JP6330890B2 - 変速機のリバース機構 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に備えられる変速機のリバース機構に関し、特に、手動変速機に用いられるギヤ抜け防止技術の分野に属する。
一般に、自動車等の車両に用いられる手動変速機として、エンジンにクラッチを介して連結されたプライマリシャフトと、このプライマリシャフトに平行に配置され、駆動輪に差動装置を介して連結されたセカンダリシャフトとを有し、これらの2軸間に複数の前進変速段用ギヤ列が設けられるとともに、さらに、これらの2軸に平行に配置されたアイドルシャフトを加えた3軸間に後退速用ギヤ列が設けられた構成のものが知られている。
この種の変速機においては、前進変速段用ギヤ列は、変速操作が走行中に行われることから、プライマリシャフト上のギヤとセカンダリシャフト上のギヤとを常時噛み合わせ、選択されたギヤ列を同期装置により動力伝達状態とする常時噛み合い式が採用されるのに対し、通常、車両の停止中に変速操作が行われる後退速用ギヤ列は選択摺動式とされる。すなわち、後退速用ギヤ列は、プライマリシャフトに固設されたリバースプライマリギヤと、セカンダリシャフトに固設されたリバースセカンダリギヤと、アイドルシャフトに遊嵌合されたリバースアイドルギヤとで構成され、後退速への変速操作時には、シフトレバーの操作に連動してリバースアイドルギヤが、リバースプライマリギヤとリバースセカンダリギヤとに噛み合わされて後退速用ギヤ列が動力伝達状態とされる。
ところで、前述のような選択摺動式の後退速用ギヤ列においては、各ギヤが設けられたシャフトの軸受部のがたつき、シャフトとギヤの嵌合部のがたつき、シャフト自体の撓み等により、動力伝達時に、リバースプライマリギヤとリバースアイドルギヤ、及びリバースアイドルギヤとリバースセカンダリギヤとが、それぞれ相対的に傾いた状態で噛み合うことがある。
ここで、このギヤの傾きについて図5を用いて説明する。なお、この説明では、リバースプライマリギヤ、リバースセカンダリギヤ、リバースアイドルギヤを、それぞれ、プライマリギヤ、セカンダリギヤ、アイドルギヤと記す。
図5(a)、(b)は、駆動時における動力の伝達方向に沿い、プライマリギヤPの中心からアイドルギヤIとの噛み合い部を見た状態(図2、矢視x参照)、及び、アイドルギヤIの中心からセカンダリギヤSとの噛み合い部を見た状態(図2、矢視y参照)をそれぞれ模式的に示す。この例では、前者の噛み合い部ではプライマリギヤPに対してアイドルギヤIが反時計回り方向に、後者の噛み合い部ではアイドルギヤIに対してセカンダリギヤSが時計回り方向に、それぞれ相対的に傾いている。
なお、前者の噛み合い部ではプライマリギヤPに対してアイドルギヤIが時計回り方向に、後者の噛み合い部ではアイドルギヤIに対してセカンダリギヤSが反時計回り方向に、それぞれ相対的に傾くことはあり得る。いずれにしても、これらの軸心の傾きは、全体としてバランスが取れる状態に傾き、両噛み合い部におけるギヤの傾きが図5において同一方向に傾くことは、バランス上、起こりえないものと考えられる。
また、プライマリギヤP、セカンダリギヤS及びアイドルギヤIは、駆動時にそれぞれA方向、B方向、C方向に回転し、Dは動力の伝達方向、XはアイドルギヤIの入り方向を示す。
図5(a)に示すように、プライマリギヤPに対してアイドルギヤIが反時計回り方向に傾いている場合、その傾きに起因してプライマリギヤPの回転方向AとアイドルギヤIの回転方向Cのずれにより、両ギヤの特定の歯Pg、Igが当接し始めてから離反するまでの間、両歯Pg、Igの当接部pにおいて、動力伝達側であるプライマリギヤPからアイドルギヤIに左方向に押力Fが作用し、この力Fにより、アイドルギヤIが入り方向Xに移動する。したがって、この噛み合い部では、アイドルギヤIのギヤ抜けが生じることはない。
一方、図5(b)に示すように、アイドルギヤIに対してセカンダリギヤSが時計回り方向に傾いている場合、その傾きに起因してアイドルギヤIの回転方向CとセカンダリギヤSの回転方向Bのずれにより、両ギヤの特定の歯Ig、Sgが当接し始めてから離反するまでの間、両歯Ig、Sgの当接部qにおいて、動力伝達側のギヤであるアイドルギヤIからセカンダリギヤSに右方向に押力Fが作用し、この力の反力F’により、アイドルギヤIが反入り方向X’に移動する。
したがって、前述のように後退走行中に、後退進用ギヤ列の傾きによって発生するアイドルギヤIの反入り方向X’への移動により、セカンダリギヤSとアイドルギヤIとの噛み合いが外れるギヤ抜けが発生する虞がある。
なお、以上の現象は、図5(a’)に示すように、アイドルギヤの歯Igの後端部がプライマリギヤの歯Pgの歯面に当接している場合、図5(b’)に示すように、アイドルギヤの歯Igの後端部がセカンダリギヤの歯Sgの歯面に当接している場合も同様である。
また、図5では、各ギヤP、S、Iの噛み合い部に作用する力を説明するために、プライマリギヤPとアイドルギヤI、及びアイドルギヤIとセカンダリギヤSの傾きをそれぞれ誇張して示している。
この問題に対処するため、特許文献1では、図6に示すように、プライマリギヤP’、アイドルギヤI’、セカンダリギヤS’のそれぞれのギヤの歯面に、チャンファPc’、Ic’、Sc’が設けられた先端側から後端側にかけて歯厚が薄くなる方向に傾斜させるバックテーパーPt’、Pt’、It’、It’、St’、St’が各ギヤP’、I’、S’の両歯面に設けられている。
これにより、アイドルギヤI’の回転方向前方側のバックテーパーIt’とセカンダリギヤS’との噛み合い部では、トルク伝達時にセカンダリギヤS’に反ギヤ入り方向の分力Tが作用し、その反力としてアイドルギヤI’にギヤ入り方向Xの力T’が働き、ギヤ抜けが防止されることになる。また、プライマリギヤP’とアイドルギヤI’との噛み合い部では、トルク伝達時にアイドルギヤI’にギヤ入り方向Xの分力Tが作用し、ギヤ抜けが防止されることになる。
したがって、プライマリギヤP’とアイドルギヤI’との噛み合い部においても、アイドルギヤI’とセカンダリギヤS’との噛み合い部においてもトルクはバックテーパーPt’、It’、St’を介して伝達され、いずれの噛み合い部においても軸方向力が発生する。また、駆動力源から駆動輪側へ動力が伝わる駆動時も、駆動輪側から駆動源側へ慣性力が伝わる車両の惰行時も同様である。
なお、図6は、アイドルギヤI’に作用する力を説明するために、プライマリギヤP’とセカンダリギヤS’とアイドルギヤI’のとの噛み合い状態を模式的に1つの図で表したものであり、実際にはアイドルギヤI’は別々の歯によってプライマリギヤP’と、セカンダリギヤS’に噛み合っている。
また、図に示すX方向は、アイドルギヤI’がプライマリギヤP’及びセカンダリギヤS’と噛み合う方向であり、この方向がアイドルギヤI’の入り方向である。
特開2002−250410号公報
しかしながら、このバックテーパーを後退速用ギヤ列の各ギヤの両歯面に設定するとギヤ抜けを抑制することはできるが、その反面、同一の歯数を確保するギヤの場合、歯厚が各歯の後端側で薄くなって歯の強度が低下してしまう。さらに、前記バックテーパーにより、歯面の歯当たりが悪くなることに起因して、ギヤノイズが発生しやすくなる。
そこで、本発明は、リバースアイドルギヤのギヤ抜けを防止しつつ、各ギヤの強度低下及びギヤノイズを低減できる変速機のリバース機構とすることを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る変速機のリバース機構は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、請求項1に記載の発明は、
駆動源側のプライマリシャフトに設けられたリバースプライマリギヤと、駆動輪側のセカンダリシャフトに設けられたリバースセカンダリギヤと、前記両シャフトに平行に配置されたアイドルシャフト上を摺動することにより前記リバースプライマリギヤ及びリバースセカンダリギヤに噛み合い可能とされたリバースアイドルギヤとを有する変速機のリバース機構であって、
前記リバースアイドルギヤにおける各歯の両側の歯面のうち、駆動時に前記リバースプライマリギヤ又はリバースセカンダリギヤから該リバースアイドルギヤに反噛み合い方向に移動させる力が作用する一方側の歯面のみと、動力伝達時にこの歯面と当接するリバースプライマリギヤ又はリバースセカンダリギヤの各歯の一方の歯面とに、バックテーパーが設けられていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、
前記リバースプライマリギヤと前記リバースセカンダリギヤのうち、駆動時に歯面が前記リバースアイドルギヤの他方側の歯面に当接するギヤは、歯の両側の歯面ともにバックテーパーが設けられていないことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、
前記リバースプライマリギヤと前記リバースセカンダリギヤのうち、駆動時に歯面が前記リバースアイドルギヤの前記一方側の歯面に当接するギヤは、各歯の両側の歯面にバックテーパーが設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、
前記リバースプライマリギヤと前記リバースセカンダリギヤのうち、駆動時に歯面が前記リバースアイドルギヤの前記一方側の歯面に当接するギヤは、各歯の前記一方の歯面にのみバックテーパーが設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、
前記リバースプライマリギヤと前記リバースセカンダリギヤのうち、駆動時に一方の歯面が前記リバースアイドルギヤの前記一方側の歯面に当接するギヤは、リバースセカンダリギヤであることを特徴とする。
まず、請求項1に記載の発明によれば、選択摺動式の後退速用ギヤ列において、リバースプライマリギヤ及びリバースセカンダリギヤに噛み合うリバースアイドルギヤにおける各歯の両側の歯面のうち、駆動時に前記リバースプライマリギヤ又はリバースセカンダリギヤから該リバースアイドルギヤに抜け方向に移動させる力が作用する一方側の歯面のみと、駆動時にこの歯面と当接するリバースプライマリギヤ又はリバースセカンダリギヤの各歯の一方の歯面とにバックテーパーが設けられた歯面を介してリバースプライマリギヤからリバースアイドルギヤに、又はリバースアイドルギヤからリバースセカンダリギヤに動力が伝達されることになり、その際に歯面間で発生する軸方向の分力により、リバースアイドルギヤを抜け方向に移動させる力が相殺ないし低減され、アイドルギヤのギヤ抜けが防止されることになる。
その場合、リバースアイドルギヤについては、各歯の両側の歯面のうち、抜け方向の力が作用する側の歯面にのみバックテーパーを設けるようにしたので、各歯の両側の歯面にバックテーパーを設ける場合に比べて、加工工数が低減されると共に、リバースアイドルギヤの歯の強度の低下や歯の噛み合い不良によるギヤノイズの発生が抑制されることとなる。
また、請求項2に記載の発明によれば、前記リバースプライマリギヤと前記リバースセカンダリギヤのうち、駆動時に歯面が前記リバースアイドルギヤのバックテーパーが設けられていない側の歯面に当接するギヤには、歯の両側の歯面ともにバックテーパーを設けていないので、バックテーパーを設けることによる該ギヤの強度低下を低減することができる。
またさらに、請求項3に記載の発明によれば、前記リバースプライマリギヤと前記リバースセカンダリギヤのうち、駆動時に歯面が前記リバースアイドルギヤのバックテーパーが設けられている側の歯面に当接するギヤは、各歯の両側の歯面にバックテーパーを設けることで、ギヤ抜けを防止することができるとともに、従来のギヤ構造をそのまま適用することができる。
そして、請求項4に記載の発明によれば、前記リバースプライマリギヤと前記リバースセカンダリギヤのうち、駆動時に一方の歯面が前記リバースアイドルギヤのバックテーパーが設けられている側の歯面に当接するギヤは、各歯の前記一方の歯面にのみバックテーパーを設けることで、ギヤ抜けを防止することができるとともに、該ギヤの強度低下も低減することができる。
そして、請求項5に記載の発明によれば、前記リバースアイドルギヤの前記リバースセカンダリギヤ側歯面にのみ、バックテーパーを設けることで、上述の請求項1に記載の発明と同様の効果が得られる。
本発明の実施形態に係る変速機の基本構造を示す展開図である。 前記変速機における後退速用ギヤ列の軸端側から見た配置図である。 前記後退速用ギヤ列のリバースアイドルギヤがリバースプライマリギヤ及びリバースセカンダリギヤに噛み合う前の状態をリバースアイドルギヤの中心側から見た展開図である。 前記後退速用ギヤ列の各ギヤの噛み合い状態を模式的に示す説明図である。 選択摺動式の後退速用ギヤ列おけるリバースアイドルギヤのギヤ抜けの説明図である。 先行技術の説明図である。
以下、本発明に係る変速機のリバース機構の実施形態について説明する。
図1に示す本実施形態に係る手動変速機1は、前進6速、後進1速の手動変速機であり、例えばFF(フロントエンジン・フロントドライブ)型の車両に搭載される。この変速機1は、変速機ケース2内に、図示しないエンジンの出力軸にクラッチを介して連結されたプライマリシャフト10と、このプライマリシャフト10に平行に配置され、駆動輪(図示せず)に差動装置を介して連結されたセカンダリシャフト20と、これらの2軸間に平行に配置されたアイドルシャフト30とを有している。
前記プライマリシャフト10とセカンダリシャフト20間に、エンジン側から1速用ギヤ列G1、後退速用ギヤ列GR、2速用ギヤ列G2、3速用ギヤ列G3、4速用ギヤ列G4、5速用ギヤ列G5、及び6速用ギヤ列G6が配設されている。
前記1速ギヤ列G1及び2速用ギヤ列G2は、それぞれ、プライマリシャフト10に固設されたプライマリギヤ11、12と、セカンダリシャフト20に遊嵌合されたセカンダリギヤ21、22とで構成されている。また、3速用ギヤ列G3〜6速用ギヤ列G6は、それぞれ、プライマリシャフト10に遊嵌合されたプライマリギヤ13〜16と、セカンダリシャフト20に固設されたセカンダリギヤ23〜26とで構成されている。なお、前進1〜6速用ギヤ列のギヤ11〜16、21〜26同士は、常時噛み合っている。
また、セカンダリシャフト20に遊嵌合された1速用、2速用セカンダリギヤ21、22の間、プライマリシャフト10に遊嵌合された3速用、4速用プライマリギヤ13、14の間、同じくプライマリシャフト10に遊嵌合された5速用、6速用プライマリギヤ15、16の間に、それぞれ、1−2速用同期装置41、3−4速用同期装置42、5−6速用同期装置43が配置され、シフトレバーの操作により、これらの同期装置のスリーブ
が軸方向にスライドし、スライドされた側の遊嵌合ギヤがプライマリシャフト10またはセカンダリシャフト20に固定され、当該ギヤ列が動力伝達状態とされる。
そして、前記セカンダリシャフト20のフロント側の端部には出力ギヤ28が設けられ、該ギヤ28が差動装置50の入力ギヤであるデフリングギヤ51に噛み合わされ、セカンダリシャフト20の回転、すなわち変速機1の出力回転が該差動装置50を介して左右の車軸61、62に伝達されるようになっている。
ここで、前記プライマリシャフト10の前後両端部は軸受け71、72を介して、セカンダリシャフト20の前後両端部は軸受け73、74を介して、それぞれ変速機ケース2に回転自在に支持されている。また、前記アイドルシャフト30の前後両端部は変速機ケースに相対回転不能に支持されている。
一方、後退速用ギヤ列GRは、プライマリシャフト10に固設されたリバースプライマリギヤ17(以下、「プライマリギヤ」という)と、セカンダリシャフト20に固定されたリバースセカンダリギヤ(以下、「セカンダリギヤ」という)27と、アイドルシャフト30に軸方向に摺動自在に嵌合されたリバースアイドルギヤ(以下、「アイドルギヤ」という)37とで構成されている。
そして、アイドルギヤ37を図1の左側に摺動させ、仮想線で表される位置にスライドさせることにより、該リバースアイドルギヤ37がリバースプライマリギヤ17及びリバースセカンダリギヤ27にそれぞれ噛み合い、後退速用ギヤ列GRが動力伝達状態となって、エンジン側からの動力がプライマリギヤ17からアイドルギヤ37を介してセカンダリギヤ27に伝達され、差動装置50を介して左右の車軸61、62に前進時と逆方向の回転で伝達されるようになっている。
その場合に、プライマリギヤ17、セカンダリギヤ27及びアイドルギヤ37は図1の矢視Z方向で図2に示すように配置されており、後退時にはそれぞれA方向、B方向、C方向に回転する。
ここで、後退速用ギヤ列GRを構成する各ギヤ17、27、37の歯の構成を図3を用いて説明する。
図3に示すように、各ギヤ17、27、37は、回転方向Yの前方側の歯面17a…17a、27a…27a、37a…37aと、後方側の歯面17b…17b、27b…27b、37b…37bとを有している。
そして、回転方向Yと同方向に動力を伝える駆動時には、プライマリギヤ17の歯17g…17gの回転方向前方側の歯面17a…17aとアイドルギヤ37の歯37g…37gの回転方向後方側の歯面37b…37bとが当接し、アイドルギヤ37の歯37g…37gの前方側の歯面37a…37aとセカンダリギヤ27の歯27g…27gの後方側の歯面27b…27bとが当接している。
また、各ギヤの歯17g…17g、27g…27g、37g…37gにおける噛み合いが開始される側の先端部には、それぞれチャンファ17c…17c、27c…27c、37c…37cが設けられている。
そして、駆動時に当接するアイドルギヤ37の回転方向前方側の歯面37a…37aと、セカンダリギヤ27の回転方向後方側の歯面27b…27bとに、それぞれバックテーパー37t…37t、27t…27tが設けられている。すなわち、これらの歯面37a…37a、27b…27bは、それぞれのギヤ37、27の先端部側から後端部側にかけて歯の厚みが減少する方向に所定角度で傾斜させている。
次に、この実施形態に係る変速機の後退時の作用について説明する。
まず、チェンジレバーによるリバース選択時、後退速用ギヤ列GRにおいて、アイドルギヤ37がアイドルシャフト30上を図3のX方向に摺動し図4に示すように、アイドルギヤ37がプライマリギヤ17とセカンダリギヤ27とに噛み合い、後退速用ギヤ列GRが動力伝達状態となる。
このとき、プライマリシャフト10、セカンダリシャフト20、アイドルシャフト30の撓み、軸受け部71、72、73、74のがたつき、アイドルギヤ37とアイドルシャフト30の嵌合部におけるがたつき等に起因して、各ギヤ17、27、37の噛み合い部で、ギヤの軸心が相対的に傾いた状態で噛み合う。
この実施形態は、図5に示す場合と同様、シャフトの撓みや軸受け部のがたつき等により、駆動時における動力の伝達方向に沿って見て、プライマリギヤ17に対してアイドルギヤ37が反時計回り方向に、アイドルギヤ37に対してセカンダリギヤ27が時計回り方向にそれぞれ相対的に傾くものとする。
その結果、アイドルギヤ37とセカンダリギヤ27との噛み合い部で、アイドルギヤ37に抜け方向の力が発生する。
このとき、図4に示すように、同時に互いに当接するアイドルギヤ37の歯面37aと、セカンダリギヤ27の歯面27bとにバックテーパー37t、27tが設けられているので、歯面を介して伝達される力の軸方向力として、アイドルギヤ37に入り方向Xの力が作用する。
前記アイドルギヤ37と、前記セカンダリギヤ27との噛み合いでは、ユニットのばらつき、もしくは作動中の噛み合い状態の変化により、アイドルギヤ37の歯面37aとセカンダリギヤ27の歯面27bとの当接方法は2通り考えられる。
まず、図4(a)に示すように、アイドルギヤ37の歯面37aにセカンダリギヤ27のチャンファ27cの角部が当接する場合、この当接部qにおいて、セカンダリギヤ27にアイドルギヤ37のバックテーパー37tに沿って滑ろうとする軸方向の分力Gが発生し、前記当接部qを介して該分力Gの反力G’としてアイドルギヤ37にギヤ入り方向Xの力が働く。
一方、図4(a’)に示すように、アイドルギヤ37の後端側の角部がセカンダリギヤ27の歯面27bに当接する場合、この当接部qにおいて、アイドルギヤ37にセカンダリギヤ27のバックテーパー27tに沿って滑ろうとする軸方向の分力Gが発生し、アイドルギヤはギヤ入り方向Xに移動することになる。
すなわち、上述のような2通りのアイドルギヤ37の歯面37aとセカンダリギヤ27の歯面27bとの当接方法では、アイドルギヤ37のバックテーパー37tもしくはセカンダリギヤ27のバックテーパー27tどちらか一方のバックテーパーが分力を発生させることで、軸心の傾きによる抜け方向の力とが相殺され、ギヤ抜けが抑制される。
また、惰行時には、軸心の傾きによりアイドルギヤ37とセカンダリギヤ27の歯面でアイドルギヤの入り方向Xの力が発生するので、アイドルギヤ37とセカンダリギヤ27の歯の惰行時に当接する歯面37b、27aにはバックテーパーが設けられていない。
一方、プライマリギヤ17とアイドルギヤ37の噛み合い部では、駆動時に入り方向Xの力が発生し、惰行時に抜け方向の力が発生するが、惰行時にこれらのギヤを介して伝達される力は小さいので、これによってギヤ抜けが発生することはない。
このように、ギヤ抜けの原因となる力が発生する歯面のみにバックテーパーが設けられているため、通常のリバース機構のように、3つのギヤの両歯面にバックテーパーが設けられるのに比べて、各ギヤの強度低下を低減できるとともに、バックテーパーを設けることによるギヤノイズの発生が抑制可能となる。
また、本実施形態では、リバースプライマリギヤ17の両歯面17a、17bにはバックテーパーを設ける必要がないため、後退速用ギヤ列のギヤの中で最も径の小さいリバースプライマリギヤ17の歯の強度を向上することができる。
さらに、本発明では、セカンダリギヤとして、各歯の回転方向の前方側及び後方側の歯面にバックテーパーが設けられている既存のギヤがあれば、これを用いてもよい。
そして、本発明では、各軸の軸心が実施形態とそれぞれ反対方向に傾く場合があり、その場合、プライマリギヤ側でギヤ抜けの力が発生するので、バックテーパーがプライマリギヤの歯の回転方向前方側の歯面と、アイドルギヤの回転方向後方側の歯面とにバックテーパーが設けられる。この時、プライマリギヤとして、各歯の回転方向の前方側及び後方側の歯面にバックテーパーが設けられている既存のギヤがあれば、これを用いてもよい。
さらに、本発明は、軸心が車両の全後方向に配置される変速機にも適用可能であり、その場合、ギヤ列が設けられるインプットシャフト又はアウトプットシャフトとカウンタシャフトのうち、各ギヤ列の駆動源側のギヤが設けられたシャフトがプライマリシャフトとなり、駆動輪側のギヤが設けられたシャフトがセカンダリシャフトとなる。
本発明は、車両に搭載される変速機の変速歯車機構に適用される歯車構造の産業分野で利用することができる。
1 変速機
10 プライマリシャフト
17 リバースプライマリギヤ
17a リバースプライマリギヤの回転方向前方側の歯面
17b リバースプライマリギヤの回転方向後方側の歯面
20 セカンダリシャフト
27 リバースセカンダリギヤ
27a リバースセカンダリギヤの回転方向前方側の歯面
27b リバースセカンダリギヤの回転方向後方側の歯面
27t バックテーパー
30 アイドルシャフト
37 リバースアイドルギヤ
37a リバースアイドルギヤの回転方向前方側の歯面
37b リバースアイドルギヤの回転方向後方側の歯面
37t バックテーパー
X リバースアイドルギヤの入り方向(噛み合い方向)
X’ リバースアイドルギヤの反入り方向
Y 回転方向

Claims (5)

  1. 駆動源側のプライマリシャフトに設けられたリバースプライマリギヤと、駆動輪側のセカンダリシャフトに設けられたリバースセカンダリギヤと、前記両シャフトに平行に配置されたアイドルシャフト上を摺動することにより前記リバースプライマリギヤ及びリバースセカンダリギヤに噛み合い可能とされたリバースアイドルギヤとを有する変速機のリバース機構であって、
    前記リバースアイドルギヤにおける各歯の両側の歯面のうち、駆動時に前記リバースプライマリギヤ又はリバースセカンダリギヤから該リバースアイドルギヤに反噛み合い方向に移動させる力が作用する一方側の歯面のみと、動力伝達時にこの歯面と当接するリバースプライマリギヤ又はリバースセカンダリギヤの各歯の一方の歯面とに、バックテーパーが設けられていることを特徴とする変速機のリバース機構。
  2. 前記リバースプライマリギヤと前記リバースセカンダリギヤのうち、駆動時に歯面が前記リバースアイドルギヤの他方側の歯面に当接するギヤは、歯の両側の歯面ともにバックテーパーが設けられていないことを特徴とする請求項1に記載の変速機のリバース機構。
  3. 前記リバースプライマリギヤと前記リバースセカンダリギヤのうち、駆動時に歯面が前記リバースアイドルギヤの前記一方側の歯面に当接するギヤは、各歯の両側の歯面にバックテーパーが設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の変速機のリバース機構。
  4. 前記リバースプライマリギヤと前記リバースセカンダリギヤのうち、駆動時に歯面が前記リバースアイドルギヤの前記一方側の歯面に当接するギヤは、各歯の前記一方の歯面にのみバックテーパーが設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の変速機のリバース機構。
  5. 前記リバースプライマリギヤと前記リバースセカンダリギヤのうち、駆動時に一方の歯面が前記リバースアイドルギヤの前記一方側の歯面に当接するギヤは、リバースセカンダリギヤであることを特徴とする請求項1に記載の変速機のリバース機構。
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