JP6394288B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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Description
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、損失を低減可能な電力変換装置を提供することにある。
第1インバータは、第1スイッチング素子を有し、巻線の一端および第1電圧源と接続される。
第2インバータは、第2スイッチング素子を有し、巻線の他端および第2電圧源と接続される。
第1スイッチング素子は、小電流域において、第2スイッチング素子よりもオン抵抗が小さい。第2スイッチング素子は、大電流域において、第1スイッチング素子よりもオン抵抗が小さい。具体的には、例えば、第1スイッチング素子がMOSFETであり、第2スイッチング素子がIGBTである。
第1の態様では、制御部は、回転電機の回転数およびトルクが第1閾値より小さい低負荷領域である場合、第2インバータを中性点化し、回転電機の駆動要求に応じて第1インバータを制御し、回転電機の回転数およびトルクが第1閾値以上、かつ、第2閾値より小さい中負荷領域である場合、第1インバータを中性点化し、駆動要求に応じて第2インバータを制御し、回転電機の回転数およびトルクが第2閾値以上の高負荷領域である場合、駆動要求に応じて第1インバータおよび第2インバータを制御する。
第2の態様では、電力変換装置は、第1インバータおよび第2インバータを冷却する冷却器をさらに備える。冷却器の第1インバータ側を冷却する冷却性能は、第2インバータ側を冷却する冷却性能よりも高い。
(一実施形態)
本発明の一実施形態による電力変換装置を図1〜図7に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態の電力変換装置1は、モータジェネレータ10の電力を変換するものである。
モータジェネレータ10は、例えば電気自動車やハイブリッド車両等の電動自動車に適用され、図示しない駆動輪を駆動するためのトルクを発生する、所謂「主機モータ」である。モータジェネレータ10は、駆動輪を駆動するための電動機としての機能、および、図示しないエンジンや駆動輪から伝わる運動エネルギによって駆動されて発電する発電機としての機能を有する。本実施形態では、モータジェネレータ10が電動機として機能する場合を中心に説明する。
第1インバータ20は、コイル11〜13への通電を切り替える3相インバータであり、6つのスイッチング素子であるU1上アーム素子21、V1上アーム素子22、W1上アーム素子23、U1下アーム素子24、V1下アーム素子25、および、W1下アーム素子26を有する。以下適宜、U1上アーム素子21、V1上アーム素子22、W1上アーム素子23、U1下アーム素子24、V1下アーム素子25、および、W1下アーム素子26を「(第1)スイッチング素子21〜26」という。
このように、本実施形態では、第1インバータ20および第2インバータ30がコイル11〜13の両側に接続される。
MOSFETおよびIGBTの特性について言及しておくと、MOSFETは、IGBTよりもスイッチング損失が小さい。また、MOSFETは、IGBTと比較し、電流が比較的大きい大電流域において、素子温度が上がりやすい。そのため、素子温度の上昇を抑えるべく、素子面積を大きくすると、装置の体格が大型化する。
そのため、電流が比較的小さい小電流域での駆動においてDC特性およびAC特性が優れたMOSFETが有利であり、電流が比較的大きい大電流域での駆動においてはIGBTが有利であるといえる。
第2電源42は、リチウムイオン電池等の充放電可能な直流電源であり、第2インバータ30と接続され、第2インバータ30を経由してモータジェネレータ10と電力を授受可能に設けられる。
第2コンデンサ44は、第2電源42から第2インバータ30側への電流、または、第2インバータ30側から第2電源42側への電流を平滑化する平滑コンデンサである。
冷却通路52は、流入配管55に形成される流入通路56、および、流出配管57に形成される流出通路58と連通する。ブロック矢印Wで示すように、冷却水は、流入通路56から冷却通路52に流入し、流出通路58から排出される。
図4では、冷却器50の本体部51の流入配管55側の端部をゼロとし、流入配管55側の端部からの距離である冷却位置を横軸とし、冷却水温を縦軸とする。図4に示すように、冷却水温は、第1冷却領域C1を流通することで昇温し、中間領域C3では略横ばいとなり、第2冷却領域C2を流通することでさらに昇温する。すなわち、第1冷却領域C1における冷却水の温度は、第2冷却領域C2における冷却水の温度より低く、冷却器50において、第2インバータ30側より、第1インバータ20側の冷却性能が高い、といえる。
制御部60は、スイッチング素子21〜26、31〜36のオンオフ作動を制御する制御信号を生成し、生成された制御信号をスイッチング素子21〜26、31〜36のゲートへ出力する。
第1片側駆動動作では、第2上アーム素子31〜33の全相、または、第2下アーム素子34〜36の全相の一方がオン、他方がオフされることにより、第2インバータ30が中性点化される。また、モータジェネレータ10の駆動要求に応じ、第1インバータ20をPWM制御等により制御する。
図6(b)に示す例では、第1上アーム素子21〜23の全相がオン、第1下アーム素子24〜26の全相がオフされることにより、第1インバータ20が中性点化される。また、第2インバータ30において、U2上アーム素子31、V2下アーム素子35、および、W2下アーム素子36がオンされると、図6(b)中の矢印Y2で示す経路の電流が流れる。
また、第1片側駆動動作では、第1電源41が充放電される。モータジェネレータ10が主機モータであって、頻繁な減速エネルギが生じる走行状態のとき、モータジェネレータ10の駆動領域は低負荷領域R1となる。本実施形態では、内部抵抗、および、充放電の繰り返しによる劣化が比較的小さい高出力型の電源を第1電源41として採用し、低負荷領域R1において、第1電源41側が充放電される第1片側駆動動作としているので、容量型の電源を用いる場合と比較し、第1電源41の劣化を抑制することができる。
反転駆動動作では、モータジェネレータ10の駆動要求に応じた第1基本波F1に基づいて第1インバータ20を制御し、駆動要求に応じた第2基本波F2に基づいて第2インバータ30を制御する。
なお、図6および図7では、制御部60の記載を省略し、オンである素子を実線、オフである素子を破線で示した。
第1インバータ20は、第1スイッチング素子21〜26を有し、コイル11、12、13の一端111、121、131および第1電源41と接続される。
第2インバータ30は、第2スイッチング素子31〜36を有し、コイル11、12、13の他端112、122、132および第2電源42と接続される。
制御部60は、第1スイッチング素子21〜26および第2スイッチング素子31〜36のオンオフ作動を制御する。
本実施形態では、1つのモータジェネレータ10に対して2つのインバータ20、30が設けられる構成において、第1スイッチング素子21〜26と、第2スイッチング素子31〜36とで、異なる特性の素子を用いている。モータジェネレータ10の駆動領域に応じ、小電流域では第1スイッチング素子21〜26がスイッチングされるように第1インバータ20および第2インバータ30を制御することにより、損失を低減することができる。
制御部60は、モータジェネレータ10の回転数およびトルクが第1閾値L1以上、かつ、第2閾値L2より小さい中負荷領域R2である場合、第1インバータ20を中性点化し、駆動要求に応じて第2インバータ30を制御する。
制御部60は、モータジェネレータ10の回転数およびトルクが第2閾値L2以上の高負荷領域R3である場合、駆動要求に応じて第1インバータ20および第2インバータ30を制御する。
また、第2電源42の容量は、第1電源41の容量より大きい。これにより、長期間の出力が可能となる。
(ア)インバータ
上記実施形態では、第1スイッチング素子がMOSFETであり、第2スイッチング素子がIGBTである。他の実施形態では、第1スイッチング素子は、小電流域にて第2スイッチング素子よりもオン抵抗が小さいMOSFET以外の半導体素子等としてもよい。また、第2スイッチング素子は、第1スイッチング素子とは異なるIGBT以外の半導体素子等としてもよい。
上記実施形態では、第1インバータおよび第2インバータがPWM制御される例を中心に説明した。他の実施形態では、第1インバータおよび第2インバータの少なくとも一方をPWM制御以外の制御方法にて制御してもよい。
上記実施形態では、第1電圧源を出力型のリチウムイオンバッテリとし、第2電圧源を容量型のリチウムイオンバッテリとする。他の実施形態では、第1電圧源をキャパシタ等のリチウムイオンバッテリ以外としてもよいし、第2電圧源を鉛蓄電池、燃料電池、または、エンジン等の駆動源により駆動されて発電する発電機等のリチウムイオンバッテリ以外としてもよい。
第1電圧源として、充放電による劣化が小さい「出力型」のものを用い、第2電圧源として、長期間の出力を可能とすべく「容量型」のものを用いることが好ましいが、これに限らない。すなわち、他の実施形態では、第1電圧源の内部抵抗が第2電圧源の内部抵抗以上であってもよいし、第2電圧源の容量が第1電圧源の容量以下であってもよい。また、第1電圧源および第2電圧源は、同等の特性のものを用いてもよい。また、第1電源電圧と第2電源電圧とが異なっていてもよい。
上記実施形態では、第1インバータおよび第2インバータを同一の冷却器により冷却する。他の実施形態では、冷却器の構成は、上記実施形態の構成に限らず、どのようなものとしてもよく、冷却器をインバータ毎に設けてもよいし、冷却器を省略してもよい。また、第1インバータ側の冷却性能が第2インバータ側の冷却性能以下であってもよい。
上記実施形態では、上記実施形態では、モータジェネレータは3相の回転電機であるが、他の実施形態では、3相回転電機に限らず、どのようなものであってもよい。
モータジェネレータが電動車両の主機モータである。他の実施形態では、モータジェネレータは、主機モータに限らず、例えば、スタータ機能とオルタネータ機能とを併せ持つ、所謂ISG(Integrated Starter Generator)や、補機モータであってもよい。また、電力変換装置を車両以外の装置に適用してもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
10・・・モータジェネレータ(回転電機)
11〜13・・・コイル(巻線)
20・・・第1インバータ
21〜26・・・第1スイッチング素子
30・・・第2インバータ
31〜36・・・第2スイッチング素子
41・・・第1電源(第1電圧源) 42・・・第2電源(第2電圧源)
50・・・冷却器
60・・・制御部
Claims (6)
- 巻線(11、12、13)を有する回転電機(10)の電力を変換する電力変換装置(1)であって、
第1スイッチング素子(21〜26)を有し、前記巻線の一端(111、121、131)および第1電圧源(41)と接続される第1インバータ(20)と、
第2スイッチング素子(31〜36)を有し、前記巻線の他端(112、122、132)および第2電圧源(42)と接続される第2インバータ(30)と、
前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子のオンオフ作動を制御する制御部(60)と、
を備え、
前記第1スイッチング素子は、小電流域において、前記第2スイッチング素子よりもオン抵抗が小さく、
前記第2スイッチング素子は、大電流域において、前記第1スイッチング素子よりもオン抵抗が小さく、
前記制御部は、
前記回転電機の回転数およびトルクが第1閾値より小さい低負荷領域である場合、前記第2インバータを中性点化し、前記回転電機の駆動要求に応じて前記第1インバータを制御し、
前記回転電機の回転数およびトルクが前記第1閾値以上、かつ、第2閾値より小さい中負荷領域である場合、前記第1インバータを中性点化し、前記駆動要求に応じて前記第2インバータを制御し、
前記回転電機の回転数およびトルクが前記第2閾値以上の高負荷領域である場合、前記駆動要求に応じて前記第1インバータおよび前記第2インバータを制御することを特徴とする電力変換装置。 - 前記第1インバータおよび前記第2インバータを冷却する冷却器(50)を備え、
前記冷却器の前記第1インバータ側を冷却する冷却性能は、前記第2インバータ側を冷却する冷却性能よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。 - 巻線(11、12、13)を有する回転電機(10)の電力を変換する電力変換装置(1)であって、
第1スイッチング素子(21〜26)を有し、前記巻線の一端(111、121、131)および第1電圧源(41)と接続される第1インバータ(20)と、
第2スイッチング素子(31〜36)を有し、前記巻線の他端(112、122、132)および第2電圧源(42)と接続される第2インバータ(30)と、
前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子のオンオフ作動を制御する制御部(60)と、
前記第1インバータおよび前記第2インバータを冷却する冷却器(50)と、
を備え、
前記第1スイッチング素子は、小電流域において、前記第2スイッチング素子よりもオン抵抗が小さく、
前記第2スイッチング素子は、大電流域において、前記第1スイッチング素子よりもオン抵抗が小さく、
前記冷却器の前記第1インバータ側を冷却する冷却性能は、前記第2インバータ側を冷却する冷却性能よりも高いことを特徴とする電力変換装置。 - 前記第1スイッチング素子は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタであり、
前記第2スイッチング素子は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電力変換装置。 - 前記第1電圧源の内部抵抗は、前記第2電圧源の内部抵抗より小さいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電力変換装置。
- 前記第2電圧源の容量は、前記第1電圧源の容量より大きいことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電力変換装置。
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