JP6364660B2 - 吸着フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、平滑面を有する被着体に貼ったり剥がしたりするリワークが可能な、基材フィルム上にシリコーン樹脂からなる吸着層を設けた吸着フィルムに関するもので、その用途は、各種電子・電気機器の表示装置として使用されるフラットパネルディスプレイの保護フィルム、ウインドウ用保護フィルム、その他産業上広い分野で使用されるシール材、クッション材等である。
平滑面を有する被着体に貼ったり剥がしたりするリワークが可能な、基材フィルム上にシリコーン樹脂からなる吸着層を設けた吸着フィルムは、それ自体のみならず、該吸着フィルムに、耐スクラッチ性、紫外線遮断性、電磁波遮断性、導電性、消臭性、脱臭性、抗菌性、親水性、防曇性、撥水性、熱伝導性、インク受容性等の機能を更に付与することにより産業上広い分野で使用される。
例えば、液晶等の表示画面用保護フィルムとして、基材フィルム上にシリコーン樹脂からなる吸着層を設けた吸着フィルムを使用する場合には、平滑面を有する被着体への貼り付け時に、気泡巻き込みが発生しない、気泡ぬけ性がよい、などの特性が必要である。また貼り付けされたフィルムは独りでにずれたり、はがれたりしないことが必要であり、フィルムを被着体から剥離する際に、経時により被着体面と吸着層面の密着力が上昇せずスムーズに剥離できかつ被着体上にシリコーン残りが発生しないこと、等の機能を有していることが要求される。
従来、上記用途のフィルム用として、フィルム状基材の少なくとも一方の面に、アクリル系粘着剤層を有する再剥離用粘着フィルムが使用されていたが、このような粘着剤を用いたフィルムは、貼り付け時に気泡の巻き込みが発生する場合があった。気泡を巻き込んだ場合、前記気泡によりディスプレイの輝度、明るさ、色が不均一となり表示むらが発生するため、貼り直しや気泡の押し出しなどの作業が必要になる。巻き込んだ気泡を押し出すために、フィルムの表面から気泡を指で強く押し出したり、貼り直しを繰り返すうちにディスプレイ表面の外観を損なうことがあった。(特許文献1)。
また、ディスプレイ用フィルムの粘着剤組成物として、無溶剤型オルガノポリシロキサン組成物が知られている。前記の組成物は、塗工時に強く帯電することがあり、これにより、塗工後から硬化前までのあいだに塗工された粘着剤が一部流動し、粘着剤層表面が均一にならないことがある。そのために、貼り付け時に前記粘着剤層と被着体の界面において気泡跡を発生しやすいという欠点があった。(特許文献2)。
特開2004−315775号公報 特開2004−225005号公報
本発明は、平滑面を有する被着体に貼ったり剥がしたりするリワークが可能で、低コストでありながら、貼り付け時に気泡巻き込みが発生しにくく、かつ気泡を巻き込んだ場合であっても、気泡吸収性が良好である、基材フィルム上にシリコーン樹脂からなる吸着層を設けた吸着フィルムを提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討を行った結果、特定のシリコーン硬化性組成物を用いて、付加反応により硬化してなる吸着層であって、かつ特定のゴム硬度、及び特定のゲル分率を有する吸着層においては、厚みを10〜40μmと薄膜化しても、貼り付け時に気泡の巻き込みを生じにくくし、かつ気泡を巻き込んだ場合であっても、気泡吸収性が良好である吸着フィルムを実現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
第1発明は、基材フィルムの少なくとも片面に、シリコーン樹脂を主成分とする吸着層を積層した吸着フィルムにおいて、前記吸着層が、1分子中に2個以上のアルケニル基を有するジオルガノポリシロキサンと、オルガノハイドロジェンシロキサン−オルガノシロキサンコポリマーからなるシリコーン組成物を、付加反応により硬化してなるものであり、前記1分子中に2個以上のアルケニル基を有するジオルガノポリシロキサンの重量平均分子量は540,000であり、前記吸着層のアスカーFP硬度が40以上又は、アスカーCSC2硬度が5以下であり、かつ前記吸着層のゲル分率が60%以上、80%以下であり、かつ前記吸着層の厚みが10〜40μmであることを特徴とする吸着フィルムである。
本発明の吸着フィルムは、特定組成の付加反応型シリコーン組成物からなるシリコーン樹脂を塗布、熱架橋して得られ、かつゴム硬度及びゲル分率を規定した吸着層としたことにより、前記吸着層の厚みを10〜40μmと薄膜化した場合であっても、適度な強度を保ちながらも、低架橋密度の吸着層となる。その結果、貼り付け時に気泡の巻き込みを生じにくくし、かつ微細な気泡を巻き込んだ場合であっても、前記気泡を吸着層自体で内包して吸収したり、あるいは吸着層を透過しての気泡ぬけが可能となる。
以下に本発明の吸着フィルムを、その構成要素に基づいて、さらに詳しく説明する。
(基材フィルム)
本発明で使用する基材フィルムは、各種のプラスチックからなるフィルムであれば、特に限定されない。例えばポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、フッ素樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリアミドイミド、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等よりなるフィルムが例示されるが、これらに限定されるものではない。シリコーンゴムの熱架橋時の取り扱い性、コストの面からポリエステルフィルムやポリカーボネートフィルムが好ましい。透明性の点では、ポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。基材の厚みは、用途に応じて適宜選択すればよいが、通常5〜400μm、特に20〜250μmの範囲であるのが好ましい。
基材フィルムは、その表面をコロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、火炎処理したり、必要に応じてアンカー層等を設けてもよい。アンカー層等を積層する方法としては、製膜時に積層するいわゆるインライン法、または製膜したフィルムに積層するいわゆるオフライン法のいずれでもよい。
(シリコーン組成物)
本発明の吸着層に用いるシリコーン樹脂の性状としては、透明性が高く、ゴムのような柔軟性を持っていて被着体の表面に対しても、吸着層の面が被着体表面に沿うことがもとめられる。さらに剥離の際には、小さい剥離力で、容易に剥離できることが求められる。また、少なくとも厚み10μm以上で、目付け加工の方法を用いることなく、塗布及び加熱処理だけで架橋吸着層を設けるためには、シリコーン組成物の硬化反応に際して、白金触媒等のもとで、150℃以下の低温短時間で深部まで架橋し、透明で耐熱性、圧縮永久歪み特性に優れかつ低粘度で液状タイプである、1分子中に2個以上のアルケニル基を有するポリオルガノシロキサンと架橋剤としてSiH基を有するオルガノハイドロジェンシロキサン−オルガノシロキサンコポリマーとの付加反応により熱架橋する付加反応型液状シリコーン組成物の使用が好ましい。
1分子中に2個以上のアルケニル基を有するジオルガノポリシロキサンとしては、両末端にのみビニル基を有する直鎖状ジオルガノポリシロキサンと、両末端及び側鎖にビニル基を有する直鎖状ジオルガノポリシロキサンと、末端にのみビニル基を有する分岐状ジオルガノポリシロキサンと、末端及び側鎖にビニル基を有する分岐状ジオルガノポリシロキサンとから選ばれる少なくとも1種を用いると良い。
これらのジオルガノポリシロキサンの1形態としては、両末端にのみビニル基を有する直鎖状ジオルガノポリシロキサンで、下記一般式(化1)で表わされる化合物である。
Figure 0006364660

(式中Rは下記の有機基、nは整数を表す。)
Figure 0006364660
(式中Rは下記の有機基、n、mは整数を表す。)
このビニル基以外のケイ素原子に結合した有機基(R)は異種でも同種でもよいが、具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基、フェニル基、トリル基、などのアリール基、又はこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換した同種、または異種の非置換または置換の脂肪族不飽和基を除く1価炭化水素基で、好ましくはその少なくとも50モル%がメチル基であるものなどが挙げられるが、このジオルガノポリシロキサンは単独でも2種以上の混合物であってもよい。
両末端および側鎖にビニル基を有する直鎖状ジオルガノポリシロキサンは、上記一般式(化1)中のRの一部がビニル基である化合物である。末端にのみビニル基を有する分岐状ポリオルガノシロキサンは、上記一般式(化2)で表わされる化合物である。末端及び側鎖にビニル基を有する分岐状ポリオルガノシロキサンは、上記一般式(化2)中のRの一部がビニル基である化合物である。
1分子中に2個以上のアルケニル基を有するジオルガノポリシロキサンの重量平均分子量としては、20,000〜700,000の範囲のものが好ましい。前記のジオルガノポリシロキサンの重量平均分子量が20,000未満であると、硬化性が低下したり、被着体への粘着力が低下してしまうことがある。また重量平均分子量が700,000を超えてしまうと、組成物の粘度が高くなりすぎて製造時の撹拌が困難になる。
ここで架橋反応に用いる架橋剤の例として、オルガノハイドロジェンシロキサン−オルガノシロキサンコポリマーが挙げられる。前記オルガノハイドロジェンシロキサン−オルガノシロキサンコポリマーは、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するものであるが、実用上からは分子中に2個の≡SiH結合を有するものをその全量の50重量%までとし、残余を分子中に少なくとも3個の≡SiH結合を含むものとすることがよい。分子の形状としては、直鎖状、分岐状、環状のものを使用できる。
前記アルケニル基を有するジオルガノポリシロキサン中のアルケニル基(A)に対する、オルガノハイドロジェンシロキサン−オルガノシロキサンコポリマー中のSiH基(B)のモル比(A)/(B)が1.0〜2.0の範囲となるように配合することが好ましい。モ2ル比(A)/(B)が1.0未満では架橋密度が不足して、これに伴い凝集力、保持力が低くなってしまうことがあり、逆に2.0を超えると架橋密度が高くなり、適度な粘着力、及びタック性が得られず、気泡吸収性も低下してしまうことがある。
本発明においては、上記の付加反応型シリコーン組成物に対して、さらに、M単位(R3SiO1/2:Rはメチル基、フェニル基などの1価の有機基)とQ単位(SiO4/2)からなる、反応性官能基を有さない非反応性MQレジン(B)を含有させることが求められる。前記成分は、M単位(R3SiO1/2)とQ単位(SiO4/2)からなるポリオルガノシロキサンであるが、本発明においては、特にMQレジンと呼ぶこととする。前記MQレジンは、分子内にビニル基などの脂肪族不飽和基等の反応性官能基を有していても良い、反応性及び非反応性のものを用いる。
前記MQレジンのR3SiO1/2単位/SiO4/2単位のモル比は、0.6〜1.8であるものが好ましい。前記R3SiO1/2単位/SiO4/2単位のモル比が0.6未満では密着力やタックが低下することがあり、1.8を超えると密着力や保持力が低下することがある。
また、前記MQレジンの重量平均分子量(Mw)は、100,000〜300,000、特に150,000〜250,000のものが好ましく用いられる。前記MQレジンの重量平均分子量(Mw)が前記範囲未満であると、所望の剥離力が得られなくなる。一方前記MQレジンの重量平均分子量(Mw)が前記範囲を超えると、吸着層が塑性変形しやすくなり、異物混入に起因する気泡が発生しやすくなる。
また、前記MQレジンの、シリコーン樹脂中における添加量としては、0.01〜5.0%、特に0.1〜1.0%の範囲とすることが好ましい。前記MQレジンの添加量が前記範囲未満であると、剥離力不足になる。一方前記範囲を超えると、吸着層が塑性変形しやすくなり、異物混入に起因する気泡が発生しやすくなる。
架橋反応に用いる付加反応触媒は、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とアルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン化合物との反応物、塩化白金酸とビニル基含有シロキサンとの反応物、白金−オレフィン錯体、白金−ビニル基含有シロキサン錯体,ロジウム錯体,ルテニウム錯体などが挙げられる。また、これらのものをイソプロパノール、トルエンなどの溶剤や、シリコーンオイルなどに溶解、分散させたものを用いてもよい。架橋反応した吸着層は、シリコーンゴムのような柔軟性を持ったものとなり、この柔軟性が被着体との密着を容易にさせるものである。
前記付加反応触媒の添加量はシリコーン組成物の合計100重量部に対し、貴金属分として5〜2,000ppm、特に10〜500ppmとすることが好ましい。5ppm未満では硬化性が低下し、架橋密度が低くなり、保持力が低下することがあり、2,000ppmを超えると処理浴の使用可能時間が短くなる場合がある。
本発明に係るシリコーンの市販品の形状は、無溶剤型、溶剤型、エマルション型があるが、いずれの型も使用できる。無溶剤型は、所望の膜厚を得るための粘度調節のために、必要に応じてトルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素溶剤、ヘキサン、オクタン、イソパラフィンなどの脂肪族系炭化水素溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸イソブチルなどのエステル系溶剤、ジイソプロピルエーテル、1、4−ジオキサンなどのエーテル系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、n−プロパノールなどのアルコール類、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、トリフルオロメチルベンゼン、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、メチルペンタフルオロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、またはこれらの混合溶剤などが使用される。
前記溶剤の添加量は前記シリコーン組成物の合計100重量部に対し、20〜1000重量部、特に25〜900重量部とすることが好ましい。20重量部未満では、シリコーン組成物の塗工液のレベリング性が低下し、吸着層表面が均一にならないことがある。一方前記溶剤の添加量が、前記シリコーン組成物の合計100重量部に対し1000重量部を超えると、シリコーン組成物の塗工液の粘度が低くなりすぎるので、塗工後から硬化までの間に、塗工された吸着層が一部流動し、吸着層表面の均一性が低下してしまう。
前述のごとく、吸着層の性状としては、ゴムのような柔軟性を持っていて被着体への貼着時に被着体の表面の凹凸に追従して密着力を確保することが求められる。そして、例えば前記表示画面の保護フィルムやウインドウ用保護フィルムとして吸着フィルムを使用する場合、吸着層の膜厚は、被着体に対する吸着層の密着面方向の剪断力を確保するために少なくとも10μm以上、通常は10〜100μmが必要となる。本発明の場合、気泡吸収性、気泡抜け性を確保するために、吸着層の厚みとしては、10〜40μmであることが好ましい。10μm未満であると被着体に対する機能性フィルムの密着面方向の剪断力が確保できず、特に長期貼り付け時には、吸着フィルムが被着体から剥がれ易くなる。また、吸着層の厚みが40μmを超える場合には、シリコーン組成物の使用量が多くなり、吸着フィルムの製造コストの上昇を招いてしまう。
(吸着層のゴム硬度の測定方法)
本発明の吸着フィルムを構成する吸着層のゴム硬度は、アスカーFP型硬度計(高分子計器株式会社製)を使用して測定する。アスカーFP型硬度計使用で90〜100ポイントを示す場合は、FP型より硬い材料を測定するアスカーCSC2型硬度計(高分子計器株式会社製)を使用して測定する。
本発明の吸着層のゴム硬度は、一般のゴム硬度計アスカーC型(JIS K 7312に準拠)では測定できない超軟質組成であり、アスカーFP硬度が40〜100、アスカーCSC2硬度が0〜5の範囲である。前記吸着層のアスカーFP硬度が、40未満の場合は、吸着層が柔らかくなりすぎて、被着体から剥離すると吸着層の一部が被着体上に残ってしまう場合がある。前記吸着層のアスカーCSC2硬度が5を超える場合は、応力緩和性が低下し、気泡吸収性が低下し、気泡抜け性も低下する。吸着層のゴム硬度が上記範囲であり、吸着層が最適な架橋密度であれば、貼り付け時に気泡の巻き込みを生じにくくし、かつ微細な気泡を巻き込んだ場合でも、前記気泡を吸着層自体で吸収すること、あるいは吸着層を介しての気泡の抜けが可能となる。
(吸着層のゲル分率の測定方法)
本発明の吸着フィルムを構成する吸着層のゲル分率は、所定の大きさにカットした吸着フィルムを24時間トルエンに浸漬させ、浸漬前後での吸着層の重量比として求められる。
ゲル分率の測定は、まず、吸着フィルムを所定の大きさにカットし、その試験片に積層されている吸着層の重量を測定する(その重量をG1とする)。次に、その試験片を50mlのトルエンに浸漬した後、25℃で1日放置する。続いて、試験片及びトルエン溶液を濾過した残渣を105℃で2時間乾燥させ、試験片に積層された吸着層の乾燥後の重量、及びトルエン溶液を濾過した残渣の乾燥後の重量を測定する(その合算重量をG2とする)。その後、ゲル分率=(G2/G1)×100により算出する。
本発明の吸着層のゲル分率は、60%以上で80%以下であることが好ましい。前記吸着層のゲル分率が60%未満であると、気泡の巻き込みが多くなったり、剥離力が高くなりすぎてリワーク性が低下することがある。前記吸着層のゲル分率が80%を超えると、架橋密度が高い状態となり、気泡吸収性、気泡抜け性が低下してしまうことがある。
(アンカー層)
本発明においては、基材フィルムと吸着層との接着力の向上、および被着体への自己貼着性フィルムの貼着後、前記自己貼着性フィルムを再剥離する際に、前記吸着層と基材フィルム間で剥離することなく、被着体からスムーズに剥離できることを目的として、前記基材フィルムと吸着層との間にアンカー層を設けてもよい。
アンカー層の材料としては、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等が挙げられる。中でもアクリル系樹脂が好ましく、特にアクリルポリオール樹脂が、帯電防止性や被膜特性の観点から好ましい。
また、アンカー層には、その他配合材料として帯電防止剤を添加し帯電防止機能を付与することができる。ノニオン系としてポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、脂肪酸ポリエチレングリコールエステル、脂肪酸ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタンエステル、脂肪酸グリセリンエステル、アルキルポリエチレンイミン等を挙げることができる。またエチレンオキサイドを骨格に持つアクリレート化合物なども使用することができる。導電性高分子としてポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェン及びこれらの誘導体を使用することができる。金属酸化物としてアンチモンドープ型酸化錫(ATO)、錫ドープ型酸化インジウム(ITO)、アルミニウムドープ型酸化亜鉛、アンチモン副酸化物などを使用することができる。
アンカー層の厚みは0.1〜5.0μmの範囲、より好ましくは0.15〜3.0μmの範囲である。アンカー層の厚みが、前記厚みが0.1μm未満であると熱架橋された吸着層が基材フィルムより離脱し易くなる。さらに帯電防止性能が安定しない。一方前記厚みが5.0μmを超えるとアンカー層の柔軟性が無くなり硬い層となり、基材フィルムへの密着性が悪くなる。
アンカー層塗工液、吸着層塗工液の塗工方法としては、3本オフセットグラビアコーターや5本ロールコーターに代表される多段ロールコーター、ダイレクトグラビアコーター、バーコーター、エアナイフコーター等公知の方法が適宜使用される。
吸着層の表面の汚れや異物付着を防いだり、吸着フィルムのハンドリングを向上させるために樹脂フィルム製のセパレータをシリコーン吸着層面に張り合わせることができる。
被着体の材質は、一般的にガラス、樹脂、金属、金属酸化物等であり、被着体の表面
はできるだけ平滑であることが必要である。表面の凹凸が大きいとシリコーン吸着層が凹凸に追従することが難しくなり、密着することができなくなる。
本発明の吸着フィルムの前記吸着層の反対側の基材フィルム面には、耐スクラッチ性、紫外線遮断性、電磁波遮断性、導電性、消臭性、脱臭性、抗菌性、親水性、防曇性、撥水性、熱伝導性等を有する機能層を更に設けることが出来る。
以下、実施例と比較例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、各実施例中の「部」は特に断ることのない限り重量部を示したものである。
(実施例1〜6、比較例1〜5)
プラズマ処理された厚み75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、下記アンカー層塗工液をグラビアコーターで塗工、乾燥して、厚み2.0μmのアンカー層を形成した。
(アンカー層塗工液)
アクリルポリオール樹脂 20部
(東レファインケミカル製、コータックスLH455、固形分:50%)
ポリチオフェン 27部
(信越ポリマー製、セプルジーダOC−SC100、固形分:3%)
MEK 40部
トルエン 13部
(実施例1〜6、比較例1〜5)
前記のアンカー層の上に、表1の成分を、表中の塗布厚みの吸着層を設けた後、オーブンにて150℃、100秒で架橋させて本発明の吸着フィルムを作製した。
Figure 0006364660
各実施例、比較例の評価結果を表1に、各評価方法を下記に示す。
(評価方法)
(ゴム硬度)
直径が60mmのアルミ製カップに、表1の実施例、比較例の吸着層用塗工液を、所定量流し込み、ギヤオーブンにて150℃、100秒で架橋させて、厚さ約10mmのゴム硬度測定用の試験片を作製した。ついで、アスカーFP硬度計、またはアスカーCSC2硬度計(ともに高分子計器株式会社製)を用いて、前記硬度計の測定部に試験片を挟み込み、各サンプルのゴム硬度を測定した。
(ゲル分率)
吸着層のゲル分率の測定は、まず、上記作製した吸着フィルムを50mm×50mmの大きさにカットし、その試験片に積層されている吸着層の重量を測定する(その重量をG1とする)。次に、その試験片を50mlのトルエンに浸漬した後、25℃で1日放置する。続いて、試験片及びトルエン溶液を濾過した残渣を105℃で2時間乾燥させ、試験片に積層された吸着層の乾燥後の重量、及びトルエン溶液を濾過した残渣の乾燥後の重量を測定する(その合算重量をG2とする)。ゲル分率=(G2/G1)×100により算出した。
(リワーク性)
上記作成した吸着フィルムを25mm幅にカットし、前記吸着フィルムの吸着層を厚み2mmのソーダ石灰ガラス板に2Kgのローラーを1往復させる方式で圧着し、圧着後室温で約24時間放置した。次に、引っ張り試験機を用いて、180°の剥離角度、剥離速度:1200mm/minで剥離し、吸着フィルムのアクリル板剥離力(mN/25mm)を測定した。
リワーク性の評価基準
◎:アクリル板剥離力が25mN/25mm以上、150mN/25mm未満
○:アクリル板剥離力が150mN/25mm以上、400mN/25mm未満
×:アクリル板剥離力が25mN/25mm未満、400mN/25mm以上
(気泡吸収性)
上記作成した吸着フィルムを50mm×50mmにカットし、直径4mmのガラスビーズを間に挟み込んで厚み2mmのアクリル板に貼着した。次に前記吸着フィルムを前記アクリル板から剥離して前記ガラスビーズを取り除き、前記吸着フィルムを前記アクリル板に再び貼着して、直径4mmの気泡を巻込んだ積層体を作成した。前記積層体の直径4mmの気泡を、指を用いて1.8〜2.0kgの荷重で10秒押し、気泡の有無を確認した。
評価基準
◎:気泡が全くない
○:気泡が殆どなし
×:気泡が消失せず、残っている

Claims (1)

  1. 基材フィルムの少なくとも片面に、シリコーン樹脂を主成分とする吸着層を積層した吸着フィルムにおいて、前記吸着層が、1分子中に2個以上のアルケニル基を有するジオルガノポリシロキサンと、オルガノハイドロジェンシロキサン−オルガノシロキサンコポリマーからなるシリコーン組成物を、付加反応により硬化してなるものであり、前記1分子中に2個以上のアルケニル基を有するジオルガノポリシロキサンの重量平均分子量は540,000であり、前記吸着層のアスカーFP硬度が40以上又は、アスカーCSC2硬度が5以下であり、かつ前記吸着層のゲル分率が60%以上、80%以下であり、かつ前記吸着層の厚みが10〜40μmであることを特徴とする吸着フィルム。
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