JP6273961B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
複合機10は、図1に示されるように、概ね直方体に形成されている。複合機10は、下部にインクジェット記録方式で用紙12(図2参照)に画像を記録するプリンタ部11と、表示部14と、操作部17とを有している。プリンタ部11は、図2に示されるように、給送部15と、給送トレイ20と、排出トレイ21と、搬送ローラ部54と、記録部24と、排出ローラ部55と、プラテン42とを備えている。また、複合機10は、ファクシミリ機能及びプリント機能などの各種の機能を有している。複合機10は、インクジェット記録装置の一例である。また、搬送ローラ部54及び排出ローラ部55は、搬送部の一例を構成する。
給送トレイ20は、図1に示されるように、プリンタ部11の前面に形成された開口13を通じて前後方向8にユーザによって挿抜される。給送トレイ20は、積層された複数の用紙12を支持可能である。排出トレイ21は、給送トレイ20の上側に配置されている。排出トレイ21は、前面に形成された開口13を通じて、排出ローラ部55によって排出された用紙12を支持する。
給送部15は、図2に示されるように、給送ローラ25と、給送アーム26と、軸27とを備えている。給送ローラ25は、給送アーム26の先端側に回転可能に支持されている。給送ローラ25は、搬送モータ102(モータの一例、図8参照)の逆転によって、用紙12を第1搬送向き16Aに搬送する向きに回転(以下、「正回転」と表記する。)する。給送アーム26は、プリンタ部11のフレームに支持された軸27に回動可能に支持されている。給送アーム26は、自重或いはバネ等による弾性力によって給送トレイ20側へ回動付勢されている。
搬送路65は、図2に示されるように、その一部がプリンタ部11の内部において、所定間隔で対向する外側ガイド部材18及び内側ガイド部材19によって形成される空間を指す。搬送路65は、給送トレイ20の後端部からプリンタ部11の後方側に延びる経路である。また、搬送路65は、プリンタ部11の後方側において下方から上方に延びつつUターンし、記録部24を経て排出トレイ21に至る経路である。なお、搬送路65内において、給送トレイ20側から排出トレイ21側への用紙12の搬送向きを第1搬送向き16Aと定義し、排出トレイ21側から給送トレイ20側への用紙12の搬送向きを第2搬送向き16Bと定義する。すなわち、第1搬送向き16Aと第2搬送向き16Bとは、図2において一点鎖線の矢印で示されるように、互いに逆向きである。
搬送ローラ部54は、図2に示されるように、記録部24より第1搬送向き16Aの上流側に配置されている。搬送ローラ部54は、互いに対向する搬送ローラ60及びピンチローラ61を有する。搬送ローラ60は、搬送モータ102によって駆動される。ピンチローラ61は、搬送ローラ60の回転に伴って連れ回る。用紙12は、搬送モータ102の正転によって正回転する搬送ローラ60及びピンチローラ61に挟持されて第1搬送向き16Aに搬送される。また、用紙12は、搬送モータ102の逆転によって逆回転する搬送ローラ60及びピンチローラ61に挟持されて第2搬送向き16Bに搬送される。
排出ローラ部55は、図2に示されるように、記録部24より第1搬送向き16Aの下流側に配置されている。排出ローラ部55は、互いに対向する排出ローラ62及び拍車63を有する。排出ローラ62は、搬送モータ102によって駆動される。拍車63は、排出ローラ62の回転に伴って連れ回る。用紙12は、搬送モータ102の正転によって正回転する排出ローラ62及び拍車63に挟持されて第1搬送向き16Aに搬送される。また、用紙12は、搬送モータ102の逆転によって逆回転する排出ローラ62及び拍車63に挟持されて第2搬送向き16Bに搬送される。
プラテン42は、図2及び図3(A)に示されるように、第1搬送向き16Aにおける搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の間に配置されている。プラテン42は、上下方向7において記録部24に対向するようにして配置されており、搬送ローラ部54によって搬送される用紙12を下側から支持する。
記録部24は、図2に示されるように、第1搬送向き16Aにおける搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の間に配置されている。また、記録部24は、上下方向7においてプラテン42に対向するようにして配置されている。記録部24は、キャリッジ23と、記録ヘッド39と、エンコーダセンサ38Aとを備えている。また、キャリッジ23からは、図3(A)に示されるように、インクチューブ32及びフレキシブルフラットケーブル33が延出されている。インクチューブ32は、カートリッジ装着部に装着されたインクカートリッジのインクを記録ヘッド39に供給する。フレキシブルフラットケーブル33は、制御部130が実装された制御基板と記録ヘッド39とを接続する。
表示部14は、ユーザに報知すべき情報をメッセージ或いはアニメーションとして表示する表示画面を備える。表示部14の具体的な構成は特に限定されないが、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Displayの略)、有機ELディスプレイ(Organic Electro−Luminescence Displayの略)等を採用することができる。
操作部17は、複合機10に対する指示の入力をユーザから受け付ける入力インタフェースである。操作部17の具体的な構成は特に限定されないが、例えば、複数の押しボタンを有していてもよいし、図1に示されるように表示部14の表示画面に重畳されたタッチセンサを有していてもよい。
複合機10は、図4及び図5に示されるメンテナンス機構70(メンテナンス部の一例)をさらに備える。メンテナンス機構70は、図3(A)に示されるように、搬送ローラ部54及び排出ローラ部55によって搬送される用紙12の通過する範囲(以下、「通過領域」と表記する。)から右側に外れた位置に配置される。なお、通過領域とは、記録ヘッド39とプラテン42上の用紙12とが対面し得る領域である。
ポート切替機構90は、キャップ71とポンプ77との連通状態を切り替える。ポート切替機構90は、図6に示されるように、有底円筒体のシリンダ99と、シリンダ99の内部に配置された円柱形状の回転体92とを備えている。シリンダ99には、吸気ポート93、Bkポート95、Coポート96、及び大気ポート97、98が形成されている。具体的には、ポート切替機構90は、図6(A)に示されるBk吸引状態(第1連通状態の一例)と、図6(B)に示されるCo吸引状態(第2連通状態)と、図6(C)に示されるアンロック状態とに切り替え可能である。
図8に示される駆動力伝達機構104は、搬送モータ102の駆動力を、給送ローラ25、搬送ローラ60、排出ローラ62、及びメンテナンス機構70へ伝達する。駆動力伝達機構104は、歯車、プーリ、無端環状のベルト、遊星歯車機構(振子ギヤ機構)、及びワンウェイクラッチ等の全部又は一部を組み合わせて構成される。また、駆動力伝達機構104は、搬送モータ102の駆動力の伝達先を切り替える切替機構170(駆動状態切替部の一例)を備えている。
切替機構170は、第1駆動状態と、第2駆動状態とに切替可能に構成されている。第1駆動状態は、搬送ローラ60を通じて伝達された搬送モータ102の駆動力を、給送ローラ25に伝達し且つメンテナンス機構70に伝達しない状態である。第2駆動状態は、搬送ローラ60を通じて伝達された搬送モータ102の駆動力を、給送ローラ25に伝達せず且つメンテナンス機構70に伝達する状態である。切替機構170は、図3(A)に示されるように、プラテン42よりも右側(すなわち、通過領域から右方に外れた位置)に設けられている。切替機構170は、図7に示されるように、切替ギヤ171と、2つの受けギヤ172A、172Dと、保持部173と、押圧部材175と、切替レバー176と、案内部177とを備える。
制御部130は、図8に示されるように、CPU131、ROM132、RAM133、EEPROM134、及びASIC135を備えており、これらは内部バス137によって接続されている。ROM132には、CPU131が各種動作を制御するためのプログラムなどが格納されている。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いるデータや信号等を一時的に記録する記憶領域、或いはデータ処理の作業領域として使用される。EEPROM134には、電源オフ後も保持すべき設定やフラグ等が格納される。
図9を参照して、本実施形態における画像記録処理を説明する。この画像記録処理は、制御部130のCPU131によって実行される。なお、以下の各処理は、ROM132に記憶されているプログラムをCPU131が読み出して実行してもよいし、制御部130に搭載されたハードウェア回路によって実現されてもよい。なお、画像記録処理は、給送ローラ25、搬送ローラ60、及び排出ローラ62の回転、キャリッジ23の移動、或いはメンテナンス機構70の駆動に着目して説明する。これらの動作は、前述したように、搬送モータ102及びキャリッジモータ103を駆動させることによって実現される。
上記構成の複合機10において、空吸引処理において搬送モータ102を正転させると、搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の少なくとも一方に挟持された用紙12は、第1搬送向き16Aに搬送される。一方、空吸引処理において搬送モータ102を逆転させると、当該用紙12は第2搬送向き16Bに搬送される。すなわち、空吸引処理における搬送モータ102の正転量と逆転量とが一致しない場合、画像記録処理中の用紙12は、空吸引処理の前後において異なる位置に配置されることになる。
23・・・キャリッジ
39・・・記録ヘッド
40・・・ノズル
54・・・搬送ローラ部
55・・・排出ローラ部
70・・・メンテナンス機構
71・・・キャップ
76・・・ポンプ
90・・・ポート切替機構
102・・・搬送モータ
130・・・制御部
176・・・切替レバー
Claims (6)
- シートを搬送向きに搬送する搬送部と、
上記搬送向きと交差する主走査方向に移動するキャリッジと、
上記キャリッジに搭載されており、ノズルからインクを吐出する記録ヘッドと、
上記搬送部によって搬送されたシートの通過領域から上記主走査方向の一端側に外れた位置において上記記録ヘッドと対面するキャップ、及び上記キャップ内のインクを吸引するポンプを有するメンテナンス部と、
上記搬送部及び上記メンテナンス部を駆動するモータと、
上記モータの駆動力を、上記メンテナンス部に伝達しない第1駆動状態、及び上記メンテナンス部に伝達する第2駆動状態に切り替え可能な駆動状態切替部と、
制御部と、を備えており、
上記制御部は、
上記搬送向きの所定の改行幅だけシートを上記搬送部に搬送させ且つ当該シートに対して上記記録ヘッドにインクを吐出させる複数の単位動作を含む記録処理を実行し、
複数の上記単位動作の間において、
上記記録ヘッドが上記キャップに対面する位置に上記キャリッジを移動させ、且つ上記記録ヘッドにインクを空吐出させる空吐出処理と、
上記駆動状態切替部を上記第2駆動状態にした状態で、上記キャップ内のインクを上記ポンプに吸引させる空吸引処理と、
上記空吸引処理において回転された上記モータの総回転量だけ上記モータを反転させる反転処理と、を実行するインクジェット記録装置。 - 上記記録ヘッドは、
第1色のインクを吐出する第1ノズルと、
上記第1色と異なる第2色のインクを吐出する第2ノズルと、を有しており、
上記メンテナンス部は、
上記第1ノズルに対面し得る上記キャップである第1キャップと、
上記第2ノズルに対面し得る上記キャップである第2キャップと、
上記モータの逆転によって上記キャップ内のインクを吸引する上記ポンプと、
上記ポンプと上記第1キャップとを連通させる第1連通状態、及び上記ポンプと上記第2キャップとを連通させる第2連通状態を、上記モータの正転によって交互に切り替え可能な連通状態切替部と、を有しており、
上記搬送部は、
上記モータの正転によってシートを上記搬送向きに搬送し、
上記モータの逆転によってシートを上記搬送向きと逆向きに搬送し、
上記制御部は、上記空吸引処理において、
上記連通状態切替部を上記第1連通状態に切り替える第1切替処理と、
上記第1キャップから上記ポンプにインクを吸引させる第1吸引処理と、
上記連通状態切替部を上記第2連通状態に切り替える第2切替処理と、
上記第2キャップから上記ポンプにインクを吸引させる第2吸引処理と、を実行し、
上記総回転量は、上記第1切替処理及び上記第2切替処理における上記モータの正転量と、上記第1吸引処理及び上記第2吸引処理における上記モータの逆転量との合計に相当する請求項1に記載のインクジェット記録装置。 - 上記制御部は、上記空吸引処理において、上記第1切替処理、上記第1吸引処理、上記第2切替処理、及び上記第2吸引処理のサイクルを複数回繰り返す請求項2に記載のインクジェット記録装置。
- 上記制御部は、上記第2切替処理より上記モータの正転量が多い上記第1切替処理において、上記モータの正転及び逆転を交互に繰り返すことによって、上記連通状態切替部を上記第1連通状態に切り替える請求項2又は3に記載のインクジェット記録装置。
- 上記制御部は、上記記録処理中において、閾値時間が経過し且つ複数の上記単位動作の1つが終了したことに応じて、上記空吐出処理を実行する請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 上記制御部は、上記空吐出処理におけるインクの吐出量が閾値量に到達したことに応じて、上記空吸引処理及び上記反転処理を実行する請求項1から5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
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