JP6273954B2 - 加飾シート - Google Patents

加飾シート Download PDF

Info

Publication number
JP6273954B2
JP6273954B2 JP2014063761A JP2014063761A JP6273954B2 JP 6273954 B2 JP6273954 B2 JP 6273954B2 JP 2014063761 A JP2014063761 A JP 2014063761A JP 2014063761 A JP2014063761 A JP 2014063761A JP 6273954 B2 JP6273954 B2 JP 6273954B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
layer
decorative
meth
decorative sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014063761A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015182439A (ja
Inventor
仁明 松森
仁明 松森
明寿 野田
明寿 野田
宏樹 河西
宏樹 河西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2014063761A priority Critical patent/JP6273954B2/ja
Publication of JP2015182439A publication Critical patent/JP2015182439A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6273954B2 publication Critical patent/JP6273954B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Decoration By Transfer Pictures (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

本発明は、漆黒感などの濃色な意匠を鮮明に表出し得る加飾シート、及びこれを利用した加飾樹脂成形品に関する。
自動車内外装、建材内装材、家電製品などに使用される樹脂成形品や、無機ガラス代替材料として用いられる有機ガラス等に用いられる樹脂成形品などにおいては、表面保護や意匠性の付与などを目的として、加飾シートを積層する技術が用いられている。このような技術に使用される加飾シートとしては、ラミネート型の加飾シートと、転写型の加飾シートに大別することができる。ラミネート型の加飾シートは、支持基材上に表面保護層が最表面に位置するように積層されており、支持基材側に成形樹脂を積層することで、樹脂成形品中に支持基材が取り込まれるように用いられる。一方、転写型の加飾シートは、支持基材上に直接、または必要により設けられる離型層を介して表面保護層が積層されており、支持基材とは反対側に成形樹脂を積層後、支持基材を剥離することで、樹脂成形品に支持基材が残らないようにして用いられる。これら2種類の加飾シートは、樹脂成形品の形状や求める機能などに応じて使い分けがなされている。
近年、需要者の嗜好の多様性に伴い、転写型の加飾シートを用いて得られる樹脂成形品に対して、さらに高度な意匠性が要求されるようになってきており、例えば、漆黒感などの濃色系の漆を塗ったような濃色で艶のある鮮やかな色合いを有する高度な意匠が望まれている。漆黒感のような色艶を有する色合いの表出には、装飾層だけでなく、基材または表面保護層も寄与している。これに対して、装飾層に特定の顔料を用いるとともに、樹脂成形品の最外側に配置される層の透明度を高めることにより、例えば、周囲の像が樹脂成形品の表面に写り込むような濃色を表出する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された技術は、装飾層と樹脂成形品の最外側に配置される基材とが接しているラミネート型の加飾シートに関する技術である。一方、転写型の加飾シートにおいては、装飾層よりも外側に表面保護層、支持基材などが形成されており、シートの状態では装飾層は直接露呈していない。また、転写型の加飾シートは、成形樹脂と一体化され、支持基材が剥離された後に露呈する表面保護層が樹脂成形品の表面になる。このため、転写型の加飾シートを用いる場合、加飾シートによって加飾された樹脂成形品を観察したときの色艶を、製品設計時に設定した所望の色艶に近づけることは、より一層困難である。
このような問題を解決するために、例えば、特許文献2には、基材、離型層、表面保護層、プライマー層、及び装飾層をこの順に有する加飾用フィルムであって、該表面保護層が電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、該プライマー層がポリマーポリオールと、イソシアネート系硬化剤と、ガラス転移温度Tgが77℃以下のバインダー樹脂とを含むプライマー層形成用樹脂組成物の硬化物からなり、該バインダー樹脂の含有量が該ポリマーポリオールと該バインダー樹脂との合計に対して10〜60質量%である加飾用フィルムが開示されている。
特開2002−292798号公報 特開2013−75502号公報
特許文献2に開示された技術によれば、装飾層と基材との間にプライマー層などが配置されたり、基材が剥離された後に露呈する表面保護層が樹脂成形品の表面になる場合であっても、表出する色艶が鮮やかな色合いを有し、濃色、とりわけ漆黒感を鮮明に表出することが可能となる。一方、特許文献2のようにプライマー層を形成する樹脂を工夫する方法以外にも、漆黒感などの濃色な意匠を鮮明に表出する新たな技術の開発も要望されている。
本発明は、漆黒感などの濃色な意匠を鮮明に表出し得る加飾シートを提供することを主な目的とする。さらに、本発明は、当該加飾シートを利用した加飾樹脂成形品を提供することも目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、基材上に、少なくとも、表面保護層、プライマー層、及び装飾層がこの順に積層された加飾シートであって、装飾層が、黒色顔料を含み、プライマー層が、無機粒子及び有機粒子の少なくとも一方を合計12質量%以上含む加飾シートは、漆黒感などの濃色な意匠を鮮明に表出し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 基材上に、少なくとも、表面保護層、プライマー層、及び装飾層がこの順に積層された加飾シートであって、
前記装飾層が、黒色顔料を含み、
前記プライマー層が、無機粒子及び有機粒子の少なくとも一方の粒子を合計11質量%以上含む、加飾シート。
項2. 前記粒子の平均粒子径が0.01〜2μmの範囲にある、項1に記載の加飾シート。
項3. 前記無機粒子が、シリカ粒子である、項1または2に記載の加飾シート。
項4. 前記表面保護層が、無機粒子及び有機粒子の少なくとも一方の粒子を含む、項1〜3のいずれかに記載の加飾シート。
項5. 前記装飾層の前記プライマー層とは反対側に接着層が積層されてなる、項1〜4のいずれかに記載の加飾シート。
項6. 項1〜5のいずれかに記載の加飾シートを成形樹脂層に転写してなる、加飾樹脂成形品。
本発明によれば、漆黒感などの濃色な意匠を鮮明に表出し得る加飾シートを提供することができる。また、本発明によれば、当該加飾シートを利用した加飾樹脂成形品を提供することができる。
本発明の加飾シートの一形態の断面構造の模式図である。 本発明の支持体付き加飾樹脂成形品の一形態の断面構造の模式図である。 本発明の加飾樹脂成形品の一形態の断面構造の模式図である。 実施例で得られた樹脂成型品の表面について、コニカミノルタ社製分光測色計CM−2500dを用いてL、a、bのそれぞれを測定したグラフである。
1.加飾シート
本発明の加飾シートは、基材上に、少なくとも、表面保護層、プライマー層、及び装飾層がこの順に積層された加飾シートであって、装飾層が、黒色顔料を含み、プライマー層が、無機粒子及び有機粒子の少なくとも一方を合計11質量%以上含むことにより、漆黒感などの濃色な意匠を鮮明に表出し得る。本発明の加飾シートは、種々の被着体に積層後、基材を剥離することにより、表面保護層、プライマー層、及び装飾層を転写することにより使用できる。被着体は特に限定されないが、被着体として成形樹脂を用いることが好適に挙げられる。すなわち、本発明の加飾シートは、成形樹脂上に表面保護層、プライマー層、及び装飾層を転写し、加飾樹脂成形品を製造する用途において特に有用である。以下、本発明の加飾シートについて、加飾樹脂成形品を製造する用途に用いられる場合の態様を中心に詳述する。
加飾シートの積層構造
本発明の加飾シートは、基材1上に、少なくとも表面保護層3、プライマー層4、及び装飾層5を有する。基材1の表面保護層3側の表面には、基材1と表面保護層3との剥離性を高めることなどを目的として、必要に応じて、離型層2を設けてもよい。また、装飾層5と成形樹脂層8との密着性を高めることなどを目的として、必要に応じて、接着層6を有していてもよい。
本発明の加飾シートの積層構造として、基材/表面保護層/プライマー層/装飾層がこの順に積層された積層構造;基材/離型層/表面保護層/プライマー層/装飾層がこの順に積層された積層構造;基材/表面保護層/プライマー層/装飾層/接着層がこの順に積層された積層構造;基材/離型層/表面保護層/プライマー層/装飾層/接着層がこの順に積層された積層構造などが挙げられる。図1に、本発明の加飾シートの積層構造の一態様として、基材/離型層/表面保護層/プライマー層/装飾層/接着層がこの順に積層された加飾シートの一形態の断面構造の模式図を示す。
加飾シートを形成する各層の組成
[支持体10]
本発明の加飾シートは、支持体10として、基材1、及び必要に応じて離型層2を有する。また、後述の通り、基材1の上に形成された表面保護層3、プライマー層4、装飾層5、必要に応じてさらに形成される接着層6などが、転写層9を構成している。本発明においては、加飾シートと成形樹脂を一体成形した後に、支持体10と転写層9の界面が引き剥がされ、支持体10が剥離除去されて加飾樹脂成形品が得られる。
(基材1)
本発明において、基材1は、加飾シートにおいて支持部材としての役割を果たす支持体10として用いられる。本発明で用いられる基材1は、真空成形適性を考慮して選定され、代表的には熱可塑性樹脂からなる樹脂シートが使用される。該熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂;アクリル樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂;ポリカーボネート樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂);塩化ビニル樹脂等が挙げられる。
本発明においては、基材1として、ポリエステルシートを用いることが、耐熱性、寸法安定性、成形性、及び汎用性の点で好ましい。ポリエステルシートを構成するポリエステル樹脂とは、多価カルボン酸と、多価アルコールとから重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーを示し、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などを好ましく挙げることができ、ポリエチレンテレフタレート(PET)が、耐熱性や寸法安定性の点で特に好ましい。
また、基材1には、作業性を向上させる目的で、微粒子を含有させてもよい。微粒子としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、カオリンなどの無機粒子、アクリル系樹脂などからなる有機粒子、内部析出粒子などを挙げることができる。微粒子の平均粒径は0.01〜5.0μmが好ましく、0.05〜3.0μmがより好ましい。また、ポリエステル樹脂中の微粒子の含有量は0.01〜5.0質量%が好ましく、0.1〜1.0質量%がより好ましい。また、必要に応じて各種安定剤、潤滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、消泡剤、蛍光増白剤などを配合することもできる。
本発明に用いられるポリエステルシートは、例えば以下のように製造される。まず上記のポリエステル系樹脂とその他の原料をエクストルーダーなどの周知の溶融押出装置に供給し、当該ポリエステル系樹脂の融点以上の温度に加熱し溶融する。次いで溶融ポリマーを押出しながら、回転冷却ドラム状でガラス転移温度以下の温度になるよう急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。このシートを2軸方向に延伸してシート化し、熱固定を施すことで得られる。この場合、延伸方法は逐次2軸延伸でも同時2軸延伸でもよい。また、必要に応じ、熱固定を施す前又は後に再度縦及び/又は横方向に延伸してもよい。本発明においては十分な寸法安定性を得るため延伸倍率を面積倍率として7倍以下が好ましく、5倍以下がより好ましく、3倍以下がさらに好ましい。この範囲内であれば、得られるポリエステルシートを三次元成形加飾シートに用いた場合、該三次元成形加飾シートが射出樹脂を射出する際の温度域で再び収縮せず、当該温度域で必要なシート強度を得ることができる。なお、ポリエステルシートは、上記のように製造してもよいし、市販のものを用いてもよい。
また、基材1は、後述する離型層2との密着性を向上させる目的で、所望により、片面又は両面に酸化法や凹凸化法などの物理的又は化学的表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法などが挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理は、基材1の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から好ましく用いられる。また、基材1は、基材1とその上に設けられる層との層間密着性の強化などを目的として、易接着層を形成するなどの処理を施してもよい。なお、ポリエステルシートとして市販のものを用いる場合には、該市販品は予め上記したような表面処理が施されたものや、易接着剤層が設けられたものも用いることができる。
基材1の厚みは、通常10〜150μmであり、10〜125μmが好ましく、10〜80μmがより好ましい。また、基材1としては、これら樹脂の単層シート、あるいは同種又は異種樹脂による複層シートを用いることができる。
(離型層2)
離型層2は、基材1と表面保護層3との剥離性を高めることなどを目的として、必要に応じて、基材1の表面保護層3が積層される側の表面に設けられる。離型層2は、全面を被覆(全面ベタ状)しているベタ離型層であってもよいし、一部に設けられるものであってもよい。通常は、剥離性を考慮して、ベタ離型層が好ましい。
離型層2は、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂(例えば、アクリル−メラミン系樹脂が含まれる。)、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、硝化綿などの熱可塑性樹脂、該熱可塑性樹脂を形成するモノマーの共重合体、あるいはこれらの樹脂を(メタ)アクリル酸やウレタンで変性したものを、単独で又は複数を混合した樹脂組成物を用いて形成することができる。なかでも、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、これらの樹脂を形成するモノマーの共重合体、及びこれらをウレタン変性したものが好ましく、より具体的には、アクリル−メラミン系樹脂単独、アクリル−メラミン系樹脂含有組成物、ポリエステル系樹脂とエチレン及びアクリル酸の共重合体をウレタン変性したものとを混合した樹脂組成物、アクリル系樹脂とスチレン及びアクリルとの共重合体のエマルションとを混合した樹脂組成物などが挙げられる。これらの内、アクリル−メラミン系樹脂単独又はアクリル−メラミン系樹脂を50質量%以上含有組成物で離型層2を構成することが特に好ましい。なお、本発明において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸またはメタクリル酸を意味し、他の類似するものについても同様である。
離型層2の厚みは、通常、0.01〜5μm程度であり、好ましくは、0.05〜3μm程度である。
(転写層9)
本発明の加飾シートにおいては、支持体10の上に形成された、表面保護層3、プライマー層4、装飾層5、必要に応じてさらに形成される接着層6などが転写層9を構成している。本発明においては、加飾シートと成形樹脂を一体成形した後に、支持体10と転写層9の界面が引き剥がされ、加飾シートの転写層9が成形樹脂層8に転写された加飾樹脂成形品が得られる。
[表面保護層3]
表面保護層3は、加飾シートの耐薬品性、耐傷付き性などを高めるために、加飾樹脂成形品の最表面に位置するようにして、加飾シートに設けられる層である。本発明において、表面保護層3を形成する樹脂としては、特に制限されず、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、電離放射線硬化性樹脂などが挙げられる。これらの中でも、加飾シートの耐傷付き性を高め、優れた表面特性を付与する観点からは、電離放射線硬化性樹脂が好ましいが、表面保護層3を形成する樹脂は、加飾シートの用途に応じて適宜選択することができる。表面保護層3は、例えば電離放射線硬化性樹脂1層により形成されていてもよいし、これらの2層以上により形成されていてもよい。
熱硬化性樹脂としては、特に制限されず、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、水酸基官能性アクリル樹脂、カルボキシル官能性アクリル樹脂、アミド官能性共重合体、ウレタン樹脂などが挙げられる。また、熱可塑性樹脂としては、特に制限されず、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレートなどのアクリル樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリカーボネート樹脂;塩化ビニル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂);アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸エステル樹脂;などが挙げられる。
(電離放射線硬化性樹脂)
表面保護層3の形成に使用される電離放射線硬化性樹脂とは、電離放射線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂であり、具体的には、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基を有する、プレポリマー、オリゴマー、及びモノマーなどのうち少なくとも1種を適宜混合したものが挙げられる。ここで電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、通常紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も含むものである。電離放射線硬化性樹脂の中でも、電子線硬化性樹脂は、無溶剤化が可能であり、光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるため、表面保護層3の形成において好適に使用される。
電離放射線硬化性樹脂として使用される上記モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレートモノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子内に重合性不飽和結合を2個以上(2官能以上)、好ましくは3個以上(3官能以上)有する(メタ)アクリレートモノマーであればよい。多官能性(メタ)アクリレートとして、具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのモノマーは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、電離放射線硬化性樹脂として使用される上記オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレートオリゴマーが好適であり、中でも分子内に重合性不飽和結合を2個以上(2官能以上)有する多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば、ポリカーボネート(メタ)アクリレート、アクリルシリコーン(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー(例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等)等が挙げられる。ここで、ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、かつ末端または側鎖に(メタ)アクリレート基を有するものであれば特に制限されず、例えば、ポリカーボネートポリオールを(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、例えば、ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートなどであってもよい。ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリカーボネートポリオールと、多価イソシアネート化合物と、ヒドロキシ(メタ)アクリレートとを反応させることにより得られる。アクリルシリコーン(メタ)アクリレートは、シリコーンマクロモノマーを(メタ)アクリレートモノマーとラジカル共重合させることにより得ることができる。ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネート化合物の反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。エポキシ(メタ)アクリレートは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレートを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートも用いることができる。ポリエステル(メタ)アクリレートは、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、或いは多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレートは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリブタジエン(メタ)アクリレートは、ポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリル酸を付加することにより得ることができる。シリコーン(メタ)アクリレートは、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーンの末端又は側鎖に(メタ)(メタ)アクリル酸を付加することにより得ることができる。これらの中でも、多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ポリカーボネート(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどが特に好ましい。これらのオリゴマーは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記した電離放射線硬化性樹脂の中でも、優れた三次元成形性を得る観点からは、ポリカーボネート(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。また、三次元成形性と耐傷付き性を両立する観点からは、ポリカーボネート(メタ)アクリレートとウレタン(メタ)アクリレートを組み合わせて使用することがより好ましい。また、電離放射線硬化性樹脂として多官能性(メタ)アクリレートモノマーを用いる場合、優れた三次元成形性を得る観点からは、アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂と組み合わせて使用することが好ましく、三次元成形性と耐傷付き性を両立する観点からは、電離放射線硬化性樹脂組成物中の多官能性(メタ)アクリレートモノマーと熱可塑性樹脂との質量比を25:75〜75:25とすることがより好ましい。
<無機粒子及び有機粒子>
表面保護層3は、加飾シートの耐薬品性、耐傷付き性を向上させること、漆黒感などの濃色な意匠を鮮明に表出させることなどを目的として、無機粒子及び有機粒子の少なくとも一方の粒子を含んでいてもよい。表面保護層3が無機粒子及び有機粒子の少なくとも一方の粒子を含む場合、表面保護層3におけるこれらの粒子の合計含有量としては、好ましくは30〜60質量%程度、好ましくは40〜50質量%程度が挙げられる。また、表面保護層3に含まれるこれらの粒子の平均粒子径としては、好ましくは0.01〜0.5μm程度が挙げられる。表面保護層3におけるこれらの粒子の含有量及び粒子径を上記の範囲とすることで、本発明の加飾シートにより得られる漆黒感をより鮮明にすることができる。また、表面保護層3における無機粒子及び有機粒子の種類としては、後述のプライマー層4で例示したものと同様のものを用いることができる。なお、表面保護層3に含まれるこれらの粒子の平均粒子径の測定方法及び算出方法は、後述のプライマー層4に示した方法と同様である。
(他の添加成分)
表面保護層3を形成する電離放射線硬化性樹脂組成物には、表面保護層3に備えさせる所望の物性に応じて、上記の無機粒子及び有機粒子の他、各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば紫外線吸収剤や光安定剤等の耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤、等が挙げられる。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができる。また、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基等の重合性基を有する反応性の紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。
(表面保護層3の厚み)
表面保護層3の硬化後の厚みについては、特に制限されないが、例えば、1〜1000μm、好ましくは1〜50μm、更に好ましくは1〜30μmが挙げられる。このような範囲の厚みを満たすと、耐傷付き性、耐候性等の表面保護層としての十分な物性が得られると共に、表面保護層3を電離放射線硬化性樹脂を用いて形成する場合には電離放射線を均一に照射することが可能であるため、均一に硬化することが可能となり、経済的にも有利になる。更に、表面保護層3の硬化後の厚みが前記範囲を充足することによって、加飾シートの三次元成形性が一層向上するため自動車内装用途等の複雑な三次元形状に対して高い追従性を得ることができる。このように、本発明の加飾シートは表面保護層3の厚みを従来のものより厚くしても、十分に高い三次元成形性が得られることから、特に表面保護層3に高い膜厚を要求される部材、例えば車両外装部品等の加飾シートとしても有用である。
(電離放射線硬化性樹脂を用いる場合の表面保護層3の形成)
表面保護層3の形成は、例えば、電離放射線硬化性樹脂を含む電離放射線硬化性樹脂組成物を調製し、これを塗布し、架橋硬化することにより行われる。なお、電離放射線硬化性樹脂組成物の粘度は、後述の塗布方式により、表面保護層3の下に位置するプライマー層4の表面に未硬化樹脂層を形成し得る粘度であればよい。
本発明においては、調製された塗布液を、前記厚みとなるように、表面保護層3の下に位置するプライマー層4の上に、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方式、好ましくはグラビアコートにより塗布し、未硬化樹脂層を形成させる。
このようにして形成された未硬化樹脂層に、電子線、紫外線等の電離放射線を照射して該未硬化樹脂層を硬化させて表面保護層3を形成する。ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度が挙げられる。
なお、電子線の照射において、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、表面保護層3の下に電子線照射によって劣化しやすい樹脂を使用する場合には、電子線の透過深さと表面保護層3の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定する。これにより、表面保護層3の下に位置する層への余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による各層の劣化を最小限にとどめることができる。
また、照射線量は、表面保護層3の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。
更に、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含む光線を放射すればよい。紫外線源としては、特に制限されないが、例えば、高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈、紫外線発光ダイオード(LED−UV)等が挙げられる。
かくして形成された表面保護層3には、各種の添加剤を添加することにより、ハードコート機能、防曇コート機能、防汚コート機能、防眩コート機能、反射防止コート機能、紫外線遮蔽コート機能、赤外線遮蔽コート機能等の機能を付与する処理を行ってもよい。
なお、表面保護層3を樹脂フィルムにより形成する場合には、表面保護層3の下に位置するプライマー層4の上に樹脂フィルムを積層すればよい。なお、樹脂フィルムとしては、上記した無機粒子、有機粒子、他の添加剤を含む樹脂フィルムや、サンドブラスト加工等の表面加工を施された樹脂フィルムを用いることもできる。
[プライマー層4]
プライマー層4は、表面保護層3とその下(支持体10とは反対側)に位置する層との密着性を高め、かつ、無機粒子及び有機粒子の少なくとも一方の粒子を11質量%以上含むことによって、黒色顔料を含む後述の装飾層5との相互作用により、転写後の加飾樹脂成形品に漆黒感などの濃色な意匠を鮮明に表出させるために設けられる層である。プライマー層4は、無機粒子及び有機粒子の少なくとも一方の粒子と樹脂を含むプライマー層形成用組成物により形成することができる。
<無機粒子及び有機粒子>
プライマー層4中の無機粒子及び有機粒子の少なくとも一方の粒子の合計含有量としては、11質量%以上であれば特に制限されないが、漆黒感などの濃色な意匠を鮮明に表出させる観点からは、好ましくは11〜50質量%程度、より好ましくは25〜35質量%程度が挙げられる。
無機粒子及び有機粒子の平均粒子径としては、特に制限されないが、装飾層5との相互作用によって漆黒感などの濃色な意匠を鮮明に表出させる観点からは、好ましくは0.01〜3μm程度、より好ましくは1〜2μm程度が挙げられる。なお、無機粒子及び有機粒子の平均粒子径は、溶液中の該粒子を動的光散乱方法で測定し、粒子径分布を累積分布で表したときの50%粒子径(d50:メジアン径)を意味し、Microtrac粒度分析計(日機装株式会社製)を用いて測定された値である。
無機粒子としては、特に制限されないが、装飾層5との相互作用によって漆黒感などの濃色な意匠を鮮明に表出させる観点からは、シリカ粒子(コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、沈降性シリカなど)、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、チタニア粒子、酸化亜鉛粒子などの金属酸化物粒子が好ましく挙げられ、シリカ粒子及びアルミナ粒子が好ましく、特にシリカ粒子が好ましい。無機粒子は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
有機粒子としては、特に制限されないが、装飾層5との相互作用によって漆黒感などの濃色な意匠を鮮明に表出させる観点からは、ウレタンビーズ、ナイロンビーズ、アクリルビーズ、シリコーンビーズ、スチレンビーズ、メラミンビーズ、ウレタンアクリルビーズ、ポリエステルビーズ、ポリエチレンビーズなどが挙げられる。これらの中でも、好ましくはウレタンビーズ、ナイロンビーズ、アクリルビーズが挙げられる。有機粒子は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
無機粒子及び有機粒子の形状としては、球、楕円体、多面体、鱗片形などが挙げられ、これらの形状が均一で、整粒であることが好ましい。無機粒子及び有機粒子は、それぞれ、市販品を使用することもできる。
プライマー層4は、無機粒子及び有機粒子の少なくとも一方の粒子を含めばよいが、無機粒子を含むことが好ましく、プライマー層4に含まれる粒子は実質的に無機粒子のみであってもよい。
プライマー層4の形成に用いられる樹脂としては、特に制限されず、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、(メタ)アクリル−ウレタン共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂等が挙げられる。これらの樹脂の中でも、好ましくは、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、及び(メタ)アクリル−ウレタン共重合体樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記ウレタン樹脂としては、ポリオール(多価アルコール)を主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするポリウレタンを使用できる。ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有する化合物であればよく、具体的には、ポリエステルポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。上記イソシアネートとしては、具体的には、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネート;4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(又は脂環族)イソシアネートが挙げられる。
上記ウレタン樹脂の中でも、架橋後の密着性の向上等の観点から、好ましくは、ポリオールとしてアクリルポリオール、又はポリエステルポリオールと、架橋材としてヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートとから組み合わせ;さらに好ましくは、アクリルポリオールとヘキサメチレンジイソシアネートとを組み合わせが挙げられる。
上記アクリル樹脂としては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、2種以上の異なる(メタ)アクリル酸エステルモノマーの共重合体、又は(メタ)アクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。(メタ)アクリル樹脂として、より具体的には、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これらのアクリル樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(メタ)アクリル−ウレタン共重合体樹脂としては、特に制限されないが、例えば、アクリル−ウレタン(ポリエステルウレタン)ブロック共重合系樹脂が挙げられる。また、硬化剤としては、前述する各種イソシアネートが用いられる。アクリル−ウレタン(ポリエステルウレタン)ブロック共重合系樹脂におけるアクリルとウレタン比の比率については、特に制限されないが、例えば、アクリル/ウレタン比(質量比)として、9/1〜1/9、好ましくは8/2〜2/8が挙げられる。
プライマー層4の厚みについては、特に制限されないが、例えば0.1〜10μm程度、好ましくは1〜10μm程度が挙げられる。プライマー層4がこのような厚みを充足することにより、加飾シートの漆黒感などの濃色な意匠をより鮮明に表出させると共に、表面保護層3の割れ、破断、白化等を有効に抑制することができる。
プライマー層4は、プライマー層4を形成するプライマー層形成用組成物を用いて、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンナーコート、ロールコート、リバースロールコート、キスコート、ホイラーコート、ディップコート、シルクスクリーンによるベタコート、ワイヤーバーコート、フローコート、コンマコート、かけ流しコート、刷毛塗り、スプレーコート等の通常の塗布方法や転写コーティング法により形成される。ここで、転写コーティング法とは、薄いシート(フィルム基材)にプライマー層や接着層の塗膜を形成し、その後に加飾シート中の対象となる層表面に被覆する方法である。
[装飾層5]
装飾層5は、上記のプライマー層4と共に、転写後の加飾樹脂成形品に漆黒感などの濃色な意匠を鮮明に表出するために設けられる層である。装飾層5は、黒色顔料を含む。装飾層5に含まれる黒色顔料による黒色の意匠が、上記のプライマー層4と相互作用して、転写後の加飾樹脂成形品に漆黒感などの濃色な意匠を鮮明に表出する。装飾層5は、部分的に設けられた層であってもよいが、加飾シートの全面に形成されている(全面ベタ層である)ことが好ましい。
黒色顔料としては、黒色を表出させることができるものであれば特に制限されず、例えば、カーボンブラック、マグネタイト型四酸化三鉄などが挙げられる。黒色顔料は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
装飾層5における黒色顔料の含有量としては、特に制限されないが、上記のプライマー層4との相互作用によって漆黒感などの濃色な意匠を鮮明に表出させる観点からは、好ましくは10〜20質量%程度、より好ましくは12〜14質量%程度が挙げられる。
装飾層5は、黒色顔料、バインダー樹脂、及び溶剤又は分散媒を含む印刷インキを用いて形成される。
装飾層5は、本発明の効果を阻害しない範囲において、黒色顔料以外の他の着色剤を含んでいてもよい。他の着色剤としては、特に制限されないが、例えば、アルミニウム、クロム、ニッケル、錫、チタン、リン化鉄、銅、金、銀、真鍮等の金属、合金、又は金属化合物の鱗片状箔粉からなるメタリック顔料;マイカ状酸化鉄、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、二酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、着色二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料;アルミン酸ストロンチウム、アルミン酸カルシウム、アルミン酸バリウム、硫化亜鉛、硫化カルシウム等の蛍光顔料;二酸化チタン、亜鉛華、三酸化アンチモン等の白色無機顔料;亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛等の無機顔料;イソインドリノンイエロー、ハンザイエローA、キナクリドンレッド、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料(染料も含む)等が挙げられる。これらの他の着色剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、装飾層5の形成に用いられる印刷インキのバインダー樹脂としては、特に制限されないが、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、装飾層5の形成に用いられる印刷インキの溶剤又は分散媒としては、特に制限されないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水等が挙げられる。これらの溶剤又は分散媒は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、装飾層5の形成に使用される印刷インキには、必要に応じて、沈降防止剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、増粘剤、消泡剤、滑剤等が含まれていてもよい。
装飾層5は、プライマー層4上など隣接する層の上に、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等の公知の印刷法によって形成することができる。
装飾層5の厚さについては、特に制限されないが、例えば、1〜40μm、好ましくは3〜30μmが挙げられる。
[接着層6]
接着層6は、加飾シートと成形樹脂層8との密着性などを向上させることなどを目的として、装飾層5の裏面(成形樹脂層8側)などに必要に応じて設けられる層である。接着層6を形成する樹脂としては、これらの層間の密着性や接着性を向上させることができるものであれば、特に制限されず、例えば、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリル変性ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ウレタン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等挙げられる。熱硬化性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
接着層6は必ずしも必要な層ではないが、本発明の加飾シートを、例えば後述する真空圧着法など、予め用意された樹脂成形体上へ貼着による加飾方法に適用することを想定した場合は、設けられていることが好ましい。真空圧着法に用いる場合、上記した各種の樹脂のうち、加圧又は加熱により接着性を発現する樹脂として慣用のものを使用して接着層6を形成することが好ましい。
接着層6の厚みは、特に制限されないが、例えば、0.1〜30μm程度、好ましくは0.5〜20μm程度、さらに好ましくは1〜8μm程度が挙げられる。
3.加飾樹脂成形品及びその製造方法
本発明の加飾樹脂成形品は、本発明の加飾シートに成形樹脂を一体化させ、表面保護層3、プライマー層4、及び装飾層5を含む転写層9を成形樹脂層8に転写することにより製造することができる。具体的には、本発明の加飾シートを転写型の加飾シートとして用い、当該加飾シートの支持体10とは反対側に成形樹脂層8を積層することにより、少なくとも成形樹脂層8と、装飾層5と、プライマー層4と、表面保護層3と、支持体10とがこの順に積層された、支持体付き加飾樹脂成形品が得られる(例えば図2を参照)。次に、支持体付き加飾樹脂成形品から支持体10を剥離することにより、少なくとも成形樹脂層8と、装飾層5と、プライマー層4と、表面保護層3とが積層された本発明の加飾樹脂成形品が得られる(例えば図3を参照)。図3に示されるように、本発明の加飾樹脂成形品では、必要に応じて、上述の接着層6などがさらに設けられていてもよい。本発明の加飾シートにおいて、表面保護層3、装飾層5、プライマー層4、及び接着層6などが転写層9を形成しており、基材1及び離型層2が支持体10を形成しており、加飾シートの転写層9が成形樹脂層8に転写されて加飾樹脂成形品が得られる。
転写用加飾シートによる本発明の加飾樹脂成形品の製造方法としては、以下の工程(1)〜(5)を含む方法が挙げられる。
(1)まず、上記加飾シートの装飾層側(支持体と反対側)を金型内に向けて、熱盤によって装飾層側から加飾シートを加熱する工程、
(2)加熱された該加飾シートを金型内形状に沿うように予備成形(真空成形)して金型内面に密着させて型締する工程、
(3)樹脂を金型内に射出する工程、
(4)該射出樹脂が冷却した後に金型から加飾樹脂成形品(支持体付き加飾樹脂成形品)を取り出す工程、及び
(5)加飾樹脂成形品の表面保護層から支持体を剥離する工程。
上記両工程(1)及び(2)において、加飾シートを加熱する温度は、基材1のガラス転移温度近傍以上で、かつ、溶融温度(又は融点)未満の範囲であることが好ましい。通常はガラス転移温度近傍の温度で行うことが、より好ましい。なお、上記のガラス転移温度近傍とは、ガラス転移温度±5℃程度の範囲を指し、基材1として好適なポリエステルフィルムを使用する場合には、一般に70〜130℃程度である。なお、あまり複雑でない形状の金型を用いる場合は、加飾シートを加熱する工程や、加飾シートを予備成形する工程を省略し、後記する工程(3)において、射出樹脂の熱と圧力によって加飾シートを金型の形状に成形してもよい。
上記工程(3)において、後述する成形用樹脂を溶融させて、キャビティ内に射出して該加飾シートと成形用樹脂とを一体化させる。成形用樹脂が熱可塑性樹脂の場合は、加熱溶融によって流動状態にして、また、成形用樹脂が熱硬化性樹脂の場合は、未硬化の液状組成物を室温又は適宜加熱して流動状態で射出して、冷却して固化させる。これによって、加飾シートが、形成された樹脂成形体と一体化して貼り付き、支持体付き加飾樹脂成形品となる。射出樹脂の加熱温度は、成形用樹脂の種類によるが、一般に180〜320℃程度である。
このようにして得られた支持体付き加飾樹脂成形品は、工程(4)において冷却した後に金型から取り出した後、工程(5)において支持体10を表面保護層3から剥離することにより加飾樹脂成形品を得る。また、支持体10を表面保護層3から剥離する工程は、加飾樹脂成形品を金型から取り出す工程と同時に行われてもよい。すなわち、工程(5)は工程(4)に含まれるものであってもよい。
さらに、加飾樹脂成形品の製造は、真空圧着法により行うこともできる。真空圧着法では、まず、上側に位置する第1真空室及び下側に位置する第2真空室からなる真空圧着機内に、本発明の加飾シート及び樹脂成形体を、加飾シートが第1真空室側、樹脂成形体が第2真空室側となるように、且つ加飾シートの成形樹脂層8を積層する側が樹脂成形体側に向くように真空圧着機内に設置し、2つの真空室を真空状態とする。樹脂成形体は、第2真空室側に備えられた、上下に昇降可能な昇降台上に設置される。次いで、第1の真空室を加圧すると共に、昇降台を用いて成形体を加飾シートに押し当て、2つの真空室間の圧力差を利用して、加飾シートを延伸しながら樹脂成形体の表面に貼着する。最後に2つの真空室を大気圧に開放し、支持体10を剥離し、必要に応じて加飾シートの余分な部分をトリミングすることにより、本発明の加飾樹脂成形品を得ることができる。
真空圧着法においては、上記の成形体を加飾シートに押し当てる工程の前に、加飾シートを軟化させて成形性を高めるため、加飾シートを加熱する工程を備えることが好ましい。当該工程を備える真空圧着法は、特に真空加熱圧着法と呼ばれることがある。当該工程における加熱温度は、加飾シートを構成する樹脂の種類や、加飾シートの厚みなどによって適宜選択すればよいが、例えば基材1としてポリエステル樹脂フィルムやアクリル樹脂フィルムを使用する場合であれば、通常60〜200℃程度とすることができる。
本発明の加飾樹脂成形品において、成形樹脂層8は、用途に応じた樹脂を選択して形成すればよい。成形樹脂層8を形成する成形用樹脂としては、熱可塑性樹脂であってもよく、また熱硬化性樹脂であってもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
なお、支持体付き加飾樹脂成形品において、支持体10は、加飾樹脂成形品の保護シートとしての役割を果たすので、支持体付き加飾樹脂成形品の製造後に剥離させずにそのまま保管しておき、用時に支持体10を剥がしてもよい。このような態様で使用することにより、輸送時の擦れ等によって加飾樹脂成形品に傷付きが生じるのを防止することができる。
本発明の加飾樹脂成形品は、漆黒感などの濃色な意匠が鮮明に表出されているため、例えば、自動車等の車両の内装材又は外装材;窓枠、扉枠等の建具;壁、床、天井等の建築物の内装材;テレビ受像機、空調機等の家電製品の筐体;容器等として利用することができる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。但し本発明は実施例に限定されるものではない。
[加飾シートの製造]
以下の手順により、表面保護層に含まれるシリカ粒子の平均粒子径と含有量とが表1に記載となるようにした加飾シートをそれぞれ製造した。なお、シリカ粒子の平均粒子径は、上記の方法で測定した値である。
基材として、一方面に易接着剤層が形成されたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ50μm)を用いた。ポリエチレンテレフタレートフィルムの易接着剤層の面に、メラミン系樹脂を主成分とすると塗工液をグラビア印刷にて印刷して離型層(厚さ1μm)を形成した。次いで、離型層の上に、下記の電離放射線硬化性樹脂組成物を、硬化後の厚さが3μmとなるようにバーコーダーにより塗工し、表面保護層形成用塗布膜を形成した。この塗膜上から加速電圧165kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して、表面保護層形成用塗布膜を硬化させて表面保護層を形成した。この表面保護層の上に、シリカ粒子を含むポリウレタン系2液硬化型樹脂(アクリル系ポリマーポリオールと硬化剤としてキシリレンジイソシアネートとをNCO当量とOH当量とが同量になるように含む;アクリル系ポリマーポリオールの未硬化時のガラス転移温度Tgは100℃)を含むプライマー層形成用の樹脂組成物をグラビアにより塗工し、プライマー層(厚み1.5μm)を形成した。更に、プライマー層上に、アクリル系樹脂及び塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂をバインダー樹脂(アクリル樹脂50質量%、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂50質量%)として含む装飾層形成用黒色系インキ組成物を用いて、黒ベタの装飾層(厚さ2μm)をグラビア印刷により形成した。更に、装飾層上に、アクリル系樹脂(軟化温度:125℃)を含む接着層形成用の樹脂組成物を用いて、接着層(厚さ2μm)をグラビア印刷により形成することにより、基材/離型層/表面保護層/プライマー層/装飾層/接着層が順に積層された加飾シートを製造した。
<電離放射線硬化性樹脂組成物>
・多官能(メタ)アクリレートモノマー(ペンタエリスリトールトリアクリレート,分子量:298)40質量部、重量平均分子量Mw150000の熱可塑性樹脂(アクリル樹脂,ガラス転移温度Tg:105℃)60質量部、その他紫外線吸収剤:1.1質量部、光安定剤:0.6質量部、及びレベリング剤0.2質量部を含む電離放射線硬化性樹脂組成物
[樹脂成形品の製造]
上記で得られた各加飾シートを金型に入れて、赤外線ヒーターで350℃、7秒間加熱し、真空成形で金型内の形状に沿うように予備成形して型締した(最大延伸倍率100%)。その後、射出樹脂を金型のキャビティ内に射出し、該加飾シートと射出樹脂とを一体化成形し、金型から取り出すと同時に支持体(基材及び離型層)を剥離除去することにより、樹脂成形品を得た。得られた樹脂成形品の表面を目視で観察し、シリカ粒子の含有量が0質量%の樹脂成形品を基準品として下記の基準により漆黒感の評価を行った。また、樹脂成型品の表面について、コニカミノルタ社製分光測色計CM−2500d
を用いてL、a、b(Lab色空間)のそれぞれの測定を行った。結果を以下の表1及び図4のグラフに示す。
(目視での観察による漆黒感の評価)
◎:基準品に比べ明らかに深い漆黒感が得られており、極めて優れた意匠感を有していた
○:基準品に比べ深い漆黒感が得られており、優れた意匠感を有していた
△:基準品に比べ漆黒感がやや増しており、意匠性が向上していると認識された
×:基準品との漆黒感の違いがあまり感じられなかった
表1及び図4に示される結果と、目視による判断より、プライマー層にシリカ粒子が11質量%以上含まれると、漆黒感を高める効果が明瞭に発揮され、25質量%以上で当該効果が最大となることが明らかとなった。
1 基材
2 離型層
3 表面保護層
4 プライマー層
5 装飾層
6 接着層
8 成形樹脂層
9 転写層
10 支持体

Claims (6)

  1. 基材上に、少なくとも、表面保護層、プライマー層、及び装飾層がこの順に積層された加飾シートであって、
    前記装飾層が、黒色顔料を含み、
    前記プライマー層が、無機粒子及び有機粒子の少なくとも一方の粒子を合計11質量%以上含む、加飾シート。
  2. 前記粒子の平均粒子径が0.01〜3μmの範囲にある、請求項1に記載の加飾シート。
  3. 前記無機粒子が、シリカ粒子である、請求項1または2に記載の加飾シート。
  4. 前記表面保護層が、無機粒子及び有機粒子の少なくとも一方の粒子を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の加飾シート。
  5. 前記装飾層の前記プライマー層とは反対側に接着層が積層されてなる、請求項1〜4のいずれかに記載の加飾シート。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の加飾シートを成形樹脂層に転写してなる、加飾樹脂成形品。
JP2014063761A 2014-03-26 2014-03-26 加飾シート Active JP6273954B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014063761A JP6273954B2 (ja) 2014-03-26 2014-03-26 加飾シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014063761A JP6273954B2 (ja) 2014-03-26 2014-03-26 加飾シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015182439A JP2015182439A (ja) 2015-10-22
JP6273954B2 true JP6273954B2 (ja) 2018-02-07

Family

ID=54349515

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014063761A Active JP6273954B2 (ja) 2014-03-26 2014-03-26 加飾シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6273954B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7136578B2 (ja) * 2018-04-13 2022-09-13 サカタインクス株式会社 積層体

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005144836A (ja) * 2003-11-14 2005-06-09 Dainippon Printing Co Ltd 虹彩色防止転写箔、及びその製造方法、並びに転写体
JP2011167844A (ja) * 2008-06-11 2011-09-01 Nissha Printing Co Ltd 干渉縞防止剤を含有する転写シートとその加飾成形品
JP2012011712A (ja) * 2010-07-02 2012-01-19 Dainippon Printing Co Ltd 干渉模様防止転写箔、及びその製造方法、並びに転写体
JP5845772B2 (ja) * 2011-09-26 2016-01-20 大日本印刷株式会社 三次元成形加飾フィルム、基材付き加飾成形品及び加飾成形品、並びにそれらの製造方法
WO2013046752A1 (ja) * 2011-09-30 2013-04-04 大日本印刷株式会社 加飾シート及びそれを用いてなる加飾樹脂成形品
JP5821484B2 (ja) * 2011-09-30 2015-11-24 大日本印刷株式会社 加飾用フィルム及びこの加飾用フィルムを用いて製造される加飾成形品の製造方法、並びに加飾用フィルムを用いた加飾成形品
JP2014218018A (ja) * 2013-05-09 2014-11-20 サン・トックス株式会社 転写加飾シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015182439A (ja) 2015-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6747295B2 (ja) 加飾シート
JP6427911B2 (ja) 三次元成形用シート
JP6015317B2 (ja) 加飾シート、及び加飾樹脂成形品
JP6451452B2 (ja) 転写シート及びこれを用いた加飾樹脂成形品
JP5861414B2 (ja) 射出成形同時積層用フィルム及び成形品、並びにそれらの製造方法
JP6467841B2 (ja) 転写シート
JP6331547B2 (ja) 加飾シート、及び加飾樹脂成形品
JP2019089335A (ja) 三次元成形用転写フィルム
JP6414496B2 (ja) 三次元成形用転写フィルム
JP6728569B2 (ja) 転写シート及びこれを用いた加飾樹脂成形品
JP2019048472A (ja) 表面加工フィルム及びその製造方法
WO2018062486A1 (ja) 三次元成形用転写フィルム、その製造方法、及び樹脂成形品の製造方法
JP6936977B2 (ja) 三次元成形用転写シート及び加飾樹脂成形品の製造方法
JP6331546B2 (ja) 加飾シートの製造方法
JP6273954B2 (ja) 加飾シート
JP6379580B2 (ja) 加飾シート及び加飾樹脂成形品
JP2018144235A (ja) 三次元成形用転写シート及び加飾樹脂成形品の製造方法
JP7119506B2 (ja) 三次元成形用転写フィルム、樹脂成形品、及びこれらの製造方法
JP6476694B2 (ja) 転写シートの製造方法
JP7192218B2 (ja) 三次元成形用転写フィルム、その製造方法、及び樹脂成形品の製造方法
JP2018140632A (ja) 三次元成形用転写フィルム及び樹脂成形品の製造方法
JP7354533B2 (ja) 加飾シート及び樹脂成形品の製造方法
JP2018086851A (ja) 加飾シート及び加飾樹脂成形品
JP2019064026A (ja) 三次元成形用転写フィルム及び樹脂成形品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6273954

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150