JP6451452B2 - 転写シート及びこれを用いた加飾樹脂成形品 - Google Patents
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Description
このような状況下、本発明は、未硬化又は半硬化の表面保護層を転写基材の表面に形成した後、転写基材の反対側の表面に盛上層を形成して転写シートを製造した場合にも、転写基材の上に形成された盛上層によって、加飾樹脂成形品の表面への凹凸形状の形成が可能であり、かつ、未硬化又は半硬化の状態で転写可能な表面保護層を備えた転写シートを提供することを主な目的とする。
項1. 第1の面及び第2の面を有する、単層又は複層からなる転写基材と、前記転写基材の前記第1の面側に積層された表面保護層と、前記転写基材の前記第2の面側に積層された盛上層とを有する転写シートであって、
前記盛上層は、紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物により形成されており、
前記表面保護層は、未硬化又は半硬化の紫外線硬化性樹脂組成物により形成されており、
前記転写基材は、紫外線吸収剤、紫外線反射剤、及び着色剤のうち少なくとも一種類を含んでいる、転写シート。
項2. 前記転写基材が基材フィルム層を有しており、
前記基材フィルム層が紫外線吸収剤、紫外線反射剤、及び着色剤のうち少なくとも一種類を含んでいる、項1に記載の転写シート。
項3. 前記転写基材が、前記第1の面側から順に、基材フィルム層と、樹脂コート層とを有しており、
前記樹脂コート層が、紫外線吸収剤、紫外線反射剤、及び着色剤のうち少なくとも一種類を含んでいる、項1または2に記載の転写シート。
項4. 前記転写基材が、前記第1の面側から順に、離型層と、基材フィルム層とを有しており、
前記離型層が紫外線吸収剤、紫外線反射剤、及び着色剤のうち少なくとも一種類を含んでいる、項1〜3のいずれかに記載の転写シート。
項5. 前記転写基材の単位面積あたり紫外線吸収剤、紫外線反射剤、及び着色剤の含有量の合計が、180mg/m2以上である、項1〜4のいずれかに記載の転写シート。
項6.紫外線吸収剤、紫外線反射剤、及び着色剤のうち少なくとも一種類を含む転写基材の第1の面に、表面保護層を形成する紫外線硬化性樹脂組成物を積層する工程と、
前記転写基材の第2の面に、盛上層を形成する紫外線硬化性樹脂組成物を凹凸状に積層する工程と、
前記転写基材の第2の面側から紫外線を照射して、前記盛上層を硬化させる工程と、
を備える、転写シートの製造方法。
項7. 項1〜5のいずれかに記載の転写シートを樹脂成形品に積層して、前記転写基材及び盛上層を剥離する工程と、
前記未硬化又は半硬化の表面保護層に紫外線を照射して前記表面保護層を硬化させる工程と、
を備える、加飾樹脂成形品の製造方法。
本発明の転写シートは、第1の面及び第2の面を有する、単層又は複層からなる転写基材と、前記転写基材の前記第1の面側に積層された表面保護層と、前記転写基材の前記第2の面側に積層された盛上層とを有する転写シートにおいて、前記盛上層が、紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物により形成されており、前記表面保護層が、未硬化又は半硬化の紫外線硬化性樹脂組成物により形成されており、前記転写基材が、紫外線吸収剤、紫外線反射剤、及び着色剤の少なくとも一種類を含んでいることを特徴とする。本発明の転写シートは、このような構成を有することにより、未硬化又は半硬化の表面保護層を転写基材の表面に形成した後、転写基材の反対側の表面に盛上層を形成して転写シートを製造した場合にも、転写基材の上に形成された盛上層によって、加飾樹脂成形品の表面への凹凸形状の形成が可能であり、かつ、未硬化又は半硬化の状態で転写可能な表面保護層を備えた転写シートとすることができる。
本発明の転写シートは、少なくとも、第1の面10a及び第2の面10bを有する転写基材10と、転写基材10の第1の面10a側に積層された表面保護層5と、転写基材の前記第2の面側に積層された盛上層1とを備える積層構造を有する。
[転写基材10]
転写基材10は、表面保護層5に隣接して設けられており、未硬化又は半硬化の表面保護層5から剥離可能な基材である。転写基材10は、紫外線吸収剤、紫外線反射剤、及び着色剤の少なくとも一種類(以下、単に「紫外線吸収剤等」ということがある)を含んでいることを特徴とする。本発明の転写シートにおいては、紫外線吸収剤等が転写基材10に含まれていることにより、盛上層1側から紫外線が照射されて、盛上層1が硬化形成される際に、転写基材10に含まれる紫外線吸収剤等によって、紫外線が吸収または反射され、表面保護層5に紫外線が到達することを効果的に抑制することができる。このため、転写シートを樹脂成形品に転写する際に、転写基材の上に形成された盛上層(硬化後)によって、加飾樹脂成形品の表面への凹凸形状の形成が可能な転写シートであって、かつ、未硬化又は半硬化の状態で転写可能な表面保護層を備えた転写シートとすることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、下記(1)〜(5)のようなものを好適に使用することができる。
(1)ベンゾフェノン系:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン−5−スルホン酸等、
(2)ベンゾトリアゾール系:2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等、
(3)アクリレート系:エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等、
(4)サリシレート系:フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート等、
(5)オキザニリド系:2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシドビスアニリド、2−エトキシン−5−t−ブチル−2’−エチルオキザリックアシドビスアニリド等、
(6)トリアジン系:2―(4,6−ジフェニル−1,3,5―トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]フェノール、1,3,5―トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリ[[3,5−ビスー(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]等。
紫外線反射剤としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、銅、真鋳、ステンレスなどの金属又は合金、さらには蛍光増白剤などを使用することができ、紫外線反射剤は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
着色剤としては、特に制限されず、例えば、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料などが挙げられる。着色剤は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
転写基材10における紫外線吸収剤等の含有量の合計については、盛上層1の形成に際して照射される紫外線が転写基材10を透過することを効果的に抑制する観点から適宜設定すればよく、転写基材10の単位面積あたり、好ましくは180mg/m2以上、より好ましくは250mg/m2以上が挙げられる。なお、転写基材10の複数層に紫外線吸収剤等が含まれている場合には、各層に含まれている紫外線吸収剤、紫外線反射剤、及び着色剤の含有量の合計がこのような量であればよい。
基材フィルム層3は、転写基材10(さらには、転写シート)において、支持体として機能し得る層である。本発明で用いられる基材フィルム層3は、真空成形適性を考慮して選定され、代表的には熱可塑性樹脂からなる樹脂シートが使用される。該熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂;アクリル樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂;ポリカーボネート樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂);塩化ビニル樹脂等が挙げられる。
樹脂コート層2は、基材フィルム層3と盛上層1の密着性を高めることを目的として、必要に応じて、基材フィルム層3の盛上層1が積層される側に設けられる層である。樹脂コート層2は、樹脂により形成することができる。
離型層4は、基材フィルム層3と表面保護層5との剥離性を高めることを目的として、必要に応じて、基材フィルム層3の表面保護層5が積層される側に設けられる層である。離型層4は、全面を被覆(全面ベタ状)しているベタ離型層であってもよいし、一部に設けられるものであってもよい。通常は、剥離性を考慮して、ベタ離型層が好ましい。
本発明において、転写層11は、転写基材10と共に転写シートを構成しており、被転写体(成形樹脂層9など)に転写されるものである。被転写体に転写された後、転写基材10が剥離されて、転写層11と被転写体とが積層された加飾樹脂成形品となる。
表面保護層5は、加飾樹脂成形品の耐傷性、耐候性などを高めることを目的として、加飾樹脂成形品の最表面に位置するようにして、転写シートに設けられる層である。
紫外線硬化性樹脂とは、紫外線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂であり、具体的には、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基を有する、プレポリマー、オリゴマー、及びモノマーなどのうち少なくとも1種を適宜混合したものが挙げられる。また、紫外線硬化性組成物には、光重合用開始剤を樹脂100質量部に対して、0.1〜5質量部程度添加することが望ましい。光重合用開始剤としては、従来慣用されているものから適宜選択することができ、特に限定されない。
表面保護層5を形成する紫外線硬化性樹脂組成物には、表面保護層5に備えさせる所望の物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば紫外線吸収剤や光安定剤等の耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤、マット剤等が挙げられる。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができ、例えばマット剤としてはシリカ粒子や水酸化アルミニウム粒子等が挙げられる。また、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基等の重合性基を有する反応性の紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。
表面保護層5の形成は、例えば、紫外線硬化性樹脂組成物を調製し、これを転写基材10に塗布することにより行うことができる。なお、樹脂組成物の粘度は、後述の塗布方式により、未硬化樹脂層を形成し得る粘度であればよい。
表面保護層5の乾燥後の厚みについては、特に制限されないが、例えば、1〜100μm程度、好ましくは1〜50μm程度、更に好ましくは1〜30μm程度が挙げられる。このような範囲の厚みを満たすと、耐傷性、耐候性等の保護層としての十分な物性が得られると共に、紫外線硬化性樹脂を均一に硬化することが可能となり、経済的にも有利になる。更に、表面保護層5の乾燥後の厚みが前記範囲を充足することによって、転写シートの成形性が一層向上するため自動車内装用途等の複雑な形状に対して高い追従性を得ることができる。
プライマー層6は、表面保護層5とその下(転写基材10とは反対側)に位置する層との密着性を高めることを目的として、必要に応じて設けられる層である。プライマー層6は、樹脂により形成することができる。
絵柄層7は、樹脂成形品に装飾性を与えるために、必要に応じて設けられる層である。絵柄層7は、種々の模様をインキと印刷機を使用して印刷することにより形成される。絵柄層7によって形成される模様は、特に制限されず、例えば、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様など挙げられ、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様も挙げられる。これらの模様は、通常の黄色、赤色、青色、及び黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成される。
接着層8は、転写シートと被転写体(成形樹脂層9など)との密着性などを向上させることを目的として、表面保護層5、絵柄層7などの下(成形樹脂層9側)に必要に応じて設けられる層である。接着層8を形成する樹脂としては、これらの層間の密着性や接着性を向上させることができるものであれば、特に制限されず、例えば、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリル変性ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ウレタン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等挙げられる。熱硬化性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
盛上層1は、転写基材10の第2の面10b側に、凹凸形状を形成するように設けられ、転写時に盛上層1の凹凸形状に対応する凹凸形状を表面保護層5に形成するために設けられる層である。
本発明の転写シートは、以下の工程を備える方法により製造することができる。
紫外線吸収剤、紫外線反射剤、及び着色剤のうち少なくとも一種類を含む転写基材10の第1の面10aに、表面保護層5を形成する紫外線硬化性樹脂組成物を積層する工程と、
転写基材10の第2の面10bに、盛上層1を形成する紫外線硬化性樹脂組成物を凹凸状に積層する工程と、
転写基材10の第2の面10b側から紫外線を照射して、盛上層1を硬化させる工程。
前述の本発明の転写シートは、種々の被転写体(例えば樹脂成形品)に転写する際に、転写基材10の第2の面10b側の面に形成された盛上層1によって、加飾樹脂成形品の表面への凹凸形状の形成が可能であり、転写基材10及び盛上層1を樹脂成形品から剥離後に、未硬化又は半硬化の表面保護層5に紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂組成物を硬化させることにより、耐傷性及び意匠性に優れた加飾樹脂成形品を製造する用途に用いることができる。また、本発明の転写シートは、表面保護層5が未硬化又は半硬化の状態であるため、射出成型同時転写法など、特に高い三次元成形性が要求される用途に用いることができる。
前述の本発明の転写シートを樹脂成形品(成形樹脂層9)に積層して、転写基材10及び盛上層1を剥離する工程と、
未硬化又は半硬化の表面保護層5に紫外線を照射して表面保護層5を硬化させる工程。
(1)転写シートの表面保護層5側(盛上層1と反対側)を金型内に向けて、熱盤によって表面保護層5側から転写シートを加熱する工程
(2)該転写シートを金型内形状に沿うように予備成形(真空成形)して、金型の内面20に密着させて型締する工程
(3)成形用樹脂(成形樹脂層9を形成する樹脂)を金型内に射出する工程
(4)該成形用樹脂が冷却した後に金型から加飾樹脂成形品(転写基材及び盛上層付き加飾樹脂成形品)を取り出す工程
(5)加飾樹脂成形品の未硬化又は半硬化の表面保護層5から転写基材10及び盛上層1を剥離する工程
(6)表面保護層5に紫外線を照射して、加飾樹脂成形品を得る工程。
トリアジン系の紫外線吸収剤(UVA)を300mg/m2含むPETフィルム(厚み75μm)の一方の面に紫外線硬化性樹脂組成物(材料組成:重量平均分子量30000のアクリルアクリレート100質量部に光重合開始剤(1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニケトン)2質量部添加したもの)を、バーコーターを用いて塗工し、表面保護層(10μm)を形成した。さらに、表面保護層の上に、プライマー層(材料組成:アクリルポリオール、厚み2μm)、絵柄層(材料組成:PMMA、厚み5μm)、接着層(材料組成:PMMA、厚み2μm)をグラビア印刷によりこの順に形成した。次いで、PETフィルムの反対側の面に紫外線硬化性樹脂組成物(材料組成:アクリルアクリレート(分子量11万、二重結合当量250g/mol)100質量部に、光重合開始剤(1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニケトン)1.5質量部添加したもの)を用いて盛上層(半球状の凸部が行列状に形成されている。積層方向からみた1つの凸部の面積は、0.79mm2である。隣接する凸部の間隔(凹部の幅)は、1mm。)を形成し、紫外線を盛上層側の面から照射(紫外線照射条件:1000mJ/cm2)して盛上層を硬化し、盛上層/PETフィルム/表面保護層/プライマー層/絵柄層/接着層が順に積層された転写シートを得た。
実施例1において、トリアジン系のUVAを200mg/m2含むPETフィルム(75μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、転写シート及び加飾樹脂成形品を得た。
トリアジン系のUVA含まないPETフィルム(厚み75μm)の一方の面に紫外線硬化性樹脂組成物(材料組成:重量平均分子量30000のアクリルアクリレート100質量部に光重合開始剤(1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニケトン)2質量部添加したもの)を、バーコーターを用いて塗工し、表面保護層(10μm)を形成した。さらに、表面保護層の上に、プライマー層(材料組成:アクリルポリオール、厚み2μm)、絵柄層(材料組成:PMMA、厚み5μm)、接着層(材料組成:PMMA、厚み2μm)をグラビア印刷によりこの順に形成した。次いで、PETフィルムの反対側の面にトリアジン系のUVA、XDI硬化剤、アクリルポリオールからなる樹脂組成物を、バーコーターを用いて積層し、UVAが300mg/m2含まれるように樹脂コート層を形成した。その上に紫外線硬化性樹脂組成物(材料組成:アクリルアクリレート(分子量11万、二重結合当量250g/mol)100質量部に、光重合開始剤(1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニケトン)1.5質量部添加したもの)を用いて盛上層(半球状の凸部が行列状に形成されている。積層方向からみた1つの凸部の面積は、0.79mm2である。隣接する凸部の間隔(凹部の幅)は、1mm)を形成し、紫外線を盛上層側の面から照射(紫外線照射条件1000mJ/cm2)して盛上層を硬化し、盛上層/PETフィルム/表面保護層/プライマー層/絵柄層/接着層が順に積層された転写シートを得た。また、得られた加飾シートを用いて、実施例1と同様にして、加飾樹脂成形品を得た。
実施例1において、UVAを含まないPETフィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして転写シート及び加飾樹脂成形品を製造した。
各実施例及び比較例で得た加飾樹脂成形品を成形後の外観にて評価した。評価基準は以下のとおりである。
○:表面保護層に塗膜割れや白化がほとんど見られず、良好に形状に追従した。
△:表面保護層に若干の塗装割れや軽微な白化が確認されたが、実用上問題ない。
×:形状に追従できずに表面保護層に塗膜割れや白化が見られた。
基材上に設けた凹凸パターンが成形後に賦型されているかどうかを目視にて評価した。結果を表1に示す。
○:賦型されている。
×:賦型されていない。
2 樹脂コート層
3 基材フィルム層
4 離型層
5 表面保護層
6 プライマー層
7 絵柄層
8 接着層
9 成形樹脂層
10 転写基材
11 転写層
20 金型の内面
Claims (5)
- 第1の面及び第2の面を有する、単層又は複層からなる転写基材と、前記転写基材の前記第1の面側に積層された表面保護層と、前記転写基材の前記第2の面側に積層された盛上層とを有する転写シートであって、
前記盛上層は、紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物により形成されており、
前記表面保護層は、未硬化又は半硬化の紫外線硬化性樹脂組成物により形成されており、
前記転写基材が、前記第1の面側から順に、離型層と、基材フィルム層とを有しており、
前記離型層が紫外線吸収剤、紫外線反射剤、及び着色剤のうち少なくとも一種類を含んでいる、転写シート。 - 前記転写基材が基材フィルム層を有しており、
前記基材フィルム層が紫外線吸収剤、紫外線反射剤、及び着色剤のうち少なくとも一種類を含んでいる、請求項1に記載の転写シート。 - 前記転写基材が、前記第1の面側から順に、基材フィルム層と、樹脂コート層とを有しており、
前記樹脂コート層が、紫外線吸収剤、紫外線反射剤、及び着色剤のうち少なくとも一種類を含んでいる、請求項1又は2に記載の転写シート。 - 紫外線吸収剤、紫外線反射剤、及び着色剤のうち少なくとも一種類を含む転写基材の第1の面に、表面保護層を形成する紫外線硬化性樹脂組成物を積層する工程と、
前記転写基材の第2の面に、盛上層を形成する紫外線硬化性樹脂組成物を凹凸状に積層する工程と、
前記転写基材の第2の面側から紫外線を照射して、前記盛上層を硬化させる工程と、
を備え、
前記転写基材が、前記第1の面側から順に、離型層と、基材フィルム層とを有しており、
前記離型層が紫外線吸収剤、紫外線反射剤、及び着色剤のうち少なくとも一種類を含んでいる、転写シートの製造方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の転写シートを樹脂成形品に積層して、前記転写基材及び盛上層を剥離する工程と、
前記未硬化又は半硬化の表面保護層に紫外線を照射して前記表面保護層を硬化させる工程と、
を備える、加飾樹脂成形品の製造方法。
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