JP5061308B2 - 密着シート - Google Patents

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Description

本発明は、物品を固定するための密着シートに関する。特に半導体装置の製造工程において、ウエハの裏面研削時のウエハ表面の回路パターン保護や、ウエハのダイシング(切断)時のウエハの固定等に使用される密着シートに関する。プリンターヘッドや、ガラス/エポキシ基板、ガラス、セラミックス等の硬質で脆い材料を小さなチップに切断するには、これらを硬質材料上に固定して切断が行なわれる。この時に、被切断物を硬質材料上に固定するために使用される密着シートに関する。
IC、LSI等の半導体装置の製造工程においては、回路パターン形成後のウエハは、通常、その厚さを薄くするため、研削、エッチング等の処理が施される。更に、上記処理後のウエハはダイシングされてチップとなる。これらの工程では、通常種々の目的で粘着シートが使用される。即ち、研削等の際には、ウエハ表面の回路パターンを保護する目的で回路パターン面に粘着シートを貼着する。また、ダイシングの際には、ウエハ切断時にウエハを固定し、形成されるチップの飛散を防止する目的で、当該ウエハを粘着シートに貼着させて保持する。
この粘着シートにおける粘着剤層の性能は、使用中にはウエハを充分に固定するために粘着力が強く、使用後にはウエハ(チップ)をシートから容易に剥離させるために粘着力が弱くなることが必要である。このため、近年、前記粘着シートとして、基材上に放射線の照射により重合反応を生じて硬化する粘着剤層が積層された放射線硬化性粘着シートが使用されている。
前記放射線硬化性粘着シートは、通常、以下の如く使用される。即ち、まずウエハ等の加工される物品に当該シートを貼着し、この状態で物品に対して研削、ダイシング等の加工を施す。次いで、前記粘着シートに対して放射線を照射することによって、基材上の粘着剤層を硬化させて粘着性を失わせ、前記粘着シート上より加工後の物品を剥離する。
このように、前記放射線硬化性粘着シートにおいて、その粘着剤層は放射線照射し硬化させた後では表面の粘着性が殆ど失われるように設計されている一方、放射線照射前では被着体に対する粘着性が非常に高くなるように設計されている。従って、当該粘着シートでは、その使用前後において所望の強さの粘着力が夫々達成されている。
しかしながら、前記放射線硬化性粘着テープでは、放射線の照射前の粘着剤層表面において、高い粘着性に起因してべたつきが生じている。このため、誤って前記粘着シートを目的の被着体以外の物体に付着させてしまった場合、放射線の照射を行わずに剥ぎ取ろうとすると、前記物体に粘着剤物質の糊残りが起こる。特に、前記粘着シートを被着体である半導体ウエハ、セラミックス等に貼着する場合、当該粘着シートにおける粘着剤層の表面積は上記被着体の被着部分の面積に対してかなり大きいため、シート貼着に使用される治具、例えば、シートホルダ、被着体設置台、シート貼着用のゴムローラ、これらの自動化装置等の一部に前記粘着シートが貼着し、この部分に糊残りが生ずることがある。通常、このような糊残りによって被着体が汚染されないように、前記シート貼着用治具、装置の設計は配慮されている。しかし、例えば、この糊残り部分に前記粘着テープが再度付着した場合、該粘着シートは強固に貼着してしまうため、連続した粘着シートの貼着作業は次第に困難になる。
この他、上述したような不要な貼着が発生した部分を剥離しようとすると、目的の被着体より粘着シートの一部が剥れたり、また粘着シートに伸び等の歪みを与えたりすることがあるため、該粘着シートの目的が充分に達成されなくなる。また、前記放射線硬化性粘着シートは、光を照射して硬化させたときに強い臭気を発生し、作業者に不快な気持ちを抱かせたり、健康衛生の面でも決して好ましいものとはいえなかった。
近年、ICカードの普及が進み、さらなる薄型化が望まれている。このため、従来は厚さが350μm程度であった半導体チップを、厚さ50〜100μmあるいはそれ以下まで薄くする必要が生じている。従来、半導体チップを製造する工程で、用いられる粘着シートの基材は、軟質基材が用いられていた。しかし、軟質基材を用いた粘着シートでは、貼付時にかける張力が残留応力として蓄積してしまう。ウエハが大口径の場合や極薄に研削すると、ウエハの強度よりも粘着シートの残留応力が優り、この残留応力を解消しようとする力によってウエハに反りが発生してしまっていた。また研削後にはウエハが脆いため、軟質基材では搬送時にウエハを破壊してしまうことがあった。このため、ガラス板あるいはアクリル板等の硬質材料に両面粘着シートを介してウエハを固定し、これを研削する方法が検討されている。
また、プリンターヘッドや、ガラス/エポキシ基板、ガラス、セラミックス等の硬質で脆い材料を小さなチップに切断するには、これらを硬質材料上に固定して切断が行なわれる。この際、被切断物を硬質材料上に固定するためには、両面粘着シートが用いられている。しかし、従来の両面粘着シートで硬質材料同士を貼り合わせた物体を剥離することは極めて困難であり、ウエハなどの脆い材料を使用した場合には、破壊を免れることは不可能であった。
このため、半導体ウエハや、上記した各種の被切断物を、硬質材料上に固定するのに好適な両面粘着シートまたは密着シートの出現が要望されている。また半導体ウエハの加工時には、裏面研削においては表面保護シート、ダイシングにおいてはウエハを固定するための粘着シートがそれぞれ必要であり、工程管理上煩雑であった。しかもウエハは脆いため、このような工程間の搬送時に破損することがある。
したがって、このようなウエハの裏面研削、ダイシングおよび搬送の一連の工程を同一形態で行え、工程管理が容易であり、しかも破損防止が可能なプロセスの出現が要望されている。
特許文献1には、これらの問題を解決するために基材の両面にシリコーン層を設けた両面密着シートが提供された。しかし、被着体の表面が平滑であれば、良く密着して固定することができたが、表面が荒れたものであると密着力が失われ固定することができないものであった。例えば、ウエハの片面には半導体等が多数設置されその面は、凹凸となり表面平均粗さRaは、ガラス面等の平滑さに比べ高い値となっている。この表面平均粗さが高いウエハになるにつれ、特許文献1の両面密着シートでは、固定できにくくなった。
特開2004−26950号公報
本発明は、上記の問題点を解決するもので、半導体の製造工程で被着体以外に対する不要な粘着が防止され、被着体の貼着および貼着後の作業性を向上させ、光照射による粘着層の硬化時に発生する臭気の問題がない密着シートを提供するものである。さらに、薄膜のウエハやセラミックス等の被切断物を硬質材料上に固定し、精度良く効率的に加工することができる密着シートを提供するものである。密着シートは、ウエハの裏面研削とダイシングを同一形態で行うことが可能なプロセスに好適に使用することを可能とするものである。本発明の密着シートは、被着体の表面が粗くなったものであって、従来の密着シートでは、固定できないものでも固定することのできる密着シートであり、ウエハはもとよりウエハ以外の物品を固定することのできる密着シートである。
発明は、基材の少なくとも片面に密着層を設けた密着シートにおいて、前記密着層がアスカーFP硬度25以上でアスカーCSC2硬度で80以下であり、厚みが10〜100μmであり、かつ下記の要件を満足する密着シートである。
A:前記密着層が、両末端にのみビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンと、両末端及び側鎖にビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンと、末端にのみビニル基を有する分岐状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンと、末端及び側鎖にビニル基を有する分岐状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンとから選ばれる少なくとも1種のシリコーンを架橋させてなるものである。
B:前記シリコーンの数平均分子量が、25,000〜100,000である。
本発明の密着シートを半導体の製造工程で、使用すると被着体以外に対する不要な粘着が防止され、被着体の貼着および貼着後の作業性を向上させ、光照射による粘着層の硬化時に発生する臭気の問題がない密着シートを提供するものである。さらに、薄膜のウエハやセラミックス等の被切断物を硬質材料上に固定し、精度良く効率的に加工することができる密着シートを提供するものである。しかも、本発明の密着シートは、ウエハの裏面研削とダイシングを同一形態で行うことが可能なプロセスに好適に使用することを可能とするものである。
また、被着体の表面が荒れているため従来の密着シートでは、固定できないものであったが、本発明の密着シートによれば固定できるものである。
本発明でいう密着シートとは、密着シートの密着層面と表面がフラットな被着体とを貼り合わせたものを、貼り合わせた面と平行に密着シートをずらす力(以下剪断力と呼ぶ)は、高い値であるにもかかわらず、密着シートを被着体から剥がす時の力は(以下剥離力と呼ぶ)10mN/12.7mm未満でほとんど0に近いものを指す。従って、一般に呼ばれる弱粘着シート、のように、被着体に対して剪断力が高いと同時に剥離力も僅かにある(具体的には、100mN/12.7mm以上の剥離力をもつ)弱粘着シートとは異なるもの物性を持つものである。
本発明の密着シートは、基材の少なくとも片面に、密着剤から構成される密着層が積層されたものである。密着剤の主成分としては、シリコーン、ポリウレタン、ポリノルボーネンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン等が使用できる。
さらに密着層はアスカーFP硬度25〜100または、アスカーCSC2硬度で0〜80のものである。前記範囲未満であると柔らかすぎて被着体から剥離すると密着層が一部残ってしまう。前記範囲を超えると硬く過ぎて被着体に固定できなくなてしまう。さらに好ましい密着層の硬度は、アスカーFP硬度40〜100または、アスカーCSC2硬度で0〜20のものである。
密着層の硬度を調整するために、主成分の材料によっては可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、パラフイン系、ナフテン系、アロマ系の鉱物油、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン等の合成油、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート等のエステル系可塑剤等が挙げられる。可塑剤の添加量は、密着層の主成分100重量部当り10〜300重量部、さらに好ましくは20〜150重量部である。可塑剤の量がこの範囲よりも少ない場合は硬度の低下が得られず、またこの範囲を越えると、密着層から可塑剤がにじみだすおそれがある。
密着層の強度を改善して永久ひずみを防ぐために、密着層に充填剤を配合させてもよい。充填剤としては、カーボンブラック、炭酸カルシウム、シリカ、水酸化マグシウム、水和アルミナ等が挙げられる。
一般に硬度計は10〜90ポイント間を指示している時、最も有意差が出るとされているので、例えばアスカー硬度FP(アスカーFP型硬度計使用)で90〜100ポイントを示す場合は、FP型より硬い材料を測定するアスカーCSC2型硬度計で測定するのが好ましい。また逆に、アスカーCSC2硬度(アスカーCSC2硬度計使用)で0〜10ポイントを示す場合は、アスカーFP型硬度計で測定するのが好ましい。
本発明の密着シートの密着層の硬さは、一般のゴム硬度計アスカーC型(JIS K 7312に準拠)では測定できない超軟質組成である。特許文献1の実施例の両面密着シートの密着層は、アスカーC型硬度計で測定できるが、本発明で規定するアスカーFP型、CSC2型硬度計では100ポイントとなり測定できない硬いものである。
よって、被着体の表面が平滑であれば、特許文献1の両面密着シートで物品を固定できるが、表面が凹凸に荒れるにしたがって、固定できなくなってくる。本発明の密着シートは、特許文献1の両面密着シートが被着体の表面が荒れて固定できないものでも、固定することができるものである。
密着層の主成分は、耐熱性、耐溶剤性、耐候性等を求める場合はシリコーンを使用するとよい。シリコーンとしては、たとえば、付加重合型のシリコーン重合体を使用することができる。付加重合型シリコーン樹脂は白金触媒により重合するものを挙げることができる。本発明の目的にかなう密着層の性状としては、ゲルのような柔軟性を持っていて被着体の表面の凸凹に対しても密着層の面が凸凹に沿うことがもとめられる。さらに剥離の際には、小さい剥離力で、容易に剥離できることが求められる。
このような性状のシリコーンとして、両末端にのみビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンと、両末端及び側鎖にビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンと、末端にのみビニル基を有する分岐ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンと、末端及び側鎖にビニル基を有する分岐ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンとから選ばれる少なくとも1種のシリコーンを架橋させてなるものを用いると良い。
これらのシリコーンの1形態としては、両末端にのみビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンとは下記一般式(化1)で表せられる化合物である。
Figure 0005061308

(式中Rは下記有機基、nは整数を表す)
Figure 0005061308
(式中Rは下記有機基、m、nは整数を表す)
このビニル基以外のケイ素原子に結合した有機基(R)は異種でも同種でもよいが、具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基、フェニル基、トリル基、などのアリール基、又はこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換した同種又は異種の非置換又は置換の脂肪族不飽和基を除く1価炭化水素基で好ましくはその少なくとも50モル%がメチル基であるものなどが挙げられるが、このジオルガノポリシロキサンは単独でも2種以上の混合物であってもよい。
両末端および側鎖にビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンは、上記一般式(化1)中のRの一部がビニル基である化合物である。末端にのみビニル基を有する分岐ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンは上記一般式(化2)で表せられる化合物である。末端及び側鎖にビニル基を有する分岐ポリオルガノシロキサンからなるシリコーン上記一般式(化2)中のRの一部がビニル基である化合物である。
ここで架橋反応に用いる架橋剤は公知のものでよい。架橋剤の例として、オルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。オルガノハイドロジェンポリシロキサンは1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するものであるが、実用上からは分子中に2個の≡SiH結合を有するものをその全量の50重量%までとし、残余を分子中に少なくとも3個の≡SiH結合を含むものとすることがよい。
架橋反応に用いる白金系触媒は公知のものでよく、これには塩化第一白金酸、塩化第二白金酸などの塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール化合物、アルデヒド化合物あるいは塩化白金酸と各種オレフィンとの鎖塩などがあげられる。架橋反応したシリコーンは、シリコーンゲルのような柔軟性を持ったものとなり、この柔軟性が被着体との密着を容易にさせる。
シリコーンの市販品の形状は、無溶剤型、溶剤型、エマルション型があるが、いずれの型も使用できる。中でも、無溶剤型は、溶剤を使用しないため、安全性、衛生性、大気汚染の面で非常に利点がある。又、密着層の塗布厚みは、1.1μmを超えることが必要であり、場合によっては、数ミリの厚みに設けることから、溶剤型シリコーンや、エマルション型シリコーンでは、塗工時の溶媒の乾燥に多大なエネルギーがかかり、不経済となるので、本発明に使用するシリコーンは、無溶剤型のシリコーンを用いるのがよい。
密着層の硬さの調整のための可塑剤の添加は、固定したい物品によっては僅かな可塑剤が滲み付くので無添加であることが求められる。密着層をシリコーンで形成する場合、シリコーンの中でも、数平均分子量が、25,000〜100,000のものを用いると可塑剤の添加をしないで、シリコーンのみで密着層が形成できる。前記範囲未満であると柔らかくなりすぎて永久変形が発生してくる。前記範囲を超えると硬くなりすぎてしまい第1発明の硬度の範囲より外れてしまう。より好ましいシリコーンの数平均分子量は、35,000〜80,000のものを使用する。
密着層は、基材の両面に形成してもよいし、片面のみであってもよい。片面のみに密着層を形成した密着シートをシリコーンウエハの固定に使用する場合、密着層のない基材の面と台座との固定は、面接する面を真空引きして固定して用いることができる。
密着層の表面の汚れや異物付着を防いだり、密着シートのハンドリングを向上させるために樹脂フィルム、紙等のセパレータを密着層面に貼り合わせることができる。
一般には密着層の厚みは、1.1〜3000μmの範囲が好ましい。好ましくは、10〜50μmであるとよい。密着層の厚みが、1.1μm未満であると、被着体に密着しにくくなり、被着体に対する密着シートの密着面方向の剪断力が1.0N/cm未満となり、長期貼りつけ時には、密着シートが剥がれる可能性が出てくる。密着層の厚みが、3000μmを超えると、密着層の材料の使用量が多くなり不経済となる。
基材の表面に密着層との密着性を向上させるため、コロナ放電処理、プラズマ処理、ブラスト処理、ケミカルエッチング処理、プライマー層塗工等を施してもよい。密着層塗工液の塗工方法としては、3本オフセットグラビアコーターや5本ロールコーターに代表される多段ロールコーター、ダイレクトグラビアコーター、バーコーター、エアナイフコーター等が適宜使用される。
同じ材質の被着体であっても、被着体の表面粗さによっては、密着層の厚みを変える必要がある。すなわち、被着体の表面粗さがガラス、アクリル樹脂板のような鏡面状態(JIS−0601−1994に基づいて測定した表面平均粗さRaが0.01μm以下)にあるものについては、密着層の厚みは、小さくても被着体とよく密着し、密着層としての前記機能を発揮するが、被着体の表面粗さが鏡面状態にないもの例えば前記JISに基づいて測定した表面平均粗さRaが0.1〜0.2μm程度の場合については、密着層の厚みの下限値は、前記鏡面状態の被着体に要する密着層の厚みの下限値よりは、高くする必要がある。
基材の両面に密着層を設けて両面密着シートとしてもよい。密着層の材質は、同じでもよいし異なったものでもよい。密着層の各々の厚みは、前記の説明のように、2つの密着層に面するそれぞれの被着体の表面粗さによって設定すればよいもので、同じ厚みであってもよいし、異なる厚みであっても良い。
本発明に係る基材は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニルなどからなる1層または多層構造のフィルムを使用することができる。基材の厚みは、通常5〜300μmであり、好ましくは10〜200μmである。
基材の表面に密着層との密着性を向上させるため、コロナ放電処理、プラズマ処理、ブラスト処理、ケミカルエッチング処理、プライマー層塗工等を施してもよい。
本発明に係るシリコーンの塗工方法としては、3本オフセットグラビアコーターや5本ロールコーターに代表される多段ロールコーター、ダイレクトグラビアコーター、バーコーター、エアナイフコーター等が適宜使用される。
本発明の密着シートを半導体ウエハ製造工程のウエハの半導体設置面と密着層面を密着させて、密着シートの基材と台座を真空引きして密着させると、ウエハ面と密着層面とは、強い密着力が働く。密着シートと被着体とを密着面に平行にずらす剪断力は、1.0N/cm以上あるため、ウエハの裏面の研削加工時には、ウエハは外れることはない。またウエハのダイシング工程においても、同様に密着シートを介して加工すれば、ウエハの密着シートからの剥離等による欠けやずれのよる形状不良が発生しない。
前記加工後、切断形成されたチップは、密着シートの基材側よりニードルで突き上げてピックアップし、ダイパット上に固定させるが、本発明の密着シートは、ウエハと密着シートとの剥離力(JIS K 6854に準拠)が10mN/12.7mm以下の極小値のためチップの破損がなくピックアップすることが出来る。
また、本発明の密着シートは、従来の放射線硬化性粘着シートのように放射線照射時に強い臭気を発生することのないもので、衛生管理上好ましいものである。
ウエハを厚さ50〜100μmあるいはそれ以下まで薄く加工する場合、従来の粘着シートでは、粘着剤層は、柔らかいためウエハを粘着剤層面とのずれはないものの、ウエハの加工時に粘着剤層が僅かに粘着面と平行に動くことによる加工精度が下がる問題が発生する可能性があったが、本発明の密着シートの密着層は、シリコーンが架橋されたもので、粘着剤層にくらべ硬い層で、上記の問題が発生することはない。
ウエハの研削工程で使用する密着シートと、ダイシング工程で使用する密着シートは、連続の工程のなかで、同一のものを引き続いて使用してもよいし、別々に用意して使用しても良い。これは、製造工程の内容の違いによって、任意に選択される。
プリンターヘッドや、ガラス/エポキシ基板、ガラス、セラミックス等の硬質で脆い材料を小さなチップに切断するには、これらを厚さ0.1〜1.0mm程度のガラス板あるいはアクリル板等の硬質材料上に固定して切断が行なわれる。この際、被切断物を硬質材料上に固定するためには、本発明の両面密着シートを用いることにより、切断を、正確に行うことができ、切断後の切断物は、簡単な操作により、容易に剥離することが出来る。
以上で記載した物性値の測定方法は、下記の通りである。
(1)数平均分子量
Waters社製GPC測定機(型番:Waters410)を使用してポリスチレン換算法で求めた。
(2)表面粗さ
表面平均粗さ(Ra)表面最大粗さ(Ry)は、JIS−B0601−1994に基づき、表面粗さ測定器(株式会社小坂研究所製サーフコーダーSE3500)を用いて測定した。測定器の触針の半径は、2.0μm、荷重は0.3mN、カットOFF値は2.5mm、測定長さは12.5mm、送り速度0.5m/minである。
(3)剪断力の測定方法
密着シートサンプルを25mm×50mm角の大きさにカットする。ベアロンシボ板(モールドテック社製の樹脂成形品のシボ加工の見本サンプル板であり、番手毎に表面平均粗さが異なるサンプル板を複数使用する。)の表面に密着シートサンプルを置く。JIS K 0237で規定する2Kgのロールで、速度3m/minで1往復させて貼り付ける。密着シートの片端を1mm程度浮かしそこに25mm×100mmのサイズの厚紙を接して、接着テープを使って図1のように貼り付ける。厚紙の他方の端に棒テンションゲージを取り付ける。棒テンションゲージを図1に示す方向に25mm/minの速度で引っ張り最大値を読み取る。
50μmのPETフィルムの片面に表1の密着層塗工液を厚み24μmに塗布した後、オーブンにて150℃、100秒で架橋させて実施例1、2、比較例1の密着シートを作製した。
実施例3:実施例1の密着層塗工液を厚み100μmに塗布した他は、実施例1と同様にして密着シートを作成した。
実施例4:実施例2の密着層塗工液を厚み100μmに塗布した他は、実施例2と同様にして密着シートを作成した。
比較例2:比較例1の密着層塗工液を厚み100μmに塗布した他は、比較例1と同様にして密着シートを作成した。
表1 密着層塗工液 (重量部)
Figure 0005061308
評価方法
各密着シートの被着体への密着性を複数の番手のベアロンシボ板に密着させて、前記の剪断力の測定方法に基づいて測定する。
評価基準
○:剪断力が300g以上である。
×:剪断力が300g未満である。
評価結果は、表2の通りであった。Raが小さい被着体であれば、比較例1の密着シートでも剪断力が300g以上で実用範囲となる。しかし、Raが1.16μmのベアロンシボ板では、比較例1の密着シートの剪断力は300g未満の小さいものとなってしまう。実施例1、2の密着シートは、比較例の密着シートよりも被着体のRaが大きいものであっても300g以上の剪断力で高いものとなる。
表2
Figure 0005061308
剪断力の測定方法の模式図
符号の説明
1:密着シート
2:基材
3:密着層
4:ベアロンシボ板
5:測定台
6:接着テープ
7:厚紙
8:棒テンションゲージ

Claims (1)

  1. 基材の少なくとも片面に密着層を設けた密着シートにおいて、前記密着層がアスカーFP硬度25以上でアスカーCSC2硬度で80以下であり、厚みが10〜100μmであり、かつ下記の要件を満足することを特徴とする密着シート。
    A:前記密着層が、両末端にのみビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンと、両末端及び側鎖にビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンと、末端にのみビニル基を有する分岐状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンと、末端及び側鎖にビニル基を有する分岐状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンとから選ばれる少なくとも1種のシリコーンを架橋させてなるものである。
    B:前記シリコーンの数平均分子量が、25,000〜100,000である。
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