[0006] 第1態様によると、リソグラフィ装置用の照明システムが提供され、この照明システムは、放射ビームを受けるとともに放射ビームを複数のサブビームへと合焦させるように構成されたレンズアレイと、照明ビームを形成するためにサブビームを受けるとともにサブビームを反射させるように構成された反射要素アレイと、照明ビームを第1部と第2部に分割するように構成されたビーム分割デバイスであって、第1部はリソグラフィパターニングデバイスに入射するように誘導される、ビーム分割デバイスと、イメージが検出面に形成されるように照明ビームの第2部を検出面上に合焦させるように構成された合焦ユニットであって、イメージは反射要素アレイの上流に位置する平面における複数のサブビームのイメージであり、サブビームはイメージ内で互い重なり合わない、合焦ユニットと、検出面に入射する放射の強度を測定するように構成された検出器要素アレイと
を備える。
[0007] 第2態様によると、リソグラフィ装置用の照明システムが提供され、この照明システムは、照明ビームを形成するために放射ビームを受けるとともに放射ビームの複数のサブビームを反射させるように構成された反射要素アレイと、照明ビームを第1部と第2部に分割するように構成されたビーム分割デバイスであって、第1部はリソグラフィパターニングデバイスに入射するように誘導される、ビーム分割デバイスと、イメージが検出面に形成されるように照明ビームの第2部を検出面上に合焦させるように構成された合焦ユニットであって、イメージは反射要素アレイの下流に位置する平面における複数のサブビームのイメージであり、サブビームはイメージ内で互い重なり合わない、合焦ユニットと、検出面に入射する放射の強度を測定するように構成された検出器要素アレイとを備える。
[0008] リソグラフィパターニングデバイスの照明中に所望の空間強度分布を有する照明ビームを提供することが望ましい。第1態様及び第2態様の両方は、検出器要素アレイによって得られた測定値から各サブビームの強度の決定を可能にする。サブビームが互いに重なり合わない平面が検出面上に結像されるため、各サブビームの強度を個別に決定することができる。サブビームの決定された強度を有利に使って反射要素の所望の向きを決定することができ、これは所望の空間強度分布を有する照明ビームという結果となる。例えば、反射要素の向きは、所望の空間強度分布を有する照明ビームを提供するために検出器要素アレイによって得られた測定値に応答して制御することができる。
[0009] 加えて又は代替的に、反射要素アレイの反射要素の向きを決定することが望ましい場合がある。反射要素アレイの上流に位置する平面(第1態様)又は反射要素アレイの下流に位置する平面(第2態様)が検出面上に結像されるため、検出面上に入射する放射は、反射要素アレイの反射要素の向きに依存する。したがって、検出器要素アレイによって得られた測定値を用いて、反射要素アレイの反射要素の向きを決定することができる。
[0010] 照明システムは、放射ビームを受け、放射ビームを複数のサブビームへと合焦させるとともに複数のサブビームを反射要素アレイ上に誘導するように構成されたレンズアレイをさらに備えてよい。
[0011] 検出器要素アレイは、複数の検出器要素が各サブビームに対応する放射を受けるように配置されてよい。
[0012] 照明システムは、各サブビームの空間強度分布を決定するとともに空間強度分布を用いて反射要素アレイの各反射要素の向きを決定するように構成されたコントローラをさらに備えてよい。
[0013] 合焦ユニットは、各検出器要素が複数のサブビームのうちの1つに対応する放射を受けるように照明ビームの第2部を検出面上に合焦させるように構成されてよい。
[0014] 照明システムは、複数のサブビームの各々の強度を決定するように構成されたコントローラをさらに備えてよい。
[0015] 照明システムは、反射要素アレイの反射要素の向きを調節するように構成された複数のアクチュエータをさらに備えてよい。
[0016] コントローラは、照明期間中、所望の空間強度分布を有する照明ビームを形成するために、複数のサブビームの決定された強度に応答してアクチュエータを制御するように動作可能であってよい。
[0017] コントローラは、さらに、照明期間中以外のとき、反射要素を方向付けるためにアクチュエータを制御するように動作可能であってよく、それによって、検出面上に結像されたときにサブビームが重ならないサブビームのイメージを形成する平面の範囲が、照明期間中の平面の範囲と比較して拡大される。
[0018] 合焦ユニットは、検出面上に結像される平面を調節するように動作可能であってよい。
[0019] 照明システムは、反射要素アレイの上流に位置決めされたフィルタ要素をさらに含んでよく、フィルタ要素は、放射が反射要素アレイに入射するように放射を透過させるように構成される。
[0020] フィルタ要素は、放射が1つ以上の反射要素に入射することを防止するためにフィルタ要素の1つ以上の領域を塞ぐように動作可能であってよい。
[0021] 検出器要素アレイは、実質的に検出面に位置決めされてよい。
[0022] 照明システムは、実質的に検出面に位置決めされた蛍光プレートをさらに備えてよく、検出器要素アレイは、蛍光プレートから放出される放射の強度を測定するように構成されてよい。
[0023] 照明システムは、照明ビームの第2部を第1検出ビームと第2検出ビームに分割するように構成された第2ビーム分割デバイスをさらに備えてよく、第1検出ビームは検出システムに誘導され、第2検出ビームは第2合焦ユニット及び第2検出器要素アレイを含む第2検出システムに誘導され、第2合焦ユニットは、第2イメージが第2検出面に形成されるように第2検出ビームを第2検出面上に合焦させるように構成され、第2イメージは、第1検出ビームを受ける検出システムによって結像される平面とは異なる第2平面における複数のサブビームのイメージである。
[0024] 合焦ユニットは、検出面と実質的に平行に方向付けされてよい。
[0025] 合焦ユニットは、反射要素アレイと実質的に平行に方向付けされてよい。
[0026] 照明システムは、反射要素アレイの反射要素に対する欠陥を、検出器要素アレイによって得られた測定値から決定するように構成されたコントローラをさらに備えてよい。
[0027] 第3態様によると、第1態様又は第2態様による照明システムと、パターニングデバイスを支持するためのサポート構造であって、パターニングデバイスは、照明ビームの第1部の断面にパターンを付与することによってパターン付き放射ビームを形成する役割を果たす、サポート構造と、基板を保持するための基板テーブルと、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分上に投影するための投影システムとを備える、リソグラフィ装置が提供される。
[0028] 第4態様によると、放射ビームを結像する方法が提供され、この方法は、放射ビームを提供することと、レンズアレイを用いて放射ビームを複数のサブビームへと合焦させることと、照明ビームを形成するために反射要素アレイを用いて複数のサブビームを反射させることと、照明ビームを第1部と第2部に分割することと、リソグラフィパターニングデバイスに入射するように照明ビームの第1部を誘導することと、イメージが検出面に形成されるように照明ビームの第2部を合焦させることであって、イメージは反射要素アレイの上流に位置する平面における複数のサブビームのイメージであり、サブビームはイメージ内で互い重なり合わない、合焦させることと、検出器要素アレイを用いて検出面に入射する放射の強度を測定することとを含む。
[0029] 第5態様によると、放射ビームを結像する方法が提供され、この方法は、放射ビームを提供することと、照明ビームを形成するために反射要素アレイを用いて放射ビームの複数のサブビームを反射させることと、照明ビームを第1部と第2部に分割することと、リソグラフィパターニングデバイスに入射するように照明ビームの第1部を誘導することと、イメージが検出面に形成されるように照明ビームの第2部を合焦させることであって、イメージは反射要素アレイの下流に位置する平面における複数のサブビームのイメージであり、サブビームはイメージ内で互い重なり合わない、合焦させることと、検出器要素アレイを用いて検出面に入射する放射の強度を測定することとを含む。
[0030] 方法は、レンズアレイを用いて放射ビームを複数のサブビームへと合焦させることと、複数のサブビームを反射要素アレイ上に誘導することとをさらに含んでよい。
[0031] 検出器要素アレイは、複数の検出器要素が各サブビームに対応する放射を受けるように配置されてよい。
[0032] 方法は、各サブビームの空間強度分布を決定することと、空間強度分布を用いて反射要素アレイの各反射要素の向きを決定することとをさらに含んでよい。
[0033] 照明ビームの第2部は、各検出器要素が複数のサブビームのうちの1つに対応する放射を受けるように検出面上に合焦されてよい。
[0034] 方法は、複数のサブビームの各々の強度を決定することをさらに含んでよい。
[0035] 方法は、照明期間中、所望の空間強度分布を有する照明ビームを形成するために、複数のサブビームの決定された強度に応答して反射要素アレイの反射要素の向きを調節することをさらに含んでよい。
[0036] 方法は、照明期間中以外のときに反射要素アレイの反射要素の向きを調節することをさらに含んでよく、それによって、検出面上に結像されたときにサブビームが重ならないサブビームのイメージを形成する平面の範囲が、照明期間中の平面の範囲と比較して拡大される。
[0037] 方法は、照明期間中以外のときに複数のサブビームの各々の強度を決定することをさらに含んでよい。
[0038] 方法は、照明期間中以外のときに反射要素の向きを決定することをさらに含んでよい。
[0039] 方法は、検出面上に結像される平面を調節することをさらに含んでよい。
[0040] 方法は、検出器要素アレイによって得られた測定値に従って反射要素アレイの上流に位置決めされたフィルタ要素を位置合わせすることをさらに含んでよく、フィルタ要素は、反射要素アレイに入射する放射を透過させるように構成される。
[0041] 方法は、放射が1つ以上の反射要素に入射することを防止するようにフィルタ要素の1つ以上の領域を塞ぐことをさらに含んでよい。
[0042] 方法は、反射要素アレイの反射要素に対する欠陥を、検出面に入射する放射の強度の測定値から決定することをさらに含んでよい。
[0043] 方法は、照明ビームの第2部を第1検出ビームと第2検出ビームに分割することであって、第1検出ビームは検出システムに誘導される、分割することと、第2イメージが第2検出面に形成されるように第2検出ビームを合焦させることであって、第2イメージは、第1検出ビームを受ける検出システムによって結像される平面とは異なる第2平面における複数のサブビームのイメージである、合焦させることとをさらに含んでよい。
[0044] 第6態様によると、リソグラフィ装置用の照明システムが提供され、この照明システムは、放射ビームを受けるとともに放射ビームを複数のサブビームへと合焦させるように構成されたレンズアレイと、照明ビームを形成するためにサブビームを受けるとともにサブビームを反射させるように構成された反射要素アレイと、照明ビームを第1部と第2部に分割するように構成されたビーム分割デバイスであって、第1部はリソグラフィパターニングデバイスに入射するように誘導される、ビーム分割デバイスと、イメージが検出面に形成されるように照明ビームの第2部を検出面上に合焦させるように構成された合焦ユニットであって、イメージは、サブビームが互いに重なり合わない複数のサブビームのイメージである、合焦ユニットと、検出面に入射する放射の強度を測定するように構成された検出器要素アレイとを備える。
[0045] 第7態様によると、放射ビームを結像する方法が提供され、この方法は、放射ビームを提供することと、レンズアレイを用いて放射ビームを複数のサブビームへと合焦させることと、照明ビームを形成するために反射要素アレイを用いて複数のサブビームを反射させることと、照明ビームを第1部と第2部に分割することと、リソグラフィパターニングデバイスに入射するように照明ビームの第1部を誘導することと、イメージが検出面に形成されるように照明ビームの第2部を合焦させることであって、イメージは、複数のサブビームのサブビームが互いに重なり合わない複数のサブビームのイメージである、合焦させることと、検出器要素アレイを用いて検出面に入射する放射の強度を測定することとを含む。
[0046] 本発明のあらゆる態様に関連して言及した上記の特徴は、本発明の他のあらゆる態様と関連付けて使用することができる。
[0048] 本明細書において、IC製造におけるリソグラフィ装置の使用について具体的な言及がなされているが、本明細書記載のリソグラフィ装置が、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンスパターン及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造といった他の用途を有し得ることが理解されるべきである。当業者にとっては当然のことであるが、そのような別の用途においては、本明細書で使用される「ウェーハ」又は「ダイ」という用語はすべて、それぞれより一般的な「基板」又は「ターゲット部分」という用語と同義であるとみなしてよい。本明細書に記載した基板は、露光の前後を問わず、例えば、トラック(通常、基板にレジスト層を塗布し、かつ露光されたレジストを現像するツール)、メトロロジーツール又はインスペクションツールで処理されてもよい。適用可能な場合には、本明細書中の開示内容を上記のような基板プロセシングツール及びその他の基板プロセシングツールに適用してもよい。さらに基板は、例えば、多層ICを作るために複数回処理されてもよいので、本明細書で使用される基板という用語は、すでに多重処理層を包含している基板を表すものとしてもよい。
[0049] 本明細書で使用される「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(UV)(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm、又は126nmの波長、又はおよそこれらの値の波長を有する)、及び極端紫外線(EUV)(例えば、4〜20nmの範囲の波長を有する)、並びにイオンビームや電子ビームなどの微粒子ビームを含むあらゆる種類の電磁放射を包含している。
[0050] 本明細書において使用される「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分内にパターンを作り出すように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用できるデバイスを指していると、広く解釈されるべきである。なお、留意すべき点として、放射ビームに付与されたパターンは、基板のターゲット部分内の所望のパターンに正確に一致しない場合もある。通常、放射ビームに付けたパターンは、集積回路などのターゲット部分内に作り出されるデバイス内の特定の機能層に対応することになる。
[0051] パターニングデバイスは、透過型であっても、反射型であってもよい。パターニングデバイスの例としては、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクは、リソグラフィでは公知であり、バイナリ、レべンソン型(alternating)位相シフト、及びハーフトーン型(attenuated)位相シフトなどのマスク型、並びに種々のハイブリッドマスク型を含む。プログラマブルミラーアレイの一例では、小型ミラーのマトリックス配列が用いられており、各小型ミラーは、入射する放射ビームを様々な方向に反射させるように、個別に傾斜させることができる。このようにして、反射される放射ビームにパターンを付ける。
[0052] サポート構造は、パターニングデバイスを保持する。サポート構造は、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、及び、パターニングデバイスが真空環境内で保持されているか否かなどの他の条件に応じた態様で、パターニングデバイスを保持する。サポートは、機械クランプ、真空式、又はその他のクランプ技術、例えば、真空状態での静電クランプを使用することができる。サポート構造は、例えば、必要に応じて固定又は可動式にすることができるフレーム又はテーブルであってもよく、また、パターニングデバイスを、例えば、投影システムに対して所望の位置に確実に置くこともできる。本明細書において使用される「レチクル」又は「マスク」という用語はすべて、より一般的な「パターニングデバイス」という用語と同義であると考えるとよい。
[0053] 本明細書において使用される「投影システム」という用語は、使われている露光放射にとって、あるいは液浸液の使用又は真空の使用といった他の要因にとって適切な、屈折型、反射型、及び反射屈折型光学システムを含むあらゆる型の投影システムを包含していると広く解釈されるべきである。本明細書において使用される「投影レンズ」という用語はすべて、より一般的な「投影システム」という用語と同義であると考えるとよい。
[0054] 照明システムとしては、放射ビームを誘導し、整形し、又は制御するために、屈折型、反射型、及び反射屈折型の光コンポーネントを含むさまざまなタイプの光コンポーネントを含むことができる。以下そのようなコンポーネントを総称して又は単独で「レンズ」と呼ぶこともできる。
[0055] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のサポート構造)を有する型のものであってもよい。そのような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルは並行して使うことができ、又は予備工程を1つ以上のテーブル上で実行しつつ、別の1つ以上のテーブルを露光用に使うこともできる。
[0056] また、リソグラフィ装置は、投影システムの最終要素と基板との間の空間を満たすように、基板を比較的高屈折率を有する液体(例えば水)内に沈めるタイプのものであってもよい。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させることで当技術分野において周知である。
[0057] 図1は、リソグラフィ装置のある実施形態を概略的に示している。このリソグラフィ装置は、
‐放射ビームPB(例えば、UV放射又はEUV放射)を調整する照明システム(イルミネータ)ILと、
‐パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持し、かつパターニングデバイスをアイテムPLに対して正確に位置決めする第1位置決めデバイスPMに連結されたサポート構造(例えば、サポート構造)MTと、
‐基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持し、かつ基板をアイテムPLに対して正確に位置決めする第2位置決めデバイスPWに連結された基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTと、
‐パターニングデバイスMAによって放射ビームPBに付けられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上に結像するように構成された投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PLとを備える。
[0058] 本明細書に示されているとおり、リソグラフィ装置は、透過型のもの(例えば、透過型マスクを採用しているもの)である。また、リソグラフィ装置は、反射型のもの(例えば、上述のプログラマブルミラーアレイを採用しているもの)であってもよい。リソグラフィ装置は、透過型及び反射型の両方の光学素子を含んでもよい。
[0059] 照明システムILは、放射源SOから放射ビームを受ける。例えば、放射源がエキシマレーザである場合、放射源とリソグラフィ装置は、別個の構成要素であってもよい。そのような場合には、放射源は、リソグラフィ装置の一部を形成しているとはみなされず、また放射ビームは、放射源SOから照明システムILへ、例えば、適切な誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムBDを使って送られる。その他の場合においては、例えば、放射源が水銀ランプである場合、放射源は、リソグラフィ装置の一体部分とすることもできる。
[0060] 照明システムILは、(例えば、異なる照明モードを形成するために)ビームの角強度分布を調節する調節手段AMを含むことができる。一般に、照明システムの瞳面内の強度分布の少なくとも外側及び/又は内側半径範囲(通常、それぞれσ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。さらに、照明システムILは、通常、インテグレータIN及びコンデンサCOといったさまざまな他のコンポーネントを含むことができる。照明システムは、放射ビームの断面に所望の均一性及び強度分布を有する、調整された放射ビームPBを提供する。
[0061] 放射ビームPBは、サポート構造MTによって保持されているパターニングデバイス(例えば、マスク)MA上に入射する。パターニングデバイスMAを通り抜けた後、ビームPBは投影システムPLを通過し、投影システムPLは、基板Wのターゲット部分C上にビームの焦点をあわせる。第2位置決めデバイスPW及び位置センサIF(例えば、干渉計デバイス)を使って、例えば、さまざまなターゲット部分CをビームPBの経路内に位置決めするように、基板テーブルWTを正確に動かすことができる。同様に、第1位置決めデバイスPM及び別の位置センサ(図1には明示的に示されていない)を使い、例えば、マスクライブラリから機械的に取り出した後又はスキャン中に、パターニングデバイスMAをビームPBの経路に対して正確に位置決めすることもできる。通常、オブジェクトテーブルMT及びWTの移動は、位置決めデバイスPM及びPWの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)を使って達成することができる。しかしながら、ステッパの場合は(スキャナとは対照的に)、サポート構造MTは、ショートストロークアクチュエータのみに連結されてもよく、又は固定されてもよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1及びM2と、基板アライメントマークP1及びP2とを使って、位置合わせされてもよい。
[0062] 例示の装置は、以下の好ましいモードで使用できる。
1.ステップモードにおいては、サポート構造MT及び基板テーブルWTを基本的に静止状態に保ちつつ、ビームPBに付けられたパターン全体を一度にターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一静的露光)。その後、基板テーブルWTは、X及び/又はY方向に移動され、それによって別のターゲット部分Cを露光することができる。ステップモードにおいては、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光時に結像されるターゲット部分Cのサイズが限定される。
2.スキャンモードにおいては、サポート構造MT及び基板テーブルWTを同期的にスキャンする一方で、ビームPBに付けられたパターンをターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一動的露光)。サポート構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPLの(縮小)拡大率及び像反転特性によって決めることができる。スキャンモードにおいては、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光時のターゲット部分の幅(非スキャン方向)が限定される一方、スキャン動作の長さによって、ターゲット部分の高さ(スキャン方向)が決まる。
3.別のモードにおいては、プログラマブルパターニングデバイスを保持した状態で、サポート構造MTを基本的に静止状態に保ち、また基板テーブルWTを動かす、又はスキャンする一方で、ビームPBに付けられているパターンをターゲット部分C上に投影する。このモードにおいては、通常、パルス放射源が採用されており、さらにプログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTの移動後ごとに、又はスキャン中の連続する放射パルスと放射パルスとの間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、前述の型のプログラマブルミラーアレイといったプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
[0063] 上述の使用モードの組合せ及び/又はバリエーション、あるいは完全に異なる使用モードもまた採用可能である。
[0064] 図2は、照明システムILのある実施形態の一部の概略図である。示されている部分は、図1に示す調節手段AMに対応し得る。照明システムILは、放射源SO(図2に示さず)から放射ビームB(例えば、UV放射ビーム又はEUV放射ビーム)を受ける。例えば、放射ビームBは、図1に示すようにビームデリバリシステムによって照明システムILに送られてよい。任意選択として、放射ビームBは、ビーム発散光学系1を通り抜ける。ビーム発散光学系1は、放射ビームBの断面を拡大させるのに役立つ。放射ビームBの断面は、例えば、放射ビームBが入射する1つ以上の後続の光学素子のサイズと一致するように拡大されてよい。
[0065] 図2に示す構成では、放射ビームBは、ビーム発散光学系1からレンズアレイ2へと進む。図2に示すレンズアレイ2は8つのレンズ2a〜2hを含むが、実際には、レンズアレイ2は、図2に示すものより多くのレンズを含んでもよい。レンズアレイ2は二次元グリッドに配置されてよい。例えば、レンズアレイ2は、32×32グリッドレンズに配置された1024レンズ又は64×64グリッドレンズに配置された4096レンズを含んでよい。通常、レンズアレイは、あらゆる適切な数のレンズを含んでよい。レンズアレイ2を構成する各レンズ2a〜2hは、放射ビームBの一部を受けてその一部を放射のそれぞれのサブビーム4a〜4hに焦点を合わせるように構成される。したがって、レンズアレイ2は、放射ビームBの焦点を複数のサブビーム4に合わせる。
[0066] 放射の複数のサブビーム4は、ミラーアレイ6に入射する。ミラーアレイ6は、反射要素6a〜6hのアレイを含む。レンズアレイ2の各レンズ2a〜2hは、サブビーム4a〜4hの焦点をミラーアレイ6の単一の反射要素6a〜6h上に合わせるように構成される。したがって、各反射要素6a〜6hは、単一のサブビーム4a〜4hを受ける。
[0067] 任意選択として、フィルタ要素3が、レンズアレイ2とミラーアレイ6との間に位置決めされる。フィルタ要素3は、サブビーム4a〜4hがフィルタ要素3を通過できるように配置された開口5a〜5hのアレイを含んでよい。フィルタ要素3は、1つ以上のサブビーム4a〜4hがミラーアレイ6に入射することを防ぐために開口5a〜5hのうちの1つ以上を塞ぐように動作可能であってよい。例えば、反射要素6a〜6hに欠陥がある場合、欠陥のある反射要素6a〜6hに対応する開口5a〜5hは、欠陥のある反射要素6a〜6hにサブビーム4a〜4hが入射することを防ぐために塞がれてもよい。
[0068] あるいは、フィルタ要素3は、サブビーム4a〜4hを透過させるように構成された透明材料を含んでもよい。透明材料の1つ以上の領域は、1つ以上のサブビーム4a〜4hがフィルタ要素3を通って伝搬することを防ぐために塞がれてもよい(例えば、対応する反射要素6a〜6hに欠陥がある場合)。フィルタ要素3は、例えば、ガラスプレートを含んでよい。ガラスプレートのある領域は、1つ以上のサブビーム4a〜4hがプレートを透過することを防ぐために塞がれてもよい。例えば、プレートのある領域は、放射がプレートを通って伝搬することを阻止するのに役立つクロムでコーティングされてもよい。
[0069] 加えて又は代替的に、フィルタ要素3は、ミラーアレイ上の1つ以上のサブビーム4a〜4hの強度を減少させるために1つ以上のサブビーム4a〜4hを減衰させるように動作可能であってよい。
[0070] 反射要素6a〜6hは、照明ビーム8を形成するためにサブビーム4a〜4hを反射させるように構成される。ミラーアレイ6の反射要素6a〜6hは個別に移動可能であってよく、それによって、各反射要素6a〜6hの向きを制御して各サブビーム4a〜4hが反射する方向を制御する。各サブビーム4a〜4hが反射する方向を制御することにより、ミラーアレイ6の下流の位置に所望の断面強度分布を有する照明ビーム8を形成することができる。
[0071] 本明細書中に使用される照明ビームという用語は、ミラーアレイ6から反射する放射のことを指す。ミラーアレイ6の近くの領域では、照明ビーム8は、初めに互いに離れているサブビーム4a〜4hを含むと理解されるが、ミラーアレイ6の下流の位置において、サブビーム4a〜4hが互い重なり合って単一の放射ビームを形成する(例えば、フィールド面において)ように反射要素6a〜6hを方向付けることができる。
[0072] 向きを個別に制御することができる反射要素6a〜6hを設けることにより、反射要素6a〜6h間にギャップをもたらす結果となり得る。レンズアレイ2は、各サブビーム4a〜4hの断面がサブビームが入射する反射要素6a〜6hの断面とほぼ一致するか又はそれより小さくなるように、サブビーム4a〜4hを合焦させるように構成されてよい。これは、反射要素6a〜6h間のギャップにあまり放射が入射しないか又は全く入射しないこと確実にすることによって、ミラーアレイ6で生じ得るあらゆる放射の損失を減少させることができる。
[0073] 照明ビーム8は、照明ビームを第1部12と第2部14に分割するように構成されたビーム分割デバイス10に入射する。図2に示す実施形態では、ビーム分割デバイス10は、照明ビーム8の第1部12を反射して第2部14を透過させる部分反射ミラーを含む。部分反射ミラーは、照明ビームの約1%を透過させ、照明ビームの約99%を反射させることができる。別の実施形態では、第1部12は、ビーム分割デバイス10を形成する部分反射ミラーによって透過され、第2部14は、部分反射ミラーによって反射されてもよい。通常、ビーム分割デバイス10は、照明ビームを第1部及び第2部に分割するあらゆる光学素子又は光学素子の組み合わせを含むことができる。
[0074] 照明ビーム8の第1部12は、その後パターニングデバイスMA(図2に示さず)に入射するように誘導される。照明システムILは、照明ビーム8がパターニングデバイスMAに入射する前に照明ビーム8の第1部12を調整する1つ以上の光学素子を含んでよい。例えば、図2に示すように、照明ビーム8の焦点を合焦要素16によって合わすことができる。合焦要素16は、照明システムILの第1部12の焦点を合わし、それによって照明ビーム8が照明システムILの平面18内に所望の断面積を有する。平面18を照明システムILの瞳面と呼ぶこともできる。瞳面18における照明ビーム8の第1部12は、図2に示していない照明システムILの他の部分のための仮想の放射源として機能することができる。例えば、瞳面18における照明ビーム8の第1部12は、図1に示すインテグレータIN及び/又はコンデンサCOのための仮想の放射源として機能することができる。
[0075] ミラーアレイ6の反射要素6a〜6hは、各サブビーム4a〜4hが瞳面18内の所望の位置に入射するように誘導されるように方向付けされてよい。瞳面18内のサブビーム4a〜4hの位置は、瞳面18における照明ビーム8の第1部12が所望の空間強度分布を有するように制御されてよい。瞳面18における照明ビームの空間強度分布を照明モードと呼ぶこともできる。
[0076] 瞳面18における照明ビームの空間強度分布は、放射ビームがパターニングデバイスMAに入射する前に角強度分布に変換されてもよい。言い換えると、照明システムILの瞳面18とパターニングデバイスMA(パターニングデバイスはフィールド面にある)との間にフーリエ関係がある。なぜなら、瞳面18は、放射ビームの焦点をパターニングデバイスMAに合わせるコンデンサCOの前焦点面と実質的に一致するからである。
[0077] 瞳面18における空間強度分布の制御を用いて、パターニングデバイスMAのイメージを基板W上に投影するときの精度を高めることができる。特に、ダイポール、輪帯又は四極照明モードを有する空間強度分布を用いて、パターンが投影される解像度を高めるか又は投影レンズ収差に対する感度、露出寛容度及び焦点深度などの他のパラメータを改善することができる。
[0078] 瞳面18に所望の空間強度分布をもたらすために、反射要素6a〜6hによって反射される各サブビーム4a〜4hの強度を知っていることが望ましい。各サブビーム4a〜4hの強度が既知であった場合、各反射要素6a〜6hを方向付けてサブビーム4a〜4hを瞳面18内の位置に誘導し、それによって、瞳面18に所望の空間強度分布をもたらすことができる。例えば、比較的高い強度の放射が瞳面18内の所与の位置に望まれた場合、比較的高い強度を有するサブビーム4a〜4hを反射させる反射要素を、高い強度が望まれる瞳面18内の位置にサブビームを誘導するように方向付けることができる。加えて又は代替的に、複数の反射要素6a〜6hを方向付けてそれぞれのサブビーム4a〜4hを瞳面内の同じ位置に誘導し、それによって、1つ以上のサブビーム4a〜4hが瞳面18で重なることができる。通常、反射要素から反射される各サブビーム4a〜4hの強度が既知であった場合、反射要素6a〜6hの向きを制御して瞳面18に任意の所望の照明モードをもたらすことができる。
[0079] 図3A及び図3Bは、瞳面18に形成され得る照明モードの2つの例の概略図である。図3Aに示す照明モードを輪帯照明モードと呼ぶこともできる。輪帯照明モードは、サブビーム4a〜4hが瞳面18で放射40のリング内に配置されるようにミラーアレイの反射要素6a〜6hを方向付けることによって形成される。説明しやすくするために、図3Aには8つのサブビーム4a〜4hのみを示しているが、当然ながら、実際には、それより多くのサブビームが図3Aに示す輪帯照明モードを形成する放射40のリングを形成してもよい。
[0080] 図3Bに示す照明モードをダイポール照明モードと呼ぶこともできる。ダイポール照明モードは、サブビーム4a〜4hが瞳面18における放射の2つの領域42a,42b内に配置されるようにミラーアレイの反射要素6a〜6hを方向付けることによって形成される。説明しやすくするために、図3Bには8つのサブビーム4a〜4hのみを示しているが、当然ながら、実際には、それより多くのサブビームが図3Bに示すダイポール照明モードを形成する放射の2つの領域42a,42bを形成してもよい。
[0081] ミラーアレイ6の反射要素6a〜6hは、図3A及び図3Bに示すモードとは別の照明モードを形成するように方向付けられてもよい。例えば、反射要素6a〜6hは、4つの放射領域を含む四極照明モードを形成するように方向付けられてもよい。
[0082] アクチュエータは、反射要素6a〜6hの所望の向きをもたらすために反射要素6a〜6hの向きを変更するように構成されてよい。例えば、アクチュエータは、瞳面18に所望の照明モードをもたらすために反射要素6a〜6hを方向付けるように動作可能であってもよい。
[0083] 上記したように、ミラーアレイ6の反射要素6a〜6hの向きは、ミラーアレイ6から反射したサブビーム4a〜4hの強度と瞳面18における照明ビーム8の空間強度分布との間のマッピングを提供する。通常、反射要素6a〜6hから反射されるサブビーム4a〜4hの強度が既知であった場合、瞳面18に任意の所望の照明モードを形成するようにミラーアレイ6の反射要素6a〜6hを方向付けることができる。ミラーアレイ6から反射した各サブビーム4a〜4hの強度は、放射源SOから受ける放射ビームBの空間強度分布、レンズアレイ2におけるサブビーム4a〜4hの合焦及びミラーアレイ6の各反射要素6a〜6hの反射率に依存することが理解されるであろう。ミラーアレイ6から反射した各サブビーム4a〜4hの強度は、ミラーアレイ6から反射する前に放射が通過する他のあらゆる光学素子(例えば、ビーム発散光学系1)にも依存し得る。
[0084] サブビーム4a〜4hの強度に影響を与える1つ以上の要因は、時間とともに変化し得る。例えば、放射ビームBの空間強度分布は、時間とともに変化し得る。特に、放射ビームBの空間強度分布は、放射源SOの動作モードの変更によって変化し得る。ある実施形態では、放射源SOはレーザ(例えば、エキシマレーザ)を含む。レーザの動作パラメータ(例えば、繰り返し周波数、デューティサイクル、パルスエネルギー、帯域幅)が一定のままである間、放射源SOから受ける放射ビームBの空間強度分布は比較的一定であり得るが、レーザの1つ以上の動作パラメータが変化した場合、放射ビームBの空間強度分布は変化し、ミラーアレイ6から反射したサブビーム4a〜4hの強度の変化という結果をもたらし得る。
[0085] 加えて又は代替的に、ミラーアレイ6から反射するサブビーム4a〜4hの強度の変化は、ミラーアレイ6の1つ以上の反射要素6a〜6hの反射率の変化から生じ得る。例えば、1つ以上の反射要素6a〜6hの反射率は時間とともに低下し、それによって、1つ以上の反射要素6a〜6hから反射するサブビーム4a〜4hの強度を減少させ得る。
[0086] 加えて又は代替的に、ミラーアレイ6から反射するサブビーム4a〜4hの強度の変化は、放射ビームB又はサブビーム4a〜4hが相互作用する他のあらゆる光学素子(例えば、ビームデリバリシステムBD、ビーム発散光学系1、レンズアレイ2及び/又はフィルタ要素3)の変化から生じ得る。
[0087] サブビーム4a〜4bの強度は、照明ビーム8の第二部14を測定することによって決定することができる。図2に示す構成では、照明ビーム8の第2部14は、ビーム分割デバイス10で透過され、ビーム分割デバイス10の後ろに位置決めされた検出システム20に入射する。検出システム20は、合焦ユニット22及び検出器要素アレイ24を含む。合焦ユニット22は、照明ビーム8の第2部14の焦点を検出器要素アレイ24に合わせて複数のサブビーム4のイメージを検出器要素アレイ24に形成するように構成される。合焦ユニット22は、例えば、1つ以上のレンズを含んでよい。検出器要素アレイ24は、個別の検出器要素25を含み、この検出器要素25は、その上に入射する放射の強度を測定するように動作可能である。検出器要素25は、例えば、電荷結合素子(CCD)又はCMOSセンサを含んでよい。
[0088] 検出器要素アレイ24に形成されたイメージは、ビーム分割デバイス10の上流に位置する平面における複数のサブビーム4のイメージである。検出器要素アレイ24で結像される平面は、合焦ユニット22の焦点距離並びに合焦ユニット及び検出器要素アレイ24の位置決めに依存する。
[0089] ある実施形態では、合焦ユニット22は、ミラーアレイ6の上流に位置する平面を検出器要素アレイ24上に結像するように構成される。ミラーアレイ6の上流に位置する平面(例えば、レンズアレイ2とミラーアレイ6との間に位置する平面)の結像は、ミラーアレイ6の後ろに位置する平面における照明ビーム8の虚像の形成と同等である。例えば、合焦ユニット22によって検出器要素アレイ24上に結像され得る第1平面31を図2に示している。第1平面31の結像は、図2に示すように、照明ビーム8の各サブビーム4a〜4hをミラーアレイ6の後ろの位置までトレースしてミラーアレイ6の後ろに位置する第1仮想平面31’に虚像を形成することと同等である。第1仮想平面31’のミラーアレイ6からの距離は、第1平面31と同等である。
[0090] 図2に示す実施形態では、検出器要素アレイ24及び合焦ユニット22は、実質的に互いに平行に方向付けられる。合焦ユニット22及び検出器要素アレイ24の平行の向きとは、検出器要素アレイ24上に結像される平面も合焦ユニット22及び検出器要素アレイ24と平行であることを意味する。図2の実施形態では、ミラーアレイ6は、合焦ユニット22及び検出器要素アレイ24と実質的に平行であるように方向付けられてもよい。したがって、検出器要素アレイ上に結像される第1平面31は、ミラーアレイ6、合焦ユニット22及び検出器要素アレイ24と実質的に平行に方向付けられる。
[0091] 図4Aは、合焦ユニット22がレンズアレイ2とミラーアレイ6との間にある第1平面31を検出器要素アレイ24上に結像するように構成された場合において、検出器要素アレイ24に形成されるイメージの概略図である。図4Aに示すイメージは複数のイメージサブビーム4a’〜4h’を含む。各イメージサブビーム4a’〜4h’は、複数のレンズ2によって形成されるそれぞれのサブビーム4a〜4hに対応する。
[0092] 図2から分かるように、第1虚像31’、したがって、検出器要素アレイ24に形成される対応するイメージは、反射要素6a〜6hの向きに依存する。図2に示す構成では、全ての反射要素6a〜6hが同じ角度を向いているわけではなく、したがって、サブビーム4a〜4hは、ミラーアレイ6で異なる方向に反射する。異なる方向のサブビーム4a〜4hの反射は、一部のサブビーム4a〜4hをミラーアレイ6からの反射後に互いに向かって移動させ、また、一部のサブビーム4a〜4hをミラーアレイ6からの反射後に互いから離れるように移動させる。上述したように、検出器要素アレイ24上への第1平面31の結像は、サブビーム4a〜4hをミラーアレイ6の後ろの第1仮想平面31’までトレースバックすることと同等である。反射要素の向きは、第1仮想平面31’におけるトレースバックしたサブビーム4a〜4hの位置に影響を及ぼし、したがって、検出器要素アレイ24に形成されるイメージ内のイメージサブビーム4a’〜4h’の相対位置に影響を及ぼす。
[0093] 図4Aから分かるように、イメージサブビーム4a’〜4h’は、検出器要素アレイ24に形成されるイメージ内で等間隔に配置されない。しかしながら、イメージサブビーム4a’〜4h’は、ミラーアレイに入射するサブビーム4a〜4hと同じ順序であり、互いに重ならないように離されている。したがって、各イメージサブビーム4a’〜4h’は、ミラーアレイ6に入射する特定のサブビーム4a〜4hから発生するものとして容易に特定することができる。したがって、各イメージサブビーム4a’〜4h’の強度は、検出器要素アレイ24によって個別に測定され、ミラーアレイ6から反射する各サブビーム4a〜4hの強度を決定するために使用することができる。
[0094] 検出器要素アレイ24上のイメージサブビーム4a’〜4h’間の離隔距離は、検出器要素アレイ24上に結像される平面のミラーアレイ6からの距離及びミラーアレイの反射要素6a〜6hの向きに依存する。上述したように、検出器要素アレイ24上に結像される第1平面31は、サブビーム4a〜4hが互いから離れて重ならない程度でミラーアレイ6に十分に近い。これにより、イメージサブビーム4a’〜4h‘の強度を検出器要素アレイ24で個別に測定することができ、それによってミラーアレイ6から反射するサブビーム4a〜4hの強度を個別に決定することができる。
[0095] 図4Bは、合焦ユニット22が第2平面32を検出器要素アレイ24上に結像するように構成された場合において、検出器要素アレイ24に形成されるイメージの概略図である。第2平面32は、ミラーアレイ6の上流にあり、かつミラーアレイ6からの距離が第1平面31より大きい場所にある。検出器要素アレイ24上への第2平面32の結像は、図2に示すように、照明ビーム8の各サブビーム4a〜4hをトレースバックしてミラーアレイ6の後ろに位置する第2仮想平面32’に虚像を形成することと同等である。第2仮想平面32’のミラーアレイ6からの距離は、第2平面31と同等である。
[0096] 図2及び図4Bに示すイメージから分かるように、第2平面32は、いくつかのイメージサブビーム4a〜4hが第2虚像平面32’において、したがって、検出器要素アレイ24に形成される(及び図4Bに示す)イメージにおいて、互いに重なり合うほどミラーアレイ6から十分に遠い。例えば、イメージサブビーム4b’及び4d’が互いに重なり合い、イメージサブビーム4f’、4g’及び4h’が互いに重なり合う。いくつかのイメージサブビーム4a’〜4h’の順番も変わったことも図4Bに示すイメージから分かる。例えば、イメージサブビーム4b’及び4c’は、対応するサブビーム4a〜4hがミラーアレイ6に入射するときに配置される順番とは異なる順番で図4Bのイメージに示されている。
[0097] 検出器要素アレイ24におけるイメージサブビーム4a’〜4h’の重なりは、検出器要素アレイ24の一部の領域が1つより多いイメージサブビームから放射を受けることを意味する。1つより多いイメージサブビームから放射を受ける領域では、どのくらいの放射が重なり合うイメージサブビームの各々から発生するかを個別に決定することができない場合がある。したがって、全てのサブビーム4a’〜4h’の強度を個別に決定することができない。したがって、複数のサブビーム4のうちのサブビーム4a〜4hが重なり合わないところで平面を検出器要素アレイ24上に結像することが有利である。これにより、検出器要素アレイに形成されるイメージサブビーム4a’〜4h’の強度を検出器要素アレイ24で個別に測定し、それによってミラーアレイ6から反射するサブビーム4a〜4hの強度を個別に決定することを可能にする。
[0098] 全てのサブビーム4a〜4hは、ミラーアレイ6では互いから離れている。したがって、ミラーアレイ6に近いか又は実質的にミラーアレイ6にある平面を検出器要素アレイ24上に結像することは、イメージサブビーム4a’〜4h’が互いに重なり合わないイメージが形成され、それによってミラーアレイ6にから反射するサブビーム4a〜4hの強度を個別に決定できることを可能にする。検出器要素アレイに形成されるイメージにおいてイメージサブビーム4a’〜4h’が互いに重なり合う可能性は、ミラーアレイ6からの結像される平面の距離が増大することによって上がる。イメージサブビーム4a’〜4h’が重なり合う、結像される平面のミラーアレイ6からの距離は、反射要素6a〜6hの特定の向きに依存することが理解されるであろう。
[0099] いくつかの実施形態では、合焦ユニット22は、ミラーアレイ6の下流に位置する平面を検出器要素アレイ24上に結像するように構成される。例えば、ミラーアレイ6の下流に位置する図2に示す第3平面33が、検出器要素アレイ24上に結像されてもよい。上述したように、反射要素6a〜6hが互いに異なる角度に方向付けられた場合、全てのサブビーム4a〜4hがミラーアレイ6から反射後に同じ方向に伝搬するわけではない。これは、ミラーアレイ6の下流に位置する一部の平面では、1つ以上のサブビーム4a〜4hが互いに重なり合うことがあることを意味する。上述したように、イメージサブビーム4a’〜4h’がイメージ内で互いに重なり合わないように平面を検出器要素アレイ24上に結像することが望ましい。したがって、合焦ユニット22がミラーアレイ6の下流に位置する平面を検出器要素アレイ24上に結像するように構成された実施形態では、サブビーム4a〜4hが互いに重なり合わないところで平面を結像することが望ましい。サブビーム4a〜4hが互いに重なり合うミラーアレイ6の下流の距離は反射要素6a〜6hの向きに依存することが理解されよう。しかしながら、通常、ミラーアレイ6の下流の平面でサブビーム4a〜4hが互いに重なり合う可能性は、ミラーアレイ6からの平面の距離の増大によって上がる。
[00100] 通常、ミラーアレイ6の上流又は下流においてミラーアレイ6からあらゆる距離に位置する平面を、検出器要素アレイ24上に結像することができる。検出器要素アレイ24上に結像される平面の向きは、合焦ユニット22及び検出器要素アレイ24の向きに依存する。イメージサブビーム4a’〜4h’が重なり合わないイメージを形成するために、反射要素6a〜6hの所与の向きに対して、検出器要素アレイ24上に結像され得る平面には限られた範囲があり得る。例えば、第1平面31と第3平面33との間に位置する平面を検出器要素アレイ24上に結像することは、イメージサブビーム4a’〜4h’が重なり合わないイメージが形成されるという結果となり得る。しかし、第1平面31よりさらに上流又は第3平面33よりさらに下流に位置する平面を検出器要素アレイ24上に結像することは、イメージサブビーム4a’〜4h’が互いに重なり合うイメージが形成されるという結果となり得る。
[00101] 分かりやすくするために、イメージサブビーム4a’〜4h’が互いに重なり合わないイメージを形成するために検出器要素アレイ24上に結像され得る平面の範囲を、本明細書において非重なり平面の範囲と呼ぶ。
[00102] 非重なり平面の範囲は、反射要素6a〜6hの向きに依存する。非重なり平面の範囲が第1平面31と第3平面33との間に延びる反射要素の向きについては上述されたが、反射要素6a〜6hの他の構成に対しては、非重なり平面の範囲は異なってもよい。例えば、反射要素6a〜6hの別の構成に対しては、非重なり平面の範囲は、第2平面32と第4平面34(図2に示す)との間に延びてよい。
[00103] 通常、非重なり平面の範囲は、ミラーアレイ6を中心に置いてよい。つまり、イメージサブビーム4a’〜4h’が重なり合わないように結像され得るミラーアレイ6の下流にある最遠平面までのミラーアレイ6からの距離は、イメージサブビーム4a’〜4h’が重なり合わないように結像され得るミラーアレイ6の上流にある最遠平面までのミラーアレイ6からの距離と実質的に同じであってよい。
[00104] ミラーアレイ6の上流又は下流に位置する平面は、照明システムIL及びリソグラフィ装置LAの通常動作中に検出器要素アレイ24上に結像されてよい。これによって、照明システムIL及びリソグラフィ装置LAの通常動作中にイメージサブビーム4a’〜4h’の強度が測定されてサブビーム4a〜4hの強度を決定することを可能にする。これは、その他の場合にサブビーム4a〜4hの強度の決定を必要とし得るリソグラフィ装置LAのあらゆるダウンタイムを好都合に減少させる。
[00105] 照明システムIL及びリソグラフィ装置LAの通常使用時、反射要素6a〜6hの向きは、瞳面18における所望の照明モードに依存する。反射要素6a〜6hが所望の照明モードを形成するように方向付けられた期間を照明期間と呼ぶことができる。一部の照明モードに対しては、反射要素6a〜6hの向きは、非重なり平面の範囲が比較的限られているようになっていてよい。つまり、ミラーアレイ6に比較的近い(ミラーアレイ6の上流又は下流の)平面のみが検出器要素アレイ24上に結像されてイメージサブビーム4a’〜4h’が重なり合わないイメージを形成することができる。
[00106] 非重なり平面の範囲は、各サブビーム4a〜4hが実質的に同じ方向に反射して伝搬するように反射要素6a〜6hを方向付けることによって拡大させることができる。図5は、図2に示す照明システムILの一部の概略図であるが、反射要素6a〜6hは、互いに実質的に同じ角度に方向付けられる。したがって、ミラーアレイ6から反射するサブビームは、互いに対して実質的に平行に伝搬して互いに重なり合わない。したがって、非重なり平面の範囲は拡大され、それによって、ミラーアレイ6の上流又は下流のあらゆる距離に位置するとともにビーム分割デバイス10の上流に位置する平面が検出器要素アレイ24上に結像されてイメージサブビーム4a’〜4h’が互いに重なり合わないイメージを形成することができる。
[00107] 図5に示すように、反射要素6a〜6hは、従来の照明モード(従来の照明モードはディスク状であってよい)が瞳面18で必要となるときに非重なり平面の範囲を拡大させるように方向付けられてよい。例えば、リソグラフィ装置LAは、一連の基板を連続して露光させてよい。基板Wの露光後、基板Wは基板テーブルWTからアンロードされ、新しい基板Wが露光のために基板テーブルW上にロードされてよい。基板テーブルWTから基板Wをロード及びアンロードするプロセスの中、基板露光のために使用される照明モードは、露光されている基板がないため瞳面18で必要とならないことがある。したがって、図5に示すように、反射要素6a〜6hは、非重なり平面の範囲が拡大されるように(例えば、従来の照明モードを形成するために)方向付けられてよい。そのようなとき、非重なり平面の拡大範囲内のあらゆる平面が検出器アレイ24上に結像されてよく、サブビーム4a〜4hの強度を決定してもよい。例えば、サブビーム4a〜4hの決定された強度を用いて反射要素6a〜6hの所望の向きを決定することができ、それによって瞳面18に所望の照明モードをもたらす。その後反射要素を(例えば、アクチュエータを用いて)再配置して、後続の基板Wの露光に備えて反射要素6a〜6hの所望の向きをもたらす。
[00108] 1つ以上の基板Wの露光間に1つ以上の較正又は制御プロセスを行うことができる。例えば、リソグラフィ装置の1つ以上の構成部品は、基板露光間にチェック及び/又は較正されてよい。較正プロセスは、1つ以上のセンサが放射源SOからの放射にさらされることを必要とし得る。1つ以上のセンサがさらされる較正プロセス中、瞳面16に形成される照明モードは、行われている較正プロセスにとっては重要でないことがある。したがって、反射要素6a〜6hは、そのような較正プロセス中に非重なり平面の範囲を拡大させるように方向付けられてよい(例えば、図5に示す従来の照明モードを形成するために反射要素6a〜6hを方向付けることによって)。したがって、プロセス中に非重なり平面の範囲が拡大され得る較正プロセスは、検出器要素アレイ24上に形成されるイメージサブビーム4a’〜4h’が互いに重なり合わないように、ミラーアレイ6から比較的遠い距離(ミラーアレイ6の上流又は下流)に位置する平面が検出器要素アレイ24上に結像され得る機会を与えることができる。
[00109] 基板露光間に行われ得る較正プロセスは、干渉計を放射源SOからの放射ビームにさらすことを含んでよい。干渉計は、例えば、放射源SOと干渉計との間の光路内の光学素子の歪みによって引き起こされ得る放射ビームにおける収差を検出するように構成されてよい。干渉計がさらされている間、反射要素6a〜6hは、干渉計で放射ビームにおける収差を検出するのに適した照明モードを形成するように方向付けられてよい。収差を検出するのに適した照明モードを形成する反射要素6a〜6hの向きは、サブビーム4a〜4hが互いに対して実質的に平行に伝搬するように反射要素6a〜6hが互いに対して実質的に同じ角度で方向付けられる図5に示す反射要素6a〜6hの向きとは異なってもよい。しかし、収差センサがさらされている間の反射要素6a〜6hの向きは、非重なり平面の範囲が拡大されるようになっていることがある(例えば、基板露光中の非重なり平面の範囲と比較して)。したがって、収差センサがさらされている間の時間は、検出器要素アレイ24上に形成されるイメージサブビーム4a’〜4h’が互いに重なり合わないようにミラーアレイ6から比較的遠い距離(ミラーアレイ6の上流又は下流)に位置する平面が検出器要素アレイ24上に結像され得る機会を与えることができる。
[00110] 上述したように、反射要素6a〜6hは、時々、非重なり平面の範囲を拡大させるように方向付けられてよい。これは多数の理由によって好都合であり、その理由について以下に説明する。
[00111] サブビーム4a〜4hの断面は、ミラーアレイ6の上流及び下流の様々な平面で変化してよい。例えば、一実施形態では、サブビーム4a〜4hの焦点をレンズアレイ2によって合わせることにより、サブビーム4a〜4hの断面をレンズアレイから引き離してミラーアレイ6に近づけることができる。その後サブビームの断面は、ミラーアレイによって反射された後に増大し、ミラーアレイ6の下流の距離の増大とともに増大し得る。他の実施形態では、サブビーム4a〜4hは異なるように合焦されてサブビーム4a〜4hの断面はミラーアレイ6で最小でないこともある。通常、レンズアレイ2は、サブビーム4a〜4hの断面をミラーアレイ6の上流及び下流の様々な平面で変化させる。
[00112] したがって、検出器要素アレイ24に入射するイメージサブビーム4a’〜4h’の各々のサイズは、合焦ユニット22によって検出器要素アレイ24上に結像される平面に少なくとも部分的に依存する。例えば、第1平面31が検出器要素アレイ24上に結像された場合の検出器要素アレイ24上のイメージサブビーム4a’〜4h’のサイズは、第2平面32が検出器要素アレイ上に結像された場合とは異なる。第1平面31がミラーアレイ6に近い一方、第2平面32はミラーアレイ6から離れてレンズアレイ2に近い。したがって、検出器要素アレイ24上に結像される平面は、所望のサイズを有するイメージサブビーム4a’〜4h’を検出器要素アレイ24上にもたらすために選択することができる。
[00113] 検出器要素アレイ24上のイメージサブビームのサイズは、合焦ユニット22の結像特性及び合焦ユニット22と検出器要素アレイ24との間の距離に依存し得る。したがって、合焦ユニットの合焦特性及び/又は合焦ユニット及び検出器要素アレイ24の位置決めを制御して、検出器要素アレイ24上のイメージサブビーム4a’〜4h’のサイズを制御することができる。例えば、アクチュエータは、合焦ユニット及び/又は検出器要素アレイ2を移動させるように構成されてもよい。アクチュエータを制御して検出器要素アレイ24上のイメージサブビーム4a’〜4h’のサイズを制御することができるが、ミラーアレイ6の上流及び下流の様々な平面におけるサブビーム4a〜4hの変化するサイズは、追加の自由度を提供し、これを使って検出器要素アレイ24におけるイメージサブビーム4a’〜4h’のサイズを制御することができる。
[00114] 非重なり平面の拡大範囲が利用可能であった場合、検出器要素アレイ上に結像され得るより大きい範囲の平面が利用可能である。検出器要素アレイ24に入射するイメージサブビーム4a’〜4h’のサイズが、検出器要素アレイ24によって各イメージサブビーム4a’〜4h’の強度を個別に測定できることが確実になるように、検出器要素アレイ上に結像される平面を選択することができる。特に、合焦ユニット22を、照明ビーム8の第2部14の焦点を検出器要素アレイ24上に合わせるように構成して、各検出器要素が複数のサブビーム4のうちの1つに対応する放射のみを受けることもできる。これについては図6A及び図6Bを参照して以下にさらに説明する。図6A及び図6Bを参照して以下に説明する例では、サブビーム4a〜4hは、サブビーム4a〜4hの断面がミラーアレイ6上で最小となるようにレンズアレイ2によって合焦される。つまり、サブビーム4a〜4hの断面はミラーアレイ6に向かって減少し、ミラーアレイ6によって反射された後にミラーアレイ6から離れるようにして増加する。しかし、上記したように、他の実施形態では、サブビーム4a〜4hは異なるように合焦されてよく、サブビーム4a〜4hの断面はミラーアレイ6で最小でなくてもよい。
[00115] 図6Aは、検出器要素アレイ24の実施形態の概略図である。検出器要素アレイ24は、グリッド状パターンに配置された個別の検出器要素25を含む。検出器要素アレイ24に入射するイメージサブビーム4a’〜4h’も図6Aに示している。図6Aに示す例では、合焦ユニット22は、ミラーアレイ6から比較的離れている第2平面32を検出器要素アレイ24上に結像するように構成される。第2平面32がミラーアレイ6から比較的遠い(及びサブビーム4a〜4hの断面がミラーアレイ6に向かって減少する)ため、イメージサブビーム4a’〜4h’は、検出器要素アレイ24上で比較的大きい断面を有する。これによっていくつかの検出器要素25は1つより多いイメージサブビーム4a’〜4h’から放射を受ける。例えば、図6Aに25’と示す検出器要素は、イメージサブビーム4f’から一部の放射を、かつイメージサブビーム4g’から一部の放射を受ける。この場合、イメージサブビーム4f’の強度及びイメージサブビーム4g’の強度を個別に決定することができない場合がある。なぜなら、検出器要素25’によって測定される強度のあらゆる変化は、イメージサブビーム4f’の強度の変化又はイメージサブビーム4g’の強度の変化によることがあるからである。
[00116] 図6Bは、図6Aに示す検出器要素アレイ24と同じ実施形態の概略図であるが、図6Bに示す例では、合焦ユニット22は、第1平面31を検出器要素アレイ24上に結像するように構成される。図2から分かるように、第1平面31は、ミラーアレイ6により近いとともに第2平面32と比べてレンズアレイ2からより離れている。したがって、第1平面31が検出器要素アレイ24上に結像された場合の図6Bのイメージサブビーム4a’〜4h’のサイズは、第2平面32が検出器要素アレイ24上に結像された場合の図6Aのイメージサブビーム4a’〜4h’のサイズより小さい。図6Bの検出器要素アレイ24上のイメージサブビーム4a’〜4h’のより小さいサイズは、各検出器要素25が単一のイメージサブビーム4a’〜4h’からのみ放射を受けるという結果をもたらす。特に、図6Aの2つのイメージサブビーム4f’及び4g’から放射を受ける検出器要素25’は、図6Bの単一のイメージサブビーム4g’からのみ放射を受ける。これにより、各イメージサブビーム4a’〜4h’の強度を個別に決定することができる。なぜなら、各検出器要素25によって測定される強度は、単一のイメージサブビームにのみ対応するからである。
[00117] 他の実施形態では、第1平面31及び第2平面32が検出器要素アレイ24上に結合された場合のイメージサブビーム4a’〜4h’のサイズは、図6A及び図6Bに示すものとは異なることもあるが、検出器要素アレイ上に結像される平面を、各検出器要素25が単一のイメージサブビーム4a’〜4h’からのみ放射を受けるように選択することができ、それによって各イメージサブビーム4a’〜4h’の強度を個別に決定できる。
[00118] 上述したように、照明システムIL及びリソグラフィ装置LAが基板Wを露光させるように動作している場合、反射要素6a〜6hは、非重なり平面の範囲がミラーアレイ6の周りの小さい範囲に限定されるように方向付けられてもよい。したがって、ミラーアレイ6に近くの平面は、比較的小さいイメージサブビーム4a’〜4h’が検出器要素アレイ24上に形成されるように検出器要素アレイ24上に結像されてよい。しかし、図4Aに示すように、反射要素6a〜6hが異なる角度に方向付けられた場合、イメージ内のイメージサブビーム4a’〜4h’の間隔は均一でない場合がある。これにより、イメージサブビーム4a’〜4h’間の離隔距離を減少され得るため、1つより多いイメージサブビーム4a’〜4h’が単一の検出器要素25に入射し得る。
[00119] 反射要素6a〜6hが非重なり平面の範囲(例えば、露光間)を拡大させるように配置されている場合、サブビーム4a〜4h及びイメージサブビーム4a’〜4h’を、互いに間隔を空けて均一に配置させることができる。したがって、各検出器要素25が単一のイメージサブビーム4a〜4hからのみ放射を受けるように検出器要素アレイ24上にイメージを形成することがより容易となる。通常、非重なり平面の拡大範囲を提供することは、検出器要素アレイ24上に結像する平面の選択に対してより大きい柔軟性を提供し、それによって、イメージサブビーム4a’〜4h’は、検出器要素25のサイズ及び位置に対して検出器要素アレイ24上に所望のサイズ及び位置を有する。
[00120] 上記したように、検出器要素アレイ24上のイメージサブビーム4a’〜4h’の位置は、反射要素6a〜6hの向きに依存する。この反射要素6a〜6hの向きに対するイメージサブビーム4a’〜4h’の位置の依存性は、検出器要素アレイ24におけるイメージサブビーム4a’〜4h’を測定することによって反射要素6a〜6hの向きを決定できる。
[00121] ミラーアレイ6の反射要素6a〜6hの向きは、例えば、検出器要素アレイ上の各イメージサブビーム4a’〜4h’の位置を測定することによって決定することができる。加えて又は代替的に、反射要素6a〜6hの向きは、各イメージサブビーム4a’〜4h’の空間強度分布を測定することによって決定することができる。これは、各イメージサブビーム4a’〜4h’が複数の検出器要素25に入射するように検出器要素アレイ24内の検出器要素25の解像度が十分に大きい場合に可能となり得る。例えば、イメージサブビーム4a’〜4h’は、検出器要素アレイ24の4つの検出器要素25にわたって広がる。検出器要素25は、イメージサブビーム4a’〜4h’が2×2グリッドの検出器要素25にわたって広がるようなグリッド状構成に配置されてよい。あるいは、イメージサブビーム4a’〜4h’は、4つより多い検出器要素24にわたって広がってもよい。例えば、イメージサブビーム4a’〜4h’は、25個の検出器要素(例えば、5×5グリッドに配置された検出器要素)にわたって広がってもよい。
[00122] イメージサブビーム4a’〜4h’が複数の検出器要素25にわたって広がる実施形態において、イメージサブビーム4a’〜4h’が広がる各検出器要素25に入射する放射の強度の測定は、イメージサブビーム4a’〜4h’の空間強度分布の決定を可能にする。各イメージサブビーム4a’〜4h’の空間強度分布は、サブビーム4a〜4hを反射させるミラーアレイ6の反射要素6a〜6hに対するそれぞれのサブビーム4a〜4hの入射角及び反射角の関数であってよい。したがって、検出器要素アレイ24上の各イメージサブビーム4a’〜4h’の空間強度分布は、対応するサブビーム4a〜4hが反射する反射要素6a〜6hの向きの関数であってよい。特に、イメージサブビーム4a’〜4h’の強度分布の質量中心は、対応するサブビーム4a〜4hが反射する反射要素6a〜6hの向きの関数であってよい。強度分布の質量中心とは、質量の分布を有する本体の重力の中心に似ている強度分布の重心を意味する。したがって、各イメージサブビーム4a’〜4h’の空間強度分布の測定及び/又はイメージサブビーム4a’〜4h’の強度分布の質量中心の決定は、ミラーアレイ6の各反射要素6a〜6hの向きを決定するために使用することができる。
[00123] ミラーアレイ6と検出器要素アレイ24上に結像される平面との間の距離の増大は、反射要素6a〜6hの向きに対するイメージサブビーム4a’〜4h’の空間強度分布の依存性を増加し得る。したがって、反射要素6a〜6hの向きの所与の変化から生じるイメージサブビーム4a’〜4h’の空間強度分布の変化は、検出器要素アレイ24上に結像される平面がミラーアレイ6から離れる程大きいことがある。したがって、反射要素6a〜6hの向きを決定することができる精度は、ミラーアレイ6からの検出器要素アレイ24上に結像される平面の距離を増大させることによって高めることができる。
[00124] したがって、非重なり平面の範囲を拡大させるように反射要素6a〜6hを方向付ける場合に反射要素6a〜6hの向きを決定することは有利となり得る。例えば、1つ以上の基板Wの露光間では、反射要素6a〜6hの向きを、瞳面18に所望の照明モードをもたらす向きから(例えば、アクチュエータによって)変更することにより、サブビーム4a〜4hが実質的に同じ方向に伝搬することができることができる(図5に示すように)。これは、非重なり平面の範囲を拡大させ、ミラーアレイ6から比較的遠い距離に位置決めされた平面を検出器要素アレイ上に結像できるようにする。その後、検出器要素アレイ24に形成されるイメージを用いて反射要素6a〜6hの向きを決定することができる。反射要素6a〜6hの向きは、ミラーアレイ6の上流に位置する平面又はミラーアレイ6の下流に位置する平面を検出器要素アレイ上に結像することによって決定することができる。
[00125] 向きはアクチュエータによって制御されるため、反射要素6a〜6hの向きは通常既知であり得るが、反射要素6a〜6hの向きの変化の後、反射要素6a〜6hの実際の向きと反射要素6a〜6hの所望の向きとの間にオフセットが存在し得る。例えば、アクチュエータは、反射要素6a〜6hが同じ角度に方向付けられてサブビーム4a〜4hが同じ方向に伝搬するように、反射要素6a〜6hを方向付けるように制御することができる。しかし、実際には、1つ以上の反射要素がその所望の向きからずれている場合がある。反射要素の所望の向きからのあらゆるオフセットを、上述した反射要素6a〜6hの向きを測定することによって測定することができる。その後この測定値を用いて反射要素6a〜6hを制御するアクチュエータを較正し、アクチュエータによって制御する反射要素の向きの精度を高める。
[00126] 上述したように、イメージサブビーム4a’〜4h’の空間強度分布を測定することによって反射要素6a〜6hの向きを決定することは有利である。なぜなら、この決定は、反射要素6a〜6hの向きを決定する別の方法より速く行うことができるからである。反射要素6a〜6hの向きを決定する別の方法は、レーザビームによって各反射要素6a〜6hを連続的に照明すること及び各反射要素6a〜6hの向きを決定するためにレーザビームが反射する位置を測定することを含み得る。しかし、そのような方法は、各反射要素6a〜6hがレーザビームによって個別に照明されなければならないため、比較的時間がかかり得る。したがって、そのような方法は、1つ以上の基板の露光間で行われず、反射要素6a〜6hの向きを決定するためにリソグラフィ装置LAのダウンタイムを必要とし得る。したがって、1つ以上の基板の露光間に反射要素6a〜6hの向きを決定することにより、リソグラフィ装置のあらゆるダウンタイムを減少させることができる。
[00127] いくつかの実施形態では、照明ビーム8の第2部14から2つのイメージを形成することができる。これにより、ミラーアレイの上流に位置する平面のイメージを形成し、かつミラーアレイ下流に位置する平面のイメージを形成することができる。例えば、第2ビーム分割デバイス(図示せず)は、照明ビーム8の第2部14を受けるように配置され、第2部14を第1検出部と第2検出部に分割してもよい。第1検出部は、第1検出器要素アレイ24上に平面のイメージを形成するように構成された第1合焦ユニットに誘導されてよい。第1合焦ユニットが第1検出器要素アレイ24上に結像する平面は、レンズアレイ2とミラーアレイ6との間に位置してよい。第2検出部は、平面のイメージを第2検出器要素アレイ上に形成するように構成された第2合焦ユニットに誘導されてよい。第2合焦ユニットが第2検出器要素アレイ上に結像する平面は、ミラーアレイ6の下流に位置するサブビーム4a〜4hが重なり合わない位置にあってよい。
[00128] 一実施形態では、第1合焦ユニットは、ミラーアレイ6から第1距離に位置する第1平面を第1検出器要素アレイ上に結像する。第2合焦ユニットは、ミラーアレイ6から第2距離に位置する第2平面を、第2距離が第1距離より大きい第2検出器要素アレイ上に結像する。第1検出器要素アレイによって得られた測定値を用いて各サブビーム4a〜4hの強度を個別に決定することができる。ミラーアレイ6に対する第1平面の近さは、各サブビーム4a〜4hの強度が基板Wの露光中に決定されるようなものであってよい。第2検出器要素アレイによって得られた測定値を用いて反射要素6a〜6hの向きを決定することができる。反射要素6a〜6hの向きは、例えば、非重なり平面の範囲が拡大されたときの基板露光間で決定されてよい。
[00129] 別の実施形態では、第1合焦ユニットが第1検出器要素アレイ上に結像する平面は、ミラーアレイの平面であってよい。したがって、第1検出器要素アレイによって得られた測定値は、反射要素6a〜6hの向きとは無関係であり、各サブビーム4a〜4hの強度を個別に決定するために使用することができる。第2合焦ユニットが第2検出器要素アレイ上に結像する平面は、ミラーアレイ6の上流又は下流に位置する平面であってよい。第2検出器要素アレイ上に形成されるイメージは反射要素6a〜6hの向きに依存するため、第2検出器要素アレイによって得られた測定値は、例えば、反射要素6a〜6hの向きを決定するために使用することができる。
[00130] いくつかの実施形態では、1つ以上の合焦ユニットは、検出器要素アレイ上に結像される平面を調節することができるように調節可能であってよい。例えば、合焦ユニットは、検出器要素アレイ上へのミラーアレイ6の上流に位置する平面の結像と、検出器要素アレイ上へのミラーアレイ6の下流に位置する平面の結像との間で切替するように動作可能であってよい。調節可能な合焦ユニットは、検出器要素アレイに入射するイメージサブビーム4a’〜4h’が検出器要素のサイズに対して所望のサイズを有するまで、検出器要素アレイ上に結像される平面を調節できる。例えば、検出器要素アレイ上に結像される平面は、各検出器要素が複数のサブビーム4a〜4hのうちの1つに対応する放射のみを受けるまで調節することができる。
[00131] 上記では、ミラーアレイの上流に位置する平面が検出器要素アレイ上に結像される及び/又はミラーアレイの下流に位置する平面が検出器要素アレイ上に結像される実施形態について説明した。いくつかの実施形態では、ミラーアレイの平面は、検出器要素アレイ上に結像されてよい。ミラーアレイの平面が検出器要素アレイ24上に結像される実施形態では、イメージサブビーム4a’〜4h’の位置は、反射要素6a〜6hの向きに依存していない。サブビーム4a〜4hはミラーアレイ6の平面では重なり合わないため、検出器要素アレイ24上に形成されるイメージサブビーム4a’〜4h’は重なり合わない。したがって、検出器要素アレイ24上に形成されるイメージは、各サブビーム4a〜4hの強度を個別に決定するために使用することができる。しかし、検出器要素アレイ24上に形成されるイメージは、ミラーアレイ6の平面が検出器要素アレイ24上に結像された場合に反射要素6a〜6hの向きに依存していないため、検出器要素アレイ24で得られる測定値を用いて反射要素6a〜6hの向きを決定することはできない。したがって、反射要素6a〜6hの向きを決定するために検出器要素アレイ24で得られた測定値を用いることが望ましい実施形態では、ミラーアレイ6の上流又は下流に位置する平面を検出器要素アレイ24上に結像させることが有利である。
[00132] 図2及び図5に示す実施形態では、合焦ユニット22及び検出器要素アレイ24は、ミラーアレイ6に対して実質的に平行となるように配置される。これにより、上記したように、図2及び図5の第1平面31、第2平面32、第3平面33及び第4平面34の向きで示すように、検出器要素アレイ24上に結像される平面もミラーアレイ6と平行になる。図2及び図5から分かるように、ミラーアレイ6の上流に位置する平面(例えば、第1平面31又は第2平面32)が検出器要素アレイ24上に結像された場合、結像される平面は、放射ビームB(及びサブビーム4a〜4h)の伝搬方向に垂直に位置しない。同様に、ミラーアレイ6の平面が検出器要素アレイ24上に結像された場合、結像された平面は、サブビーム4a〜4hの伝搬方向に垂直に位置しない。一部の出願では、検出器要素アレイ24上に結像される平面がサブビーム4a〜4hの伝搬方向に垂直であることが望ましい場合があり、それにより、各サブビーム4a〜4hは、放射ビームBの伝搬経路に沿う同じ箇所でサンプリングされる。したがって、一部の出願では、検出器要素アレイ24上に結像される平面はサブビーム4a〜4hがミラーアレイ6から反射した後にサブビーム4a〜4hの伝搬方向に対してほぼ平行に位置するため、ミラーアレイ6の下流に位置する平面を検出器要素アレイ24上に結像することが望ましい場合がある。例えば、図2及び図5から分かるように、ミラーアレイ6の下流に位置する第3平面33及び第4平面34は、サブビーム4a〜4hがミラーアレイ6から反射した後にサブビーム4a〜4hの伝搬方向に対してほぼ平行に位置するように方向付けられる。
[00133] 図7は、照明システムILの別の実施形態の一部の概略図である。図7に示す実施形態では、合焦ユニット22及び検出器要素アレイ24は、互いに平行ではないとともにミラーアレイ6に対して平行ではないように配置される。図7に示す構成は、検出器要素アレイ24上に平面を結像するためにシャインプルーフ(Scheimpflug)の原理として知られる原理を利用する。合焦ユニット22及び検出器要素アレイ24は、検出器要素アレイ24に対する接線50及び合焦ユニット22に対する接線52がポイント54で交差するように配置される。この配置は、ポイント54と交差する接線を有する平面又は仮想平面を検出器要素アレイ24上に結像することができることを意味する。例えば、図7に示す仮想平面36’は、ポイント54と交差する接線56を有する。仮想平面36’は、ミラーアレイ6の上流に位置するとともに仮想平面36’と同じミラーアレイ6からの距離に位置する対応する平面36を有する。仮想平面36’は接線50及び接線52が交差するポイント54と交差する接線を有するため、平面36を検出器要素アレイ上に結像されることができる。平面36は、サブビーム4a〜4hの伝搬方向に対して垂直に位置する。したがって、シャインプルーフの原理を用いて、ミラーアレイ6の上流に位置するとともにサブビーム4a〜4hの伝搬方向に対して垂直に位置する平面を検出器要素アレイ24上に結像することができるように合焦ユニット22及び検出器要素アレイ24を配置することができる。
[00134] 上記では、ミラーアレイ6から反射するサブビーム4a〜4hの強度を決定することができる実施形態について記載した。サブビーム4a〜4hの強度の決定を用いて、瞳面18に所望の照明モードをもたらす反射要素6a〜6hの向きを決定することができる。例えば、サブビーム4a〜4hの測定強度をコントローラに入力してもよく、このコントローラは、サブビーム4a〜4hを再分配する反射要素6a〜6hの所望の向きを決定して瞳面18に所望の空間強度分布を形成することができる。コントローラは、各反射要素6a〜6hの向きを変更するように動作可能であるアクチュエータを制御することができ、それによって、反射要素6a〜6hの所望の向きをもたらす。したがって、検出器要素アレイ24、コントローラ及びアクチュエータは、瞳面18に所望の照明モードをもたらして維持するように作用するフィードバックシステムを形成する。
[00135] 上記したように、非重なり平面の範囲に位置する平面を結像することによって、サブビーム4a〜4hの強度を基板の露光中に決定することができる。基板の露光中、反射要素6a〜6hの向きは、非重なり平面の範囲がミラーアレイ6を中心に置く比較的小さい範囲となるようになっていてよい。基板の露光中にサブビーム4a〜4hの強度を決定することにより、強度を連続的に決定し、サブビーム4a〜4hの測定強度に対する強度のあらゆる変化を監視することができる。強度の変化を検出すると、コントローラは、検出した強度の変化を補償する反射要素6a〜6hの向きを決定することができる。コントローラは、その後、1つ以上の反射要素6a〜6hの向きを変更するようにアクチュエータを制御して瞳面18に所望の照明モードが形成されるようにサブビーム4a〜4hの強度の変化を補償することができる。例えば、所与の反射要素によって反射されたサブビームが瞳面内の特定の位置に対して強力すぎる場合、その反射要素は、瞳面内の異なる位置に向かってサブビームが誘導されるように再び方向付けられてよい。任意選択として、代わりに、より低い強度を有するサブビームを、別の反射要素を再び方向付けることによってその位置に向かって誘導することができる。
[00136] あるいは、サブビーム4a〜4hの強度は、定期的に決定されてよく、反射要素の向きは、サブビーム4a〜4hの決定された強度に応じて定期的に更新されてよい。
[00137] 加えて又は代替的に、サブビーム4a〜4hの強度は、1つ以上の基板Wの露光間の時に決定されてよい。露光と露光との間では、反射要素6a〜6hは、非重なり平面の範囲を拡大させるように方向付けられてよい。例えば、反射要素6a〜6hは、各サブビーム4a〜4hが実質的に同じ方向に反射して伝搬するように方向付けられてよい。非重なり平面の範囲を拡大することにより、検出器要素アレイ24上に結像される平面により大きな柔軟性をもたらし、また、例えば、平面を検出器要素アレイ上に結像することを可能にし、イメージサブビーム4a’〜4h’と検出器要素アレイ24の検出器要素25とのサイズ及び位置の間に所望の関係をもたらす。例えば、各検出器要素2が単一のイメージサブビーム4a’〜4h’に対応する放射のみを受けるように、平面を検出器要素アレイ24上に結像してもよい。
[00138] 加えて又は代替的に、非重なり平面の範囲を拡大させることにより、ミラーアレイ6から十分に離れて位置する平面を検出器要素アレイ24上に結像でき、そのイメージを用いて反射要素6a〜6hの向きを決定することができる。例えば、反射要素6a〜6hの向きの決定を用いて反射要素6a〜6hの向きを制御するアクチュエータを較正することができる。例えば、アクチュエータは、アクチュエータに印加される電圧を変化させることによって較正されてもよい。アクチュエータに印加される電圧を変化させることにより、アクチュエータによって制御される反射要素の向きに変動をもたらす。上述したように、反射要素の向きの変化は、ミラーアレイ6から十分に離れて位置する平面を検出器要素アレイ24上に結像することによって決定することができる。アクチュエータに印加される電圧の所与の変動から生じる反射要素の向きの変化を決定することにより、印加電圧に対する反射要素の向きの感度を決定することができる。その後決定した感度を用いて、反射要素の向きに所望の変化をもたらすために必要である印加電圧の変化を決定することができる。上記では、各反射要素6a〜6hが実質的に同じ角度に方向付けられるとともに各サブビームが実質的に同じ方向に反射して伝搬するように反射要素6a〜6hを方向付けることによって非重なり平面の範囲を拡大する実施形態を説明したが、反射要素6a〜6hの他の向きを用いて非重なり平面の範囲を拡大させることができる。例えば、ミラーアレイ6の下流に位置する平面が検出器要素アレイ24上に結像された場合、反射要素6a〜6hは、略凸状ミラーを形成するように方向付けられてよい。ミラーアレイ6の上流に位置する平面が検出器要素アレイ24上に結像された場合、反射要素6a〜6hは、略凹状ミラーを形成するように方向付けられてよい。略凸状又は凹状を形成する反射要素6a〜6hについての言及は、反射要素6a〜6hの中心が凸状又は凹状に対して実質的に平行であることを意味すると解釈するべきである。
[00139] 通常、反射要素6a〜6hのあらゆる向きを用いて、サブビーム4a〜4hが互いに重なり合わない平面の範囲を拡大させることができる。
[00140] いくつかの実施形態では、サブビーム4a〜4hの強度は、リソグラフィ装置の動作モードの変更の後に決定することができる。例えば、放射源SOの動作パラメータが変更された場合、放射源SOの動作パラメータの変化の影響を決定するためにサブビーム4a〜4hの強度を決定することができる。1つ以上の反射要素6a〜6hの向きは、動作パラメータの変化によってもたらされるサブビーム4a〜4hの強度のあらゆる変化を補償するために調節することができる。
[00141] 上記では、イメージが照明ビーム8の第2部14からのサブビーム4a〜4hから形成される実施形態について説明した。いくつかの実施形態では、形成されるイメージは、ミラーアレイ6の上流に位置する平面のイメージである。しかし、当然のことながら、ミラーアレイ6の上流に位置する平面が検出器要素アレイ24上に結像されても、イメージを形成する放射は、依然として、検出器要素アレイに到達する前にミラーアレイ6によって反射され、したがって、反射要素6a〜6hの反射率は、イメージ内に形成されるイメージサブビーム4a’〜4h’の強度に影響をもたらす。さらに、イメージサブビーム4a’〜4h’の強度は、ビーム分割デバイス10の上流に生じるサブビームのあらゆる減衰によって影響を与えられる。例えば、レンズアレイ2のレンズ2a〜2hの透過の変化は、検出器アレイ24に入射するイメージサブビーム4a’〜4h’の強度の変化をもたらす。したがって、検出器要素アレイ24で得られた測定値による反射要素6a〜6hを方向付けるフィードバックシステムは、反射要素6a〜6hの反射率のあらゆる変化及びビーム分割デバイス10の上流で生じるサブビームのあらゆる減衰を有利に説明する。したがって、反射要素6a〜6hの反射率の変化を説明することができるため、ビーム分割デバイス10及び検出器要素アレイ24をミラーアレイ6の下流に位置決めすることは有利である。
[00142] サブビーム4a〜4hの強度及び/又は反射要素6a〜6hの向きを決定するために検出器要素アレイ上に形成されるイメージの測定値を用いることに加えて、測定値を使ってフィルタ要素3のアライメントを決定することもできる。フィルタ要素3が開口5a〜5hを含む実施形態では、フィルタ要素3が誤って位置合わせされた場合、サブビーム4a〜4hは、フィルタ要素3内の開口5a〜5hと位置合わせされない場合がある。したがって、サブビーム4a〜4hの一部は、フィルタ要素3によってブロックされ、それによってミラーアレイ6に入射するサブビームの断面を減少させる。ミラーアレイ6に入射するサブビーム4a〜4hの断面の減少は、検出器要素アレイ24に入射するイメージサブビーム4a’〜4h’の断面の減少ももたらす。イメージサブビーム4a’〜4h’の断面の減少は、検出器要素アレイ24で検出することができ、サブビーム4a〜4hに対するフィルタ要素3のアライメントを決定するために使用することができる。
[00143] 検出器要素アレイ24によって得られた測定値は、欠陥のある反射要素6a〜6hを診断するために追加又は代替として使用することができる。例えば、反射要素6a〜6h(又は反射要素6a〜6hを制御するアクチュエータ)が欠陥を生んだ場合、反射要素は特定の向きで動かなくなる場合がある。特定の向きで動かなくなった反射要素6a〜6hから反射したサブビーム4a〜4hは、反射要素の向きの変化が(例えば、照明モードを変更するために)望ましい場合であっても特定の方向に誘導され続ける。サブビーム4a〜4hは、検出器要素アレイ24に入射するイメージサブビーム4a’〜4h’をそれぞれ有してよい。反射要素6a〜6hが欠陥を生んだ場合、検出器要素アレイ24上の対応するイメージサブビーム4a’〜4h’の位置は、反射要素の向きの変化が(例えば、照明モードを変更するために)望ましい場合であっても同じのままであり得る。これは、検出器要素アレイ24によって検出することができ、反射要素6a〜6hに対する欠陥を診断することができる。欠陥のある反射要素6a〜6hが診断された場合、フィルタ要素3内の開口は、サブビーム4a〜4hが欠陥のある反射要素6a〜6hに入射するのを防止するために塞がれてもよい。あるいは、フィルタ要素3が透明材料を含む実施形態では、透明材料の領域は、サブビーム4a〜4hがフィルタ要素3を透過することを防止するとともに欠陥のある反射要素6a〜6hに入射することを防止するために(例えば、クロムによって)コーティングされてもよい。
[00144] 上記したように、ミラーアレイ6の平面が検出器要素アレイ24上に結像される実施形態において、検出器要素アレイ24上のイメージサブビーム4a〜4hの位置は、反射要素6a〜6hの向きとは無関係である。このような実施形態では、反射要素6a〜6hが欠陥を有するか否かにかかわらず全てのイメージサブビーム4a’〜4h’が検出器要素アレイ24上の同じ位置に残るため、欠陥のある反射要素6a〜6hを診断することができない場合がある。したがって、欠陥のある反射要素6a〜6hを診断することが望ましい実施形態では、ミラーアレイ6の平面を検出器要素アレイ24上に結像させるのとは反対に、ミラーアレイ6の上流又は下流に位置する平面を検出器要素アレイ24上に結像させることが有利である。
[00145] レンズアレイ2がサブビーム4a〜4hをミラーアレイ6の反射要素6a〜6h上に合焦させる照明システムILの実施形態を上記で説明したが、いくつかの実施形態では照明システムILはレンズアレイを含んでいなくてもよい。このような実施形態では、放射ビームBは、サブビーム4a〜4hに分割されることなくミラーアレイ6を照明することができる。フィルタ要素3を含む実施形態では、フィルタ要素内の開口は、ミラーアレイ6の前に放射ビームBをサブビーム4a〜4hに分割する働きをすることができるが、フィルタ要素3は、いくつかの実施形態で存在しない場合がある任意のフィーチャである。
[00146] 放射ビームBがミラーアレイ6に入射する前にサブビーム4a〜4hに分割されない実施形態では、反射要素は異なる向きを有するため、ミラーアレイの反射要素6a〜6hは、放射ビームBをサブビーム4a〜4hに分割する働きをする。したがって、ミラーアレイの下流にある平面が検出器要素アレイ24上に結像される場合、イメージサブビーム4a’〜4h’は、依然として検出器要素アレイ上に形成される。したがって、ミラーアレイ6の下流に位置する平面が検出器要素アレイ24上に結像される実施形態では、各サブビーム4a〜4hの強度は、レンズアレイ2がない場合であっても個別に決定することができる。したがって、レンズアレイ2は、ミラーアレイ6の下流に位置する平面が検出器要素アレイ24上に結像される実施形態の任意のフィーチャである。
[00147] ミラーアレイ6の上流に位置する平面が検出器要素アレイ24上に結像されるとともに放射ビームBがミラーアレイ6より前でサブビーム4a〜4hに分割されない(例えば、レンズアレイ2が存在しないため)実施形態では、別々のイメージサブビーム4a’〜4h’は検出器アレイ24上に形成されない場合がある。その代わりに、分割されていない放射ビームBのイメージが検出器要素アレイ24上に形成され得る。放射ビームBの空間強度分布の変化を監視するために分割されていない放射ビームBのイメージを用いるが、これは各サブビーム4a〜4hの強度を個別に決定できなくさせ得る。したがって、ミラーアレイ6より前に放射ビームBをサブビーム4a〜4hへと合焦させるレンズアレイ2は、ミラーアレイの上流に位置する平面が検出器要素アレイ24上に結像される実施形態では有利である。なぜなら、これは各サブビーム4a〜4hの強度を個別に決定することを可能にするからである。
[00148] 照明ビーム8の第2部14が検出器要素アレイ24上に直接入射するように合焦ユニット22によって合焦される実施形態について上記で説明したが、いくつかの実施形態では、照明ビーム8の第2部14は、検出器要素アレイ24上に直接合焦されない場合もある。例えば、照明ビーム8の第2部14は、蛍光プレート上に合焦されてもよい。蛍光プレートは、照明ビーム8の第2部14からの放射を吸収し、これは後に蛍光プレートに放射を放出させる。蛍光プレートから放出された放射は検出器要素アレイによって受けることができる。検出器要素アレイは、蛍光プレートから放出される放射の強度を測定し、これを使って蛍光プレートに入射する放射の強度を決定することができる。
[00149] 通常、照明ビーム8の第2部14は、検出面にイメージを形成するように検出面上に合焦される。検出器要素アレイ24は、検出面に入射する放射の強度を測定するように構成される。検出器要素アレイ24は、実質的に検出面に位置決めされてよい。あるいは、検出器要素アレイ24は、検出面から離れていてもよい。例えば、蛍光プレートは実質的に検出面に位置決めされてよく、検出器要素アレイ24は、蛍光プレートから放出される放射を測定するように配置されてもよい。
[0149.1] ある実施形態では、リソグラフィ装置用の照明システムが提供され、この照明システムは、放射ビームを受けるとともに放射ビームを複数のサブビームへと合焦させるように構成されたレンズアレイと、照明ビームを形成するためにサブビームを受けるとともにサブビームを反射させるように構成された反射要素アレイと、照明ビームを第1部と第2部に分割するように構成されたビーム分割デバイスであって、第1部はリソグラフィパターニングデバイスに入射するように誘導される、ビーム分割デバイスと、イメージが検出面に形成されるように照明ビームの第2部を検出面上に合焦させるように構成された合焦ユニットであって、イメージは反射要素アレイの上流に位置する平面における複数のサブビームのイメージであり、サブビームはイメージ内で互い重なり合わない、合焦ユニットと、検出面に入射する放射の強度を測定するように構成された検出器要素アレイと
を備える。
[0149.2] ある実施形態では、リソグラフィ装置用の照明システムが提供され、この照明システムは、照明ビームを形成するために放射ビームを受けるとともに放射ビームの複数のサブビームを反射させるように構成された反射要素アレイと、照明ビームを第1部と第2部に分割するように構成されたビーム分割デバイスであって、第1部はリソグラフィパターニングデバイスに入射するように誘導される、ビーム分割デバイスと、イメージが検出面に形成されるように照明ビームの第2部を検出面上に合焦させるように構成された合焦ユニットであって、イメージは反射要素アレイの下流に位置する平面における複数のサブビームのイメージであり、サブビームはイメージ内で互い重なり合わない、合焦ユニットと、検出面に入射する放射の強度を測定するように構成された検出器要素アレイとを備える。
[0149.3] ある実施形態では、照明システムは、放射ビームを受け、放射ビームを複数のサブビームへと合焦させるとともに複数のサブビームを反射要素アレイ上に誘導するように構成されたレンズアレイをさらに備える。ある実施形態では、検出器要素アレイは、複数の検出器要素が各サブビームに対応する放射を受けるように配置される。ある実施形態では、照明システムは、各サブビームの空間強度分布を決定するとともに空間強度分布を用いて反射要素アレイの各反射要素の向きを決定するように構成されたコントローラをさらに備える。ある実施形態では、合焦ユニットは、各検出器要素が複数のサブビームのうちの1つに対応する放射を受けるように照明ビームの第2部を検出面上に合焦させるように構成される。ある実施形態では、照明システムは、複数のサブビームの各々の強度を決定するように構成されたコントローラをさらに備える。ある実施形態では、照明システムは、反射要素アレイの反射要素の向きを調節するように構成された複数のアクチュエータをさらに備える。ある実施形態では、コントローラは、照明期間中、所望の空間強度分布を有する照明ビームを形成するために、複数のサブビームの決定された強度に応答してアクチュエータを制御するように動作可能である。ある実施形態では、コントローラは、さらに、照明期間中以外のとき、反射要素を方向付けるためにアクチュエータを制御するように動作可能であり、それによって、検出面上に結像されたときにサブビームが重ならないサブビームのイメージを形成する平面の範囲が、照明期間中の平面の範囲と比較して拡大される。ある実施形態では、合焦ユニットは、検出面上に結像される平面を調節するように動作可能である。ある実施形態では、照明システムは、反射要素アレイの上流に位置決めされたフィルタ要素をさらに含み、フィルタ要素は、放射が反射要素アレイに入射するように放射を透過させるように構成される。ある実施形態では、フィルタ要素は、放射が1つ以上の反射要素に入射することを防止するためにフィルタ要素の1つ以上の領域を塞ぐように動作可能である。ある実施形態では、検出器要素アレイは、実質的に検出面に位置決めされる。ある実施形態では、照明システムは、実質的に検出面に位置決めされた蛍光プレートをさらに備え、検出器要素アレイは、蛍光プレートから放出される放射の強度を測定するように構成される。ある実施形態では、照明システムは、照明ビームの第2部を第1検出ビームと第2検出ビームに分割するように構成された第2ビーム分割デバイスをさらに備え、第1検出ビームは検出システムに誘導され、第2検出ビームは第2合焦ユニット及び第2検出器要素アレイを含む第2検出システムに誘導され、第2合焦ユニットは、第2イメージが第2検出面に形成されるように第2検出ビームを第2検出面上に合焦させるように構成され、第2イメージは、第1検出ビームを受ける検出システムによって結像される平面とは異なる第2平面における複数のサブビームのイメージである。ある実施形態では、合焦ユニットは、検出面と実質的に平行に方向付けされる。ある実施形態では、合焦ユニットは、反射要素アレイと実質的に平行に方向付けされる。ある実施形態では、照明システムは、反射要素アレイの反射要素に対する欠陥を、検出器要素アレイによって得られた測定値から決定するように構成されたコントローラをさらに備える。ある実施形態では、リソグラフィ装置は、本明細書中に記載した照明システムと、パターニングデバイスを支持するためのサポート構造であって、パターニングデバイスは、照明ビームの第1部の断面にパターンを付与することによってパターン付き放射ビームを形成する役割を果たす、サポート構造と、基板を保持するための基板テーブルと、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分上に投影するための投影システムとを備える。
[0149.4] ある実施形態では、放射ビームを結像する方法が提供され、この方法は、放射ビームを提供することと、レンズアレイを用いて放射ビームを複数のサブビームへと合焦させることと、照明ビームを形成するために反射要素アレイを用いて複数のサブビームを反射させることと、照明ビームを第1部と第2部に分割することと、リソグラフィパターニングデバイスに入射するように照明ビームの第1部を誘導することと、イメージが検出面に形成されるように照明ビームの第2部を合焦させることであって、イメージは反射要素アレイの上流に位置する平面における複数のサブビームのイメージであり、サブビームはイメージ内で互い重なり合わない、合焦させることと、検出器要素アレイを用いて検出面に入射する放射の強度を測定することとを含む。
[0149.5] ある実施形態では、放射ビームを結像する方法が提供され、この方法は、放射ビームを提供することと、照明ビームを形成するために反射要素アレイを用いて放射ビームの複数のサブビームを反射させることと、照明ビームを第1部と第2部に分割することと、リソグラフィパターニングデバイスに入射するように照明ビームの第1部を誘導することと、イメージが検出面に形成されるように照明ビームの第2部を合焦させることであって、イメージは反射要素アレイの下流に位置する平面における複数のサブビームのイメージであり、サブビームはイメージ内で互い重なり合わない、合焦させることと、検出器要素アレイを用いて検出面に入射する放射の強度を測定することとを含む。
[0149.6] ある実施形態では、方法は、レンズアレイを用いて放射ビームを複数のサブビームへと合焦させることと、複数のサブビームを反射要素アレイ上に誘導することとをさらに含む。ある実施形態では、検出器要素アレイは、複数の検出器要素が各サブビームに対応する放射を受けるように配置される。ある実施形態では、方法は、各サブビームの空間強度分布を決定することと、空間強度分布を用いて反射要素アレイの各反射要素の向きを決定することとをさらに含む。ある実施形態では、照明ビームの第2部は、各検出器要素が複数のサブビームのうちの1つに対応する放射を受けるように検出面上に合焦される。ある実施形態では、方法は、複数のサブビームの各々の強度を決定することをさらに含む。ある実施形態では、方法は、照明期間中、所望の空間強度分布を有する照明ビームを形成するために、複数のサブビームの決定された強度に応答して反射要素アレイの反射要素の向きを調節することをさらに含む。ある実施形態では、方法は、照明期間中以外のときに反射要素アレイの反射要素の向きを調節することをさらに含み、それによって、検出面上に結像されたときにサブビームが重ならないサブビームのイメージを形成する平面の範囲が、照明期間中の平面の範囲と比較して拡大される。ある実施形態では、方法は、照明期間中以外のときに複数のサブビームの各々の強度を決定することをさらに含む。ある実施形態では、方法は、照明期間中以外のときに反射要素の向きを決定することをさらに含む。ある実施形態では、方法は、検出面上に結像される平面を調節することをさらに含む。ある実施形態では、方法は、検出器要素アレイによって得られた測定値に従って反射要素アレイの上流に位置決めされたフィルタ要素を位置合わせすることをさらに含み、フィルタ要素は、反射要素アレイに入射する放射を透過させるように構成される。ある実施形態では、方法は、放射が1つ以上の反射要素に入射することを防止するようにフィルタ要素の1つ以上の領域を塞ぐことをさらに含む。ある実施形態では、方法は、反射要素アレイの反射要素に対する欠陥を、検出面に入射する放射の強度の測定値から決定することをさらに含む。ある実施形態では、方法は、照明ビームの第2部を第1検出ビームと第2検出ビームに分割することであって、第1検出ビームは検出システムに誘導される、分割することと、第2イメージが第2検出面に形成されるように第2検出ビームを合焦させることであって、第2イメージは、第1検出ビームを受ける検出システムによって結像される平面とは異なる第2平面における複数のサブビームのイメージである、合焦させることとをさらに含む。
[0149.7] ある実施形態では、リソグラフィ装置用の照明システムが提供され、この照明システムは、放射ビームを受けるとともに放射ビームを複数のサブビームへと合焦させるように構成されたレンズアレイと、照明ビームを形成するためにサブビームを受けるとともにサブビームを反射させるように構成された反射要素アレイと、照明ビームを第1部と第2部に分割するように構成されたビーム分割デバイスであって、第1部はリソグラフィパターニングデバイスに入射するように誘導される、ビーム分割デバイスと、イメージが検出面に形成されるように照明ビームの第2部を検出面上に合焦させるように構成された合焦ユニットであって、イメージは、サブビームが互いに重なり合わない複数のサブビームのイメージである、合焦ユニットと、検出面に入射する放射の強度を測定するように構成された検出器要素アレイとを備える。
[0149.8] ある実施形態では、放射ビームを結像する方法が提供され、この方法は、放射ビームを提供することと、レンズアレイを用いて放射ビームを複数のサブビームへと合焦させることと、照明ビームを形成するために反射要素アレイを用いて複数のサブビームを反射させることと、照明ビームを第1部と第2部に分割することと、リソグラフィパターニングデバイスに入射するように照明ビームの第1部を誘導することと、イメージが検出面に形成されるように照明ビームの第2部を合焦させることであって、イメージは、複数のサブビームのサブビームが互いに重なり合わない複数のサブビームのイメージである、合焦させることと、検出器要素アレイを用いて検出面に入射する放射の強度を測定することとを含む。
[00150] 以上、本発明の具体的な実施形態を説明してきたが、本発明は、上述以外の態様で実施できることが明らかである。この説明は、本発明に限定することを意図していない。