JP6389177B2 - オランザピンハプテンに対する抗体及びその使用 - Google Patents

オランザピンハプテンに対する抗体及びその使用 Download PDF

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Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2012年8月21日に出願された米国仮出願第61/691,572号の利益を主張するものである。
(発明の分野)
本発明は、イムノアッセイの分野に関し、具体的には、オランザピンを検出するためのイムノアッセイにおいて使用することができるオランザピンに結合する抗体に関する。
統合失調症は、世界人口の約0.45〜1%が罹患している慢性かつ消耗性の精神障害である(van Os,J.;Kapur,S.「Schizophrenia」Lancet 2009,374,635〜645)。治療の主な目的は、精神病症状からの持続的な寛解を達成すること、再発の危険及び結果を低減させること、並びに患者の機能及び総合的な生活の質を改善することである。多くの統合失調症患者が、利用可能な抗精神病薬物により症状の安定を達成することができる一方で、連日投与される経口薬物での投薬の乏しい遵守は、再発の一般的な理由である。服薬不履行の結果を調査するいくつかの研究(Abdel−Baki,A.;Ouellet−Plamondon,C.;Malla,A.「Pharmacotherapy Challenges in Patients with First−Episode Psychosis」Journal of Affective Disorders 2012,138,S3−S14)は、処方された通りにその薬物を摂取しない統合失調症患者は、再発率、入院率、及び自殺率がより高く、死亡率も上昇することを示している。40〜75%の統合失調症患者が、日常の経口治療レジメンを遵守することに苦労すると推定されている(Lieberman,J.A.;Stroup,T.S.;McEvoy,J.P.;Swartz,M.S.;Rosenheck,R.A.;Perkins,D.O.;Keefe,R.S.E.;Davis,S.M.;Davis,C.E.;Lebowitz,B.D.;Severe,J.;Hsiao,J.K.「Effectiveness of Antipyschotic Drugs in Patients with Chronic Schizophrenia」New England Journal of Medicine 2005,353(12),1209〜1223)。
治療薬物監視(TDM)は、治療の監視及び最適化のための抗精神病薬を含む薬物の血清又は血漿濃度の定量化である。このような監視は、例えば、その薬物レジメンを遵守していないか、治療用量を達成していないか、治療用量で反応しないか、準最適な忍容性を有するか、薬物動態学的な薬物−薬物の相互作用を有するか、又は不適切な血漿濃度をもたらす異常代謝を有する患者の識別を可能にする。抗精神病薬を吸収、分布、代謝、及び***する患者の能力にはかなりの個人差が存在する。そのような差は、併発症、年齢、併用薬、又は遺伝体質によって引き起こされ得る。異なる薬物製剤も抗精神病薬の代謝に影響を及ぼし得る。TDMは、個々の患者の用量最適化を可能にし、治療的及び機能的結果を改善する。TDMは、処方する臨床医が、処方された薬用量の遵守及び有効な血清濃度の達成を確実にすることを更に可能にする。
現在に至るまで、抗精神病薬の血清又は血漿濃度のレベルを決定するための方法は、UV又は質量分析検出を用いた液体クロマトグラフィー(LC)の使用、及びラジオイムノアッセイを伴う(例えば、Woestenborghs et al.,1990「On the selectivity of some recently developed RIA’s」in Methodological Surveys in Biochemistry and Analysis 20:241〜246.Analysis of Drugs and Metabolites,Including Anti−infective Agents、Heykants et al.,1994「The Pharmacokinetics of Risperidone in Humans:A Summary」,J Clin Psychiatry 55/5,suppl:13〜17、Huang et al.,1993「Pharmacokinetics of the novel anti−psychotic agent risperidone and the prolactin response in healthy subjects」,Clin Pharmacol Ther 54:257〜268を参照のこと)。ラジオイムノアッセイは、リスペリドン及びパリペリドンの一方又は両方を検出する。Salamoneらは、米国特許第8,088,594号において、リスペリドン及びパリペリドンの両方を検出するが、薬理学的に不活性な代謝物は検出しない抗体を用いたリスペリドンの競合イムノアッセイを開示している。競合イムノアッセイにおいて使用される抗体は、特定の免疫原に対して開発される。ID Labs Inc.(London,Ontario,Canada)は、競合フォーマットも利用する別の抗精神病薬であるオランザピンのELISAを市販している。使用説明書は、アッセイがスクリーニング目的のために設計され、法医学又は研究用途を対象としており、特に治療用途を対象としていないことを示す。説明書は、全ての陽性サンプルがガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC−MS)で確認されるべできあることを推奨し、使用される抗体がオランザピン及びクロザピンを検出することを示す(ID Labs Inc.,「Instructions For Use Data Sheet IDEL−F083」,Rev.Date Aug.8,2011を参照のこと)。これらの方法のうちのいくつか、即ち、HPLC及びGC/MSは、高価で大きな労働力を要するものであり得、一般的には、適切な設備を有する大規模又は特殊な研究所でのみ実施される。
抗精神病薬のレベルを決定するための他の方法、具体的には、処方する臨床医の診療室(ここで、個々の患者の治療をよりいっそうタイミング良く調節することができる)、及びLC又はGC/MS設備を欠くか、又は迅速な試験結果を必要とする他の医療機関において実施することのできる方法が必要とされている。
オランザピンは、以下のものである。
本発明は、オランザピンに結合する単離された抗体又はその結合断片であって、(i)式Iの化合物及び免疫原性担体のコンジュゲートに応答して生成されるか、又は(ii)(i)の抗体によって結合されるエピトープと同一のエピトープに対して競合する、単離された抗体又はその結合断片を対象とする。
式I:
(式中、
が、H、
CHNH、CHNHC(O)(CHCOH、又はZ−(Y)−Gであり、
が、H、
CHNH、CHNHC(O)(CHCOH、又はZ−(Y)−Gであり、
が、H、又はW−(Y)−Gであり、但し、R、R、Rのうちの2つがHでなければならず、更にR、R、及びRが全て同時にHでなく、
ここで、Zが、
−N(R)−、−O−、−S−、−アルキル−、−アルコキシアルキル−、−アミノアルキル−、−チオアルキル−、−ヘテロアルキル−、アルキルカルボニル−、
からなる群から選択され、
ここで、Wが、
−C(O)−、−アルキル−、−アルコキシアルキル−、−アミノアルキル−、−チオアルキル−、−ヘテロアルキル−、−アルキルカルボニル−、−N(R)−、
からなる群から選択され、
が、H、アルキル基、シクロアルキル基、アラアルキル基、又は置換若しくは非置換アリール基であり、
Yが、有機スペーサ基であり、
Gが、担体に結合することができる官能性連結基であり、
pが、0、又は1であり、
mが、1、2、3、4、又は5であり、
nが、1、2、3、4、又は5である。)
本発明の抗体の現在好ましい実施形態は、式IIを有する化合物に対して生成される、35及び61と指定される抗体、並びに、式IIIを有する化合物に対して生成される、3F11及び4G9−1と指定される抗体である。別の好適な免疫原は、式IVを有する化合物である。
式II(化合物11):
式III(化合物15):
式IV(化合物10):
本発明の抗体は、アッセイキット及びアッセイ装置において提供され得、現在好ましい装置は、ポイントオブケア(point-of-care)分析を提供する側方流動アッセイ装置である。
本発明は、オランザピンに結合する抗体を産生する方法であって、(i)抗体産生のための宿主細胞を選択する工程と、(ii)宿主に式Iの化合物及び免疫原性担体のコンジュゲートを接種する工程であって、宿主がオランザピンに結合する抗体を産生する、工程と、を含む方法を更に提供する。オランザピンに結合するモノクローナル抗体を産生することができるハイブリドーマ細胞株を産生する方法が更に提供される。この方法は、(i)抗体産生のための宿主を選択する工程と、(ii)宿主に式Iの化合物及び免疫原性担体のコンジュゲートを接種する工程と、(iii)接種された宿主由来の細胞株を連続***細胞と融合させて、オランザピンに結合するモノクローナル抗体を産生することができる融合細胞を作製する工程と、(iv)ハイブリドーマ細胞株を得るように融合細胞をクローニングする工程と、を含む。
本発明は、サンプル中のオランザピンを検出する方法を更に提供する。この方法は、(i)サンプルを、検出可能なマーカーで標識化された本発明に従う抗体と接触させる工程であって、サンプル中に存在する標識化抗体及びオランザピンが、標識化複合体を形成する、工程と、(ii)サンプル中のオランザピンを検出するように標識化複合体を検出する工程と、を含む。
サンプル中のオランザピンを検出するための競合イムノアッセイ方法が更に提供される。この方法は、(i)サンプルを、本発明に従う抗体と、及びオランザピン又はオランザピンの競合結合パートナーと接触させる工程であって、抗体及びオランザピン又はその競合結合パートナーのうちの1つが、検出可能なマーカーで標識化され、かつ、サンプルオランザピンが、抗体への結合においてオランザピン又はその競合結合パートナーと競合する、工程と、(ii)サンプルオランザピンを検出するように標識を検出する工程と、を含む。
本発明の更なる目的、特徴、及び利点が、以下の好ましい実施形態の詳細な考察から、当業者に明らかになるであろう。
3つの異なるマウス融合11.1ハイブリドーマを用いて生成された競合ELISA結果を示す図である。 3つの異なるマウス融合11.1ハイブリドーマを用いて生成された競合ELISA結果を示す図である。 3つの異なるマウス融合11.1ハイブリドーマを用いて生成された競合ELISA結果を示す図である。 側方流動アッセイ装置上で使用される競合イムノアッセイフォーマットを示す図である。 オランザピン抗体クローン35を用いて生成された典型的な用量反応曲線を示す図である。 オランザピン抗体クローン61を用いて生成された典型的な用量反応曲線を示す図である。 オランザピン抗体3F11を用いて生成された典型的な用量反応曲線を示す図である。 本発明に従う側方流動アッセイ装置のチップ設計を示す図である。 抗体5C7及び標識化アリピプラゾール競合結合パートナーを用いて生成されたアリピプラゾール陽性対照の典型的な用量反応曲線を示す図である。 抗体4G9−1及び標識化オランザピン競合結合パートナーを用いて生成されたオランザピン陽性対照の典型的な用量反応曲線を示す図である。 抗体11及び標識化クエチアピン競合結合パートナーを用いて生成されたクエチアピン陽性対照の典型的な用量反応曲線を示す図である。 抗体5−9及び標識化リスペリドン競合結合パートナーを用いて生成されたリスペリドン陽性対照の典型的な用量反応曲線を示す図である。 標識化アリピプラゾール競合結合パートナーの存在下でアリピプラゾール抗体5C7を用いて生成されたアリピプラゾールを含有するサンプルの典型的な用量反応曲線を示す図であり、各々に対する標識化競合結合パートナーの存在下で、オランザピン、クエチアピン、又はリスペリドンの用量反応曲線は存在しない。 標識化オランザピン競合結合パートナーの存在下でオランザピン抗体4G9−1を用いて生成されたオランザピンを含有するサンプルの典型的な用量反応曲線を示す図であり、各々に対する標識化競合結合パートナーの存在下で、アリピプラゾール、クエチアピン、又はリスペリドンの用量反応曲線は存在しない。 標識化クエチアピン競合結合パートナーの存在下でクエチアピン抗体11を用いて生成されたクエチアピンを含有するサンプルの典型的な用量反応曲線を示す図であり、各々に対する標識化競合結合パートナーの存在下で、アリピプラゾール、オランザピン、又はリスペリドンの用量反応曲線は存在しない。 標識化リスペリドン競合結合パートナーの存在下でリスペリドン抗体5−9を用いて生成されたリスペリドンを含有するサンプルの典型的な用量反応曲線を示す図であり、各々に対する標識化競合結合パートナーの存在下で、アリピプラゾール、オランザピン、又はクエチアピンの用量反応曲線は存在しない。 標識化アリピプラゾール競合結合パートナーの存在下でアリピプラゾール抗体5C7を用いて生成されたアリピプラゾールを含有するサンプルの典型的な用量反応曲線を示す図であり、各々に対する抗体及び標識化競合結合パートナーの存在下で、オランザピン、クエチアピン、又はリスペリドンの用量反応曲線は存在しない。 標識化オランザピン競合結合パートナーの存在下でオランザピン抗体4G9−1を用いて生成されたオランザピンを含有するサンプルの典型的な用量反応曲線を示す図であり、各々に対する抗体及び標識化競合結合パートナーの存在下で、アリピプラゾール、クエチアピン、又はリスペリドンの用量反応曲線は存在しない。 標識化クエチアピン競合結合パートナーの存在下でクエチアピン抗体11を用いて生成されたクエチアピンを含有するサンプルの典型的な用量反応曲線を示す図であり、各々に対する抗体及び標識化競合結合パートナーの存在下で、アリピプラゾール、オランザピン、又はリスペリドンの用量反応曲線は存在しない。 標識化リスペリドン競合結合パートナーの存在下でリスペリドン抗体5−9を用いて生成されたリスペリドンを含有するサンプルの典型的な用量反応曲線を示す図であり、各々に対する抗体及び標識化競合結合パートナーの存在下で、アリピプラゾール、オランザピン、又はクエチアピンの用量反応曲線は存在しない。 陽性対照として生成されるアリピプラゾール用量反応曲線と、多重フォーマットで生成されるアリピプラゾール用量反応曲線との比較を示す図である。 陽性対照として生成されるオランザピン用量反応曲線と、多重フォーマットで生成されるオランザピン用量反応曲線との比較を示す図である。 陽性対照として生成されるクエチアピン用量反応曲線と、多重フォーマットで生成されるクエチアピン用量反応曲線との比較を示す図である。 陽性対照として生成されるリスペリドン用量反応曲線と、多重フォーマットで生成されるリスペリドン用量反応曲線との比較を示す図である。
本発明は、オランザピンに結合する単離された抗体を提供する。本発明は、この抗体を含むアッセイキット及びアッセイ装置を更に提供する。この抗体を産生する方法、及びこの抗体を産生することのできるハイブリドーマ細胞株を産生する方法も提供される。競合方法を含む、サンプル中のオランザピンを検出する方法が更に提供される。
一実施形態において、本発明は、オランザピンに結合する単離された抗体又はその結合断片であって、(i)式Iの化合物及び免疫原性担体のコンジュゲートに応答して生成されるか、又は(ii)(i)の抗体によって結合されるエピトープと同一のエピトープに対して競合する、単離された抗体又はその結合断片を対象とする。
式I:
(式中、
が、H、
CHNH、CHNHC(O)(CHCOH、又はZ−(Y)−Gであり、
が、H、
CHNH、CHNHC(O)(CHCOH、又はZ−(Y)−Gであり、
が、H、又はW−(Y)−Gであり、但し、R、R、Rのうちの2つがHでなければならず、更にR、R、及びRが全て同時にHでなく、
ここで、Zが、
−N(R)−、−O−、−S−、−アルキル−、−アルコキシアルキル−、−アミノアルキル−、−チオアルキル−、−ヘテロアルキル−、アルキルカルボニル−、
からなる群から選択され、
ここで、Wが、
−C(O)−、−アルキル−、−アルコキシアルキル−、−アミノアルキル−、−チオアルキル−、−ヘテロアルキル−、−アルキルカルボニル−、−N(R)−、
からなる群から選択され、
が、H、アルキル基、シクロアルキル基、アラアルキル基、又は置換若しくは非置換アリール基であり、
Yが、有機スペーサ基であり、
Gが、担体に結合することができる官能性連結基であり、
pが、0、又は1であり、
mは、1、2、3、4、又は5であり、
nが、1、2、3、4、又は5である。)
更なる実施形態において、本発明は、オランザピンに結合する単離された抗体又はその結合断片であって、(i)式Iの化合物及び免疫原性担体のコンジュゲートに応答して生成されるか、又は(ii)(i)の抗体によって結合されるエピトープと同一のエピトープに対して競合する、単離された抗体又はその結合断片を対象とする(式中、
が、H、
CHNH、CHNHC(O)(CHCOH、又はZ−(Y)−Gであり、
が、H、
CHNH、CHNHC(O)(CHCOH、又はZ−(Y)−Gであり、
但し、R又はRのいずれかがHでなければならず、更にR及びRの両方が同時にHでなく、
が、Hであり、
ここで、Zが、
−N(R)−、−O−、−S−、−アルキル−、−アルコキシアルキル−、−アミノアルキル−、−チオアルキル−、−ヘテロアルキル−、−アルキルカルボニル−、
からなる群から選択され、
が、H、アルキル基、シクロアルキル基、アラアルキル基、又は置換若しくは非置換アリール基であり、
Yが、有機スペーサ基であり、
Gが、担体に結合することができる官能性連結基であり、
pが、0、又は1であり、
mが、1、2、3、4、又は5であり、
nが、1、2、3、4、又は5である)。
更なる実施形態において、本発明は、オランザピンに結合する単離された抗体又はその結合断片であって、(i)式Iの化合物及び免疫原性担体のコンジュゲートに応答して生成されるか、又は(ii)(i)の抗体によって結合されるエピトープと同一のエピトープに対して競合する、単離された抗体又はその結合断片を対象とする(式中、
が、H、又はCHNH−(Y)−Gであり、
が、H、又はCHNH−(Y)−Gであり、但し、R又はRのいずれかがHでなければならず、更にR及びRの両方が同時にHでなく、
が、Hであり、
ここで、Yが、有機スペーサ基であり、
Gが、担体に結合することができる官能性連結基であり、
pが、1である)。
更なる実施形態において、本発明は、オランザピンに結合する単離された抗体又はその結合断片であって、(i)式Iの化合物及び免疫原性担体のコンジュゲートに応答して生成されるか、又は(ii)(i)の抗体によって結合されるエピトープと同一のエピトープに対して競合する、単離された抗体又はその結合断片を対象とする(式中、
が、H、
CHNH、又はCHNHC(O)(CHCOHであり、
が、H、
CHNH、又はCHNHC(O)(CHCOHであり、但し、R又はRのいずれかがHでなければならず、更にR及びRの両方が同時でなく、
が、Hであり、
mが、1、2、3、4、又は5であり、
nが、1、2、3、4、又は5である)。
更なる実施形態において、本発明は、オランザピンに結合する単離された抗体又はその結合断片であって、(i)式Iの化合物及び免疫原性担体のコンジュゲートに応答して生成されるか、又は(ii)(i)の抗体によって結合されるエピトープと同一のエピトープに対して競合する、単離された抗体又はその結合断片を対象とする(式中、
が、H、
CHNH、又はCHNHC(O)(CHCOHであり、
が、H、
CHNH、又はCHNHC(O)(CHCOHであり、但し、R又はRのいずれかがHでなければならず、更にR及びRの両方が同時にHでなく、
が、Hであり、
mが、1、2、3、4、又は5であり、
nが、1、2、3、4、又は5である)。
好ましい実施形態において、本発明は、オランザピンに結合する単離された抗体又はその結合断片であって、(i)式Vの化合物及び免疫原性担体のコンジュゲートに応答して生成されるか、又は(ii)(i)の抗体によって結合されるエピトープと同一のエピトープに対して競合する、単離された抗体又はその結合断片を対象とする。
好ましい実施形態において、本発明は、オランザピンに結合する単離された抗体又はその結合断片であって、(i)式VIの化合物及び免疫原性担体のコンジュゲートに応答して生成されるか、又は(ii)(i)の抗体によって結合されるエピトープと同一のエピトープに対して競合する、単離された抗体又はその結合断片を対象とする。
好ましい実施形態において、本発明は、オランザピンに結合する単離された抗体又はその結合断片であって、(i)式VIIの化合物及び免疫原性担体のコンジュゲートに応答して生成されるか、又は(ii)(i)の抗体によって結合されるエピトープと同一のエピトープに対して競合する、単離された抗体又はその結合断片を対象とする。
好ましい実施形態において、本発明は、オランザピンに結合する単離された抗体又はその結合断片であって、(i)式VIIIの化合物及び免疫原性担体のコンジュゲートに応答して生成されるか、又は(ii)(i)の抗体によって結合されるエピトープと同一のエピトープに対して競合する、単離された抗体又はその結合断片を対象とする。
好ましい実施形態において、本発明は、オランザピンに結合する単離された抗体又はその結合断片であって、(i)式IXの化合物及び免疫原性担体のコンジュゲートに応答して生成されるか、又は(ii)(i)の抗体によって結合されるエピトープと同一のエピトープに対して競合する、単離された抗体又はその結合断片を対象とする。
好ましい実施形態において、本発明は、オランザピンに結合する単離された抗体又はその結合断片であって、(i)式Xの化合物及び免疫原性担体のコンジュゲートに応答して生成されるか、又は(ii)(i)の抗体によって結合されるエピトープと同一のエピトープに対して競合する、単離された抗体又はその結合断片を対象とする。
好ましくは、本発明の抗体は、式I、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、及び式Xの化合物から選択される化合物と、免疫原性担体とのコンジュゲートに応答して生成される。
上記の式によって表される化合物、並びに化合物及び免疫原性担体によって形成されるコンジュゲートの更なる詳細は、「化合物、コンジュゲート、及び免疫原」と題される以下の項において提供される。
本発明の抗体の更なる詳細は、「抗体」と題される以下の項において提供される。
本発明は、この抗体を含むアッセイキット、並びにこの抗体を含むアッセイ装置を更に提供する。好ましくは、アッセイ装置は、側方流動アッセイ装置である。アッセイキット及びアッセイ装置の更なる詳細は、「アッセイキット及び装置」と題される以下の項において提供される。
本発明は、オランザピンに結合する抗体を産生する方法であって、(i)抗体産生のための宿主細胞を選択する工程と、(ii)宿主に式Iの化合物及び免疫原性担体のコンジュゲートを接種する工程であって、宿主がオランザピンに結合する抗体を産生する、工程と、を含む方法を更に提供する。更なる実施形態において、この方法で用いられるコンジュゲートは、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、及び式Xの化合物から選択される化合物と、免疫原性担体とのコンジュゲートであってもよい。本発明の抗体の産生に関する更なる詳細は、「抗体」と題される以下の項において提供される。
オランザピンに結合するモノクローナル抗体を産生することができるハイブリドーマ細胞株を産生する方法が更に提供される。この方法は、(i)抗体産生のための宿主を選択する工程と、(ii)宿主に式Iの化合物及び免疫原性担体のコンジュゲートを接種する工程と、(iii)接種された宿主由来の細胞株を連続***細胞と融合させて、オランザピンに結合するモノクローナル抗体を産生することができる融合細胞を作製する工程と、(iv)ハイブリドーマ細胞株を得るように融合細胞をクローニングする工程と、を含む。更なる実施形態において、この方法で用いられるコンジュゲートは、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、及び式Xの化合物から選択される化合物と、免疫原性担体とのコンジュゲートであってもよい。本発明に従うハイブリドーマの産生の更なる詳細は、「抗体」と題される以下の項において提供される。
本発明は、サンプル中のオランザピンを検出する方法を更に提供する。この方法は、(i)サンプルを、検出可能なマーカーで標識化された本発明に従う抗体と接触させる工程であって、サンプル中に存在する標識化抗体及びオランザピンが、標識化複合体を形成する、工程と、(ii)サンプル中のオランザピンを検出するように標識化複合体を検出する工程と、を含む。本発明に従うオランザピンを検出する方法の更なる詳細は、「イムノアッセイ」と題される以下の項において提供される。
サンプル中のオランザピンを検出するための競合イムノアッセイ方法が更に提供される。この方法は、(i)サンプルを、本発明に従う抗体と、及びオランザピン又はオランザピンの競合結合パートナーと接触させる工程であって、抗体及びオランザピン又はその競合結合パートナーのうちの1つが、検出可能なマーカーで標識化され、かつ、サンプルオランザピンが、抗体への結合においてオランザピン又はその競合結合パートナーと競合する、工程と、(ii)サンプルオランザピンを検出するように標識を検出する工程と、を含む。本発明に従うオランザピンを検出する競合イムノアッセイ方法の更なる詳細は、「イムノアッセイ」と題される以下の項において提供される。
本発明の好ましい実施形態において、オランザピンの検出は、オランザピンに加えて1つ以上の検体の検出を伴う。好ましくは、これらの1つ以上の検体は、オランザピン以外の抗精神病薬であり、より好ましくは、オランザピン以外の抗精神病薬は、アリピプラゾール、リスペリドン、パリペリドン、クエチアピン、及びこれらの代謝物からなる群から選択される。
上述のように、本発明の抗体をアッセイにおいて使用し、患者サンプル中の抗精神病薬の存在及び/又は量を検出することができる。そのような検出は、それらの利点の全てを可能にする治療薬物監視を可能にする。抗精神病薬のレベルの検出は、多くの目的に有用であり得、これらの各々は、処方された療法の患者遵守又はコンプライアンスの決定と、患者を経口的な抗精神病薬レジメンから長時間作用型の注入可能な抗精神病薬レジメンに転向すべきかを決定するための決定ツールとしての使用と、有効又は安全な薬物レベルの達成又は維持を確実にするために、経口的又は注入可能な抗精神病薬の用量レベル又は投与間隔を増大又は減少させるべきかを決定するための決定ツールとしての使用と、最小pKレベルの達成の証拠を提供することによって抗精神病薬療法の開始を助けるものとしての使用と、複数の製剤中又は複数の供給源由来の抗精神病薬の生物学的同等性を決定するための使用と、多剤併用及び潜在的な薬物−薬物相互作用の影響を評価するための使用と、患者が臨床治験から除外されるべきか、又はそれに含まれるべきかの指標、及び臨床治験投薬要件の遵守のその後の監視を助けるものとしての使用と、を含む、本発明の別の実施形態を表す。
化合物、コンジュゲート、及び免疫原
化合物及びコンジュゲート並びに免疫原に関して、以下の略語を使用する:AMASは、N−(α−マレイミドアセトキシ)サクシニミドエステルであり、BTGは、ウシサイログロブリンであり、BuNは、トリブチルアミンであり、DCCは、ジシクロヘキシルカルボジイミドであり、DCMは、ジクロロメタンであり、DIEAは、ジイソプロピルエチルアミンであり、DMFは、N,N−ジメチルホルムアミドであり、DMSOは、ジメチルスルホキシドであり、EDTAは、エチレンジアミン四酢酸であり、KLHは、キーホールリンペットヘモシアニンであり、SATAは、N−サクシニミジルS−アセチルチオアセテートであり、TEAは、トリエチルアミンであり、THFは、テトラヒドロフランであり、TFAは、トリフルオロ酢酸であり、r.t.は、室温であり、DICは、ジイソプロピルカルボジイミドであり、DMAPは、N,N−ジメチル−4−アミノピリジンであり、EDCは、1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロライドであり、NHSは、N−ヒドロキシサクシニミドであり、TFPは、テトラフルオロフェニルであり、PNPは、p−ニトロフェニルであり、TBTUは、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレートであり、HOBTは、N−ヒドロキシベンゾトリアゾールeであり、DEPBTは、3−(ジエトキシホスホリルオキシ)−1,2,3−ベンゾトラジン−4(3H)−オンであり、BOP−Clは、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスホン酸クロライドであり、DTTは、ジチオエリトリトールである。
「コンジュゲート」という用語は、別々の部分が結合することによって形成される任意の物質を指す。代表的なコンジュゲートには、式Iの化合物などの小分子と、担体又はポリアミンポリマー、具体的には、タンパク質などの巨大分子が結合することによって形成されるものが含まれる。コンジュゲートにおいて、小分子は、巨大分子上の1つ以上の活性部位で結合され得る。
「ハプテン」という用語は、部分抗原又は不完全抗原を指す。ハプテンは、抗体形成を刺激することはできないが、抗体と反応する、タンパク質を含まない物質である。この抗体は、ハプテンを高分子量の免疫原性担体にカップリングし、その後、このカップリングされた生成物、即ち、免疫原を、ヒト又は動物の被験体に注入することによって形成される。
「免疫原」という用語は、生体内の免疫応答を、誘発、産生、又は生成することができる物質を指す。
本明細書で使用される「免疫原性担体」は、1つ以上の位置でハプテンと結合し、それによりこれらのハプテンと結合し得る抗体の産生を可能にすることができる、免疫原性物質、一般的にはタンパク質である。免疫原性担体物質の例として、異質とみなされ、それにより宿主から免疫反応を誘発する、タンパク質、糖タンパク質、ポリアミノ−ポリサッカライド複合体、粒子、及び核酸が挙げられるが、これらに限定されない。ポリアミノ−ポリサッカライドは、この調製で知られる従来の手段のうちのいずれかを用いて、ポリサッカライドから調製され得る。
様々な種類のタンパク質を、アルブミン、血清タンパク質、リポタンパク質などを含むが、これらに限定されない免疫原性担体として利用することができる。例示的なタンパク質には、ウシ血清アルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン、卵オボアルブミン、ウシサイログロブリン、フラクションVヒト血清アルブミン、ウサギアルブミン、カボチャ種子グロブリン、ジフテリアトキソイド、テタヌストキソイド、ボチリヌストキシン、サクシニル化タンパク質、及び、例えばポリリシンなどの合成ポリ(アミノ酸)が含まれる。
免疫原性担体には、モノサッカライドの繰り返しの凝縮によって作り上げられる高分子量ポリマーである、ポリアミノ−ポリサッカライドも含まれ得る。ポリサッカライドの例は、デンプン、グリコーゲン、セルロース、アラビアゴムなどの炭水化物ゴム、カンテンなどである。ポリサッカライドは、ポリ(アミノ酸)残留物及び/又は脂質残留物も含有する。
免疫原性担体は、単独で、又は上述のポリ(アミノ酸)若しくはポリサッカライドのうちの1つにコンジュゲートされるポリ(核酸)であり得る。
免疫原性担体は、固形粒子も含み得る。これらの粒子は、一般的には、直径が少なくとも約0.02ミクロン(μm)〜約100μm以下であり、通常は約0.05μm〜10μmである。これらの粒子は、有機又は無機、膨潤性又は非膨潤性、多孔質又は非多孔質であってもよく、最適には水に近似した密度、一般的には、約0.7〜1.5g/mLの密度であり得、透明、部分的に透明、又は不透明であり得る材料から成り得る。これらの粒子は、赤血球、白血球、リンパ球、ハイブリドーマ、連鎖球菌、黄色ブドウ球菌、大腸菌、及びウイルスなどの非限定的な例を含む、細胞及び微生物などの生物材料であってもよい。これらの粒子は、有機及び無機ポリマー、リポソーム、ラテックス、リン脂質小胞、又はリポタンパク質からも成り得る。
「誘導体」という用語は、1つ以上の化学反応によって親化合物から作製される化学化合物又は分子を指す。
化学化合物の「類似体」という用語は、炭素原子鎖及び基準化合物と同一の特定の官能基を含有するが、類似体の炭素鎖が基準化合物の炭素鎖よりも長いか短い、化学化合物を指す。
「標識」、「検出分子」、「レポーター」、又は「検出可能なマーカー」は、検出可能なシグナルを生成するか、生成するように誘発され得る、任意の分子である。標識は、検体、免疫原、抗体にコンジュゲートされ得るか、あるいは、受容体、又は配位子、具体的には、ハプテン若しくは抗体などの受容体に結合することができる分子などの別の分子にコンジュゲートされ得る。標識は、連結又は架橋部分を用いて直接的又は間接的に結合され得る。標識の非限定的な例として、放射性同位元素(例えば、125I)、酵素(例えば、β−ガラクトシダーゼ、ペルオキシダーゼ)、酵素断片、酵素基質、酵素阻害物質、補酵素、触媒、フルオロフォア(例えば、ローダミン、フルオレセインイソチオシアネート若しくはFITC、又はDylight 649)、染料、化学発光物質、及び発光物質(例えば、ジオキセタン、ルシフェリン)、又は感作物質が挙げられる。
本明細書で使用される「スペーサ」とは、ハプテン、担体、免疫原、標識、又は結合パートナーなどの2つ以上の部分構造体を、官能性連結基を介して連結する、化学構造体の一部を指す。これらのスペーサ基は、典型的には有機化合物に存在し、そこで典型的に見出される方法で構築される原子から成るため、「有機スペーシング基」と称され得る。スペーサを構築するために使用される化学的構成要素は、本出願の以下に記載される。好ましいスペーサの中には、直鎖又は分岐状の飽和又は不飽和の炭素鎖がある。これらの炭素鎖は、その鎖内の1つ以上のヘテロ原子であって、鎖内又は鎖末端の任意の炭素原子の1つ以上の水素を置換する、1つ以上のヘテロ原子も含み得る。「ヘテロ原子」とは、酸素、窒素、リン、及び硫黄からなる群から選択される炭素以外の原子を意味し、ここで、窒素、リン、及び硫黄原子は、任意の酸化状態で存在し得、それらに結合される炭素又は他のヘテロ原子を有し得る。スペーサは、鎖の一部として、又は鎖内の原子のうちの1つの置換体として、環式又は芳香族基も含み得る。
スペーシング基内の原子の数は、水素以外の原子を計数することによって決定される。スペーシング基内の鎖内の原子の数は、連結されている部分構造体の間の最短経路に沿って水素以外の原子の数を計数することによって決定される。好ましい鎖長は、1〜20原子長である。
「官能性連結基」とは、ハプテン上に存在し、それを介してハプテン部分が共有化学結合の形成によって別の部分にカップリングされ、別の部分(例えば、標識又は担体など)を有するハプテンのコンジュゲートを生成することができる、利用可能な反応部位を提供するために使用され得る反応基を指す。ハプテンは、このような方法でビオチンなどの部分に連結されて、競合結合パートナーを形成することができる。
スペーサ基を用いて、ハプテンを担体に連結することができる。異なる長さのスペーサは、抗体形成プロセスの最適化のために免疫化される動物又はヒトの免疫系に対する提示のために、担体から様々な距離でハプテンが結合することを可能にする。ハプテン分子内の異なる位置への結合は、ハプテン上の特異的部位を免疫系に提示して、抗体認識に影響を及ぼすことができる機会を可能にする。スペーサは、親水性可溶化基を含有して、ハプテン誘導体に水性培地内でより可溶性を持たせることができる。親水性可溶化基の例として、ポリオキシアルキルオキシ基、例えば、ポリエチレングリコール鎖と、ヒドロキシル、カルボキシレート、及びスルホネート基とが挙げられるが、これらに限定されない。
「求核基」又は「求核物質」という用語は、電子対を供与して反応における化学結合を形成する種を指す。「求電子基」又は「求電子物質」という用語は、求核物質から電子対を受容して反応における化学結合を形成する種を指す。
「置換される」という用語は、親分子上の任意の位置の炭素原子上の水素原子の代わりの原子又は原子の一群の置換を指す。置換基の非限定的な例として、ハロゲン原子、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、アルキル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、シアノ、アルコキシ、ニトロ、アルデヒド、及びケトン基が挙げられる。
「アルキル」という用語は、別途記載されない限り、最大12個の炭素原子を有する飽和又は不飽和の線状及び分岐状の鎖ラジカルを意味し、具体的には、任意の飽和度又はレベルを有するラジカルを含むことが意図される。アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、2,2,4−トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、及びドデシルを含むが、これらに限定されない。
「シクロアルキル」という用語は、3〜10個の炭素原子から成る飽和又は部分的に不飽和の単環式又は二環式の炭化水素環ラジカルを指す。アルキル置換基は、環上に任意に存在し得る。例として、シクロプロピル、1,1−ジメチルシクロブチル、1,2,3−トリメチルシクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘキセニルが挙げられる。
「ヘテロアルキル」という用語は、鎖内の1つ以上のヘテロ原子を含むアルキル基であって、鎖内又は鎖末端の任意の炭素原子の1つ以上の水素を置換する、1つ以上のヘテロ原子を含むアルキル基を指す。
「アミノアルキル」という用語は、アルキル鎖に沿って任意の炭素原子に結合される少なくとも1つの一級又は二級アミノ基を指す。
「アルコキシ」という用語は、別途記載されない限り、酸素原子に結合される、最大12個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖のラジカルを指す。例として、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、及びブトキシが挙げられるが、これらに限定されない。
「アルコキシアルキル」という用語は、アルキル鎖に沿って任意の炭素原子に結合される少なくとも1つのアルコキシ基を指す。
「チオアルキル」という用語は、アルキル鎖に沿って任意の炭素原子に結合される少なくとも1つの硫黄基を指す。硫黄基は、任意の酸化状態であり得、スルホキシド、スルホン、及びスルフェートを含む。
「カルボキシレート基」という用語は、カルボン酸及びアルキル、シクロアルキル、アリール、又はアラルキルカルボキシレートエステルを含む。
「アルキルカルボニル」という用語は、アルキル鎖に沿って任意の炭素原子に結合されるカルボニル基を有する基を指す。
「ヘテロアリール」という用語は、5〜7員の単環式、又は8〜10員の二環式芳香環ラジカルを意味し、これらのいずれの環も、N、O、又はSから選択される1〜4個のヘテロ原子から成り得、窒素及び硫黄原子は、許容されるいずれかの酸化状態で存在し得る。例として、ベンジミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、フリル、イミダゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、キノリニル、チアゾリル、及びチエニルが挙げられる。
「アリール」という用語は、6〜12個の炭素を環内に含有する単環式又は二環式の芳香環ラジカルを指す。アルキル置換基は、環上に任意に存在し得る。例として、フェニル、ビフェニル、及びナプトタレンが挙げられる。
「アラルキル」という用語は、アリール置換基を含有するC1〜6アルキル基を指す。例として、ベンジル、フェニルエチル、又は2−ナフチルメチルが挙げられる。
「アシル」という用語は、−C(O)R基を意味し、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロアリールである。「アシル化剤」は、分子に−C(O)R基を添加する。
「スルホニル」という用語は、−S(O)基を意味し、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロアリールである。「スルホニル化剤」は、分子に−S(O)基を添加する。
担体部分へのハプテンの結合のために反応性官能性連結基を有するスペーサは、広範な種類の方法によって調製され得る。スペーサは、ハプテン及び担体との選択的連続反応を可能にするための基をいずれかの端に有する、特異的に官能化又は活性化される分子を用いて形成され得るが、両端に同一の反応性部分を用いてもよい。ハプテンと反応させ、かつ官能性連結基を担体に結合させるために選択される基は、ハプテンとハプテンが結合される担体の官能性の種類によって決定される。スペーサ及び担体へのハプテンの結合方法は、Brinkley,M.,A.,Bioconjugate Chem.1992,3:2〜13,Hermanson,Greg T.,Bioconjugate Techniques,.Academic Press,London,Amsterdam,Burlington,MA,USA,2008、並びに、Thermo Scientific 3747 N Meridian Rd,Rockford,IL USA 61101,ph 800−874−3723、若しくはhttp://www.piercenet.com/からダウンロード可能であるか、又はハードコピー依頼可能である、Thermo Scientific Pierce Crosslinking Technical Handbook、及びその中の参考文献によって説明されているものを含むが、これらに限定されない。スペーサ基の形成のための多くの特異的に活性化された分子が、販売業者、例えば、Thermo Scientificから市販されている。
アミノ基を有するハプテンについて、ハプテンへのスペーサの結合の様態は、アシルハライド又は活性エステルを有するスペーサ構成要素を用いたハプテンへのアミンの反応を含む。「活性エステル」は、穏和な条件下で、求核基、例えばアミノ基との反応を経て、安定した結合を形成するエステルとして定義される。安定した結合は、更なる使用、例えば、その後の合成工程、免疫原としての使用、又は生化学的アッセイにおける条件下で、無傷なままであるものと定義される。安定した結合の好ましい一例は、アミド結合である。活性エステル及び形成方法は、Benoiton,N.L.によって、Houben−Weyl,Methods of Organic Chemistry,Thieme Stuttgart,New York,vol E22 section 3.2:443、並びにBenoiton,N.L.,Chemistry of Peptide Synthesis,Taylor and Francis,NY,2006に記載されている。好ましい活性エステルには、p−ニトロフェニルエステル(PNP)、N−ヒドロキシサクシニミドエステル(NHS)、及びテトラフルオロフェニルエステル(TFP)が含まれる。アシルハライドは、当業者に既知の多くの方法、例えば、カルボン酸のチオニルクロライド又はオキサリルクロライドとの反応によって調製され得る(Fieser,L.F.and Fieser,M.Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons,NY,1967、及びその中の参考文献を参照のこと)。これらは、Wu et.al,Organic Letters,2004,6(24):4407によっ説明されるように活性二官能性スペーサにおいても使用され得る、例えば、p−ニトロフェニルエステル(PNP)などの他の活性エステルに変換されてもよい。N−ヒドロキシサクシニミド(NHS)エステルは、国際特許第WO2012012595号の実施例35で説明されるように、無水条件下の非プロトン溶媒中で、トリエチルアミン若しくはジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基の存在下で、N,N−ジサクシニミジルカーボネート(CAS 74124−79−1)と化合物のカルボン酸の反応によって、又は、無水条件下で、N−ヒドロキシサクシニミド及びジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)若しくは他の脱水剤を使用することによって調製され得る。テトラフルオロフェニルエステル(TFP)は、Wilbur,et.al,Bioconjugate Chem.,2004,15(1):203によって報告されるように、無水条件下の非プロトン溶媒中で、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基の存在下で、カルボン酸と2,3,5,6−テトラフルオロフェニルトリフルオロアセテートの反応によって調製され得る。当業者であれば、とりわけ表1に示されるスペーサが、既知の方法を用いて得られ得、反応条件の日常的な最適化を利用してアミノを有するハプテンに結合され得ることを認識するであろう。これらのスペーサは、担体上のチオール基へのハプテンの結合を可能にする。
ハプテンへのアミンの直接的カップリング、及びカップリング剤の存在下でのスペーサ構成要素に対するカルボン酸の官能性も、結合の様態として用いられ得る。好ましい試薬は、ペプチド合成において典型的に使用されるものである。ペプチドカップリング試薬は、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU、CAS番号125700−67−6)(Pruhs,S.,Org.Process.Res.Dev.2006,10:441を参照)と、カルボジイミド脱水剤、例えばN−N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、又は1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロライド(EDC)を有する、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、CAS番号2592−95−2)(Konig W.,Geiger,R.Chem.Ber.,1970,103(3):788を参照)と、3−(ジエトキシホスホリルオキシ)−1,2,3−ベンゾトラジン−4(3H)−オン(DEPBT、CAS番号165534−43−0)(Liu,H.et.al.,Chinese Chemical Letters,2002,13(7):601を参照)と、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスホン酸クロライド(BOP−Cl、CAS番号68641−49−6)(Diago−Meseguer,J et.al.Synthesis,1980,7:547〜51を参照)と、BenoitonによってChemistry of Peptide Synthesis,CRC Press,Boca Raton,FL,2005,Chapter 2において詳細に説明される他のものと、Advanced Automated Peptide Protein Technologies(aapptec),6309 Shepardsville Rd.,Louisville KY 40228,ph 888 692 9111によって提供される技術告示と、www.aapptec.com、及びその中の参考文献と、を含むが、これらに限定されない。これらの方法は、スペーサにハプテンを結合させる安定したアミド結合をもたらす。既知の方法を用いて得られ得、かつ上記の説明及び引用される方法を利用する反応条件の日常的な最適化を利用してアミノを有するハプテンに結合され得るスペーサの例が表2に示されるが、これらに限定されない。これらのスペーサは、担体上のチオール基へのハプテンの結合を可能にする。
スペーサは、担体に結合することができる官能性連結基を形成する工程を含む、ハプテンへの適切な化学基の連続的な結合による段階的様式でも構成され得る。一般的な反応スキーム下の実例を参照されたい。
更に、ハプテンが、スペーサの結合点となる求核基、例えばチオール基、アミノ基、又はヒドロキシル基を有するとき、スペーサはまた、チオール、アミン、又はヒドロキシル基のアルキル化によって構成され得る。置換反応を経ることができる部分で適切に置換される任意のアルキル基、例えば、アルキルハライド、又はp−トルエンスルホネートなどのスルホン酸エステルを用いて、スペーサを結合することができる。アルキル化反応の多くの例は当業者に既知であり、具体例は一般的な化学文献に見られ、日常的な実験を通して最適化されている。アルキル化反応の説明は、多くの参考文献と共に、Chapter 10 of March’s Advanced Organic Chemistry,Smith,M.B.,and March,J.,John Wiley&sons,Inc.NY,2001に見出すことができる。求核性部分、例えば、ハプテン上のアミンと、尿素を形成するためのイソシアネートとの反応、又は、チオ尿素結合を形成するためのイソチオシアネートとの反応などの、他の結合を利用してもよい(Li,Z.,et.al.,Phosphorus,Sulfur and Silicon and the Related Elements,2003,178(2):293〜297を参照のこと)。スペーサは、イソシアネート基との反応によって、ヒドロキシル基を有するハプテンに結合され、カルバメート又はウレタン結合を形成することができる。スペーサは、1つの末端上のイソシアネート官能基、及び担体と反応することができる官能性連結基により、特異的に活性化され得る(Annunziato,M.E.,Patel,U.S.,Ranade,M.and Palumbo,P.S.,Bioconjugate Chem.,1993,4:212〜218を参照のこと)。
カルボン酸基を有するハプテンについては、ハプテンへのスペーサ部分の結合の様態は、アシルハライド又は活性エステルとしてのカルボン酸基を活性化し(この例は表3に示され、この調製は先に記載されている)、続いて、スペーサ部分上のアミノ(−NH−)、ヒドラジノ(−NH−NH−)、ヒドラジド(−C(O)−NH−NH−)、又はヒドロキシル基(−OH)と反応して、アミド、ヒドラジド、ジアシルヒドラジン、若しくはエステル結合を形成するか、又は前述の、スペーサ部分上のアミノ基とのカルボン酸基の直接的カップリングを形成するか、又はペプチドカップリング試薬及び/若しくはカルボジイミド脱水試薬との担体上での直接的カップリングを形成する(この例は表4及び5に示される)ことを含む。反応条件の日常的な最適化を利用した利用可能なアミノ基を有するスペーサ構成要素及びタンパク質担体へのカルボン酸を有するハプテンの結合のために、先に引用された参考文献で見出される活性化エステルの形成及びペプチドカップリング剤の使用のための手順を利用してもよい。
スペーサを結合するために、他の求電子基、例えば、スルホニルハライド
又は求電子性リン基、例えば、
(Malachowski,William P.,Coward,James K.,Journal of Organic Chemistry,1994,59(25):7616を参照)
若しくは、
がハプテン上に存在し得、Rは、アルキル、シクロアルキル、アリール、置換アリール、アラルキルである。
Aliouane,L.,et.al,Tetrahedron Letters,2011,52(28):8681を参照されたい。
アシルヒドラゾンを形成するための、スペーサ上のヒドラジド基HN−NH−C(O)−との反応を含むが、これに限定されない方法を用いて、アルデヒド又はケトン基を有するハプテンがスペーサに結合され得る(Chamow,S.M.,Kogan,T.P.,Peers,D.H.,Hastings,R.C.,Byrn,R.A.and Askenaszi,A.,J.Biol.Chem.,1992,267(22):15916を参照のこと)。担体上のチオール基への結合を可能にする二官能性ヒドラジドスペーサ基の例が表6に示される。
ハプテンは、担体と反応し得るチオール基を含有することもでき、但し、担体がチオールと反応し得る基を提供するように修飾されている。N−サクシニミジルマレイミドアセテート、(AMAS、CAS番号55750−61−3)、サクシニミジルヨードアセテート(CAS番号151199−81−4)、又は表1に示される二官能性スペーサ基のいずれかとの、担体上のアミノ基の反応による、マレイミド官能基を含有する基の結合を含むが、これに限定されない方法によって、担体基を修飾して、担体へのハプテンの結合をもたらす反応を経ることができる基を導入することができる。
担体との結合を形成することができる官能性連結基は、安定した結合を形成することができる任意の基であり得、担体上の複数の異なる基に対して反応性であり得る。官能性連結基は、好ましくは、担体上のアミノ基、カルボン酸基、若しくはチオール基、又はこれらの誘導体と反応する。官能性連結基の非限定的な例は、カルボン酸基、アシルハライド、活性エステル(先に定義されたもの)、イソシアネート、イソチオシアネート、アルキルハライド、アミノ基、チオール基、マレイミド基、アクリレート基(HC=CH−C(O)−)又はビニルスルホン基HC=CH−SO−)である(Park,J.W.,et.al.,Bioconjugate Chem.,2012,23(3):350を参照のこと)。官能性連結基は、ハプテンと段階的に反応し得る特異的に活性化されたスペーサ構成要素の一部として存在し得、その後、結果として生じるハプテン誘導体は、担体と反応し得る。あるいは、後続反応によって官能性連結基に形質転換され得る前駆体基を有するスペーサでハプテンを誘導体化してもよい。スペーサ上の官能性連結基がアミン又はカルボン酸基である場合、担体上のカルボン酸基又はアミンとのカップリング反応は、これらの試薬について上で引用された参考文献における手順に従ってペプチドカップリング試薬の使用によって直接実行され得る。
特定のジスルフィド基、例えば、ピリジルジスルフィドを、担体上のチオール基との交換を経ることができるスペーサ上の官能性連結基として用いて、混合ジスルフィド結合を形成することができる(Ghetie,V.,et al.,Bioconjugate Chem.,1990,1:24〜31を参照のこと)。ピリジルジスルフィド基を有するスペーサに結合される活性エステルとのアミンを有するハプテンの反応によって、これらのスペーサを結合することができ、この例は、表7に示されるものを含むが、これらに限定されない。
ほとんどの場合、担体はタンパク質であり、リジン残留物のε−アミノ基は、アミン反応性官能性連結基との反応によって直接的に、又はN−サクシニミジルS−アセチルチオアセテート、(SATA、CAS 76931−93−6)、若しくはその類似体を含むチオール含有基による誘導体化後に、結合のために用いられ得、その後、ヒドロキシルアミンを有するアクテテート基の開裂が続き、ハプテン上の官能性連結基との反応のためにチオール基を露出させる。2−メルカプトエチルアミン(Bilah,M.,et.al.,Bioelectrochemistry,2010,80(1):49を参照)、ホスフィン試薬(Kirley,T.L.,Analytical Biochemistry,1989,180(2):231を参照)、又はジチオエリトリトール(DTT、CAS3483−12−3)(Cleland,W.,Biochemistry,1964,3:480〜482)を含むが、これらに限定されない穏和な還元試薬によるタンパク質担体内のジスルフィド結合の還元によって、チオール基を担体内に導入することもできる。
一般的な反応スキーム
本発明に従う抗体の産生に有用な化合物は、以下に説明される一般的な合成方法に従って合成され得る。式(I)の化合物は、当業者に既知の方法によって調製され得る。以下の反応スキームは、本発明の例を表すよう意図されており、本発明を限定するようには決して意図されていない。
式Iの化合物(式中、Rが、CHNHC(O)(CHCOHである)は、スキーム1に従って作製され得る。実施例1、工程Iに記載されるように調製された(1−メチル−4−(2−メチル−10H−ベンゾ[b]チエノ[2,3−e][1,4]ジアゼピン−4−イル)ピペラジン−2−イル)メタンアミンの反応を、サクシン酸無水物又はグルタル酸無水物などの環式無水物化合物を用いて、ピリジンなどの溶媒中で、室温〜60℃の範囲の温度で約48時間実施する。当業者であれば、同一の化学反応を用いて式Iの化合物(式中、Rが、CHNHC(O)(CHCOHである)を作製することができることを認識するであろう。
式Iの化合物(式中、R
である)は、スキーム2に従って作製され得る。スキーム1に記載されるように調製された式Iの化合物(式中、Rが、CHNHC(O)(CHCOHである)を、N−t−ブトキシカルボニルピペラジン、ジエチルシアノホスホネート、及びジイソプロピルエチルアミンなどの塩基で処理する。反応をジクロロメタンなどの溶媒中で、室温で約2時間実行する。スキーム2に記載されるように、ピペラジニル基の脱保護を、トリフルオロ酢酸無水物を用いて達成し、ジイソプロピルエチルアミンなどの好適な塩基の存在下で、サクシン酸無水物又はマレイン酸無水物などの適切な無水物との反応が続く。当業者であれば、同一の化学反応を用いて式Iの化合物(式中、R
である)を作製することができることを認識するであろう。
式Iの化合物(式中、R
である)は、スキーム3に従って作製され得る。マレイミドは、当該技術分野において既知である任意の方法によって導入され得る。2,5−ジオキソピロリジン−1−イル2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセテートなどのマレイミド官能化基(式中、mが1である)を、DMF又はCHClなどの溶媒、及びトリブチルアミン又はトリエチルアミンなどの塩基内に用いてもよい。あるいは、スキーム2で説明される脱保護ピペラジニル基を、スキーム3で説明されるマレイミドの官能性で構成することで、式Iの化合物(式中、R
である)を得ることができる。当業者であれば、同一の化学反応を用いて式Iの化合物(式中、Rが、
である)を作製することができることを認識するであろう。
スペーサ及び連結基がオランザピン内のジアゼピン環内の非置換二級窒素に結合される化合物は、スキーム4〜8に示される反応によって得られ得る。窒素のアシル化は、Su,J.et.al,Bioorganic and Med.Chem.Letters,2006,16:4548によって説明されている。非プロトン溶媒中、無水条件下、塩基の存在下でのサクシン酸のモノエステルモノ酸クロライドの使用は、中間体を提供し、そのエステル官能性は、当業者に既知の標準条件、例えば、水性基材を用いて加水分解され、本明細書で先に記載されており、かつ本開示の実施例によって図示される方法によって免疫原に更に構成され得るハプテンを提供することができる。
上記のSuらは、スルホンアミドの調製も報告している。スキーム5に示される、非プロトン溶媒中、無水条件下、塩基の存在下での官能化スルホニルクロライドを用いて、本明細書で先に記載されており、かつ本開示の実施例によって図示される方法によって、カルボキシハプテンを調製し、免疫原に形質転換することができる。
上記のSuらは、スキーム6に示される亜硝酸エステルでの環窒素のジアゾ化と、その後の酢酸中の亜鉛での還元によるヒドラジンの調製方法も教示している。結果として生じるヒドラジンは、スキーム7に示されるように、複数の方法で更に官能化され得る。本明細書の他の部分で説明されるDMFなどの溶媒中での、アミン塩基、例えば、トリブイトルアミンの存在下での、二官能性スペーサ構成要素、例えば、AMASとの反応は、チオール基との反応によって担体に結合することができるマレイミドハプテンを提供することができる。官能化スルホニルクロライド、例えば、m−カルボキシベンゼンスルホニルクロライドを有する塩基の存在下でのスルホニル化は、本明細書で先に記載されており、かつ本開示の実施例によって図示される方法によって、担体への結合のためにカルボキシ基を有するスルホニルヒドラジドを提供することができる。更に、米国特許第4022780号において記載されるように、ヒドラジンは、凝縮によって生成される水が除去される条件下の触媒量の酸を用いて、官能化アルデヒド又はケトン、例えば、レブリン酸と反応して、スキーム7に示されるヒドラゾンを提供することができる。その後、先に参照されるSu,J.らの方法で、シアノボロ水素化ナトリウムを用いてヒドラゾンを還元して、飽和誘導体を提供することができる。
スキーム8に示される環窒素の直接的なアルキル化は、米国特許第6034078号に記載されるアルキル基をオランザピンに直接付加する方法を用いて達成され得る。官能化アルキルハライド、例えば、4−クロロメチルブチレートを用いて中間体を得ることができ、これは、当業者に既知の標準条件を用いた加水分解によって、本明細書で先に記載されており、かつ本開示の実施例によって図示される方法によって免疫原に更に構成され得るハプテンを提供することができる。
マレイミド官能化ハプテン(式中、R又はR
である)は、スキーム9に示される方法に従ってタンパク質にコンジュゲートされ得る。N−サクシニミジルS−アセチルチオアセテート(SATA)でのイプシロン−窒素のアシル化によるタンパク質リジン残留物の活性化と、その後のヒドロキシルアミンを有するS−アセチル基の加水分解は、求核性スルフヒドリル基を産生する。マレイミド誘導体化ハプテン(一般的なスキーム3において記載されるように調製されたもの)とのスルフヒドリル活性化タンパク質のコンジュゲーションを、マイケル付加反応によって開始する。好適なタンパク質は当業者に既知であり、キーホールリンペットヘモシアニン、ウシサイログロブリン、及びオボアルブミンが含まれる。同一の方法論を用いてマレイミド官能化ハプテンにタンパク質をコンジュゲートすることができ、R又はRは、
である。
カルボン酸官能化ハプテン(式中、R又はRが、CHNHC(O)(CHCOHである)は、スキーム10に示される方法に従ってタンパク質にコンジュゲートされ得る。DMFなどの溶媒中で、N−ヒドロキシサクシニミドと、ジシクロヘキシルカルボジイミドなどの好適なカップリング剤と、トリブチルアミンなどの塩基を約20℃で約18時間反応させることにより、ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン脱離基を有するカルボン酸が活性化される。その後、活性化リンカー及びハプテンは、pH 7.5のリン酸緩衝液などの溶媒中で、約20℃で約2.5時間、タンパク質にコンジュゲートされ得る。好適なタンパク質は当業者に既知であり、キーホールリンペットヘモシアニン、ウシサイログロブリン、及びオボアルブミンを含む。同一の方法論を用いてカルボン酸官能化ハプテンにタンパク質をコンジュゲートすることができ、R又はRは、
である。
抗体
本発明は、オランザピンに結合する単離された抗体又はその結合断片であって、(i)式Iの化合物及び免疫原性担体のコンジュゲートに応答して生成されるか、又は(ii)(i)の抗体によって結合されるエピトープと同一のエピトープに対して競合する、単離された抗体又はその結合断片を対象とする。「抗体」という用語は、抗原又はその一部を結合することができる(本発明に従って、抗精神病薬又はその代謝物に結合することができる)、特異的なタンパク質を指す。抗体は、宿主、例えば、動物又はヒトに、注入によって導入されたかもしれない免疫原に応答して産生される。「抗体」という一般名称には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、及び抗体断片が含まれる。
「抗体」又は「抗原結合性抗体断片」とは、結合において無傷の抗体と競合する、無傷の抗体、又はその断片を指す。一般的に言えば、抗体又は抗原結合性抗体断片は、解離定数が1μM以下、好ましくは100nM以下、最も好ましくは10nM以下であるときに、抗原に特異的に結合すると言われている。結合は、当業者に既知の方法によって測定され得、一例は、BIAcore(商標)機器の使用である。
抗体断片は、無傷の抗体の一部、好ましくは無傷の抗体の抗原結合領域又は可変領域を含む。結合断片は、Fab、Fab’、F(ab’)、及びFv断片、ダイアボディ(diabody)、線状抗体、単鎖抗体分子、並びに抗体断片から形成される多重特異性抗体を含む。「二重特異性」又は「二官能性」抗体以外の抗体は、その結合部位の各々を同一に有するものとして理解される。
本明細書で使用される「エピトープ」とは、免疫グロブリン又はT細胞受容体に特異的に結合することができる任意のタンパク質決定基を含む。エピトープ決定基は、通常、アミノ酸又は糖側鎖などの化学的に活性な分子表面基で構成されており、通常、特定の三次元構造特性、並びに特定の電荷特性を有する。競合結合アッセイにおいて、1つの抗体が第2の抗体と競合することが示される場合、当業者に周知の方法のうちのいずれか(例えば、上で言及されるBIAcore(商標)方法など)によって、2つの抗体が「同一のエピトープを結合する」と考えられる。ハプテン(例えば、オランザピン又は他の抗精神病薬など)に関して、免疫原性担体にハプテンをコンジュゲートすることによって、非抗原性ハプテン分子に対する抗体を生成することができる。その後、ハプテンによって画定される「エピトープ」を認識する抗体が、生成される。
抗体の文脈で使用される「単離された」とは、任意の自然の状態から「人の手によって」変質されている、即ち、それが自然界で生じる場合、その最初の環境から変更若しくは除去されているか、又は変更および除去されていることを意味する。例えば、その自然の状態で生きている動物中に自然に存在する、天然に存在する抗体は、「単離されて」いないが、その自然の状態の共存物質から分離された同一の抗体は、この用語が本明細書において利用されるとき、「単離されて」いる。抗体は、イムノアッセイ試薬などの天然に存在しない組成物である組成物において生じ得、ここで、単離された抗体は、本明細書において利用されるその用語の意味の範囲内である。
「交差反応性」とは、抗体と、その抗体を誘発するために使用されなかった抗原との反応を指す。
好ましくは、本発明の抗体は、薬物及び所望の任意の薬理学的に活性な代謝物に結合する。本発明の化合物への免疫原性担体の結合位置を変更することによって、この抗体の選択性及び代謝物との交差反応性を操作することができる。オランザピンについて、関連薬クロザピンとの交差反応は、望ましい場合もそうでない場合もあり、10−N−グルロニド又は4−N−デスメチルオランザピンなどのオランザピン代謝物との交差反応は、望ましい場合もそうでない場合もある。これらの薬物及び/若しくは代謝物のうちの複数のものを検出する抗体が生成されるか、又は各々を別々に検出する(それ故に、抗体の「特異的結合」性質を画定する)抗体が生成され得る。1つ以上の化合物のその結合が等モル又は実質的に等モルであるとき、抗体は1つ以上の化合物に特異的に結合する。
そのような抗体を産生する方法は、本明細書に記載されるコンジュゲートを宿主に接種する工程を含む。好適な宿主には、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウサギ、ニワトリ、ロバ、ウマ、サル、チンパンジー、オランウータン、ゴリラ、ヒト、及び成熟した免疫応答を備えることができる任意の種が含まれるが、これらに限定されない。免疫化手順は、当該技術分野において確立されており、「The Immunoassay Handbook」,2nd Edition,edited by David Wild(Nature Publishing Group,2000)、及びその中に引用される参考文献を含む、多くの専門書並びに出版物に記載されている。
好ましくは、本発明の特徴を具現化する免疫原は、宿主被験体、例えば、動物又はヒトに、アジュバントと組み合わせて投与される。好適なアジュバントには、フロイント(Freund’s)アジュバント、粉末水酸化アルミニウム(ミョウバン)、百日咳菌と合わせた水酸化アルミニウム、及びモノホスホリルリピドA−合成トレハロースジコリノミコレートが含まれるが、これらに限定されない。
典型的に、免疫原又は免疫原及びアジュバントの組み合わせは、1つ又は複数の皮下若しくは腹腔内注入によって哺乳類の宿主に注入される。好ましくは、免疫化プログラムは、少なくとも1週間にわたって、より好ましくは、2週間以上にわたって実行される。この様式で産生されるポリクローナル抗体は、当該技術分野において周知の方法を利用して単離及び精製され得る。
モノクローナル抗体は、Kohler及びMilsteinの、例えば、Nature 256:495〜497(1975)の確立されたハイブリドーマ方法によって産生され得る。ハイブリドーマ方法は、典型的には、宿主又は宿主由来のリンパ球を免疫化する工程、リンパ球を分泌するか、それを分泌する潜在性を有するモノクローナル抗体を採取する工程、リンパ球を不死化細胞に融合する工程、及び所望のモノクローナル抗体を分泌する細胞を選択する工程を含む。
宿主は、免疫化されて、免疫原に対して特異的な抗体を産生するか、又は産生することのできるリンパ球を誘発することができる。あるいは、リンパ球は、生体外で免疫化されてもよい。ヒト細胞が所望される場合、末梢血リンパ球を用いることができるが、他の哺乳類の供給源由来の脾臓細胞又はリンパ球が好ましい。
リンパ球を不死化細胞株と融合させて、ハイブリドーマ細胞を形成することができ、これは融剤、例えば、ポリエチレングリコールの使用によって促進され得るプロセスである。例として、形質転換によって不死化された変異体げっ歯類、ウシ、又はヒト骨髄腫細胞を用いることができる。非融合不死化細胞とは対照的に、ハイブリドーマ細胞の実質的に純粋な集団が好ましい。それ故に、融合後、例えば、ヒポキサンチングアニンホスホリボシル基転移酵素(HGPRT)を欠く変異骨髄腫細胞を用いることによって、非融合不死化細胞の成長又は生存を阻害する好適な培地内で細胞を成長させることができる。そのような事例において、ヒポキサンチン、アミノプテリン、及びチミジンを培地(HAT培地)に添加し、HGPRT欠乏性細胞の成長を阻止すると同時に、ハイブリドーマの成長を可能にすることができる。
好ましくは、不死化細胞は、効率的に融合し、HATなどの培地の選択によって混合集団から単離され得、融合後の抗体の安定した高レベルの発現を支持する。好ましい不死化細胞株は、American Type Culture Collection,Manassas,VAから入手可能な骨髄腫細胞株を含む。
ハイブリドーマ細胞が、典型的には、抗体を細胞外に分泌するため、抗精神病薬に対して特異的なモノクローナル抗体の存在について培養培地をアッセイすることができる。生体外結合アッセイ、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)又は酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)の免疫沈降は、モノクローナル抗体の結合特異性を測定するために使用され得る。
モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ細胞は、希釈手順を制限することによって単一のクローンとして単離され、継代され得る。好適な培養培地には、ダルベッコ変法イーグル培地、RPMI−1640、及び、無ポリペプチド、ポリペプチド還元、又は無血清の培地、例えば、Biowhittaker,Walkersville,MDから入手可能なUltra DOMA PF若しくはHL−1が含まれるが、これらに限定されない。あるいは、ハイブリドーマ細胞を腹水として生体内で成長させてもよい。
モノクローナル抗体は、ポリペプチドA−SEPHAROSE、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動法、透析法、アンモニウムスルフェート沈降法、及び親和性クロマトグラフィーを含むが、これらに限定されない、従来の免疫グロブリン(Ig)精製手順によって、培養培地又は腹水から単離及び/又は精製され得る。
モノクローナル抗体は、米国特許第4,166,452号に記載される方法などの遺伝子組換え方法によっても産生され得る。DNAコード化モノクローナル抗体は、従来の手順を用いて、例えば、マウスの重及び軽抗体鎖遺伝子に特異的に結合し、好ましくは、抗精神病薬に対して特異的な抗体を分泌するモノクローナル抗体ハイブリドーマ細胞株から単離されるDNAを探索する、オリゴヌクレオチド探索子を用いて単離及び配列決定され得る。
抗精神病薬に対して特異的な結合部位を含む抗体断片も生成され得る。そのような断片には、抗体分子のペプシン消化によって産生され得るF(ab’)断片、及び、F(ab’)断片のジスルフィドブリッジを還元することによって生成され得るFab断片が含まれるが、これらに限定されない。あるいは、Fab発現ライブラリーを構成して、所望の特異性を有するモノクローナルFab断片の迅速かつ容易な識別を可能にすることができる(Huse et al.,Science 256:1270〜1281(1989))。Fab、Fv、及びScFv抗体断片は、全て大腸菌内で発現し、そこから分泌され得、大量のこれらの断片の産生を可能にする。あるいは、Fab’−SH断片は、大腸菌から直接回収され、化学的にカップリングされて、F(ab’)断片を形成することができる(Carter et al.,BioTechnology 10:163〜167(1992))。抗体断片の産生のための他の技術が当業者に既知である。単鎖Fv断片(scFv)も想定される(米国特許第5,761,894号及び同第5,587,458号を参照のこと)。Fv及びsFv断片は、不変領域を欠く無傷の結合部位を有する唯一の種であり、それ故に、それらは低減された非特異的結合を示しやすい。例えば、抗体断片は、例えば、米国特許第5,642,870号に記載されるような「線状抗体」であってもよい。そのような線状抗体断片は、単一特異性又は二重特異性であってもよい。
アッセイキット及び装置
上述の抗体を含むアッセイキット(「試薬キット」とも称される)も提供され得る。代表的な試薬キットは、抗精神病薬、オランザピン、抗精神病薬の類似体を含む複合体、又は標識化部分にカップリングされるその誘導体に結合する抗体を含み得、既知量の抗精神病薬又は関連規格を含む1つ以上の較正器も任意に備え得る。
「アッセイキット」という語句は、アッセイの実施時に使用される材料及び試薬の集合体を指す。試薬は、その交差反応性及び安定性に応じて、同一又は別個の容器内のパッケージ化された組み合わせで、かつ液体又は凍結乾燥形態で提供され得る。このキット内に提供される試薬の量及び割合は、特定の用途に対して最適な結果を提供するように選択され得る。本発明の特徴を具現化するアッセイキットは、オランザピンを結合する抗体を含む。このキットは、オランザピンの競合結合パートナー、並びに較正及び対照材料を更に含み得る。
「較正及び対照材料」という語句は、既知量の検体を含有する任意の標準又は参考材料を指す。検体を含有すると見られるサンプル、及び対応する較正材料は、類似条件下でアッセイされる。検体の濃度は、未知の標本について得られた結果を標準物で得られた結果と比較することによって算出される。これは、較正曲線を構成することによって一般的に行われる。
本発明の特徴を具現化する抗体は、利用のための説明書と共に、キット、容器、パック、又は散布器内に含まれてもよい。この抗体がキット内に供給されるとき、イムノアッセイの異なる成分が、別個の容器内にパッケージ化され、使用前に混合されてもよい。そのように成分を別個のパッケージ化することにより、活性成分の機能を実質的に弱めることなく長期間の貯蔵が可能になる。更に、試薬は、不活性環境下、例えば、気体窒素、気体アルゴンなどの陽圧下でパッケージ化され得、これは、空気及び/又は水分感受性の試薬において特に好ましい。
本発明の特徴を具現化するキット内に含まれる試薬は、異なる成分の活性が実質的に保存される一方で、容器の材料によって成分自体が実質的に吸収又は変質されないように、あらゆる様式の容器に供給され得る。好適な容器には、アンプル、ボトル、試験管、バイアル、フラスコ、シリンジ、封筒、例えば、ホイル裏張り型のものなどが含まれるが、これらに限定されない。容器は、ガラス、有機ポリマー、例えば、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンなど、セラミック、金属、例えば、アルミニウム、金属合金、例えば、鋼、コルクなどを含むが、これらに限定されない任意の好適な材料から成り得る。更に、容器は、隔膜によって提供され得るものなどの、例えば、針を介したアクセスのための1つ以上の無菌アクセスポートを備え得る。中隔のための好ましい材料は、DuPont(Wilmington,DE)によって、商標名TEFLONの下で販売されている種類の、ゴム及びポリテトラフルオロエチレンを含む。加えて、容器は、成分の混合を可能にするために取り外され得る仕切り又は膜によって分離される2つ以上のコンパートメントを備えてもよい。
本発明の特徴を具現化する試薬キットはまた、説明資料と共に供給され得る。説明書は、例えば、紙に印刷され、かつ/又は電子可読媒体内に供給され得る。あるいは、説明書は、例えば、このキットの製造業者又は販売業者によって、かつ/又は電子メールを介して指定されるインターネットウェブサイトにユーザを誘導することによって提供され得る。
この抗体は、アッセイ装置の一部としても提供され得る。このようなアッセイ装置は、側方流動アッセイ装置を含む。一般的な種類の使い捨て側方流動アッセイ装置は、液体サンプルを受容するゾーン又は領域、コンジュゲートゾーン、及び反応ゾーンを含む。これらのアッセイ装置は、側方流動試験ストリップとして一般に知られている。これらは、毛管流を支持することができる流体流の経路を画定する多孔質材料、例えば、ニトロセルロースを利用する。例として、米国特許第5,559,041号、同第5,714,389号、同第5,120,643号、及び同第6,228,660号に示されるものが挙げられ、これらは全て、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
別の種類のアッセイ装置は、毛管流を誘導する突起部を有する非多孔質アッセイ装置である。このようなアッセイ装置の例として、PCT国際公開第2003/103835号、同第2005/089082号、同第2005/118139号、及び同第2006/137785号に開示される、開いた側方流動装置が挙げられ、これらは全て、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
非多孔質アッセイ装置において、このアッセイ装置は、一般的には、少なくとも1つのサンプル添加ゾーン、少なくとも1つのコンジュゲートゾーン、少なくとも1つの反応ゾーン、及び少なくとも1つの吸上ゾーンを有する。これらのゾーンは、サンプル添加ゾーンから吸上ゾーンまでサンプルが流れる流路を形成する。検体に結合することができ、(例えば、コーティングにより)装置上に任意に堆積される、反応ゾーン内の抗体などの捕捉要素、及び、コンジュゲートゾーン内の装置上に堆積される本検体の濃度の決定を可能にする反応にも関与することができる、標識化コンジュゲート物質も含まれ、標識化コンジュゲート物質は、反応ゾーンにおける検出のための標識を有する。サンプルがコンジュゲートゾーンを通って流れる際に、コンジュゲート物質は溶解され、反応ゾーンへと下流に流れる溶解した標識化コンジュゲート物質及びサンプルのコンジュゲートプルームを形成する。コンジュゲートプルームが反応ゾーンに流れると、コンジュゲート物質が、例えばコンジュゲート物質及び検体の複合体を介して(「サンドイッチ」アッセイにおいて)、又は直接(「競合」アッセイにおいて)、捕捉要素により捕捉される。結合していない溶解コンジュゲート物質は、反応ゾーンを通過して、少なくとも1つの吸上ゾーンに流される。そのような装置は、流路内に突起部又はマイクロピラーを含み得る。
米国特許公開第20060289787A1号、及び同第20070231883A1号、並びに米国特許第7,416,700号、及び同第6,139,800号(これらは全て、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる)に開示される機器などの機器は、反応ゾーン内の結合したコンジュゲート物質を検出することができる。一般的な標識には、蛍光染料を励起し、かつ蛍光染料を感知することができる検出器を組み込む器具によって検出され得る蛍光染料が含まれる。
イムノアッセイ
このように産生された抗体をイムノアッセイで使用し、抗精神病薬を認識/結合し、それにより患者サンプル中の薬物の存在及び/又は量を検出することができる。好ましくは、アッセイフォーマットは、競合イムノアッセイフォーマットである。このようなアッセイフォーマット及び他のアッセイは、とりわけ、Hampton et al.(Serological Methods,A Laboratory Manual,APS Press,St.Paul,MN 1990)、及びMaddox et al.(J.Exp.Med.158:12111,1983)に記載されている。
「検体」という用語は、任意の物質又は物質の群を指し、その存在又は量が決定される。代表的な抗精神病薬検体には、リスペリドン、パリペリドン、オランザピン、アリピプラゾール、及びクエチアピンが含まれるが、これらに限定されない。
「競合結合パートナー」という用語は、抗体への結合親和性に関して検体と同様に挙動する、例えば、競合イムノアッセイで利用され得る物質又は物質の群を指す。代表的な競合結合パートナーには、抗精神病薬誘導体などが含まれるが、これらに限定されない。
検体と共に使用される「検出する」という用語は、任意の定量的、半定量的、又は質的方法、並びに、一般に検体、具体的には、抗精神病薬を決定するための全ての他の方法を指す。例えば、サンプル中の抗精神病薬の量又は濃度に関するデータを提供する方法が本発明の範囲内であるように、単にサンプル中の抗精神病薬の存在又は不在を検出する方法は、本発明の範囲内である。「検出する」、「決定する」、「識別する」等の用語は、本明細書で同意語として使用され、全て本発明の範囲内である。
本発明の好ましい一実施形態は競合イムノアッセイであり、ここで、抗精神病薬、又は薬物若しくはその競合結合パートナーを結合する抗体は、それぞれ、固形担体(例えば、側方流動アッセイ装置における反応ゾーンなど)及び標識化薬物若しくはその競合結合パートナー、又は標識化抗体に結合され、宿主から誘導されるサンプルは固形担体に渡され、固形担体に結合される標識の検出量が、サンプル中の薬物の量と相関し得る。
検体、例えば、抗精神病薬を含有すると見られるいかなるサンプルも、現在好ましい実施形態の方法に従って分析することができる。サンプルは、所望に応じて前処理され、アッセイに干渉しない任意の簡便な培地において調製され得る。好ましくは、このサンプルは、宿主由来の体液、最も好ましくは血漿又は血清などの水性培地を含む。
抗体が固相に結合されるアッセイ、及び抗体が液体培地内にあるアッセイを含む、抗体を利用するイムノアッセイの全ての様式が、現在好ましい実施形態に従う使用のために企図されることを理解されたい。本発明の特徴を具現化する抗体を用いて検体を検出するために使用され得るイムノアッセイの方法には、サンプル中の標識化検体(検体類似体)及び検体が抗体のために競合する競合(試薬限定)アッセイ、及び抗体が標識化される単一部位免疫定量アッセイなどが含まれるが、これらに限定されない。
本発明は、以下の実施例によって更に説明される。実施例は、特定の実施形態を参照して本発明を例示するためだけに提供される。これらの例証は、本発明のある特定の態様を例示する一方で、開示される発明の限定を意味するものでも、その範囲を制限するものでもない。
別途詳細に記載されない限り、当業者に周知であり、かつ日常的な標準技術を用いて、全ての実施例を実行した。例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Ed.,Cold Spring Habor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY(1989)などの標準実習マニュアルに記載されるように、以下の実施例の日常的な分子生物学技術を実行することができる。
「Haptens of Aripiprazole」(代理人整理番号PRD3265USPSP、米国仮特許出願 第61/691,450号、2012年8月21日出願)、「Haptens of Olanzapine」(代理人整理番号PRD3266USPSP、米国仮特許出願 第61/691,454号、2012年8月21日出願)、「Haptens of Paliperidone」(代理人整理番号PRD3267USPSP、米国仮特許出願 第61/691,459号、2012年8月21日出願)、「Haptens of Quetiapine」(代理人整理番号PRD3268USPSP、米国仮特許出願 第61/691,462号、2012年8月21日出願)、「Haptens of Risperidone and Paliperidone」(代理人整理番号PRD3269USPSP、米国仮特許出願 第61/691,469号、2012年8月21日出願)、「Antibodies to Aripiprazole Haptens and Use Thereof」(代理人整理番号CDS5128USPSP、米国仮特許出願 第61/691,544号、2012年8月21日出願)、「Antibodies to Paliperidone Haptens and Use Thereof」(代理人整理番号CDS5126USPSP、米国仮特許出願 第61/691,634号、2012年8月21日出願)、「Antibodies to Quetiapine Haptens and Use Thereof」(代理人整理番号CDS5134USPSP、米国仮特許出願 第61/691,598号、2012年8月21日出願)、「Antibodies to Risperidone Haptens and Use Thereof」(代理人整理番号CDS5130USPSP、米国仮特許出願 第61/691,615号、2012年8月21日出願)、「Antibodies to Aripiprazole and Use Thereof」(代理人整理番号CDS5129USPSP、米国仮特許出願 第61/691,522号、2012年8月21日出願)、「Antibodies to Olanzapine and Use Thereof」(代理人整理番号CDS5133USPSP、米国仮特許出願 第61/691,645号、2012年8月21日出願)、「Antibodies to Paliperidone and Use Thereof」(代理人整理番号CDS5127USPSP、米国仮特許出願 第61/691,692号、2012年8月21日出願)、「Antibodies to Quetiapine and Use Thereof」(代理人整理番号CDS5135USPSP、米国仮特許出願 第61/691,659号、2012年8月21日出願)、「Antibodies to Risperidone and Use Thereof」(代理人整理番号CDS5131USPSP、米国仮特許出願 第61/691,675号、2012年8月21日出願)、及び「Antibodies to Risperidone and Use Thereof」(代理人整理番号CDS5145USPSP、米国仮特許出願 第61/790,880号、2013年3月15日出願)と題される同時係属出願は全て、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
(実施例1)
(1−メチル−4−(2−メチル−10H−ベンゾ[b]チエノ[2,3−e][1,4]ジアゼピン−4−イル)ピペラジン−2−イル)メタンアミン
工程A
tert−ブチル3−シアノピペラジン−1−カルボキシレート
THF中のtert−ブチル3−シアノピペラジン−1−カルボキシレート(21.1g、0.1モル)及び水性ホルムアルデヒド(24g、水中37%)の溶液に、シアノボロ水素化ナトリウム(31.5g、0.5モル)を少量に分けて添加した。反応混合物を周囲温度で一晩熟成させ、その後、水で希釈し、エチルアセテートで抽出した。有機相を飽和水性ナトリウムクロライドで洗浄し、無水ナトリウムスルフェート上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーによって粗生成物を精製して、表題化合物を得た。H NMR(400MHz、MeOD)δ 4.23〜4.18(m、1H)、4.01〜3.97(br、1H)、3.92〜3.90(br、1H)、2.92〜2.89(br、1H)、2.88〜2.87(br、1H)、2.65〜2.62(m、1H)、2.378(s、3H)、2.36〜2.33(m、1H)、1.47(s、9H)。
工程B
tert−ブチル3−(アミノメチル)−4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
メタノール(200mL)中の、工程Aで説明した通りに調製したtert−ブチル3−シアノ−4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(10.5g、47ミリモル)の溶液に、金属ニッケル(10g)及びトリエチルアミン(5mL)を添加した。気体水素雰囲気下(345kPa(50psi))で、混合物を周囲温度で一晩撹拌した。tert−ブチル3−シアノ−4−メチルピペラジン−1−カルボキシレートの消費後、混合物を濾過し、真空下で濾液を濃縮し、粗製のtert−ブチル3−(アミノメチル)−4−メチルピペラジン−1−カルボキシレートを得て、これを精製することなく次の工程で使用した。
工程C
tert−ブチル3−((1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)メチル)−4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
テトラヒドロフラン(100mL)中の、前工程で説明した通りに調製したtert−ブチル3−(アミノメチル)−4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(5.5g、粗製)、及びナトリウムビカーボネート(2.52g、30ミリモル)の混合物に、周囲温度のテトラヒドロフラン(20mL)中、2H−イソインドール−2−カルボン酸、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−、エチルエステル(6.59g、30ミリモル)の溶液を添加した。30分間撹拌した後、懸濁液を濾過し、濾液を濃縮して粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。H NMR(400MHz、MeOD)δ 7.87〜7.85(m、2H)、7.87〜7.80(m、2H)、3.94〜3.90(m、1H)、3.75〜3.65(br、3H)、3.43〜3.41(br、1H)、3.30〜3.28(m、2H)、3.49(s、3H)、2.39〜2.38(m、1H)、2.30〜2.28(m、1H)、1.36(s、9H)。
工程D
2−((1−メチルピペラジン−2−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオン
メタノール塩化水素(20mL)中の、前工程で説明した通りに調製したtert−ブチル3−((1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)メチル)−4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(8.6g)の溶液を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、2−((1−メチルピペラジン−2−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオンを得て、これを更に精製することなく次の工程で使用した。H NMR(400MHz、MeOD)δ 7.88〜7.86(m、2H)、7.82〜7.80(m、2H)、3.99〜3.95(m、1H)、3.77〜3.73(m、1H)、3.24〜3.23(m、1H)、3.29〜3.23(m、1H)、3.17〜3.14(m、1H)、3.04〜2.84(m、2H)、2.81〜2.78(m、1H)、2.55(s、3H)、2.46〜2.40(m、1H)。
工程E
5−メチル−2−((2−ニトロフェニル)アミノ)チオフェン−3−カルボニトリル
ジメチルスルホキシド中の、2−アミノ−5−メチルチオフェン−3−カルボニトリル(13.8g、100ミリモル)及び1−フルオロ−2−ニトロベンゼン(16.92g、120ミリモル)の溶液に、水酸化カリウム(11.2g、200ミリモル)を添加した。この反応混合物を室温で一晩撹拌した。この混合物を水で希釈し、結果として生じた懸濁液を濾過した。濾過ケーキを乾燥させ、更に精製することなく使用される赤色固体として、5−メチル−2−((2−ニトロフェニル)アミノ)チオフェン−3−カルボニトリルを得た。H NMR:(400MHz、CDCl)δ 9.69(s、1H)、8.27〜8.25(m、1H)、7.56〜7.52(m、1H)、7.23〜7.20(m、1H)、7.0〜6.96(m、1H)、6.80(s、1H)、2.49(s、3H)。
工程F
2−((2−アミノフェニル)アミノ)−5−メチルチオフェン−3−カルボニトリル
エチルアセテート(500mL)中の、前工程で説明したとおりに調製した5−メチル−2−((2−ニトロフェニル)アミノ)チオフェン−3−カルボニトリル(43.3g、0.157モル)の溶液に、10%のパラジウム炭素(8g)を添加した。黒色の混合物を、気体水素の雰囲気下で、室温で一晩撹拌した。5−メチル−2−((2−ニトロフェニル)アミノ)チオフェン−3−カルボニトリルのほとんどが完全に消費されたとLCMSが示したとき、混合物を濾過し、濾液を濃縮して2−((2−アミノフェニル)アミノ)−5−メチルチオフェン−3−カルボニトリルを得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.29〜7.21(m、1H)、7.11〜7.10(m、1H)、6.86〜6.79(m、2H)、6.48〜6.47(m、1H)、6.42(brs、1H)、3.75〜3.70(br、2H)、2.28(s、3H)。
工程G
2−メチル−10H−ベンゾ[b]チエノ[2,3−e][1,4]ジアゼピン−4−アミン
イソプロパノール(150mL)中の、前工程で説明した通りに調製した2−((2−アミノフェニル)アミノ)−5−メチルチオフェン−3−カルボニトリル(22.9g、100ミリモル)、及び水性塩酸(50mL、18%)の混合物を、80℃で3時間加熱した。結果として生じた懸濁液を濾過し、濾過ケーキを乾燥させて、赤色固体として表題化合物を得た。H NMR(400MHz CDCl)δ 7.14〜7.12(t、1H)、7.7.12〜7.10(t、1H)、6.95〜6.93(d、J=8MHz、1H)、6.81〜6.79(d、J=8MHz、1H)、6.70(s、1H)、2.30(s、3H)。
工程H
2−((1−メチル−4−(2−メチル−10H−ベンゾ[b]チエノ[2,3−e][1,4]ジアゼピン−4−イル)ピペラジン−2−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオン
ジメチルスルホキシド(0.5mL)中の、工程Dで説明した通りに調製した2−((1−メチルピペラジン−2−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオン(100mg、0.38ミリモル)と、工程Gで説明した通りに調製した2−メチル−10H−ベンゾ[b]チエノ[2,3−e][1,4]ジアゼピン−4−アミン(150mg、0.52ミリモル)と、ジイソプロピルエチルアミン(0.49g、3.8ミリモル)との溶液を、170℃で2時間撹拌した。この反応物を水で希釈し、エチルアセテートで抽出した。有機相を濃縮し、カラムによって残留物を精製し、15mgの2−((1−メチル−4−(2−メチル−10H−ベンゾ[b]チエノ[2,3−e][1,4]ジアゼピン−4−イル)ピペラジン−2−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオンを得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.76〜7.73(m、1H)、7.45〜7.35(m、3H)、7.18〜7.17(m、1H)、6.98〜6.95(m、2H)、6.75〜6.73(m、1H)、6.46(s、1H)、4.28〜4.25(m、1H)、3.96〜6.92(m、1H)、3.71〜3.64(m、3H)、3.47〜3.41(m、1H)、3.29〜3.28(m、1H)、3.12〜3.09(m、1H)、2.87〜2.86(m、1H)、2.67〜2.53(m、3H)、2.28(s、3H)。
工程I
(1−メチル−4−(2−メチル−10H−ベンゾ[b]チエノ[2,3−e][1,4]ジアゼピン−4−イル)ピペラジン−2−イル)メタンアミン
エタノールメチルアミン(20mL)中の、前工程で説明した通りに調製した2−((1−メチル−4−(2−メチル−10H−ベンゾ[b]チエノ[2,3−e][1,4]ジアゼピン−4−イル)ピペラジン−2−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオン(1.0g)の溶液を周囲温度で一晩撹拌した。真空下で溶媒を除去し、HPLCによって残留物を精製し、赤色固体として(1−メチル−4−(2−メチル−10H−ベンゾ[b]チエノ[2,3−e][1,4]ジアゼピン−4−イル)ピペラジン−2−イル)メタンアミンのヒドロクロライド塩を得た。H NMR(400MHz、MeOD)δ 7.46〜7.44(m、1H)、7.31〜7.48(m、1H)、7.19〜7.15(m、1H)、6.97〜6.95(m、1H)、6.74(s、1H)、4.80〜4.71(br、1H)、4.28〜4.20(br、2H)、4.07〜4.04(br、2H)、3.82〜3.70(br、3H)、3.53〜3.48(m、1H)、3.18(s、3H)、2.42(m、3H);C18H23N5SのESI−MS(M+1):342(計算値)、正確な質量:341.17。
(実施例2)
2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−((1−メチル−4−(2−メチル−10H−ベンゾ[b]チエノ[2,3−e][1,4]ジアゼピン−4−イル)ピペラジン−2−イル)メチル)アセトアミド
570μLのDMF及び13.3μLのトリブチルアミン中の、実施例1で説明した通りに調製した(1−メチル−4−(2−メチル−10H−ベンゾ[b]チエノ[2,3−e][1,4]ジアゼピン−4−イル)ピペラジン−2−イル)メタンアミン(10.3mg、30.2μモル)の溶液に、760μLのN−(α−マレイミドアセトキシ)サクシニミドエステル(AMAS、10mg/mL、7.6mg、30.2μモル)のDMF溶液を添加した。結果として生じた溶液を20℃で18時間撹拌させ、その後、チオール活性化タンパク質とのコンジュゲーション反応などにおいて使用した。
(実施例3)
(2−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)−10H−ベンゾ[b]チエノ[2,3−e][1,4]ジアゼピン−7−イル)メタンアミン
工程A
2−(4−シアノ−2−ニトロ−フェニルアミノ)−5−メチル−チオフェン−3−カルボニトリル
THF(2mL)中の水酸化ナトリウム(60%、0.58g)の懸濁液に、THF(10mL)中の4−フルオロ−3−ニトロ−ベンゾニトリル(1.33g、8.0ミリモル)及び2−アミノ−5−メチル−チオフェン−3−カルボニトリル(1.10g、8.0ミリモル)を滴加した。混合物を室温で一晩撹拌した。もう2回分の水酸化ナトリウム(60%、0.50g及び0.4g)を、次の6時間にわたって添加した。3日間の撹拌の後、混合物を氷水(20mL)に注ぎ、6N塩酸(7mL)でpH 3まで酸性化した。この沈降物を濾過し、水で洗浄した。固体をジクロロメタン(35mL)で抽出した。この溶液を固体に濃縮し、更に精製することなく次の工程で使用した。LC−MS:m/z 285(M+1)、307(M+23)。H NMR(CDCl、400MHz):δ(ppm)9.76(s、1H)、8.59(s、1H)、7.70(d、1H)、7.14(d、1H)、6.87(s、1H)、2.52(s、1H)。
工程B
10−アミノ−2−メチル−4H−3−チア−4,9−ジアザ−ベンゾ[f]アズレン−7−カルボニトリルヒドロクロライド
エタノール(5mL)中の、前工程で説明した通りに調製した2−(4−シアノ−2−ニトロ−フェニルアミノ)−5−メチル−チオフェン−3−カルボニトリル(0.52g)の懸濁液に、6NのHCl中の歯クロライド(1.36g、7.2ミリモル)を添加した。この混合物を85℃の油浴中で3時間加熱し、その後、氷浴中で冷却した。この固体を濾過し、水で洗浄し、茶色になるまで乾燥させて、無機塩を含有する茶色固体として表題化合物を得て、これを更に精製することなく次の工程で使用した。LC−MS:m/z 255(遊離塩基のM+1)。H NMR(DMSO−d、400MHz):δ(ppm)11.18(br、1H)、10.09(s、1H)、9.35(br、1H)、8.94(br、1H)、7.54(d、1H)、7.27(s、1H)、6.95(d、1H)、2.26(s、3H)。
工程C
2−メチル−10−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−4H−3−チア−4,9−ジアザ−ベンゾ[f]アズレン−7−カルボニトリル
DMSO(6mL)及びトルエン(6mL)中の、前工程で説明した通りに調製した10−アミノ−2−メチル−4H−3−チア−4,9−ジアザ−ベンゾ[f]アズレン−7−カルボニトリルヒドロクロライド(0.6g)の溶液に、1−メチルピペラジン(4mL)を添加した。この混合物を130℃の油浴中で17時間加熱した。この溶液を濃縮し、エチルアセテート(50mL)で希釈し、水(20mL)及びブライン(20mL)で洗浄し、その後、濃縮した。固体をジクロロメタン(10mL)内で溶解し、飽和ナトリウムビカーボネート溶液で処理した。表題化合物を淡黄色の沈降物として収集し、水及びジクロロメタンで洗浄し、乾燥させ、更に精製することなく次の工程で使用した。LC−MS:m/z 338(M+1)。H NMR(CDOD、400MHz):δ(ppm)7.19〜7.15(m、2H)、6.74(d、1H)、6.37(s、1H)、3.51(m、4H)、2.53(m、4H)、2.34(s、3H)、2.32(s、3H)。
工程D
(2−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)−10H−ベンゾ[b]チエノ[2,3−e][1,4]ジアゼピン−7−イル)メタンアミン
メタノール(90mL)中の、前工程で説明した通りに調製した2−メチル−10−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−4H−3−チア−4,9−ジアザ−ベンゾ[f]アズレン−7−カルボニトリル(0.25g)の溶液に、濃縮HCl(0.4mL)及びPd黒(57mg)を添加した。水素付加を345kPa(50psi)で1時間実行した。更なるPd黒(147mg)を添加した。この混合物を345kPa(50psi)で22時間振盪した。触媒を濾過し、メタノールで洗浄した。濾液を濃縮し、飽和ナトリウムビカーボネート溶液(5mL)で処理し、乾燥するまで濃縮した。この生成物をシリカカラムによって精製した。LC−MS:m/z 342(M+1)。H NMR(CDOD、400MHz):δ(ppm)6.89〜6.85(m、2H)、6.64(d、1H)、6.34(d、1H)、3.66(s、2H)、3.46(m、4H)、2.54(m、4H)、2.34(s、3H)、2.30(d、3H)。
(実施例4)
2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−((2−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)−10H−ベンゾ[b]チエノ[2,3−e][1,4]ジアゼピン−7−イル)メチル)アセトアミド
185μLのDMF及び4.5μLのトリブチルアミン中の、実施例3で説明した通りに調製した(2−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)−10H−ベンゾ[b]チエノ[2,3−e][1,4]ジアゼピン−7−イル)メタンアミン(3.5mg、10.2μモル)の溶液に、260μLのN−(α−マレイミドアセトキシ)サクシニミドエステル(AMAS、10mg/mL、2.6mg、10.2μモル)のDMF溶液を添加した。結果として生じた溶液を20℃で90分間撹拌させ、その後、チオール活性化タンパク質とのコンジュゲーション反応などにおいて使用した。
(実施例5)
6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−((2−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)−10H−ベンゾ[b]チエノ[2,3−e][1,4]ジアゼピン−7−イル)メチル)ヘキサンアミド
ジクロロメタン(4mL)中の、実施例3で説明した通りに調製した(2−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)−10H−ベンゾ[b]チエノ[2,3−e][1,4]ジアゼピン−7−イル)メタンアミン(59mg、0.17ミリモル)の溶液に、ジクロロメタン(1mL)中の、トリエチルアミン(0.048mL、0.34ミリモル)及び6−マレイミドヘキサン酸N−ヒドロキシサクシニミドエステル(53mg、0.17ミリモル)を添加した。この溶液を室温で40分間撹拌し、その後、シリカカラムに充填し、トリエチルアミンを含有する3〜5%のメタノール/ジクロロメタンで溶出させた。表題化合物を黄色固体として得た。LC−MS:m/z 535(M+1)。
(実施例6)
N−[2−メチル−10−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−4H−3−チア−4,9−ジアザ−ベンゾ[f]アズレン−7−イルメチル]−サクシンアミド酸
工程A
サクシン酸2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イルエステルメチルエステル
エチルアセテート(50mL)中の、1−ヒドロキシ−ピロリジン−2,5−ジオン(1.23mL、10ミリモル)の溶液に、3−クロロカルボニル−プロピオン酸メチルエステル(1.15g、10ミリモル)を添加した。この混合物を氷浴中で冷却した。トリエチルアミン(1.4mL、10ミリモル)を滴加した。結果として生じた懸濁液を、氷浴中で10分間、その後、氷浴なしで5分間撹拌した。白色固体を濾過によって除去し、エチルアセテート(3×3mL)で洗浄した。この濾液を白色固体(2.32g)に濃縮した。
工程B
N−[2−メチル−10−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−4H−3−チア−4,9−ジアザ−ベンゾ[f]アズレン−7−イルメチル]−サクシンアミド酸メチルエステル
ジクロロメタン(2mL)中の、実施例3で説明した通りに調製した(2−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)−10H−ベンゾ[b]チエノ[2,3−e][1,4]ジアゼピン−7−イル)メタンアミン(40mg、0.12ミリモル)の溶液に、前工程で説明した通りに調製したトリエチルアミン(0.030mL、0.22ミリモル)及びサクシン酸2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イルエステルメチルエステル(31mg、0.13ミリモル)を添加した。この溶液を室温で1時間撹拌し、濃縮した。この粗製物をシリカカラムに充填し、水酸化アンモニウムを含有する3〜5%のメタノール/ジクロロメタンで溶出させて、黄色固体として表題化合物を得た。LC−MS:m/z 456(M+1)。
工程C
N−[2−メチル−10−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−4H−3−チア−4,9−ジアザ−ベンゾ[f]アズレン−7−イルメチル]−サクシンアミド酸
THF(1.5mL)中の、前工程で説明した通りに調製したN−[2−メチル−10−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−4H−3−チア−4,9−ジアザ−ベンゾ[f]アズレン−7−イルメチル]−サクシンアミド酸メチルエステル(80mg、0.18ミリモル)の懸濁液に、水(0.5mL)中のLiOH(14mg)を添加した。この溶液を室温で3時間撹拌し、希釈HClで酸性化し、乾燥するまで濃縮した。LC−MS:m/z 442(親のM+1)。
(実施例7)
2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−((1−メチル−4−(2−メチル−10H−ベンゾ[b]チエノ[2,3−e][1,4]ジアゼピン−4−イル)ピペラジン−2−イル)メチル)アセトアミド−キーホールリンペットヘモシアニン−コンジュゲート
工程A
100mMのリン酸緩衝液、pH 7.4、0.46Mのナトリウムクロライド中、3.19mLのキーホールリンペットヘモシアニン(KLH、15.2mg、0.152μモル)の溶液に、70.3μLのN−サクシニミジル−S−アセチルチオアセテート(SATA、25mg/mL、1.75mg、7.60μモル)のDMF溶液を添加した。結果として生じた溶液を、20℃で1時間、ローラ混合器上でインキュベートした。この反応物に、319μLの2.5Mのヒドロキシルアミン、50mMのEDTA、pH 7.0を添加し、結果として生じた溶液を、20℃で25分間、ローラ混合器上でインキュベートした。この反応物を、100mMのリン酸緩衝液、0.46Mのナトリウムクロライド、5mMのEDTAを用いて、pH 6.0で、Sephadex G−25カラム上で精製した。
工程B
前工程で説明した通りに調製したKLH−SH(4.29mL、12.7mg、0.127μモル)に、実施例2で調製した溶液のアリコート(566.6μL、12.7μモル)を添加した。結果として生じた混濁混合物を、20℃で2時間、ローラ混合器上でインキュベートした。この反応物を、20μmのシリンジフィルタを通して濾過し、その後、100mMのリン酸緩衝液、0.46Mのナトリウムクロライドを用いて、pH 7.4で、Sephadex G−25カラム上で精製した。
(実施例8)
2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−((1−メチル−4−(2−メチル−10H−ベンゾ[b]チエノ[2,3−e][1,4]ジアゼピン−4−イル)ピペラジン−2−イル)メチル)アセトアミド−ウシサイログロブリン−コンジュゲート
工程A
pH 7.5の100mMのリン酸緩衝液中の、2.0mLのウシサイログロブリン(BTG、20.0mg、0.03μモル)の溶液に、276.0μLのN−サクシニミジル−S−アセチルチオアセテート(SATA、25mg/mL、6.9mg、30.0μモル)のDMF溶液を添加した。結果として生じた溶液を、20℃で1時間、ローラ混合器上でインキュベートした。この反応物に、230μLの2.5Mのヒドロキシルアミン、50mMのEDTA、pH 7.0を添加した。結果として生じた溶液を、20℃で15分間、ローラ混合器上でインキュベートした。この反応物を、100mMのリン酸緩衝液、5mMのEDTAを用いて、pH 6.0で、Sephadex G−25カラム上で精製した。
工程B
前工程で説明した通りに調製したBTG−SH(4.73mL、14.3mg、0.022μモル)に、実施例2で調製した溶液のアリコート(969.6μL、21.7μモル)を添加した。結果として生じた混濁混合物を、20℃で3時間、ローラ混合器上でインキュベートした。この反応物を、0.45μmのシリンジフィルタを通して濾過し、その後、100mMのリン酸緩衝液、0.14Mのナトリウムクロライドを用いて、pH 7.4で、Sephadex G−25カラム上で精製した。
(実施例9)
2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−((1−メチル−4−(2−メチル−10H−ベンゾ[b]チエノ[2,3−e][1,4]ジアゼピン−4−イル)ピペラジン−2−イル)メチル)アセトアミド−オボアルブミン−コンジュゲート
工程A
pH 7.5の100mMのリン酸緩衝液中の、1.2mLのオボアルブミン(12.0mg、0.27μモル)の溶液に、50.1μLのN−サクシニミジル−S−アセチルチオアセテート(SATA、25mg/mL、1.25mg、5.42μモル)のDMF溶液を添加した。結果として生じた溶液を、20℃で1時間、ローラ混合器上でインキュベートした。この反応物に、120μLの2.5Mのヒドロキシルアミン、50mMのEDTAを、pH 7.0で添加した。結果として生じた溶液を、20℃で15分間、ローラ混合器上でインキュベートした。この反応物を、100mMのリン酸緩衝液、5mMのEDTAを用いて、pH 6.0で、Sephadex G−25カラム上で精製した。
工程B
前工程で説明した通りに調製したオボアルブミン−SH(4.2mL、8.0mg、0.18μモル)に、実施例2で調製した溶液のアリコート(200μL、4.5μモル)を添加した。結果として生じた混合物を、20℃で3時間、ローラ混合器上でインキュベートした。この反応物を、100mMのリン酸緩衝液、0.14Mのナトリウムクロライドを用いて、pH 7.4で、Sephadex G−25カラム上で精製した。
(実施例10)
2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−((2−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)−10H−ベンゾ[b]チエノ[2,3−e][1,4]ジアゼピン−7−イル)メチル)アセトアミド−キーホールリンペットヘモシアニン−コンジュゲート
実施例7の工程Aで説明した通りに調製したKLH−SH(3.31mL、9.8mg、0.098μモル)に、実施例4で説明した通りに調製した2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−((2−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)−10H−ベンゾ[b]チエノ[2,3−e][1,4]ジアゼピン−7−イル)メチル)アセトアミド溶液(6.9μモル)の、300μLのアリコートを添加した。結果として生じた混濁混合物を、20℃で2.5時間、ローラ混合器上でインキュベートした。この反応物を、0.2μmのシリンジフィルタを通して濾過し、その後、100mMのリン酸緩衝液、0.46Mのナトリウムクロライドを用いて、pH 7.4で、Sephadex G−25カラム上で精製した。
(実施例11)
2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−((2−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)−10H−ベンゾ[b]チエノ[2,3−e][1,4]ジアゼピン−7−イル)メチル)アセトアミド−オボアルブミン−コンジュゲート
実施例9の工程Aで説明した通りに調製したオボアルブミン−SH(5.38mL、17.8mg、0.40μモル)に、実施例4で説明した通りに調製した2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−((2−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)−10H−ベンゾ[b]チエノ[2,3−e][1,4]ジアゼピン−7−イル)メチル)アセトアミド溶液(10.2μモル)の、200μLのアリコートを添加した。結果として生じた混合物を、20℃で3時間、ローラ混合器上でインキュベートした。この反応物を、0.45μmのシリンジフィルタを通して濾過し、その後、100mMのリン酸緩衝液、0.14Mのナトリウムクロライドを用いて、pH 7.4で、Sephadex G−25カラム上で精製した。
(実施例12)
N−[2−メチル−10−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−4H−3−チア−4,9−ジアザ−ベンゾ[f]アズレン−7−イルメチル]−サクシンアミド酸−ウシサイログロブリン−コンジュゲート
工程A
500μLのDMF及び5μLのトリブチルアミン中の、実施例6で説明した通りに調製したN−[2−メチル−10−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−4H−3−チア−4,9−ジアザ−ベンゾ[f]アズレン−7−イルメチル]−サクシンアミド酸(7.9mg、18.0μモル)、N−ヒドロキシサクシニミド(NHS、8.3mg、72.0μモル)、及びN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(14.9mg、72.0μモル)の溶液を、20℃で18時間撹拌させ、その後、タンパク質とのコンジュゲーションなどにおいて使用した。
工程B
pH 7.5の100mMのリン酸緩衝液中の、2.98mLのウシサイログロブリン(BTG、14.9mg、0.023μモル)の溶液に、500μLの、工程Aで調製した溶液(18.0μモル)を添加した。結果として生じた混濁混合物を、20℃で2.5時間、ローラ混合器上でインキュベートした。この反応物を、0.45μmのシリンジフィルタを通して濾過し、その後、100mMのリン酸緩衝液、0.14Mのナトリウムクロライドを用いて、pH 7.4で、Sephadex G−25カラム上で精製した。
(実施例13)
オランザピンについての競合イムノアッセイ、並びにアリピプラゾール、オランザピン、クエチアピン、及びリスペリドン/パリペリドンについての多重競合イムノアッセイ
式II及びIIIを有するオランザピン免疫原を用いる一連の免疫化の後、ELISAを用いて、マウスの尾出血を反応性について試験した。ハイブリドーマ上清も試験し、以下の表8(式IIを有するオランザピン免疫原に対して生成されるハイブリドーマ)及び9(式IIIを有するオランザピン免疫原に対して生成されるハイブリドーマ)に示されるELISAデータは、いくつかのハイブリドーマの反応性を示す(融合パートナーはNSO細胞であった)。
その後、上清を競合ELISAによって試験し、シグナルがオランザピンに対して特異的であるかを決定した。図1〜3は、マウス融合11.1(式IIを有するオランザピン免疫原)からもたらされる3つの代表的なハイブリドーマの結果を示す。データは、クロザピンに対する多様な反応性と共に、オランザピンに対する比反応性を示す。
図4は、側方流動アッセイ装置上で用いた競合イムノアッセイフォーマットを示し、ここで、フルオロフォアにコンジュゲートされるオランザピンから成る検出コンジュゲートと共に、捕捉抗体、オランザピンクローンをチップ上に堆積した。図4に示されるこの競合フォーマットにおいて、低レベルの検体(オランザピン)が高シグナルをもたらした一方で、高レベルの検体(オランザピン)は、低シグナルをもたらす。サンプル中のオランザピンの量は、薬物が存在しない対照サンプルと比較した蛍光性の損失から算出することができる。オランザピンクローン35を用いて生成された典型的な用量反応曲線が図5に示され、オランザピンクローン61を用いて生成された典型的な用量反応曲線が図6に示され、オランザピンクローン3F11を用いて生成された典型的な用量反応曲線が図7に示される。
図8は、本発明の一実施形態に従う側方流動アッセイ装置のチップ設計を示す。この装置は、サンプルを受容するためのゾーン又は領域、コンジュゲートゾーン(所望の標識化競合結合パートナー(複数可)を含有する)、及び反応ゾーン(反応ゾーン内の8つの領域が示され、各領域が分離した所望の抗体を含有し得る)を含む。サンプルは、サンプルゾーンからコンジュゲートゾーンを通り、反応ゾーンまで流れる。
図9〜12は、反応ゾーン2内に堆積される抗体5C7及びコンジュゲートゾーン(図9)内の標識化アリピプラゾール競合結合パートナーを用いて生成されたアリピプラゾール陽性対照(アリピプラゾールを含有するサンプル)、反応ゾーン4内に堆積される抗体4G9−1及びコンジュゲートゾーン(図10)内の標識化オランザピン競合結合パートナーを用いて生成されたオランザピン陽性対照(オランザピンを含有するサンプル)、反応ゾーン6内に堆積される抗体11及びコンジュゲートゾーン(図11)内の標識化クエチアピン競合結合パートナーを用いて生成されたクエチアピン陽性対照(クエチアピンを含有するサンプル)、並びに反応ゾーン8内に堆積される抗体5−9及びコンジュゲートゾーン(図12)内の標識化リスペリドン競合結合パートナーを用いて生成されたリスペリドン陽性対照(リスペリドンを含有するサンプル)の典型的な用量反応曲線を示す。コンジュゲートゾーン内の標識化競合結合パートナーは、抗体との結合においてサンプル中に存在する薬物と競合する。標識の量が検出され、これは、サンプル中に存在する薬物の量の指標である(シグナルの量はサンプル中の薬物の量に反比例する(図4を参照のこと))。
標識化競合結合パートナーのコンジュゲートが、反応ゾーン内に堆積される抗体に結合しないことを確認するために、薬物を含有しないサンプルを用いて陰性対照を実施した。表10を参照して、アリピプラゾールを含有しないサンプルがサンプルゾーン内に堆積され、毛管作用によって、コンジュゲートゾーン(今回は標識化オランザピン、標識化クエチアピン、及び標識化リスペリドンを含有するが、標識化アリピプラゾールは含有しない)を通って、反応ゾーンまで移動する。反応ゾーンは、この場合もやはり、反応ゾーン2内にアリピプラゾール抗体(5C7)を含有する。以下の表10は、用量反応はなく、毛管作用により反応ゾーンを通って移動するオランザピン、クエチアピン、及びリスペリドンのコンジュゲートがアリピプラゾール抗体に結合しないことを確認する結果を示す。
表11を参照して、オランザピンを含有しないサンプルがサンプルゾーン内に堆積され、毛管作用によって、コンジュゲートゾーン(今回は標識化アリピプラゾール、標識化クエチアピン、及び標識化リスペリドンを含有するが、標識化オランザピンは含有しない)を通って、反応ゾーンまで移動する。反応ゾーンは、この場合もやはり、反応ゾーン4内にオランザピン抗体(4G9−1)を含有する。以下の表11は、用量反応はなく、毛管作用により反応ゾーンを通って移動するアリピプラゾール、クエチアピン、及びリスペリドンのコンジュゲートがオランザピン抗体に結合しないことを確認する結果を示す。
表12を参照して、クエチアピンを含有しないサンプルがサンプルゾーン内に堆積され、毛管作用によって、コンジュゲートゾーン(今回は標識化アリピプラゾール、標識化オランザピン、及び標識化リスペリドンを含有するが、標識化クエチアピンは含有しない)を通り、反応ゾーンまで移動する。反応ゾーンは、この場合もやはり、反応ゾーン6内にクエチアピン抗体(11)を含有する。以下の表12は、用量反応はなく、毛管作用により反応ゾーンを通って移動するアリピプラゾール、オランザピン、及びリスペリドンのコンジュゲートがクエチアピン抗体に結合しないことを確認する結果を示す。
表13を参照して、リスペリドンを含有しないサンプルがサンプルゾーン内に堆積され、毛管作用によって、コンジュゲートゾーン(今回は標識化アリピプラゾール、標識化オランザピン、及び標識化クエチアピンを含有するが、標識化リスペリドンは含有しない)を通って、反応ゾーンまで移動する。反応ゾーンは、この場合もやはり、反応ゾーン8内にリスペリドン抗体(5−9)を含有する。以下の表13は、用量反応はなく、毛管作用により反応ゾーンを通って移動するアリピプラゾール、オランザピン、及びクエチアピンのコンジュゲートがリスペリドン抗体に結合しないことを確認する結果を示す。
標識化競合結合パートナーのコンジュゲートが、反応ゾーン内に堆積されるそれらのそれぞれの抗体にのみ結合することを確認するために、薬物を含有しないサンプルを再び用いて、追加の陰性対照を実施した。表14を参照して、アリピプラゾールを含有しないサンプルがサンプルゾーン内に堆積され、毛管作用によって、コンジュゲートゾーン(今回は標識化アリピプラゾールを含有する)を通って、反応ゾーンまで移動する。反応ゾーンは、この場合もやはり、反応ゾーン2にアリピプラゾール抗体(5C7)を含有し、反応ゾーン4内にオランザピン抗体(4G9−1)、反応ゾーン6内にクエチアピン抗体(11)、反応ゾーン8内にリスペリドン抗体(5−9)も含有する。以下の表14は、アリピプラゾール抗体5C7(反応ゾーン2における)を除いて用量反応がないことを確認する結果を示す。
表15を参照して、オランザピンを含有しないサンプルがサンプルゾーン内に堆積され、毛管作用によって、コンジュゲートゾーン(今回は標識化オランザピンを含有する)を通って、反応ゾーンまで移動する。反応ゾーンは、この場合もやはり、反応ゾーン2にアリピプラゾール抗体(5C7)を含有し、反応ゾーン4内にオランザピン抗体(4G9−1)、反応ゾーン6内にクエチアピン抗体(11)、反応ゾーン8内にリスペリドン抗体(5−9)も含有する。以下の表15は、オランザピン抗体4G9−1(反応ゾーン4における)を除いて用量反応がないことを確認する結果を示す。
表16を参照して、クエチアピンを含有しないサンプルがサンプルゾーン内に堆積され、毛管作用によって、コンジュゲートゾーン(今回は標識化クエチアピンを含有する)を通って、反応ゾーンまで移動する。反応ゾーンは、この場合もやはり、反応ゾーン2にアリピプラゾール抗体(5C7)を含有し、反応ゾーン4内にオランザピン抗体(4G9−1)、反応ゾーン6内にクエチアピン抗体(11)、反応ゾーン8内にリスペリドン抗体(5−9)も含有する。以下の表16は、クエチアピン抗体11(反応ゾーンにおける)を除いて用量反応がないことを確認する結果を示す。
表17を参照して、リスペリドンを含有しないサンプルがサンプルゾーン内に堆積され、毛管作用によって、コンジュゲートゾーン(今回は標識化リスペリドンを含有する)を通って、反応ゾーンまで移動する。反応ゾーンは、この場合もやはり、反応ゾーン2にアリピプラゾール抗体(5C7)を含有し、反応ゾーン4内にオランザピン抗体(4G9−1)、反応ゾーン6内にクエチアピン抗体(11)、反応ゾーン8内にリスペリドン抗体(5−9)も含有する。以下の表17は、リスペリドン抗体5−9(反応ゾーン8における)を除いて用量反応がないことを確認する結果を示す。
上記に示される結果は、標識化競合結合パートナーのコンジュゲートが、反応ゾーン内のそれらのそれぞれの抗体にのみ結合することを確認する。
図13〜16は、特定の抗体反応ゾーン内の典型的な用量反応曲線、及び他のコンジュゲートの存在下での特定のアッセイの各々に対する用量反応の低/高濃度を示す。図13において、アリピプラゾールを含有するサンプルがサンプルゾーン内に堆積され、毛管作用によって、コンジュゲートゾーン(今回は標識化アリピプラゾール、標識化オランザピン、標識化クエチアピン、及び標識化リスペリドンを含有する)を通って、反応ゾーンまで移動する。反応ゾーンは、この場合もやはり、反応ゾーン2内にアリピプラゾール抗体(5C7)を含有する。図13に示されるように、典型的な用量反応曲線は、アリピプラゾールでのみ生成され、オランザピン、クエチアピン、又はリスペリドンでは生成されなかった。
図14において、オランザピンを含有するサンプルがサンプルゾーン内に堆積され、毛管作用によって、コンジュゲートゾーン(今回は標識化アリピプラゾール、標識化オランザピン、標識化クエチアピン、及び標識化リスペリドンを含有する)を通って、反応ゾーンまで移動する。反応ゾーンは、この場合もやはり、反応ゾーン4内にオランザピン抗体(4G9−1)を含有する。図14に示されるように、典型的な用量反応曲線は、オランザピンでのみ生成され、アリピプラゾール、クエチアピン、又はリスペリドンでは生成されなかった。
図15において、クエチアピンを含有するサンプルがサンプルゾーン内に堆積され、毛管作用によって、コンジュゲートゾーン(今回は標識化アリピプラゾール、標識化オランザピン、標識化クエチアピン、及び標識化リスペリドンを含有する)を通って、反応ゾーンまで移動する。反応ゾーンは、この場合もやはり、反応ゾーン6内にクエチアピン抗体(11)を含有する。図15に示されるように、典型的な用量反応曲線は、クエチアピンでのみ生成され、アリピプラゾール、オランザピン、又はリスペリドンでは生成されなかった。
図16において、リスペリドンを含有するサンプルがサンプルゾーン内に堆積され、毛管作用によって、コンジュゲートゾーン(今回は標識化アリピプラゾール、標識化オランザピン、標識化クエチアピン、及び標識化リスペリドンを含有する)を通って、反応ゾーンまで移動する。反応ゾーンは、この場合もやはり、反応ゾーン8内にリスペリドン抗体(5−9)を含有する。図16に示されるように、典型的な用量反応曲線は、リスペリドンでのみ生成され、アリピプラゾール、オランザピン、又はクエチアピンでは生成されなかった。
図17〜20は、他のコンジュゲート及び抗体の存在下での各アッセイに対する、典型的な用量反応曲線を示す。図17において、アリピプラゾールを含有するサンプルがサンプルゾーン内に堆積され、毛管作用によって、コンジュゲートゾーン(この場合もやはり、標識化アリピプラゾール、標識化オランザピン、標識化クエチアピン、及び標識化リスペリドンを含有する)を通って、反応ゾーンまで移動する。反応ゾーンは、この場合もやはり、反応ゾーン2にアリピプラゾール抗体(5C7)を含有し、反応ゾーン4内にオランザピン抗体(4G9−1)、反応ゾーン6内にクエチアピン抗体(11)、反応ゾーン8内にリスペリドン抗体(5−9)も含有する。図17に示されるように、典型的な用量反応曲線がアリピプラゾールで生成された。オランザピンを含有するサンプルがこのチップのサンプルゾーン内に堆積したときに、図18に示されるように、典型的な用量反応曲線がオランザピンで生成された。クエチアピンを含有するサンプルがこのチップのサンプルゾーン内に堆積したときに、図19に示されるように、典型的な用量反応曲線がクエチアピンで生成された。リスペリドンを含有するサンプルがこのチップのサンプルゾーン内に堆積したときに、図20に示されるように、典型的な用量反応曲線がリスペリドンで生成された。
図21〜24は、陽性対照として生成された用量反応曲線(図9〜12)と、多重フォーマットで生成された用量反応曲線(図17〜20)との比較を示す。アリピプラゾールの比較が図21に示され、オランザピンの比較が図22に示され、クエチアピンの比較が図23に示され、リスペリドンの比較が図24に示される。これらの図は、陽性対照曲線が多重曲線に類似していることを示す。
これらのデータは、本発明の側方流動アッセイ装置を用いて、1つの携帯用ポイントオブケア(point-of-care)装置上で患者由来の単一のサンプルを用いて複数の抗精神病薬
を検出することができることを示す。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
オランザピンに結合する単離された抗体又はその結合断片であって、
(i)式Iの化合物及び免疫原性担体のコンジュゲートに応答して生成されるか、又は
(ii)式Iの化合物及び免疫原性担体のコンジュゲートに応答して生成される抗体によって結合されるエピトープと同一のエピトープに対して競合する、
式I:
(式中、
が、H、
CH NH 、CH NHC(O)(CH CO H、又はZ−(Y) −Gであり、
が、H、
CH NH 、CH NHC(O)(CH CO H、又はZ−(Y) −Gであり、
が、H、又はW−(Y) −Gであり、
但し、R 、R 、R のうちの2つがHでなければならず、更にR 、R 、及びR が全て同時にHでなく、
ここで、Zが、
−N(R )−、−O−、−S−、−アルキル−、−アルコキシアルキル−、−アミノアルキル−、−チオアルキル−、−ヘテロアルキル−、アルキルカルボニル−、
からなる群から選択され、
ここで、Wが、
−C(O)−、−アルキル−、−アルコキシアルキル−、−アミノアルキル−、−チオアルキル−、−ヘテロアルキル−、−アルキルカルボニル−、−N(R )−、
からなる群から選択され、
が、H、アルキル基、シクロアルキル基、アラアルキル基、又は置換若しくは非置換アリール基であり、
Yが、有機スペーサ基であり、
Gが、担体に結合することができる官能性連結基であり、
pが、0、又は1であり、
mが、1、2、3、4、又は5であり、
nが、1、2、3、4、又は5である)、単離された抗体又はその結合断片。
[2]
前記抗体が、式Iの化合物及び免疫原性担体のコンジュゲートに応答して生成される、[1]に記載の抗体。
[3]
前記抗体断片が、Fv、F(ab’)、F(ab’)2、scFv、ミニボディ(minibody)、及びダイアボディ(diabody)断片からなる断片の群から選択される、[1]に記載の抗体。
[4]
前記抗体がモノクローナル抗体である、[1]に記載の抗体。
[5]
[1]に記載の抗体を含む、アッセイキット。
[6]
[1]に記載の抗体を含む、アッセイ装置。
[7]
前記装置が側方流動アッセイ装置である、請求項6に記載のアッセイ装置。
[8]
オランザピンに結合する抗体を産生する方法であって、
(i)抗体産生のための宿主を選択する工程と、
(ii)前記宿主に式Iの化合物及び免疫原性担体のコンジュゲートを接種する工程であって、前記宿主がオランザピンに結合する抗体を産生する、工程と、を含む、
式I:
(式中、
が、H、
CH NH 、CH NHC(O)(CH CO H、又はZ−(Y) −Gであり、
が、H、
CH NH 、CH NHC(O)(CH CO H、又はZ−(Y) −Gであり、
が、H、又はW−(Y) −Gであり、
但し、R 、R 、R のうちの2つがHでなければならず、更にR 、R 、及びR が全て同時にHでなく、ここで、Zが、
−N(R )−、−O−、−S−、−アルキル−、−アルコキシアルキル−、−アミノアルキル−、−チオアルキル−、−ヘテロアルキル−、アルキルカルボニル−、
からなる群から選択され、
ここで、Wが、
−C(O)−、−アルキル−、−アルコキシアルキル−、−アミノアルキル−、−チオアルキル−、−ヘテロアルキル−、−アルキルカルボニル−、−N(R )−、
からなる群から選択され、
が、H、アルキル基、シクロアルキル基、アラアルキル基、又は置換若しくは非置換アリール基であり、
Yが、有機スペーサ基であり、
Gが、担体に結合することができる官能性連結基であり、
pが、0、又は1であり、
mが、1、2、3、4、又は5であり、
nが、1、2、3、4、又は5である)、方法。
[9]
オランザピンに結合するモノクローナル抗体を産生することができるハイブリドーマ細胞株を産生する方法であって、
(i)抗体産生のための宿主を選択する工程と、
(ii)前記宿主に式Iの化合物及び免疫原性担体のコンジュゲートを接種する工程と、
(iii)前記接種された宿主由来の細胞株を連続***細胞と融合させて、オランザピンに結合するモノクローナル抗体を産生することができる融合細胞を作製する工程と、
(iv)ハイブリドーマ細胞株を得るように前記融合細胞をクローニングする工程と、を含む、
式I:
(式中、
が、H、
CH NH 、CH NHC(O)(CH CO H、又はZ−(Y) −Gであり、
が、H、
CH NH 、CH NHC(O)(CH CO H、又はZ−(Y) −Gであり、
が、H、又はW−(Y) −Gであり、
但し、R 、R 、R のうちの2つがHでなければならず、更にR 、R 、及びR が全て同時にHでなく、ここで、Zが、
−N(R )−、−O−、−S−、−アルキル−、−アルコキシアルキル−、−アミノアルキル−、−チオアルキル−、−ヘテロアルキル−、アルキルカルボニル−、
からなる群から選択され、ここで、Wが、
−C(O)−、−アルキル−、−アルコキシアルキル−、−アミノアルキル−、−チオアルキル−、−ヘテロアルキル−、−アルキルカルボニル−、−N(R )−、
からなる群から選択され、
が、H、アルキル基、シクロアルキル基、アラアルキル基、又は置換若しくは非置換アリール基であり、
Yが、有機スペーサ基であり、
Gが、担体に結合することができる官能性連結基であり、
pが、0、又は1であり、
mが、1、2、3、4、又は5であり、
nが、1、2、3、4、又は5である)、方法。
[10]
サンプル中のオランザピンを検出する方法であって、
(i)サンプルを、検出可能なマーカーで標識化された[1]に記載の抗体と接触させる工程であって、前記サンプル中に存在する前記標識化抗体及びオランザピンが、標識化複合体を形成する、工程と、
(ii)前記サンプル中のオランザピンを検出するように前記標識化複合体を検出する工程と、を含む、方法。
[11]
サンプル中のオランザピンを検出するための競合イムノアッセイ方法であって、
(i)サンプルを、[1]に記載の抗体と、及びオランザピン又はオランザピンの競合結合パートナーと接触させる工程であって、前記抗体及び前記オランザピン又はその競合結合パートナーのうちの1つが、検出可能なマーカーで標識化され、かつ、サンプルオランザピンが、前記抗体への結合において前記オランザピン又はその競合結合パートナーと競合する、工程と、
(ii)サンプルオランザピンを検出するように前記標識を検出する工程と、を含む、方法。
[12]
前記オランザピン又はその競合結合パートナーが、前記検出可能なマーカーで標識化される、[11]に記載の方法。
[13]
前記抗体が、検出可能なマーカーで標識化される、[11]に記載の方法。
[14]
前記イムノアッセイが側方流動アッセイ装置上で実施され、前記サンプルが前記装置に適用される、[11]に記載の方法。
[15]
オランザピンに加えて1つ以上の検体の存在を検出する工程を更に含む、[10]又は[11]に記載の方法。
[16]
前記1つ以上の検体が、オランザピン以外の抗精神病薬である、[15]に記載の方法。
[17]
オランザピン以外の前記抗精神病薬が、リスペリドン、パリペリドン、クエチアピン、アリピプラゾール、及びこれらの代謝物からなる群から選択される、[16]に記載の方法。
[18]
オランザピンの前記検出が、処方されたオランザピン療法の患者遵守の指標である、[10]又は[11]に記載の方法。
[19]
オランザピンの前記検出が、患者を経口的オランザピンレジメンから注入可能な抗精神病薬レジメンに転向すべきかを決定するために使用される、[10]又は[11]に記載の方法。
[20]
オランザピンの前記検出が、有効又は安全な薬物レベルの達成又は維持を確実にするために、経口的又は注入可能なオランザピンの用量レベル又は投与間隔を増大又は減少させるべきかを決定するために使用される、[10]又は[11]に記載の方法。
[21]
オランザピンの前記検出が、最小pKレベルの達成の証拠を提供することによってオランザピン療法の開始の助けとなる、[10]又は[11]に記載の方法。
[22]
オランザピンの前記検出が、複数の製剤中又は複数の供給源由来のオランザピンの生物学的同等性を決定するために使用される、[10]又は[11]に記載の方法。
[23]
オランザピンの前記検出が、多剤併用及び潜在的な薬物−薬物相互作用の影響を評価するために使用される、[10]又は[11]に記載の方法。
[24]
オランザピンの前記検出が、患者が臨床治験から除外されるべきか、又はそれに含まれるべきかの指標であり、臨床治験投薬要件の遵守のその後の監視の助けとなる、[10]又は[11]に記載の方法。

Claims (4)

  1. オランザピンに結合する抗体を産生する方法であって、
    (i)抗体産生のための非ヒト宿主を選択する工程と、
    (ii)前記宿主に式Iの化合物及び免疫原性担体のコンジュゲートを接種する工程であって、前記宿主がオランザピンに結合する抗体を産生する、工程と、を含む、
    式I:

    (式中、
    が、H、

    CHNH、CHNHC(O)(CHCOH、又はZ−(Y)−Gであり、
    が、H、

    CHNH、CHNHC(O)(CHCOH、又はZ−(Y)−Gであり、
    が、H、又はW−(Y)−Gであり、
    但し、R、R、Rのうちの2つがHでなければならず、更にR、R、及びRが全て同時にHでなく、ここで、Zが、
    −N(R)−、−O−、−S−、−アルキル−、−アルコキシアルキル−、−アミノアルキル−、−チオアルキル−、−ヘテロアルキル−、アルキルカルボニル−、

    からなる群から選択され、
    ここで、Wが、
    −C(O)−、−アルキル−、−アルコキシアルキル−、−アミノアルキル−、−チオアルキル−、−ヘテロアルキル−、−アルキルカルボニル−、−N(R)−、

    からなる群から選択され、
    が、H、アルキル基、シクロアルキル基、アラアルキル基、又は置換若しくは非置換アリール基であり、
    Yが、有機スペーサ基であり、
    Gが、担体に結合することができる官能性連結基であり、
    pが、0、又は1であり、
    mが、1、2、3、4、又は5であり、
    nが、1、2、3、4、又は5である)、方法。
  2. オランザピンに結合する抗体の結合断片を産生する方法であって、
    (i)抗体産生のための非ヒト宿主を選択する工程と、
    (ii)前記宿主に式Iの化合物及び免疫原性担体のコンジュゲートを接種する工程であって、前記宿主がオランザピンに結合する抗体を産生する、工程と、
    (iii)前記宿主が産生した抗体からオランザピンに結合する抗体の結合断片を産生する工程と、を含む、
    式I:

    (式中、
    が、H、

    CH NH 、CH NHC(O)(CH CO H、又はZ−(Y) −Gであり、
    が、H、

    CH NH 、CH NHC(O)(CH CO H、又はZ−(Y) −Gであり、
    が、H、又はW−(Y) −Gであり、
    但し、R 、R 、R のうちの2つがHでなければならず、更にR 、R 、及びR が全て同時にHでなく、ここで、Zが、
    −N(R )−、−O−、−S−、−アルキル−、−アルコキシアルキル−、−アミノアルキル−、−チオアルキル−、−ヘテロアルキル−、アルキルカルボニル−、

    からなる群から選択され、
    ここで、Wが、
    −C(O)−、−アルキル−、−アルコキシアルキル−、−アミノアルキル−、−チオアルキル−、−ヘテロアルキル−、−アルキルカルボニル−、−N(R )−、

    からなる群から選択され、
    が、H、アルキル基、シクロアルキル基、アラアルキル基、又は置換若しくは非置換アリール基であり、
    Yが、有機スペーサ基であり、
    Gが、担体に結合することができる官能性連結基であり、
    pが、0、又は1であり、
    mが、1、2、3、4、又は5であり、
    nが、1、2、3、4、又は5である)、方法。
  3. 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. オランザピンに結合するモノクローナル抗体を産生することができるハイブリドーマ細胞株を産生する方法であって、
    (i)抗体産生のための非ヒト宿主を選択する工程と、
    (ii)前記宿主に式Iの化合物及び免疫原性担体のコンジュゲートを接種する工程と、
    (iii)前記接種された宿主由来の抗体産生細胞株を連続***細胞と融合させて、オランザピンに結合するモノクローナル抗体を産生することができる融合細胞を作製する工程と、
    (iv)ハイブリドーマ細胞株を得るように前記融合細胞をクローニングする工程と、
    を含む、
    式I:

    (式中、
    が、H、

    CHNH、CHNHC(O)(CHCOH、又はZ−(Y)−Gであり、
    が、H、

    CHNH、CHNHC(O)(CHCOH、又はZ−(Y)−Gであり、
    が、H、又はW−(Y)−Gであり、
    但し、R、R、Rのうちの2つがHでなければならず、更にR、R、及びRが全て同時にHでなく、ここで、Zが、
    −N(R)−、−O−、−S−、−アルキル−、−アルコキシアルキル−、−アミノアルキル−、−チオアルキル−、−ヘテロアルキル−、アルキルカルボニル−、

    からなる群から選択され、ここで、Wが、
    −C(O)−、−アルキル−、−アルコキシアルキル−、−アミノアルキル−、−チオアルキル−、−ヘテロアルキル−、−アルキルカルボニル−、−N(R)−、

    からなる群から選択され、
    が、H、アルキル基、シクロアルキル基、アラアルキル基、又は置換若しくは非置換アリール基であり、
    Yが、有機スペーサ基であり、
    Gが、担体に結合することができる官能性連結基であり、
    pが、0、又は1であり、
    mが、1、2、3、4、又は5であり、
    nが、1、2、3、4、又は5である)、方法。

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