JP6273961B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、搬送部及びメンテナンス部を1つのモータで駆動するインクジェット記録装置に関する。
従来より、シートを搬送する搬送部と、ノズルからインクを吐出することによってシートに画像を記録する記録部と、ノズルをメンテナンスするメンテナンス部と、搬送部及びメンテナンス部を駆動するモータと、モータの駆動力をメンテナンス部に伝達するか否かを切り替える切替部とを備えるインクジェット記録装置が知られている。例えば特許文献1には、メンテナンス部に対面する位置に記録部を移動させることによって、モータの駆動力がメンテナンス部に伝達される構成のインクジェット記録装置が開示されている。一方、搬送部には、モータの駆動力が常に伝達される。
特開2013−208872号公報
上記構成のインクジェット記録装置において、例えばノズルのインク吐出性能を維持するために、画像記録中にノズルからメンテナンス部のキャップへインクを空吐出することが考えられる。しかしながら、キャップ内に空吐出されたインクを排出するためにメンテナンス部を駆動すると、搬送部によってシートが搬送されてしまう。その結果、画像記録中におけるメンテナンス部の一連の動作によってシートが排出されてしまい、当該シートに対する画像記録が完了しない可能性がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、インク吐出性能を維持すると共に、シートに対して適切に画像を記録可能なインクジェット記録装置を提供することにある。
(1) 本発明に係るインクジェット記録装置は、シートを搬送向きに搬送する搬送部と、上記搬送向きと交差する主走査方向に移動するキャリッジと、上記キャリッジに搭載されており、ノズルからインクを吐出する記録ヘッドと、上記搬送部によって搬送されたシートの通過領域から上記主走査方向の一端側に外れた位置において上記記録ヘッドと対面するキャップ、及び上記キャップ内のインクを吸引するポンプを有するメンテナンス部と、上記搬送部及び上記メンテナンス部を駆動するモータと、上記モータの駆動力を、上記メンテナンス部に伝達しない第1駆動状態、及び上記メンテナンス部に伝達する第2駆動状態に切り替え可能な駆動状態切替部と、制御部とを備える。そして、上記制御部は、上記搬送向きの所定の改行幅だけシートを上記搬送部に搬送させ且つ当該シートに対して上記記録ヘッドにインクを吐出させる複数の単位動作を含む記録処理を実行し、複数の上記単位動作の間において、上記記録ヘッドが上記キャップに対面する位置に上記キャリッジを移動させ、且つ上記記録ヘッドにインクを空吐出させる空吐出処理と、上記駆動状態切替部を上記第2駆動状態にした状態で、上記キャップ内のインクを上記ポンプに吸引させる空吸引処理と、上記空吸引処理において回転された上記モータの総回転量だけ上記モータを反転させる反転処理とを実行する。
上記構成によれば、空吸引処理におけるモータの駆動によって搬送されたシートを、反転処理によって元の位置に戻すことができる。これにより、画像記録中に空吐出処理及び空吸引処理を実行してもシートの位置ズレを抑制することができる。その結果、ノズル内のメニスカスを適切な状態に維持すると共に、シートに対して適切に画像を記録することができる。
(2) 好ましくは、上記記録ヘッドは、第1色のインクを吐出する第1ノズルと、上記第1色と異なる第2色のインクを吐出する第2ノズルとを有する。上記メンテナンス部は、上記第1ノズルに対面し得る上記キャップである第1キャップと、上記第2ノズルに対面し得る上記キャップである第2キャップと、上記モータの逆転によって上記キャップ内のインクを吸引する上記ポンプと、上記ポンプと上記第1キャップとを連通させる第1連通状態、及び上記ポンプと上記第2キャップとを連通させる第2連通状態を、上記モータの正転によって交互に切り替え可能な連通状態切替部とを有する。上記搬送部は、上記モータの正転によってシートを上記搬送向きに搬送し、上記モータの逆転によってシートを上記搬送向きと逆向きに搬送する。上記制御部は、上記空吸引処理において、上記連通状態切替部を上記第1連通状態に切り替える第1切替処理と、上記第1キャップから上記ポンプにインクを吸引させる第1吸引処理と、上記連通状態切替部を上記第2連通状態に切り替える第2切替処理と、上記第2キャップから上記ポンプにインクを吸引させる第2吸引処理とを実行する。そして、上記総回転量は、上記第1切替処理及び上記第2切替処理における上記モータの正転量と、上記第1吸引処理及び上記第2吸引処理における上記モータの逆転量との合計に相当する。
上記構成のように、モータを正転させる切替処理と、モータを逆転させる吸引処理とを交互に実行することによって、空吸引処理の過程においてシートが一方に大きく移動するのを抑制することができる。その結果、空吸引処理及び反転処理の前後におけるシートの位置ズレが少なくなるので、画像記録品質の低下をさらに効果的に抑制することができる。
(3) 好ましくは、上記制御部は、上記空吸引処理において、上記第1切替処理、上記第1吸引処理、上記第2切替処理、及び上記第2吸引処理のサイクルを複数回繰り返す。
(4) 好ましくは、上記制御部は、上記第2切替処理より上記モータの正転量が多い上記第1切替処理において、上記モータの正転及び逆転を交互に繰り返すことによって、上記連通状態切替部を上記第1連通状態に切り替える。
モータを連続して一方に回転させると、シートが搬送部を通過してしまう可能性がある。そこで上記の各構成のように、切替処理及び吸引処理のサイクルを複数回繰り返したり、切替処理においてモータの正転及び逆転を交互に繰り返すのが望ましい。
(5) 好ましくは、上記制御部は、上記記録処理中において、閾値時間が経過し且つ複数の上記単位動作の1つが終了したことに応じて、上記空吐出処理を実行する。
上記構成のように、空吐出処理を定期的に実行することにより、画像記録品質の低下を抑制することができる。
(6) 好ましくは、上記制御部は、上記空吐出処理におけるインクの吐出量が閾値量に到達したことに応じて、上記空吸引処理及び上記反転処理を実行する。
上記構成によれば、空吸引処理及び反転処理の実行回数を減らすことができるので、画像記録品質の低下をさらに有効に抑制することができる。
本発明によれば、空吸引処理におけるモータの総回転量だけモータを反転させることにより、空吸引処理の実行前後でシートを同一の位置に位置させることができるので、ノズル内のメニスカスを適切な状態に維持すると共に、シートに対して適切に画像を記録可能なインクジェット記録装置を得ることができる。
図1は、複合機10の外観斜視図である。 図2は、プリンタ部11の内部構造を模式的に示す縦断面図である。 図3は、(A)がキャリッジ23及びガイドレール43、44の平面図、(B)がプリンタ部11の内部構造を示す斜視図である。 図4は、メンテナンス機構70の断面図であって、(A)はキャップ71がアンキャップ位置に配置された状態、(B)はキャップ71がキャップ位置に配置された状態を示す。 図5は、メンテナンス機構70の模式図である。 図6は、ポート切替機構90を底面から見た模式図であって、(A)はBk吸引状態、(B)はCo吸引状態、(C)はアンロック状態を示す。 図7は、切替機構170の斜視図であって、(A)は切替レバー176が第1位置に配置された状態、(B)は切替レバー176が第2位置に配置された状態、(C)は切替レバー176が第3位置に配置された状態を示す。 図8は、プリンタ部11のブロック図である。 図9は、画像記録処理のフローチャートである。 図10は、空吸引処理のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、以下の説明では、矢印の起点から終点に向かう進みが向きと表現され、矢印の起点と終点とを結ぶ線上の往来が方向と表現される。さらに、複合機10が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上下方向7が定義され、開口13が設けられている側を手前側(正面)として前後方向8が定義され、複合機10を手前側(正面)から見て左右方向9が定義される。
[複合機10の全体構成]
複合機10は、図1に示されるように、概ね直方体に形成されている。複合機10は、下部にインクジェット記録方式で用紙12(図2参照)に画像を記録するプリンタ部11と、表示部14と、操作部17とを有している。プリンタ部11は、図2に示されるように、給送部15と、給送トレイ20と、排出トレイ21と、搬送ローラ部54と、記録部24と、排出ローラ部55と、プラテン42とを備えている。また、複合機10は、ファクシミリ機能及びプリント機能などの各種の機能を有している。複合機10は、インクジェット記録装置の一例である。また、搬送ローラ部54及び排出ローラ部55は、搬送部の一例を構成する。
[給送トレイ20、排出トレイ21]
給送トレイ20は、図1に示されるように、プリンタ部11の前面に形成された開口13を通じて前後方向8にユーザによって挿抜される。給送トレイ20は、積層された複数の用紙12を支持可能である。排出トレイ21は、給送トレイ20の上側に配置されている。排出トレイ21は、前面に形成された開口13を通じて、排出ローラ部55によって排出された用紙12を支持する。
[給送部15]
給送部15は、図2に示されるように、給送ローラ25と、給送アーム26と、軸27とを備えている。給送ローラ25は、給送アーム26の先端側に回転可能に支持されている。給送ローラ25は、搬送モータ102(モータの一例、図8参照)の逆転によって、用紙12を第1搬送向き16Aに搬送する向きに回転(以下、「正回転」と表記する。)する。給送アーム26は、プリンタ部11のフレームに支持された軸27に回動可能に支持されている。給送アーム26は、自重或いはバネ等による弾性力によって給送トレイ20側へ回動付勢されている。
[搬送路65]
搬送路65は、図2に示されるように、その一部がプリンタ部11の内部において、所定間隔で対向する外側ガイド部材18及び内側ガイド部材19によって形成される空間を指す。搬送路65は、給送トレイ20の後端部からプリンタ部11の後方側に延びる経路である。また、搬送路65は、プリンタ部11の後方側において下方から上方に延びつつUターンし、記録部24を経て排出トレイ21に至る経路である。なお、搬送路65内において、給送トレイ20側から排出トレイ21側への用紙12の搬送向きを第1搬送向き16Aと定義し、排出トレイ21側から給送トレイ20側への用紙12の搬送向きを第2搬送向き16Bと定義する。すなわち、第1搬送向き16Aと第2搬送向き16Bとは、図2において一点鎖線の矢印で示されるように、互いに逆向きである。
[搬送ローラ部54]
搬送ローラ部54は、図2に示されるように、記録部24より第1搬送向き16Aの上流側に配置されている。搬送ローラ部54は、互いに対向する搬送ローラ60及びピンチローラ61を有する。搬送ローラ60は、搬送モータ102によって駆動される。ピンチローラ61は、搬送ローラ60の回転に伴って連れ回る。用紙12は、搬送モータ102の正転によって正回転する搬送ローラ60及びピンチローラ61に挟持されて第1搬送向き16Aに搬送される。また、用紙12は、搬送モータ102の逆転によって逆回転する搬送ローラ60及びピンチローラ61に挟持されて第2搬送向き16Bに搬送される。
[排出ローラ部55]
排出ローラ部55は、図2に示されるように、記録部24より第1搬送向き16Aの下流側に配置されている。排出ローラ部55は、互いに対向する排出ローラ62及び拍車63を有する。排出ローラ62は、搬送モータ102によって駆動される。拍車63は、排出ローラ62の回転に伴って連れ回る。用紙12は、搬送モータ102の正転によって正回転する排出ローラ62及び拍車63に挟持されて第1搬送向き16Aに搬送される。また、用紙12は、搬送モータ102の逆転によって逆回転する排出ローラ62及び拍車63に挟持されて第2搬送向き16Bに搬送される。
[プラテン42]
プラテン42は、図2及び図3(A)に示されるように、第1搬送向き16Aにおける搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の間に配置されている。プラテン42は、上下方向7において記録部24に対向するようにして配置されており、搬送ローラ部54によって搬送される用紙12を下側から支持する。
[記録部24]
記録部24は、図2に示されるように、第1搬送向き16Aにおける搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の間に配置されている。また、記録部24は、上下方向7においてプラテン42に対向するようにして配置されている。記録部24は、キャリッジ23と、記録ヘッド39と、エンコーダセンサ38Aとを備えている。また、キャリッジ23からは、図3(A)に示されるように、インクチューブ32及びフレキシブルフラットケーブル33が延出されている。インクチューブ32は、カートリッジ装着部に装着されたインクカートリッジのインクを記録ヘッド39に供給する。フレキシブルフラットケーブル33は、制御部130が実装された制御基板と記録ヘッド39とを接続する。
キャリッジ23は、図3(A)に示されるように、前後方向8に離間する位置において各々が左右方向9に延設されたガイドレール43、44に支持されている。ガイドレール43、44は、図3(B)に示されるように、プリンタ部11のフレームに支持されている。キャリッジ23は、ガイドレール44に設けられた公知のベルト機構に連結されている。なお、このベルト機構は、キャリッジモータ103(図8参照)によって駆動される。つまり、キャリッジモータ103の駆動により周運動するベルト機構を介して、キャリッジ23は左右方向9に沿う主走査方向への往復移動する。
記録ヘッド39は、図2に示されるように、キャリッジ23に搭載されている。記録ヘッド39の下面には、複数のノズル40が形成されている。記録ヘッド39は、ノズル40からインクを微小なインク滴として吐出する。キャリッジ23が移動する過程において、プラテン42に支持されている用紙12に向けて記録ヘッド39がインク滴を吐出する。これにより、用紙12に画像が記録される。
また、ガイドレール44には、図3に示されるように、左右方向9に延びる帯状のエンコーダストリップ38Bが設けられている。エンコーダセンサ38Aは、キャリッジ23に搭載されている。エンコーダセンサ38Aとエンコーダストリップ38Bとは、上下方向7において対向する位置にそれぞれが設けられている。キャリッジ23が移動する過程において、エンコーダセンサ38Aは、エンコーダストリップ38Bを読み取ってパルス信号を生成し、生成したパルス信号を制御部130に出力する。エンコーダセンサ38A及びエンコーダストリップ38Bは、図8に示されるキャリッジセンサ38を構成する。
[表示部14]
表示部14は、ユーザに報知すべき情報をメッセージ或いはアニメーションとして表示する表示画面を備える。表示部14の具体的な構成は特に限定されないが、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Displayの略)、有機ELディスプレイ(Organic Electro−Luminescence Displayの略)等を採用することができる。
[操作部17]
操作部17は、複合機10に対する指示の入力をユーザから受け付ける入力インタフェースである。操作部17の具体的な構成は特に限定されないが、例えば、複数の押しボタンを有していてもよいし、図1に示されるように表示部14の表示画面に重畳されたタッチセンサを有していてもよい。
[メンテナンス機構70]
複合機10は、図4及び図5に示されるメンテナンス機構70(メンテナンス部の一例)をさらに備える。メンテナンス機構70は、図3(A)に示されるように、搬送ローラ部54及び排出ローラ部55によって搬送される用紙12の通過する範囲(以下、「通過領域」と表記する。)から右側に外れた位置に配置される。なお、通過領域とは、記録ヘッド39とプラテン42上の用紙12とが対面し得る領域である。
メンテナンス機構70は、キャップ71と、リフトアップ機構73と、当接レバー76と、ポンプ77(図5及び図8参照)と、ポート切替機構90(連通状態切替部の一例)とを備えている。メンテナンス機構70は、ノズル40内のインクや空気、及びノズル面に付着した異物(以下、これらを総称して「インク等」と表記する。)を吸引するパージ動作と、記録ヘッド39からキャップ71に空吐出されたインク等を吸引する空吸引動作(図10参照)とを実行する。メンテナンス機構70によって吸引除去されたインク等は、排液タンク110(図3(B)及び図5参照)に貯留される。
キャップ71は、ゴムにより構成されている。キャップ71は、通過領域の右側に位置するキャリッジ23に対面して設けられている。またキャップ71は、図7(B)に示される第2位置及び第3位置の切替レバー176(後述)に当接したキャリッジ23の記録ヘッド39に対面する。キャップ71は、ノズル面(「記録ヘッド39のノズル40が形成された面」を指す。)を覆うキャップ位置と、ノズル面から離間するアンキャップ位置との間を移動可能に構成されている。
キャップ71の内部は、Bkキャップ(第1キャップの一例)と、Coキャップ(第2キャップの一例)とに区画されている。Bkキャップは、ブラックインクを吐出するノズル(第1ノズルの一例)が形成された領域を覆い且つ当該領域との間に密閉空間を形成する。Coキャップは、カラーインクを吐出するノズル(第2ノズルの一例)が形成された領域を覆い且つ当該領域との間に密閉空間を形成する。Bkキャップは後述するBkポート95に接続され、Coキャップは後述するCoポート96に接続される。
ポンプ77は、例えば、ロータリ式のチューブポンプである。ポンプ77は、搬送モータ102の逆転によって、図5に示される吸入口77Aから排出口77Bへ向かう流体(インク或いは空気等)の流れを形成するものである。一方、ポンプ77には、搬送モータ102の正転駆動力が伝達されない。吸入口77Aから延出されたチューブ91Aの先端には、ポート切替機構90が接続されている。また、ポート切替機構90から延出されたチューブ91Bの先端には、キャップ71が接続されている。すなわち、キャップ71と吸入口77Aとは、チューブ91A、91B及びポート切替機構90を通じて連通している。一方、排出口77Bから延出されたチューブ91Cの先端には、排液タンク110が取り付けられている。
リフトアップ機構73は、図4に示されるように、リンク74を備える。キャリッジ23の移動に連動してリンク74が回動することで、図4(A)の位置と図4(B)の位置との間でホルダ75を移動させる。ホルダ75は、キャップ71と、鉛直上方へ突出された当接レバー76とを保持している。当接レバー76は、キャリッジ23の移動範囲まで延出されている。
右方に移動するキャリッジ23は、当接レバー76を押圧して右方に移動させる。当接レバー76を保持するホルダ75は、当接レバー76の右方への移動に連動して上昇し、キャップ71をキャップ位置に移動させる。一方、左方に移動したキャリッジ23は、当接レバー76から離間する。キャリッジ23に離間された当接レバー76は、左方に移動する。そして、ホルダ75は、当接レバー76の左方への移動に連動して下降し、キャップ71をアンキャップ位置に移動させる。
[ポート切替機構90]
ポート切替機構90は、キャップ71とポンプ77との連通状態を切り替える。ポート切替機構90は、図6に示されるように、有底円筒体のシリンダ99と、シリンダ99の内部に配置された円柱形状の回転体92とを備えている。シリンダ99には、吸気ポート93、Bkポート95、Coポート96、及び大気ポート97、98が形成されている。具体的には、ポート切替機構90は、図6(A)に示されるBk吸引状態(第1連通状態の一例)と、図6(B)に示されるCo吸引状態(第2連通状態)と、図6(C)に示されるアンロック状態とに切り替え可能である。
吸気ポート93は、シリンダ99の底壁に形成されている。その他の4つのポート95〜98は、シリンダ99の側壁において周方向に所定の間隔を空けて形成されている。Bkポート95は、チューブ91Bを介してBkキャップの内部空間に連通される。Coポート96は、チューブ91Bを介してCoキャップの内部空間に連通される。大気ポート97、98は大気に開放されている。チューブ91Aは、一端が吸気ポート93に接続され、他端がポンプ77の吸入口77Aに接続される。
回転体92は、シリンダ99の内部において、搬送モータ102の正転によって回転(本実施形態では、図6の反時計回りに回転)する。シリンダ99の内部において回転体92が回転することにより、シリンダ99に形成された各ポート93、95〜98の連通状態が交互に変化する。一方、回転体92には、搬送モータ102の逆転駆動力が伝達されない。図6(A)に示されるBk吸引状態は、吸気ポート93がBkポート95と連通されている状態である。図6(B)に示されるCo吸引状態は、吸気ポート93がCoポート96と連通されている状態である。図6(C)に示されるアンロック状態は、吸気ポート93がBkポート95、Coポート96、及び大気ポート97、98のいずれとも連通されていない状態である。
さらに、メンテナンス機構70は、キャップ71と対面する位置にキャリッジ23を固定するロック部を備える。ロック部は、回転体92の回転に伴って上下方向7に移動可能なロックピンを有する。ロックピンは、キャリッジ23に設けられた凹部に進入してキャリッジ23の左右方向9への移動を規制し得るロック位置(すなわち、上昇した位置)と、キャリッジ23から離間してキャリッジ23の左右方向9への移動を許容するアンロック位置(すなわち、降下した位置)とに移動可能に構成されている。
図6(A)に示されるBk吸引状態でポンプ77を駆動すると、Bkキャップ内のインク等がチューブ91A〜91C、ポート切替機構90、及びポンプ77を通じて排液タンク110に排出される。また、図6(B)に示されるCo吸引状態でポンプ77を駆動すると、Coキャップ内のインク等がチューブ91A〜91C、ポート切替機構90、及びポンプ77を通じて排液タンク110に排出される。さらに、図6(C)に示されるアンロック状態は、前述のロックピンがアンロック位置に配置された状態である。
なお、本実施形態において、以下に示す回転角α及び回転角γは、回転角β及び回転角θより大きい。ここで、回転角αは、ポート切替機構90をアンロック状態からBk吸引状態に切り替えるのに必要な回転体92の回転角(「搬送モータ102の正転量」と言い換えることもできる。以下同じ。)を示す。回転角γは、ポート切替機構90をCo吸引状態からBk吸引状態に切り替えるのに必要な回転体92の回転角を示す。回転角βは、ポート切替機構90をBk吸引状態からCo吸引状態に切り替えるのに必要な回転体92の回転角を示す。回転角θは、ポート切替機構90をCo吸引状態からアンロック状態に切り替えるのに必要な回転体92の回転角を示す。
[駆動力伝達機構104]
図8に示される駆動力伝達機構104は、搬送モータ102の駆動力を、給送ローラ25、搬送ローラ60、排出ローラ62、及びメンテナンス機構70へ伝達する。駆動力伝達機構104は、歯車、プーリ、無端環状のベルト、遊星歯車機構(振子ギヤ機構)、及びワンウェイクラッチ等の全部又は一部を組み合わせて構成される。また、駆動力伝達機構104は、搬送モータ102の駆動力の伝達先を切り替える切替機構170(駆動状態切替部の一例)を備えている。
[切替機構170]
切替機構170は、第1駆動状態と、第2駆動状態とに切替可能に構成されている。第1駆動状態は、搬送ローラ60を通じて伝達された搬送モータ102の駆動力を、給送ローラ25に伝達し且つメンテナンス機構70に伝達しない状態である。第2駆動状態は、搬送ローラ60を通じて伝達された搬送モータ102の駆動力を、給送ローラ25に伝達せず且つメンテナンス機構70に伝達する状態である。切替機構170は、図3(A)に示されるように、プラテン42よりも右側(すなわち、通過領域から右方に外れた位置)に設けられている。切替機構170は、図7に示されるように、切替ギヤ171と、2つの受けギヤ172A、172Dと、保持部173と、押圧部材175と、切替レバー176と、案内部177とを備える。
切替ギヤ171は、支軸174を中心として回転可能で且つ支軸174の軸方向(すなわち、左右方向9)に沿って移動可能である。なお、支軸174は、メンテナンス機構70に保持されている。切替ギヤ171には、搬送モータ102の駆動力が搬送ローラ60を通じて伝達される。受けギヤ172A、172Dは、支軸174の下側において左右方向9に沿った同軸上で回転可能であり、切替ギヤ171に噛合可能に構成されている。すなわち、切替ギヤ171は、左右方向9に移動することによって、受けギヤ172A、172Dのいずれかと噛合する。受けギヤ172Aは、搬送モータ102の駆動力を給送ローラ25に伝達するギヤである。一方、受けギヤ172Dは、搬送モータ102の駆動力をメンテナンス機構70に伝達するギヤである。
押圧部材175は、切替ギヤ171の右側に配置されており、左右方向9にスライド自在に支軸174に挿通されている。切替レバー176は、押圧部材175から上方に突出し、保持部173を通ってキャリッジ23の移動経路にまで延びている。切替ギヤ171は第1バネによって右向きに付勢され、押圧部材175は第2バネによって左向きに付勢されている。また、第2バネの付勢力は、第1バネの付勢力より大きい。その結果、図7に示される切替ギヤ171及び押圧部材175は、左向きに付勢されている。
切替レバー176が図7(A)に示される第1位置に保持部173によって保持されている時、切替ギヤ171は、受けギヤ172Aと噛合する。右方に移動するキャリッジ23に当接された切替レバー176は、押圧部材175を右方に移動させる。このとき、第1バネの付勢力により、切替ギヤ171は押圧部材175の移動に伴って右方に移動する。そして、切替レバー176が図7(B)に示される第2位置に位置する時、切替ギヤ171は、受けギヤ172Dと噛合する。
さらに、キャリッジ23によって図7(C)に示される第3位置まで移動され且つキャリッジ23に離間された切替レバー176は、第2バネの付勢力によって図7(A)に示される第1位置に復帰する。なお、第3位置から第1位置へ移動する切替レバー176は、案内部177に案内されるので、保持部173によって第1位置への復帰が妨げられることはない。なお、第2位置は第1位置より通過領域から遠い位置であり、第3位置は第1位置及び第2位置より通過領域から遠い位置である。
また、切替ギヤ171が受けギヤ172Dと噛合している時に、第1バネは自然長となる。そのため、切替ギヤ171は、図7(B)に示される受けギヤ172Dとの噛合位置より右方に移動することはない。すなわち、切替レバー176が第2位置及び第3位置に配置されている時、切替ギヤ171と押圧部材175とは離間している。また、切替ギヤ171は、切替レバー176と共に第3位置から第1位置へ復帰する押圧部材175に押圧されて、図7(A)に示される受けギヤ172Aとの噛合位置に移動する。
切替ギヤ171と受けギヤ172Aとが噛合されている状態(すなわち、図7(A)に示される第1駆動状態)において、駆動力伝達機構104は、搬送モータ102の駆動力を給送ローラ25に伝達し且つメンテナンス機構70に伝達しない。一方、切替ギヤ171と受けギヤ172Dとが噛合されている状態(すなわち、図7(B)に示される第2駆動状態)において、駆動力伝達機構104は、搬送モータ102の駆動力をメンテナンス機構70に伝達し且つ給送ローラ25に伝達しない。
また、切替機構170が第1駆動状態である駆動力伝達機構104は、搬送モータ102の正転駆動力を給送ローラ25へ伝達せず、搬送モータ102の逆転によって給送ローラ25を正回転させる。また、切替機構170が第2駆動状態である駆動力伝達機構104は、搬送モータ102の正転によって回転体92を回転させ、搬送モータ102の逆転によってポンプ77を駆動する。これらは、搬送モータ102と、給送ローラ25、回転体92、及びポンプ77との間の駆動力の伝達経路に設けられたワンウェイクラッチ、振子ギヤ機構、或いは電磁クラッチ機構等によって実現できる。さらに、排出ローラ62は、ベルト等を介して搬送ローラ60と連結されている。すなわち、本実施形態における搬送ローラ60及び排出ローラ62は、切替機構170の状態にかかわらず、搬送モータ102の正転によって正回転し、搬送モータ102の逆転によって逆回転する。
メンテナンス機構70の当接レバー76と、切替機構170の切替レバー176とは、いずれも通過領域より右方に位置するキャリッジ23に押圧されて移動する。図7(A)示される第1位置に切替レバー176が位置している時(換言すれば、キャリッジ23が切替レバー176及び当接レバー76から離間している時)、当接レバー76は図4(A)に示される位置に配置される。このときのキャップ71は、アンキャップ位置に位置する。また、図7(C)に示される第3位置の切替レバー176に当接するキャリッジ23は、当接レバー76を図4(B)に示される位置に移動させる。このときのキャップ71は、キャップ位置に位置する。さらに、図7(B)に示される第2位置の切替レバー176に当接するキャリッジ23は、当接レバー76を図4(A)及び図4(B)の間の位置に移動させる。このときのキャップ71は、アンキャップ位置に位置する。
[制御部130]
制御部130は、図8に示されるように、CPU131、ROM132、RAM133、EEPROM134、及びASIC135を備えており、これらは内部バス137によって接続されている。ROM132には、CPU131が各種動作を制御するためのプログラムなどが格納されている。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いるデータや信号等を一時的に記録する記憶領域、或いはデータ処理の作業領域として使用される。EEPROM134には、電源オフ後も保持すべき設定やフラグ等が格納される。
ASIC135には、搬送モータ102及びキャリッジモータ103が接続されている。ASIC135は、各モータを回転させるための駆動信号を生成し、この駆動信号を元に各モータを制御する。各モータは、ASIC135からの駆動信号によって正転又は逆転する。例えば、制御部130は、搬送モータ102の駆動を制御して各ローラ又はメンテナンス機構70を駆動させる。また、制御部130は、記録ヘッド39を制御してノズル40からインクを吐出させる。また、制御部130は、表示部14にメッセージ或いはアニメーションを表示させる。
また、ASIC135には、キャリッジセンサ38が接続されている。制御部130は、キャリッジセンサ38から出力されるパルス信号に基づいて、キャリッジ23の位置を検出する。また、制御部130は、制御部130は、操作部17を通じてユーザから各種指示を取得する。
さらに、制御部130は、キャリッジモータ103の駆動を制御してキャリッジ23を往復移動させる。具体的には、制御部130は、通過領域内において、第1速度でキャリッジ23を移動させる。一方、制御部130は、通過領域から右側に外れた領域(より具体的には、当接レバー76或いは切替レバー176に当接する領域)内において、第1速度より遅い第2速度でキャリッジ23を移動させる。これにより、記録ヘッド39のノズル40に形成されたインク滴のメニスカスが破壊されるのを抑制することができると共に、後述する記録処理のスループットの低下を抑制することができる。
[画像記録処理]
図9を参照して、本実施形態における画像記録処理を説明する。この画像記録処理は、制御部130のCPU131によって実行される。なお、以下の各処理は、ROM132に記憶されているプログラムをCPU131が読み出して実行してもよいし、制御部130に搭載されたハードウェア回路によって実現されてもよい。なお、画像記録処理は、給送ローラ25、搬送ローラ60、及び排出ローラ62の回転、キャリッジ23の移動、或いはメンテナンス機構70の駆動に着目して説明する。これらの動作は、前述したように、搬送モータ102及びキャリッジモータ103を駆動させることによって実現される。
制御部130は、ユーザから記録指示を取得したことに応じて、図9に示される画像記録処理を実行する。記録指示の取得先は特に限定されないが、例えば、複合機10に設けられた操作部17を通じて取得してもよいし、外部機器から通信ネットワークを通じて取得してもよい。制御部130は、取得した記録指示に従って、各ローラ、キャリッジ23、及び記録ヘッド39の動作を制御し、用紙12への画像記録を実行する。なお、本実施形態において、記録指示の取得を待機している間は、ノズル40のインクの乾燥を抑制するために、キャップ71に記録ヘッド39を覆わせる。すなわち、第3位置の切替レバー176に当接する位置にキャリッジ23が配置される。また、このときのポート切替機構90は、図6(C)に示されるアンロック状態となっている。
まず、制御部130は、キャリッジ23を切替レバー176から離間させる。これにより、切替レバー176が第1位置に復帰して、切替機構170が第2駆動状態から第1駆動状態に切り替わる。次に、制御部130は、給送ローラ25を正回転させることによって用紙12を搬送ローラ部54に到達させる給送処理を実行する(S11)。次に、制御部130は、搬送ローラ部54に到達された用紙12を第1搬送向き16Aの所定の改行幅だけ搬送ローラ60及び排出ローラ62(以下、「搬送部」と表記する。)に搬送させ、所定の改行幅だけ搬送された用紙12に対して記録部24に画像を記録させる記録処理を実行する(S12)。ステップS12は、単位動作の一例であって、当該用紙12への画像記録が終了するまで(S13:Yes)に繰り返し実行される。
また、制御部130は、繰り返し実行される単位動作(S12)の1つが終了し(S13:No)、且つ直前に実行された空吐出処理から閾値時間が経過したことに応じて(S14:Yes)、キャップ71へ向けて記録ヘッド39にインクを空吐出させる空吐出処理を実行する(S15)。すなわち、制御部130は、空吐出処理を実行する度に、当該空吐出処理が終了した時点からの経過時間を計測しておく。なお、空吐出処理は、ステップS15のタイミングに限定されず、複合機10の電源が投入されたタイミング等にも実行され得る。
また、制御部130は、空吐出処理によって記録ヘッド39から吐出されたインク量をカウントし、空吐出量としてEEPROM134等に記憶させる。この空吐出量は、空吐出処理が実行される度に累積され、後述する空吸引処理(S17)が実行されることによって初期化される。一方、制御部130は、直前に実行された空吐出処理から閾値時間が経過していないことに応じて(S14:No)、ステップS15〜S18の処理を実行することなく、ステップS12の処理に移行する。
制御部130は、ステップS15において、第2位置の切替レバー176に当接する位置までキャリッジ23を右方に移動させる。典型的には、制御部130は、切替レバー176が第2位置に到達する位置まで、切替レバー176に当接した状態のキャリッジ23を右方に移動させる。これにより、切替機構170が第1駆動状態から第2駆動状態に切り替わる。また、記録ヘッド39に対面するキャップ71は、キャリッジ23に押圧されて右方に移動する当接レバー76に連動して途中まで上昇するが、未だアンキャップ位置に位置している。そして、制御部130は、キャップ71へ向けて記録ヘッド39にインクを空吐出させる。これにより、記録ヘッド39からキャップ71にインクが排出される。なお、空吐出処理の実行時点において、ポート切替機構90は、図6(C)のアンロック状態であるものとする。
次に、制御部130は、EEPROM134に記憶された空吐出量が閾値量以上であることに応じて(S16:Yes)、空吸引処理を実行する(S17)。一方、制御部130は、空吐出量が閾値量未満であることに応じて(S16:No)、ステップS17、S18を実行することなく、ステップS12の処理に移行する。空吸引処理は、ポンプ77を駆動することによって、キャップ71内に貯留されたインクを排液タンク110に排出する処理である。なお、ステップS15において切替レバー176が第2位置に移動されているので、切替機構170が第2駆動状態に切り替えられた状態で空吸引処理が実行される。図10を参照して、空吸引処理の手順を説明する。
まず、制御部130は、切替機構170をBk吸引状態に切り替える(S21)。具体的には、制御部130は、空吸引処理における最初のステップS21において、切替機構170をアンロック状態からBk吸引状態に切り替える。すなわち、制御部130は、回転体92を回転角αだけ回転させる。ステップS21の処理は、第1切替処理の一例である。なお、制御部130は、ステップS21において、搬送モータ102を正転させ続けるのではなく、搬送モータ102の正転及び逆転を交互に切り替えることによって、回転体92を徐々に回転させる。
次に、制御部130は、ポンプ77を駆動することによって、Bkキャップ内のインク等を、チューブ91A〜91C、ポート切替機構90、及びポンプ77を通じて排液タンク110に排出する(S22)。ステップS22の処理は、第1吸引処理の一例である。なお、制御部130は、1回のステップS22において、ポンプ77の必要駆動量の1/N(Nは自然数)だけ、ポンプ77を駆動する。なお、ポンプ77の必要駆動量とは、例えば、EEPROM134に記憶された空吐出量に相当する量のインク等をBkキャップから吸引するのに必要な駆動量を指す。また、制御部130は、ステップS22におけるポンプ77の駆動量をカウントして、EEPROM134等に記憶させる。この駆動量は、ステップS22が実行される度に累積され、空吸引処理が開始される時点で初期化される。
次に、制御部130は、ポート切替機構90をCo吸引状態に切り替える(S23)。具体的には、制御部130は、ポート切替機構90をBk吸引状態からCo吸引状態に切り替える。すなわち、制御部130は、回転体92を回転角βだけ回転させる。ステップS23の処理は、第2切替処理の一例である。なお、制御部130は、ステップS23において、回転体92を回転角βだけ回転させるのに、搬送モータ102を正転させ続けてもよいし、搬送モータ102の正転及び逆転を交互に切り替えてもよい。
次に、制御部130は、ポンプ77を駆動することによって、Coキャップ内のインク等を、チューブ91A〜91C、ポート切替機構90、及びポンプ77を通じて排液タンク110に排出する(S24)。ステップS24の処理は、第2吸引処理の一例である。なお、制御部130は、1回のステップS24において、ポンプ77の必要駆動量の1/Nだけ、ポンプ77を駆動する。なお、ポンプ77の駆動量は、ステップS22でカウントしてもよいし、ステップS24でカウントしてもよいし、ステップS22、S24それぞれで独立してカウントしてもよい。
次に、制御部130は、EEPROM134に記憶されたポンプ77の駆動量が必要駆動量に到達していないことに応じて(S25:No)、ステップS21〜S24の処理を再び実行する。すなわち、本実施形態では、ステップS21〜S24のサイクルがN回実行される。なお、制御部130は、空吸引処理における2回目以降のステップS21において、ポート切替機構90をCo吸引状態からBk吸引状態に切り替える。すなわち、制御部130は、回転体92を回転角γだけ回転させる。その他の処理は前述の説明と共通するので、再度の説明は省略する。
そして、制御部130は、ポンプ77の駆動量が必要駆動量に到達したことに応じて(S25:Yes)、ポート切替機構90をCo吸引状態からアンロック状態に切り替える(S26)。すなわち、制御部130は、回転体92を回転角θだけ回転させる。なお、制御部130は、ステップS26において、回転体92を回転角θだけ回転させるのに、搬送モータ102を正転させ続けてもよいし、搬送モータ102の正転及び逆転を交互に切り替えてもよい。
図9に戻って、制御部130は、反転処理を実行(S18)し、ステップS12以降の処理を再び実行する。反転処理は、空吸引処理において搬送モータ102が駆動された際に搬送部によって搬送された用紙12を、空吸引処理を実行する前の位置に戻す処理である。すなわち、制御部130は、ステップS18において、空吸引処理における搬送モータ102の総回転量Rだけ、搬送モータ102を反転させる。
具体的には、空吸引処理における搬送モータ102の総回転量Rとは、ステップS21〜S24、S26における搬送モータ102の正転量R1と逆転量R2との合計に相当する。総回転量Rは、例えば、搬送モータ102の正転量R1を正の値とし、逆転量R2を負の値として合計されたものである。そして、空吸引処理における総回転量Rが正の値である(すなわち、正転が逆転より多い)場合に、制御部130は、ステップS18において、搬送モータ102を総回転量Rだけ逆転させる。一方、空吸引処理における総回転量Rが負の値である(すなわち、逆転が正転より多い)場合に、制御部130は、ステップS18において、搬送モータ102を総回転量Rだけ正転させる。
そして、制御部130は、用紙12に対する画像記録が終了したことに応じて(S13:Yes)、当該用紙12を排出トレイ21に排出する排出処理を実行する(S19)。具体的には、制御部130は、用紙12の後端(「第1搬送向き16Aの上流側の端部」を指す。)が排出ローラ部55を通過するまで、搬送部を正回転させる。そして、制御部130は、記録指示に含まれる全ての画像記録が終了するまで(S20:No)、ステップS11〜S22の処理を繰り返し実行する。
[本実施形態の作用効果]
上記構成の複合機10において、空吸引処理において搬送モータ102を正転させると、搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の少なくとも一方に挟持された用紙12は、第1搬送向き16Aに搬送される。一方、空吸引処理において搬送モータ102を逆転させると、当該用紙12は第2搬送向き16Bに搬送される。すなわち、空吸引処理における搬送モータ102の正転量と逆転量とが一致しない場合、画像記録処理中の用紙12は、空吸引処理の前後において異なる位置に配置されることになる。
そこで、上記の実施形態の反転処理によれば、空吸引処理中の搬送モータ102の駆動によって搬送された用紙12を、空吸引処理の実行前の位置に戻すことができる。これにより、画像記録処理中に空吐出処理及び空吸引処理を実行しても用紙12の位置ズレを抑制することができる。その結果、ノズル40内のメニスカスを適切な状態に維持すると共に、用紙12に対して適切に画像を記録することができる。
なお、空吸引処理において搬送モータ102を正転させ続けると、用紙12が搬送ローラ部54或いは排出ローラ部55の挟持位置を通過してしまう可能性がある。この場合、搬送モータ102の正転量及び逆転量を一致させるだけでは、用紙12を基の位置に戻すことは難しい。そこで、上記の実施形態における第1切替処理において、搬送モータ102の正転及び逆転を交互に切替ながら回転体92を回転させることにより、第1搬送向き16A或いは第2搬送向き16Bの一方に用紙12が大きく移動することが抑制される。ここで、第1切替処理において搬送モータ102を逆転させるとポンプ77が駆動されるが、キャップ71とポンプ77とは連通されていないので、特に問題はない。ステップS23、S26においても同様である。
但し、第1切替処理等において搬送モータ102の正逆転を切り替える処理は必須ではない。この場合でも、搬送モータ102が正転される第1切替処理及び第2切替処理と、搬送モータ102が逆転される第1吸引処理及び第2吸引処理とが交互に実行されるので、第1搬送向き16A或いは第2搬送向き16Bの一方に用紙12が大きく移動することをある程度抑制する効果が期待できる。
また、空吸引処理において搬送モータ102を逆転させ続けた場合にも、前述の課題が発生し得る。しかしながら、第1吸引処理及び第2吸引処理において搬送モータ102を正回転させると、ポート切替機構90の連通状態が切り替わってしまう。そこで、上記の実施形態のように、第1吸引処理及び第2吸引処理1回当たりのポンプ77の駆動量を必要駆動量の1/Nとし且つステップS21〜S24のサイクルをN回繰り返すことにより、用紙12が一方に大きく移動することが抑制される。
10・・・複合機
23・・・キャリッジ
39・・・記録ヘッド
40・・・ノズル
54・・・搬送ローラ部
55・・・排出ローラ部
70・・・メンテナンス機構
71・・・キャップ
76・・・ポンプ
90・・・ポート切替機構
102・・・搬送モータ
130・・・制御部
176・・・切替レバー

Claims (6)

  1. シートを搬送向きに搬送する搬送部と、
    上記搬送向きと交差する主走査方向に移動するキャリッジと、
    上記キャリッジに搭載されており、ノズルからインクを吐出する記録ヘッドと、
    上記搬送部によって搬送されたシートの通過領域から上記主走査方向の一端側に外れた位置において上記記録ヘッドと対面するキャップ、及び上記キャップ内のインクを吸引するポンプを有するメンテナンス部と、
    上記搬送部及び上記メンテナンス部を駆動するモータと、
    上記モータの駆動力を、上記メンテナンス部に伝達しない第1駆動状態、及び上記メンテナンス部に伝達する第2駆動状態に切り替え可能な駆動状態切替部と、
    制御部と、を備えており、
    上記制御部は、
    上記搬送向きの所定の改行幅だけシートを上記搬送部に搬送させ且つ当該シートに対して上記記録ヘッドにインクを吐出させる複数の単位動作を含む記録処理を実行し、
    複数の上記単位動作の間において、
    上記記録ヘッドが上記キャップに対面する位置に上記キャリッジを移動させ、且つ上記記録ヘッドにインクを空吐出させる空吐出処理と、
    上記駆動状態切替部を上記第2駆動状態にした状態で、上記キャップ内のインクを上記ポンプに吸引させる空吸引処理と、
    上記空吸引処理において回転された上記モータの総回転量だけ上記モータを反転させる反転処理と、を実行するインクジェット記録装置。
  2. 上記記録ヘッドは、
    第1色のインクを吐出する第1ノズルと、
    上記第1色と異なる第2色のインクを吐出する第2ノズルと、を有しており、
    上記メンテナンス部は、
    上記第1ノズルに対面し得る上記キャップである第1キャップと、
    上記第2ノズルに対面し得る上記キャップである第2キャップと、
    上記モータの逆転によって上記キャップ内のインクを吸引する上記ポンプと、
    上記ポンプと上記第1キャップとを連通させる第1連通状態、及び上記ポンプと上記第2キャップとを連通させる第2連通状態を、上記モータの正転によって交互に切り替え可能な連通状態切替部と、を有しており、
    上記搬送部は、
    上記モータの正転によってシートを上記搬送向きに搬送し、
    上記モータの逆転によってシートを上記搬送向きと逆向きに搬送し、
    上記制御部は、上記空吸引処理において、
    上記連通状態切替部を上記第1連通状態に切り替える第1切替処理と、
    上記第1キャップから上記ポンプにインクを吸引させる第1吸引処理と、
    上記連通状態切替部を上記第2連通状態に切り替える第2切替処理と、
    上記第2キャップから上記ポンプにインクを吸引させる第2吸引処理と、を実行し、
    上記総回転量は、上記第1切替処理及び上記第2切替処理における上記モータの正転量と、上記第1吸引処理及び上記第2吸引処理における上記モータの逆転量との合計に相当する請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 上記制御部は、上記空吸引処理において、上記第1切替処理、上記第1吸引処理、上記第2切替処理、及び上記第2吸引処理のサイクルを複数回繰り返す請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 上記制御部は、上記第2切替処理より上記モータの正転量が多い上記第1切替処理において、上記モータの正転及び逆転を交互に繰り返すことによって、上記連通状態切替部を上記第1連通状態に切り替える請求項2又は3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 上記制御部は、上記記録処理中において、閾値時間が経過し且つ複数の上記単位動作の1つが終了したことに応じて、上記空吐出処理を実行する請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 上記制御部は、上記空吐出処理におけるインクの吐出量が閾値量に到達したことに応じて、上記空吸引処理及び上記反転処理を実行する請求項1から5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
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