JP6335006B2 - 歯車伝動装置 - Google Patents

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Description

本明細書は、歯車伝動装置に関する技術を開示する。
外歯歯車が内歯歯車と噛み合いながら内歯歯車に対して相対的に偏心回転する構造を有する歯車伝動装置が知られている。このような歯車伝動装置では、内歯部材の内周面に溝を形成し、その溝に円柱状部材を挿入して内歯歯車を形成することがある。特許文献1には、ケース(内歯部材)の内周面に複数の溝を形成し、各々の溝にピン(円柱状部材)を挿入することにより内歯歯車が形成されている歯車伝動装置が開示されている。
特開2006−46596号公報
上記した溝に挿入した円柱状部材は、内歯歯車の内歯に相当する。円柱状部材は、外歯歯車と噛み合いながら上記溝の内部で回転する。この溝は、ケースの内周面に形成されている。このような構造の内歯歯車の場合、円柱状部材の回転に伴って、溝と円柱状部材の間に存在している潤滑剤が溝の外部に排出されることがある。そのため、溝の内部で油膜切れが生じ、溝の表面と円柱状部材の間の摩擦が大きくなることがある。あるいは、円柱状部材の表面に油膜切れが生じ、円柱状部材と外歯歯車の間の摩擦が大きくなることがある。その結果、歯車伝動装置の耐久性が低下することが起こり得る。本明細書は、上記課題を解決するものであり、耐久性の高い歯車伝動装置を実現する技術を開示する。
本明細書が開示する技術は、内周に内歯歯車が形成されている内歯部材と、内歯歯車と噛み合いながら内歯歯車に対して相対的に偏心回転する外歯歯車を備えている歯車伝動装置に関する。その歯車伝動装置では、複数の溝が、内歯部材の内周面に設けられている。複数の溝は、内歯部材の内周面において、歯車伝動装置の軸線に沿って延びている。また、複数の溝は、内歯部材の内周面において、周方向に等間隔に設けられている。内歯歯車は、円柱状部材を上記溝に挿入することにより形成されている。本明細書で開示する歯車伝動装置では、円柱状部材の軸方向の端部は、円柱状部材の軸方向の中間部と比較して、上記溝と接触する周方向の長さが短い。
上記溝に挿入した円柱状部材は、内歯歯車の内歯に相当する。以下、本明細書では、内歯部材の内周面に形成した溝を「挿入溝」と称することがある。上記の歯車伝動装置によると、円柱状部材の軸方向の端部は、中間部と比較して、挿入溝に接触している面積が小さい。換言すると、円柱状部材の軸方向の端部は、中間部よりも挿入溝から露出している面積が大きい。そのため、円柱状部材の端部は、挿入溝の外部に存在する潤滑剤と接触する面積が大きい。円柱状部材の端部に接触した潤滑剤は、円柱状部材の外周面を伝って、円柱状部材の中間部に移動する。挿入溝と円柱状部材の間に潤滑剤が供給され易くなり、挿入溝内及び円柱状部材の油膜切れを抑制することができる。
なお、「内歯歯車に対して相対的に偏心回転する外歯歯車」とは、外歯歯車が歯車伝動装置の軸線に対して偏心回転する形態だけではなく、内歯歯車が歯車伝動装置の軸線に対して偏心回転する形態も含む。すなわち、「内歯歯車に対して相対的に偏心回転する外歯歯車」とは、内歯歯車と外歯歯車の一方が歯車伝動装置の軸線に対して偏心回転し、内歯歯車と外歯歯車が相対的に偏心回転することを意味する。また、「円柱状部材の軸方向の端部」とは、軸方向の一方の端部である形態と、軸方向の両端部である形態の双方を含む。「溝と接触する周方向の長さが短い」とは、円柱状部材の軸方向の端部が挿入溝と全く接触しない形態も含む。すなわち、「溝と接触する周方向の長さが短い」とは、内歯部材の内周面と円柱状部材との間に隙間が設けられている形態を含む。
第1実施例の歯車伝動装置の断面図を示す。 図1のII-II線に沿った断面図を示す。 内歯部材の部分拡大断面図(図1の一部の拡大図)を示す。 第1実施例の特徴を説明するための図を示す。 第2実施例の特徴を説明するための図を示す。 第3実施例の特徴を説明するための図を示す。 第4実施例の特徴を説明するための図を示す。
以下、本明細書で開示する歯車伝動装置の技術的特徴の幾つかを記す。なお、以下に記す事項は、各々単独で技術的な有用性を有している。
歯車伝動装置は、内歯歯車と外歯歯車を備えていてよい。内歯歯車と外歯歯車は、互いに噛み合いながら、相対的に偏心回転してもよい。すなわち、外歯歯車が、内歯歯車と噛み合いながら偏心回転してもよい。あるいは、内歯歯車が、外歯歯車と噛み合いながら偏心回転してもよい。内歯歯車は、リング状の内歯部材の内周面に形成されていてよい。内歯歯車は、内歯部材の内周面に形成されている複数の溝(挿入溝)と、その挿入溝に挿入される円筒状部材によって形成されていてよい。外歯歯車が偏心回転する場合、外歯歯車を支持するキャリアを備えていてもよい。キャリアが、一対の軸受(主軸受)を介して、内歯部材に支持されていてもよい。
外歯歯車が偏心回転するタイプである場合、内歯部材が、歯車伝動装置のケースを兼ねていてよい。すなわち、内歯歯車が、ケースの内周に形成されていてよい。この場合、ケースの内側に、キャリア,クランクシャフト及び外歯歯車が配置されていてもよい。クランクシャフトは、キャリアに回転可能に支持されていてよい。クランクシャフトは、偏心体を備えていてよい。外歯歯車は、クランクシャフトの偏心体と係合し、クランクシャフトの回転に伴って偏心回転してよい。内歯歯車は、外歯歯車と噛み合っており、外歯歯車の歯数と異なる歯数を有していてよい。
挿入溝に挿入された円筒状部材が、内歯歯車の歯として機能してもよい。この場合、内歯部材の内周面のうち、隣り合う挿入溝の間の内周面が、内歯歯車の歯溝として機能してもよい。歯車伝動装置の軸線に直交する断面において、各々の挿入溝の形状が円弧状であってよい。複数の挿入溝は、歯車伝動装置の軸線に沿って延びていてよい。この場合、各々の挿入溝は、内歯部材の周方向に等間隔に設けられていてよい。円弧状の挿入溝の場合、挿入溝の表面を含む仮想円の中心と円柱状部材の回転軸が同軸であり、仮想円の径と円柱状部材の径がほぼ等しくてよい。円柱状部材は、挿入溝内で回転し、外歯歯車と挿入溝の間で滑り軸受として機能してもよい。
円柱状部材の軸方向の端部は、軸方向の中間部と比較して、挿入溝と接触する周方向の長さが短くてよい。すなわち、円柱状部材の軸方向の端部は、中間部と比較して、挿入溝から露出している面積が大きくてよい。軸方向の一方の端部が、中間部と比較して、挿入溝から露出している面積が大きくてもよい。あるいは、軸方向の両端部が、中間部と比較して、挿入溝から露出している面積が大きくてもよい。また、円柱状部材の軸方向の端部は、周方向の全周に亘って内歯部材の内周面(挿入溝)から離れていてもよい。円柱状部材の軸方向への移動は、上記した主軸受のレースによって規制されていてもよい。
円柱状部材の軸方向の端部と対向する位置において、内歯部材の内周面に、内歯部材の周方向に一巡する傾斜部が設けられていてよい。傾斜部を設けることにより、歯車伝動装置の径方向において、挿入溝を画定している側壁の厚みが、挿入溝の中間部と比較して、端部で薄くなっていてよい。歯車伝動装置を平面視した(歯車伝動装置の軸線方向から観察した)ときに、傾斜部の大径側の端部(外縁)が、挿入溝よりも、歯車伝動装置の径方向の外側に位置していてよい。この場合、歯車伝動装置の軸線方向において、挿入溝の端部が、傾斜部に位置していてよい。換言すると、歯車伝動装置の軸線方向から観察したときに、円柱状部材が、傾斜部に位置していてよい。
傾斜部の大径側が、傾斜部の小径側よりも、歯車伝動装置の軸線方向の外側に位置していてよい。すなわち、傾斜部が設けられている部分において、歯車伝動装置の径方向における内歯部材の厚みが、歯車伝動装置の軸線方向における内歯部材の端部から中央部に向かうに従って大きくなっていてよい。なお、傾斜部は、歯車伝動装置の軸線方向における挿入溝の端部に、局所的に設けられていてもよい。この場合、傾斜部は、内歯部材の周方向に一巡しておらず、周方向に等間隔に設けられていてもよい。
円柱状部材の軸方向の端部と対向する位置において、挿入溝の深さが、円柱状部材の軸方向中間部と対向する位置より深くてよい。換言すると、歯車伝動装置の軸線方向において、円柱状部材と接触する挿入溝(第1挿入溝)と、円柱状部材に接触しない挿入溝(第2挿入溝)が連続して設けられており、第2挿入溝は、円柱状部材の軸方向端部に対向する位置に設けられていてよい。第1挿入溝の表面を含む第1仮想円の中心と、第2挿入溝の表面を含む第2仮想円の中心が、同軸上に位置していてよい。第2仮想円の径は、第1仮想円の径より大きくてよい。
(第1実施例)
図1及び図2を参照し、歯車伝動装置100の基本的な構造について説明する。図1は、歯車伝動装置100の縦断面図(歯車伝動装置100の軸線12に沿った断面図)を示している。図2は、歯車伝動装置100の横断面図(歯車伝動装置100の軸線12に直交する線に沿った断面図)を示している。歯車伝動装置100は、内歯歯車10とキャリア4とクランクシャフト14と外歯歯車28を備えている。内歯歯車10は、ケース6の内周に複数の内歯ピン8を配置することにより形成されている。内歯ピン8は、円柱状であり、ケース6の内周面7に形成されている挿入溝9に挿入されている。ケース6は内歯部材の一例であり、内歯ピン8は円柱状部材の一例である。
キャリア4は、一対の軸受22(以下、主軸受22と称することがある)によって、ケース6に回転可能に支持されている。主軸受22は、キャリア4がケース6に対してアキシャル方向及びラジアル方向に移動することを規制している。歯車伝動装置100では、主軸受22としてアンギュラ玉軸受を用いている。主軸受22のアウターレース24が、内歯ピン8の軸方向端面を覆っている。換言すると、内歯ピン8は、主軸受22のアウターレース24の間に配置されている。内歯ピン8は、アウターレース24によって軸方向に移動することが規制されている。
キャリア4は、第1プレート4aと第2プレート4cを備えている。第1プレート4aは、柱状部4bを備えている。柱状部4bは、第1プレート4aから第2プレート4cに向けて延びており、ボルト34によって第2プレート4cに固定されている。ボルト34は、第2プレート4cを通過して、柱状部4bに設けられたボルト溝34aに締結されている。ケース6と第1プレート4aの間に、オイルシール18が配置されている。なお、柱状部4bと第2プレート4cには、周方向の位置決めをするための位置決めピン(図示省略)が挿入されている。図2には、柱状部4bに設けられているピン孔36が示されている。第2プレート4cにもピン孔(図示省略)が設けられている。位置決めピンは、第2プレート4cのピン孔を通過して、ピン孔36に挿入されている。
クランクシャフト14は、一対の軸受20によって、キャリア4に回転可能に支持されている。一対の軸受20は、クランクシャフト14がキャリア4に対してアキシャル方向及びラジアル方向に移動することを規制している。歯車伝動装置100では、一対の軸受20として円錐ころ軸受を用いている。クランクシャフト14は、入力歯車32と2個の偏心体30を備えている。偏心体30は、一対の軸受22の間に配置されている。偏心体30は、円筒ころ軸受26を介して、外歯歯車28に係合している。外歯歯車28は、クランクシャフト14を介してキャリア4に支持されている。なお、入力歯車32は、一対の軸受20の外側に配置されている。
歯車伝動装置100では、モータ(図示省略)のトルクは、入力歯車32に伝達される。モータのトルクが入力歯車32に伝達されると、クランクシャフト14の回転に伴って、偏心体30が偏心回転する。偏心体30の偏心回転にともなって、外歯歯車28が、内歯歯車10と噛み合いながら偏心回転する。外歯歯車28は、軸線12の周りを偏心回転する。2個の偏心体30は、互いに対称に偏心している。そのため、2個の外歯歯車28は、軸線12の周りを互いに対称に偏心回転する。外歯歯車28の歯数と内歯歯車10の歯数(内歯ピン8の数)は異なる(図2を参照)。そのため、外歯歯車28が偏心回転すると、外歯歯車28と内歯歯車10の歯数差に応じて、外歯歯車28を支持しているキャリア4が、ケース6に対して回転する。軸線12は、キャリア4の回転軸ということもできる。
図2〜図4を参照し、ケース6の特徴について説明する。なお、図4は、ケース6の特徴を模式的に示しており、実際のサイズを正確に示すものではない。また、図3では内歯ピン8及び外歯歯車28を一点鎖線で示し、図4では内歯ピン8を破線で示している。ケース6の中間部6aの内周面7は、端部6bと比較して、軸線12に向かって突出している。換言すると、中間部6aの内径は、端部6bの内径より小さい。中間部6aの両端(軸線12方向の両端)には、平坦部11が設けられている。平坦部11によって、主軸受22のアウターレース24が位置決めされる(図1も参照)。平坦部11は、主軸受22の軸線12方向への移動を規制する。これにより、ケース6に対するキャリア4の予圧を調整することができる。平坦部11は、レース支持部ということもできる。中間部6aには、挿入溝9と傾斜部9aが設けられている。図2に示すように、傾斜部9aは、ケース6の周方向を一巡している。歯車伝動装置100の径方向(軸線12に直交する方向)において、傾斜部9aの外周は、挿入溝9よりも外側に位置している。すなわち、傾斜部9aの大径側の端部(外縁)は、挿入溝9の底よりも外側に位置している。
上記したように、内歯ピン8は、アウターレース24によって軸線12方向への移動が規制されている。図3に示すように、内歯ピン8は、ほぼ平坦部11と同じ位置まで延びている。換言すると、内歯ピン8の端部は、傾斜部9aが設けられている位置まで延びている。また、外歯歯車28は、内歯ピン8の軸線12方向全体に接触するように構成されている。そのため、外歯歯車28の歯面の一部(軸線12方向における歯面の一部)は、径方向(軸線12に直交する方向)において、傾斜部9aに対向している。図4に示すように、挿入溝9の端部は、傾斜部9aに位置している。すなわち、挿入溝9は、平坦部11まで延びていない。そのため、内歯ピン8の端部は、挿入溝9から突出している。換言すると、内歯ピン8の端部は、ケース6の内周面7に接触していない。内歯ピン8の端部は、周方向の全周に亘ってケース6の内周面7から離れている。内歯ピン8の端部は、挿入溝9から露出しているので、潤滑剤に接し易い。また、傾斜部9aにおける挿入溝9の深さは、他の部分よりも深い。そのため、傾斜部9aにおいて、挿入溝9と内歯ピン8の間に隙間が設けられる。この隙間には、潤滑剤が保持され易い。なお、図3及び4から明らかなように、挿入溝9を画定している側壁(ケース6)の径方向の厚みは、挿入溝9の中間部と比較して、端部で薄い。
ケース6の製造工程について簡単に説明する。ここでは、ケース6の内側部分の加工工程について説明する。まず、ケース6の内周面の両側を削り、ケース6の両端部6bの内径を中間部6aより大きくする。これにより、中間部6aの軸方向端部に、平坦部11が形成される。次に、中間部6aの角部(平坦部11の軸線12側の端部)を、ケース6の周方向を一巡するように削る(図1も参照)。ケース6では、中間部6aの両側の角部を削っている。これにより、傾斜部9aが中間部6aに形成される。その後、軸線12に沿って、中間部6aを削って挿入溝9を形成する。このときに、挿入溝9を形成する工具は、最初に傾斜部9aに接する。すなわち、挿入溝9を形成する工具は、傾斜部9aの大径側端部よりも内側(軸線12側)を削る。
歯車伝動装置100の利点を説明する。上記したように、内歯ピン8は、内歯歯車10を構成しており、挿入溝9に挿入されている。内歯ピン8の中間部では、内歯ピン8の表面が挿入溝9に接しており、挿入溝9の外部の潤滑剤に接しにくい。しかしながら、歯車伝動装置100では、内歯ピン8の端部は、ケース6の内周面7(挿入溝9)に接していないので、挿入溝9の外部の潤滑剤に接することができる。また、傾斜部9aが形成されている位置において、挿入溝9と内歯ピン8との隙間に潤滑剤を保持することができる。そのため、潤滑剤が、内歯ピン8の外周を伝って、内歯ピン8の端部から中間部に移動することができる。その結果、内歯ピン8と挿入溝9の間の油膜切れを抑制することができる。また、内歯ピン8と外歯歯車28の間の油膜切れも抑制することができる。すなわち、傾斜部9aを設けることにより、内歯ピン8と挿入溝9の間、及び/又は、内歯ピン8と外歯歯車28の間の摩擦を低減することができる。
内歯ピン8は、挿入溝9が延びる方向(軸線12方向)に沿って、挿入溝9に挿入することが必要である。例えば傾斜部9aが設けられていない場合、内歯ピン8を軸線12と平行に保ちながら、挿入溝9に挿入することが必要である。上記したように、内歯ピン8は、挿入溝9に対して滑り軸受として働く。そのため、挿入溝9のサイズ(仮想円の径)と内歯ピン8のサイズ(外径)は、ほぼ等しい。すなわち、内歯ピン8と挿入溝9には、ほとんど隙間がない。内歯ピン8を軸線12と平行に保ちながら、隙間がほとんどない挿入溝9に内歯ピン8を挿入する作業は煩雑である。歯車伝動装置100のように傾斜部9aを設けることによって、内歯ピン8を挿入溝9に挿入するときに、傾斜部9aに沿って挿入することができる。すなわち、内歯ピン8を挿入溝9に挿入するときに、内歯ピン8を軸線12と平行に保つ必要がない。歯車伝動装置100の製造工程(内歯ピン8を挿入溝9に挿入する工程)を簡略化することができる。
上記したように、ケース6の内周面7に挿入溝9を形成するときに、挿入溝9を形成する工具が、最初に傾斜部9aに接する。工具が最初に傾斜部9aに接することにより、傾斜部9aが設けられていないケースに挿入溝を形成する場合と比較して、挿入溝9の端部にバリが生じることを抑制することができる。傾斜部9aを設けることにより、挿入溝9を形成した後のバリを除去する工程を簡略化することができる。すなわち、歯車伝動装置100の製造工程(バリ取り加工をする工程)を簡略化することができる。
また、挿入溝9を形成するときに工具が傾斜部9aに接触するので、挿入溝9を形成する工具に加わる負荷を低減することができる。そのため、工具の回転速度、及び/又は、移動速度を速くすることができるので、挿入溝9の加工時間を短縮することができる。なお、歯車伝動装置100は、傾斜部を備えていない従来の歯車伝動装置と比較して、傾斜部9aを形成する工程が増える。しかしながら、傾斜部9aはケース6の内周面7を一巡しているので、片側あたり一工程で傾斜部9aを形成することができる。各々の挿入溝9に生じたバリを除去する工程と比較して、大幅に製造時間を短縮することができる。
(第2実施例)
図5は、第2実施例の歯車伝動装置の一部を示している。具体的には、ケース206の形状が、歯車伝動装置100のケース6と異なる。他の構造は、歯車伝動装置100と実質的に同一である。なお、歯車伝動装置100と同じ部品には、同じ符号又は下二桁が同じ符号を付すことにより説明を省略することがある。図5は、歯車伝動装置100について説明した図4に相当する部分を示している。
図5に示すように、傾斜部209aの大径側端部は、挿入溝209の底より径方向内側に位置している。換言すると、傾斜部209aの大径側端部の径が、傾斜部9aより小さい。ケース206の場合、ケース6と比較して、平坦部211の面積が大きい。そのため、軸受22(図1も参照)のアウターレース24とケース206の接触面積が大きくなり、軸受22をより確実に支持することができる。なお、ケース206の場合、内周面に挿入溝209を形成する際に、工具が、最初に平坦部211と傾斜部209aの双方に接する。
また、ケース206の場合、内歯ピン8の端部は、中央部と比較して挿入溝209に接触する面積が小さい。そのため、内歯ピン8の端部は、挿入溝209の外部に存在する潤滑剤と接触し易い。内歯ピン8の端部に付着した潤滑剤が内歯ピン8の中間部に移動し、内歯ピン8と挿入溝9の間、及び/又は、内歯ピン8と外歯歯車28の間の油膜切れを抑制することができる(図2も参照)。
(第3実施例)
図6は、第3実施例の歯車伝動装置の一部を示している。具体的には、ケース306の形状が、歯車伝動装置100のケース6と異なる。他の構造は、歯車伝動装置100と実質的に同一である。歯車伝動装置100と同じ部品には、同じ符号又は下二桁が同じ符号を付すことにより説明を省略することがある。図6は、歯車伝動装置100について説明した図4に相当する部分を示している。
図6に示すように、ケース306は、傾斜部を備えていない。ケース306には、径が異なる2つの挿入溝(第1挿入溝309、第2挿入溝309a)が設けられている。第1挿入溝309の表面を含む第1仮想円の中心と、第2挿入溝309aの表面を含む第2仮想円の中心は同軸上に位置している。また、第2仮想円の径は、第1仮想円の径より大きい。すなわち、第2挿入溝309aは、第1挿入溝309より深い。第1挿入溝309が内歯ピン8の軸方向の中間部と対向しており、第2挿入溝309aが内歯ピン8の軸方向の端部と対向いる。第1挿入溝309と第2挿入溝309aは連通している。内歯ピン8は、第1挿入溝309の表面に接触し、第2挿入溝309aの表面に接触しない。そのため、内歯ピン8の端部側では、内歯ピン8とケース306との間に隙間が設けられる。第2挿入溝309aと内歯ピン8の間に潤滑剤が保持され、その潤滑剤が内歯ピン8の中間部(第1挿入溝309に挿入されている部分)に移動することができる。
なお、ケース306は、ケース6と比較して、平坦部311の面積が大きい。そのため、軸受22のアウターレース24とケース306の接触面積を広くすることができる。また、ケース306の場合、内歯ピン8は、第2挿入溝309aを通じて第1挿入溝309に挿入される。第2挿入溝309aの径は内歯ピン8の径より大きいので、内歯ピン8を第1挿入溝309に直接挿入する形態に比べ、作業を容易にすることができる。
(第4実施例)
図7は、第4実施例の歯車伝動装置の一部を示している。具体的には、ケース406の形状が、歯車伝動装置100のケース6と異なる。他の構造は、歯車伝動装置100と実質的に同一である。歯車伝動装置100と同じ部品には、同じ符号又は下二桁が同じ符号を付すことにより説明を省略することがある。図7は、歯車伝動装置100について説明した図4に相当する部分を示している。
ケース406は、ケース306と同様に、傾斜部を備えていない。ケース406の場合、第2挿入溝409aの径が、第1挿入溝409に近づくに従って小さくなっている。換言すると、ケース406は、ケース406の周方向に、複数の傾斜部(第2挿入溝)409aを備えている。そのため、内歯ピン8を第1挿入溝409に挿入することが容易であり、内歯ピン8の端部に潤滑剤を溜めておくこともできる。また、支持部411の面積を大きく確保することができる。さらに、第1挿入溝409を形成する工具が、最初に傾斜部(第2挿入溝)409aに接するので、バリ取り加工を簡略化することもできる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
6:内歯部材
7:内歯部材の内周面
8:円柱状部材
9:溝
10:内歯歯車
28:外歯歯車
100:歯車伝動装置

Claims (3)

  1. 内周に内歯歯車が形成されている内歯部材と、内歯歯車と噛み合いながら内歯歯車に対して相対的に偏心回転する外歯歯車と、を備えている歯車伝動装置であり、
    複数の溝が、内歯部材の内周面において、歯車伝動装置の軸線に沿って延びているとともに周方向に等間隔に設けられており、
    内歯歯車は、円柱状部材を前記溝に挿入することにより形成されており、
    円柱状部材の軸方向の端部は、円柱状部材の軸方向の中間部と比較して、前記溝と接触する周方向の長さが短く、
    円柱状部材の軸方向の端部と対向する位置において、内歯部材の内周面に、内歯部材の周方向に一巡する傾斜部が設けられている歯車伝動装置。
  2. 歯車伝動装置の軸線方向から観察したときに、傾斜部の大径側の端部が、前記溝よりも外側に位置する請求項に記載の歯車伝動装置。
  3. 円柱状部材の軸方向端部と対向する位置において、前記溝の深さが、円柱状部材の軸方向中間部と対向する位置より深い請求項1または2に記載の歯車伝動装置。
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