JP2007069597A - 液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ヘッド面をクリーニングするブレード部材のクリーニング特性を長期間に亘り保持する。
【解決手段】 ブレード部材41がヘッド面26aとの対向位置から退避位置へと移動する移動路の途中に配置され、ブレード部材41が移動途中で摺擦してクリーニングが行われるブレードクリーニングベルト63を有するブレードクリーニング機構60を備える。ブレードクリーニングベルト63が駆動軸66に設けたワンウェイクラッチ軸受68によりブレード部材41一方移動動作においてのみ一方方向の送り動作が行われる。
【選択図】 図16

Description

本発明は、ヘッド面に設けたノズルから対象物に対して液体を吐出する液体吐出装置に関し、さらに詳しくヘッド面をクリーニングするヘッドワイパ部材を備えた液体吐出装置に関する。
液体吐出装置、例えば、インクジェット型プリンタ装置には、ヘッドユニットを走査方向に移動させてインク吐出を行う主走査移動と、用紙を走査方向と直交する副走査方向に移動させる副走査移動とを組み合わせて印刷を行うシリアル印刷方式と、用紙幅の大きさのヘッドユニットを用紙と相対的に移動させて印刷を行うライン印刷方式とが提供されている。インクジェット型プリンタ装置は、インク液を貯留するインク室に発熱素子や圧電素子等からなる圧力発生素子を設け、この圧力発生素子によって加圧したインク液をヘッド面に形成したノズルから液滴状態で吐出させて印刷部に供給された用紙の所定位置に着弾させて画像や文字等の所望の印刷を行う。インクジェット型プリンタ装置は、低ランニングコスト、小型化、カラープリントの容易化等の種々の特徴を有し、高解像度のプリントを行うことが可能である。
インクジェット型プリンタ装置は、吐出されたインク液がノズルの周囲に飛び散って付着し、このインク液にゴミやほこり等が付着することによってヘッド面が汚損されることがある。また、インクジェット型プリンタ装置は、しばしば付着したインク液が乾燥や増粘して凝集することによってヘッド面上にインク塊を生じさせることがある。インクジェット型プリンタ装置は、これらのゴミやほこりの塊或いはインク塊等の異物が各ノズルを覆ってインク液の不吐出現象や吐出曲がり現象等が発生して高精度かつ安定した印刷が行われない事態が発生する虞がある。したがって、インクジェット型プリンタ装置には、ヘッド面を摺擦して付着した異物等を除去するヘッドワイパ部材を備えるクリーニング機構が付設される(例えば、特許文献1)。
インクジェット型プリンタ装置には、ヘッド面を閉塞する第1位置と開放する第2位置とに亘って移動動作されるヘッドキャップ部材を設け、ヘッド面を保護するとともにインク液の乾燥を防止する対応が図られる(例えば、特許文献2)。インクジェット型プリンタ装置には、ヘッドキャップ部材がノズルの目詰まりを防止するために非印刷動作時に行われる空打ちにより吐出された廃インク液を受け入れる機能も奏する。
ところで、インクジェット型プリンタ装置においては、クリーニング機構に備えられたヘッドワイパ部材をクリーニングするワイパクリーニング機構を備え、このワイパクリーニング機構によってヘッドワイパ部材の機能を回復する対応も図られている。特許文献3に開示されたクリーニング機構は、ヘッド面を摺擦してクリーニングする無端ベルト型のヘッドワイパ部材が、ヘッド面と対向する位置において摺擦するクリーニングシートからなるワイパクリーニング部材によってクリーニングされる。特許文献4や特許文献5にも、同様にしてベルト状のヘッドワイパ部材に押し当てられることによってそのクリーニングを行う多孔質性の回転ローラを備えるワイパクリーニング機構が開示されている。
特開2003−266712号公報 特開2002−240309号公報 特開2003−211683号公報 特開2000−198210号公報 特開平7−276652号公報
ところで、インクジェット型プリンタ装置は、一般にヘッドユニットに対してヘッドキャップ部材やヘッドクリーニング機構が下方部位に対向配置されるとともに、ヘッドユニットがインク液を吐出するヘッド部と印刷用液体カートリッジが装填される装填部とを備えて印刷部に対して着脱される。したがって、インクジェット型プリンタ装置においては、ヘッドワイパ部材等の交換を行う場合に、ヘッドユニットを取り出した後にヘッドキャップ部材やヘッドクリーニング機構の脱着操作を行わなければならず面倒であって保守性が悪いといった問題があった。
また、インクジェット型プリンタ装置においては、これらの交換対象部品がかなり汚れているために、交換操作に際してユーザの手や周囲を汚してしまい取り扱いに注意が必要であるといった問題があった。さらに、インクジェット型プリンタ装置においては、ヘッドユニットを取り出すことによって、その着脱操作や一時保管の際に誤ってヘッド面に形成されたノズルを損傷させてしまうといった問題もあった。
インクジェット型プリンタ装置においては、上述した特許文献3乃至特許文献5に開示されたワイパクリーニング機構を備えることによって、ヘッドワイパ部材によるヘッド面のクリーニング機能を回復させてメンテナンス性の向上が図られるようにする。しかしながら、特許文献3乃至特許文献5に開示されたプリンタ装置においては、無端ベルトからなるヘッドクリーニング部材を備えるクリーニング機構やクリーニングシートを備えるクリーニング機構が大型となることから、装置全体が大型化するといった問題がある。かかるプリンタ装置においては、ヘッドクリーニング機構やワイパクリーニング機構が、ヘッドユニットを取り出した後に交換操作を行わなければならないために保守性が悪いといった問題がある。また、かかるプリンタ装置においては、ヘッド面を保護するヘッドキャップ機構を設ける場合にさらに構造が複雑でかつ大型化するといった問題がある。
また、特許文献3に開示されたプリンタ装置においては、クリーニングシートを周回させるローラが大型であるとともに、クリーニングシートの交換や破棄の処理が極めて面倒であるといった問題がある。特許文献4や特許文献5に開示されたプリンタ装置においては、ワイパクリーニング機構のヘッドワイパ部材に対するクリーニング特性が多孔質性の回転ローラの表面積の大きさに比例するために、長期間に亘ってクリーニング特性を保持するためには大径の回転ローラが必要となり、装置全体が大型化してしまうといった問題がある。
したがって、本発明は、ヘッドクリーニング部材のクリーニング特性が長期間に亘って保持されるようにする小型で構造簡易かつ保守性の向上を図る液体吐出装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成する本発明にかかる液体吐出装置は、ヘッドユニットが、ヘッド面に沿って供給される対象物に対して、ヘッド面に開口するノズルから液体を吐出する。液体吐出装置は、ヘッドユニットのヘッド面と対向してヘッドワイパ部材を移動自在に設け、ヘッド面を摺擦することによって付着した異物等を拭き取ってクリーニングを行う。液体吐出装置は、ヘッドワイパ部材がヘッド面との対向位置から退避位置へと移動する移動路の途中に配置され、ヘッドワイパ部材が移動途中で摺擦することによってそのクリーニングを行うワイパクリーニング機構を備える。
液体吐出装置は、ワイパクリーニング機構が、ワイパクリーニングベルトと、このワイパクリーニングベルトを一方方向のみに送り動作させる逆転防止手段とを備える。ワイパクリーニングベルトは、例えば吸湿特性を付与されたオレフィン系合成樹脂材により一体に形成された無端ベルト体からなり、ヘッドワイパ部材の移動方向に離間して設けられて少なくとも一方が回転支軸を構成する支軸間に掛け合わされ、ヘッドワイパ部材の移動路に臨ませられた対向面にヘッドワイパ部材が摺擦することによってそのクリーニングを行うとともに所定量の送り動作が行われるようにする。逆転防止手段は、回転支軸に設けられて、この回転支軸がヘッドワイパ部材の往復動作のいずれか一方動作においてのみ回転が行われるようにすることによってワイパクリーニングベルトの一方方向の送り動作が行われるようにする。
液体吐出装置においては、ワイパクリーニングベルトがヘッドワイパ部材を摺擦して、ヘッド面から異物等を拭き取ることによって付着した異物等を除去して清浄な状態とするクリーニングを行う。液体吐出装置においては、ワイパクリーニングベルトによりヘッドワイパ部材をクリーニングすることで、拭き取った異物等のヘッド面への再付着を防止するとともにヘッドワイパ部材によるヘッド面のクリーニング特性の向上が図られるようにする。液体吐出装置においては、ワイパクリーニングベルトが駆動源を要せず例えばヘッドワイパ部材の摩擦力によって一方向のみに送り動作されて全長に亘ってヘッドワイパ部材のクリーニングを行う。液体吐出装置においては、省スペース化を図るとともにワイパクリーニングベルトがヘッドワイパ部材を広い面積で摺擦して良好なクリーニングが行われるようにしてヘッドワイパ部材に対してそのクリーニング特性が長期間に亘って保持されるようにする。液体吐出装置においては、ワイパクリーニングベルトが送り動作されることで、清浄な部位にヘッドワイパ部材が摺擦するようにして、このヘッドワイパ部材から除去した異物等が再付着することが防止される。
本発明によれば、ヘッドユニットのヘッド面をクリーニングするヘッドワイパ部材をワイパクリーニングベルトによってクリーニングするとともに、ワイパクリーニングベルトをヘッドワイパ部材との摩擦力を駆動力としかつ戻り方向に回動されないように周回動作を行って清浄な部位でヘッドワイパ部材のクリーニングを行うように構成したことから、省スペース化を図りかつヘッドワイパ部材に対するクリーニング特性が長期間に亘って保持されるようになる。本発明によれば、清浄な状態にクリーニングされたヘッドワイパ部材がヘッド面を高精度にクリーニングすることで、安定したインク液の吐出が行われるようになる。
以下、本発明の実施の形態として図面に示したインクジェットプリンタ装置(以下、プリンタ装置と略称する。)1について、詳細に説明する。プリンタ装置1は、図1及び図2に示すように、プリンタ本体2と、このプリンタ本体2に対してそれぞれ着脱されるヘッドユニット3及び用紙カセット4とを備え、例えばパーソナルコンピュータ等に接続され或いはデジタルカメラ等の周辺機器が接続されて用いられる。プリンタ装置1は、詳細を後述するように用紙カセット4からプリンタ本体2の印刷部5に給紙された所定サイズの用紙6に、パーソナルコンピュータや周辺機器等から出力を指示された文書や画像を印刷する。
プリンタ装置1は、ヘッドユニット3が詳細を後述するようにプリント指示に基づいてインク液を液滴状態で吐出させて用紙6に着弾させ、ライン単位で高速プリントを行う。プリンタ装置1は、例えばイエロー、マゼンダ、シアン及びブラックの4色のインク液を用いることによって、文書や画像のカラー印刷を行う。プリンタ装置1は、さらに多色のインク液を用いるようにしてもよいことは勿論である。なお、以下の説明において、「前後」或いは「上下」等の用語は、図1を基準にして用いるものとし、用紙カセット4の装填側が「前」となる。
プリンタ本体2は、上部筐体7aと下部筐体7bとからなる筐体7を備え、上部筐体7aが下部筐体7bに対して奥行き方向の一端側を詳細を省略する枢軸機構によって回動自在に支持される。プリンタ本体2は、上部筐体7aを下部筐体7bに対して回動操作することによって内部を開放し、印刷部5等において発生した紙詰まりの処理或いは部品交換や清掃等のメンテナンスが行われるようにする。
プリンタ本体2には筐体7の前面部に位置して、用紙カセット4が挿脱される用紙カセット装填口8が設けられている。用紙カセット4は、内部に多数枚の用紙6が積層状態で収納され、用紙カセット装填口8から内部に押し込まれてその前面部位を突出させてプリンタ本体2に装着される。プリンタ本体2は、後述するように用紙カセット装填口8が所定の印刷が行われた用紙6の排出口も兼用しており、印刷を終えた用紙6が印刷部5から用紙カセット4のカセット蓋9上に排紙されるようにする。なお、用紙カセット4は、例えば複数個が用意され、内部にサイズを異にした用紙6が収納されることによって印刷用紙サイズに応じて適宜交換される。プリンタ本体2は、用紙カセット装填口8の上方部位が、後述するヘッドキャップ部材36が着脱されるヘッドキャップ部材着脱開口部10として構成される。
プリンタ本体2には、図2に示すように用紙カセット4から用紙6を取り出して印刷部5へと給紙し、印刷部5において所定の印刷が施された用紙6を用紙カセット装填口8へと搬送する用紙搬送機構11が備えられる。用紙搬送機構11は、詳細には、用紙カセット装填口8の内部に設けられて用紙カセット4内の最上部の用紙6aから1枚ずつ取り出す給紙ローラ機構12と、取り出した用紙6aを印刷部5へと供給する給紙機構13と、印刷部5において所定の印刷が行われた用紙6aを用紙カセット装填口8へと排紙する排紙機構14とを備える。
給紙ローラ機構12は、詳細を省略するが用紙カセット4の先端上部に配置され、用紙カセット4内に積層して収納された多数枚の用紙6から最上部の用紙6aを送り出す給紙ローラや、この給紙ローラに続いて配置されて複数枚の用紙6の送り出しを防止する一対の分離ローラ等を有している。なお、プリンタ本体2には、用紙カセット装填口8に装填された用紙カセット4の底面部に対向して、印刷時に用紙6を押し上げて最上部の用紙6aを給紙ローラに押し当てさせる押上げ機構も設けられている。
給紙機構13は、給紙ローラ機構12によって用紙カセット4から送り出された用紙6aを略横向きU字状のルートで印刷部5へと搬送する。給紙機構13は、詳細を省略するが大径の反転ローラや、この反転ローラの外周部に配置された複数の搬送路プレート或いは反転ローラの外周部に用紙6を挟み込んで搬送する複数の搬送ローラ等を有している。給紙機構13は、反転ローラで反転された用紙6を搬送路プレートによって前下がりの姿勢で印刷部5へと給紙する。
排紙機構14は、ヘッドユニット3と対向して配置され、このヘッドユニット3との間に共同して印刷部5を構成する。排紙機構14は、詳細を省略するが奥行き方向の一端側を支持機構によって上下方向に揺動自在に支持されたプレートと、このプレートの外周部を互いに平行状態で前後方向に周回するようにして組み付けられた複数本の無端搬送ベルトと、プレートに対向して配置された送りローラ或いは拍車等を有している。排紙機構14には、プレート上に、ヘッドユニット3と対向してプラテン15が搭載されている。
排紙機構14は、詳細を省略するが非印刷時にはプレートがヘッドユニット3に対して下方側に位置して保持される。排紙機構14は、印刷指示に基づいて後述するヘッドキャップ部材36が印刷部5から前方側へと移動動作すると、プレートが回動動作されてプラテン15をヘッドユニット3に対して所定の間隔を以って対向させる。したがって、排紙機構14は、上述したようにヘッドユニット3と共同して印刷部5を構成して、ヘッドユニット3とプラテン15との間に用紙6を供給して所定の印刷が行われるようにする。
プリンタ本体2には、図1に示すように、上部筐体7aの略中央部に位置してヘッドユニット着脱開口部16が開口されている。ヘッドユニット着脱開口部16は、詳細を省略するヒンジ機構によって上部筐体7aに支持された蓋体17によって開閉される。プリンタ本体2は、蓋体17を開放操作してヘッドユニット3に対して後述するインク液カートリッジ22の交換操作を行う。また、プリンタ本体2は、蓋体17を開放操作して内部からヘッドユニット3を取り出し、或いは印刷部5や搬送経路の途中に詰まった用紙6を取り出したり、部品交換や清掃等を行う。
プリンタ本体2には、図1に示すように上部筐体7aのヘッドユニット着脱開口部16よりも前方領域に、操作部18が設けられている。操作部18には、電源スイッチやプリント枚数の設定やプリント開始指示等の種々の設定操作を行うための操作ボタン或いは設定状態や動作状態等を表示する液晶表示器等が配置されている。プリンタ本体2には、図2に示すように、下部筐体7bの奥行き方向の部位に制御空間部19が設けられており、この制御空間部19内に図示を省略するが構成各部やヘッドユニット3の各部を動作制御する制御信号を出力するCPUや各種メモリ等を搭載した制御基板を有する制御部或いは電源部等が収納されるとともに、パーソナルコンピュータ等との接続を行うインターフェース部が設けられている。
制御部は、プリンタ装置1の全体動作を制御する制御プログラム等が記録されたROM(Read Only Memory)や、読み出された制御プログラム等を一旦格納するとともに必要に応じて読み出されるRAM(Random Access Memory)等を備える。制御部は、各部に対してそれぞれの動作を制御する制御信号を出力する。制御部は、後述するインク液の残量検出に基づいて警告の表示信号、或いは所定枚数の印刷を検出してヘッドキャップ交換時期の表示信号等の各種信号を出力して表示器に所定の表示が行われるようにする。制御部は、ヘッドユニット3に対して各インク液の吐出を制御する制御信号を出力し、所定の印刷が行われるようにする。制御部は、用紙搬送機構11を駆動して用紙6の搬送が行われるようにする。
ヘッドユニット3は、プリンタ装置1に使用する最大サイズの用紙6の紙幅よりも大きな長さを有する全体略矩形筒状体を呈するヘッドフレーム20を備える。ヘッドユニット3は、ヘッドフレーム20とヘッドユニット着脱開口部16とに詳細を省略する位置決め構造やロック構造が相対して設けられており、プリンタ本体2に対して位置決めされて組み合わされる。ヘッドユニット3は、ヘッドユニット着脱開口部16に装着された状態において、ヘッドフレーム20に設けられた図示しないコネクタがヘッドユニット着脱開口部16側に設けられたコネクタ21と結合されてプリンタ本体2と電気的に結合される。なお、ヘッドユニット3は、蓋体17を開放操作した状態で、プリンタ本体2側に設けたロック解除機構が操作されることによってロック状態が解除されてヘッドユニット着脱開口部16からの取外し操作が可能となる。
ヘッドフレーム20は、図1に示すように内部を上下に仕切ることによって、上部空間部がインク液カートリッジ装着部22を構成するとともに下部空間部が用紙6にインク液を吐出して所定の印刷を行うヘッド部23を構成してなる。インク液カートリッジ装着部22には、イエローインク液を充填したイエローインクカートリッジ24Y、マゼンタインク液を充填したマゼンタインク液カートリッジ24M、シアンインク液を充填したシアンインク液カートリッジ24C及びブラックインク液のインク液を充填したブラックインク液カートリッジ24B(以下、個別に説明する場合を除いて、インク液カートリッジ24と総称する。)がそれぞれ着脱自在に装填される。インク液カートリッジ装着部22には、インク液カートリッジ24が、用紙6の給紙方向に対して上述した記載の順序で配列して装着される。
インク液カートリッジ24は、詳細を省略するが底部に逆止弁機構を内蔵した供給口が設けられたカートリッジ容器内に所定のインク液を充填してなり、インク液カートリッジ装着部22内に区割りされた所定の装着部にそれぞれ装着されることによってヘッド部23にインク液を供給する。インク液カートリッジ24は、例えば底部に各色毎に位置を異にして位置決め凸部を形成し、この位置決め凸部がインク液カートリッジ装着部22の各装着部側に形成した位置決め凹部と相対係合することによって所定の装着部に誤り無く装着されるようにする。なお、プリンタ装置1においては、ブラックインク液の使用量が多いために、ブラックインク液カートリッジ24Bに大型のカートリッジが用いられるようにするとともにインク液カートリッジ装着部22のブラックインク液カートリッジ装着部も大型に形成されている。
インク液カートリッジ装着部22には、上述したようにインク液カートリッジ24の装填位置をそれぞれ区割りする複数の隔壁や、底面部に設けられて蓄勢した取出し方向の弾性力をインク液カートリッジ24に対して作用させる弾性材或いはこの弾性力に抗してインク液カートリッジ24をそれぞれ装填した状態に保持するとともに保持状態を開放して取り出しを可能とさせるラッチ機構等が設けられている。インク液カートリッジ装着部22には、インク液カートリッジ24の供給口がそれぞれ嵌合される複数の嵌合部が設けられている。インク液カートリッジ装着部22は、装填されたインク液カートリッジ24の供給口が嵌合されることによって逆止弁機構を開放し、インク液カートリッジ24内からヘッド部23にそれぞれインク液が供給されるようにする。
ヘッドユニット3には、図4に示すようにヘッド部23にインク液カートリッジ装着部22に連通してインク液が供給されるとともにインク液を吐出するインク液吐出部25が設けられている。ヘッド部23には、ヘッドフレーム20の底面部を構成する図3に示した横長矩形のノズルシート26に微小開口からなる多数個のノズル27が設けられており、インク液吐出部25によって各ノズル27からヘッドフレーム20に対向して給紙された用紙6にインク液を液滴状態で吐出して所定の印刷を行う。ノズルシート26は、用紙6と対向する主面がヘッド面26aを構成する。
ノズルシート26には、図3に示すようにヘッド面26aに、イエロー印刷領域28Y、マゼンタ印刷領域28M、シアン印刷領域28C及びブラック印刷領域28B(以下、個別に説明する場合を除いて、印刷領域28と総称する。)が構成されている。印刷領域28は、同図に矢印で示す用紙6の給紙方向に対して、上流側から上述したインク液カートリッジ24の配列順に区分されてそれぞれ構成されている。印刷領域28は、それぞれプリンタ装置1が印刷を可能とする最大サイズの用紙6の幅よりもやや大きな長さを有する領域からなり、それぞれに長手方向に並んで多数個のノズル27が設けられている。各ノズル27は、印刷領域28において、それぞれ隣り合う複数組が用紙6の給紙方向に対して交互に位置をずらして千鳥状に配列されてなる。
インク液吐出部25には、図4に示すように制御基板29と、この制御基板29の主面を各ノズル27に対応する多数の領域に区割りするスペーサフィルム30が設けられるとともに、区割りされた各印刷領域28毎に対応してインク液流路部材31やヒータチップ32a、32b或いはボンディングブロック33が設けられている。インク液吐出部25は、これら部材を内層に設けて上述した多数個のノズル27を設けたノズルシート26が制御基板29に対してスペーサフィルム30を介して積層される。インク液吐出部25は、制御基板29に詳細を省略するがヒータチップ32a、32bに駆動信号を供給する適宜の回路パターンが形成されるとともに、ロジックIC(Integrated Circuit)やドライバートランジスタ等からなるヘッド駆動制御回路が形成されている。
インク液吐出部25は、制御基板29にインク液流路部材31に形成したインク液流路31aと連通する貫通孔を有するブッシュ34がはめ込まれ、インク液カートリッジ24から所定のインク液が供給される。インク液流路部材31には、インク液流路31aの先端に、インク液カートリッジ24から供給されるインク液を貯留するインク液溜め部31bが形成されている。インク液流路部材31には、インク液溜め部31bに臨ませてその表面にヒータチップ32a、32bが取り付けられている。インク液流路部材31は、インク液溜め部31bをノズル27に臨ませてノズルシート26に積層されている。
ボンディングブロック33には、ボンディング端子33aが貫通して設けられており、このボンディング端子33aの一端部を制御基板29の回路パターンと接続するとともに他端部を金線33bを介して各ヒータチップ32a、32bと接続している。ノズルシート26には、ボンディング端子33aとヒータチップ32a、32bとを金線33bによって接続するために、各接続部位に対向して接続用の多数個の開口部が形成されている。
なお、インク液吐出部25は、金線33bのボンディング処理後に、各開口部が耐摩耗性と絶縁性を有する合成樹脂材からなる封止層35によって封止される。また、インク液吐出部25には、詳細を省略するがインク溜め部31b内に、インク液の残量検出機構やインク液をインク溜め部31b内に供給する供給圧を加えるダイヤフラム機構或いはインク液から不純物を除去するフィルタ等が設けられている。
インク液吐出部25においては、印刷指示に基づいて制御部から駆動信号が制御基板29に供給されると、ヘッド駆動制御回路が動作して所定のヒータチップ32a、32bに対して駆動電流を供給してこれらヒータチップ32a、32bを発熱させる。インク液吐出部25においては、ヒータチップ32a、32bが、発熱に伴ってインク液溜め部31b内の詳細を省略するインク液加圧空間部においてインク液を加熱して気泡を発生させてインク液加圧空間部内を加圧状態とする。インク液吐出部25においては、インク液溜め部31b内で気泡が成長するに伴ってノズル27からインク液を押し出すとともに、ノズル27において気泡の破裂によって生じた圧力によってインク液滴を吐出させる。なお、インク液吐出部25は、ヒータチップに代えて例えば圧電素子によってインク液滴の吐出を行うようにしてもよい。
以上のように構成したヘッド部23には、底面部にヘッドキャップ部材36がスライド自在かつ着脱自在に組み合わされる。ヘッドキャップ部材36は、図1及び図5に示すように、合成樹脂材によってヘッド部23の底面部とほぼ等しい開口形状の矩形開口部を有する横長のトレイ状に形成される。ヘッドキャップ部材36には、その内部に詳細を後述するヘッド面26aを全体に亘って摺擦してクリーニングするヘッドワイパ部材を構成するブレード部材41を有するヘッドクリーニング機構37が設けられている。
ヘッドキャップ部材36は、通常図2に斜線で示すヘッド部23に対してヘッド面26aを閉塞する第1位置p1に保持される。ヘッドキャップ部材36は、印刷指示に基づいて詳細を後述するヘッドキャップ駆動機構38によりヘッド面26aを閉塞する第1位置p1から前方側に向かって所定の移動路に沿って移動されることによりヘッド面26aを開放する。ヘッドキャップ部材36は、ヘッド面26aを開放した図2に鎖線で示す第2位置p2において印刷終了まで待機保持される。ヘッドキャップ部材36は、所定の印刷動作が終了するとヘッドキャップ駆動機構38により第2位置p2から第1位置p1へと復帰移動され、ヘッド面26aを再び閉塞する。
ヘッドキャップ部材36は、非印刷時に第1位置p1においてヘッド面26aを閉塞した状態に保持されることにより、精密かつ微細な多数個のノズル27を形成したヘッド面26a等を保護するとともに、各ノズル27内に設けられたインク液吐出部25内のインク液の乾燥を防止する機能を奏する。なお、ヘッドキャップ部材36は、保守等に際してヘッドユニット3がプリンタ本体2から取り外される場合にも、ヘッド部23との組合せ状態が保持されるようにする。
ヘッドキャップ部材36は、上述したように印刷時にヘッドキャップ駆動機構38により第1位置p1と第2位置p2との間を移動路に沿って往復移動されるが、その際にヘッドクリーニング機構37がヘッド面26aをクリーニングすることによって除去した異物等を内部に落下させるようにする。ヘッドキャップ部材36には、図5に示すように内部に例えばスポンジシートや不織布等の多孔質シートからなる吸着マット39が設けられており、この吸着マット39によってヘッドクリーニング機構37により除去した異物等を捕捉する。ヘッドキャップ部材36は、インク液の空打ち動作が行われた場合に、各ノズル27から吐出された廃インク液を吸着マット39によって吸着する。また、ヘッドキャップ部材36は、各ノズル27からしたたり落ちたインク液を吸着マット39によって吸着する。したがって、ヘッドキャップ部材36は、内部に吸着シート39を設けることによって、全体の深さを大きくすることなく異物等を内部に溜める容量を確保して周辺部の汚損が防止されるようにする。
ヘッドキャップ部材36には、詳細を省略するが長手方向の両側面部に、それぞれ幅方向に離間して一対の水平方向のガイド凸部が一体に突出形成されている。ヘッドキャップ部材36は、これらガイド凸部がそれぞれヘッドフレーム20の側面部に相対して形成した前後方向(幅方向)のガイド溝に係合されることによって、このヘッドフレーム20に対して前後方向にスライド自在に組み合わされて上述した第1位置p1から第2位置p2への移動が行われるようにする。
プリンタ装置1においては、ノズル27から吐出されたインク液がノズルシート26のヘッド面26aに飛び散って付着するとともに、このインク液にゴミやほこり等が付着することによってヘッド面26aが汚損されることがある。また、プリンタ装置1においては、ヘッド面26aにおいて付着したインク液が乾燥したり増粘して凝集することによりインク塊が生じる。プリンタ装置1においては、上述したヘッドキャップ部材36の移動時に、ヘッドクリーニング機構37によってヘッド面26aからインク塊等の異物を除去してこれらの異物によるインク液の不吐出現象や吐出曲がり現象等の発生を防止して精密な印刷が行われるようにする。
ヘッドクリーニング機構37は、詳細を省略するが、図5及び図6に示すように内面の奥行き側(後方側)に位置して一体に形成された長手方向のホルダ部40と、このホルダ部に着脱される図示を省略するブレードホルダと、このブレードホルダに取り付けられたブレード部材41或いは図示を省略するブレード部材41の倒れ込みを防止するストッパプレート等の部材から構成される。ホルダ部40は、詳細を省略するが例えばヘッドキャップ部材36の内面に長手方向の全長に亘って台状凸部を一体に形成するとともに、この凸部の上端面に長手方向の全域に亘って開口する嵌合溝とから構成される。
ブレードホルダは、板金の板状部材であり、基端部をホルダ部の嵌合溝内に嵌合されることによってヘッドキャップ部材36に取り付けられる。ブレード部材41は、インク液や溶剤に対する化学耐性とある程度の機械的剛性を有する弾性材、例えばエチレンプロピレンゴムやクロロプレンゴム或いはウレタンゴム等の合成ゴムやエラストマ等を素材として、ヘッドキャップ部材36の長手方向の幅寸法、換言すればヘッド面26aを長手方向の全域に亘って摺擦するに足る長さを以って薄板状に形成される。ブレード部材41は、一端側を全長に亘ってブレードホルダに固定され、このブレードホルダを介してホルダ部40に固定される。
ブレード部材41は、この状態で上端部がヘッドキャップ部材36の開口縁から所定の高さで突出される。ブレード部材41は、突出部位が刃形状に形成されている。ブレード部材41は、後述するようにヘッドキャップ部材36が第1位置p1から第2位置p2へと移動動作する際に、ヘッド面26aを長手方向の全域に亘って摺擦してクリーニングを行う。なお、ヘッドクリーニング機構37は、ヘッドキャップ部材36に設けられるヘッドクリーニング部材として、板状のブレード部材41によって構成したが、例えば同様の素材により形成した長軸のクリーニングローラであってもよく、さらにブレード部材41とクリーニングローラとを組み合わせた構造であってもよい。ヘッドクリーニング機構37は、クリーニングローラを備える場合に、上述したホルダ部40に代えてヘッドキャップ部材36に長手方向に離間して一対の軸受け部を形成する。
ヘッドクリーニング機構37は、ヘッドキャップ部材36がヘッド面26aを閉塞した第1位置p1において、ブレード部材41がヘッド面26aに対して奥行き側に位置しかつその長手方向の全域に亘って上端部を圧接された状態に保持される。ヘッドクリーニング機構37は、印刷時に第1位置p1から第2位置p2へと移動動作するヘッドキャップ部材36に伴ってブレード部材41がその上端部をヘッド面26aに圧接した状態を保持されて移動し、ヘッド面26aに付着した異物等を拭き取って除去する。ヘッドクリーニング機構37は、ブレード部材41によってヘッド面26aから除去した異物等をヘッドキャップ部材36内に落下させて吸着マット39によって捕捉することで異物等の飛散による印刷部5や内部の汚損を防止する。ヘッドクリーニング機構37は、上述したようにブレード部材41がインク液の吐出動作の前後にヘッド面26aを摺擦して付着した異物等を除去するクリーニングを行う。したがって、ヘッドクリーニング機構37は、ヘッド面26aを良好な状態に保持して精密な印刷が行われるようにする。
プリンタ装置1においては、上述したようにブレード部材41がヘッド面26aを摺擦してクリーニングを行うとともに、拭き取った異物等をヘッドキャップ部材36内に落下させることによってヘッド面26aが清浄な状態に保持されるようにする。プリンタ装置1においては、ブレード部材41の先端部に異物の一部が残留し、ブレード部材41が第2位置p2から第1位置p1へと復帰する際に残留異物がヘッド面26aに再付着することがある。プリンタ装置1においては、使用に伴って残留異物が大きくなり、ブレード部材41によるヘッド面26aのクリーニング効率を低下させる虞がある。プリンタ装置1においては、詳細を後述するようにブレードクリーニング機構60を設けてブレード部材41の移動動作に際してそのクリーニングを行うことによって、ヘッド面26aがより清浄な状態に保持されるようにする。
ヘッドキャップ部材36には、図5及び図6に示すように、ブレード部材41と相対する前方側に位置し互いに長手方向に離間してヘッドキャップロック機構42、42が設けられている。各ヘッドキャップロック機構42は、詳細を省略するがヘッドキャップ部材36の内面に一体に形成された長手方向の矩形枠部内にそれぞれ長手方向に離間して立設された一対の支持部と、これら支持部間に互いに同軸をなして長手方向にスライド自在に組み合わされたロック部材及びカムロッドと、このカムロッドに組み付けられたコイルスプリング等の部材によって構成される。
ヘッドキャップロック機構42は、コイルスプリングの弾性力によってカムロッドを介してロック部材がそれぞれ側面方向へと付勢される。したがって、ヘッドキャップロック機構42は、ロック部材がそれぞれの先端部をヘッドキャップ部材36の両側面壁に形成したガイド開口を貫通して突出される。ヘッドキャップロック機構42は、ロック部材の先端部が後述するシャーシ側面部44に設けたヘッドキャップガイド機構43に形成した詳細を省略する各ロック部に相対係合することによってヘッドキャップ部材36を上述した第1位置p1や第2位置p2に保持させる。
ヘッドキャップ部材36には、詳細を省略するがヘッドキャップロック機構42のカムロッドに対向してその底面部に第1ロック解除口が形成されるとともに、前面壁側にも第2ロック解除口が形成されている。ヘッドキャップロック機構42は、ヘッドキャップ部材36を第1位置p1や第2位置p2に保持した状態において、印刷の指示或いは印刷終了の指示によって図示しないロック解除部材が第1ロック解除口から進入してカムロッドを駆動し、コイルスプリングの弾性力に抗してロック部材をヘッドキャップ部材36内へと移動させることでロック状態が解除されるようになる。
なお、ヘッドキャップロック機構42は、ヘッドキャップ部材36が交換位置へと移動された状態において、ヘッドキャップ部材着脱開口部10から嵌挿される図示しない取外し治具部材のカム部が第2ロック解除口から内部へと進入する。ヘッドキャップロック機構42は、取外し治具部材によってカムロッドが駆動され、コイルスプリングの弾性力に抗してロック部材をヘッドキャップ部材36内へと移動させることでロック状態が解除される。ヘッドキャップ部材36は、これによって取外し治具部材とともにヘッドキャップ部材着脱開口部10からの取り外しが行われる。
ヘッドキャップ部材36は、上述したようにヘッドキャップ駆動機構38によって第1位置p1から第2位置p2へと移動されるとともに、第2位置p2から第1位置p1へと復帰移動される。ヘッドキャップ駆動機構38は、図5乃至図7に示すように、シャーシ側面部44に組み付けられた支持枠部材45と、この支持枠部材45に対して前後方向にスライド自在に組み合わされたヘッドキャップホルダ46とを備える。また、ヘッドキャップ駆動機構38は、シャーシ側面部44と支持枠部材45との間において前後方向に移動動作されるラックプレート47と、シャーシ側面部44に取り付けられた駆動モータ48と、その出力軸48aに設けられたウォーム48bと噛合するとともにラックプレート47に形成されたラック47aと噛合されたウォームギャ49とを備える。
支持枠部材45は、合成樹脂材によって一体に形成された全体略枠状の部材であり、上述したヘッドフレーム20の下方部に位置してシャーシ側面部44に固定される。支持枠部材45は、印刷部5から筐体7の前面部の近傍に位置する奥行き方向の長さを有しており、上述したヘッドフレーム20を印刷部5に対して位置決めして装着させる受け枠部材を構成する。したがって、支持枠部材45には、詳細を省略するが印刷部対応領域45a(図6参照)にヘッドフレーム20に形成した位置決め嵌合部が相対嵌合される位置決め嵌合部が形成されるとともに、上述したコネクタ21等が搭載される。
支持枠部材45には、図7及び図8に示すように相対する前後方向の側面部45b、45cに、互いに対をなし左右対称の略水平方向の貫通溝からなる第1スライドガイド溝50と第2スライドガイド溝51とが形成されている。これら第1スライドガイド溝50と第2スライドガイド溝51は、詳細を後述するようにヘッドキャップ部材36を所定の移動路に沿って移動させるヘッドキャップガイド機構43を構成する。
ヘッドキャップホルダ46は、合成樹脂材によって形成され、図6に示すように相対する側面部46a、46b間を複数の金属梁材52によって対向間隔を保持して連結してなる全体略枠状を呈している。ヘッドキャップホルダ46は、その内部空間がヘッドキャップ部材36の外形とほぼ等しくされ、上述した移動動作を行うヘッドキャップ部材36を組み合わせて保持する。ヘッドキャップホルダ46には、側面部46a、46bの内面にヘッドキャップ部材36側に形成したガイド凸部が相対係合する水平方向のガイド溝がそれぞれ形成されている。なお、各ガイド溝は、それぞれ側面部46a、46bの前方に開口しており、これら開口を介してヘッドキャップ部材36がヘッドキャップホルダ46に組み合わされるようにする。
ヘッドキャップホルダ46には、図6に示すように側面部46a、46bに、前後方向に離間してそれぞれ第1コロ軸53と第2コロ軸54とが突出して設けられている。ヘッドキャップホルダ46は、詳細を後述するように第1コロ軸53がヘッドキャップホルダ46に形成した第1スライドガイド溝50に嵌合されるとともに、第2コロ軸54が第2スライドガイド溝51に嵌合され、ヘッドキャップ部材36を支持して支持枠部材45内を第1位置p1と第2位置p2との間に亘ってスライド動作される。
シャーシ側面部44には、図7に示すように支持枠部材45の第1スライドガイド溝50と第2スライドガイド溝51とにそれぞれ対向する上方位置に、水平方向の第3スライドガイド溝55が形成されている。第3スライドガイド溝55も、ヘッドキャップガイド機構43を構成し、ラックプレート47の側面に前後方向に離間して設けた一対の第1カムピン56と第2カムピン57とがそれぞれ相対係合される。第3スライドガイド溝55は、これら第1カムピン56と第2カムピン57とが移動することによって、駆動モータ48により駆動されるラックプレート47のシャーシ側面部44に沿った前後方向の移動動作をガイドする。
ラックプレート47には、図7に示すように下辺部に全長に亘ってラック58が一体に形成されており、このラック58がシャーシ側面部44に取り付けた駆動モータ48によって回転駆動されるウォームギャ49と噛合される。ラックプレート47は、駆動モータ48の起動により、第3スライドガイド溝55に係合された第1カムピン56及び第2カムピン57を介してシャーシ側面部44に沿って前後方向に移動する。ラックプレート47には、前方部位に高さ方向のカム溝59が形成されており、このカム溝59に上述したヘッドキャップホルダ46に設けた第2コロ軸54が第2スライドガイド溝51を貫通して係合されている。
プリンタ装置1は、制御部から出力される印刷指示の制御信号に基づいて、第1位置p1における上述したヘッドキャップロック機構42によるヘッドキャップ部材36のロック状態が解除されるとともにヘッドキャップ駆動機構38の動作が開始される。ヘッドキャップ駆動機構38は、出力軸48aとウォーム48bとを介して駆動モータ48によってウォームギャ49が回転駆動され、このウォームギャ49の回転がラック58を介してラックプレート47へと伝達される。ヘッドキャップ駆動機構38は、ラックプレート47を、第1カムピン56と第2カムピン57とが係合する第3ガイド溝59を設けたシャーシ側面部44に沿って前方へと移動させる。
ヘッドキャップ駆動機構38は、ラックプレート47がカム溝59に係合された第2コロ軸54を引っ張るようにして移動することにより、第2コロ軸54を設けたヘッドキャップホルダ46を移動させる。ヘッドキャップ駆動機構38は、第1コロ軸53が第1スライドガイド溝50と係合されるとともに第2コロ軸54が第2スライドガイド溝51と係合されたヘッドキャップホルダ46を、支持枠部材45の内部において前方へと移動させる。
ヘッドキャップ駆動機構38は、上述したようにラックプレート47のカム溝59を高さ方向の長溝としたことによって、ヘッドキャップホルダ46の移動に伴って第2コロ軸54が後述する形状に形成された第2スライドガイド溝51内における前後方向と高さ方向との移動動作を可能とさせる。ヘッドキャップ駆動機構38は、ヘッドキャップホルダ46に組み合わされたヘッドキャップ部材36を第1位置p1から第2位置p2へ向かって前方へと移動させる。ヘッドキャップ駆動機構38は、ヘッドキャップ部材36がヘッド面26aを開放した第2位置p2まで達すると、駆動モータ48の回転が停止される。なお、ヘッドキャップ部材36は、この第2位置p2においてヘッドキャップロック機構42によって印刷終了時までロック状態を保持される。
ヘッドキャップ駆動機構38は、印刷部5において所定の印刷が終了すると制御部から出力される印刷終了の制御信号に基づいて、ヘッドキャップロック機構42によるヘッドキャップ部材36のロック状態が解除されるとともに駆動モータ48が起動する。ヘッドキャップ駆動機構38は、構成各部や各部材が上述した第1位置p1から第2位置p2への移動動作と逆動作を行うことによってヘッドキャップ部材36を第1位置p1へと復帰移動させ、ヘッド面26aを閉塞させるようにする。
ヘッドキャップ駆動機構38は、ヘッドキャップガイド機構43によって構成される所定の移動路に沿ってヘッドキャップ部材36が第1位置p1と第2位置p2との間において往復移動されるようにする。ヘッドキャップガイド機構43は、上述したようにラックプレート47をシャーシ側面部44に沿って前後方向にスライド移動させるとともに、ヘッドキャップホルダ46を支持枠部材45に沿って前後方向にスライド移動させる。
ヘッドキャップガイド機構43は、上述したように図7に示す支持枠部材45の側面部45b、45cに形成された第1スライドガイド溝50及び第2スライドガイド溝51と、これらに相対係合されるヘッドキャップホルダ46に形成した第1コロ軸53及び第2コロ軸54とを有する。ヘッドキャップガイド機構43は、シャーシ側面部44に形成された第3スライドガイド溝55と、この第3スライドガイド溝55に相対係合されるラックプレート47に形成された第1カムピン56及び第2カムピン57を有する。
第1スライドガイド溝50は、支持枠部材45の印刷部対応領域45aに対向して側面部45b、45cに形成され、図8に示すように奥行き側の側面部45d(図6参照)の近傍部位を起点50cとして前方側へと水平に延長された水平溝部50aと、この水平溝部50aに連通して側面部45b、45cの略中央部位付近から傾斜しながら上方へ向かって形成された傾斜溝部50bとから構成される。また、第1スライドガイド溝50は、水平溝部50aの基端部50cがやや上方へと跳ね上げられている。さらに、第1スライドガイド溝50には、傾斜溝部50bの頂点部50dを経由して前方側に向かって前下がりに伸びる前下がり溝部50fが形成されている。
第2スライドガイド溝51も、支持枠部材45の側面部45b、45cの略中央部位付近で第1スライドガイド溝50が水平溝部50aから傾斜溝部50bへと上方へと立ち上がる近傍部位と対向する基端部51cを起点として、底面に沿って前方側へと水平に延長された水平溝部51aと、この水平溝部51aと連通して傾斜しながら上方へ向かって形成された傾斜溝部51bとから構成される。また、第2スライドガイド溝51も、水平溝部51aの基端部51cがやや上方へと跳ね上げられている。さらに、第2スライドガイド溝51は、支持枠部材45の前面部45eの近傍位置において傾斜溝部51bが山形の頂点部51dを有し、この頂点部51dから湾曲して下方へと向かって形成された前下り溝部51fが形成されている。
第1スライドガイド溝50と第2スライドガイド溝51とは、それぞれの水平溝部50a、51aが互いに等しい長さとされるとともに、基端部50c、51cの間隔がヘッドキャップ部材36の奥行き寸法(幅寸法)とほぼ等しくして形成される。第1スライドガイド溝50と第2スライドガイド溝51とは、それぞれの頂点部50d、51dの間隔がヘッドキャップ部材36の幅寸法とほぼ等しくして形成されるとともに、頂点部50dが頂点部51dよりもやや高い位置に形成される。第1スライドガイド溝50と第2スライドガイド溝51とは、それぞれの前下り溝部50f、51fの間隔がヘッドキャップ部材36の幅寸法とほぼ等しくして形成されるとともに互いに略平行に形成される。
第1スライドガイド溝50と第2スライドガイド溝51は、上述した構造から支持枠部材45の側面部45b、45cに、それぞれ上下方向に離間するとともにヘッドキャップ部材36の幅寸法に対応して前後方向にズラして形成される。第1スライドガイド溝50と第2スライドガイド溝51は、ヘッドキャップ部材36が第1位置p1に位置した状態で、第1コロ軸53と第2コロ軸54とがそれぞれの水平溝部50a、51aの基端部50c、51cにおいて係合している。第1スライドガイド溝50と第2スライドガイド溝51は、ヘッドキャップ部材36が第2位置p2に位置した状態で、第1コロ軸53と第2コロ軸54とが前下り溝部50f、51fの先端において係合している。
ヘッドキャップガイド機構43は、上述したヘッドキャップ駆動機構38によって駆動されるヘッドキャップホルダ46を第1スライドガイド溝50と第2スライドガイド溝51とによって前後方向にスライド動作させ、ヘッドキャップホルダ46に搭載したヘッドキャップ部材36を第1位置p1と第2位置p2とに亘って移動させる。ヘッドキャップガイド機構43は、ヘッドキャップホルダ46が第1コロ軸53を第1スライドガイド溝50の基端部50cに位置させかつ第2コロ軸54を第2スライドガイド溝51の基端部51cに位置させて組み付けられることによって、上述したようにヘッドキャップ部材36をヘッド面26aを閉塞した第1位置p1に保持する。ヘッドキャップガイド機構43は、ヘッドキャップホルダ46の第1コロ軸53と第2コロ軸54が第1スライドガイド溝50と第2スライドガイド溝51内を前方側へと移動して水平溝部50a、51aの前端まで移動した位置において、ヘッドキャップ部材36がヘッドユニット3の前方側に移動された状態とする。
ヘッドキャップガイド機構43は、ヘッドキャップホルダ46が第1スライドガイド溝50と第2スライドガイド溝51に沿ってさらに前方側へと移動されると、第1コロ軸53が第1スライドガイド溝50の頂点部50dを越えて前下がり溝部50fの先端に達するとともに、第2コロ軸54も第2スライドガイド溝51の前下り溝部51f内を前下がりに移動して先端に達する。ヘッドキャップガイド機構43は、これによってヘッドキャップホルダ46が第1コロ軸53を支点として前方側が下方へと傾斜した姿勢となる。したがって、ヘッドキャップガイド機構43は、ヘッドキャップホルダ46を前下がり姿勢で移動させることにより、組み合わせたヘッドキャップ部材36も前下がり姿勢の状態にしてヘッドキャップ部材着脱開口部10に臨ませるようにする。ヘッドキャップガイド機構43は、ヘッドキャップ部材36を前下がり状態とすることで、筐体7の前面部の高さを抑制するとともに取り外し操作も容易に行われるようにする。
プリンタ装置1は、上述したようにヘッドキャップガイド機構43によってヘッドキャップホルダ46を前下がり姿勢を以って移動させる過程で、ワイパクリーニング機構を構成するブレードクリーニング機構60によって、ヘッド面26aのクリーニングを行ったヘッドクリーニング機構37のブレード部材41に対してクリーニング処理を施す。ブレードクリーニング機構60は、図1に示すように操作部18の内方に位置し、やや前下がりの状態で配置されている。ブレードクリーニング機構60は、図9及び図10に示すように、ベース部材61と、フレーム部材62と、ブレードクリーニングベルト63と、一対のコイルスプリング64と、一対のカム部材65とを有する。ブレードクリーニング機構60は、ブレードクリーニングベルト63を無端走行させる駆動軸66及び従動軸67と、駆動軸66を一方向のみに回転させるワンウェイクラッチ軸受68とを有する。
ベース部材61は、金属薄板材によって一体に形成された横梁部61a、61b及び縦梁部61c、61dとから構成され、ヘッドキャップ部材36の外形寸法とほぼ等しい大きさの横長矩形の枠状を呈して操作部18を設ける図示しないシャーシの天井部に固定される。ベース部材61には、シャーシに固定される際に前方側に位置する幅梁部61a側に位置して縦梁部61c、61dに軸線を一致させて垂直に折曲した軸受片部69(なお、一方側のみを図示する。)が一体に形成されている。各軸受片部69には、ワンウェイクラッチ軸受68が取り付けられている。
ベース部材61には、横梁部61aと対向する他方側の横梁部61bに互いに所定の間隔を以って垂直に折曲され、後述するようにフレーム部材62の自由端側を位置決めする複数個のストッパ片70が一体に形成されている。各ストッパ片70は、所定の高さ寸法を有しており、図10に示すように下端部を横梁部61a側に向かって折曲してストッパ部70aが一体に形成されている。ベース部材61には、横梁部61bの両側部位にそれぞれピン状のガイド部71a(なお、一方側のみを図示する。)を垂直に折曲したスプリング受け部71が形成されている。ベース部材61は、詳細を後述するようにヘッドキャップ部材36の移動路の上方に位置し、この移動路に対して平行な状態でシャーシに固定される。
フレーム部材62は、ベース部材61の横幅とほぼ等しい横幅を有する横長矩形の部材であり、詳細を省略するが幅方向の一端側(前端側)をベース部材61の軸受片部69に対して駆動軸66を支軸として回動自在な状態で組み合わされる。フレーム部材62は、駆動軸66に対向する幅方向の一端側(後端側)に図示を省略するが一対の軸受け部が長手方向に離間して形成されており、これら軸受け部により従動軸67を回転自在に支持する。フレーム部材62は、後述するようにカム部材65を介してコイルスプリング64の弾性力が作用され、図9において反時計方向に付勢される。フレーム部材62は、自由端側がストッパ片70のストッパ部70aに突き当たることによって、ベース部材61と略V字状の状態に組み合わされる。
ブレードクリーニング機構60は、ベース部材61やフレーム部材62が、最大サイズの用紙幅、例えばA4用紙である場合にその横幅寸法(約210mm)よりもやや大きな長さを有するとともに軽量で機械的剛性を有する必要があることから、アルミ材や鋼材等の金属材によって形成する。ブレードクリーニング機構60は、例えば小型のプリンタ装置に適用される場合に、これらベース部材61やフレーム部材62を合成樹脂材によって形成するようにしてよい。
ブレードクリーニングベルト63は、多孔質(連泡型)で吸水性を付与された、インク液や溶剤等に対する化学耐性を有しかつリサイクル性にも優れたポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系合成樹脂材若しくはウレタン系合成樹脂材を素材として形成される。ブレードクリーニングベルト63は、全体がやや薄厚でブレード部材41の幅寸法と同等若しくはやや大きな幅寸法を有しており、例えば金型内に材料樹脂を充填して中心のコアを抜き取る押出成形法により継ぎ目の無い無端ベルト状に形成される。なお、ブレードクリーニングベルト63は、他の素材や形成方法によって形成するようにしてもよいことは勿論である。
ブレードクリーニングベルト63は、後述するようにフレーム部材62に支持した駆動軸66と従動軸67との間にやや引っ張り状態で掛け合わされる。ブレードクリーニングベルト63は、底面(図10において下側)をヘッドキャップ部材36の移動路に臨ませて駆動軸66と従動軸67との間を周回移動する。ブレードクリーニングベルト63は、後述するようにヘッドキャップ部材36が第1位置p1から第2位置p2へと移動動作する際に、所定量の送り動作が行われる。
ブレードクリーニングベルト63には、後述するようにヘッドキャップ部材36が第1位置p1から第2位置p2へと移動され或いは第2位置p2から第1位置p1へと復帰移動する際に、ヘッドキャップ部材36の移動路に臨まされた底面にブレード部材41の先端部が突き当たって摺動する。ブレードクリーニングベルト63は、ブレード部材41に付着したインク液等の異物を吸引するとともに拭き取ってクリーニングする。
ブレードクリーニングベルト63は、ヘッドキャップ部材36が第2位置p2から第1位置p1へと復帰移動する際にはブレード部材41が送り動作された新たな領域を摺擦することで、拭き取った異物等の再付着を防止してブレード部材41が清浄な状態で復帰移動されるようにする。ブレードクリーニングベルト63は、ヘッドキャップ部材36の移動動作毎に所定量の送り動作が行われることでブレード部材41に対するクリーニング特性が長期間に亘って保持される。ブレードクリーニングベルト63は、無端ベルト状に形成されることによって長尺であり、周回動作を行う過程で吸引したインク液等の充分な乾燥も行われる。
コイルスプリング64は、上述したようにフレーム部材62に弾性力を作用させて初期位置への復習性を付与する。コイルスプリング64は、ベース部材61のスプリング受け部71とフレーム部材62の自由端側に固定した後述するカム部材65との間にやや圧縮された状態で組み付けられる。コイルスプリング64は、カム部材65を介してフレーム部材62に弾性力を作用させて、図10(A)に示すようにフレーム部材62の後端縁をストッパ片70のストッパ部70aに突き当てさせる。したがって、フレーム部材62は、後端側がベース部材61から離間した状態とされ、詳細を後述するようにヘッドキャップ部材36の移動路に突出した状態となる。なお、コイルスプリング64については、例えば板ばね等の適宜の弾性部材に代えることも可能であり、また駆動軸66側に装着したトーションばねに代えるようにしてもよいことは勿論である。
カム部材65は、ヘッドキャップホルダ46と係合することによって、フレーム部材62が後述する揺動動作を行うようにさせる。カム部材65は、合成樹脂材によって形成され、上面側にコイルスプリング64の下端側が突き当てられるスプリング受け部65aが形成されるとともに、底面側に前後方向を傾斜面として突出された略三角形状のカム凸部65bが形成される。カム部材65は、フレーム部材62の後端側でかつその両側の底面に位置して、上述したヘッドキャップホルダ46の側縁部の間隔とほぼ等しい対向間隔を以ってそれぞれ固定される。カム部材65は、上述したようにフレーム部材62がベース部材61に組み合わされた状態で、図10(A)に示すようにカム凸部65bがフレーム部材62の底面から突出する。また、カム部材65は、ベース部材61がシャーシに固定された状態で、カム凸部65bがヘッドキャップ部材36の移動路内を移動するヘッドキャップホルダ46の側縁部の軌跡上に対応して突出される。なお、カム部材65については、例えばフレーム部材62と一体に形成するようにしてもよいことは勿論である。
駆動軸66は、フレーム部材62の揺動支点を構成するとともに、ブレードクリーニングベルト63を駆動する駆動部材を構成する。駆動軸66は、上述したようにベース部材61の縦梁部61c、61dに対して横梁部61a側の前方部位においてワンウェイクラッチ軸受68によって両端部を支持される。駆動軸66は、詳細を後述するように移動路内を移動するヘッドキャップホルダ46とヘッドキャップ部材36に設けられたブレード部材41とからの駆動力が作用されるとともに、ワンウェイクラッチ軸受68の作用によって例えば図10において反時計方向にのみ回転駆動される。駆動軸66は、モータ等の駆動源を必要とせずに間欠的な回転駆動が行われる。
駆動軸66には、図11に示すように軸方向に所定の間隔を以って複数個のローレット部72が形成されている。ローレット部72は、駆動軸66の周回りに適宜の長さを以って突出され、外周部に全周に亘って軸方向の凹凸を形成してなる。ローレット部72は、駆動軸66に掛け合わされるブレードクリーニングベルト63の内周面との摩擦力を高めることによって、駆動軸66の外周部におけるブレードクリーニングベルト63の滑り止め手段を構成して滑りを低減して効率のよい送り動作が行われるようにする。なお、ローレット部72は、例えばゴム等の弾性材によって外周部に軸方向の凹凸を形成した筒状のブッシュを駆動軸66に嵌め込んで構成するようにしてもよい。
ワンウェイクラッチ軸受68は、軸受け片部69を介してベース部材61の縦梁部61c、61dに互いに同一軸線上に位置させて取り付けられている。ワンウェイクラッチ軸受68は、上述したようにヘッドキャップ部材36が第1位置p1から第2位置p2へと移動動作する際に駆動軸66の回転動作が行われるようにする作用する。ワンウェイクラッチ軸受68には、一方向の回転伝達を行う機構に一般的に用いられている種々のクラッチ軸受を用いることが可能である。ワンウェイクラッチ軸受68は、例えば図12に示すように筒状の軸受けケース73と、この軸受けケース73の開口部を閉塞して組み付けられる蓋体74A、74Bと、軸受けケース73の内部に装填された複数個の軸受けコロ75等から構成される。ワンウェイクラッチ軸受68は、軸受けケース73の開口部を蓋体74A、74Bによって閉塞することで、軸受けコロ75を封装する。
ワンウェイクラッチ軸受68は、軸受けケース73に駆動軸66を貫通させる軸孔73bが形成されるとともに、内周壁に軸受けコロ75と同数のカム凹部73cが互いに略等間隔に位置して円周方向に並んで形成される。ワンウェイクラッチ軸受68は、軸孔73bに駆動軸66が貫通された状態で、この駆動軸66の外周面と内周壁との間で軸受けコロ75が転動するカム空間部73dを構成する。ワンウェイクラッチ軸受68は、軸受けコロ75の外径に対して、カム凹部73cの開口径がやや大径とされるとともにカム空間部73dの幅がやや小幅とされる。したがって、ワンウェイクラッチ軸受68は、各軸受けコロ75がカム空間部73d内において内壁と駆動軸66の外周面との間に挟み込まれることによって、駆動軸66と一体化された状態となる。また、ワンウェイクラッチ軸受68は、各軸受けコロ75が相対するカム凹部73cにそれぞれ落ち込むことによって、内壁と駆動軸66の外周面との間の挟み込み状態が解除されて駆動軸66との一体化状態が解除される。
ワンウェイクラッチ軸受68は、軸受けケース73がベース部材61に固定されるとともに軸孔68bにフレーム部材62に支持された駆動軸66が貫通され、この駆動軸66の外周部をカム空間部73dに収納された軸受けコロ75が転動する。ワンウェイクラッチ軸受68は、図12(B)の矢印で示すように反時計方向の回転力が伝達されると、軸受けコロ75がカム空間部73dの端部まで移動して軸受けケース73の内周壁と駆動軸66の外周部との間に挟まり込んだ状態となる。したがって、ワンウェイクラッチ軸受68は、駆動軸66と一体化された状態となり、駆動軸66を反時計方向に回転させる。また、ワンウェイクラッチ軸受68は、時計方向の回転力が伝達されると、軸受けコロ75がカム空間部73d内を移動して同図鎖線で示すようにカム凹部73cと係合する。ワンウェイクラッチ軸受68は、軸受けコロ75が軸受けケース73の内周壁と駆動軸66の外周部との間の挟まり状態を解除され、駆動軸66の外周部を空転する。したがって、ワンウェイクラッチ軸受68は、図12(B)の矢印で示す反時計方向にのみ駆動軸66を回転させる。
ブレードクリーニング機構60は、例えば図13に示したワンウェイクラッチ軸受80を用いるようにしてもよい。ワンウェイクラッチ軸受80は、軸受けケース81と、軸受け金具82と、クラッチ金具83と、複数個の軸受けコロ84と、スプリング85等の部材によって構成される。軸受けケース81は、駆動軸66とほぼ同径であり一方側面に開口された第1軸孔86aと、この第1軸孔86aよりも大径であり他方側面に開口された第2軸孔86bとが段部86cを介して同軸に形成された軸孔86を有して、筒状に形成される。
ワンウェイクラッチ軸受80は、軸受けケース81の第2軸孔86b内に、段部86cに突き当てて軸受け金具82が嵌め込まれている。軸受け金具82は、耐磨耗性に優れた金属材等により形成され、第2軸孔86bの軸長よりも小さい軸長を有し、例えば六角形の軸孔が貫通して形成された筒状の金具である。軸受け金具82は、その軸孔の内径が駆動軸66の外径よりも大径とされる。
ワンウェイクラッチ軸受80は、軸受けケース81の第2軸孔86b内に軸受け金具82を段部86cとの間に挟み込むようにして、クラッチ金具83が嵌め込まれる。クラッチ金具83も、耐磨耗性に優れた金属材等により形成される。クラッチ金具83は、一端側に第2軸孔86bの開口部を閉塞する筒状のフランジ部83aが形成されるとともに、このフランジ部83aの側面に軸受け金具82の軸孔に嵌合される外形が六角形のクラッチ筒部83bが一体に形成された変形筒状の金具である。
クラッチ金具83には、クラッチ筒部83bに、その外周面にそれぞれ開口する軸方向のカムスリット33cが円周方向に並んで複数個が形成される。クラッチ金具83には、クラッチ筒部83bに、各カムスリット33cにそれぞれ連通する円周方向のスプリング収納凹部33dが形成されるとともに、各スプリング収納凹部33dの内周壁を構成するようにして薄肉の弾性内壁部33eが一体に形成されている。クラッチ金具83は、各弾性内壁部33eが共同して駆動軸66の外径とほぼ等しい内径でかつフランジ部83aから開口する軸孔を構成する。
ワンウェイクラッチ軸受80は、クラッチ金具83の各カムスリット33c内にそれぞれ軸受けコロ84が収納される。各軸受けコロ84は、スプリング収納凹部33dに収納したスプリング85の弾性力によって、それぞれの外周部の一部に軸孔内への突出習性が付与されて駆動軸66の外周部に当接する。
以上のように構成されたワンウェイクラッチ軸受80は、軸受けケース81に貫通された駆動軸66に対して、その外周部にクラッチ金具83の各弾性内壁部33eと軸受けコロ84とが当接してこれを軸支する。ワンウェイクラッチ軸受80は、図13(B)において反時計方向の回転動作に対して、各軸受けコロ84が各カムスリット33c内において回転することから、駆動軸66を駆動させることは無い。一方、ワンウェイクラッチ軸受80は、同図において時計方向の回転動作に対して、各軸受けコロ84が各カムスリット33cからスプリング収納凹部33d側へと移動することによって各弾性内壁部33eを駆動軸66の外周部に圧接させる。したがって、ワンウェイクラッチ軸受80は、駆動軸66と一体化した状態となり、駆動軸66を時計方向に回転させる。
以上のように構成されたブレードクリーニング機構60は、上述したようにブレードクリーニングベルト63の底面をヘッドキャップ部材36の移動路に突出した状態でシャーシに設置される。ブレードクリーニング機構60には、例えば印刷動作が行われてヘッドキャップ部材36がヘッド面26aを閉塞した第1位置p1から退避位置である第2位置p2へと移動される過程でヘッドキャップ部材36が相対する位置まで移動されると、図10(B)に鎖線で示すように移動路内を移動するヘッドキャップホルダ46の側縁部がカム部材65のカム部65bに突き当たる。また、ブレードクリーニング機構60は、ブレードクリーニングベルト63に移動路内を移動するヘッドキャップ部材36に設けられたブレード部材41が先端部を突き当てられて摺動する。
ブレードクリーニング機構60は、コイルスプリング64の弾性力に抗してカム部材65がヘッドキャップホルダ46によって押し上げられることにより、フレーム部材62が駆動軸66を支点として図10(B)矢印で示すように時計方向に回動する。ブレードクリーニング機構60は、この際にワンウェイクラッチ軸受68がベース部材61と駆動軸66とを一体化させるように作用することで、フレーム部材62のみが駆動軸66に対して回動動作を行うようにさせる。また、ブレードクリーニング機構60には、ブレード部材41がブレードクリーニングベルト63との当接状態を保持されて摺擦しながら移動する。
ブレードクリーニング機構60は、上述したようにブレードクリーニングベルト63が駆動軸66と従動軸67との間に張った状態で掛け合わされている。ブレードクリーニング機構60は、ブレードクリーニングベルト63に対して、ブレード部材41の移動に伴う摩擦力と、ワンウェイクラッチ軸受68による駆動軸66とフレーム部材62との間のクラッチ作用とにより図10(B)矢印で示す方向への送り動作が行われる。ブレードクリーニング機構60は、駆動軸66に形成したローレット部72によって駆動力のロスが低減されてブレードクリーニングベルト63の送り動作が行われる。
ブレードクリーニング機構60は、ヘッドキャップ部材36が相対する位置を通過して第2位置p2に達すると、ヘッドキャップホルダ46によるフレーム部材62の押し上げ状態が解除されるとともに、ブレード部材41もブレードクリーニングベルト63を通過する。ブレードクリーニング機構60は、フレーム部材62がコイルスプリング64の弾性力によってストッパ片70のストッパ部70aに突き当たる初期位置へと復帰する。ブレードクリーニング機構60は、この際にワンウェイクラッチ軸受68が駆動軸66とフレーム部材62との間で回転伝達が行われないように作用する。したがって、ブレードクリーニング機構60は、ブレードクリーニングベルト63が上述した動作によって所定量を移動された状態を保持されるようにする。
以上のように構成されたプリンタ装置1について、図14乃至図18を参照してヘッドキャップ部材36の移動動作及びヘッド面26aのクリーニング動作と、ブレード部材41のクリーニング動作とについて説明する。プリンタ装置1においては、ヘッドキャップ部材36をヘッドキャップ駆動機構38によって第1位置p1から第2位置p2へと移動させる移動工程において実施され、ブレード部材41がヘッドユニット3のヘッド面26aを摺擦することによってこのヘッド面26aのクリーニングを行う第1クリーニング工程と、ヘッドキャップ部材36が移動する過程でブレード部材41がブレードクリーニング機構60に設けられたブレードクリーニングベルト63を摺擦することによってそのクリーニングを行う第2クリーニング工程とを有する。
プリンタ装置1においては、図14に示す待機状態において、ヘッドユニット3に組み合わされたヘッドキャップ部材36が印刷部5に位置して上述した第1位置p1にある。プリンタ装置1においては、この状態でヘッドキャップ部材36がノズルシート26のヘッド面26aを覆い、ヘッド面26aを保護するとともにインク液の乾燥を防止し、或いはノズル27の目詰まりを防止するために行われる空打ちにより吐出された廃インク液や各ノズル27からしたたり落ちたインク液を吸着マット39によって吸着する。
プリンタ装置1においては、制御部から出力される印刷指示の制御信号に基づいて、図15に示すように第1位置p1でのロック状態が解除されたヘッドキャップ部材36がヘッドキャップ部材駆動機構38によって印刷部5の前方側へと移動される。プリンタ装置1においては、同図(B)に示すようにヘッドキャップ部材36が第1スライドガイド溝50の水平溝部50aと第2スライドガイド溝51の水平溝部51aとによりガイドされて水平方向に移動する。プリンタ装置1においては、このヘッドキャップ部材36の移動動作に伴ってブレード部材41がヘッド面26aを摺擦して付着した異物等を除去する。プリンタ装置1においては、除去した異物等をヘッドキャップ部材36内に落下させて吸着マット39により吸着する。
なお、プリンタ装置1においては、図15(B)に示すようにブレードクリーニング機構60が、ヘッドユニット3の前方側のやや上方に位置し、ベース部材61を前下がりの状態とするとともにブレードクリーニングベルト63を水平状態にして設置する。プリンタ装置1においては、ブレードクリーニング機構60が、ブレードクリーニングベルト63の従動軸67側を第1スライドガイド溝50の頂点部50dに対してやや下方に位置されて設置する。プリンタ装置1においては、ブレードクリーニング機構60が、ブレードクリーニングベルト63の駆動軸66側を第2スライドガイド溝51の頂点部51dに対して奥側でかつやや上方に位置させて設置する。
プリンタ装置1においては、図16に示すようにヘッドキャップ部材36が、第1スライドガイド溝50と第2スライドガイド溝51の水平溝部50a、51aの前端から傾斜溝部50b、51bによってガイドされてヘッドユニット3の前方側を上方へと移動される。プリンタ装置1においては、この状態でブレード部材41がヘッドユニット3を通過し、ヘッド面26aのクリーニングを完了する。プリンタ装置1においては、ヘッド面26aが全面に亘ってブレード部材41によって摺擦されることで、付着した異物等が除去されて清浄な状態となる。
プリンタ装置1においては、ヘッドキャップ部材36がヘッドユニット3を通過したタイミングで、用紙搬送機構11の回動動作が行われてプラテン15がヘッドユニット3のヘッド面26aと所定の間隔を以って対向する。プリンタ装置1においては、用紙搬送機構11が駆動されて用紙カセット4から用紙6を印刷部5へと供給するとともに、ヘッドユニット3が駆動されて所定の印刷動作が開始される。
プリンタ装置1においては、ヘッドキャップ部材36が、図16に示すように第1スライドガイド溝50と第2スライドガイド溝51に沿って頂点部50d、51dまで移動すると、ブレードクリーニング機構60と対向する。プリンタ装置1においては、この状態で同図(B)に示すように移動路に突出されたブレードクリーニング機構60のカム部材65にヘッドホルダ46が突き当たる。プリンタ装置1においては、これによって同図矢印で示すようにブレードクリーニング機構60のフレーム部材62を押し上げる動作が開始される。
プリンタ装置1においては、図17に示すようにヘッドキャップ部材36が第1スライドガイド溝50と第2スライドガイド溝51に沿って頂点部50d、51dを越えて前下がり溝部50f、51f内を移動することで、このヘッドキャップ部材36に設けられたブレード部材41も前下がりの姿勢で移動する。プリンタ装置1においては、ブレードクリーニング機構60がカム部材65を介してヘッドホルダ46によってフレーム部材62を押し上げられた状態を保持されることで、同図(B)に示すようにブレード部材41とブレードクリーニングベルト63との当接状態も保持される。プリンタ装置1においては、ブレード部材41がブレードクリーニングベルト63を摺擦して付着した異物等を拭き取られてクリーニングが行われる。
プリンタ装置1においては、ブレードクリーニング機構60が、上述したワンウェイクラッチ軸受68のクラッチ作用が奏され、フレーム部材62の回動動作とブレード部材41によるブレードクリーニングベルト63の摺動動作とにより、ブレードクリーニングベルト63の送り動作も行われる。プリンタ装置1においては、ブレード部材41が通過したブレードクリーニングベルト63の後方側が清浄な領域となる。
プリンタ装置1においては、図18に示すようにヘッドキャップ部材36が第1スライドガイド溝50と第2スライドガイド溝51に沿って頂点部50d、51dを越えて前下がり溝部50f、51f内を先端まで移動し、この第2位置p2においてヘッドキャップロック機構42によって保持される。プリンタ装置1においては、第2位置p2においてヘッドキャップ部材36をヘッドユニット3の前方側の上方位置で前下がり状態で保持して印刷動作が行われるようにする。プリンタ装置1においては、このようにしてヘッドユニット3を保持することにより印刷部5から排紙される用紙6の搬送路を確保するとともに、装置の小型化が図られるようになる。
プリンタ装置1においては、印刷の終了に伴ってヘッドキャップ部材36がヘッドキャップ部材駆動機構38によって第2位置p2から第1位置p1に復帰移動される。プリンタ装置1においては、このヘッドキャップ部材36の復路動作に際してブレード部材41がブレードクリーニング機構60のブレードクリーニングベルト63を摺擦する。プリンタ装置1においては、上述した送り動作が行われてブレードクリーニングベルト63が清浄な領域を移動路に臨ませている。また、プリンタ装置1においては、上述したワンウェイクラッチ軸受68のクラッチ作用によって、ヘッドキャップ部材36の復路移動の際にフレーム部材62に対して駆動軸66が空転してブレードクリーニングベルト63の送り動作が行われないようにすることで、ブレード部材41が異物等の再付着を防止されて復帰移動する。
プリンタ装置1においては、ヘッドキャップ部材36がヘッド面26aを閉塞した第1位置p1まで復帰すると、ヘッドキャップ駆動機構38の駆動動作が停止される。プリンタ装置1においては、ヘッドキャップロック機構42が駆動されて、ヘッドキャップ部材36を第1位置p1においてロック状態に保持することによって一連の動作が完了する。
なお、プリンタ装置1においては、省スペース化を図るためにヘッドキャップ部材36を水平姿勢から前下がり姿勢に変換して第2位置p2へと移動させるようにしたが、その際に前下がり姿勢の角度を適宜設定することが可能である。また、プリンタ装置1においては、ヘッドキャップ部材36を水平姿勢からさらに大きく前上がり姿勢に変換して第2位置p2へと移動させるようにしてもよく、ブレードクリーニング機構60も移動路に沿って適宜の角度を以って設置される。
プリンタ装置1においては、ブレード部材41が第1位置p1と第2位置p2とに亘って移動されるヘッドキャップ部材36に設けられ、このヘッドキャップ部材36の移動動作に伴ってヘッド面26aを摺擦してそのクリーニングを行うように構成したが、本発明はかかる構成に限定されないことは勿論である。ブレード部材は、ヘッドキャップ部材を有しないプリンタ装置の場合に、独立の駆動機構によって移動動作される。
ところで、ブレードクリーニング機構60においては、上述したようにベース部材61のスプリング受け部71とフレーム部材62の自由端側に固定したカム部材65との間にやや圧縮した状態でコイルスプリング64を設け、このコイルスプリング64の弾性力をフレーム部材62に作用させることによって初期位置への復習性を付与するように構成したが、かかる構成に限定されるものでは無い。図19に第2の実施の形態として示したブレードクリーニング機構90は、基本的な構成をブレードクリーニング機構60と同等とするが、フレーム部材62の支点側においてベース部材61との間に引張りコイルスプリング91を張架した構造に特徴を有している。ブレードクリーニング機構90は、引張りコイルスプリング91が、ベース部材61とフレーム部材62との間に簡易に掛け合わせることが可能である。
ブレードクリーニング機構90においては、上述したようにヘッドキャップ部材36の第1位置p1から第2位置p2への移動動作に伴ってヘッドキャップホルダ46によりカム部材65が押し上げられ、フレーム部材62が駆動軸66を支点にして図19において紙面手前側へと回動動作する。ブレードクリーニング機構90においては、これによって引張りコイルスプリング91の引張り力が回動動作したフレーム部材62に対して初期位置へと復帰させる方向に作用する。
したがって、ブレードクリーニング機構90においては、ヘッドキャップ部材36が第2位置p2から第1位置p1へと復帰動作すると、引張りコイルスプリング91の引張り力によってフレーム部材62も初期位置へと復帰動作する。ブレードクリーニング機構90においては、この際に上述したワンウェイクラッチ軸受68がフレーム部材62と駆動軸66との機械的結合を解除するクラッチ作用を奏してフレーム部材62が回動するようにして、ブレードクリーニングベルト63の送り動作が行われないようにする。
ところで、ブレードクリーニング機構90においては、引張りコイルスプリング91の引張り力がフレーム部材62を介して駆動軸66に対して作用され、この駆動軸66を支持したワンウェイクラッチ軸受68に対して側圧として負荷されることになる。ブレードクリーニング機構90においては、ワンウェイクラッチ軸受68がフレーム部材62と駆動軸66とを機械的に結合させる動作を行う際には、引張りコイルスプリング91の引張り力が有効に作用してブレードクリーニングベルト63の送り動作がより確実に行われるようになる。
一方、ブレードクリーニング機構90においては、引張りコイルスプリング91の引張り力が、駆動軸66をワンウェイクラッチ軸受68の軸受けコロ75に押し付ける力としても作用されることになる。ブレードクリーニング機構90においては、このためにヘッドキャップ部材36が第2位置p2から第1位置p1へと復帰動作する際にワンウェイクラッチ軸受68によるフレーム部材62と駆動軸66との機械的結合を解除するクラッチ作用が充分に機能しない事態が生じる虞もある。ブレードクリーニング機構90においては、ブレードクリーニングベルト63がヘッドキャップ部材36の復帰動作とともに移動することでクリーニングを行って汚れた部位が摺擦し、異物等を再付着させる虞がある。
第3の実施の形態として図20乃至図23に示すブレードクリーニング機構100も、上述したブレードクリーニング機構90と同様に、一対の引張りコイルスプリング101A、101B(以下、引張りコイルスプリング101と総称する。)を備えることによって組立性の向上を図り、またブレードクリーニング機構90で生じる虞がある駆動軸66からのワンウェイクラッチ軸受102への側圧による影響が確実に防止されるように構成される。ブレードクリーニング機構100は、上述したブレードクリーニング機構60、90と基本的な構成を同等とされ、同等の部位に同一符号を付すことにより説明を省略する。
ブレードクリーニング機構100も、ベース部材61にワンウェイクラッチ軸受102A、102B(以下、ワンウェイクラッチ軸受102と総称する。)によって揺動自在に支持されたフレーム部材62に組み付けられて無端走行するブレードクリーニングベルト63が、印刷動作を行う際に第1位置p1と第2位置p2との間を往復移動するヘッドキャップ部材36に設けられたブレード部材41をクリーニングする。ブレードクリーニング機構100も、引張りコイルスプリング101が、ヘッドキャップ部材36により押し上げられて回動動作するフレーム部材62に初期位置への復帰習性を付与する。ブレードクリーニング機構100も、ブレードクリーニングベルト63がワンウェイクラッチ軸受102のクラッチ作用によって、ヘッドキャップ部材36の第1位置p1から第2位置p2への移動動作時には走行動作を行うとともに第2位置p2から第1位置p1への復帰動作時には走行動作が行われないように構成される。
ベース部材61には、図20及び図21に示すように縦梁部61c、61dの前方端の近傍に位置して、それぞれ駆動軸66を回転自在に支持するワンウェイクラッチ軸受102を組み付ける軸受組付部103A、103B(なお、一方の軸受組付部103Aのみを図示する。以下、軸受組付部103と総称する。)が互いに対向して一体に形成されている。軸受組付部103は、図21に示すように下方に向かって一体に折曲形成された凸片部からなり、それぞれ駆動軸66の外径よりも大径とされかつ下端縁に開口された略U字状の軸孔104A、104B(なお、軸孔104Aのみを図示する。以下、軸孔104と総称する。)が互いに軸線を一致されて形成されている。軸孔104には、駆動軸66の先端部66aがそれぞれ貫通される。
ベース部材61には、図21及び図22に示すように軸孔104に隣り合って後述するようにワンウェイクラッチ軸受102を取り付けるための取付孔105A、105B(なお、取付孔105Aのみを図示する。以下、取付孔105と総称する。)が形成されている。ベース部材61には、上述したようにフレーム部材62の自由端側を位置決めするストッパ片70を一体に形成した横梁部61bと対向する横梁部61aに、長さ方向に対向離間してそれぞれ引張りコイルスプリング101の一端部101aを掛け止めする第1スプリング掛け止め孔106A、106B(なお、第1スプリング掛け止め孔106Aのみを図示する。以下、第1スプリング掛け止め孔106と総称する。)が形成されている。
フレーム部材62には、幅方向の両側縁部にベース部材61の軸受組付部103と対向して軸受けスペーサ部材107A、107B(以下、軸受けスペーサ部材107と総称する。)組み付けられ、これら軸受けスペーサ部材107によって先端部66aをそれぞれ貫通させて駆動軸66を回転自在に支持する。フレーム部材62には、軸受けスペーサ部材107の固定部位よりも前方側に突出した先端部62aに、上述した第1スプリング掛け止め孔106と対向して引張りコイルスプリング101の他端部101bを掛け止めする第2スプリング掛け止め孔108A、108B(なお、第2スプリング掛け止め孔108Aのみを図示する。以下、第2スプリング掛け止め孔108と総称する。)が形成されている。第2スプリング掛け止め孔108は、軸孔104と第1スプリング掛け止め孔106との軸線に対して下方側に位置して形成されている。なお、フレーム部材62には、幅方向の両側縁部に、軸受けスペーサ部材107と対向する後端側にそれぞれ上述したカム部材65が取り付けられている。
ブレードクリーニング機構100は、引張りコイルスプリング101が、上述したように一端部101aをベース部材61側の第1スプリング掛け止め孔106に掛け止めされるとともに他端部101bをフレーム部材62側の第2スプリング掛け止め孔108に掛け止めされる。引張りコイルスプリング101は、全長が第1スプリング掛け止め孔106と第2スプリング掛け止め孔108の対向間隔よりもやや短いものが用いられることによって、フレーム部材62を前方側(図21において右側方向)へと引っ張る方向に付勢する。
ブレードクリーニング機構100においては、上述したように第2スプリング掛け止め孔108を軸孔104と第1スプリング掛け止め孔106との間でかつその軸線に対して下方側に位置して形成したことから、フレーム部材62が引張りコイルスプリング101の弾性力によってフレーム部材62を前方側へと引っ張られるとともに、図21において反時計方向の回動習性を付与されるようにする。ブレードクリーニング機構100においては、フレーム部材62が後端縁をストッパ片70のストッパ部70aに突き当てられてベース部材61から離間した状態とされ、ヘッドキャップ部材36の移動路に突出した状態となる。
駆動軸66は、図21乃至図22に示すように、やや太径の部位が軸受けスペーサ部材107の軸孔を貫通して回転自在に軸支されるとともに、細径の先端部66aが後述する軸支機構109を介してベース部材61の軸受け組付部103に形成した軸孔104を貫通される。駆動軸66は、軸支機構109により先端部66aをベース部材61に支持され、フレーム部材62の揺動動作とワンウェイクラッチ軸受102のクラッチ作用とによりブレードクリーニングベルト63を一方方向のみに無端走行させるようにする。
軸支機構109は、図22及び図23に示すようにワンウェイクラッチ軸受102と、このワンウェイクラッチ軸受102を収納する軸受けホルダ部材110と、軸受けブッシュ111とから構成される。ワンウェイクラッチ軸受102は、上述した第1のワンウェイクラッチ軸受68或いは第2のワンウェイクラッチ軸受80と同等品が用いられることから詳細を省略するが、内周カムを有する筒状の軸受けケース117内に複数個の軸受けコロ118が回転自在に設けられ、駆動軸66の先端部66aが嵌合される。ワンウェイクラッチ軸受102は、駆動軸66が所定の方向に回転する場合にはその外周部を軸受けコロ118が回転することで回転を許容し、反対方向の回転に対しては軸受けコロ118が内周カムに係合して回転を阻止するクラッチ動作を奏する。
軸受けホルダ部材110は、合成樹脂材を素材として図21及び図23に示すように全体筒状のホルダ本体部112と、このホルダ本体部112の外周部に一体に形成された取付部113とから構成される。軸受けホルダ部材110は、ホルダ本体部112にワンウェイクラッチ軸受102を組み付けて一体に保持する軸受嵌合孔112aが形成されるとともに、取付部113にベース部材61に取付孔113aが形成されている。軸受けホルダ部材110は、軸受嵌合孔112aと取付孔113aとが、ベース部材61側の軸孔104と取付孔105との間隔とほぼ等しく形成される。
軸受けホルダ部材110は、ホルダ本体部112内にワンウェイクラッチ軸受102が組み付けられた状態でベース部材61の軸受け組付部103に固定される。軸受けホルダ部材110は、後述するように軸受けブッシュ111が嵌挿された駆動軸66の先端部66aをワンウェイクラッチ軸受102に嵌合するとともに軸受けブッシュ111を開口部から軸孔104に組み付けることによって、軸受け組付部103の外側面に位置される。軸受けホルダ部材110は、取付部113が取付孔113aをベース部材61側の取付孔105と位置合わせした状態で、止めネジ114を取付孔113aから取付孔105にねじ込むことによって図22に示すように軸受け組付部103に固定される。
なお、軸受けホルダ部材110は、軸受嵌合孔112aが例えば多角形とされ、軸受けケース117が同一形状の多角形とされたワンウェイクラッチ軸受102が回転方向に対して固定して内部に収納する。軸受けホルダ部材110は、例えばキー溝とキーとの構造によってワンウェイクラッチ軸受102を内部に収納するようにしてもよい。
軸受けブッシュ111は、耐磨耗性や耐衝撃性を有する合成樹脂材、例えばPA(ナイロン)やPOM(ポリアセタール)等を素材として、図21及び図23に示すように軸受け筒部115と、その一端の外周部に一体に形成されたフランジ部116とから構成される。軸受けブッシュ111は、軸受け筒部115が、駆動軸66の先端部66aよりも短い長さとされ、軸受組付部103の軸孔104の内径とほぼ等しい外径に形成されるとともに駆動軸66の外径とほぼ等しい内径の軸孔115aが貫通して形成されている。軸受けブッシュ111は、フランジ部116が、軸受組付部103の軸孔104の内径よりも大径に形成される。
軸受けブッシュ111は、先端部66aを軸孔115aに貫通させて駆動軸66に軸装され、軸孔104に対して開口部から押し込まれることによって軸受組付部103に組み付けられる。軸受けブッシュ111は、図22に示すようにフランジ部116が、軸受けホルダ部材110と軸受組付部103の外側面との間に挟み込まれる。
以上のように構成されたブレードクリーニング機構100においては、軸支機構109によって、駆動軸66をベース部材61に対して軸受けブッシュ111を介して支持するとともにワンウェイクラッチ軸受102をベース部材61に対して軸受けホルダ部材110を介して支持する。換言すれば、ブレードクリーニング機構100においては、軸支機構109によって、駆動軸66とワンウェイクラッチ軸受102とがベース部材61に対して独立して支持される。
したがって、ブレードクリーニング機構100においては、フレーム部材62に対して初期位置への復帰習性を付与する引張りコイルスプリング101の弾性力が軸受けスペーサ部材107を介して駆動軸66にも作用されるが、軸支機構109によってこの弾性力が駆動軸66を介してワンウェイクラッチ軸受102に作用されないように構成される。ブレードクリーニング機構100においては、ヘッドキャップ部材36が第2位置p2から第1位置p1へと復帰動作する際に、ワンウェイクラッチ軸受102によるフレーム部材62と駆動軸66との機械的結合を解除するクラッチ動作が確実に行われる。ブレードクリーニング機構100においては、ブレードクリーニングベルト63が清浄な部位をヘッドキャップ部材36の移動路に臨まされて保持されることで、復帰するブレード部材41に拭き取った異物等を再付着させないようにする。
なお、ブレードクリーニング機構100においては、ベース部材61に形成した軸受け組付部103にワンウェイクラッチ軸受102を収納した軸受けホルダ部材110と軸受けブッシュ111とからなる軸支機構109を組み付けるように構成したが、かかる軸支機構109に限定されないことは勿論である。軸支機構109は、例えば軸受けホルダ部材110に複数個の取付部113を一体に形成してもよく、また取付部113と位置決め凸部とを組み合わせてベース部材61に固定するようにしてもよい。
本発明は、上述した構成のプリンタ装置1に限定されるものでは無く、構成各部位が適宜変更されてもよいことは勿論である。また、本発明は、液体を吐出する他の液体吐出装置に広く適用することが可能である。本発明は、例えばファクシミリやコピー機、液体中のDNAチップ用吐出装置(特開2002−34560号公報)、プリンタ配線基板の配線パターンを形成するための導電性粒子を含む液体を吐出したりする液体吐出装置等にも適用可能である。
本発明の実施の形態として示すインクジェットプリンタ装置を、ヘッドユニット着脱開口部を開口して示す斜視図である。 同内部構成図である。 ノズルシートの平面図である。 インク液吐出部の構成を説明する要部縦断面図である。 本体部からヘッドユニットとヘッドキャップ部材とを取り外した状態の要部斜視図である。 支持枠部材とヘッドキャップホルダ及びヘッドキャップ部材を組み合わせた状態の要部平面図である。 ヘッドキャップ駆動機構の概略構成を示す要部側面図である。 支持枠部材の側面図である。 ブレードクリーニング機構の斜視図である。 ブレードクリーニング機構の側面図であり、同図(A)は通常状態を示し、同図(B)は動作状態を示す。 ブレードクリーニング機構に備えるブレードクリーニングベルトと駆動軸及び従動軸の構成を示す要部斜視図である。 ブレードクリーニング機構に用いられるワンウェイクラッチ軸受を示し、同図(A)は一部切り欠き正面図、同図(B)は一部切り欠き側面図である。 ブレードクリーニング機構に用いられる他のワンウェイクラッチ軸受を示し、同図(A)は断面図、同図(B)は一部切り欠き側面図である。 ヘッドキャップ部材の移動動作の説明図であり、非印刷時においてヘッドキャップ部材がノズルシートを閉塞した第1位置p1にある状態を示す。 ヘッドキャップ部材の移動動作の説明図であり、印刷指示に基づいてヘッドキャップ部材が移動動作を開始してブレード部材によりヘッド面をクリーニングする状態を示し、同図(A)は全体概要図、同図(B)はヘッドキャップ部材とブレードクリーニング機構との関係図である。 ヘッドキャップ部材の移動動作の説明図であり、ヘッドキャップ部材がヘッドユニットの前方側に移動した状態を示し、同図(A)は全体概要図、同図(B)はヘッドキャップ部材とブレードクリーニング機構との関係図である。 ヘッドキャップ部材の移動動作の説明図であり、ヘッドキャップ部材のヘッドユニットが前下がり移動を開始した状態を示し、同図(A)は全体概要図、同図(B)はヘッドキャップ部材とブレードクリーニング機構との関係図である。 ヘッドキャップ部材の移動動作の説明図であり、第2位置p1にあるヘッドキャップ部材とブレードクリーニング機構との関係図である。 他の駆動軸支持構造を備えたブレードクリーニング機構を示す要部断面図である。 第2の実施の形態として示すブレードクリーニング機構の斜視図である。 同ブレードクリーニング機構の駆動軸を支持する軸支機構部位を示す要部分解斜視図である。 同軸支機構部位の断面図である。 同軸支機構部位を示す要部分解図である。
符号の説明
1 プリンタ装置、2 プリンタ本体、3 ヘッドユニット、5 印刷部、6 用紙、7 筐体、10 ヘッドキャップ部材着脱開口部、11 用紙搬送機構、15 プラテン、16 ヘッドユニット着脱開口部、17 蓋体、18 操作部、20 ヘッドフレーム、22 インク液カートリッジ装填部、23 ヘッド部、24 インク液カートリッジ、25 インク液吐出部、26 ノズルシート、26a ヘッド面、27 ノズル、36 ヘッドキャップ部材、37 ヘッドクリーニング機構、38 ヘッドキャップ駆動機構、39 吸着マット、40 ホルダ部、41 ブレード部材、42 ヘッドキャップロック機構、43 ヘッドキャップガイド機構、44 シャーシ側面部、45 支持枠部材、46 ヘッドキャップホルダ、47 ラックプレート、48 駆動モータ、50 第1スライドガイド溝、51 第2スライドガイド溝、53 第1コロ軸、54 第2コロ軸、55 第3スライドガイド溝、60 ブレードクリーニング機構、61 ベース部材、62 フレーム部材、63 ブレードクリーニングベルト、64 コイルスプリング、65 カム部材、66 駆動軸、67 従動軸、68 ワンウェイクラッチ軸受、72 ローレット部、73 軸受けケース、75 軸受けコロ、80 ワンウェイクラッチ軸受、81 軸受けケース、82 軸受け金具、83 クラッチ金具、84 軸受けコロ、90 ブレードクリーニング機構、91 引張りコイルスプリング、100 ヘッドクリーニング機構、101 引張りコイルスプリング、102 ワンウェイクラッチ軸受、103 軸受け組付部、107 軸受けスペーサ部材、109 軸支機構、110 軸受けホルダ部材、111 軸受けブッシュ

Claims (9)

  1. ヘッド面に沿って供給される対象物に対して、上記ヘッド面に開口するノズルから液体を吐出するヘッドユニットと、
    上記ヘッドユニットの上記ヘッド面と対向して移動自在に設けられ、上記ヘッド面を摺擦してクリーニングするヘッドワイパ部材と、
    上記ヘッドワイパ部材が上記ヘッド面との対向位置から退避位置へと移動する移動路の途中に配置され、上記ヘッドワイパ部材が移動途中で摺擦することによってそのクリーニングを行うワイパクリーニング機構とを備え、
    上記ワイパクリーニング機構が、
    上記ヘッドワイパ部材の移動方向に離間して設けられ少なくとも一方が回転支軸を構成する支軸間に掛け合わされ、上記移動路に臨ませられた対向面に上記ヘッドワイパ部材が摺擦することによってそのクリーニングを行うとともに所定量の送り動作が行われる無端ベルト体からなるワイパクリーニングベルトと、
    上記回転支軸に設けられて、上記回転支軸が上記ヘッドワイパ部材の往復動作のいずれか一方の移動動作においてのみ回転動作が行われて上記ワイパクリーニングベルトの一方方向の送り動作が行われるようにする逆転防止手段とを備える
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  2. シャーシに固定されるベース部材と、
    上記ベース部材に対して一端側を支点とし他端側を自由端として上記移動路に対して接離自在にして揺動自在に支持されるとともに、上記ワイパクリーニングベルトを掛け合わせる上記支軸を支架するフレーム部材と、
    上記ベース部材に設けた軸受け部に組み付けられ、上記フレーム部材の支軸を兼用する上記回転支軸の先端部が嵌合されるワンウェイクラッチ軸受と、
    上記フレーム部材に対して、その自由端側を上記移動路側に付勢する方向の弾性力を作用させる弾性手段とを備え、
    上記ワンウェイクラッチ軸受が、揺動動作する上記フレーム部材の一方動作を上記回転支軸に伝達して回動させることによって、上記ワイパクリーニングベルトの一方方向の送り動作を行う上記逆転防止手段を構成することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 上記回転支軸が、上記ベース部材に形成した軸受け部の軸孔に組み付けた軸受けブッシュによって上記ベース部材に支架されるとともに、この軸受けブッシュを貫通された先端部が上記ベース部材の側面に固定した上記ワンウェイクラッチ軸受に嵌合されることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 上記弾性手段が、上記回転支軸の軸支部を挟んで自由端と対向する上記フレーム部材の固定側端部と上記ベース部材との間に設けられることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
  5. 上記ベース部材に形成した軸受け部の軸孔に組み付けられて上記回転支軸の先端部を貫通させて軸支する軸受けブッシュと、
    上記ベース部材の側面に固定した軸受けケース部材内に、上記軸受け部の軸孔と同一軸線上に位置して収納されて上記回転支軸の先端部が嵌合される上記ワンウェイクラッチ軸受と、
    上記回転支軸の軸支部を挟んで自由端と対向する上記フレーム部材の固定側端部と上記ベース部材との間に張架され、上記フレーム部材に対してその自由端側を上記移動路側に付勢する方向の弾性力を作用させる上記弾性手段を構成する引張りコイルスプリングと
    を備えることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
  6. 上記回転支軸の外周部に、上記ワイパクリーニングベルトの滑止め手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  7. 上記ヘッドワイパ部材が、上記ヘッドユニットの上記ヘッド面を閉塞する第1位置と開放する第2位置とに亘って移動されるヘッドキャップ部材に設けられることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  8. 上記ワイパクリーニングベルトが、吸水特性を付与されたオレフィン系合成樹脂材若しくはウレタン系合成樹脂材により一体に形成された部材であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  9. 上記ヘッドユニットが、上記ヘッド面に多数個の上記ノズルを上記対象物の送り方向と直交する方向に配列してなり、上記液体を上記対象物に対してライン単位で吐出することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
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