JP6333018B2 - ナノファイバ構造体とこれを用いた捕集装置、ナノファイバ構造体の製造方法 - Google Patents

ナノファイバ構造体とこれを用いた捕集装置、ナノファイバ構造体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリマーナノファイバ構造体とこれを用いた捕集装置、及び該構造体の製造方法に関する。
微粒子の工業利用が盛んになる一方、空気中に飛散した、或いは液体中に分散した微粒子を捕集する捕集装置(セパレータ)が必要とされている。近年、捕集装置用の材料としてポリマーナノファイバシートに代表される、ポリマーナノファイバが集積して三次元的に絡み合ったポリマーナノファイバ構造体が注目を浴びている。
ポリマーナノファイバは、一般的な不織布などに用いられる繊維と異なり、一本の径が数ミクロン以下である。よって集積した場合にも、膨大な比表面積、ナノサイズの連続細孔構造、低密度が得られる点で一般的な繊維から成る構造体と比べ飛躍的に優れた特徴を持つ。このため機械的強度、反応性、電気的及び光学的特性、構造体内部の透過性など新たな機能を付与することが可能である。特に細孔構造を利用する場合、孔径がサブミクロンオーダーで得られる点では、微粒子の捕集に適している。更に、ポリマーナノファイバは有機化合物を母材とするため軽量であり、また、簡便且つ安価で作製できる。
ポリマーナノファイバは支持体に付着させて使用される場合が多いが、多孔質であるために支持体との界面で十分な密着性を得られないことがあった。ポリマーナノファイバと支持体との密着性が悪いと、捕集装置を製造する際にポリマーナノファイバを支持体ごと丸めたり折り曲げたりした際に支持体からポリマーナノファイバが剥離してしまう恐れがあった。特許文献1にはポリマーナノファイバの形成時にナノビーズを混入させることにより、ポリマーナノファイバと支持体との界面密着性を上げる方法が開示されている。
特開2012−219384号公報
特許文献1に開示された方法では、ポリマーナノファイバと支持体との密着性は向上するものの、ポリマーナノファイバ層の細孔構造がナノビーズによって閉塞し、所望の細孔構造が得られない場合があった。
本発明の課題は、所望の細孔構造を維持しつつ、支持体とポリマーナノファイバとの密着性が良く、曲げ等による応力が加わってもポリマーナノファイバの剥離が生じないポリマーナノファイバ構造体を提供することにある。また、係るポリマーナノファイバ構造体を用いて、微粒子の捕集特性に優れた捕集装置を提供することにある。
本発明のポリマーナノファイバ構造体は、ポリマー連続相からなるA層と、
ポリマーナノファイバと前記ポリマーナノファイバ間を部分的に埋めるポリマー連続相とからなるB層と、
ポリマーナノファイバのみからなるC層と、を前記A層、B層、C層の順に有し、
ポリマーの存在率がA層>B層>C層であり、
前記C層の平均細孔径が10nm以上50000nm以下であり、
前記A層のポリマー連続相、前記B層のポリマーナノファイバ及びポリマー連続相、前記C層のポリマーナノファイバが同一のポリマー材料から構成されており、
前記A層のポリマー連続相が前記B層のポリマー連続相に連続しており、前記B層のポリマーナノファイバの少なくとも一部が前記C層のポリマーナノファイバに連続していることを特徴とする。
また、本発明のポリマーナノファイバ構造体の製造方法は、エレクトロスピニング法を用いた製造方法であって、
接地電位に対してポリマー溶液の吐出部を正電位、捕集部を負電位とし、前記捕集部にポリマー溶液の液滴を付与してポリマー連続相からなるA層を形成する工程と、
前記A層を形成する工程に続いて、少なくとも前記捕集部の電位を上げ、前記A層上にポリマー溶液の液滴とポリマーナノファイバとを付与して、ポリマーナノファイバとポリマー連続相とからなるB層を形成する工程と、
前記B層を形成する工程に続いて、少なくとも前記捕集部の電位を上げ、前記B層上にポリマーナノファイバを堆積させてポリマーナノファイバのみからなるC層を形成する工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、上記本発明のポリマーナノファイバ構造体を用いてなる微粒子の捕集装置であって、
前記ポリマーナノファイバ構造体が、C層を内側にして筒型に成形されていることを特徴とする捕集装置を提供するものである。
さらに本発明は、連続相であるポリマーとポリマーナノファイバとを有するポリマーナノファイバ構造体であって、
前記ポリマーナノファイバ構造体はA層、B層、C層をこの順で連続して有し、
前記A層は、前記連続相であるポリマーを有し前記ポリマーナノファイバを有さず、
前記B層は、前記連続相であるポリマーを有し前記ポリマーナノファイバも有し、
前記C層は、前記連続相であるポリマーを有さず前記ポリマーナノファイバを有し、
前記連続相であるポリマーと前記ポリマーナノファイバは同一のポリマー材料からなり、
前記C層は前記B層より延びる前記ポリマーナノファイバを有し
前記C層は平均細孔径が10nm以上50000nm以下であることを特徴とするポリマーナノファイバ構造体を提供するものである。
本発明によれば、ポリマーナノファイバ特有の効果を維持しつつ、曲げなど応力がかかる操作によっても支持体からポリマーナノファイバが剥離することがなく、種々の形態の捕集装置を歩留まり良く構成することができる。また、本発明のポリマーナノファイバ構造体は全てが同一材料からなるため、温度変化が大きい環境でも熱膨張率差による界面の変形や破損が発生する恐れがなく、耐久性に富み、信頼性の高い捕集装置を構成することができる。
本発明のポリマーナノファイバ構造体の構造を模式的に示す積層方向に沿った断面図である。 本発明のポリマーナノファイバを製造するための製造装置の構成を模式的に示す図である。 本発明の捕集装置におけるポリマーナノファイバ構造体の形態を模式的に示す斜視図である。 本発明の実施例における曲げ試験の工程を模式的に示す図であり、(a)は折り曲げの軸を示す斜視図、(b)乃至(f)は工程を示すポリマーナノファイバ構造体の積層方向に沿った断面図である。 本発明の実施例1における剥離耐性評価後のポリマーナノファイバ構造体の破断面のレーザー顕微鏡像である。
本発明のポリマーナノファイバ構造体は、図1に示すように、A層1、B層2、C層3をこの順で積層してなる。そして、A層1はポリマー連続相からなり、B層2はポリマーナノファイバと該ポリマーナノファイバ間を部分的に埋めるポリマー連続相からなり、C層3はポリマーナノファイバのみからなる。また、A層1のポリマー連続相、B層2のポリマーナノファイバとポリマー連続相、C層3のポリマーナノファイバは全て同じポリマー材料からなる。さらに、A層1のポリマー連続相がB層2のポリマー連続相に連続しており、B層2のポリマーナノファイバの少なくとも一部がC層3のポリマーナノファイバに連続している。ここで「からなる」、「のみからなる」は同じ意味で、ポリマー連続相とポリマーナノファイバ層の2つにおいて、一方を有し他方を有さない場合に用いる表現である。ポリマー材料とは別種の、例えば粉体等の添加物が含まれていてもよい。
以下、本発明の実施の形態を示して、本発明を詳細に説明する。尚、本明細書で特に図示又は記載されない部分に関しては、当該技術分野の周知又は公知技術を適用する。
〔ポリマーナノファイバ構造体の製造方法〕
本発明のポリマーナノファイバ構造体は、エレクトロスピニング法を利用して製造される。エレクトロスピニング法(電界紡糸法・静電紡糸法)とは、シリンジに入ったポリマー溶液とコレクター間に高電圧を印加させた状態で、ポリマーナノファイバを形成する方法である。この方法を採用すると、シリンジから押し出された溶液が電荷を帯びて電界中に飛散するが、飛散した溶液は時間が経つと該溶液に含まれる溶媒が蒸発するので、その結果、細線化した溶質が現れる。この細線化した溶質がポリマーナノファイバとなって基板等のコレクターに付着する。
エレクトロスピニング法は、下記(i)乃至(iii)に列挙する特長を有する。
(i)様々なポリマーに対してファイバ形状に紡糸できる。
(ii)ファイバ形状のコントロールが比較的簡便であり、ファイバ径が数十μmからナノサイズのファイバを容易に得ることができる。
(iii)作製プロセスが簡便である。
図2に本発明に用いられる、エレクトロスピニング法によりポリマーナノファイバを製造する製造装置の一例を示す。図2に示される製造装置は、具体的には、貯蔵タンク14に収容されたポリマー溶液を紡糸口(吐出部)16から押し出す方法を採用している。尚、紡糸口16から押し出されたポリマー溶液は四方へ飛散するので、紡糸されたポリマーナノファイバが三次元的に絡み合ったポリマーナノファイバ層が自ずと作製される。
次に、図2の製造装置の構成部材について説明する。ポリマー溶液を貯蔵する貯蔵タンク14は、接続部13を介して配置されている。尚、接続部13は配線15を介して高圧電源(上部電源)18と電気接続されている。また接続部13及び貯蔵タンク14はいずれもヘッド19の構成部材である。紡糸されたポリマーナノファイバが集められるコレクター(捕集部)17は、ヘッド19と一定の間隔を空けて対向するように配置されている。尚、コレクター17は、配線12により高圧電源(下部電源)20に電気接続されている。
ポリマー溶液は、タンク14から紡糸口16まで一定の速度で押し出される。通常、コレクター17はグラウンド接続され、紡糸口16には1kV乃至50kVの電圧が印加されており、電気引力がポリマー溶液の表面張力を超える時、ポリマー溶液のジェット11がコレクター17に向けて噴射される。この時、ジェット11中の溶媒は徐々に揮発し、コレクター17に到達する際には、対応するポリマーナノファイバが得られる。ここで、タンク14にナノファイバ化される条件に設定したポリマー溶液を導入して、紡糸する。尚、紡糸の際にタンク14に収容するものとしては、ポリマー溶液に限定されず、融点以上に加熱した溶融ポリマーを利用してもよい。
一般的なエレクトロスピニング法による紡糸では、ポリマーナノファイバは長さ方向が不規則に向いて集積する。また、ポリマーナノファイバのファイバ径やファイバ存在率、平均細孔径、空隙率などの構造は、ポリマーの種類、混合している添加物とその割合、ポリマー溶液の粘度、製造時の温度や湿度、紡糸条件に大きく依存する。紡糸条件では、特にポリマー溶液のタンク14からの紡糸口16までの押し出し速度、電源の電圧値が大きく影響する。これらを調製し所望の細孔構造を有するポリマーナノファイバ層を得る。
本発明のポリマーナノファイバ構造体は、上記エレクトロスピニング法によりポリマーナノファイバを作製する課程において、上記コレクター17の電位を調整することによって、A層からC層までを連続して形成することができる。その理由は、エレクトロスピニング法では、紡糸口16とコレクター17間の電位差が同じ場合でも、コレクター17の電位が、接地電位(ゼロ)に対して負電位であった場合と、接地電位であった場合とでは異なる挙動を示すからである。
ここで、コレクター17をグラウンド接続して接地電位とし、紡糸口16の電位を接地電位に対して正電位としてナノファイバを紡糸できる条件から、紡糸口16とコレクター17間の電位差を一定のまま、紡糸口16及びコレクター17の電位を下げる。即ち、コレクター17の電位が接地電位に対して負電位となると、コレクター17上にはポリマーナノファイバが堆積しつつ、徐々にポリマー溶液の溶媒を含有したままでコレクター17に到達するナノファイバが増加する。そしてコレクター17の電位を所定の低電位にまで下げると、ナノファイバ形状を維持してシリンジから飛び出しつつも、溶媒を多く含有した状態でコレクター17に到達するものが支配的になる。
このメカニズムの詳細は明らかでないが下記のように考えられる。通常コレクター17をグラウンド接続して印加電圧値をゼロとしている場合、コレクター17の周辺部材は間接的にも接地電位と同等である。そのため、シリンジから引き出されたナノファイバには自身が保有する電荷と電位差による作用により、空間内の様々な方向に力が働く。よってナノファイバが空間内に広く飛散し、時間をかけてコレクター17に到達する。通常このようにコレクター17がグラウンド接続された状態で、コレクター17到達時に溶媒が十分に揮発しているように紡糸口16への印加電圧等を最適化する。本発明では最適化された場合の電圧差を保ちながらコレクター17には接地電位に対して大きなマイナス電圧を印加する(紡糸口16に印加されるプラス電圧は通常よりも下げることとなる)。このような手法を用いると電圧差によりシリンジから吐出される際のポリマー溶液のジェット11のスピードはほぼ変わらず、ファイバ径はほぼ同じである。一方で、コレクター17の印加電圧がマイナスであり、周囲に比べて明らかに電位が低くなるため、ナノファイバをコレクター17に引きつける力が働く。このため、ナノファイバが空間を漂う時間が短くなり、十分な揮発に要する時間が経過するよりも先にコレクター17にナノファイバが到達する。コレクター17に印加されるマイナスの電圧値が大きいほど、コレクター17にナノファイバが引きつけられる力が大きくなり、到達までの時間が短いナノファイバ量が多くなる。つまり溶媒を多く含有したままでコレクター17に到達するナノファイバが支配的になる。以上が考えられるメカニズムである。溶媒を多く含有したままのナノファイバはコレクター17上に液滴となって付与され、集積していくと再び形状をなくしてポリマー溶液となってコレクター17上で広がるため、ポリマー連続相が形成され、これがA層となる。
続いて、紡糸口16とコレクター17間の電位差をナノファイバが形成される電位差とした状態で、コレクター17の負電位をプラス側に上げる(マイナス電圧を小さくする)。すると、A層の形成時よりも、溶媒を多く含有したままコレクター17に到達するナノファイバ量が減少する。これにより一部がナノファイバの形状を失ってポリマー溶液の液滴となりポリマー連続相を形成する一方で、形状を残してままポリマーナノファイバとして堆積するものも含まれる。これがポリマーナノファイバとポリマー連続相とが混在するB層となる。
続いて、紡糸口16とコレクター17間の電位差をナノファイバが形成される電位差とした状態で、コレクター17の負電位をさらにプラス側に上げる(マイナス電圧を小さくする、或いは接地電位とする)。すると、溶媒を多く含有したままのコレクター17に到達するナノファイバがほぼなくなり、ナノファイバのみが集積した部分が形成され、これがC層となる。
本発明においては、上記A層の形成工程、B層の形成工程、C層の形成工程を連続して行う。即ち、紡糸口16及びコレクター17への電圧印加を中断することなく、印加電圧値を工程ごとに変化させる。その結果、A層上に連続してポリマーナノファイバとポリマー溶液の液滴が付与されてB層が形成され、さらにB層上にポリマーナノファイバが付与されてC層が連続して形成される。よって、A層のポリマー連続相がB層のポリマー連続相に連続し、B層のポリマーナノファイバの少なくとも一部がC層のポリマーナノファイバに連続した構造となる。
上記A層の形成工程、B層の形成工程、C層の形成工程の各工程における紡糸口16とコレクター17間の電位差は、基本的に紡糸口16からポリマー溶液がナノファイバ状で吐出されればよい。従って、各工程の電位差は均一であっても、互いに異なっていてもよい。また、各工程における紡糸口16とコレクター17の電位は工程中で一定であっても、徐々に上昇させてもよい。電位差及び電位が一定であれば、各工程で形成される層の形態は厚さ方向で均一である。また、B層の形成工程で電位を上昇させた場合には、厚さ方向でポリマーナノファイバとポリマー連続相との比率や細孔構造に偏りを設けることができる。C層の形成工程中に電位や電圧を変動させた場合には、ポリマーナノファイバの細孔構造に偏りを設けることができる。操作の容易性から鑑みれば、全工程で紡糸口16とコレクター17間の電位差を一定とし、紡糸口16とコレクター17の電位を工程ごとに変動させる方法が好ましい。
本発明においては、ポリマーナノファイバ構造体が所望の構造を持つのであれば、ナノファイバ集積後、必要に応じて、ナノファイバ表面または内部に別物質を加える、又は化学反応を誘起させる処理を実施しても良い。例えば、熱処理を施す、化合物をウェット又はドライプロセスによりナノファイバに接触させる、或いはその両方を施すなどの方法がある。尚、ナノファイバ集積後の操作ではナノファイバの溶融点以下で実施されることが好ましい。
上記A層、B層、C層のような層を例えば、別々に作製して貼り合わせてナノファイバ構造体とした場合、A層とB層、B層とC層との間に連続性がないため、応力が加えられた際に、界面近傍から剥がれが生じる恐れがある。本発明のように連続的にA層乃至C層を形成した場合には、上記したようにA層とB層、B層とC層との間に連続性があるため、応力が加えられた際にも剥がれが生じることがない。また、ポリマーナノファイバのみによる部分を作製した後に、一部を溶融させてB層を作製する方法も考えうるが、局所的に温度を掛けることが難しく、ポリマーナノファイバのみの部分を多孔質として利用したい場合でも変形して所望の細孔径でなくなる場合がある。
〔ポリマー材料〕
本発明において、ポリマーナノファイバ及びポリマー連続相は、少なくとも有機ポリマー成分からなる。有機ポリマーとしては、従来公知のポリマー材料を使用することができ、一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。またこの有機ポリマーに、微粒子や従来公知のフィラーを含有した材料も使用することができ、これらを適宜組み合わせて構成することもできる。
本発明に係るポリマー材料は、繊維状構造を形成する材料であれば特に制限はない。具体的には、樹脂材料を始めとする有機材料、或いは、有機材料と、シリカ、チタニア、粘土鉱物等の無機材料をハイブリッドさせた材料が挙げられる。
ここで上記ポリマー材料としては、含フッ素系ポリマー(例えば、テトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等。他のモノマーとの共重合体(例えば、PVDFとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体(PVDF−HFP))であってもよい。);ポリオレフィン系ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等);ポリスチレン(PS);ポリアリーレン類(芳香族系ポリマー、例えば、ポリパラフェニレンオキサイド、ポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキサイド)、ポリパラフェニレンスルフィド);ポリイミド;ポリアミド;ポリアミドイミド;ポリベンゾイミダゾール;ポリオレフィン系ポリマー、ポリスチレン、ポリイミド又はポリアリーレン類(芳香族系ポリマー)に、スルホン酸基(−SO3H)、カルボキシル基(−COOH)、リン酸基、スルホニウム基、アンモニウム基、又はピリジニウム基を導入した変性ポリマー;含フッ素系ポリマーの骨格にスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、スルホニウム基、アンモニウム基又はピリジニウム基を導入した変性ポリマー;ポリブダジエン系化合物;ポリウレタン系化合物(エラストマー状のものやゲル状のものを含む);シリコーン系化合物;ポリ塩化ビニル;ポリエチレンテレフタレート;ナイロン;ポリアリレート、生分解性のポリマー(例えば、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ乳酸等);ポリエーテル類(例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリブチレンオキシド等);ポリエステル(PES)類(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等)等を挙げることができる。
尚、これら列挙されたポリマー材料は、一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。またポリオレフィン系ポリマー、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアリーレン類及び含フッ素系のポリマー以外のポリマー材料においても、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、スルホニウム基、アンモニウム基又はピリジニウム基を導入してなる変性ポリマーを使用することができる。さらに複数種類のモノマーを共重合させることで得られる共重合体ポリマーを使用してもよい。加えて、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド(PAI)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)等のように溶融させづらいポリマー材料の場合には、例えば、熱可塑性樹脂を組み合わせて使用してもよい。
上記ポリマー材料の内、大気中で使用する場合などの湿気への耐久性の観点から、耐水性のポリマー材料が好ましい。また上記ポリマーの内、高い温度領域での使用や他の物体との接触による発熱防止の観点から、好ましくは融点が80℃以上のポリマー材料である。
上記有機ポリマーと共に使用できる無機材料としては、Si、Mg、Al、Ti、Zr、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Sn及びZnから選択される金属材料の酸化物が挙げられる。より具体的には、シリカ(SiO2)、酸化チタン、酸化アルミニウム、アルミナゾル、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化クロム等の金属酸化物を挙げることができる。また、モントモリロナイト(MN)の様な粘土鉱物を用いることもできる。ここで、無機材料がポリマーナノファイバに含有されていると、ポリマーナノファイバ同士を接合させる際に、機械的強度が著しく向上する傾向があるため、耐久性の向上の観点から好ましい。
またポリマーナノファイバ及びポリマー連続相を構成する繰り返し構造にイミド構造が含まれる場合は、その剛直で強固な分子構造から耐熱性に加え、機械的強度が高い傾向があるので好ましい。
〔ポリマーナノファイバ構造体〕
本発明のポリマーナノファイバ構造体は、前記したように、ポリマー連続相からなるA層とポリマーナノファイバとポリマー連続相からなるB層とポリマーファイバのみからなるC層とを有している。
本発明において、B層及びC層の構成部材であるポリマーナノファイバとは、太さよりも長さの方が長いものである。本発明において、ポリマーナノファイバの太さの指標となる平均直径(平均ファイバ径)は、特に限定されないが、好ましくは、1nm以上10000nm未満である。特に、比表面積の高いポリマーナノファイバ構造体を得るためには、ファイバ径が大き過ぎると空間辺りの繊維本数が限られてしまうため、平均ファイバ径が1500nm未満であることがより好ましい。尚、平均ファイバ径が1nm未満の場合には、ポリマーナノファイバ構造体作製上の観点から取り扱いづらく、ポリマーナノファイバの取り扱いの観点からは、平均ファイバ径が50nm以上であれば扱い易い傾向があるため、好ましい。
本発明において、ポリマーナノファイバの断面形状は特に限定されず、具体的な形状としては、円形、楕円形、四角形、多角形、半円形等が挙げられる。尚、ポリマーナノファイバの断面形状は、以上に列挙した正確な形状でなくてもよいし、任意の断面で形状が異なっていてもよい。
ここで、ポリマーナノファイバの形状が円柱状であると仮定すると、その円柱の断面となる円の直径が上記ポリマーナノファイバのファイバ径に相当する。またポリマーナノファイバの形状が円柱状でない場合では、上記のポリマーナノファイバのファイバ径とはポリマーナノファイバの断面における重心を通る最長直線の長さを指す。尚、本発明において、ポリマーナノファイバの長さは、通常ファイバ径の10倍以上である。
ポリマーナノファイバの形状(ファイバの断面形状、ファイバ径等)は、走査型電子顕微鏡(SEM)やレーザー顕微鏡測定による直接観察により確認できる。
ナノファイバ構造体の局所的な構造の定量的な指標としてポリマー存在率がある。本発明においてポリマー存在率とは単位広さ辺りのポリマー材料の占める空間広さ割合であり、本発明においてポリマーの存在率はA層>B層>C層である。但し、前記A層、B層、C層の各層内において、局所的なポリマー存在率は一定であっても厚さ方向で変化していても良い。
A層は、支持体として使用する場合の強度の観点からポリマー存在率が90%以上であることが好ましく、望ましくは97%以上であり、100%であってもよい。また、A層の厚さは特に限定されるものではないが、100nm以上500μm以下であることが好ましく、更に好ましくはC層の平均ファイバ径より大きく200μm以下が望ましい。A層の厚さが100nm未満では、A層を支持体として用いる際の強度やB層及びC層のポリマーナノファイバとの密着性が低下する可能性がある。一方500μmを超えると、本発明のポリマーナノファイバ構造体を他の素材に付着させて用いる際などの操作性が下がるため好ましくない。
B層の厚さは特に限定されるものではないが、100nm以上500μm以下であることが好ましく、更に好ましくはC層の平均ファイバ径より大きく200μm以下が望ましい。B層の厚さが100nm未満の場合、C層との密着性が低下する可能性がある。一方500μmを超える場合には、ポリマーナノファイバ構造体を他の素材に付着させて用いる際などの操作性が下がるため好ましくない。
また、B層におけるポリマー存在率はA層よりも低く、C層よりも高いが、好ましくは70%以上で97%未満である。C層におけるポリマー存在率はB層よりも低ければ良く、好ましくは1%以上70%未満である。
A層とB層の界面は、A層内からポリマーナノファイバが存在する側に向かい、初めて形状を残したポリマーナノファイバが確認できた部分がB層の開始部とする。また、C層は、ポリマー連続相がなくポリマーナノファイバのみが集積し、B層より延びるポリマーナノファイバを一部でも含めば良い。
本発明のポリマーナノファイバ構造体を大気中に置いた場合、ポリマーナノファイバ又はポリマー連続相が存在しない空隙には空気が存在している。本発明のポリマーナノファイバ構造体において、隣りあう複数のポリマーナノファイバ又はポリマー連続相が存在しない空隙を細孔といい、ある不特定の細孔内で、最小となる部分の長さを部分細孔径とする。複数のポリマーナノファイバが密接して、わずかな隙間も作られない場合は、細孔と呼ばないため、部分細孔径は零(ゼロ)より大きな値である。本発明において平均細孔径とは、特定の空間における部分細孔径の平均値である。平均細孔径はポリマーナノファイバ構造体が剥離耐性を維持する限り特に限定されるものではないが、C層の平均細孔径は10nm以上50000nm以下である。特にサブミクロンサイズの物質のセパレータとして使用する上では10000nm以下が好ましい。C層の平均細孔径が10nm未満であると、気体中の湿気が液滴として付着した際に毛細管現象で細孔を塞ぐ可能性がある。一方、平均細孔径が50000nmを超えると、ポリマーナノファイバの直径に対し空間が大き過ぎるために強度が下がる上、微小粒子などの捕集機能が下がってしまい、好ましくない。
ポリマーナノファイバ構造体において、C層におけるポリマーナノファイバの集積形態は、ランダムであっても特定の方向に長さ方向が向いているポリマーナノファイバ数が多い配向状態でも良い。
C層の厚さは特に限定されるものではないが、B層の厚さ以上1000μm以下であることが好ましく、更に好ましくはC層の平均ファイバ径より大きく200μm以下が望ましい。C層の厚さがB層の厚さ未満では、微粒子の捕集などポリマーナノファイバ特有の効果が発揮されにくく、1000μmを超えるとポリマーナノファイバ構造体を他の素材に付着させて用いる際などの操作性が下がるため好ましくない。
本発明のポリマーナノファイバ構造体は単独であっても、下地材料表面に作製されていても良い。下地材料は何ら限定されるものではなく、樹脂材料をはじめとする有機材料、シリカ、チタニア、等の無機材料、アルミニウム箔などの金属材料、或いは、前記有機材料と無機材料をハイブリッドさせた材料を用いても構わない。また下地材料は途中から材料が変わっても良く、中空構造、多孔質構造を持っていても良い。本発明においては、コレクターの電位を制御することにより、A層からC層までを連続形成するため、下地材料としてはコレクターと同電位に制御しやすい金属材料を用いることが望ましい。
〔ポリマーナノファイバ構造体の構造評価〕
本発明のポリマーナノファイバ構造体がエレクトロスピニング法で作製される過程は、ファイバ径が数百nm以上であれば目視で確認することができる。また、ポリマーナノファイバ構造体自体は、ファイバ径のサイズに関わらず、作製後に走査型電子顕微鏡(SEM)やレーザー顕微鏡による直接観察により確認できる。特に表面から逆表面に向かう方向でポリマーナノファイバやポリマー連続相の状態がどのように変化しているかの情報を得るためには、破断面における表面からの観察が有効である。破断面出しにはナイフを用いての切断やアルゴンビームをあてることによる切断などが有効である。
またポリマーナノファイバの平均ファイバ径は、C層の破断面をSEM又はレーザー顕微鏡で測定し、得られた画像を画像解析ソフトに取り込んだ後、任意の50点のポリマーナノファイバの幅を計測することで求めることができる。
C層のポリマー存在率はC層の破断面をSEM又はレーザー顕微鏡で測定し、得られた画像を画像解析ソフトに取り込んだ後、二値化する。次いで、ポリマーナノファイバ存在部と非存在部とに切り分け、ポリマーナノファイバ存在部の面積割合を計算することによる算出できる。A層、B層については、ポリマーナノファイバ構造体の破断面の画像観察により、A層とB層、B層とC層でのポリマー存在率の大小関係を比較する。
C層のポリマーナノファイバの平均細孔径は、バブルポイント法やBET法を用いた細孔径分布評価装置で測定できる。また、ポリマーナノファイバの局所的な範囲における平均細孔径はC層の破断面をSEM又はレーザー顕微鏡で測定し、得られた画像を画像解析ソフトに取り込む。そして、各隙間において最小となる長さを任意の50点について計測して平均値を計算して求めることができる。
ポリマーナノファイバ構造体内の組成は、赤外分光法、ラマン分光法、エックス線分光分析などから確認が可能である。ポリマーナノファイバ構造体の表面に存在するA層やC層、A層又はC層の厚さが各分析手法の許容範囲である際のB層は、表面からの分析で組成を確認できる。またポリマーナノファイバ構造体の破断面を出した場合には、顕微ラマン分光分析やエックス線分光分析によるマッピング測定で、各部分の組成をより明確に切り分けて確認できる。
以上のように、本発明のポリマーナノファイバはA層からC層まで連続形成され、A層とB層、B層とC層とで連続性があるため、互いに密着性が良く、曲げなどの応力がかかった場合でも、構造体内で一部又は全部が剥離する恐れがない。また、本発明のポリマーナノファイバ構造体は、A層からC層まで全てが同一材料からなるため、温度変化が大きい環境で使用しても、熱膨張率差による界面の変形や破損を生じる恐れがない。
よって、本発明のポリマーナノファイバ構造体は、擦れなどの外的要因が加わっても長期に亘って使用可能な比表面積の高いポリマーナノファイバ構造体となり得ることから、例えば微粒子捕集用材料として好適に利用することができる。
図3に本発明のポリマーナノファイバ構造体を微粒子の捕集装置に用いる際の形態の一例を示す。図3に示すように、本発明のポリマーナノファイバ構造体はA層1を外側にして円筒形に成形され、一番内側のC層3に円筒の一端から他端に向かって流体を流すことにより、該流体に含まれる微粒子をC層3によって捕集する。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明は実施例によって制限されるものではない。各例の作製条件は表1に、評価結果は表2に示す。
(実施例1)
図2に示す構成のエレクトロスピニング方式の装置を用いてポリマーナノファイバ構造体の作製を行った。使用した装置は株式会社メック製のNANONである。ポリマー溶液の貯蔵タンク14として金属針付きのシリンジを用いた。コレクター17にはアルミニウム板を用いた。前記金属針(紡糸口16)が配置されたヘッドから、コレクター17までの距離は30cmと一定であった。
ポリマー溶液として、ポリアミドイミド(PAI、バイロマックスHR−13NX、東洋紡株式会社製)を、ジメチルホルムアミド(DMF)を用いて、固形分濃度を20質量%にしたポリマー溶液を調製した。この溶液を金属針付きのシリンジ内に流し込んだ。また、コレクター17にポリマーナノファイバ構造体を作製する下地材料としてアルミニウム箔を乗せた。また、ポリマー溶液の押し出し速度が毎時1mlとなるよう装置設定を調整した。
表1に示すように、上部電源18による紡糸口16への印加電圧を+10kV、下部電源20によるコレクター17への印加電圧を−15kVとし、30分間ポリマー溶液を吐出させた。次いで、上部電源18及び下部電源20を切ることなく、紡糸口16への印加電圧を+13kV、コレクター17への印加電圧を−12kVに変更し、30分間ポリマー溶液を吐出させた。さらに、上部電源18及び下部電源20を切ることなく、紡糸口16への印加電圧を+20kV、コレクター17への印加電圧を−5kVに変更し、20分間ポリマー溶液を吐出させた。係る工程により、A層、B層、C層からなるポリマーナノファイバ構造体を得た。
各層の観察のため、ポリマーナノファイバ構造体を2つに等分した内の一方を使用した。破断面を出すため、アルゴンビームによりポリマーナノファイバ構造体を厚さ方向に沿って切断した。使用した装置はJEOL製クロスセクションポリッシングであり、印加電圧4kVで処理時間は8時間であった。
各層の観察にはレーザー顕微鏡を利用した。コレクターに近い側からA層、B層、C層が観察され、A層とB層とに連続するポリマー連続相と、B層とC層とに連続するポリマーナノファイバが観察された。ポリマー存在率は明らかにA層>B層>C層であった。各層の厚さとC層の平均ファイバ径、平均細孔径、ポリマー存在率を表2に示す。
(剥離耐性の評価)
本発明における、ポリマーナノファイバ構造体の剥離耐性向上の確認は、曲げ試験と圧縮空気吹きつけ試験により行った。尚、試験に際しては下地材料のアルミニウム箔はポリマーナノファイバ構造体から剥離した。この際、液体窒素中で低温に冷却した後にナイフを接触部付近に当てながらアルミ箔側を剥がしていく方法を用いた。
〈曲げ試験〉
曲げ試験は曲げた後に剥離が生じているかを確認する試験である。図4(a)に示すように、ポリマーナノファイバ構造体を厚さ方向に切断して所定の大きさに切り出し、測定用試料とする。試料の一破断面を観察面として、該破断面に直交し、A層又はC層の表面に平行な軸を曲げる際の軸41とする。曲げ試験はポリマーナノファイバ構造体が平面状(図4(b))で開始状態とし、曲げ角度0°とする。上記軸41を中心に、曲げ角度が70°となるまで曲げ(図4(c))、さらに、曲げ角度0°を経て(図4(d))、反対側に曲げ角度70°となるまで曲げて(図4(e))、再び曲げ角度0°に戻す(図4(f))。この一連の操作を1回として、20回繰り返す。操作後、観察面をレーザー顕微鏡によって観察し、剥離がなかった場合は良、剥離があった場合は不可と判定した。
〈圧縮空気吹きつけ試験〉
圧縮空気吹きつけ試験は、ポリマーナノファイバ構造体のA層が外側になるよう筒形状を作製し、そこに圧縮空気を吹き付ける方法で剥離が生じるかを確認する試験である。直径が2mmの円筒形になるように、A層を外側にしてポリマーナノファイバ構造体を筒型に形成する。ポリマーナノファイバ構造体が非常に薄い場合は直径が2mmの鉄製の筒を支持体として利用し、その内側の壁面にA層が接触するように配置する。筒状となったポリマーナノファイバ構造体に筒の一端から圧縮空気を0.2Paで5秒吹き付け、剥離の有無をレーザー顕微鏡によって観察し、剥離がなかった場合は良、有った場合は不可と判定する。
本評価でいずれの試験でも剥離耐性良の場合であれば、曲げなど応力がかかる操作で剥離を生じることのないポリマーナノファイバ構造体を提供することができる。結果を表2に示す。
圧縮空気吹きつけ試験実施後のポリマーナノファイバの破断面のレーザー顕微鏡像を図5に示した。図5において紙面上下方向において最下層がA層、最上層がC層である。A層にはポリマーナノファイバが観察されず、C層にはポリマー連続相が確認できなかった。また、ポリマーナノファイバとポリマー連続相を観察できるところがB層である。
(実施例2)
紡糸口及びコレクターへの印加電圧と印加時間とを表1に示すように変えた以外は実施例1と同様にしてポリマーナノファイバ構造体を作製した。得られたポリマーナノファイバ構造体の破断面をレーザー顕微鏡により観察したところ、コレクター17に近い側からA層、B層、C層が確認された。A層とB層とに連続するポリマー連続相と、B層とC層とに連続するポリマーナノファイバも観察された。ポリマー存在率は明らかにA層>B層>C層であった。各層の厚さとC層の平均ファイバ径、平均細孔径、ポリマー存在率、剥離耐性の評価結果を表2に示す。また、圧縮空気吹きつけ試験では、鉄製の筒を支持体としてセッティングして実施した。
(実施例3)
ポリマー溶液としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を2−ブタノンを用いて固形分濃度を20質量%にしたものを用い、電圧の印加条件を表1に示すように変えた以外は実施例1と同様にしてポリマーナノファイバ構造体を作製した。得られたポリマーナノファイバ構造体の破断面をレーザー顕微鏡により観察したところ、コレクター17に近い側からA層、B層、C層が確認された。A層とB層とに連続するポリマー連続相と、B層とC層とに連続するポリマーナノファイバが観察された。ポリマー存在率は明らかにA層>B層>C層であった。各層の厚さとC層の平均ファイバ径、平均細孔径、ポリマー存在率、剥離耐性の評価結果を表2に示す。
(実施例4)
ポリマー溶液としてポリメタクリル酸メチル(PMMA)をクロロホルムを用いて固形分濃度を15質量%にした溶液を用い、電圧の印加条件を表1に示すように変えた以外は実施例1と同様にしてポリマーナノファイバ構造体を作製した。得られたポリマーナノファイバ構造体の破断面をレーザー顕微鏡により観察したところ、コレクター17に近い側からA層、B層、C層が確認された。A層とB層とに連続するポリマー連続相と、B層とC層とに連続するポリマーナノファイバが観察された。ポリマー存在率は明らかにA層>B層>C層であった。各層の厚さとC層の平均ファイバ径、平均細孔径、ポリマー存在率、剥離耐性の評価結果を表2に示す。
(比較例1)
A層、B層、C層を個々に形成して貼り合わせる以外は実施例1と同様にしてポリマーナノファイバ構造体を作製した。即ち、実施例1のA層と同じ条件でコレクター17上のアルミニウム箔上にA層を形成した後、上部電源18及び下部電源20を切り、下地材料であるアルミニウム箔を新しいものに交換した。次いで、実施例1のB層を同じ条件で上記アルミニウム箔上にB層のみを形成し、上部電源18及び下部電源20を切り、下地材料であるアルミニウム箔を新しいものに交換し、実施例1と同じ条件でC層を形成した。各層を十分に乾燥させた後、各層の下地材料のアルミニウム箔を剥離し、A層、B層、C層の順に重ねて貼り合わせた。この際、C層の厚みが元の90%以下にならないように両面から圧力を印加し、80℃で5分保持して貼り合わせた。
得られたポリマーナノファイバ構造体の破断面をレーザー顕微鏡により観察した。その結果、各層を横断して存在する連続相やポリマーナノファイバはないものの、処理で得られた順に、ポリマー連続相のみからなるA層、ポリマーナノファイバとポリマー連続相からなるB層、ポリマーナノファイバのみからなるC層が積層されていた。各層の厚さとC層の平均ファイバ径、平均細孔径、ポリマー存在率、剥離耐性の評価結果を表2に示す。表2に示すように、曲げ試験では各界面で剥離が生じ、圧縮空気吹きつけ試験では、ポリマーナノファイバのみからなるC層が剥離した。
(比較例2)
ポリマー溶液としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を2−ブタノンを用いて固形分濃度を20質量%にしたものを用い、電圧の印加条件を表1に示すように変えた以外は比較例1と同様にしてポリマーナノファイバ構造体を作製した。
得られたポリマーナノファイバ構造体の破断面をレーザー顕微鏡により観察した。その結果、各層を横断して存在する連続相やポリマーナノファイバはないものの、処理で得られた順に、ポリマー連続相のみからなるA層、ポリマーナノファイバとポリマー連続相からなるB層、ポリマーナノファイバのみからなるC層が積層されていた。各層の厚さとC層の平均ファイバ径、平均細孔径、ポリマー存在率、剥離耐性の評価結果を表2に示す。表2に示すように、曲げ試験では各界面で剥離が生じ、圧縮空気吹きつけ試験では、ポリマーナノファイバのみからなるC層が剥離した。
(比較例3)
ポリマー溶液としてポリメタクリル酸メチル(PMMA)をクロロホルムを用いて固形分濃度を15質量%にした溶液を用い、電圧の印加条件を表1に示すように変えた以外は比較例1と同様にしてポリマーナノファイバ構造体を作製した。
得られたポリマーナノファイバ構造体の破断面をレーザー顕微鏡により観察した。その結果、各層を横断して存在する連続相やポリマーナノファイバはないものの、処理で得られた順に、ポリマー連続相のみからなるA層、ポリマーナノファイバとポリマー連続相からなるB層、ポリマーナノファイバのみからなるC層が積層されていた。各層の厚さとC層の平均ファイバ径、平均細孔径、ポリマー存在率、剥離耐性の評価結果を表2に示す。表2に示すように、曲げ試験では各界面で剥離が生じ、圧縮空気吹きつけ試験では、ポリマーナノファイバのみからなるC層が剥離した。
Figure 0006333018
Figure 0006333018
1:A層、2:B層、3:C層

Claims (9)

  1. ポリマー連続相からなるA層と、
    ポリマーナノファイバと前記ポリマーナノファイバ間を部分的に埋めるポリマー連続相とからなるB層と、
    ポリマーナノファイバのみからなるC層と、を前記A層、B層、C層の順に有し、
    ポリマーの存在率がA層>B層>C層であり、
    前記C層の平均細孔径が10nm以上50000nm以下であり、
    前記A層のポリマー連続相、前記B層のポリマーナノファイバ及びポリマー連続相、前記C層のポリマーナノファイバが同一のポリマー材料から構成されており、
    前記A層のポリマー連続相が前記B層のポリマー連続相に連続しており、前記B層のポリマーナノファイバの少なくとも一部が前記C層のポリマーナノファイバに連続していることを特徴とするポリマーナノファイバ構造体。
  2. 前記ポリマー材料が、耐水性を有するポリマー材料であることを特徴とする請求項1に記載のポリマーナノファイバ構造体。
  3. 前記ポリマー材料の融点が80℃以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリマーナノファイバ構造体。
  4. 前記C層の厚さは、前記B層の厚さ以上1000μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリマーナノファイバ構造体。
  5. エレクトロスピニング法によるポリマーナノファイバ構造体の製造方法であって、
    接地電位に対してポリマー溶液の吐出部を正電位、捕集部を負電位とし、前記捕集部にポリマー溶液の液滴を付与してポリマー連続相からなるA層を形成する工程と、
    前記A層を形成する工程に続いて、少なくとも前記捕集部の電位を上げ、前記A層上にポリマー溶液の液滴とポリマーナノファイバとを付与して、ポリマーナノファイバとポリマー連続相とからなるB層を形成する工程と、
    前記B層を形成する工程に続いて、少なくとも前記捕集部の電位を上げ、前記B層上にポリマーナノファイバを堆積させてポリマーナノファイバのみからなるC層を形成する工程と、を有することを特徴とするポリマーナノファイバ構造体の製造方法。
  6. 前記A層、B層、C層を形成する工程において前記ポリマー溶液の吐出部と捕集部との間に印加される電圧が、各工程において一定であることを特徴とする請求項5に記載のポリマーナノファイバ構造体の製造方法。
  7. 前記A層、B層、C層を形成する工程において前記ポリマー溶液の吐出部と捕集部との間に印加される電圧が、全工程において一定であることを特徴とする請求項6に記載のポリマーナノファイバ構造体の製造方法。
  8. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のポリマーナノファイバ構造体を用いてなる微粒子の捕集装置であって、
    前記ポリマーナノファイバ構造体が、C層を内側にして筒型に成形されていることを特徴とする捕集装置。
  9. 連続相であるポリマーとポリマーナノファイバとを有するポリマーナノファイバ構造体であって、
    前記ポリマーナノファイバ構造体はA層、B層、C層をこの順で連続して有し、
    前記A層は、前記連続相であるポリマーを有し前記ポリマーナノファイバを有さず、
    前記B層は、前記連続相であるポリマーを有し前記ポリマーナノファイバも有し、
    前記C層は、前記連続相であるポリマーを有さず前記ポリマーナノファイバを有し、
    前記連続相であるポリマーと前記ポリマーナノファイバは同一のポリマー材料からなり、
    前記C層は前記B層より延びる前記ポリマーナノファイバを有し
    前記C層は平均細孔径が10nm以上50000nm以下であることを特徴とするポリマーナノファイバ構造体。
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