JP6319466B2 - 質量分析装置及びイオン移動度分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は質量分析装置及びイオン移動度分析装置に関し、さらに詳しくは、略大気圧雰囲気中に液体試料を噴霧して該試料中の成分をイオン化するイオン源を備える質量分析装置及びイオン移動度分析装置に関する。
液体クロマトグラフ(LC)の検出器として質量分析装置を用いた液体クロマトグラフ質量分析装置(LC−MS)では、液体試料中の化合物をイオン化するために、エレクトロスプレイイオン化法(ESI)、大気圧化学イオン化法(APCI)、大気圧光イオン化法(APPI)などの大気圧イオン化法によるイオン源が用いられている。こうした大気圧イオン源を用いた質量分析装置では、略大気圧雰囲気であるイオン化室内で生成したイオンを真空雰囲気に維持される真空室に導入する必要があり、分析感度を向上させるためには、イオン化室内で生成されるイオン量を増加させること、及び、イオン化室から真空室へのイオンの導入効率を向上させること、の二点が特に重要である。
典型的な大気圧イオン源であるESIイオン源においてイオン生成量を増加させることを目的として、イオン化プローブから噴霧された帯電液滴に対し加熱ガスを吹き付けることで帯電液滴の脱溶媒化を促進させる技術が知られている。例えば特許文献1に記載の装置では、イオン化プローブから噴霧される帯電液滴の進行方向と交差するように加熱ガスを吹き付ける構成が採られている。一方、特許文献2に記載の装置では、イオン化プローブからの帯電液滴の噴霧流と同軸円筒状に加熱ガスを噴出する、つまりは帯電液滴の進行方向と加熱ガスの流れ方向とが同方向である構成が採られている。これら構成のいずれにおいても、イオン生成量を増加させるのに有効であることが実証されている。現在、市販されている大気圧イオン源を搭載した質量分析装置のほぼ全てにおいて、上記二つの方式のいずれかを基本とする加熱ガスを用いた脱溶媒技術が採用されている。
一般に大気圧イオン源では、イオン化プローブから噴霧された試料液滴の中でサイズの大きな液滴が真空室に導入されることを防止するために、イオン化プローブからの液滴の噴霧方向と真空室へのイオン導入方向とが直交又は斜交するように、イオン化プローブとイオン導入部(例えばイオン導入管やサンプリングコーンなど)の配置が決められている。そして、試料液滴から生成されたイオンは、主としてイオン導入部の両端の差圧によって生じる、イオン化室内からイオン導入部へ流れ込むガス流に乗って、イオン導入部に吸い込まれ真空室へと送られる。
通常、上述した脱溶媒促進のための加熱ガスの噴出方向は差圧によってイオン導入部へ流れ込むガス流の方向とは一致しないため、そうした加熱ガスの流れはイオン導入部へと流れ込むガス流を増加させる作用を有さない。また、特許文献2に記載された構成の場合には、加熱ガスの流れは、イオン導入口付近においてイオン導入方向と直交するガス流、つまりは、イオン導入を妨げる方向のガス流となり得る。そのため、加熱ガスはイオン生成量の増加には有効であるものの、イオン化室から真空室へのイオンの導入効率を向上させるという観点では決して有効であるとはいえない。
イオン導入効率を向上させる一つの方法として、イオン導入口に印加する電圧を調整しその付近に適宜の電場を形成することで、イオン導入口付近に存在しているイオンを電場の作用でイオン導入口の方向に誘引して収集することが特許文献2では提案されている。しかしながら、本発明者の検討によれば、こうした構成によってイオン導入口付近に形成される電場は、イオン導入方向に直交する方向に流れる加熱ガスの強い流れに逆らってイオンを十分に収集し得るほど強くない。そのため、こうした電場を用いても、イオン化室から真空室へのイオンの導入効率を大きく向上させることは困難である。
米国特許第5412208号明細書 国際公開第2009/124298号
チン・ウー(Ching Wu)、ほか3名、「セパレイション・オブ・アイソメリック・ペプタイズ・ユージング・エレクトロスプレー・イオナイゼイション/ハイ-リゾリューション・イオン・モビリティ・スペクトロメトリ(Separation of Isomeric Peptides Using Electrospray Ionization/High-Resolution Ion Mobility Spectrometry)」、アナリティカル・ケミストリー(Anal. Chem.)、2000年、Vol.72、pp.391-395
上述したように、従来の大気圧イオン源を用いた質量分析装置では、分析感度を向上させるために、大気圧雰囲気中で生成されるイオンの量を増加させることに重点が置かれており、生成されたイオンを真空室に効率良く導入するという点では必ずしも十分な配慮が払われておらず、生成されたイオンの多くが無駄になっているという問題がある。
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その主な目的は、大気圧雰囲気中で生成されたイオンをできるだけ無駄にすることなく効率良く真空室に導入することによって分析感度を向上させることができる質量分析装置を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明に係る質量分析装置は、大気圧雰囲気であるイオン化室内に液体試料を噴霧するイオン化プローブを含むイオン源と、該イオン源で生成された、前記イオン化プローブから噴霧された試料液滴中に含まれる成分由来のイオンを前記イオン化室から真空室へと送るイオン導入部と、を具備し、前記イオン化プローブからの液体試料の噴霧方向と前記イオン導入部による前記イオン化室内からのイオンの導入方向とが直交又は斜交するように、前記イオン化プローブ及び前記イオン導入部の配置が定められてなる質量分析装置において、
a)前記イオン化プローブからの試料液滴の噴霧方向で且つ前記イオン導入部の入口端よりも手前側に、該イオン化プローブからの噴霧流の中心軸を囲むように設けられた補助電極と、
b)前記イオン化プローブからの試料液滴の噴霧方向で且つ前記イオン導入部の入口端よりも奥側に、該イオン化プローブからの噴霧流の中心軸を囲むように設けられた反射電極と、
c)前記補助電極の電位を基準として、前記反射電極に測定対象であるイオンを反射させる電圧を印加する電圧印加部と、
を備えることを特徴としている。
本発明に係る質量分析装置において、イオン源は例えばESIイオン源、APCIイオン源、APPIイオン源などである。イオン源がESIイオン源である場合には、イオン化プローブの先端部には液体試料を帯電させるための所定の直流高電圧が印加される。また、イオン源がAPCIイオン源である場合には、イオン化プローブと補助電極との間又はその近傍に、バッファイオンを生成するためのコロナ放電を生起させる放電電極が設けられる。さらにまた、イオン源がAPPIイオン源である場合には、イオン化プローブから噴出され補助電極に至るまでの空間を通過する噴霧流に対し紫外光などの光を照射する光源が設けられる。
本発明に係る質量分析装置では、イオン化プローブの先端から試料液滴の噴霧方向に前方を見たときに、最も手前に補助電極が位置し、その向こう側に反射電極が位置し、補助電極と反射電極との間の空間に開口するようにイオン導入部の入口端が位置する。補助電極及び反射電極はそれぞれ、典型的には円筒形状体又は多角形筒状体などとすればよい。また、それら筒体は周方向の一部が切り欠かれた形状であっても構わない。また、イオン導入部は典型的には導電性キャピラリ等のイオン導入管であり、その場合、イオン導入管の入口端が補助電極で囲まれる空間と反射電極で囲まれる空間とに挟まれる空間内にまで延出した状態であることが好ましい。
補助電極及びイオン導入部は例えば接地され、電圧印加部は反射電極に対し測定対象であるイオンの極性に応じた極性の所定の直流電圧を印加する。この反射電極の電位と補助電極及びイオン導入部の電位(接地電位)との電位差によって、反射電極で囲まれる空間及び反射電極と補助電極との間の空間には、イオン化プローブから噴霧された液滴から生成されたイオンや微小な帯電液滴(ESIイオン源の場合)を押し戻す作用を有する反射電場が形成される。また、反射電極とイオン導入部の入口端との間の局所的な空間には、上記イオンや帯電液滴をイオン導入部の入口端に向かって集束させる作用を有する集束電場が形成される。反射電場や集束電場の強さは反射電極に印加する電圧によって調整が可能であり、或る程度大きな電圧を反射電極に印加することで、噴霧流を形成するガスの流れなどからイオンや微小帯電液滴を分離してイオン導入部の入口端に誘引することができる。それによって、イオン導入部の入口端付近に或る程度強いガス流が存在している場合であっても、イオン化室内で生成されたイオンを効率良くイオン導入部へと導き、イオン導入部を通して真空室へと送り込むことができる。
なお、本発明に係る質量分析装置では、前記補助電極に、前記イオン化プローブからの噴霧流を取り囲むように該噴霧流の外側から該噴霧流の中心軸に向かってガスを噴出するガス噴出部が付設されている構成としてもよい。
この構成では、ガス噴出部から噴出するガス流はイオン化プローブからの噴霧流を形成するガス流に対する障害となるため、イオン化プローブからのガス流が弱められる。その結果、反射電場や集束電場の作用によって噴霧流中のイオンはそのガスの流れから分離され易くなり、イオン導入部の入口端へのイオンの収集効率を一層向上させることができる。
また、略大気圧雰囲気であってガス流と電場とが存在するイオン化室内におけるイオンの運動速度はイオン移動度に依存する。また、イオン移動度は、イオンの質量、価数、中性粒子(例えば残留ガス分子)との衝突断面積などに依存する。そのため、イオン導入部の入口端に到達し得るイオンの効率という観点でみると、イオンの質量電荷比によって反射電場及び集束電場の最適な強さが相違する。即ち、反射電極に印加する電圧を変化させることで反射電場及び集束電場の強さを変化させると、イオン導入部の入口端に効率良く到達するイオンの質量電荷比が変化することになる。
そこで、本発明に係る質量分析装置において、電圧印加部は、測定対象であるイオンの質量電荷比に応じて、前記反射電極に印加する電圧を変化させる構成とするとよい。
例えば、質量分離器として四重極マスフィルタを用い、所定の質量電荷比範囲に亘るスキャン測定を行う場合には、そのスキャン測定に際し四重極マスフィルタに印加する電圧を走査するのに同期して、反射電極に印加する電圧も走査するとよい。
この構成によれば、測定対象であるイオンの質量電荷比に関係なく、イオン化室から真空室へのイオン導入効率を高くすることができる。
また上述したように、反射電極に印加する電圧を変化させて反射電場及び集束電場の強さを変化させると、イオン導入部の入口端に効率良く到達するイオンの質量電荷比が変化するということは、電気移動度に応じて帯電粒子を分離する微分型電気移動度分級装置(DMA=Differential Mobility Analyzer)に相当する機能を実現し得ることを意味している。
即ち、本発明に係るイオン移動度分析装置は、
a)大気圧雰囲気中に液体試料を噴霧するイオン化プローブを含むイオン源と、
b)前記イオン化プローブからの噴霧流の前方に配置され、前記イオン源で生成された、前記イオン化プローブから噴霧された試料液滴中に含まれる成分由来のイオンを検出するイオン検出部と、
c)前記イオン化プローブからの試料液滴の噴霧方向で且つ前記イオン検出部よりも手前側に、該イオン化プローブからの噴霧流の中心軸を囲むように設けられた補助電極と、
d)前記イオン化プローブからの試料液滴の噴霧方向で且つ前記イオン検出部よりも奥側に、該イオン化プローブからの噴霧流の中心軸を囲むように設けられた反射電極と、
e)前記補助電極の電位を基準として、前記反射電極に測定対象であるイオンを反射させる電圧を印加する電圧印加部と、
を備えることを特徴としている。
本発明に係るイオン移動度分析装置では、例えば補助電極は接地され、電圧印加部は反射電極に印加する電圧を所定のシーケンスに従って変化させる。すると、反射電極で囲まれる空間や反射電極と補助電極との間の空間に形成される反射電場の強さが時間的に変化し、それに伴い、イオン検出部に最も効率良く到達するイオンのイオン移動度が変化することになる。したがって、イオン検出部での検出信号に基づいて、イオン移動度とイオン強度とのおおまかな関係を示すイオン移動度スペクトルを求めることができる。また、電圧印加部から反射電極に印加する電圧を所定の値に固定することで、特定のイオン移動度を有するイオンのみを選択的に検出することができ、例えば該イオンの強度の時間的な変化を示すクロマトグラムを得ることができる。
なお、このイオン移動度分析装置においても、イオン化プローブから噴出する噴霧流が強すぎると、反射電場を或る程度強くしてもイオンが的確に反射されず、イオン移動度に応じたイオンの分離に支障をきたす。そこで、本発明に係るイオン移動度分析装置において、前記補助電極に、前記イオン化プローブからの噴霧流を取り囲むように該噴霧流の外側から該噴霧流の中心軸に向かってガスを噴出するガス噴出部が付設されている構成とするとよい。
この構成では、ガス噴出部から噴出するガス流はイオン化プローブからの噴霧流を形成するガス流に対する障害となるため、イオン化プローブからのガス流が弱められる。その結果、噴霧流中のイオンはそれぞれのイオン移動度に応じた反射電場の作用を受け易くなり、イオン移動度に応じた異なるタイミングでイオン検出部に到達し易くなる。それにより、イオン移動度による分離能と検出感度を一層向上させることができる。
本発明に係る質量分析装置によれば、大気圧雰囲気であるイオン化室内で生成されたイオンを効率良く収集してイオン導入部を通して真空室に導入することができる。それにより、質量分析に供されるイオンの量が増加するので、分析感度を向上させることができる。また、本発明に係るイオン移動度分析装置によれば、簡易な構成でイオン移動度スペクトル等を得ることができるから、イオン移動度分析装置の小型軽量化、低コスト化などを実現することができる。
本発明の第1実施例である質量分析装置の概略構成図。 第1実施例の質量分析装置のイオン源の構成図。 イオン軌道のシミュレーション結果を示す図。 電場の作用する力の方向のシミュレーション結果を示す図。 ガスの流れのシミュレーション結果を示す図。 本発明の第2実施例である質量分析装置におけるイオン源の構成図。 本発明の第3実施例であるイオン移動度分析装置の概略構成図。 本発明の第4実施例であるイオン移動度分析装置の概略構成図。 シミュレーション計算により求めた、反射電極への印加電圧と検出電極に到達した所定の質量電荷比を有するイオンの数との関係を示す図。
[第1実施例]
本発明の一実施例(第1実施例)である質量分析装置について説明する。図1は第1実施例の質量分析装置の概略全体構成図、図2は該質量分析装置におけるイオン源の構成図である。
図1において、イオン化室1は略大気圧雰囲気であり、分析室4は図示しない高性能の真空ポンプ(通常、ターボ分子ポンプとロータリーポンプとの組み合わせ)による真空排気によって高真空雰囲気に維持される。イオン化室1と分析室4との間には、低真空雰囲気である第1中間真空室2と、該第1中間真空室2と分析室4との中間の真空度に維持される第2中間真空室3と、が設けられている。即ち、この質量分析装置は、イオン化室1からイオンの進行方向に段階的に真空度が高くなる多段差動排気系の構成である。
イオン化室1内にはESI用のイオン化プローブ5から、試料成分を含む液体試料が片寄った電荷を付与されつつ噴霧される。液体試料の流量が大きい場合には、例えば特許文献2に記載された装置のように、試料を噴霧するノズルを囲むように同軸円筒状に設けたネブライズガス管から加熱したネブライズガスを噴出させ、試料液の噴霧を補助するようにしてもよい。こうしたイオン化プローブ5の先端から噴霧された帯電液滴は周囲の大気に接触して微細化され、液滴から溶媒が蒸発する過程で試料成分が電荷を持って飛び出してイオンとなる。また、イオン化プローブ5からの噴霧流の前方には、後述する機能を有する補助電極6及び反射電極7が配置されている。
イオン化室1と第1中間真空室2との間は、本発明におけるイオン導入部に相当する細径の加熱キャピラリ8により連通している。この加熱キャピラリ8の両開口端には圧力差があるため、この圧力差によって、加熱キャピラリ8を通しイオン化室1内から第1中間真空室2に流れるガス流が形成される。イオン化室1内で生成された試料成分由来のイオンは、主としてこのガス流の流れに乗って加熱キャピラリ8に吸い込まれ、その出口端から、ガス流とともに第1中間真空室2内に吐き出される。第1中間真空室2と第2中間真空室3とを隔てる隔壁には頂部に小径のオリフィスを有するスキマー10が設けられている。第1中間真空室2内にはイオン光軸Cを取り囲んで配置された複数の電極板から成るイオンガイド9が配置され、第1中間真空室2内に導入されたイオンはこのイオンガイド9により形成される電場の作用によってスキマー10のオリフィス近傍に収束され、該オリフィスを通して第2中間真空室3へと送り込まれる。
第2中間真空室3内には多重極(例えば八重極)型のイオンガイド11が配設されており、このイオンガイド11により形成される高周波電場の作用によってイオンは収束されて分析室4に送り込まれる。分析室4内でイオンは四重極マスフィルタ12の長軸方向の空間に導入され、四重極マスフィルタ12に印加されている高周波電圧と直流電圧とにより形成される電場の作用により、特定の質量電荷比を有するイオンのみが四重極マスフィルタ12を通り抜けてイオン検出器13に到達する。イオン検出器13は到達したイオンの量に応じた検出信号を生成し、図示しないデータ処理部へと送る。イオン化室1内で生成される試料成分由来のイオンのうち、測定対象であるイオンの損失を極力抑えつつ最終的にイオン検出器13に入射させることで、高い感度の分析が実現できる。
図2に示すように、イオン化室1内において、イオン化プローブ5の最も直近には補助電極6が配置され、該補助電極6と距離aを保ってイオン化プローブ5から遠い位置に反射電極7が配置されている。この例では、補助電極6と反射電極7とは共に円筒形状であり、イオン化プローブ5からの噴霧流の中心軸と同軸となるように配置されている。また、加熱キャピラリ8は、その入口端8aが両電極6、7の間の空間にまで延出するように設けられている。したがって、イオン化プローブ5の先端から噴霧流の噴出方向を見ると、手前から、補助電極6、加熱キャピラリ8の入口端8a、反射電極7が順に位置している。そして、図2に示すように、略円錐形状に広がりつつ進行する噴霧流は補助電極6の中空部(補助電極6で囲まれる空間)及び反射電極7の中空部(反射電極7で囲まれる空間)を順に通り抜けるようになっている。なお、この例では、補助電極6と反射電極7の内径は同一であるが、必ずしも同一である必要はない。また、それら電極6、7は円筒形状でなくてもよく、例えば多角形筒状などでもよい。
補助電極6、及び、加熱キャピラリ8と電気的に接続された導電性の隔壁は接地されている。一方、反射電極7には反射電極電源部21から直流電圧が印加され、イオン化プローブ5にはノズル電源部20から最大で数kV程度の直流高電圧が印加される。このとき、反射電極7及びイオン化プローブ5にそれぞれ印加される電圧の極性は測定対象であるイオンの極性に応じたものであり、測定対象イオンが正イオンである場合には、印加電圧の極性はいずれも正である。ノズル電源部20及び反射電極電源部21において生成される電圧は制御部22により制御される。
以下の説明では、測定対象イオンが正イオンである場合を想定するが、測定対象イオンが負イオンである場合には印加電圧の極性が変わるだけである。
一般に、大気圧雰囲気中におけるイオンの運動はガス流の強さと電場の強さとに依存する。巨視的なイオンの運動速度vは、ガス流の流速をvf、電場の強さをEとしたとき、次の(1)式で与えられる。
v=vf+KE …(1)
ここでKはイオン移動度である。イオン移動度は、中性粒子との衝突を考慮した場合の電場によるイオンの運動速度を決定するパラメータであり、イオンの質量、価数、中性粒子との衝突断面積、ガス温度などに依存する。非特許文献1によれば、質量電荷比m/z 500程度のイオンのイオン移動度は1×10-4[m2/Vs]程度の値であると報告されている。
イオン化プローブ5から噴霧される粒子の多くは溶媒を含む微小な帯電液滴の状態であると考えられ、その粒子のサイズはイオンの状態よりも大きいため、該粒子の移動度は上記のように求まるイオンに対する移動度の値よりも小さいと推定される。また、こうした帯電液滴が大気圧雰囲気中を飛行する間に脱溶媒化が進んでそのサイズは小さくなるため、その移動度はイオンの値に近づいていくものと推測される。
装置の構成等にも依存するが、一般的な質量分析装置では、イオン化プローブ5から噴出するガス流の速度は、加熱キャピラリ8の入口端8a付近において数十[m/s]となる。この入口端8a付近のガス流の流速が仮に40[m/s]であるとすると、移動度が上述したK=1×10-4[m2/Vs]であるイオンをガス流に逆らって入口端8a付近にとどめるためには、次の(2)式に示す強さを有する電場をガス流と逆方向に発生させる必要がある。
|E|=|vf|/K=4[kV/cm] …(2)
従来、イオンや帯電液滴をイオン導入口に引き寄せる目的で、イオン導入口のポテンシャルをその近傍に位置する電極(例えばイオン化プローブ先端部)よりも低くすることでイオン導入口への集束電場を発生させている装置がある。しかしながら、この方法では、ガス流と逆方向の電場の強度を上記の値程度まで大きくすることは難しく、多くのイオンや帯電液滴がガス流に乗って廃棄されてしまうことになる。
これに対し、本実施例の質量分析装置では、ガス流と逆方向に効率的に電場を発生させるために補助電極6及び反射電極7を設けている。図2中に実線矢印で示すように、イオン化プローブ5からの噴霧流は下向きに進む。試料液滴から発生するイオンもほぼ同方向に進行する。これに対し、反射電極電源部21から反射電極7に印加される直流電圧によって、補助電極6と反射電極7との間の空間には、イオンを上方向に押し戻す力を該イオンに及ぼすような反射電場が形成される。補助電極6と反射電極7との間の距離aは比較的短く、しかもその間の空間中に加熱キャピラリ8の入口端8aが位置しているため、該入口端8a付近に、ガス流と逆方向に力が作用する強い電場を形成することができる。例えば、補助電極6と反射電極7との間の距離aが5[mm]である場合、電場の漏れを考慮しても大凡3[kV]以下の妥当な電圧を反射電極7に印加することによって、前述した4[kV/cm]の程度の強い電場を生成することが可能である。
また、補助電極6と反射電極7との間の空間にまで延伸している加熱キャピラリ8自体も接地電位であるため、加熱キャピラリ8の入口端8aと反射電極7との間には、イオンを入口端8aに向かわせる力を該イオンに及ぼすような集束電場が必然的に形成されることになる。
図2において、噴霧流に乗って下方向に進行するイオン及び帯電液滴は上述したような強い反射電場によってガス流から分離されて上方向に押し戻され、加熱キャピラリ8の入口端8a付近に停滞する。そして、集束電場によって加熱キャピラリ8の入口端8a近傍に集まる。こうして加熱キャピラリ8の入口端8a近傍に集まったイオンや帯電液滴は加熱キャピラリ8を流れるガス流に乗って加熱キャピラリ8に吸い込まれ、第1中間真空室2へと送られる。このようにして、本実施例の質量分析装置では、従来はガス流に乗ったまま進行して廃棄されてしまっていた大量のイオンを、効率的に収集して次段へと送ることができるので、質量分析に供されるイオン量が増加し高感度化が実現できる。
上述した効果を確認するため、ガス流と電場のシミュレーションによるイオン利用効率の評価を行った結果を説明する。ガス流と電場の中でのイオンの巨視的な運動速度は近似的に(1)式で与えられるため、ガスの流れの速度と電場とをそれぞれ計算し、それらの合成によるイオンの速度場を計算することで、イオンの巨視的な運動をシミュレートすることができる。シミュレーションにあたっては、イオン化プローブ5として、同軸円筒加熱ガス機構をもつ一般的なESI用イオン化プローブを想定した。ガス流を発生する要素として、イオン化プローブ5の先端部で液滴の飛散と微細化とを促進するネブライズガスと、その外側で同軸円筒状に噴霧される加熱ガスとの二つを考慮し、それらガスの流れを流体力学シミュレーションにより計算した。一方、補助電極6、反射電極7、及び加熱キャピラリ8の配置は図2に示した構成を想定して、電場シミュレーションを行った。
図4は電場の作用する力の方向のシミュレーション結果を示す図、図5はガスの流れのシミュレーション結果を示す図である。また、図3は、ガス流のシミュレーション結果と電場シミュレーション結果を利用して(1)式に基づきイオン軌道をシミュレーションした結果を示す図である。反射電極7に電圧を印加せずに補助電極6と同じ接地電位とした場合には、実質的に反射電極7が存在しない従来技術と同等の系であるとみなすことができる。図3(a)はそうした状態におけるイオン軌道であり、図3(b)は反射電極7に3.6[kV]の直流電圧を印加した状態におけるイオン軌道である。
図3(a)に示すように、反射電極7が実質的に存在しない場合には、多数のイオンがガスの流れに乗ったまま加熱キャピラリ8の入口端8aを通り過ぎていくことが判る。一方、本発明のように反射電極7を利用した場合には、図3(b)で判るように、ほぼ全てのイオンがガス流から分離されて反射され、加熱キャピラリ8の入口端8aに向かって集束している。これによって、従来であれば廃棄されていた多数のイオンを有効に第1中間真空室へと導入できることが確認できる。
本実施例の質量分析装置において、加熱キャピラリ8の入口端8aへのイオンの収集効率は反射電場の強さとイオン移動度とに依存する。イオン移動度はイオンの質量電荷比に依存するから、四重極マスフィルタ12で選択しようとしているイオン(つまりは測定対象のイオン)の質量電荷比に合わせて反射電極7へ印加する電圧を変化させることが分析感度を向上させるうえで有効である。図9は、反射電極7への印加電圧(反射電圧)を変化させたときに、或る特定の質量電荷比を有するイオンが加熱キャピラリ8の入口端8aに到達する数をシミュレーションした結果を示す図である。このイオンに対して反射電圧には最適値があり、その最適値を外れるとイオンの収集効率が下がることが判る。
そこで、本実施例の質量分析装置では例えば、予め測定対象イオンの質量電荷比毎に最適な反射電圧を実験的に求めて、質量電荷比と最適反射電圧との関係を示す計算式やテーブルを作成し制御部22の内部に格納しておく。そして、目的試料の分析を実施する際に、上記計算式やテーブルに基づいて、四重極マスフィルタ12に印加する電圧に応じて(つまりは四重極マスフィルタ12で選択しようとするイオンの質量電荷比に応じて)、制御部22は最適反射電圧を求め、反射電極7に印加する電圧が最適反射電圧になるように反射電極電源部21を制御する。所定の質量電荷比範囲に亘るスキャン測定を行うべく四重極マスフィルタ12に印加する電圧が走査される場合には、その走査に同期して反射電圧を変化させる。これによって、全ての質量電荷比範囲に亘り、高い効率でイオンを第1中間真空室2以降へ導入することができる。
また、反射電極7への印加電圧を四重極マスフィルタ12への印加電圧と同期して変化させるのではなく、補助電極6、反射電極7、及び加熱キャピラリ8を、観測するイオンの移動度を変化させるイオン移動度分析部として利用したり、特定の移動度を持つイオンのみを選択するイオン移動度フィルタとして利用したりしてもよい。例えば、四重極マスフィルタ12で選択するイオンの質量電荷比を固定した状態で、反射電極7へ印加する電圧を走査することにより、特定の質量電荷比を有し且つイオン移動度が相違する種々のイオンの強度を求めることができる。また、反射電極7へ印加する電圧を固定し、四重極マスフィルタ12で選択するイオンの質量電荷比を所定質量電荷比範囲に亘り変化させることにより、特定のイオン移動度を有するイオンについて質量電荷比とイオン強度との関係を調べることができる。
[第2実施例]
次に本発明の他の実施例(第2実施例)である質量分析装置について説明する。図6(a)は第2実施例の質量分析装置におけるイオン源の構成図であり、図6(b)は補助電極60の上面図である。図6では、第1実施例の質量分析装置と同じ構成要素には同じ符号を付してある。
第1実施例の質量分析装置では、イオン化プローブ5から噴出されるガス流の流速が大きい場合、イオンをガス流から分離し反射させるためにより大きな反射電圧が必要となる。この第2実施例の質量分析装置の特徴は、より小さい反射電圧で以てイオンの収集効果を得るために、接地電位に維持される補助電極60にガス噴出機構を設けていることである。
ガス噴出機構は、補助電極60の内周面の全周に亘ってスリット状に形成された遮蔽ガス出口62と、外部から供給されるガスを遮蔽ガス出口62まで案内するガス流路61と、を含む。ガスはネブライズガス等と同様の不活性ガスを用いればよい。図6(b)に示すように、円環状の遮蔽ガス出口62からは補助電極60の円筒中心軸に向けてガスが噴出するため、イオン化プローブ5から噴出する噴霧流に対しほぼ直交方向に該噴霧流を遮るカーテン状のガス流が形成される。これによって、イオン化プローブ5から噴出する噴霧流の流速は下がる。また、噴霧流に含まれるイオンや帯電液滴は中心軸付近に集束するため、周囲への拡散が抑制されて反射電場及び集束電場による収束作用が発揮され易くなる。
なお、図6(a)に示した例では、遮蔽ガス出口62から噴出するガスの方向は補助電極60の中心軸、つまりはイオン化プローブ5からの噴霧流の中心軸に対し略直交する方向となっているが、図6(a)において上斜め方向にガスを噴出するように遮蔽ガス出口62を設けてもよい。これによって、遮蔽ガス出口62から噴出したガスはイオン化プローブ5からの噴霧流に対向するように進むため、噴霧流によるガス流速を低減する効果が大きくなる。ただし、その場合、噴霧流に含まれるイオンや帯電液滴を中心軸付近に集束させる効果は却って下がるため、適宜の角度を以て遮蔽ガス出口62から噴出したガスが噴霧流に当たるように調整するとよい。
[第3実施例]
次に本発明の他の実施例(第3実施例)であるイオン移動度分析装置について説明する。図7は本実施例のイオン移動度分析装置の概略構成図である。
上述したように、図2に示した構成において反射電極7への印加電圧を変化させると、特定の質量電荷比を有するイオンが加熱キャピラリ8の入口端8aに到達する効率が変化する。即ち、加熱キャピラリ8の入口端8aへのイオンの収集効率はイオン移動度の依存性を有する。本実施例のイオン移動度分析装置では、このことを利用してイオンをイオン移動度に応じて分離して検出するようにしている。
即ち、本実施例のイオン移動度分析装置では、第1実施例の質量分析装置において加熱キャピラリ8の入口端8aが位置していた箇所にイオン検出電極30を設け、該イオン検出電極30で得られたイオン電流をアンプ31で増幅して検出信号として出力する。イオン移動度とイオン強度との関係を示すイオン移動度スペクトルを取得したい場合には、制御部23は反射電極7への印加電圧が所定の範囲で走査されるように反射電極電源部21を制御する。すると、イオン検出電極30に最も効率良く到達するイオンの移動度が変化するため、検出信号に基づいてイオン移動度スペクトルを作成することができる。また、特定のイオン移動度を有するイオンのイオン強度の時間的変化を観測したい場合には、制御部23は、そのイオン移動度に応じて電圧が反射電極7への印加されるように反射電極電源部21を制御する。すると、そのイオン移動度を有するイオンがイオン検出電極30に最も効率良く到達する状態が持続するため、検出信号に基づいて、その特定のイオン移動度を有するイオンにおけるクロマトグラムを作成することができる。
従来のイオン移動度分析装置では、イオン移動度に応じてイオンを高い分解能で分離することができる反面、電場を形成する電極の構成や一定流速のガス流を形成する構造等が複雑で装置が大掛かりになる。それに対し、本実施例のイオン移動度分析装置では、移動度に応じてイオンを分離する部分の構成が非常に簡素であるので、小型で安価な装置を実現することができ、例えば液体クロマトグラフ用の検出器のオプションとして好適な装置を提供することができる。
[第4実施例]
図8は、図6に示した第2実施例の質量分析装置において加熱キャピラリ8の入口端8aが位置していた箇所にイオン検出電極30を設けたイオン移動度分析装置である。第2実施例の質量分析装置と同様に、この第4実施例のイオン移動度分析装置では、イオン化プローブ5から噴出する噴霧流の流速が大きい場合でも、カーテン状の遮蔽ガスの作用によりその流速を減じることができ、反射電極7に印加する電圧を下げることができる。
また、上記実施例はいずれも本発明の一例に過ぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜、変更や修正、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは当然である。
1…イオン化室
2…第1中間真空室
3…第2中間真空室
4…分析室
5…イオン化プローブ
6、60…補助電極
61…ガス流路
62…遮蔽ガス出口
7…反射電極
8…加熱キャピラリ
8a…入口端
9…イオンガイド
10…スキマー
11…イオンガイド
12…四重極マスフィルタ
13…イオン検出器
20…ノズル電源部
21…反射電極電源部
22、23…制御部

Claims (5)

  1. 大気圧雰囲気であるイオン化室内に液体試料を噴霧するイオン化プローブを含むイオン源と、該イオン源で生成された、前記イオン化プローブから噴霧された試料液滴中に含まれる成分由来のイオンを前記イオン化室から真空室へと送るイオン導入部と、を具備し、前記イオン化プローブからの液体試料の噴霧方向と前記イオン導入部による前記イオン化室内からのイオンの導入方向とが直交又は斜交するように、前記イオン化プローブ及び前記イオン導入部の配置が定められてなる質量分析装置において、
    a)前記イオン化プローブからの試料液滴の噴霧方向で且つ前記イオン導入部の入口端よりも手前側に、該イオン化プローブからの噴霧流の中心軸を囲むように設けられた補助電極と、
    b)前記イオン化プローブからの試料液滴の噴霧方向で且つ前記イオン導入部の入口端よりも奥側に、該イオン化プローブからの噴霧流の中心軸を囲むように設けられた反射電極と、
    c)前記補助電極の電位を基準として、前記反射電極に測定対象であるイオンを反射させる電圧を印加する電圧印加部と、
    を備えることを特徴とする質量分析装置。
  2. 請求項1に記載の質量分析装置であって、
    前記補助電極に、前記イオン化プローブからの噴霧流を取り囲むように該噴霧流の外側から該噴霧流の中心軸に向かってガスを噴出するガス噴出部が付設されていることを特徴とする質量分析装置。
  3. 請求項1又は2に記載の質量分析装置であって、
    前記電圧印加部は、測定対象であるイオンの質量電荷比に応じて前記反射電極に印加する電圧を変化させることを特徴とする質量分析装置。
  4. a)大気圧雰囲気中に液体試料を噴霧するイオン化プローブを含むイオン源と、
    b)前記イオン化プローブからの噴霧流の前方に配置され、前記イオン源で生成された、前記イオン化プローブから噴霧された試料液滴中に含まれる成分由来のイオンを検出するイオン検出部と、
    c)前記イオン化プローブからの試料液滴の噴霧方向で且つ前記イオン検出部よりも手前側に、該イオン化プローブからの噴霧流の中心軸を囲むように設けられた補助電極と、
    d)前記イオン化プローブからの試料液滴の噴霧方向で且つ前記イオン検出部よりも奥側に、該イオン化プローブからの噴霧流の中心軸を囲むように設けられた反射電極と、
    e)前記補助電極の電位を基準として、前記反射電極に測定対象であるイオンを反射させる電圧を印加する電圧印加部と、
    を備えることを特徴とするイオン移動度分析装置。
  5. 請求項4に記載のイオン移動度分析装置であって、
    前記補助電極に、前記イオン化プローブからの噴霧流を取り囲むように該噴霧流の外側から該噴霧流の中心軸に向かってガスを噴出するガス噴出部が付設されていることを特徴とするイオン移動度分析装置。
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