JP6316178B2 - 片面金属張積層板およびその製造方法 - Google Patents

片面金属張積層板およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光学的異方性の溶融相を形成し得る熱可塑性ポリマー( 以下、これを熱可塑性液晶ポリマーと略称することがある) からなるフィルム( 以下、これを熱可塑性液晶ポリマーフィルムと略称することがある) を使用した片面金属張積層板およびその製造方法に関する。
従来、熱可塑性液晶ポリマーフィルムを用いてプリント配線板等に使用される金属張積層板を製造する場合、金属張積層板を連続的に製造する方法が提案されてきた。例えば、特許文献1(特開平5−42603号公報)では、光学的異方性の溶融層を形成する液晶高分子よりなるフィルムと金属箔とを重ね合わせて、加熱圧着手段として加圧ロールの間を通過させることにより、該フィルムと該金属箔とを該液晶高分子の融点より80℃低い温度から5℃低い温度までの範囲内の温度で圧着することを特徴とする積層体の製造方法が開示されている。
特開平5−42603号公報
従来の、熱可塑性液晶ポリマーフィルムと金属シートとを加熱されたロール間に通過させて加熱圧着させ積層体となす、該フィルムの片面に金属シートが接合されてなる片面金属張積層板の製造方法では、加熱圧着時における熱可塑性液晶ポリマーフィルムと加熱圧着手段であるロールとの融着を防止するため、該ロールと熱可塑性液晶ポリマーフィルムとの間に、ポリイミドフィルムなどの離型材を介する必要があった。
熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、他の材料との接着強度(ピール強度)を高めるために、その表面に粗化処理などの表面処理がなされることがあるが、熱可塑性液晶ポリマーフィルムと金属シートとを加熱圧着する際に、ロールなどの加熱圧着手段と熱可塑性液晶ポリマーフィルムとの間に離型材を介すると、加熱圧着時に熱可塑性液晶ポリマーフィルムの離型材と接する側の面の表面粗度が低下してしまう。このような場合、加熱圧着の結果形成される片面銅張積層板中の熱可塑性液晶ポリマーフィルムの、金属シートと接合していない方の面の表面粗度が低いため、該片面銅張積層板を、後の工程でさらに他の材料と積層する際にピール強度が低下してしまうという問題があった。
また、一度離型材として使用したポリイミドフィルムは傷や異物の付着により再利用が難しく、生産性、コストの面で問題があった。
また、ポリイミドフィルムなどの離型材を用いない場合、熱圧着の際に熱可塑性液晶ポリマーフィルムの一部がロールに融着し、圧着後の熱可塑性液晶ポリマーフィルム面の外観不良や異物の混入、片面金属張積層板の破れの原因となる問題があった。
このように、従来の技術では、熱可塑性液晶ポリマーフィルムと金属シートとを、ロールなどの加熱圧着手段を用いて加熱圧着する際に、熱可塑性液晶ポリマーフィルムと加熱圧着手段との間に離型材を介すると、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの離型材と接する側の面の表面粗度が低下してしまうという問題があり、一方、熱可塑性液晶ポリマーフィルムと金属シートとを、離型材を介さずに加熱圧着すると、熱可塑性液晶ポリマーフィルムと加熱圧着手段との融着が起こるという問題があった。
本発明者らは、熱可塑性液晶ポリマーフィルムと金属シートとを、加熱圧着させ、積層体となす、該熱可塑性液晶ポリマーフィルムの片面に金属シートが接合されてなる片面金属張積層板を製造する際に、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの温度を、その圧縮弾性率(G’)が特定の値の範囲内となる温度に調整することで、熱可塑性液晶ポリマーフィルムと加熱圧着手段との間に離型材を介さなくても、熱可塑性液晶ポリマーフィルムと加熱圧着手段との融着を防ぐことができ、さらに離型材を介さないことにより加熱圧着時の熱可塑性液晶ポリマーフィルムの表面粗度の低下を抑制でき、形成される片面金属張積層板中の、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの表面粗度を高く維持することができ、良好なピール強度、フィルム外観およびはんだ耐熱性を有する片面金属張積層板を製造できることを見出し、本発明を完成させるにいたった。
すなわち、本発明は、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの片面に金属シートが接合されてなる片面金属張積層板であって、該片面金属張積層板の、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの金属シートと接合されていない側の面のISO4287−1997に準拠した方法によって測定された算術平均粗さ(Ra)が0.1〜0.5μm、かつ十点平均粗度(RzJIS)が0.5〜2.0μmである、片面金属張積層板である。
また、本発明は、熱可塑性液晶ポリマーフィルムと金属シートを加熱圧着させ、積層体となす、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの片面に金属シートが接合されてなる片面金属張積層板の製造方法であって、加熱圧着時に、加熱圧着手段と熱可塑性液晶ポリマーフィルムとの間に離型材を介さないことを特徴とし、片面金属張積層板の、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの金属シートと接合されていない側の面の、ISO4287−1997に準拠した方法によって測定された算術平均粗さ(Ra)が0.1〜0.5μm、かつ十点平均粗度(RzJIS)が0.5〜2.0μmである、片面金属張積層板の製造方法である。
また、前記製造方法は、加熱圧着の際に該熱可塑性液晶ポリマーフィルムの温度を、該熱可塑性液晶ポリマーフィルムの圧縮弾性率(G’)が1×10Pa以上となる温度に調整することを特徴とする片面金属張積層板の製造方法であってもよい。
また、前記製造方法は、熱可塑性液晶ポリマーフィルムと金属シートを走行させ、合わせながら加熱されたロール間に通過させて加熱圧着させ、積層体となす該熱可塑性液晶ポリマーフィルムの片面に金属シートが接合されてなる片面金属張積層板の製造方法であって、前記ロールの内、該熱可塑性液晶ポリマーフィルムと接するロールの温度を、該熱可塑性液晶ポリマーフィルムの圧縮弾性率(G’)が1×10Pa以上となる温度に調整することを特徴とする、片面金属張積層板の製造方法であってもよい。
また、前記製造方法は、前記加熱圧着の際に、前記ロールの内、金属シートと接するロールの温度が前記熱可塑性液晶ポリマーフィルムの融点より5〜100℃低い温度である、片面金属張積層板の製造方法であってもよい。
また、前記製造方法は、前記加熱圧着の際に、前記ロールの内、熱可塑性液晶ポリマーフィルムと接するロールが樹脂被覆金属ロールである、片面金属積層板の製造方法であってもよい。
また、好ましくは、前記樹脂被覆金属ロールが、金属ロールの表面に厚さ7mm〜40mmの樹脂層を設けてなる樹脂被覆金属ロールである、片面金属積層板の製造方法であってもよい。
また、本発明の製造方法は、加熱圧着の手段がダブルベルトプレスである、片面金属張積層板の製造方法であってもよい。
また、本発明の製造方法は、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの融点が270℃以上345℃以下である、片面金属張積層体の製造方法であってもよい。
本発明の片面金属張積層板は、加熱圧着後であっても熱可塑性液晶ポリマーフィルムの表面粗度が維持されているため、該片面金属張積層板をその他の材料と積層する際に、良好なピール強度を付与することができる。また、該片面金属張積層板は、それ自体も熱可塑性液晶ポリマーと金属シートとが高いピール強度で接合され、良好な外観とはんだ耐熱性を有する。
また、本発明の片面金属張積層板は、その加熱圧着工程において、ポリイミドなどの離型材を用いないため、高い生産効率かつ低コストで製造することができる。
本発明の片面金属張積層板の製造方法を模式的に示した図であり、加熱圧着手段としてロールプレスを用いた場合の模式図である。
フィルム本体を構成する熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、溶融成形できる液晶性ポリマーから形成される。この熱可塑性液晶ポリマーは、光学的に異方性の溶融相を形成し得るポリマーであって、溶融成形できる液晶性ポリマーであれば特にその化学的構成については限定されるものではないが、例えば、熱可塑性液晶ポリエステル、又はこれにアミド結合が導入された熱可塑性液晶ポリエステルアミドなどを挙げることができる。
また熱可塑性液晶ポリマーは、芳香族ポリエステルまたは芳香族ポリエステルアミドに、更にイミド結合、カーボネート結合、カルボジイミド結合やイソシアヌレート結合などのイソシアネート由来の結合等が導入されたポリマーであってもよい。
本発明に用いられる熱可塑性液晶ポリマーの具体例としては、以下に例示する(1)から(4)に分類される化合物およびその誘導体から導かれる公知の熱可塑性液晶ポリエステルおよび熱可塑性液晶ポリエステルアミドを挙げることができる。ただし、光学的に異方性の溶融相を形成し得るポリマーを形成するためには、種々の原料化合物の組合せには適当な範囲があることは言うまでもない。
(1)芳香族または脂肪族ジヒドロキシ化合物(代表例は表1参照)
Figure 0006316178
(2)芳香族または脂肪族ジカルボン酸(代表例は表2参照)
Figure 0006316178
(3)芳香族ヒドロキシカルボン酸(代表例は表3参照)
Figure 0006316178
(4)芳香族ジアミン、芳香族ヒドロキシアミンまたは芳香族アミノカルボン酸(代表例は表4参照)
Figure 0006316178
これらの原料化合物から得られる液晶ポリマーの代表例として表5および6に示す構造単位を有する共重合体を挙げることができる。
Figure 0006316178
Figure 0006316178
これらの共重合体のうち、p―ヒドロキシ安息香酸および/または6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を少なくとも繰り返し単位として含む重合体が好ましく、特に、(i)p−ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸との繰り返し単位を含む重合体、(ii)p−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の芳香族ヒドロキシカルボン酸と、4,4’−ジヒドロキシビフェニルおよびヒドロキノンからなる群から選ばれる少なくとも一種の芳香族ジオールと、テレフタル酸、イソフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の芳香族ジカルボン酸との繰り返し単位を含む重合体が好ましい。
例えば、(i)の重合体では、熱可塑性液晶ポリマーが、少なくともp−ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸との繰り返し単位を含む場合、繰り返し単位(A)のp−ヒドロキシ安息香酸と、繰り返し単位(B)の6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸のモル比(A)/(B)は、液晶ポリマー中、(A)/(B)=10/90〜90/10程度であるのが望ましく、より好ましくは、(A)/(B)=50/50〜85/15程度であってもよく、さらに好ましくは、(A)/(B)=60/40〜80/20程度であってもよい。
また、(ii)の重合体の場合、p−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の芳香族ヒドロキシカルボン酸(C)と、4,4’−ジヒドロキシビフェニルおよびヒドロキノンからなる群から選ばれる少なくとも一種の芳香族ジオール(D)と、テレフタル酸、イソフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の芳香族ジカルボン酸(E)の、液晶ポリマーにおける各繰り返し単位のモル比は、芳香族ヒドロキシカルボン酸(C):前記芳香族ジオール(D):前記芳香族ジカルボン酸(E)=30〜80:35〜10:35〜10程度であってもよく、より好ましくは、(C):(D):(E)=35〜75:32.5〜12.5:32.5〜12.5程度であってもよく、さらに好ましくは、(C):(D):(E)=40〜70:30〜15:30〜15程度であってもよい。
また、芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位と芳香族ジオールに由来する繰り返し構造単位とのモル比は、(D)/(E)=95/100〜100/95であることが好ましい。この範囲をはずれると、重合度が上がらず、機械強度が低下する傾向がある。
なお、本発明にいう溶融時における光学的異方性とは、例えば試料をホットステージにのせ、窒素雰囲気下で昇温加熱し、試料の透過光を観察することにより認定できる。
また、熱可塑性液晶ポリマーとしては、フィルムの所望の耐熱性および加工性を得る目的においては、約200〜約400℃の範囲内、とりわけ約250〜約350℃の範囲内に融点を有するものが好ましいが、フィルム製造の観点からは、比較的低い融点を有するものが好ましい。
前記熱可塑性液晶ポリマーには、本発明の効果を損なわない範囲内で、ポリエチレンテレフタレート、変性ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂等の熱可塑性ポリマー、各種添加剤を添加してもよい。また、必要に応じて充填剤を添加してもよい。
本発明に使用される熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、熱可塑性液晶ポリマーを押出成形して得られる。熱可塑性液晶ポリマーの剛直な棒状分子の方向を制御できる限り、任意の押出成形法が適用できるが、周知のTダイ法、ラミネート体延伸法、インフレーション法などが工業的に有利である。特にインフレーション法やラミネート体延伸法では、フィルムの機械軸方向(または機械加工方向:以下、MD方向と略す)だけでなく、これと直交する方向(以下、TD方向と略す)にも応力が加えられ、MD方向とTD方向における分子配向性、誘電特性などを制御したフィルムが得られる。
押出成形では、配向を制御するために、延伸処理を伴うのが好ましく、例えば、Tダイ法による押出成形では、Tダイから押出した溶融体シートを、フィルムのMD方向だけでなく、これとTD方向の双方に対して同時に延伸してもよいし、またはTダイから押出した溶融体シートを一旦MD方向に延伸し、ついでTD方向に延伸してもよい。
また、インフレーション法による押出成形では、リングダイから溶融押出された円筒状シートに対して、所定のドロー比(MD方向の延伸倍率に相当する)およびブロー比(TD方向の延伸倍率に相当する)で延伸してもよい。
このような押出成形の延伸倍率は、MD方向の延伸倍率(またはドロー比)として、例えば、1.0〜10程度であってもよく、好ましくは1.2〜7程度、さらに好ましくは1.3〜7程度であってもよい。また、TD方向の延伸倍率(またはブロー比)として、例えば、1.5〜20程度であってもよく、好ましくは2〜15程度、さらに好ましくは2.5〜14程度であってもよい。
MD方向とTD方向とのそれぞれの延伸倍率の比(TD方向/MD方向)は、例えば、2.6以下、好ましくは0.4〜2.5程度であってもよい。
また、熱可塑性液晶ポリマーフィルムには、押出成形した後に、必要に応じて延伸を行ってもよい。延伸方法自体は公知であり、二軸延伸、一軸延伸のいずれを採用してもよいが、分子配向度を制御することがより容易であることから、二軸延伸が好ましい。また、延伸は、公知の一軸延伸機、同時二軸延伸機、逐次二軸延伸機などが使用できる。
また、必要に応じて、公知または慣用の熱処理を行い、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの融点および/または熱膨張係数を調整してもよい。熱処理条件は目的に応じて適宜設定でき、例えば、液晶ポリマーの融点(Tm)−10℃以上(例えば、Tm−10〜Tm+30℃程度、好ましくはTm〜Tm+20℃程度)で数時間加熱することにより、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの融点(Tm)を上昇させてもよい。
このようにして得られた熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、優れた誘電特性、ガスバリア性、低吸湿性などを有しているため、回路基板材料として好適に用いることができる。
熱可塑性液晶ポリマーフィルムの融点は、フィルムの所望の耐熱性および加工性を得る目的において、200〜400℃程度の範囲内で選択することができ、好ましくは250〜360℃程度、より好ましくは260〜350℃程度(例えば、270〜345℃)であってもよい。
本発明において使用される熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、任意の厚みであってもよい。ただし、高周波伝送線路に使用する場合は、厚みが厚いほど伝送損失が小さくなるので、できるだけ厚みを厚くするのが好ましい。電気絶縁層として熱可塑性液晶ポリマーフィルムを用いる場合、そのフィルムの膜厚は、10〜500μmの範囲内にあることが好ましく、より好ましくは10〜300μmの範囲内、さらに好ましくは10〜200μm(例えば、15〜150μm)の範囲内がより好ましい。フィルムの厚さが薄過ぎる場合には、フィルムの剛性や強度が小さくなることから、フィルム膜厚10〜200μmの範囲のフィルムを積層させて任意の厚みを得る方法を使用してもよい。
熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、表面に粗化処理を施したものであってもよい。粗化処理の手段としては特に限定されないが、例えば物理的研磨または紫外線照射などであってもよく、溶液処理やプラズマ処理であってもよい。
熱可塑性液晶ポリマーは、製膜して熱可塑性液晶ポリマーフィルムに成形すると、表面に硬いスキン層が形成されることがあり、この硬いスキン層が、熱可塑性液晶ポリマーフィルムと金属シートなどの被着体とを圧着させて積層体とするときに、良好な圧着を阻害し、積層体のピール強度を低下させることがある。そのため、このピール強度向上の障害となる硬いスキン層を除去するため、製膜後の熱可塑性液晶ポリマーフィルムの表面を研磨することがある。しかし、この様に熱可塑性液晶ポリマーフィルム表面を研磨して硬いスキン層を除去し、フィルム内部の柔らかい層をフィルム表面に露出させた場合、この表面研磨を行った熱可塑性液晶ポリマーフィルムと被着体とを加熱圧着させる際に、加熱圧着手段と該熱可塑性液晶ポリマーフィルムがより融着しやすくなることがある。本発明の製造方法では、このような表面を研磨して硬いスキン層を除去した熱可塑性液晶ポリマーフィルムと金属シートとを加熱圧着する場合であっても、該フィルムと加熱圧着手段との融着を防ぎ、良好なピール強度で圧着された片面金属張積層板を製造することができる。
物理的研磨の方法としては、例えば、ブラシ研磨、ブラスト研磨、ベルト研磨、バレル研磨などが例示でき、これらの研磨により、液晶ポリマーフィルムの表層が除去される。
より詳細には、ブラシ研磨では、研磨材入りの真鍮線、ナイロン線、鋼線などの線材のブラシを高速回転させ、液晶ポリマーフィルムの加工面に擦り付けて、液晶ポリマー表面を研磨することができる。
ブラスト研磨では、固体金属、鉱物性、植物性などの研磨剤を、液晶ポリマーフィルムの加工面に対して、圧縮空気と共に高速で吹き付けることにより液晶ポリマー表面を研磨することができる。
ベルト研磨では、研磨材のついたベルト( エンドレスベルトのサンドペーパー) を、液晶ポリマーフィルムの加工面に対して擦り付けることにより、液晶ポリマー表面を研磨することができる。
バレル研磨では、目的物と研磨材と水など研磨槽に混合して充填し、研磨槽に運動( 回転、振動) を与え、槽内の目的物と研磨材とが擦れ合うことで液晶ポリマー表面を研磨することができる。
このような研磨方法により液晶ポリマーフィルム表面に存在する硬いスキン層( 特に表面スキン層) を除去するとともに、液晶ポリマーフィルム内部の比較的柔らかいコア層をむき出しにすることができ、熱圧着による接着性を向上することができる。なお、物理的研磨では、フィルム表面から厚さ0.01〜1μm程度を除去するのが好ましく、より好ましくは0.1〜0.9μm程度の厚さで表層を除去してもよい。
一方、紫外線照射によっても、液晶ポリマーフィルムに存在するスキン層が破壊されてフィルム表面の硬度を軟化することができるため、熱圧着による接着性を向上することができる。紫外線照射は、液晶ポリマーフィルム表面に対して所定の硬度を付与できる限り特に限定されないが、185nmおよび254nmの波長の紫外線を同時に照射することが好ましい。
また、表層のみを速やかに破壊する観点から、照射面と光源との距離を縮め、高い照射エネルギーを短時間照射するのが好ましい。例えば、照射面と光源との距離は、0.3cm〜5cm程度、好ましくは0.4〜2cm程度であってもよい。また、照射面と光源との距離に応じて、処理時間は適宜設定できるが、例えば20秒〜5分程度、好ましくは30秒〜3分程度であってもよい。
熱可塑性液晶ポリマーフィルムの表面粗度は、ISO4287−1997に準拠した方法によって測定された算術平均粗さ(Ra)が0.1〜0.5μmが好ましく、0.1〜0.4μmがより好ましく、0.1〜0.3μmがさらに好ましい。また、ISO4287−1997に準拠した方法によって測定された十点平均粗度(RzJIS)が0.5〜2.0μmであることが好ましく、0.7〜1.8μmがより好ましく、0.8〜1.5μmがさらに好ましい。
本発明に使用される金属シートの材質としては、電気的接続に使用されるような金属などから選択され、例えば金、銀、銅、ニッケル、アルミニウムなどが挙げられる。これらの中でも特に銅が好ましい。銅としては、圧延法や電気分解法によって製造されるいずれのものでも使用することができるが、電気分解法によって製造される表面粗さの大きいものが好ましい。金属シートには、銅箔に通常施される酸洗浄などの化学表面処理などが本発明が奏する効果が損なわれない範囲内で施されていてもよい。金属シートの厚さとしては、7〜100μmの範囲が好ましく、9〜75μmの範囲内がより好ましい。
本発明の片面金属張積層板は、該積層板中の熱可塑性液晶ポリマーフィルムの金属シートと接合されていない側の面のISO4287−1997に準拠した方法によって測定された算術平均粗さ(Ra)が0.1〜0.5μm、かつ十点平均粗度(RzJIS)が0.5〜2.0μmであり、算術平均粗さ(Ra)は0.1〜0.4μmが好ましく、0.1〜0.3μmがさらに好ましい。また、ISO4287−1997に準拠した方法によって測定された十点平均粗度(RzJIS)は0.7〜1.8μmが好ましく、0.8〜1.5μmがさらに好ましい。表面粗度がこの範囲内にあることで、該片面金属張積層板を後の工程で他の材料と積層する場合においても、良好なピール強度で圧着することができる。
片面金属張積層板中の熱可塑性液晶ポリマーフィルムの算術平均粗さ(Ra)が0.1μm未満、または十点平均粗度(RzJIS)が0.5μm未満となる場合、該片面金属張積層板の熱可塑性液晶ポリマーフィルム面を他の材料と積層して使用する場合に、高いピール強度が得られない問題が生じる。
また、片面金属張積層板中の熱可塑性液晶ポリマーフィルムの算術平均粗さ(Ra)が0.5μmを超えるか、または十点平均粗度(RzJIS)が2.0μmを超える場合、この片面金属張積層板の熱可塑性液晶ポリマーフィルム面を他の回路基板材料の導電層などと圧着した場合に、熱可塑性液晶ポリマーフィルム表面粗度が他の回路基板材料の導電層の表面粗度を悪化させ、導電層の高周波特性が下がるなどの問題が生じる。
本発明の片面金属張積層板中の、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの算術平均粗さ(Ra)および十点平均粗度(RzJIS)を上記範囲とするためには、該フィルムと金属シートとを加熱圧させる際に、加熱圧着手段と該フィルムとの間に離型材を介さないことが重要である。
熱可塑性液晶ポリマーフィルムの算術平均粗さ(Ra)および十点平均粗度(RzJIS)を上記範囲とするための、熱可塑性液晶ポリマーフィルムと金属シートを加熱圧着させる手段は、特に限定されないが、例えばバッチ式の熱プレス、またはロール・トゥ・ロール式のロールプレス若しくはダブルベルトプレスであってもよい。特に、生産性の観点からは、ロールプレスまたはダブルベルトプレスが好ましい。
本発明においては、熱可塑性液晶ポリマーフィルムと金属シートとの加熱圧着の際に、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの温度が、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの圧縮弾性率(G’)が1×10Pa以上となる温度に調整することが好ましく、圧縮弾性率(G’)が2×10Pa以上となる温度がより好ましく、圧縮弾性率(G’)が4×10Pa以上となる温度がさらに好ましい。また、加熱圧着時の熱可塑性液晶ポリマーフィルムと加熱圧着手段との融着を防止する観点から、加熱圧着時の熱可塑性液晶ポリマーフィルムの圧縮弾性率(G’)の上限値としては、該熱可塑性液晶ポリマーフィルムの常温(例えば25℃)での圧縮弾性率(G’)の値以下であってもよく、例えば1×10Pa以下であっても良い。
熱可塑性液晶ポリマーフィルムと金属シートとの加熱圧着の際の熱可塑性液晶ポリマーフィルムの温度条件が、上記の条件を満たす場合、熱可塑性液晶ポリマーフィルムと加熱圧着手段との間に離型材を介さなくても、熱可塑性液晶ポリマーフィルムと圧着手段との融着を防ぎ、かつ良好なピール強度で熱可塑性液晶ポリマーフィルムと金属シートとを圧着することができる。
熱可塑性液晶ポリマーフィルムと金属シートとの加熱圧着の際の熱可塑性液晶ポリマーフィルムの温度条件が上記の範囲外であり、加熱圧着時に熱可塑性液晶ポリマーフィルムの圧縮弾性率(G’)が1×10Pa未満となる場合、加熱圧着の際に熱可塑性液晶ポリマーフィルムと接する加熱圧着手段に熱可塑性液晶ポリマーフィルムが融着し、該加熱圧着手段を汚してしまい、次に該加熱圧着手段を使用する際の障害となる問題や、圧着後の片面金属張積層板の熱可塑性液晶ポリマーフィルム面の外観不良や異物の混入、片面金属張積層板のしわや破れの原因となる。
加熱圧着時の加熱圧着手段の温度を制御するに際して、熱可塑性液晶ポリマーフィルムと金属シートとを加熱圧着する前に、該熱可塑性液晶ポリマーフィルムの圧縮弾性率(G’)が1×10Pa以上となる温度を測定し、その温度範囲内となるように加熱圧着手段の温度を制御してもよい。
熱可塑性液晶ポリマーフィルムの圧縮弾性率(G’)と温度の関係については、熱可塑性液晶ポリマーフィルムを一定の温度で昇温させながら、一定時間ごとにその圧縮弾性率(G’)を測定し、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの温度と圧縮弾性率(G’)の関係を測定してもよい。
熱可塑性液晶ポリマーフィルムの場合、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの温度の上昇ともに該フィルムの圧縮弾性率(G’)は低下するが、圧縮弾性率(G’)が1×10Paとなる温度は、必ずしも融点の高い熱可塑性液晶ポリマーフィルムの方が融点の低い熱可塑性液晶ポリマーフィルムよりも高くなるとは限らず、圧縮弾性率(G’)が1×10Paとなる温度は熱可塑性液晶ポリマーフィルムの結晶構造に起因して決まると推測される。
次に、本発明の片面金属張積層板の製造方法を、加熱圧着手段としてロールプレスを用いた場合を例に、図面に基づいて説明する。
なお、本発明の形態はこの例に限定されるものではない。
図1は、本発明の片面金属張積層板の製造方法を模式的に示した図であり、熱可塑性液晶ポリマーフィルム1と金属シート2とを、熱可塑性液晶ポリマーフィルム1と接するロール3と、金属シート2と接する加熱ロール4との間に導入して加熱圧着し、片面金属張積層板5とする過程を示す。加熱圧着の際、例えば温度制御手段6によってロール3の温度制御がなされる。
前記加熱ロール4のロール材質としては特に限定されないが、例えばゴムロール、金属ロール、樹脂被覆金属ロールであってもよい。特に、加熱圧着時に均一に圧力をかけることができる観点から、金属ロールが好ましい。
熱可塑性液晶ポリマーフィルム1と金属シート2を走行させ熱圧着する際、金属シート2と接触する加熱ロール4の表面は何らかの手段で加熱されている。その加熱する手段は特に制限されないが、例えば、加熱ロール4内部に加熱機構を備え、これにより加熱ロール4表面を加熱してもよい。加熱ロール4の表面温度は、液晶ポリマーフィルム1の融点より5〜100℃の範囲で低いことが好ましく、より好ましくは、液晶ポリマーフィルム1の融点より5〜70℃低い温度であってもよい。加熱ロール4の表面温度を液晶ポリマーフィルム1の融点より100℃低い温度以上にすることで、液晶ポリマーフィルム1と金属シート2とを十分に接着することができ、また、加熱ロール4の表面温度を液晶ポリマーフィルム1の融点より5℃低い温度以下にすることで、加熱圧着時の液晶ポリマーフィルム1の流動を抑え、外観の良好な片面金属張積層板5を製造することができる。
本発明において、加熱圧着手段としてロールを用いる場合、熱可塑性液晶ポリマーフィルム1と金属シート2を加熱圧着する際に、熱可塑性液晶ポリマーフィルム1と接する側のロール3の温度を、該熱可塑性液晶ポリマーフィルム1の圧縮弾性率(G’)が1×10Pa以上となる温度に制御することが重要である。
熱可塑性液晶ポリマーフィルム1と接する側のロール3の温度を上記の通り制御することで、加熱圧着時における熱可塑性液晶ポリマーフィルム1とロール3間との融着を防止することができ、例えば、ロール3と熱可塑性液晶ポリマーフィルム1との間に、ポリイミドフィルムなどの離型材を介することなしに、良好なピール強度で熱可塑性液晶ポリマーフィルム1と金属シート2とを圧着できる。
熱可塑性液晶ポリマーフィルムの圧縮弾性率(G’)を高く維持することで、ロールとの密着性を低くすることができ、ロールなどの加熱圧着手段への熱可塑性液晶ポリマーフィルムの付着を抑制することができる。
前記熱可塑性液晶ポリマーフィルム1と接する側のロール3は、前記加熱ロール4と接しており、加熱ロール4の熱がロール3表面に伝わることで、加熱されている。
前記熱可塑性液晶ポリマーフィルム1と接する側のロール3表面の温度を制御する手段を何も施していない場合、加熱圧着の過程で、ロール3表面の温度は、加熱ロール4表面の温度近くまで上昇し、ロール3表面の温度が、熱可塑性液晶ポリマーフィルム1の圧縮弾性率(G’)が1×10Pa未満となる温度に達した場合、前述の熱可塑性液晶ポリマーフィルム1とロール3との融着などの問題が生じるため、ロール3表面の温度を、熱可塑性液晶ポリマーフィルム1の圧縮弾性率(G’)が1×10Pa以上となる温度範囲内に制御するための温度制御手段6が必要となる。
熱可塑性液晶ポリマーフィルム1と接する側のロール3の温度制御手段6は、ロール3と接する熱可塑性液晶ポリマーフィルム1の圧縮弾性率(G’)が1×10Pa以上となる温度に制御できれば特に限定されないが、例えば、空冷方式、熱媒循環方式、若しくは熱可塑性液晶ポリマーフィルム1および金属シート2を走行させるライン速度やロールの回転速度の調節であってもよく、またはこれら温度制御手段を組み合わせたものであってもよい。
本発明により、外観が良好で、接着力に優れる片面金属張積層板を得るためには、熱可塑性液晶ポリマーフィルムと接するロール3の温度制御の観点から、熱可塑性液晶ポリマーフィルム1と金属シート2とを、両ロール間を通過させて圧着する際に、加熱ロール4の回転速度を、その外周の線速度に換算して30m/分以下とすることが好ましく、金属シート2への熱伝達を容易にするためには20m/分以下とすることがより好ましい。加熱ロール4の回転速度の下限は特に限定されるものではないが、回転速度が低すぎると生産効率の低下を招くので、工業的には0.1m/分より低くしないことが好ましく、2m/分以上がさらに好ましい。
前記熱可塑性液晶ポリマーフィルムと接するロール3の材質は、特に限定されないが、例えばゴムロール、金属ロール、樹脂被覆金属ロールであってもよく、中でも樹脂被覆金属ロールが好ましい。
樹脂被覆金属ロールを用いることで、熱可塑性液晶ポリマーフィルム1と金属シート2とを加熱圧着する際に、熱可塑性液晶ポリマーフィルム1に接する樹脂被覆金属ロールの緩衝効果によりせん断力を抑制することが可能であり、また、樹脂被覆金属ロールが加熱ロール4側からの熱を十分に拡散するため、熱可塑性液晶ポリマーフィルム1と接触する表面温度の制御がより容易となる。
前記樹脂被覆金属ロールの、金属ロール表面に被覆される樹脂層の材質としては、ゴムを含む材質が好ましく、例えば、フッ素ゴム、シリコンゴム、ポリイミドなどを含む材質が、耐熱性や弾性の観点から好ましい。
前記樹脂被覆金属ロールの、金属ロール表面に被覆される樹脂層の厚さは7mm〜40mmの範囲でにあることが好ましく、10mm〜25mmの範囲がより好ましい。金属ロール表面に被覆される樹脂層の厚さが上記の範囲であれば、加熱ロール4からの熱の伝達、および冷却が容易となり、ロール3表面の温度制御を容易に行うことが出来る。
また、金属ロール表面に被覆される樹脂層の硬度は、圧力を均一にかける観点から、JIS K6301に従うA型スプリング式硬さ試験に基づくスプリング硬さ(JIS A) で60〜95度の範囲であってもよい。
本発明において使用する金属ロール4および熱可塑性液晶ポリマーフィルム1と接するロール3の直径については特に限定されないが、ロールの温度制御を容易にする観点から、35〜45cmの範囲が好ましい。
また、加熱ロール4と、熱可塑性液晶ポリマーフィルム1と接するロール3間で熱可塑性液晶ポリマーフィルム1および金属シート2に加えられる圧力は、加圧部位で実質的に変形が生じないロール同士の組み合わせである場合には、線圧換算で5kg/cm以上であることが十分な接着力を発現させる上で好ましい。
加熱ロール4が表面にゴムコーティング層を有する場合には、コーティング層のゴム材質、加熱ロールに加える力などにより、加圧時に該コーティング層が変形するので、加熱ロールによって熱可塑性液晶ポリマーフィルム1および金属シート2に加えられる圧力は、面圧換算で20kg/cm以上であることが好ましい。かかる場合には、斑などの外観不良の発生を抑制して十分な接着力を発現させることができる。
圧力の上限は特に限定されるものではないが、熱可塑性液晶ポリマーフィルム1の加圧時の流れや金属シート2からのはみ出しが無い状態で片面金属張積層板5の接着力を十分に発現させるには、線圧換算で400kg/cmを越えないか、または上記面圧換算で200kg/cmを越えないことが望ましい。
加熱ロール4の表面温度が低い温度領域にある場合には、上記圧力を越えても熱可塑性液晶ポリマーフィルム1の流れや金属シートのはみ出しがなくなるのはいうまでもない。
なお、加熱ロール4の線圧とは、加熱ロール4に付与した力(圧着荷重) を加熱ロール4の有効幅で除した値である。また、上記の面圧とは、圧着時に加熱ロール4の変形により形成される加圧面の面積で圧着荷重を除した値である。
本発明の製造方法によれば、熱可塑性液晶ポリマーフィルムと加熱圧着手段との間に離型材を介さなくても、フィルムと加熱圧着手段との融着を起こすことなく圧着できるので、圧着前のフィルムの表面粗度を、圧着後の片面金属張積層板においても維持することができる。
以下、本発明を実施例などにより具体的に説明するが、本発明はそれにより何ら制限されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの融点、片面金属張積層板の接着強度および外観の測定または評価は次のようにして行った。
(融点(℃))
示差走査熱量計を用いて、フィルムの熱挙動を観察して得た。すなわち、供試フィルムを20℃/分の速度で昇温して完全に溶融させた後、溶融物を50℃/分の速度で50℃/分で急冷し、再び20℃/分の速度で昇温した時に現れる吸熱ピークの位置を、フィルムの融点(℃)として記録した。
(表面粗度:算術平均粗さ(Ra)(μm)と十点平均粗度(RzJIS)(μm)の測定方法)
接触式表面粗さ計(ミツトヨ(株)製、型式 SJ−201)を用い、片面金属張積層板の、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの金属シートと接合されていない側の面の、算術平均粗さ(Ra)と十点平均粗さ(RzJIS)を測定した。測定はISO4287−1997に準拠した方法により行った。より詳細には、Raは、平均線から絶対値偏差の平均値を示したものであり、表面粗度(RzJIS)は、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さを抜き取り、最高から5番目までの山頂(凸の頂点)の標高の平均値と、最深から5番目までの谷底(凹の底点)の標高の平均値との差をμmで表わしたもので、十点平均粗さを示したものである。
(圧縮弾性率(G’)(Pa))
圧縮弾性率(G’)は回転型レオメーターARES−2KFRT−N1(TAインスツールメント社製)を用い圧縮弾性率(G’)を測定した。
(測定条件:周波数1Hz、昇温速度4℃/min、20秒ごとに測定、温度:200℃から350℃、歪み1%)
(フィルムとロールとの融着)
加熱圧着後の熱可塑性液晶ポリマーと接する側のロールを目視で確認し、熱可塑性液晶ポリマーフィルムのロールへの融着の有無を調べた。
(ピール強度(kN/m))
片面金属張積層板から1.0cm幅の剥離試験片を作成し、そのフィルム層を両面接着テープで平板に固定し、JIS C5016に準じて、180°法により、金属シートを50mm/分の速度で剥離したときの強度を測定した。
(外観)
片面金属張積層板を目視により観察し、長さ200m以上においてしわ、スジ、変形が観察されないものを○ 、長さ1m当たり1個未満のしわ、スジ、変形が観察されたものを△、長さ1m当たり1個以上のしわ、スジ、変形、未着部分が観察されたものを×として評価した。
(はんだ耐熱性)
圧着された片面銅張積層板を30mm×30mmの正方形成形した後、320℃のはんだ浴中に60秒間浮かばせた後、膨れや変形の有無を目視した。外観に膨れや変形などが観察されない場合は○、観察された場合は×とした。
[参考例1]
p−ヒドロキシ息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の共重合物で、融点が280℃である熱可塑安性液晶ポリマーを吐出量20kg/時で溶融押出し、横延伸倍率4.77倍、縦延伸倍率2.09倍の条件でインフレーション製膜した。平均膜厚50μm、膜厚分布±7%の膜厚分布の小さい熱可塑性液晶ポリマーフィルムを得た。
得られた熱可塑性液晶ポリマーフィルムについて、ナイロン繊維にシリコンカーバイドの研磨材が付着した1000メッシュのバフロールを用いて、一方の表面を、回転数2000rpm、フィルムの搬送速度を1m/minで高速回転研磨を行なった。研磨前に49.7μmの膜厚であった熱可塑性液晶ポリマーフィルムの表面が除去され、研磨後のフィルムの膜厚は49.2μmであった。この熱可塑性液晶ポリマーフィルムのISO4287−1997に準拠した方法によって測定された算術平均粗さ(Ra)は0.18μm、十点平均粗度(RzJIS)が表面粗度は1.4μmであった。
この熱可塑性液晶ポリマーフィルムの圧縮弾性率(G’)を、200℃から350℃の温度範囲において、昇温速度4℃/minで20秒ごとに測定した。この熱可塑性液晶ポリマーフィルムの温度が250℃未満のとき圧縮弾性率(G’)は1×10Pa以上となり、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの温度が250℃以上となる場合、該フィルムの圧縮弾性率(G’)は1×10Pa未満となった。
[参考例2]
(1)6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸単位27モル%、p−ヒドロキシ安息香酸単位73モル%からなるサーモトロピック液晶ポリエステルを単軸押出機を用いて280〜300℃で加熱混練し、直径40mm、スリット間隔0.6mmのインフレーションダイより押出し、厚さ50μmのフィルムを得た。このフィルムの融点Tm は280℃、熱変形温度Tdef は230℃であった。
(2)被着体として厚さ18μmの銅箔(電解法による1/2オンス銅箔)を用い、これを上記フィルムに260℃で加熱圧着して積層体とした。
(3)この積層体の熱処理によって変化するフィルムの融点を測定するため、窒素雰囲気中、積層体を260℃で熱処理し、1時間単位でDSC(示差走査熱量計)によるフィルム層の融解ピーク温度TAの測定を行った。その結果、未処理では280℃、1時間では285℃、2時間では296℃、4時間では306℃と上昇する。4時間の熱処理を行った後のフィルムの熱変形温度Tdef は275℃であった。このように、フィルムの熱処理時間を長くすれば、そのTA が順次上昇する。これに準じて熱変形温度Tdef も上昇させ得ることが理解できる。
(4)一方、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸単位20モル%、p−ヒドロキシ安息香酸単位80モル%からなるサーモトロピック液晶ポリエステル70重量部とベンゼン吸着能85%の活性炭紛体35重量部を単軸押出機を用いて320〜340℃で加熱混練し、直径40mm、スリット間隔0.6mmのインフレーションダイより押出し、厚さ50μmの活性炭含有成形体を得た。この成形体のベンゼン吸着能は35%であった。
(5)次に、上記(2)で得られた積層体と上記(4)で得られた活性炭含有成形体を重ね合わせて、見かけ上隙間がないように堅くロール状に巻き上げた。このロールを大気雰囲気の熱風乾燥機中に設置した後に、昇温を開始した。先ず、260℃で4時間熱処理し、その後285℃に昇温して6時間熱処理した。熱処理後のロールから、積層体と活性炭含有成形体を分離した。次いで、積層体から化学エッチング法により金属箔を除去して融点335℃の熱可塑性液晶ポリマーフィルムを得た。
得られた熱可塑性液晶ポリマーフィルムについて、ナイロン繊維にシリコンカーバイドの研磨材が付着した1000メッシュのバフロールを用いて、一方の表面を、回転数2000rpm、フィルムの搬送速度を1m/minで高速回転研磨を行なった。研磨前に51.4μmの膜厚であった熱可塑性液晶ポリマーフィルムの表面が除去され、研磨後のフィルムの膜厚は51.0μmであった。この熱可塑性液晶ポリマーフィルムのISO4287−1997に準拠した方法によって測定された算術平均粗さ(Ra)は0.13μm、十点平均粗度(RzJIS)が表面粗度は1.5μmであった。
この熱可塑性液晶ポリマーフィルムの圧縮弾性率(G’)を、200℃から350℃の温度範囲において、昇温速度4℃/minで20秒ごとに測定した。この熱可塑性液晶ポリマーフィルムの温度が230℃未満のとき圧縮弾性率(G’)は1×10Pa以上となり、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの温度が230℃以上となる場合、該フィルムの圧縮弾性率(G’)は1×10Pa未満となった。
[実施例1]
参考例1 で得られた熱可塑性液晶ポリマーフィルム1と、金属シート2として18μm厚みの電解銅箔(表面粗度7μm)とを使用し熱可塑性液晶ポリマーフィルム1と接するロール3として樹脂被覆金属ロール(スーパーテンペックス:由利ロール機械株式会社製、樹脂厚み1.7cm)を使用した。図1に示されるように、樹脂被覆金属ロール3側に熱可塑性液晶ポリマーフィルム1を、反対面に電解銅箔2を配置した。直径がそれぞれ40cmの金属ロール4および樹脂被覆金属ロール3を使用した。金属ロール4の表面温度を、熱可塑性液晶ポリマーフィルム1の融点よりも20℃低い温度になるように設定した。樹脂被覆金属ロール3が金属ロール4と接触する前の位置Aにおける樹脂被覆金属ロール3の表面温度および加熱ロールとの接触直後の位置Bにおける樹脂被覆金属ロール3の表面温度を、放射温度計を使用して測定した。樹脂被覆金属ロール3に温度制御手段6として冷風装置を設置し、位置Bにおける樹脂被覆金属ロール3の温度が、熱可塑性ポリマーフィルム1の圧縮弾性率(G’)が1×10Pa以上となる温度(位置Bにおいて150℃)になるように冷風装置3の風量を調節した。このとき、位置Aにおける樹脂被覆金属ロールの温度は100℃であった。ライン速度は3m/分に調整した。ロール間で熱可塑性液晶ポリマーフィルム1および電解銅箔2に加えられる圧力は面圧換算で120kg/cmであり、上記の条件下に、熱可塑性液晶ポリマーフィルム1を樹脂被覆金属ロール3に沿わせ、次いで電解銅箔2を該フィルム1に合わせて仮接合させた。後に、両者を金属ロ−ル4と樹脂被覆金属ロール3の間に導入して圧着し、片面金属張積層板5を得た。得られた片面金属張積層板5中の、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの金属シートと接合していない側の表面粗度を測定した。結果を表7に示す。
[実施例2]
樹脂被覆金属ロール3に設置する冷風装置6の風量を調節し、位置Aにおける樹脂被覆金属ロール3の表面温度が170℃、位置Bにおける樹脂被覆金属ロール3の表面温度が220℃となるように設定した以外は、実施例1と同様の条件で行った。結果を表7に示す。
[実施例3]
熱可塑性液晶ポリマーフィルム1として参考例2で得られた熱可塑性液晶ポリマーフィルムを用い、金属ロール4の温度を熱可塑性液晶ポリマーフィルム1の融点よりも45℃低い温度に設定し、位置Bにおける樹脂被覆金属ロール3の温度が、熱可塑性ポリマーフィルム1の圧縮弾性率(G’)が1×10Pa以上となる温度(位置Bにおいて210℃)になるように冷風装置3の風量を調節した以外は実施例1と同様の条件で行った。結果を表7に示す。
[実施例4]
ライン速度を8m/分に調整し、位置Bにおける樹脂被覆金属ロール3の温度が、熱可塑性ポリマーフィルム1の圧縮弾性率(G’)が1×10Pa以上となる温度(位置Bにおいて220℃)になるように冷風装置3の風量を調節した以外は実施例3と同様の条件で行った。結果を表7に示す。
[比較例1]
樹脂被覆金属ロール3に設置している冷風装置6の風量を変えて、位置Bにおける樹脂被覆金属ロール3の温度が、熱可塑性ポリマーフィルム1の圧縮弾性率(G’)が1×10Pa未満となる温度(位置Bにおいて250℃)となるように設定した以外は、実施例1と同様の条件で行った。結果を表7に示す。
[比較例2]
金属ロール4の温度を熱可塑性液晶ポリマーフィルム1の融点よりも5℃低い温度に設定し、ライン速度を5m/分にして、位置Bにおける樹脂被覆金属ロール3の温度が、熱可塑性ポリマーフィルム1の圧縮弾性率(G’)が1×10Pa未満となる温度(位置Bにおいて255℃)となるように設定した以外は、実施例1と同様の条件で行った。結果を表7に示す。
[比較例3]
樹脂被覆金属ロール3に設置している冷風装置6の風量を変えて、位置Bにおける樹脂被覆金属ロール3の温度が、熱可塑性ポリマーフィルム1の圧縮弾性率(G’)が1×10Pa未満となる温度(位置Bにおいて260℃)となるように設定した以外は、実施例3と同様の条件で行った。結果を表7に示す。
[比較例4]
加熱圧着時に、熱可塑性液晶ポリマーフィルム1と樹脂被覆金属ロール3との間に離型材としてポリイミドシートを介した以外は、実施例1と同様の条件で行った。結果を表7に示す。
Figure 0006316178
実施例1および実施例2では、樹脂被覆金属ロール3の位置Bにおける温度が、それぞれ150℃および220℃であり、融点280℃の熱可塑性液晶ポリマーフィルム1の圧縮弾性率(G’)が1×10Pa未満となる温度(250℃)よりも低いため、該フィルムの樹脂被覆金属ロールへの融着が起こらず、金属張積層板中の熱可塑性液晶ポリマーフィルムにおいて実施例1、2共に良好な算術平均粗さ(Ra)および十点平均粗度(RzJIS)が得られている。また、ピール強度、外観、はんだ耐熱性に優れた片面金属張積層板が得られている。
実施例3および実施例4では、樹脂被覆金属ロール3の位置Bにおける温度が、それぞれ210℃および220℃であり、融点335℃の熱可塑性液晶ポリマーフィルム1の圧縮弾性率(G’)が1×10Pa未満となる温度(230℃)よりも低いため、該フィルムの樹脂被覆金属ロールへの融着が起こらず、金属張積層板中の熱可塑性液晶ポリマーフィルムにおいて実施例1、2共に良好な算術平均粗さ(Ra)および十点平均粗度(RzJIS)が得られている。また、ピール強度、外観、はんだ耐熱性に優れた片面金属張積層板が得られている。
比較例1および比較例2では、樹脂被覆金属ロール3の位置Bにおける温度が、それぞれ250℃および255℃であり、融点280℃の熱可塑性液晶ポリマーフィルム1の圧縮弾性率(G’)が1×10Pa未満となる温度(250℃)以上であるため、該フィルムの樹脂被覆金属ロールへの融着が起こり、外観が悪くなるとともに、金属張積層板中の熱可塑性液晶ポリマーフィルムの算術平均粗さ(Ra)が0.5μmを超えて大きく、また十点平均粗度(RzJIS)が2.0μmを超えて大きくなっており、この様な場合、この片面銅張積層板の熱可塑性液晶ポリマーフィルム面を他の回路基板材料の導電層などと圧着した場合に、熱可塑性液晶ポリマーフィルム表面粗度が他の回路基板材料の導電層の表面粗度を悪化させ、導電層の高周波特性が下がるなどの問題が生じる。
比較例3では、樹脂被覆金属ロール3の位置Bにおける温度が、260℃であり、融点335℃の熱可塑性液晶ポリマーフィルム1の圧縮弾性率(G’)が1×10Pa未満となる温度(250℃)よりも高いため、該フィルムの樹脂被覆金属ロールへの融着が起こり、外観が悪くなるとともに、金属張積層板中の熱可塑性液晶ポリマーフィルムの算術平均粗さ(Ra)が0.5μmを超えて大きく、また十点平均粗度(RzJIS)が2.0μmを超えて大きくなっており、この様な場合、この片面銅張積層板の熱可塑性液晶ポリマーフィルム面を他の回路基板材料の導電層などと圧着した場合に、熱可塑性液晶ポリマーフィルム表面粗度が他の回路基板材料の導電層の表面粗度を悪化させ、導電層の高周波特性が下がるなどの問題が生じる。また、はんだ耐熱性も不良となっている。
比較例4では、加熱圧着時に、熱可塑性液晶ポリマーフィルム1と樹脂被覆金属ロール3との間に離型材としてポリイミドシートを介して加熱圧着しているため、熱可塑英液晶ポリマーフィルムにポリイミドシートの表面粗度が転写され、金属張積層板中の熱可塑性液晶ポリマーフィルムの、金属シートと接合していない側の面の算術平均粗さ(Ra)が0.1μmよりも小さく、また十点平均粗度(RzJIS)が0.5μmよりも小さくなっており、この様な場合、該片面金属張積層板の熱可塑性液晶ポリマーフィルムの面を、他の材料と積層する場合にピール強度が下がるなどの問題が生じる。
1・・・熱可塑性液晶ポリマーフィルム
2・・・金属シート
3・・・熱可塑性液晶ポリマーフィルムと接するロール
4・・・加熱ロール
5・・・片面金属張積層板
6・・・温度制御手段

Claims (4)

  1. 光学的異方性の溶融相を形成し得る熱可塑性ポリマーからなるフィルム(以下、これを熱可塑性液晶ポリマーフィルムと略称することがある。)の片面に金属シートが接合されてなる片面金属張積層板であって、該片面金属張積層板の、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの金属シートと接合されていない側の面の、ISO4287−1997に準拠した方法によって測定された算術平均粗さ(Ra)が0.1〜0.5μm、かつ十点平均粗度(RzJIS)が0.5〜2.0μmである、片面金属張積層板。
  2. 熱可塑性液晶ポリマーフィルムと金属シートを加熱圧着させ、積層体となす、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの片面に金属シートが接合されてなる片面金属張積層板の製造方法であって、加熱圧着時に、加熱圧着手段と熱可塑性液晶ポリマーフィルムとの間に離型材を介さないことを特徴とし、片面金属張積層板の、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの金属シートと接合されていない側の面の、ISO4287−1997に準拠した方法によって測定された算術平均粗さ(Ra)が0.1〜0.5μm、かつ十点平均粗度(RzJIS)が0.5〜2.0μmである、片面金属張積層板の製造方法。
  3. 加熱圧着時に該熱可塑性液晶ポリマーフィルムの温度を、該熱可塑性液晶ポリマーフィルムの圧縮弾性率(G’)が1×10Pa以上となる温度に調整することを特徴とする、請求項2記載の片面金属張積層板の製造方法。
  4. 熱可塑性液晶ポリマーフィルムと金属シートを走行させ、合わせながら加熱されたロール間に通過させて加熱圧着させ、積層体となす該熱可塑性液晶ポリマーフィルムの片面に金属シートが接合されてなる片面金属張積層板の製造方法であって、前記ロールの内、該熱可塑性液晶ポリマーフィルムと接するロールの温度を、該熱可塑性液晶ポリマーフィルムの圧縮弾性率(G’)が1×10Pa以上となる温度に調整することを特徴とする、請求項2または3記載の片面金属張積層板の製造方法。
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