみが局所的に大きくなり、それ以外は相対的に小さくなる等、車両幅方向に沿ってバラつきが生じる。
蓋部13が開くために受ける力が不均一な状態になると、従来の均一な状態と比べて、次に示す2つの不具合の少なくともいずれか1つが生じる可能性がある。
先ず生じ得る不具合の1つとして、例えば第1エアバッグ9及び第2エアバッグ10の展開軌道が、正常な乗員保護を実現し難い軌道を描くことが挙げられる。
該展開軌道に関する不具合として、具体的には例えば蓋部13は従来通り破断して開くが、蓋部13において力が大きく作用していた部位が優先的に開くので、第1エアバッグ9及び第2エアバッグ10の部位毎に比較すると、乗員室内での展開完了までに従来では生じ得なかった時間差が生じる不具合が考えられる。
ここで、展開軌道に関する不具合の例を図4に示す。図4は、本発明を適用していないエアバッグを有する車両において、突出部位を有するエアバッグの展開形態を示す模式図である。図4(A)は、本発明を適用していないエアバッグを有する車両を俯瞰したときの模式図である。図4(B)は、本発明を適用していないエアバッグを有する車両の助手席を側方視したときの模式図である。
図4(A)及び図4(B)において、第1エアバッグの車両幅方向における外側端部及び内側端部、第1エアバッグの車両上下方向における上側端部及び下側端部、並びに、第2エアバッグ10の最も突出する部位の各展開軌道を実線の矢印で示す。更に、図4(B)において、正常な乗員保護性能を発揮することのできる第2エアバッグ10の理想的な展開軌道を破線の矢印で示している。
図4(A)に示す不具合例では、車両幅方向における内側に配置される第2エアバッグ10が蓋部13の一部を優先的に開き、続いて第1エアバッグ9の車両幅方向における外側部位が蓋部13の残りの部位を開いた場合を想定している。この場合、図4(A)に示すように、第2エアバッグ10と第1エアバッグ9の車両幅方向における内側端部とが先行して展開し、第1エアバッグ9の外側端部が遅れて展開する。つまり、第1エアバッグ9の部位によって展開完了までに時間差が生じる。
例えば車両がフルラップ衝突を起こしたときに、本来であれば乗員Mに正対して展開されたエアバッグにより、正常に乗員Mの保護が達成されていた。
仮に、乗員保護装置8が図4(A)に示す展開軌道を描くと、乗員Mが前方に倒れ込むときには展開が完了していない可能性がある。更に、展開途中で乗員Mが前方に倒れ込んで第1エアバッグ9に当接したとすると、遅れて展開している第1エアバッグ9の右側部分によって、乗員Mが右側に流されつつ倒れ込むことも考えられる。これでは、本来意図していた正常な乗員Mの保護が実現することができない。
また、図4(B)に示す不具合例では、第2エアバッグ10が蓋部13の一部を優先的に開き、続いて第1エアバッグ9の上側が蓋部13の残りの部位を開いた場合を想定している。この場合、図4(B)に示すように、第2エアバッグ10と第1エアバッグ9の車両上下方向における下側端部とが先行して展開し、第1エアバッグ9の上側が遅れて展開する。つまり、第1エアバッグ9の部位によって展開完了までに時間差が生じる。この生じる時間差によって、例えば第2エアバッグ10の展開軌道が、破線矢印で示す理想的な展開軌道に比べて、車両上下方向に大きくずれる。
図4(B)に示すように、蓋部13の破断に偏りが生じていると、展開軌道が理想の状態からずれるので、乗員Mがエアバッグに向かって倒れ込むときには展開が完了していない可能性がある。更に、展開途中で乗員Mが前方に向かって倒れ込む場合は、遅れて展開する第1エアバッグ9の後端部上側部分によって乗員Mの顔及び頚椎等が下から突き上げられることも考えられる。これでは、本来意図していた正常な乗員Mの保護が実現することができない。
以上、図4を参照しつつ説明したように、蓋部13が開くために受ける力が蓋部13の部位によって不均一であると、蓋部13の破断が部位によって時間差を生じる。つまり、蓋部13が全体的に一挙に開かない。基本的に乗員保護装置8は乗員Mが倒れ込んでくる方向には特に速やかに展開する必要があるが、蓋部13の開きが不均一であると所望の方向に遅れて展開してしまう可能性が生じる。すなわち、蓋部13の開きが不均一になると、最終的には意図した形状に展開可能であるとしても、遅れて展開している途中において乗員Mが倒れ込んでくる場合は、正常な乗員Mの保護が達成されないことがある。
生じ得る別の不具合として、例えば第2エアバッグ等に起因して力が大きく作用していた蓋部13の一部位及びその周辺が破断して開くが、その他の部位は完全には破断せず開かないという不具合を挙げることができる。この場合、第1エアバッグ9及び第2エアバッグ10が乗員室内で完全な状態で展開せず、第1エアバッグ9及び第2エアバッグ10の一部がダッシュボード6の裏側において意図しない方向に膨張してしまうこと、及び、蓋部13の破断しなかった部位に第1エアバッグ9及び第2エアバッグ10が引っ掛かって袋が破れてしまうことも考えられる。
つまり、第1エアバッグ9及び第2エアバッグ10が完全に展開しないので、図1に白抜き矢印で示すような斜め前方からの衝突だけでなく、フルラップ衝突等の従来から想定されることの多い衝突形態に対しても、乗員Mの保護性能を十分に発揮することができない可能性がある。
図3に示す実施形態においては、スペーサ15が蓋部13の裏面に設けられている。スペーサ15は、内装部材の1つである蓋部13の裏面に対して、固定的に取付けられる板状体である。
なお、本実施形態において充填部材は、スペーサ15に代えて、例えば蓋部13と共に一体成形され、蓋部13の裏面から第1エアバッグ9及び第2エアバッグ10に向かって突出する凸部であっても良い。
スペーサ15を配置することによって、第2エアバッグ10から蓋部13の裏面に対して作用する蓋部13を開くための力と、第1エアバッグ9から蓋部13の裏面に対して作用する蓋部13を開くための力とを、均一化する。
図3に示すように、第2エアバッグ10が蓋部13の裏面に近接して配置されているので、蓋部13の裏面から離れて配置されている第1エアバッグ9に近接するようにスペーサ15が配置される。これにより、第1エアバッグ9及び第2エアバッグ10が膨張すると、第2エアバッグ10は蓋部13の裏面に直接当接し、第1エアバッグ9はスペーサ15の最大突出部位である当接部151に当接することになる。よって、蓋部13は、第2エアバッグ10から開くための力を直接受けると共に、第1エアバッグ9からスペーサ15を介して開くための力を間接的に受けることになる。このように、図3に示す実施形態において、スペーサ15を配設することにより、蓋部13が受ける破断して開くための力が、蓋部13のどの部位においても均一に作用するようになる。
結果として、均一に力が作用した蓋部13は、第1エアバッグ9及び第2エアバッグ10により、溝部131において一様に破断して、一挙に開くことになる。これにより、上述したように、開く力の不均一化によって生じ得る不具合は起こらない。
なお、本実施形態において、第1エアバッグ及び第2エアバッグから内装部材に対して作用する、内装部材を開くための力の大きさは、例えば第1エアバッグと第2エアバッグとの折り畳み形態、及びガスの圧入形態等を変更すれば、適宜に調整することができる。
更に、本実施形態において、第1エアバッグ及び第2エアバッグのそれぞれが内装部材を開く時機を揃えることができれば、内装部材を開くための力が均一化される場合がある。
第1エアバッグ及び第2エアバッグが内装部材をそれぞれ開く時機を揃えるには、図3に示したスペーサ15等の本実施形態における充填部材が好適である。
内装部材の開く時機について詳述すると、スペーサ15は、第2エアバッグ10が蓋部13を開く時機と、第1エアバッグ9のみがスペーサ15を介して蓋部13を開く時機との時間差を減らすことができる。これは、スペーサ15が、ガスの圧入が開始されてから、第2エアバッグ10が蓋部13の裏面に当接する時機と、第1エアバッグ9のみがスペーサ15の当接部151に当接する時機との時間差を減らすことができるからである。
これにより、蓋部13は部位によって偏り無く一様に破断する。よって、図3に示す実施形態においては、従来のように第1エアバッグ9のみを設けた場合と同様の蓋部13の破断形態を実現することができ、エアバッグの安定した展開が可能となる。
なお、本実施形態において充填部材は、第1エアバッグ9及び第2エアバッグ10のそれぞれが蓋部13を開く時機の時間差を完全になくす必要は無く、エアバッグの安定した展開に影響がない程度に小さくできれば良い。
スペーサ15の大きさ及び配置は、第2エアバッグ10の先行当接部81と蓋部13の裏面との最短距離、及び、第1エアバッグ9の後行当接部82とスペーサ15の最大突出部位である当接部151との最短距離が、同一又は略同一となるように決定されている。
ここで、先行当接部81及び後行当接部82について説明する。
まず図3に示す実施形態においてスペーサ15を設けないこととした場合に、インフレータ12から第1エアバッグ9及び第2エアバッグ10に対してガスが圧入されると、先行当接部81は最も早い時機に蓋部13に当接する部位であり、後行当接部82は先行当接部81より遅れて蓋部13に当接する部位である。
第1エアバッグ9及び第2エアバッグ10が折り畳まれた状態にあるとき、図3に示す実施形態においては第2エアバッグ10が第1エアバッグ9よりも蓋部13に近接しているので、第2エアバッグ10における蓋部13の裏面に面している部位が先行当接部81となる。また、第1エアバッグ9における蓋部13の裏面に面している部位が後行当接部82となる。
なお、本実施形態においては、第2エアバッグ10が蓋部13に向かって膨張する速度と、第1エアバッグ9がスペーサ15に向かって膨張する速度とが同一であると仮定して、スペーサ15の当接部151と後行当接部82との最短距離を設定している。
本実施形態を既存のエアバッグに適用する場合、内装部材に向かって膨張する際の第1エアバッグと第2エアバッグとの速度差は、第1エアバッグ及び第2エアバッグの形状及び容量、折り畳んだ状態での第1エアバッグ及び第2エアバッグの配置等に応じて変化する。よって、各袋体の性状に鑑みて、凸部又はスペーサ等の充填部材の大きさ及び配置が決定されるのが良い。
本実施形態において、第1エアバッグ及び第2エアバッグの折り畳み形態に応じて、第1エアバッグ及び第2エアバッグの様々な部位が先行当接部及び後行当接部となり得る。
実際には、例えば折り畳まれた状態で第2エアバッグと第1エアバッグとが略面一に配置され、内装部材との距離に差異が生じない場合、又は、第1エアバッグに第2エアバッグが包まれて配置され、第1エアバッグの方が内装部材に近接する場合等が考えられる。
これらの場合であっても、従来のように単に第1エアバッグのみを設けた場合と比べると、第2エアバッグを設けたことに起因して、膨張形態に変化が生じる。例えば、従来は第1エアバッグのみが膨張していたのに対して、第2エアバッグの膨張も同時に進むようになり、場合によっては第2エアバッグが先行して展開するようになるので、乗員保護装置8の展開方向及び展開姿勢等が第2エアバッグの展開方向等に偏ることが考えられる。
よって、本実施形態のように第1エアバッグに連通する第2エアバッグが設けられている限り、第1エアバッグ及び第2エアバッグの一部に先行当接部及び後行当接部が生じることになる。
なお、第1エアバッグのみを設けた場合の膨張形態に比べて展開の偏りが特に大きく生じると考えられるのは、例えば折り畳まれた状態で第2エアバッグの少なくとも一部が第1エアバッグと蓋部との間に配置され、更に蓋部側から収容部内を見たときに第2エアバッグが第1エアバッグの一部に重複するように配置されている場合である。この場合は、スペーサ15等の充填部材を設けない場合は、第1エアバッグと第2エアバッグとがそれぞれ独立して展開しようとするので、蓋部に当接する時機に時間差が生じる可能性が大きい。
例えば、第1エアバッグが内装部材を開く時機が、第2エアバッグが内装部材を開く時機よりも早い場合も考えられる。この場合、図3に示した実施形態とは逆に、第1エアバッグの一部が先行当接部となり、第2エアバッグの一部が後行当接部となる。この場合であっても、上記スペーサ15等の充填部材を第2エアバッグの後行当接部に面して設ければ良い。
更に例えば、第2エアバッグが第1エアバッグにより包まれた状態で折り畳まれる場合も考えられる。この場合、各エアバッグの展開の際に、内装部材の裏面に対して第2エアバッグが直接当接することはない。よって、第2エアバッグの膨張分が付加されて大きく膨張する第1エアバッグの一部が先行当接部となり、第1エアバッグのみの膨張で内装部材に当接する部位が後行当接部となる。この場合であっても、上記スペーサ15等の充填部材を第1エアバッグの後行当接部に面して設ければ良い。
本実施形態においては、各袋体の容量及び形状、折り畳み形態、ガスの圧入形態等を様々に変更した上で、第1エアバッグ及び第2エアバッグのどの部位が先行当接部及び後行当接部になるかを予め試験等で特定しておくことにより、充填部材の配置等を容易に決定することができる。
本実施形態において、凸部又はスペーサ等の充填部材は内装部材の裏面に固定的に取付けられることにより、エアバッグの展開時及び展開後にも内装部材に充填部材が固定された状態を維持することができるので、乗員に対して充填部材が当たることが無い。つまり、エアバッグの展開時及び展開後において、乗員保護の妨げにならないので好ましい。
図1〜3に示す実施形態においては助手席用のエアバッグを例示したが、本実施形態は運転席用のエアバッグ、その他様々な部位に設けられるエアバッグに適用することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により、本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
1:車両、2:車両本体、3:運転席、4:助手席、5:後部座席、6:ダッシュボード、61:グローブボックス、62:センターコンソール、7:ステアリングホイール、8:乗員保護装置、81:先行当接部、82:後行当接部、9:第1エアバッグ、10:第2エアバッグ、11:収容部、12:インフレータ、13:蓋部、131:溝部、14:シートベルト、15:スペーサ、151:当接部、M:乗員

Claims (4)

  1. 乗員室の内装を形成する内装部材と、
    内装部材に配置され、裏側からの圧力により周囲が破断又は押し退けられて開口するように形成された蓋部と、
    蓋部の裏側に配置され、蓋部を開いて乗員室内に展開可能な第1エアバッグと、
    第1エアバッグに設けられると共に第1エアバッグよりも蓋部の裏面に近接して配置され、第1エアバッグから展開して突出可能な第2エアバッグと、
    第1エアバッグ及び第2エアバッグの展開の際に開かれる蓋部の裏側に設けられ、第1エアバッグ及び第2エアバッグから蓋部が受ける力を均一化するために、第1エアバッグのみが蓋部の裏面に到達する時間と第2エアバッグが蓋部の裏面に到達する時間のうち到達時間が長い部分のみに到達時間の差に応じた距離だけ蓋部の裏面側に張り出すように配置された充填部材と、を備える、
    エアバッグを有する車両。
  2. 充填部材は、蓋部の裏面から第1エアバッグ及び第2エアバッグの少なくとも一方に向かって突出する凸部、又は蓋部の裏面に固定的に取付けられるスペーサである、
    請求項1に記載のエアバッグを有する車両。
  3. 車両幅方向において、第2エアバッグは第1エアバッグの一部に設けられ、
    充填部材は、蓋部が第1エアバッグ及び第2エアバッグから受ける力において車両幅方向に沿った力のバラつきを均一化するために、車両幅方向の到達時間の差に応じた距離だけ蓋部の裏面側に張り出すように配置される
    請求項1又は2に記載のエアバッグを有する車両。
  4. 展開前の第2エアバッグは、展開前の第1エアバッグよりも蓋部に到達する到達時間が短くなるように形成され、
    充填部材は第1エアバッグに面して蓋部の裏面側に張り出すように配置される、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のエアバッグを有する車両。
JP2014160700A 2014-08-06 2014-08-06 エアバッグを有する車両 Active JP6408826B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014160700A JP6408826B2 (ja) 2014-08-06 2014-08-06 エアバッグを有する車両

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014160700A JP6408826B2 (ja) 2014-08-06 2014-08-06 エアバッグを有する車両

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016037127A JP2016037127A (ja) 2016-03-22
JP6408826B2 true JP6408826B2 (ja) 2018-10-17

Family

ID=55528621

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014160700A Active JP6408826B2 (ja) 2014-08-06 2014-08-06 エアバッグを有する車両

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6408826B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6423394B2 (ja) 2016-08-04 2018-11-14 トヨタ自動車株式会社 助手席用エアバッグ装置
JP6879137B2 (ja) 2017-09-08 2021-06-02 トヨタ自動車株式会社 後席サイドエアバッグ装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4262931A (en) * 1979-09-18 1981-04-21 Ford Motor Company Air bag restraint system
JPH08324373A (ja) * 1995-05-30 1996-12-10 Ryosuke Honda 斜めからの衝撃も緩和する自動車用エアバック
JP2001114055A (ja) * 1999-10-20 2001-04-24 Toyota Motor Corp 助手席用エアバッグ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016037127A (ja) 2016-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6172165B2 (ja) エアバッグ装置
JP5679075B2 (ja) 自動車用エアバッグシステム
JP6491739B2 (ja) エアバッグ装置
JP6263627B2 (ja) エアバッグ装置
US10040416B2 (en) Vehicle airbag system
US7695004B2 (en) Airbag apparatus
JP6361600B2 (ja) 車両用エアバッグ装置
JP4379433B2 (ja) 膝保護用エアバッグ装置
US20120074677A1 (en) Airbag, airbag device, and method for sewing lid member of airbag
KR102641412B1 (ko) 커튼 에어백 장치
JP6097381B2 (ja) 車両用サイドエアバッグモジュール
JP5639131B2 (ja) カーテンエアバッグ装置の配置構造
JP2016537252A (ja) 巻き付け型側面衝突エアバッグシステムおよび方法
JP6164078B2 (ja) 運転席エアバッグ装置
KR102293580B1 (ko) 커튼 에어백 장치
WO2018061373A1 (ja) エアバッグ装置
JP6616990B2 (ja) 乗員保護装置
JP2008143301A (ja) 歩行者保護用フードエアバッグ装置
JP3775123B2 (ja) 車両のサイドエアバッグ装置
JP6408826B2 (ja) エアバッグを有する車両
JP6488084B2 (ja) エアバッグを有する車両
JP6408827B2 (ja) エアバッグを有する車両
KR101010819B1 (ko) 무릎 에어백 모듈
US20140319807A1 (en) Airbag
KR20060092659A (ko) 자동차용 조수석 에어백 도어 구조

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170530

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180322

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180403

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180531

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180828

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180921

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6408826

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250