以下、本発明に係る画像形成システムを図面に則して更に詳しく説明する。ここでは、本発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載される構成部品の機能、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
1.画像形成装置の全体的な構成及び動作
まず、本実施例における画像形成装置の全体的な構成及び画像形成プロセスについて説明する。図1は、本実施例の画像形成装置100の断面図である。図2は、本実施例におけるプロセスカートリッジ(以下、単に「カートリッジ」ともいう。)Bの断面図である。カートリッジBは、画像形成装置100の装置本体Aに対して着脱可能である。ここで、画像形成装置100の装置本体Aとは、画像形成装置100からカートリッジBを除いた部分である。
なお、カートリッジ及びその要素について、後述する感光体ドラムの回転軸線方向(図1の紙面に垂直な方向)を長手方向とする。また、この長手方向において、画像形成装置100の装置本体Aから感光体ドラムが駆動力を受ける側の端部側を駆動側(図1の紙面奥側)とし、その反対側を非駆動側(図1の紙面手前側)とする。
本実施例では、画像形成装置100は、カートリッジBを装置本体Aに着脱自在とした、電子写真技術を利用したレーザビームプリンタである。カートリッジBが装置本体Aに装着されたとき、カートリッジBの上側に、露光手段としての露光装置(レーザスキャナユニット)3が配置される。また、カートリッジBが装置本体Aに装着されたとき、カートリッジBの下側に、画像形成対象となる記録媒体(シート材)Pを収容したトレイ4が配置される。さらに、装置本体Aには、記録媒体Pの搬送方向Dに沿って、ピックアップローラ5a、給送ローラ対5b、搬送ローラ対5c、転写ガイド6、転写ローラ7、搬送ガイド8、定着装置9、排出ローラ対10、排出トレイ11などが順次配置されている。なお、定着装置9は、加熱ローラ9a及び加圧ローラ9bを有して構成される。
画像形成装置100の画像形成プロセスの概略を説明すると、次のとおりである。まず、プリントスタート信号に基づいて、像担持体としてのドラム型(円筒形)の電子写真感光体(感光体)である感光体ドラム(以下、単に「ドラム」ともいう。)62が、図中矢印R方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。回転するドラム62の外周面は、ドラム62の外周面に接触して配置され帯電バイアス電圧が印加された帯電手段としての帯電ローラ66によって、一様(均一)に帯電させられる。そして、露光装置3から、画像情報に応じたレーザ光Lが出力される。このレーザ光Lは、カートリッジBの上面の露光窓部74を通ってドラム62の外周面に照射され、ドラム62の外周面はこのレーザ光Lによって走査露光される。これにより、ドラム62の外周面に、画像情報に対応した静電潜像(静電像)が形成される。
一方、図2に示すように、現像手段としての現像ユニット(現像装置)20において、現像剤としてのトナーTは、トナー室29内に収容され、搬送部材43の回転によって撹拌されると共に搬送されて、トナー供給室28に送り出される。トナーTは、磁界発生手段としてのマグネットローラ34(固定磁石)の磁力により、現像剤担持体としての現像ローラ32の表面に担持される。トナーTは、現像ローラ32の外周面に当接して配置された現像剤規制手段としての現像ブレード42によって、摩擦帯電されつつその層厚が規制されて、現像ローラ32の外周面に担持される。このトナーTは、現像ローラ32とドラム62との対向部(現像位置)において、ドラム62上の静電潜像に応じてドラム62へ転移され、これによりドラム62上の静電潜像はトナー像として現像(可視像化)される。このとき、現像ローラ32には、現像バイアス電圧が印加される。
また、図1に示すように、レーザ光Lの出力タイミングとあわせて、ピックアップローラ5a、給送ローラ対5b、搬送ローラ対5cによって、装置本体Aの下部に収納された記録媒体Pが、トレイ4から図中矢印D方向へ給送される。そして、この記録媒体Pが、転写ガイド6を経由して、ドラム62と転写手段としての転写ローラ7との間の転写位置へ供給される。この転写位置において、トナー像はドラム62から記録媒体Pに順次転写されていく。このとき、転写ローラ7には、転写バイアス電圧が印加される。
トナー像が転写された記録媒体Pは、ドラム62から分離されて、搬送ガイド8に沿って定着装置9に搬送される。そして、記録媒体Pは、定着装置9を構成する加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとのニップ部を通過する。このニップ部で加圧・加熱定着処理が行われて、トナー像は記録媒体Pに定着される。トナー像の定着処理を受けた記録媒体Pは、排出ローラ対10まで搬送され、その後排出トレイ11に排出される。
一方、図2に示すように、転写後のドラム62の外周面上に残った残留トナーは、ドラム62に当接して配置されたクリーニング手段としてのクリーニングブレード77によって除去される。そして、ドラム62は、再び、画像形成プロセスに使用される。ドラム62から除去されたトナーは、廃トナー室71bに貯蔵される。
本実施例において、帯電ローラ66、現像ローラ32、クリーニングブレード77が、ドラム62に作用するプロセス手段である。
2.カートリッジの着脱
次に、装置本体Aに対するカートリッジBの着脱について説明する。図3は、カートリッジBを着脱するために開閉扉13を開いた装置本体Aと、装置本体Aに装着されるカートリッジBの斜視図である。
装置本体Aには、内部を開放可能な開閉扉13が回動可能に取り付けられている。この開閉扉13を開くと、装置本体A内には装着手段としてのガイドレール12が設けられており、カートリッジBはガイドレール12に沿って装置本体A内の所定の位置に装着される。そして、装置本体Aに設けられた駆動手段としてのモータ(図示せず)により駆動される駆動出力部としての駆動軸14が、カートリッジBに設けられた駆動入力部としての駆動力受け部63a(図5)と係合する。これにより、駆動力受け部63aと結合されているドラム62が、装置本体Aから駆動力を受けて回転する。さらに、カートリッジBが装置本体A内の所定の位置に装着された状態で、帯電ローラ66、現像ローラ32は、装置本体Aの給電部(図示せず)より給電される。
3.カートリッジの全体構成
次に、カートリッジBの全体構成について説明する。図4は、カートリッジBの分解斜視図である。
カートリッジBは、感光体ユニット60と、現像ユニット20と、を合体して構成される。感光体ユニット60は、クリーニング枠体71、ドラム62、帯電ローラ66及びクリーニングブレード77などからなる。クリーニング枠体71は、廃トナー室71b(図2)を形成する。一方、現像ユニット20は、底部材22、現像容器23、第1(非駆動側)サイド部材26L、第2(駆動側)サイド部材26R、現像ブレード42、現像ローラ32、マグネットローラ34、搬送部材43、トナーT及び付勢部材46などからなる。底部材22と現像容器23とからなる現像枠体24は、現像剤収納部としてのトナー室29及びトナー供給室28(図2)を形成する。これら感光体ユニット60と現像ユニット20とを、結合部材75によって互いに回動可能に結合することによって、カートリッジBが構成される。
具体的には、現像ユニット20の長手方向の両端部の第1サイド部材26L、第2サイド部材26Rに形成されたアーム部26aL、26aRの先端部に、現像ローラ32の長手方向(回転軸線方向)と略平行な回動穴26bL、26bRが設けられている。なお、現像ローラ32の回転軸線方向は、ドラム62の回転軸線方向と略平行である。また、クリーニング枠体71の長手方向の両端部には、結合部材75を嵌入するための、ドラム62の長手方向(回転軸線方向)と略平行な嵌入穴71aL、71aRがそれぞれ形成されている。そして、アーム部26aL、26aRをクリーニング枠体71の所定の位置に合わせて、結合部材75を、一方の回動穴26bLと嵌入穴71aL、及び他方の回動穴26bRと嵌入穴71aRに挿入する。これにより、感光体ユニット60と現像ユニット20とが、結合部材75を回動中心として回動可能に結合される。現像ユニット20と感光体ユニット60とは、現像ローラ32とドラム62とが近づく方向又は離れる方向に回動可能とされる。このとき、アーム部26aL、26aRの根元に取り付けられた付勢部材46が、クリーニング枠体71に当接し、結合部材75を回動中心として現像ユニット20を感光体ユニット60に向けて付勢する。本実施例では、付勢部材46として圧縮コイルバネが用いられている。これにより、現像ローラ32は、ドラム62の方向へ確実に押し付けられる。
ここで、本実施例では、現像方式として、現像ローラ32の表面(外周面)とドラム62の表面(外周面)との間に微小な隙間が設けられる非接触現像方式を用いている。本実施例では、現像ローラ32は、その長手方向の両端部に取り付けられた間隔保持部材38(図6)を介してドラム62に当接し、ドラム62に向けて押し付けられる。これによって、現像ローラ32の外周面は、ドラム62の外周面に対し所定の間隔をもって保持される。このようにして現像ローラ32とドラム62との間の距離を適正に保つことにより、良好な画像を安定して出力できるようになっている。
4.感光体ユニット
次に、感光体ユニット60の構成について説明する。図5は、感光体ユニット60の分解斜視図である。
クリーニングブレード77は、板金からなる支持部材77aと、ウレタンゴムなどの弾性材料からなる弾性部材77bとからなる。クリーニングブレード77は、支持部材77aの長手方向の両端部が固定手段としてのビス91でクリーニング枠体71に固定されることで、クリーニング枠体71の所定の位置に配置される。クリーニングブレード77は、弾性部材77bがドラム62と当接し、ドラム62の外周面上から残留トナーを除去する。弾性部材77bによって除去されたトナーは、クリーニング枠体71の内部に形成された廃トナー室71b(図2)に貯蔵される。
第1シール部材82(図2)、第2シール部材83、第3シール部材84及び第4シール部材85は、クリーニング枠体71の所定の位置に、固定手段としての両面テープで固定される。第1シール部材82(図2)は、長手方向に渡ってクリーニングブレード77の支持部材77aと接して設けられ、クリーニングブレード77の支持部材77aとクリーニング枠体71との間から廃トナーが漏出するのを防ぐ。第2シール部材83及び第3シール部材84は、クリーニングブレード77の弾性部材77bの長手方向の両端部から廃トナーが漏出するのを防止しつつ、ドラム62上のトナーなどの付着物を拭き取る。第4シール部材85は、長手方向に渡ってドラム62に接して設けられ、クリーニングブレード77に対してドラム62の回転方向の上流側から廃トナーが漏出するのを防ぐ。
帯電入力電極部材81、帯電部材付勢部材68、帯電ローラ軸受67L、67Rは、クリーニング枠体71に取り付けられる。帯電ローラ66の軸部66aは、帯電ローラ軸受67L、67Rにはめ込まれる。帯電ローラ66は、帯電部材付勢部材68によって、ドラム62に向けて付勢されると共に、帯電ローラ軸受67L、67Rによって回転可能に支持される。そして、帯電ローラ66は、ドラム62の回転に伴って従動回転する。なお、帯電入力電極部材81、帯電部材付勢部材68、帯電ローラ軸受67L、軸部66aは導電性を有する。帯電入力電極部材81は、装置本体Aの給電部(図示せず)に接触する。そして、帯電入力電極部材81、帯電部材付勢部材68、帯電ローラ軸受67L及び軸部66aを給電経路として、帯電ローラ66に対する給電が行われる。
ドラム62と、ドラム62の長手方向の両端部にそれぞれ一体的に結合されたフランジ63、64とにより、感光体ドラムユニット(以下、単に「ドラムユニット」ともいう。)61が構成される。このフランジ63、64のドラム62に対する結合方法としては、カシメ、接着、溶着などを用いることができる。非駆動側のフランジ64には、アース接点など(図示せず)が結合されている。また、駆動側のフランジ63には、装置本体Aから駆動力を受ける駆動力受け部63aと、現像ローラ32に駆動を伝える駆動伝達部材としてのフランジギア部63bとが設けられている。
軸受部材76が、固定手段としてのビス90により、クリーニング枠体71の長手方向の駆動側の端部に一体的に固定される。また、ドラム軸78が、クリーニング枠体71の長手方向の非駆動側の端部に圧入されて固定される。なお、軸受部材76のクリーニング枠体71への固定手段は、ビスに限定されるものではない。そして、軸受部材76は、駆動側のフランジ63と回転可能に嵌合し、ドラム軸78は、非駆動側のフランジ64の穴64aと回転可能に嵌合する。これにより、ドラムユニット61は、クリーニング枠体71に回転可能に支持される。
保護部材79は、ドラム62の保護(遮光)及び露出が可能となるように、クリーニング枠体71に回動可能に支持される。保護部材付勢部材80は、保護部材79の駆動側の軸部79aRに取り付けられ、保護部材79をドラム62を保護する向き(図2における反時計回り)に付勢する。保護部材79の非駆動側の軸部79aLと駆動側の軸部79aRは、クリーニング枠体71の軸受部71cL、71cRに回動可能に嵌合される。
5.現像ユニット
次に、現像ユニット20の構成について説明する。図6は、現像ユニット20の分解斜視図である。
底部材22と現像容器23とからなる現像枠体24は、トナーTを収納するトナー室29及びトナー供給室28(図2)を形成する。底部材22と現像容器23とは、溶着などの固定手段により、一体的に結合される。
搬送部材43は、その長手方向の非駆動側の端部が現像容器23に支持され、その長手方向の駆動側の端部が現像容器23に取り付けられた搬送ギア50によって支持される。これにより、搬送部材43は、トナー室29内で、搬送ギア50を介して伝達される駆動力により回転する。
トナーシール部材45は、現像容器23に熱溶着されており、トナー室29とトナー供給室28とを仕切る。これにより、カートリッジBの輸送中にトナー室29からトナーTが漏出するのを防止する。使用者がトナーシール部材45を開封することによって、トナーTがトナー供給室28へ供給される。
第1シール部材55、第2シール部材56、及び第3シール部材57は、現像容器23の所定の位置に設けられる。第4シール部材58は、現像容器23と底部材22とが結合された後に、底部材22の所定の位置に設けられる。さらに、第5シール部材59は、現像容器23に配置される。第1シール部材55は、現像ブレード42の弾性部材42bの長手方向の両端部からトナーTが漏出するのを防ぐ。第2シール部材56は、現像ローラ32の長手方向の両端部からトナーTが漏出するのを防ぐ。第3シール部材57は、長手方向に渡って現像ブレード42の支持部材42aに接して設けられ、現像ブレード42の支持部材42aと現像容器23との間からトナーTが漏出するのを防ぐ。第4シール部材58は、長手方向に渡って現像ローラ32に接して設けられ、現像ローラ32の下側からトナーTが漏出するのを防ぐ。第5シール部材59は、トナーシール部材45が開封されて現像ユニット20の外に取り出し開口(図示せず)から取り出される際に、トナーシール部材45の表面に付着したトナーTを拭き取ると同時に、取り出し開口と密着してトナーTが漏出するのを防ぐ。
現像ブレード42は、板金からなる支持部材42aと、ウレタンゴムなどの弾性材料からなる弾性部材42bとで構成される。現像ブレード42は、清掃部材47と共に、支持部材42aの両端部が固定手段としてのビス93で現像容器23に固定されることで、現像容器23の所定の位置に配置される。弾性部材42bは、現像ローラ32と当接し、現像ローラ32の外周面のトナー量を規定すると共に、現像ローラ32の外周面のトナーに摩擦帯電電荷を付与する。清掃部材47は、現像ローラ32の長手方向の両端部の表面と当接して、トナーなどの付着物を清掃する。
現像ローラ32、マグネットローラ34、フランジ35、間隔保持部材38、軸受部材37及び現像ローラギア39などによって、現像ローラユニット31が構成される。現像ローラ32の長手方向の非駆動側の端部からマグネットローラ34が現像ローラ32の内部に挿入され、その端部にはフランジ35が圧入されて固定される。フランジ35には、導電性のフランジ電極部材(図示せず)が組み込まれており、このフランジ電極部材は、現像ローラ32及び導電性の現像入力電極部材27に接触する。現像入力電極部材27は、第1サイド部材26Lに固定される。現像入力電極部材27は、装置本体Aの給電部(不図示)に接触する。そして、現像入力電極部材27及びフランジ電極部材(図示せず)を給電経路として、現像ローラ32に対する給電が行われる。
間隔保持部材38は、現像ローラ32の長手方向の両端部に取り付けられる。現像ローラ32の長手方向の両端部において、間隔保持部材38の外側に、軸受部材37が配置される。また、現像ローラ32の長手方向の駆動側の端部においては、軸受部材37の外側に現像ローラギア39が組み込まれる。現像ローラ32は、その長手方向の両端部に配置された軸受部材37によって回転可能に支持される。
駆動伝達部材である第1ギア48と第2ギア49は、現像容器23に回転可能に取り付けられる。これにより、装置本体Aから受けた駆動力は、フランジギア部63b(図5)、現像ローラギア39、第1ギア48、第2ギア49及び搬送ギア50が順次噛み合い、回転することにより、現像ローラ32、搬送部材43へ伝達される。
第1サイド部材26L、第2サイド部材26Rは、現像容器23の長手方向の両端部に、それぞれ固定手段としてのビス92を用いて固定される。その際、現像ローラユニット31の軸受部材37は、第1サイド部材26L、第2サイド部材26Rによって保持される。
6.現像剤容量の異なる複数のカートリッジ
次に、現像剤収納部に収納される初期の現像剤量、すなわち、現像剤容量の異なる複数のカートリッジについて説明する。
図8(a)は、これまで説明したカートリッジ(以下「小容量カートリッジ」ともいう。)Bの断面を示し、図8(b)はこのカートリッジBとは現像剤容量の異なるカートリッジ(以下「大容量カートリッジ」ともいう。)Cの断面を示す。大容量カートリッジCは、小容量カートリッジBよりも初期の現像剤量が多い(すなわち、現像剤容量が大きい)。比較のため、小容量カートリッジBを示す図8(a)にも、大容量カートリッジCの外形線を二点鎖線で示している。また、図9は、付勢部材46の周囲の拡大斜視図である。図9(a)は小容量カートリッジB、図9(a)は大容量カートリッジCを示す。
現像剤容量の異なる小容量カートリッジBと大容量カートリッジCは、同じ装置本体Aに選択的に装着可能である。つまり、本実施例では、この現像剤容量の異なる小容量カートリッジBと大容量カートリッジCとが、一つの画像形成システムを構成している。ここで、装置本体Aが同じであるとは、同じ複数のカートリッジを選択的に装着可能なものであればよく、1個の装置本体Aの他、同一の設計の同一の製品、カートリッジを装着して動作させることに係る主要部の設計が同一の別の製品などを含む。
このように、画像形成システムは、画像形成装置100の装置本体Aに選択的に装着される複数のプロセスカートリッジを有して構成される。この複数のプロセスカートリッジの各々は、感光体ユニット60と、現像ユニット20と、現像ローラ32を電子写真感光体62に向けて付勢する付勢部材46と、を有している。感光体ユニット60は、電子写真感光体62を備えている。また、現像ユニット20は、電子写真感光体62に現像剤を供給する現像ローラ32、及び現像剤を収納する現像剤収納部28、29を備え、感光体ユニット60と結合される。そして、この画像形成システムは、現像剤収納部28、29に収納される初期の現像剤量が異なる複数のプロセスカートリッジが選択的に装置本体Aに装着されて画像形成を行うものである。
図8(b)に示す大容量カートリッジCは、図8(a)に示す小容量カートリッジBと比べて、トナー室29に収納される初期のトナーTの量が多い。そのため、大容量カートリッジCのトナーTが収容される現像容器23Cと底部材22Cとからなる現像枠体24Cは、小容量カートリッジBの現像枠体24よりも大きい。つまり、本実施例では、初期の現像剤量が多いプロセスカートリッジほど、現像剤収納部の容積が大きくなっている。これにより、初期の大容量カートリッジCの現像ユニット20Cの重量G2は、初期の小容量カートリッジBの現像ユニット20の重量G1よりも大きくなり、G2>G1の関係となる。
小容量カートリッジBの現像ユニット20、大容量カートリッジCの現像ユニット20Cは、それぞれ感光体ユニット60、60Cに対して結合部材75で回動可能に結合されている。そのため、小容量カートリッジB、大容量カートリッジCには、それぞれ結合部材75を中心として図8(a)、(b)中の矢印M方向に、現像ユニット20、20Cの重量G1、G2のモーメント力が作用する。そして、小容量カートリッジB、大容量カートリッジCにおける、現像ローラ32をドラム62に向けて加圧する加圧力は、それぞれF1、F2になる。したがって、現像ユニット20Cの重量G2がより大きい大容量カートリッジCにおける加圧力F2は、現像ユニット20の重量G1がより小さい小容量カートリッジBにおける加圧力F1よりも大きくなり、F2>F1の関係となる。
ここで、現像ローラ32の撓みについて説明する。図7は、現像ローラ32の撓みを説明するための現像ローラ32の周囲の模式的な断面図である。現像ローラ32の長手方向の両端部は、それぞれ軸受部材37で回転可能に支持されており、この両端部の軸受部材37の内側にそれぞれ間隔保持部材38が設けられている。現像ローラ32は、この間隔保持部材38を介してドラム62と当接する。この間隔保持部材38によって、現像ローラ32の表面とドラム62の表面との間隔が一定に保たれている。現像ローラ32をドラム62に向けて加圧する加圧力Fは、軸受部材37から現像ローラ32に与えられ、間隔保持部材38を介してFaとしてドラム62に与えられる。そして、現像ローラ32には、間隔保持部材38を介してFaの反力Fbが加わるため、FとFbの力が与えられる。そのため、コスト削減などの理由により、現像ローラ32が小径化されて、現像ローラ32の剛性が小さくなると、FとFbの力で図7中の二点鎖線で示す現像ローラ32aのように撓んでしまう場合がある。このように撓んでしまうと、現像ローラ32の表面とドラム62の表面との間隔を一定に保つことができなくなり、画像の濃度が変化してしまうことがある。
このように、現像剤容量の異なるカートリッジB、Cにおいて、初期の現像ユニット20、20Cの重量G1、G2の違いにより現像ローラ32をドラム62に向けて加圧する加圧力F1、F2が異なると、現像ローラ32の撓み量が変化してしまうことがある。これにより、初期の画質に差が出る場合がある。そのため、初期の画質に差が出ないように、現像ローラ32の径を太くし、剛性を強くして、現像ローラ32の撓み量を小さくするといった対策がとられることがあるが、これではコストが上がってしまうことがある。したがって、本実施例の目的は、初期の現像剤量の異なる複数のカートリッジにおいて、初期の画質に差が出ることを抑制することである。そのために、本実施例では、以下で詳しく説明するように、初期の現像剤量の異なる複数のカートリッジにおいて、現像ローラをドラムに向けて加圧する加圧力を同等にして、現像ローラの撓み量を揃える。
なお、現像ローラをドラムに向けて付勢するための付勢部材を備えたカートリッジにおいて、現像剤容量によって異なる付勢部材を用いて付勢力を変化させ、現像ユニットをドラムに向けて加圧する加圧力を同等にする方法が考えられる。しかし、その場合、カートリッジの現像剤容量によって異なる付勢部材を用いるため、付勢部材の種類が増えて、組立効率が悪くなってしまうことがある。したがって、本実施例の他の目的は、初期の現像剤量の異なる複数のカートリッジにおいて、同じ付勢部材を用いることができ、組立効率の向上などにより生産性を向上させることである。
そこで、本実施例では、小容量カートリッジBと大容量カートリッジCとで、付勢部材46の取り付け方を異ならせる。つまり、本実施例では、複数のプロセスカートリッジに対する付勢部材46の取り付け方を現像剤収納部28、29に収納される初期の現像剤量に応じてプロセスカートリッジごとに異ならせる。そして、付勢部材46が現像ローラ32を電子写真感光体62に向けて付勢する付勢力を、初期の現像剤量が多いプロセスカートリッジほど小さくする。これにより、小容量カートリッジB、大容量カートリッジCのそれぞれの付勢部材46の荷重P1、P2を調整して、小容量カートリッジB、大容量カートリッジCのそれぞれにおける現像ローラ32をドラム62に向けて加圧する加圧力F1、F2を同等にする。ここで、加圧力が同等であるとは、少なくともカートリッジの使用初期において、上述のような現像ローラの撓み量の違いによる画質の差が許容量以上に出ることがない程度に十分に近ければよい。加圧力が全く同一である場合のみならず、加圧力が異なっていてもその程度に十分に近い場合も含む。また、同様に、現像ローラの撓み量が揃っている(同等である)とは、画質の差が許容量以上に出ることがない程度に十分に近ければよく、全く同一である場合のみならず、異なっていてもその程度に十分に近い場合も含む。
本実施例では、第1、第2サイド部材26L、26Rにそれぞれ取り付けられる付勢部材46としては両方とも同じものを使用する。また、小容量カートリッジBと大容量カートリッジCとにおいても、付勢部材46としては同じものを使用する。組立時に数種類の付勢部材46があると、組付け時に間違ったサイド部材26L、26Rに組付けてしまう場合がある。これに対し、同じ付勢部材46を使用することで、このような組付けの間違いがなくなり、組立効率が向上する。ここで、付勢部材46が同じであるとは、所望の性能を達成できるように予め設定された同一の規格に合致していればよい。例えば、本実施例では、第1、第2サイド部材26L、26Rのいずれに取り付けても、また小容量カートリッジB、大容量カートリッジCのいずれに取り付けても、カートリッジや画像形成装置の所望の性能を達成できる程度に同一の規格に合致していればよい。また、本実施例では、第1、第2サイド部材26L、26Rとしては、小容量カートリッジBと大容量カートリッジCとで同じものを使用しているため、付勢部材46の取り付け位置は同じである。
本実施例では、図9に示すように、小容量カートリッジBに対する付勢部材46の取り付け方と、大容量カートリッジCに対する付勢部材46の取り付け方とが異なる。つまり、本実施例では、カートリッジB、Cのそれぞれにおける付勢部材46の取り付け方は、カートリッジB、Cによって付勢部材46の作動長X1、X2が異なるように設定されている。そのため、カートリッジB、Cによって、取り付けられた際の付勢部材46のそれぞれの荷重P1、P2が異なる。
より詳細には、本実施例では、付勢部材46は圧縮コイルバネであり、小容量カートリッジBにおける付勢部材46の作動長X1は、大容量カートリッジCにおける付勢部材46の作動長X2よりも短く設定され、X1<X2の関係となっている。このため、小容量カートリッジBにおける付勢部材46の荷重P1は、大容量カートリッジCにおける付勢部材46の荷重P2よりも大きくなり、P1>P2の関係となる。
本実施例では、小容量カートリッジBと大容量カートリッジCとにおける付勢部材46の作動長X1、X2を変化させるために、小容量カートリッジBと大容量カートリッジCとでクリーニング枠体71、71Cの形状を変える。特に、本実施例では、クリーニング枠体71、71Cにおける付勢部材46の荷重(付勢力)を受ける受け部71d、71Cdのリブ71e、71Ceの長さ(付勢部材46の作動方向における高さ)t1、t2を変えて、t1>t2の関係としている。これにより、付勢部材46の作動長X1、X2を決める、上記受け部71d、71Cdと、第1、第2サイド部材26L、26Rにおける付勢部材46の荷重(付勢力)を受ける支持部26c、26Ccとの間の距離を変えている。
このように付勢部材46の取り付け方を、小容量カートリッジBと大容量カートリッジCとで変えることで、小容量カートリッジBと大容量カートリッジCのそれぞれにおける付勢部材46の荷重P1、P2をコントロールしている。このとき、小容量カートリッジBと大容量カートリッジCのクリーニング枠体71、71Cの外形(より詳細には、付勢部材46の作動方向における現像ユニット20、20Cとは反対側の側部の外形)は変化させていない。つまり、図8(a)、(b)に示すように、小容量カートリッジBのクリーニング枠体71の外形線71hと、大容量カートリッジCのクリーニング枠体71Cの外形線71Chとは同じである。ただし、本実施例では、大容量カートリッジCは、小容量カートリッジBよりも、寿命までに使用されるトナーTの量が多いため、それに対応して大容量カートリッジCの廃トナー室71Cbは小容量カートリッジBの廃トナー室71bよりも大きい。
なお、本実施例では、各カートリッジB、Cにおけるドラム62の回転軸線方向の両端部に設けられる付勢部材46の作動長は略同一である。ここで、付勢部材の作動長が略同一である(略一致している)とは、完全に同一である場合の他、許容し得る範囲で近ければよい同等の付勢力を発生できる程度の誤差範囲で異なっている場合も含む。
更に説明すると、本実施例では、カートリッジB、Cにおける現像ローラ32をドラム62に向けて加圧する加圧力Fは、現像ユニット20、20Cの重量G1、G2と、付勢部材46の荷重P1、P2が支配的である。つまり、該加圧力Fは、現像ユニット20、20Cの重量成分FGと、付勢部材の荷重成分FPとを合わせたものである。現像ユニット20、20Cの重量G1、G2は、トナーTの量や現像枠体24の大きさで決まるため、付勢部材46の荷重P1、P2を変えることにより、該加圧力Fをコントロールすることが可能である。
したがって、小容量カートリッジBは、現像ユニット20の重量G1が小さいため、付勢部材46の作動長X1を小さくして、付勢部材46の荷重P1を大きくする。一方、大容量カートリッジCは、現像ユニット20Cの重量G2が大きいため、付勢部材46の作動長X2を大きくして、付勢部材の荷重P1を小さくする。これにより、現像ローラ32をドラム62に向けて加圧する加圧力F1、F2が同等となり、現像ローラ32の撓み量を揃えることが可能となる。つまり、小容量カートリッジBの現像ユニットの重量成分FG1と付勢部材46の荷重成分FP1とを合わせた加圧力F1が、大容量カートリッジCの現像ユニットの重量成分FG2と付勢部材46の荷重成分FP2とを合わせた加圧力F2と同等となる。式で表すと、F1、F2は、
F1=FG1+FP1・・・(1)
F2=FG2+FP2・・・(2)
となる。この場合に、
F1=F2
となるように付勢部材46の荷重Pを調整する。すなわち、付勢部材46が現像ローラ32をドラム62に付勢する付勢力(FP1、FP2)を、初期の現像剤量が多い(すなわち、現像剤容量が大きい)カートリッジほど、小さくすればよい。そのために、初期の現像剤量が多いカートリッジほど、圧縮コイルバネである付勢部材46の作動長を長くすればよい。
なお、本実施例では、小容量カートリッジBと大容量カートリッジCとでは、現像剤容量によって変える必要のある、現像容器23、23Cと底部材22、22Cとからなる現像枠体24、24C及びクリーニング枠体71、71C以外は、共通部品としている。これにより、部品点数も抑えられ、組立工程も同じにすることができる。
また、本実施例では、小容量カートリッジBでは、付勢部材46の荷重P1を大きくしているが、受け部71dのリブ71eの長さt1も大きく設定されているため、クリーニング枠体71の剛性も大きくなっている。このため、付勢部材46の荷重P1によるクリーニング枠体71の変形が抑制されている。
また、本実施例では、上述のように、現像剤容量の異なるカートリッジ間で現像ローラ32の初期の撓み量を揃えることで、初期の画像の濃度が現像剤容量の異なるカートリッジごとに変化してしまうことが抑制されている。これにより、現像剤容量の異なるカートリッジにおいても、初期においては装置本体Aの給電部(図示せず)から現像ローラ32に与えられる電圧を同じにすることができる。また、トナーTの消費に伴いトナーTが劣化し、画像の濃度が変化してしまう場合、トナーTの消費量と共に電圧を調整することで、画像の濃度変化を調整可能となる。
以上、本実施例によれば、同じ装置本体Aで使用できる初期の現像剤量の異なる複数のカートリッジB、Cにおいて、簡易な構成で現像ローラ32をドラム62に向けて加圧する加圧力F1、F2を同等にして、現像ローラ32の撓み量を揃えることができる。したがって、本実施例によれば、これらのカートリッジB、Cを用いる場合に、初期の画質に差が出ることを抑制して、安定した初期の画質を得ることが可能となる。また、本実施例によれば、これらのカートリッジB、Cにおいて、付勢部材46を含む多くの部品として同じ部品を用いることができる。したがって、本実施例によれば、組立効率の向上などにより生産性を向上させることが可能となる。
なお、本実施例では、複数のカートリッジ間でサイド部材26を共通化するために、付勢部材46の作動長Xを変化させて、付勢部材46の荷重Pを変化させた。しかし、現像ユニット20の回動中心の位置や付勢部材46の取り付け位置を変化させて、回動中心と荷重Pのかかる位置との距離を変化させてもよい。このようにして複数のカートリッジ間で現像ローラ32をドラム62に向けて加圧する加圧力Fを同等にしても、本実施例と同様の効果が得られる。つまり、現像ユニット20の回動中心に対する付勢部材46の相対位置が変わるように、付勢部材46の取り付け方を複数のカートリッジ間で異ならせる。このようにすれば、同じ付勢部材46を使用しても、複数のカートリッジ間で付勢部材46が現像ユニット20に加えるモーメントを異ならせることができる。すなわち、付勢部材46が現像ローラ32に加える付勢力を、小容量カートリッジBよりも大容量カートリッジCにて小さくできる。典型的には、現像剤容量が大きいカートリッジほど、現像ユニット20の回動中心からの半径方向の距離が短くなるように付勢部材46を取り付ければよい。その結果、現像ローラ32がドラム62に向けて付勢される力の合力(付勢部材46から受ける付勢力と現像ユニット20の重さによって受ける重力の合計)は小容量カートリッジBと大容量カートリッジCとで近い値をとる。
また、本実施例では、結合部材75を回動中心として現像ユニット20を感光体ユニット60に対して付勢する付勢部材46として、圧縮コイルバネを用いた。しかし、現像ユニット20を感光体ユニット60に対して付勢する付勢部材46として、引張りコイルバネを用いてもよい。この場合も、引張りコイルバネの作動長を変化させることによって、複数のカートリッジ間で現像ローラ32をドラム62に向けて加圧する加圧力Fを同等にして、本実施例と同様の効果が得られる。つまり、付勢部材46による現像ローラ32をドラム62に向けて付勢する付勢力を、初期の現像剤量が多いカートリッジほど、小さくすればよい。そのために、初期の現像剤量が多いカートリッジほど、引張りコイルバネである付勢部材46の作動長を短くすればよい。
また、現像ユニット20と感光体ユニット60とは、回動可能に結合されることに限定されるものではない。現像ユニット20と感光体ユニット60とが相対的にスライド移動可能に結合され、現像ローラ32とドラム62とが近づく方向又は離れる方向に移動可能とされてもよい。
また、本実施例では、同じ装置本体Aに着脱可能なカートリッジの種類は小容量カートリッジBと大容量カートリッジCの2種類としたが、3種類以上用意されてもよい。そのような多種類のカートリッジにおいても、付勢部材46をそれぞれのカートリッジに取り付ける際の取り付け方(付勢部材46の配置や、作動長)をカートリッジごとに変えればよい。すなわち、初期の現像剤量が少ない(すなわち、現像剤容量が小さい)カートリッジほど、付勢部材46が現像ローラ32をドラム62に付勢する付勢力を大きくすることによって、同様の効果が得られる。
また、本実施例では、第1、第2サイド部材26L、26Rにそれぞれ設けられる付勢部材46としては、両方とも同じものを使用した。上述のように、これによって組立効率が向上するなどして好ましいが、所望により、第1、第2サイド部材26L、26Rに異なる付勢部材46を設けてもよい。
また、本実施例では、付勢部材46の付勢力を受ける部分の少なくとも一部の該付勢力の方向の厚さとして、該部分の剛性を保持するためのリブの長さを異ならせることで、付勢部材46の作動長を異ならせた。しかし、これに限定されるものではなく、付勢部材46の付勢力を受ける部分が一様の肉厚の壁である場合などには、その壁の全体の厚さを異ならせてもよい。また、本実施例では、感光体ユニット側における付勢部材46の付勢力を受ける部分の厚さを異ならせたが、これに限定されるものではない。感光体ユニット側又は現像ユニット側の少なくとも一方における付勢部材46の付勢力を受ける部分の厚さを異ならせればよい。
実施例2
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置、カートリッジ、或いは画像形成システムの基本的な構成は実施例1のものと同じである。したがって、実施例1のものと同一又は実施例1のものに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
図10は、本実施例における現像ユニット20の斜視図である。また、図11は、本実施例におけるカートリッジBの非駆動側の側面を示す側面図である。なお、本実施例では、実施例1と同様、同じ装置本体Aに対して着脱可能な複数のカートリッジとして小容量カートリッジBと大容量カートリッジCが用意されているが、図10、図11には小容量カートリッジBのもののみ示している。
図10に示すように、カートリッジBの長手方向の駆動側では、現像ユニット20は、感光体ユニット60に対して、一つの回動中心26bRのみを中心として回動可能に結合される。また、駆動側では、感光体ユニット60のクリーニング枠体71(図11参照)と現像ユニット20の第2(駆動側)サイド部材26Rとの間には、付勢部材46が配置されている。これにより、駆動側では、付勢部材46の付勢力により、現像ローラ32がドラム62に向けて加圧される。つまり、駆動側における現像ユニット20と感光体ユニット60との間での結合方法、加圧方法は、実施例1と同様である。
一方、本実施例では、カートリッジBの長手方向の非駆動側には、リンク機構が設けられている。すなわち、図11に示すように、カートリッジBの長手方向の非駆動側では、現像ユニット20、感光体ユニット60は、それぞれ第1、第2回動中心230a、230bを中心として回動可能にリンク部材230に結合されている。第1回動中心230aは、リンク部材230と現像ユニット20との回動中心であり、第2回動中心230bは、リンク部材230と感光体ユニット60との回動中心である。このように、非駆動側では、現像ユニット20は、リンク部材230を介して、感光体ユニット60に対して移動可能に結合されている。非駆動側では、付勢部材246は、リンク部材230とクリーニング枠体71との間に配置されている。リンク部材230は、付勢部材246の付勢力によって、第2回動中心230bを中心として回動する。そして、この付勢部材246による付勢力は、リンク部材230を介して、第1回動中心230aに伝達され、またこの第1回動中心230aに連結された現像ユニット20に伝達されて、現像ローラ32がドラム62に向けて加圧される。
次に、第1回動中心230aの配置について説明する。まず、第1回動中心230aは、ドラム62の回転軸線方向(現像ローラ32の回転軸線方向)に沿って見たとき、ドラム62の回転中心と現像ローラ32の回転中心とを結ぶ直線Nの略延長線上に配置されている。このような配置とすることで、現像ローラ32をドラム62に向けて加圧する加圧力の反力Faによって、現像ユニット20に第1回動中心230aを中心として発生する図中矢印M方向のモーメント力が抑えられている。これによって、現像ユニット20の姿勢が安定化されている。ここで、第1回動中心230aが直線Nの略延長線上に配置されているとは、完全に該直線上に配置されている場合の他、例えば10mm程度以内の許容し得る誤差範囲でずれている場合も含む。
また、本実施例では、ドラム62の回転軸線方向(現像ローラ32の回転軸線方向)に沿って見たとき、第1回動中心230aは、現像ユニット20の重心の近傍に配置されている。このような配置とすることで、現像ユニット20に第1回動中心230aを中心とした図中矢印M方向のモーメント力が現像ユニット20の重量Gによって発生することが抑えられている。これによって、現像ユニット20の姿勢が安定化されている。つまり、このような配置とすることで、非駆動側における現像ローラ32をドラム62に向けて加圧する加圧力Fは、現像ユニット20の重量Gの影響を受けにくくなっている。したがって、現像剤容量の異なる複数のカートリッジ間で、非駆動側における該加圧力Fの変化は小さくなっている。ここで、第1回動中心230aが現像ユニット20の重心の近傍に配置されているとは、完全に重心と同一の位置に配置されている場合の他、例えば10mm程度以内の許容し得る誤差範囲でずれている場合も含む。
このように、本実施例では、感光体ユニット60に対する現像ユニット20の加圧構成は、駆動側と非駆動側とで異なる構成とすることで、駆動側に対して、非駆動側の現像ユニット20の動きが独立する。これにより、非駆動側における現像ローラ32をドラム62に向けて加圧する加圧力Fは、現像剤容量の異なる複数のカートリッジ間で安定化されている。
そして、本実施例では、駆動側では、カートリッジの現像剤容量によって付勢部材46の作動長Xを変化させて、現像剤容量の異なる複数のカートリッジ間で現像ローラ32をドラム62に向けて加圧する加圧力Fを同等に設定している。つまり、駆動側では、初期の現像剤量が少ない(すなわち、現像剤容量が小さい)カートリッジほど、付勢部材46の作動長Xを小さくして、付勢部材46の荷重Pを大きくする。これによって、駆動側では、現像剤容量の異なる複数のカートリッジ間で現像ローラ32をドラム62に向けて加圧する加圧力Fを同等にしている。一方、非駆動側では、上述のリンク機構によって、現像ローラ32をドラム62に向けて加圧する加圧力Fは安定化されている。そのため、非駆動側では、付勢部材246の作動長Xが同じで、荷重Pが同じであったとしても、現像剤容量の異なる複数のカートリッジ間で現像ローラ32をドラム62に向けて加圧する加圧力Fは同等になる。したがって、本実施例では、非駆動側では、現像剤容量の異なる複数のカートリッジ間で付勢部材246の作動長Xを略同一にしている。
以上、本実施例によれば、現像剤容量の異なるカートリッジは、それぞれ非駆動側にリンク部材230を備えている。そして、ドラム62の回転軸線方向の一端側(駆動側)の付勢部材46の作動長Xを変化させ、他端側(非駆動側)の付勢部材246の作動長Xを略同一にする。これにより、現像剤容量の異なる複数のカートリッジ間で、現像ローラ32をドラム62に向けて加圧する加圧力Fを同等にして、現像ローラ32の撓み量を揃えることができる。したがって、本実施例によれば、現像剤容量の異なる複数のカートリッジを用いる場合に、初期の画質に差が出ることを抑制して、安定した初期の画質を得ることが可能となる。
なお、本実施例では、リンク部材230と現像ユニット20との回動中心230aは、現像ユニット20の重心の近傍に配置されていた。しかし、現像剤容量が異なると現像容器23や底部材22の形状が変化して、現像ユニット20の重心位置が現像剤容量によって変わったり、設計上の制約によりこの回動中心230aを現像ユニット230の重心の近傍に配置できなかったりする場合がある。その場合、非駆動側における現像ローラ32をドラム62に向けて加圧する加圧力Fが、現像ユニット20の重量Gの影響を受けてしまうことがある。したがって、この場合には、駆動側と同様に、非駆動側においても、現像剤容量によって付勢部材246の作動長Xを変化させることによって、現像剤容量の異なる複数のカートリッジ間で該加圧力Fを同等にすることができ、本実施例と同様の効果が得られる。