JP6389484B2 - 接着性熱可塑性液晶ポリマーフィルム、多層回路基板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の別の目的は、耐はんだ性とともに、寸法安定性に優れる多層回路基板を提供することにある。
(i)従来、接着面を形成する場合、接着表面に凹凸形状を形成してアンカー効果により接着性を向上させるのが定法であったが、実は、熱可塑性液晶ポリマーフィルムにおいては、フィルムの押出成形時に表面には硬いスキン層が発生してしまうため、熱圧着による接着性を向上させるためにフィルム表面の硬度を調整することが重要な役割を果たすこと、
(ii)成形物全体が有するマクロな硬度(例えば、ビッカース硬度など)を測定することは、フィルムのような薄膜における表層、すなわちスキン層のみの硬度を把握する上で適切ではなく、このような硬度は、ナノインデンテーション法により初めて正確に把握することができること、さらに
(iii)熱可塑性液晶ポリマーフィルムを特定の硬度に軟化処理するには、物理的研磨または紫外線照射が有効であり、このような軟化処理方法では、廃液を無公害化するための設備が不要であるだけでなく、プラズマ処理のようなコスト面の負担も低減できることを見出し、本発明を完成した。
光学的異方性の溶融相を形成する熱可塑性液晶ポリマーを押出成形して熱可塑性液晶ポリマーフィルムを形成するフィルム形成工程と、
前記熱可塑性液晶ポリマーフィルムの少なくとも一方の表面に対して、物理的な研磨または紫外線照射を行うことにより、このフィルム表面が、ナノインデンテーション法によって測定された硬度0.01〜0.1GPaを有するように軟化させて、接着面を形成する軟化工程と、
前記接着面を、光学的異方性の溶融相を形成する熱可塑性液晶ポリマーフィルムの少なくとも一方の面に導体回路が形成された基板の回路形成面に対向させ、全体を熱圧着により接着させる熱圧着工程と、
を含む。
本発明の多層回路基板は、光学的異方性の溶融相を形成する熱可塑性液晶ポリマーフィルムの少なくとも一方の面に導体回路が形成された基板層と、
前記基板層の回路形成面に対して、接着面を対向させて熱圧着されている接着性フィルム層と、
を少なくとも含む多層回路基板であって、
前記接着性フィルム層が、光学的異方性の溶融相を形成する熱可塑性液晶ポリマーフィルムであり、この接着性フィルム層の接着面が、ナノインデンテーション法によって測定された硬度0.01〜0.1GPaを有する。
また、第2の接着性フィルム層26は、第1の実施形態で記載した接着性フィルム層13と同様に、多層回路基板のカバーレイフィルムとして有用である。
(基板層)
基板層は、光学的異方性の溶融相を形成する熱可塑性液晶ポリマーフィルムから形成され、そのフィルムの少なくとも一方の面に、導体回路が形成されている。
光学的異方性の溶融相を形成する熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、以下に記載する溶融成形できる液晶性ポリマーから形成され、このポリマーは、溶融成形できる液晶性ポリマーであれば特にその化学的構成については特に限定されるものではないが、例えば、サーモトロピック液晶ポリエステル、又はこれにアミド結合が導入されたサーモトロピック液晶ポリエステルアミドなどを挙げることができる。
また溶融液晶ポリマーは、芳香族ポリエステルまたは芳香族ポリエステルアミドに、更にイミド結合、カーボネート結合、カルボジイミド結合やイソシアヌレート結合などのイソシアネート由来の結合等が導入されたポリマーであってもよい。
また、芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位と芳香族ジオールに由来する繰り返し構造単位とのモル比は、(D)/(E)=95/100〜100/95であることが好ましい。この範囲をはずれると、重合度が上がらず機械強度が低下する傾向がある。
例えば、基板層を形成する熱可塑性液晶ポリマーフィルムの熱膨張係数は、15〜25(×10−6cm/cm/℃)程度であってもよく、16〜24(×10−6cm/cm/℃)程度であるのが好ましい。
熱可塑性液晶ポリマーフィルムに形成される導体回路の厚さは、上記した金属シートや導体層の厚さに対応しており、1〜50μmの範囲内であることが好ましく、5〜20μmの範囲内であることがより好ましい。
接着性フィルム層は、光学的異方性の溶融相を形成する熱可塑性液晶ポリマーフィルムから形成され、そのフィルムの少なくとも一方の面が接着面となり、基板層の回路形成面に対して接着する。そして、この接着面は、ナノインデンテーション法によって測定された所定の硬度を示す。なお、前記硬度の測定方法については、以下の実施例に詳細に記載されている。
ブラスト研磨では、固体金属、鉱物性、植物性などの研磨剤を、液晶ポリマーフィルムの加工面に対して、圧縮空気と共に高速で吹き付けることにより液晶ポリマー表面を研磨することができる。
ベルト研磨では、研磨材のついたベルト(エンドレスベルトのサンドペーパー)を、液晶ポリマーフィルムの加工面に対して擦り付けることにより、液晶ポリマー表面を研磨することができる。
バレル研磨では、目的物と研磨材と水など研磨槽に混合して充填し、研磨槽に運動(回転、振動)を与え、槽内の目的物と研磨材とが擦れ合うことで液晶ポリマー表面を研磨することができる。
なお、物理的研磨では、フィルム表面から厚さ0.01〜1μm程度を除去するのが好ましく、より好ましくは0.1〜0.9μm程度の厚さで表層を除去してもよい。
また、接着性フィルム層の両面が回路基板と接着する場合(例えば、ボンディングフィルムなどとして用いられる場合)、接着性フィルム層の厚みは、導体回路の厚みの2.5倍〜5倍程度であってもよく、好ましくは導体回路の厚みの3倍〜4倍程度であってもよい。
Ta≦Tb+5 (例えば、Tb−50≦Ta≦Tb+5)であってもよく、好ましくはTa≦Tb (例えば、Tb−15≦Ta≦Tb+3)であってもよく、さらに好ましくはTb−10≦Ta≦Tb+1であってもよい。
熱膨張係数αとは、室温からフィルムの熱変形温度付近まで一定昇温速度で加熱したときの膨張率を温度差で割った係数であり、以下のように算出される。
まず、周知の熱機械分析装置を用い、短冊状に切断したフィルムの一端を固定し、もう一端に引張の荷重を付与し、一定昇温速度で加熱した時の膨張量を計測する。フィルムの引張の荷重方向の長さL0(mm)、加熱時のフィルムの長さをL1(mm)、温度をT2(℃)とし、室温をT1(℃)とすると、熱膨張係数αは以下の式で算出できる。
α=[(L1−L0)/(T2−T1)/L0 (×10−6cm/cm/℃)
なお、本発明ではL0=20mm、T2=150℃、T1=25℃、引張荷重を1gとして採用した。
示差走査熱量計を用いて、フィルムの熱挙動を観察して得た。つまり、熱可塑性液晶ポリマーフィルムを10℃/分の速度で昇温して完全に溶融させた後、溶融物を10℃/分の速度で50℃まで急冷し、再び10℃/分の速度で昇温した時に現れる吸熱ピークの位置を、融点として記録した。
後述する実施例で接着性フィルム層として用いられる軟化工程を経た熱可塑性液晶ポリマーフィルムから、試料断片(縦1cm×横1cm)を採取し、ナノインデンテーション法を用いて硬度を測定した。ナノインデンテーション法とは、原子間顕微鏡のダイヤモンド圧子を直接試料表面に押し込み、ナノメートルの精度で押し込み深さを測定し、荷重−変位曲線を求める方法である。原子間力顕微鏡として、日本電子製JSPM4200、ナノインデンテーション装置として、Hysitron社製TriboScope、ダイヤモンド圧子として、Hysitron社製 正三角錐(バーコビッチ型)圧子(142.3°)を用いて、設定最大負荷を400μNとして負荷速度80μN/s、荷重変位曲線を測定した。その際の、最大負荷を、圧子により押し込まれた窪みの接触投影面積で除したものを硬さ[GPa]とする。一つの試料につき、ランダムに18回測定を行ない、その平均値を用いてフィルム表面の硬度とした。
接着性ポリマー層を形成する熱可塑性液晶ポリマーフィルムについて、軟化工程に付される前後のフィルムの厚さを、(株)ミツトヨ製デジマチックインジケータを用いて測定した。測定は、軟化工程に付される前後のフィルムから試料断片(縦50cm×横50cm)を採取し、各試料について、ランダムに100点を測定し、その平均値を用いて、フィルムの厚さとした。
軟化工程後の液晶ポリマー表面の粗さRa(平均線から絶対値偏差の平均値)を、サーフテストSJ−400((株)ミツトヨ製)で5回測定し、その平均値を用いて、接着面の表面粗さとした。
配線基板を10mmの短冊状に打ち抜き試験片とした。この試験片の接着界面を出したのち、常温にて90°方向に速度5cm/分で引き剥がし、日本電産シンポ(株)製、デジタルフォースゲージを用いて引き剥がし荷重を測定し、5cm分引き剥がした際の荷重の平均値を取った。ただし、測定開始時と終了時の測定値のブレに関しては、平均値を出す際に用いなかった。
配線基板を30×30mmにカットし試験片とした。この試験片を260℃のはんだ浴に1分間浸漬し、試験片の変形、発泡、ふくれについて目視で観察を行った。
IPC−TM−650 2.2.4に準じて測定した。
p−ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の共重合物(モル比:73/27)で、融点が280℃である熱可塑性液晶ポリマーを溶融押出して、縦と横の延伸比を制御しながらインフレーションフィルム成形法により膜厚50μm、融点が280℃のフィルムを得た。このフィルムに対し、金属箔として、厚さ18μmの銅箔(電解法による1/2オンス銅箔)を用いて、290℃で加熱圧着して金属箔/フィルム/金属箔の組合わせからなる積層体を同時に20枚得た。
6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸とヒドロキノンと2、6−ナフタレンジカルボン酸(モル比:60/20/20)の共重合物で、融点が325℃である熱可塑性液晶ポリマーを溶融押出して、縦と横の延伸比を制御しながらインフレーションフィルム成形法により膜厚50μm、融点が325℃のフィルムを得た。このフィルムに対し、金属箔として、厚さ18μmの銅箔(電解法による1/2オンス銅箔)を用いて、330℃で加熱圧着して金属箔/フィルム/金属箔の組合わせからなる積層体を同時に20枚得た。
フィルムAについて、ナイロン繊維にシリコンカーバイドの研磨材が付着した1000メッシュのバフロールを用いて、一方の表面を、回転数2000rpm、フィルムの搬送速度を1m/minで高速回転研磨を行なった。研磨前に49.7μmの膜厚であったフィルムAの表面が除去され、研磨後のフィルムの膜厚は49.2μmであった。また、研磨したフィルム表面のナノインデンテーション法による硬さは0.08Gpaであった。
研磨されたフィルム2枚を用い、それぞれの研磨面を回路基板Bの導体回路に接触させて、研磨フィルム/回路基板B/研磨フィルムの順で積層し、全体を精密プレスにて270℃、4.0MPaの圧力でプレスを行い多層配線基板を得た。得られた多層配線基板の層間接着性、耐ハンダ性、寸法安定性を表7に示す。
フィルムAについて、実施例1と同一のバフロールおよび研磨条件を行なって高速回転研磨を行なった。50.1μmの膜厚のフィルムAの表面が除去され、膜厚が49.5μmになった。また、フィルム表面の硬さを測定したところ0.06Gpaであった。
研磨されたフィルム2枚を用い、それぞれの研磨面を回路基板Dの導体回路に接触させて、研磨フィルム/回路基板D/研磨フィルムの順で積層し、全体を精密プレスにて270℃、4.0MPaの圧力でプレスを行い多層配線基板を得た。得られた多層配線基板の層間接着性、耐ハンダ性、寸法安定性を表7に示す。
フィルムCについて、実施例1と同一のバフロールおよび研磨条件を行なって高速回転研磨を行なった。49.8μmの膜厚のフィルムCの表面が除去され、膜厚が49.0μmになった。また、フィルム表面の硬さを測定したところ0.09Gpaであった。
研磨されたフィルム2枚を用い、それぞれの研磨面を回路基板Dの導体回路に接触させて、研磨フィルム/回路基板D/研磨フィルムの順で積層し、精密プレスにて315℃、4.0MPaの圧力でプレスを行い多層配線基板を得た。得られた多層配線基板の層間接着性、耐ハンダ性、寸法安定性を表7に示す。
フィルムAについて、センエンジニアリング株式会社 光表面処理装置を用いて、185nmと254nmの紫外線を照射する合成石英製ランプから、光源と照射面との間1cmの距離で1分間照射した。照射したフィルムの表面硬さは0.05Gpaであった。
照射されたフィルム2枚を用い、それぞれの照射面を回路基板Bの導体回路に接触させて、照射フィルム/回路基板B/照射フィルムの順で積層し、全体を精密プレスにて270℃、4.0MPaの圧力でプレスを行い多層配線基板を得た。得られた多層配線基板の層間接着性、耐ハンダ性、寸法安定性を表7に示す。
フィルムAについて、ナイロン繊維にシリコンカーバイドの研磨材が付着した2500メッシュのバフロールを用いて、回転数1000rpm、フィルムの搬送速度を1m/minで高速回転研磨を行なった。膜厚49.8μmのフィルムAの表面を光学顕微鏡で観察したところ研磨痕は見られたが、膜厚は49.8μmと変わらなかった。また、研磨を行なったフィルム表面の硬さを測定したところ0.53Gpaであった。
研磨されたフィルム2枚を用い、それぞれの研磨面を回路基板Bの導体回路に接触させて、研磨フィルム/回路基板B/研磨フィルムの順で積層し、全体を精密プレスにて270℃、4.0MPaの圧力でプレスを行い多層配線基板を得た。得られた多層配線基板の層間接着性、耐ハンダ性、寸法安定性を表7に示す。
フィルムAをそのまま用い、フィルムA2枚の中間に回路基板Bを積層し、全体を精密プレスにて270℃、4.0MPaの圧力でプレスを行い多層配線基板を得た。なお、フィルムAのプレス前の表面の硬さを測定したところ0.60Gpaであった。得られた多層配線基板の層間接着性、耐ハンダ性、寸法安定性を表7に示す。
フィルムCを2枚の中間に回路基板Dを積層し、精密プレスにて315℃、4.0MPaの圧力でプレスを行い多層配線基板を得た。また、フィルムCのプレス前の表面の硬さを測定したところ0.46Gpaであった。得られた多層配線基板の層間接着性、耐ハンダ性、寸法安定性を表7に示す。
11,21,23…基板層
12,22,24,32,34…導体回路
13…接着性フィルム層
13a,25a,25b,26a,33a,35a…接着面
25…第1の接着性フィルム層(またはボンディングフィルム)
26…第2の接着性フィルム層(またはカバーレイフィルム)
33…第3の接着性フィルム層
35…第4の接着性フィルム層
35b…非接着面
Claims (16)
- 光学的異方性の溶融相を形成する熱可塑性液晶ポリマーフィルムから形成され、そのフィルムの少なくとも一方の面に導体回路が形成されている基板層の回路形成面に対して接着するための接着性フィルムであって、
前記接着性フィルムは光学的異方性の溶融相を形成する熱可塑性液晶ポリマーフィルムから形成され、前記基板層の回路形成面に対する接着面を有し、前記接着面のナノインデンテーション法により測定された表面硬度が0.01〜0.1GPaの範囲に存在するとともに、前記接着面の表面粗さRaが0.35μmを超えて1.0μm以下である接着性熱可塑性液晶ポリマーフィルム。 - 請求項1の接着性熱可塑性液晶ポリマーフィルムにおいて、接着面が物理的な研磨面である接着性熱可塑性液晶ポリマーフィルム。
- 請求項1または2の接着性熱可塑性液晶ポリマーフィルムにおいて、液晶ポリマーフィルムのコア層が露出している接着性熱可塑性液晶ポリマーフィルム。
- 光学的異方性の溶融相を形成する熱可塑性液晶ポリマーフィルムの少なくとも一方の面に導体回路が形成された基板層と、
前記基板層の回路形成面に対して、接着面を対向させて熱圧着されている接着性フィルム層と、
を少なくとも含む多層回路基板であって、
前記接着性フィルム層が、請求項1〜3のいずれか一項に記載された接着性熱可塑性液晶ポリマーフィルムである多層回路基板。 - 請求項4の多層回路基板において、接着性フィルム層の厚みが、導体回路の厚みの2〜5倍である多層回路基板。
- 請求項4または5の多層回路基板において、接着性フィルム層を形成する熱可塑性液晶ポリマーの融点(Ta:℃)と、基板層を形成する熱可塑性液晶ポリマーの融点(Tb:℃)とが
Ta≦Tb+5
を満たす多層回路基板。 - 請求項4〜6のいずれか一項に記載された多層回路基板において、基板層を形成する熱可塑性液晶ポリマーフィルムの熱膨張係数(αb)と、接着性ポリマー層を形成する熱可塑性液晶ポリマーフィルムの熱膨張係数(αa)とが
−5≦αb−αa≦5 (×10−6cm/cm/℃)
を満たす多層回路基板。 - 請求項4〜7のいずれか一項に記載された多層回路基板において、接着性フィルム層を形成する熱可塑性液晶ポリマーの融点(Ta:℃)と、基板層を形成する熱可塑性液晶ポリマーの融点(Tb:℃)とが、Ta=Tbを満たす多層回路基板。
- 接着性熱可塑性液晶ポリマーフィルムの製造方法であって、
熱可塑性液晶ポリマーを押出成形して熱可塑性液晶ポリマーフィルムを形成するフィルム形成工程と、
前記熱可塑性液晶ポリマーフィルムの少なくとも一方の表面に対して、185nmおよび254nmの波長の紫外線を同時に照射するとともに、照射面と光源との距離が、0.3cm〜2cmである紫外線照射による軟化処理を行うことにより、接着面を形成する軟化工程を含む、
請求項1〜3のいずれか一項に記載された接着性熱可塑性液晶ポリマーフィルムの製造方法。 - 請求項9の接着性熱可塑性液晶ポリマーフィルムの製造方法において、紫外線照射の処理時間20秒〜3分で行われる接着性熱可塑性液晶ポリマーフィルムの製造方法。
- 接着性熱可塑性液晶ポリマーフィルムの製造方法であって、
熱可塑性液晶ポリマーを押出成形して熱可塑性液晶ポリマーフィルムを形成するフィルム形成工程と、
前記熱可塑性液晶ポリマーフィルムの少なくとも一方の表面に対して、フィルム表面から厚さ0.01〜1μmを除去する物理的な研磨による軟化処理を行うことにより、接着面を形成する軟化工程を含む、
請求項1〜3のいずれか一項に記載された接着性熱可塑性液晶ポリマーフィルムの製造方法。 - 請求項11の接着性熱可塑性液晶ポリマーフィルムの製造方法において、物理的な研磨が、ブラシ研磨、ベルト研磨またはバレル研磨である接着性熱可塑性液晶ポリマーフィルムの製造方法。
- 多層回路基板の製造方法であって、請求項1〜3のいずれか一項に記載された接着性フィルムの接着面を、光学的異方性の溶融相を形成する熱可塑性液晶ポリマーフィルムの少なくとも一方の面に導体回路が形成された基板の回路形成面に対向させ、全体を熱圧着により接着させる熱圧着工程を備える、多層回路基板の製造方法。
- 請求項13の多層回路基板の製造方法において、熱圧着の温度が、接着性ポリマー層を形成する熱可塑性液晶ポリマーの融点(Ta:℃)より15℃低い温度以上であり、且つこの融点より15℃高い温度以下の範囲から選択されるとともに、さらに前記熱圧着の温度は、基板層を形成する熱可塑性液晶ポリマーの融点(Tb:℃)より20℃低い温度以上であり、且つこの融点より10℃高い温度以下の範囲を充足している多層回路基板の製造方法。
- 請求項12〜14のいずれか一項に記載の多層回路基板の製造方法において、接着性フィルム層が、カバーレイフィルムおよびボンディングフィルムからなる群から選択される少なくとも1種である多層回路基板の製造方法。
- 請求項12〜15のいずれか一項に記載の多層回路基板の製造方法において、接着性ポリマー層を形成する熱可塑性液晶ポリマーの融点(Ta:℃)が、基板層を形成する熱可塑性液晶ポリマーの融点(Tb:℃)とが、Ta=Tbを満たす多層回路基板の製造方法。
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