JP6272708B2 - 筒内噴射エンジンの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、筒内噴射エンジンの制御装置に関する。
近年、エンジンのシリンダ内に燃料を直接噴射することにより、例えば、充填効率や耐ノック性の向上を図ることができる筒内噴射エンジンが広く実用化されている。ところで、運転者がアクセルペダルを急激に大きく踏み込み、それに応じてスロットルバルブが急激に開弁されることにより、エンジンのシリンダ内に流入する吸気量が急激に増大するような過渡状態では、事前にエアフローメータ等で検出した空気量に見合う燃料量をインジェクタで噴射したとしても、燃料量が不足することがある。このような燃料量の不足を補うため、追加噴射を実施して目標の空燃比を実現する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
ここで、特許文献1には、アクセルペダルが急激に大きく踏み込まれて吸入空気量が増大することに起因した失火の発生を防止する技術(加速時の燃焼制御技術)が開示されている。より具体的には、特許文献1に記載の筒内噴射エンジンは、吸気行程で燃料の噴射が行われる均一燃焼領域を有する筒内噴射エンジンであって、燃料噴射の開始時点における前後で吸入空気量の検出値に基づく吸気充填量の演算を行い、噴射開始時点で算出された吸気充填量に応じて上記燃料の噴射量を決定するとともに、噴射前の時点で算出された吸気充填量よりも噴射後の時点で算出された吸気充填量が多い場合に、その増大分に見合う量の燃料を圧縮行程の前半中に追加噴射するように構成されている。そのため、この筒内噴射エンジンによれば、吸気充填量の増大に起因する空燃比の過大化(リーン化)を防ぎ、ひいてはエンジンの失火等を防止するように燃焼状態を制御することができる。
特開平11−101146号公報
上述したように、特許文献1に記載の筒内噴射エンジンによれば、アクセルペダルが急激に大きく踏み込まれて吸入空気量が増大する過渡状態において、圧縮行程前半に追加噴射することにより、吸気充填量の増大に起因する空燃比のリーン化を防止している。しかしながら、圧縮行程で燃料を追加噴射する場合には、点火時期までの時間が短いため、追加噴射する燃料量や噴射のタイミング等によっては、燃料の気化や空気との混合が不十分になり、燃焼の悪化を生じるおそれがある。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、吸入空気量が増大する過渡状態において、燃焼状態を悪化させること無く、過渡応答性を最大化することが可能な筒内噴射エンジンの制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る筒内噴射エンジンの制御装置は、エンジンに吸入される空気量を検出する吸入空気量検出手段と、アクセルの操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、アクセル操作量検出手段により検出されたアクセルの操作量に応じて、スロットルの駆動を制御することにより、エンジンの吸入空気量を調節するスロットル制御手段と、スロットル制御手段によりアクセルの操作量に合わせてスロットルが駆動されたと仮定した場合に、吸入空気量検出手段により検出された吸入空気量に対して、追加して吸入される追加空気量を予測する追加空気量予測手段と、目標空燃比に基づいて、追加空気量予測手段により予測された追加空気量に応じた追加要求燃料量を求める追加要求燃料量演算手段と、エンジンの運転状態に基づいて、追加要求燃料量演算手段により求められた追加要求燃料量に対して、供給可能な追加可能燃料量を取得する追加可能燃料量取得手段とを備え、スロットル制御手段が、追加可能燃料量取得手段により取得された追加可能燃料量が追加要求燃料量演算手段により算出された追加要求燃料量よりも少ない場合に、該追加要求燃料量と追加可能燃料量との偏差に基づき、アクセルの操作量に対して、スロットルの駆動量を抑制することを特徴とする。
本発明に係る筒内噴射エンジンの制御装置によれば、アクセルの動きに合わせてスロットルを動かしたと仮定(動作予測)した場合に、吸入空気量検出手段により検出された吸入空気量よりも追加して吸入される追加空気量が推定され、その追加空気量の全てに対して見合う量の燃料(追加要求燃料量)が求められる。一方、実際に供給可能な追加可能燃料量が取得される。そして、追加要求燃料量と追加可能燃料量との偏差に基づいて、スロットルの駆動量が抑制される。すなわち、追加噴射で補えない量に対してスロットルの動作に制限が加えられる。その結果、吸入空気量が増大する過渡状態において、燃焼状態を悪化させること無く、過渡応答性を最大化することが可能となる。
本発明に係る筒内噴射エンジンの制御装置は、エンジンの環境条件に基づいて、追加可能燃料量取得手段により取得された追加可能燃料量を補正する補正手段を備え、スロットル制御手段が、補正後の追加可能燃料量が追加要求燃料量よりも少ない場合に、該追加要求燃料量と補正後の追加可能燃料量との偏差に基づいて、スロットルの駆動量を抑制することが好ましい。
この場合、追加可能燃料量が補正され、追加要求燃料量と補正後の追加可能燃料量との偏差に基づいて、スロットルの駆動量が抑制される。よって、スロットルの駆動量をより適切に調節することができ、過渡応答性をより高めることが可能となる。
本発明に係る筒内噴射エンジンの制御装置は、吸入空気温度を検出する吸気温度検出手段を備え、上記補正手段が、吸入空気温度が高くなるほど追加可能燃料量を増大することが好ましい。
吸入空気温度が高いほど燃料の気化が促進され、その結果、吸気との混合も促進される。そのため、追加可能燃料量を増大させても燃焼が悪化し難い。よって、この場合、吸入空気温度が高くなるほど追加可能燃料量を増大することにより、燃焼状態を悪化させること無く、過渡応答性をより高めることが可能となる。
本発明に係る筒内噴射エンジンの制御装置は、エンジン温度と相関を有する指標値を検出する指標値検出手段を備え、上記補正手段が、指標値により示されるエンジン温度が高くなるほど追加可能燃料量を増大することが好ましい。
エンジン温度が高いほど燃料の気化が促進され、その結果、吸気との混合も促進される。そのため、追加可能燃料量を増大させても燃焼が悪化し難い。よって、この場合、エンジン温度が高くなるほど追加可能燃料量を増大することにより、燃焼状態を悪化させること無く、過渡応答性をより高めることが可能となる。
本発明に係る筒内噴射エンジンの制御装置は、大気圧を検出する気圧検出手段を備え、上記補正手段が、大気圧が高くなるほど追加可能燃料量を増大することが好ましい。
大気圧が高いほど、吸気との混合が促進される。そのため、追加可能燃料量を増大させても燃焼が悪化し難い。よって、この場合、大気圧が高くなるほど追加可能燃料量を増大することにより、燃焼状態を悪化させること無く、過渡応答性をより高めることが可能となる。
本発明に係る筒内噴射エンジンの制御装置は、エンジンに供給される燃料の燃料性状を検出する燃料性状検出手段を備え、上記補正手段が、検出された燃料性状に基づき、軽質燃料であるほど追加可能燃料量を増大することが好ましい。
軽質燃料であるほど燃料の気化が促進され、その結果、吸気との混合も促進される。また、軽質燃料は着火性が高く、燃焼性も良好である。そのため、追加可能燃料量を増大させても燃焼が悪化し難い。よって、この場合、軽質燃料であるほど追加可能燃料量を増大することにより、燃焼状態を悪化させること無く、過渡応答性をより高めることが可能となる。
本発明に係る筒内噴射エンジンの制御装置は、燃料蒸発ガス濃度を検出するエバポ濃度検出手段を備え、上記補正手段が、燃料蒸発ガス濃度が低くなるほど追加可能燃料量を増大することが好ましい。
燃料蒸発ガス(エバポ)濃度が高いときには、燃料蒸発ガスのパージにより空燃比制御が不安定になり易い。逆に、燃料蒸発ガス濃度が低いときには、燃料蒸発ガスをパージしたとしても空燃比制御が不安定になり難い。そのため、追加可能燃料量を増大させても燃焼が悪化し難い。よって、この場合、燃料蒸発ガス濃度が低くなるほど追加可能燃料量を増大することにより、燃焼状態を悪化させること無く、過渡応答性をより高めることが可能となる。
本発明に係る筒内噴射エンジンの制御装置は、排気浄化触媒の劣化度を検出する触媒劣化検出手段を備え、上記補正手段が、排気浄化触媒の劣化度が低いほど追加可能燃料量を増大することが好ましい。
排気浄化触媒の劣化度が低いほど、排気ガスの浄化率(浄化能力)が高くなる。よって、この場合、排気浄化触媒の劣化度が低いほど追加可能燃料量を増大することにより、エミッションを悪化させること無く、過渡応答性をより高めることが可能となる。
本発明に係る筒内噴射エンジンの制御装置は、追加要求燃料量と補正後の追加可能燃料量との偏差に基づいて、エンジンに噴射される燃料の圧力を可変する燃圧可変手段をさらに備えることが好ましい。
この場合、燃料の噴射圧力をより高めて、単位時間当たりの燃料噴射量を増大させることにより、追加可能燃料量を増大させることができる。よって、過渡応答性をより高めることが可能となる。また、燃圧を上昇させることにより、噴射される燃料がより微粒化されるため、燃料の気化をより促進することもできる。
本発明に係る筒内噴射エンジンの制御装置は、追加要求燃料量と補正後の追加可能燃料量との偏差に基づいて、エンジンの駆動力を変換して出力する無段変速機の変速比をロー側に変速するように要求する変速要求手段をさらに備えることが好ましい。
このようにすれば、無段変速機の変速比をロー側に変速させて、使用エンジン回転領域を上昇させることにより、スロットルの駆動量を抑制することによる過渡応答性の低下に伴うドライバビリティの低下を補うことが可能となる。
本発明によれば、吸入空気量が増大する過渡状態において、燃焼状態を悪化させること無く、過渡応答性を最大化することが可能となる。
実施形態に係る筒内噴射エンジンの制御装置の構成を示す図である。 高圧燃料ポンプの一例を模式的に示した縦断面図である。 追加要求噴射量と追加可能噴射量とスロットルバルブの開弁抑制量との関係を説明するための図である。 実施形態に係る筒内噴射エンジンの制御装置による追加噴射制御の処理手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
まず、図1を用いて、実施形態に係る筒内噴射エンジンの制御装置1構成について説明する。図1は、筒内噴射エンジンの制御装置1の構成を示す図である。
エンジン10は、例えば水平対向型の4気筒ガソリンエンジンである。また、エンジン10は、シリンダ内(筒内)に燃料を直接噴射する筒内噴射式のエンジンである。エンジン10では、エアクリーナ16から吸入された空気が、吸気管15に設けられた電子制御式スロットルバルブ(以下、単に「スロットルバルブ」ともいう)13により絞られ、インテークマニホールド11を通り、エンジン10に形成された各気筒に吸入される。ここで、エアクリーナ16から吸入された空気の量(エンジン10に吸入される空気量)は、エアクリーナ16とスロットルバルブ13との間に配置されたエアフローメータ14(特許請求の範囲に記載の吸入空気量検出手段に相当)により検出される。また、インテークマニホールド11を構成するコレクター部(サージタンク)の内部には、インテークマニホールド11内の圧力(吸気マニホールド圧力)を検出するバキュームセンサ30が配設されている。さらに、スロットルバルブ13には、該スロットルバルブ13の開度を検出するスロットル開度センサ31が配設されている。
シリンダヘッドには、気筒毎に吸気ポート22と排気ポート23とが形成されている(図1では片バンクのみ示した)。各吸気ポート22、排気ポート23それぞれには、該吸気ポート22、排気ポート23を開閉する吸気バルブ24、排気バルブ25が設けられている。吸気バルブ24を駆動する吸気カム軸28と吸気カムプーリとの間には、吸気カムプーリと吸気カム軸28とを相対回動してクランク軸10aに対する吸気カム軸28の回転位相(変位角)を連続的に変更して、吸気バルブ24のバルブタイミング(開閉タイミング)を進遅角する可変バルブタイミング機構26が配設されている。この可変バルブタイミング機構26により吸気バルブ24の開閉タイミングがエンジン運転状態に応じて可変設定される。
同様に、排気カム軸29と排気カムプーリとの間には、排気カムプーリと排気カム軸29とを相対回動してクランク軸10aに対する排気カム軸29の回転位相(変位角)を連続的に変更して、排気バルブ25のバルブタイミング(開閉タイミング)を進遅角する可変バルブタイミング機構27が配設されている。この可変バルブタイミング機構27により排気バルブ25の開閉タイミングがエンジン運転状態に応じて可変設定される。
エンジン10の各気筒には、シリンダ内に燃料を噴射するインジェクタ12が取り付けられている。インジェクタ12は、高圧燃料ポンプ60により加圧された燃料を各気筒の燃焼室内へ直接噴射する。
インジェクタ12は、デリバリーパイプ(コモンレール)61に接続されている。デリバリーパイプ61は、高圧燃料ポンプ60から燃料配管62を通じて圧送されてきた燃料を各インジェクタ12に分配するものである。高圧燃料ポンプ60は、燃料タンク(図示省略)からフィードポンプ(低圧燃料ポンプ)により吸い上げられた燃料を、運転状態に応じて高圧(例えば、8〜13MPa)に昇圧してデリバリーパイプ61へ供給する。なお、本実施形態では、高圧燃料ポンプ60として、エンジン10のカム軸28によって駆動される形式のものを用いた。
ここで、図2を用いて、高圧燃料ポンプ60の構成について説明する。高圧燃料ポンプ60は、主として、カム601、リフタ602、プランジャ603、吸入弁605を司る電磁弁606、及び、吐出弁607を有して構成されている。カム601はエンジン10のカム軸28の回転動力によって駆動され、リフタ602及びプランジャ603を往復運動させる。プランジャ603が下降するときに吸入弁605が開かれ、加圧室604に燃料が流入する。プランジャ603が上昇するときには、吸入弁605が閉じられ、加圧室内604の燃料が圧縮される。その圧力によって吐出弁607が開き、高圧燃料が吐出される。
吸入弁605は電磁弁606によって閉弁動作を電気的に制御できる構造となっている。プランジャ603下降時に加圧室604に流入した燃料は、プランジャ603上昇時に、吸入弁605が開弁保持されていれば吸入側へ戻され、吸入弁605が閉弁されれば、加圧室604内で加圧されて吐出される。プランジャ603上昇時に吸入弁605が閉弁されるタイミングを制御して、吸入側へ戻される燃料と加圧される燃料の割合を変えることによって、高圧吐出される流量を制御することができる。なお、電磁弁606は、後述するエンジン制御装置(以下「ECU」という)50に接続されており、該ECU50により駆動が制御される。
図1に戻り、燃料タンク(図示省略)には、キャニスタ70が接続されている。燃料タンクの上部空間に溜まる燃料蒸発ガス(エバポ)は、キャニスタ70に導かれ、キャニスタ70内の活性炭等の吸着剤により一時的に吸着される。キャニスタ70には外気を導入するための大気ポート71が設けられている。また、キャニスタ70の上層の空間部は、インテークマニホールド11に、パージ通路72を通して連通されている。このパージ通路72には、ECU50によって開度が調節される可変流量電磁弁(以下「パージソレノイドバルブ」ともいう)73が介装されている。パージソレノイドバルブ73が開弁されてインテークマニホールド11における負圧がキャニスタ70のパージ通路72に作用すると、キャニスタ70内に大気ポート71から空気が導入され、キャニスタ70内の活性炭等に吸着されている燃料蒸発ガスが脱離される。脱離された燃料蒸発ガスは、大気ポート71から導入された空気と共にパージ通路72を通じてエンジン10のインテークマニホールド11に吸入される。
各気筒のシリンダヘッドには、混合気に点火する点火プラグ17、及び該点火プラグ17に高電圧を印加するイグナイタ内蔵型コイル21が取り付けられている。エンジン10の各気筒では、吸入された空気とインジェクタ12によって噴射された燃料との混合気が点火プラグ17により点火されて燃焼する。燃焼後の排気ガスは排気管18を通して排出される。
排気管18には、排気ガス中の酸素濃度に応じた信号を出力する空燃比センサ19Aが取り付けられている。空燃比センサ19Aとしては、排気空燃比をリニアに検出することのできるリニア空燃比センサ(LAFセンサ)が用いられる。なお、空燃比センサ19Aとして、排気空燃比をオン−オフ的に検出するOセンサを用いてもよい。
また、空燃比センサ19Aの下流には排気浄化触媒(CAT)20が配設されている。排気浄化触媒20は三元触媒であり、排気ガス中の炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)の酸化と、窒素酸化物(NOx)の還元を同時に行い、排気ガス中の有害ガス成分を無害な二酸化炭素(CO)、水蒸気(HO)及び窒素(N)に清浄化するものである。排気浄化触媒20の下流には、排気空燃比をオン−オフ的に検出するリヤ(CAT後)Oセンサ19Bが設けられている。
上述したエアフローメータ14、LAFセンサ19A、Oセンサ19B、バキュームセンサ30、スロットル開度センサ31に加え、エンジン10のカムシャフト近傍には、エンジン10の気筒判別を行うためのカム角センサ32が取り付けられている。また、エンジン10のクランクシャフト10a近傍には、クランクシャフト10aの回転位置を検出するクランク角センサ33が取り付けられている。ここで、クランクシャフト10aの端部には、例えば、2歯欠歯した34歯の突起が10°間隔で形成されたタイミングロータ33aが取り付けられており、クランク角センサ33は、タイミングロータ33aの突起の有無を検出することにより、クランクシャフト10aの回転位置を検出する。カム角センサ32及びクランク角センサ33としては、例えば電磁ピックアップ式のものなどが用いられる。
これらのセンサは、ECU50に接続されている。さらに、ECU50には、エンジン10の冷却水の温度を検出する水温センサ34、潤滑油の温度を検出する油温センサ35、アクセルペダルの踏み込み量すなわちアクセルペダルの開度(操作量)を検出するアクセル開度センサ36、吸入空気温度を検出する吸気温センサ37、大気圧を検出する大気圧センサ38、燃料蒸発ガス(エバポ)濃度を検出するHCセンサ39、及びエンジン10に供給される燃料の燃料性状(重軽質度)を検出する重軽質センサ40等の各種センサも接続されている。ここで、水温センサ34(又は油温センサ35)は、エンジン温度と相関を有する指標値としての水温(又は油温)を検出する特許請求の範囲に記載の指標値検出手段として機能する。また、アクセル開度センサ36はアクセル操作量検出手段として機能し、吸気温センサ37は吸気温度検出手段として機能する。さらに、大気圧センサ38は気圧検出手段として機能し、HCセンサ39はエバポ濃度検出手段として機能し、重軽質センサ40は燃料性状検出手段として機能する。
ここで、HCセンサ39としては、例えば、接触燃焼式のものや、検出ガス中の音速変化を利用したものなどを使用することができる。なお、燃料蒸発ガス(エバポ)濃度は、HCセンサ39に代えて、燃料蒸発ガス(エバポ)を実際にパージしたときの空燃比フィードバックの補正量から推定するようにしてもよい。同様に、燃料性状(重軽質度)は、重軽質センサ40に代えて、例えば、エンジン始動直後の燃焼状態(燃焼変動)に基づいて重軽質度を判定するようにしてもよい。これは、炭素数の少ない軽質燃料の方が気化し易く吸気との混合が促進されること、及び、軽質燃料は着火性が高く燃焼性も良好なため、重質燃料と比較して、エンジン始動直後の燃焼変動が小さくなるという特性を利用するものである。
ECU50は、演算を行うマイクロプロセッサ、該マイクロプロセッサに各処理を実行させるためのプログラム等を記憶するROM、演算結果などの各種データを記憶するRAM、12Vバッテリによってその記憶内容が保持されるバックアップRAM、及び入出力I/F等を有して構成されている。また、ECU50は、インジェクタ12を駆動するインジェクタドライバ、点火信号を出力する出力回路、及び、電子制御式スロットルバルブ13を開閉する電動モータ13aを駆動するモータドライバ等を備えている。さらに、ECU50は、パージソレノイドバルブ73を駆動するドライバや、高圧燃料ポンプ60を構成する電磁弁606を駆動するドライバ等も備えている。
ECU50では、カム角センサ32の出力から気筒が判別され、クランク角センサ33の出力からエンジン回転数が求められる。また、ECU50では、上述した各種センサから入力される検出信号に基づいて、吸入空気量、吸気管負圧、アクセルペダル開度、混合気の空燃比、吸入空気温度、大気圧、燃料蒸発ガス(エバポ)濃度、燃料性状(重軽質度)、及びエンジン10の水温や油温等の各種情報が取得される。そして、ECU50は、取得したこれらの各種情報に基づいて、燃料噴射量や点火時期、及び、スロットルバルブ13等の各種デバイスを制御することによりエンジン10を総合的に制御する。
特に、ECU50は、例えば吸入空気量が急激に増大する過渡状態において、燃焼状態を悪化させること無く(良好な燃焼状態を維持しつつ)、過渡応答性を最大化する機能を有している。そのため、ECU50は、追加空気量予測部51、追加要求噴射量演算部52、追加可能噴射量取得部53、追加可能噴射量補正部54、スロットル制御部55、燃圧可変部56、変速要求部57、及び、触媒劣化状態検出部58を機能的に備えている。ECU50では、ROMに記憶されているプログラムがマイクロプロセッサによって実行されることにより、追加空気量予測部51、追加要求噴射量演算部52、追加可能噴射量取得部53、追加可能噴射量補正部54、スロットル制御部55、燃圧可変部56、変速要求部57、及び、触媒劣化状態検出部58の各機能が実現される。
追加空気量予測部51は、後述するスロットル制御部55によりアクセルペダルの踏み込み量(操作量)に合わせてスロットルバルブ13が駆動されたと仮定した場合に、エアフローメータ14により検出された吸入空気量に対して、追加して吸入される追加空気量を予測する。換言すると、追加空気量予測部51は、アクセルペダルの動きに合わせてスロットルバルブ13を動かしたと仮定(動作予測)した場合に、エアフローメータ14の検出値を用いた燃料噴射量の演算後から吸気バルブ24が閉弁されるまでの間の空気量変化を推定し、エアフローメータ14により検出された吸入空気量よりも追加して吸入される追加空気量を予測する。すなわち、追加空気量予測部51は、特許請求の範囲に記載の追加空気量予測手段として機能する。なお、追加空気量予測部51により予測された追加空気量は、追加要求噴射量演算部52に出力される。
追加要求噴射量演算部52は、目標空燃比(例えばストイキ)に基づいて、追加空気量予測部51により予測された追加空気量に応じた追加要求噴射量(特許請求の範囲に記載の追加要求燃料量に相当)を求める。すなわち、追加要求噴射量演算部52は、特許請求の範囲に記載の追加要求燃料量演算手段として機能する。なお、追加要求噴射量演算部52により求められた追加要求噴射量は、スロットル制御部55に出力される。
追加可能噴射量取得部53は、エンジン10の運転状態(例えば、エンジン回転数、点火時期、吸気バルブ24の閉弁タイミング等)に基づいて、追加要求噴射量演算部52により求められた追加要求噴射量を吸気バルブ24閉弁後の追加噴射として全て噴射できるか否かを判定し、できない場合には、噴射可能(供給可能)な追加可能噴射量(特許請求の範囲に記載の追加可能燃料量に相当)を取得する。すなわち、追加可能噴射量取得部53は、特許請求の範囲に記載の追加可能燃料量取得手段として機能する。なお、追加可能噴射量取得部53で取得された追加可能噴射量は、追加可能噴射量補正部54に出力される。
追加可能噴射量補正部54は、エンジン10の環境条件(環境要因)に基づいて、追加可能噴射量取得部53により取得された追加可能噴射量を補正する。すなわち、追加可能噴射量補正部54は、特許請求の範囲に記載の補正手段として機能する。より具体的には、追加可能噴射量補正部54は、吸入空気温度が高くなるほど追加可能噴射量を増大する。また、追加可能噴射量補正部54は、冷却水温度又は油温(特許請求の範囲に記載の指標値に相当)により示されるエンジン温度が高くなるほど追加可能噴射量を増大する。さらに、追加可能噴射量補正部54は、大気圧が高くなるほど追加可能噴射量を増大する。同様に、追加可能噴射量補正部54は、検出された燃料性状に基づき、軽質燃料であるほど追加可能噴射量を増大する。また、追加可能噴射量補正部54は、燃料蒸発ガス(エバポ)濃度が低くなるほど追加可能噴射量を増大する。さらに、追加可能噴射量補正部54は、排気浄化触媒20の劣化度(劣化状態)が低いほど追加可能噴射量を増大する。
ここで、ECU50のROM等には、上述した各種環境条件それぞれ(例えば吸入空気温度や水温、大気圧等)と追加可能噴射量の補正量(又は補正係数)との関係を定めた追加可能噴射両補正テーブルが予め記憶されている。そして、検出された各種環境条件それぞれに基づいて、対応する追加可能噴射量補正テーブルが検索されて追加可能噴射量の補正量(又は補正係数)が取得される。
なお、ここで、上述した排気浄化触媒20の劣化度(劣化状態)は、触媒劣化状態検出部58により検出される。すなわち、触媒劣化状態検出部58は、特許請求の範囲に記載の触媒劣化検出手段として機能する。触媒劣化状態検出部58は、例えば、フロントLAFセンサ(又はOセンサ)19Aの出力信号に対して、排気浄化触媒20後のリヤOセンサ19Bの出力信号の変動がなまされているほど(変動率が小さいほど)排気浄化触媒20の劣化度合いが小さいと判定する。
追加要求噴射量が補正後の追加可能噴射量よりも多い場合(すなわち全量は追加噴射できない場合)には、追加可能噴射量が最終追加噴射量として設定される。そして、所定の追加噴射タイミング(例えば、圧縮行程前半)で、追加噴射が実行(追加可能噴射量分の燃料が追加噴射)される。一方、追加要求噴射量が補正後の追加可能噴射量以下であるとき(すなわち全量を追加噴射可能なとき)には、追加要求噴射量が最終追加噴射量として設定される。そして、所定の追加噴射タイミング(例えば、圧縮行程前半)で、追加噴射が実行(追加要求噴射量分の燃料が追加噴射)される。
スロットル制御部55は、電動モータ13aを駆動して、スロットルバルブ13の開度を調節することにより、エンジン10の吸入空気量を調節する。スロットル制御部55は、通常運転時(後述する開弁抑制制御が実行されていない時)には、例えば、アクセル開度センサ36により検出されたアクセル開度から目標スロットル開度を求め、該目標スロットル開度と実開度とが一致するように、電動モータ13aを駆動する。より具体的には、ECU50のROM等には、アクセル開度とスロットル開度との関係(通常時の関係)を定めた通常スロットル開度マップが記憶されており、アクセル開度に基づいてこの通常スロットル開度マップが検索されることにより、スロットル開度の目標値が設定される。
一方、スロットル制御部55は、吸入空気量が急激に増大する過渡時において、追加要求噴射量が補正後の追加可能噴射量よりも多い場合(追加要求噴射量の全量は追加噴射できない場合)には、追加要求噴射量と補正後の追加可能噴射量との偏差(追加噴射不能量)に基づいて、スロットルバルブ13の開弁量(駆動量)を抑制する。すなわち、スロットル制御部55は、アクセルペダルの操作量の変化に対するスロットルバルブ13の開度変化率が緩慢になるように、該スロットルバルブ13の開度を制御する。スロットル制御部55は、特許請求の範囲に記載のスロットル制御手段として機能する。
ここで、追加要求噴射量と追加可能噴射量とスロットルバルブ13の開弁抑制量との関係の一例を図3に示す。図3に示されるように、追加要求噴射量が補正後の追加可能噴射量以上である場合(すなわち全量は追加噴射できない場合)には、スロットルバルブ13の目標スロットル開度が、追加可能噴射量に応じて制限されて設定される。すなわち、アクセルペダルの動きに対してスロットルバルブ13の開弁動作が制限される(図3のハッチング部分参照)。その結果、追加可能噴射量に見合った量の空気が吸入されることとなる。一方、追加要求噴射量が補正後の追加可能噴射量以下であるとき(すなわち全量を追加噴射可能なとき)には、スロットルバルブ13(目標スロットル開度)が、制限されることなく、アクセルペダルの動きに合わせて開弁される。
燃圧可変部56は、追加要求噴射量と補正後の追加可能噴射量との偏差(追加噴射不能量)に基づいて、高圧燃料ポンプ60から吐出される(すなわちエンジン10に噴射される)燃料の圧力を可変する。その際、燃圧可変部52は、追加可能燃料量が少ないほど、高圧燃料ポンプ60の吐出圧(燃圧)が高くなるように電磁弁606を制御する。すなわち、燃圧可変部52は、特許請求の範囲に記載の燃圧可変手段として機能する。この場合、燃圧の上昇により追加可能噴射量が増加するため、その増加量に応じて、スロットルバルブ13の抑制量が低減される。
変速要求部57は、追加要求噴射量と補正後の追加可能噴射量との偏差(追加噴射不能量)に基づいて、エンジン10の駆動力を変換して出力する無段変速機(CVT)81の変速比をロー側に変速するように要求する。すなわち、変速要求部58は、スロットルバルブ13の抑制量が大きくなるほど、無段変速機81の変速比をロー側に変更するように、CAN100を介して無段変速機81の変速比制御を司るTCU80(電子制御装置)に対して要求する。すなわち、変速要求部58は、特許請求に範囲に記載の変速要求手段として機能する。なお、TCU80は、変速要求部52からの変速要求を受けて、無段変速機81の変速比をロー側に変更する。
次に、図4を参照しつつ、筒内噴射エンジンの制御装置1の動作について説明する。図4は、筒内噴射エンジンの制御装置1による追加噴射制御の処理手順を示すフローチャートである。本処理は、ECU50において、所定のタイミングで繰り返して実行される。
まず、ステップS100では、エンジン10の運転状態及び環境条件が検出される。すなわち、アクセル開度、エンジン回転数、吸入空気量、吸入空気温度、大気圧、燃料蒸発ガス(エバポ)濃度、燃料性状(重軽質度)、及び水温や油温等が検出されて読み込まれる。次に、ステップS102では、ステップS100で読み込まれたエンジン10の運転状態に基づいて、通常の燃料噴射量及びその噴射タイミングが設定される。
続いて、ステップS104では、アクセルペダルの踏み込み量に合わせてスロットルバルブ13が駆動されたと仮定した場合に、エアフローメータ14により検出された吸入空気量(ステップS100で読み込まれた吸入空気量)に対して、吸気バルブ24が閉弁されるまでの間に追加して吸入される追加空気量が予測される。
続くステップS106では、ステップS104で予測された追加空気量に見合った追加要求噴射量が求められる。続いて、ステップS108では、エンジン10の運転状態に基づいて、ステップS106で求められた追加要求噴射量に対して、噴射可能な追加可能噴射量が取得される。また、ステップS108では、エンジン10の環境条件(例えば上述した吸入空気温度や水温、大気圧等)に基づいて追加可能噴射量が補正される。なお、追加可能噴射量の補正内容については、上述した通りであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
次に、ステップS110では、追加要求噴射量が補正後の追加可能噴射量以下であるか否か、すなわち追加要求噴射量全量を追加噴射可能か否かについての判断が行われる。ここで、追加要求噴射量が補正後の追加可能噴射量よりも多い場合(すなわち全量は追加噴射できない場合)には、ステップS112に処理が移行する。一方、追加要求噴射量が補正後の追加可能噴射量以下であるとき(すなわち全量を追加噴射可能なとき)には、ステップS116に処理が移行する。
ステップS112では、追加可能噴射量が最終追加噴射量として設定される。そして、ステップS114において、スロットルバルブ13の目標スロットル開度が、追加可能噴射量に応じて制限されて設定される。すなわち、スロットルバルブ13の開弁動作が制限される。また、所定の追加噴射タイミング(例えば圧縮行程前半)で、追加噴射が実行(追加可能燃料量分の燃料が追加噴射)される。その後、本処理から一旦抜ける。
一方、ステップS116では、追加要求噴射量が最終追加噴射量として設定される。そして、ステップS118において、スロットルバルブ13が制限されることなく開弁される。また、所定の追加噴射タイミング(例えば圧縮行程前半)で、追加噴射が実行(追加要求燃料量分の燃料が追加噴射)される。その後、本処理から一旦抜ける。
以上、詳細に説明したように、本実施形態によれば、アクセルペダルの動きに合わせてスロットルバルブ13が動かされたと仮定(動作予測)した場合に、エアフローメータ14により検出された吸入空気量よりも追加して吸入される追加空気量が推定され、その追加空気量の全てに対して見合う量の燃料(追加要求噴射量)が求められる。一方、実際に吸気バルブ24閉弁後の追加噴射として噴射可能な追加可能噴射量が取得される。そして、追加要求噴射量が追加可能噴射量よりも多い場合には、追加要求噴射量と追加可能噴射量との偏差に基づいて、スロットルバルブ13の開弁量が抑制される。すなわち、追加噴射で補えない量に対してスロットルバルブ13の動作に制限が加えられる。その結果、吸入空気量が急激に増大する過渡状態において、燃焼状態を悪化させること無く(良好な燃焼状態を維持しつつ)、過渡応答性を最大化することが可能となる。よって、燃費・排気ガス(エミッション)・出力レスポンスを向上することが可能となる。
本実施形態によれば、環境条件に応じて追加可能噴射量が補正され、追加要求噴射量と補正後の追加可能噴射量との偏差に基づいて、スロットルバルブ13の開弁量が制御される。よって、スロットルバルブ13の開弁量をより適切に調節することができ、過渡応答性をより高めることが可能となる。
より具体的には、本実施形態によれば、上記環境条件の一つである吸入空気温度が高くなるほど追加可能噴射量が増大される。ここで、吸入空気温度が高いほど燃料の気化が促進され、その結果、吸気との混合も促進される。そのため、追加可能燃料量を増大させても燃焼が悪化し難い。よって、本実施形態によれば、吸入空気温度が高くなるほど追加可能燃料量を増大することにより、燃焼状態を悪化させること無く、過渡応答性をより高めることが可能となる。
また、本実施形態によれば、水温(又は油温)によって示されるエンジン温度が高くなるほど追加可能噴射量が増大される。ここで、エンジン温度が高いほど燃料の気化が促進され、その結果、吸気との混合も促進される。そのため、追加可能燃料量を増大させても燃焼が悪化し難い。よって、本実施形態によれば、エンジン温度が高くなるほど追加可能燃料量を増大することにより、燃焼状態を悪化させること無く、過渡応答性をより高めることが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、大気圧が高くなるほど追加可能噴射量が増大される。ここで、大気圧が高いほど、吸気との混合が促進される。そのため、追加可能燃料量を増大させても燃焼が悪化し難い。よって、本実施形態によれば、大気圧が高くなるほど追加可能燃料量を増大することにより、燃焼状態を悪化させること無く、過渡応答性をより高めることが可能となる。
同様に、本実施形態によれば、検出された燃料性状(重軽質度)に基づき、軽質燃料であるほど追加可能噴射量が増大される。ここで、軽質燃料であるほど燃料の気化が促進され、その結果、吸気との混合も促進される。また、軽質燃料は着火性が高く、燃焼性も良好である。そのため、追加可能燃料量を増大させても燃焼が悪化し難い。よって、本実施形態によれば、軽質燃料の割合が高いほど追加可能燃料量を増大することにより、燃焼状態を悪化させること無く、過渡応答性をより高めることが可能となる。
また、本実施形態によれば、燃料蒸発ガス(エバポ)濃度が低くなるほど追加可能噴射量が増大される。ここで、燃料蒸発ガス濃度が低いときには、燃料蒸発ガスをパージしたとしても空燃比制御が不安定になり難い。そのため、追加可能燃料量を増大させても燃焼が悪化し難い。よって、本実施形態によれば、燃料蒸発ガス濃度が低くなるほど追加可能燃料量を増大することにより、燃焼状態を悪化させること無く、過渡応答性をより高めることが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、排気浄化触媒20の劣化度(劣化状態)が低いほど追加可能噴射量が増大される。ここで、排気浄化触媒の劣化度が低いほど、排気ガスの浄化率が高くなる。よって、本実施形態によれば、排気浄化触媒の劣化度が低いほど追加可能燃料量を増大することにより、エミッションを悪化させること無く、過渡応答性をより高めることが可能となる。
また、本実施形態によれば、追加要求噴射量と補正後の追加可能噴射量との偏差に基づいて、エンジン10に噴射される燃料の圧力が可変される。そのため、燃料噴射圧力をより高めて、単位時間当たりの燃料噴射量を増大させることにより、追加可能燃料量を増大させることができる。よって、過渡応答性をより高めることが可能となる。また、燃圧を上昇させることにより、噴射される燃料がより微粒化されるため、燃料の気化をより促進することもできる。
さらに、本実施形態によれば、追加要求噴射量と補正後の追加可能噴射量との偏差に基づいて、エンジン10の駆動力を変換して出力する無段変速機81の変速比がロー側に変速される。よって、無段変速機81の変速比をロー側に変速させて、使用エンジン回転領域を上昇させることにより、スロットル13の開度(駆動量)を抑制することによる過渡応答性の低下に伴うドライバビリティの低下を補うことが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、追加可能噴射量を補正する環境条件は上記実施形態には限られない。また、上記実施形態では、追加可能噴射量を補正する際に追加可能噴射量補正テーブルを用いたが、追加可能噴射量補正テーブルに代えて、演算により補正量(又は補正係数)を算出する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、本発明を筒内噴射式のエンジンに適用した場合を例にして説明したが、本発明は、筒内噴射とポート噴射とを組み合わせたエンジンにも適用することができる。
1 筒内噴射エンジンの制御装置
10 エンジン
12 インジェクタ
13 電子制御式スロットルバルブ
14 エアフローメータ
19A LAFセンサ
19B Oセンサ
24 吸気バルブ
25 排気バルブ
30 バキュームセンサ
31 スロットル開度センサ
32 カム角センサ
33 クランク角センサ
34 水温センサ
35 油温センサ
36 アクセル開度センサ
37 吸気温センサ
38 大気圧センサ
39 HCセンサ
40 重軽質センサ
50 ECU
51 追加空気量予測部
52 追加要求噴射量演算部
53 追加可能噴射量取得部
54 追加可能噴射量補正部
55 スロットル制御部
56 燃圧可変部
57 変速要求部
58 触媒劣化状態検出部
60 高圧燃料ポンプ
70 キャニスタ
80 TCU
81 無段変速機

Claims (9)

  1. エンジンに吸入される空気量を検出する吸入空気量検出手段と、
    アクセルの操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、
    前記アクセル操作量検出手段により検出されたアクセルの操作量に応じて、スロットルの駆動を制御することにより、エンジンの吸入空気量を調節するスロットル制御手段と、
    前記スロットル制御手段によりアクセルの操作量に合わせてスロットルが駆動されたと仮定した場合に、前記吸入空気量検出手段により検出された吸入空気量に対して、追加して吸入される追加空気量を予測する追加空気量予測手段と、
    目標空燃比に基づいて、前記追加空気量予測手段により予測された追加空気量に応じた追加要求燃料量を求める追加要求燃料量演算手段と、
    エンジンの運転状態に基づいて、前記追加要求燃料量演算手段により求められた追加要求燃料量に対して、供給可能な追加可能燃料量を取得する追加可能燃料量取得手段と、
    エンジンの環境条件に基づいて、前記追加可能燃料量取得手段により取得された追加可能燃料量を補正する補正手段と、を備え、
    前記スロットル制御手段は、前記補正手段により補正された補正後の追加可能燃料量が前記追加要求燃料量演算手段により算出された追加要求燃料量よりも少ない場合に、該追加要求燃料量と補正後の追加可能燃料量との偏差に基づき、アクセルの操作量に対して、スロットルの駆動量を抑制することを特徴とする筒内噴射エンジンの制御装置。
  2. 吸入空気温度を検出する吸気温度検出手段を備え、
    前記補正手段は、吸入空気温度が高くなるほど前記追加可能燃料量を増大することを特徴とする請求項に記載の筒内噴射エンジンの制御装置。
  3. エンジン温度と相関を有する指標値を検出する指標値検出手段を備え、
    前記補正手段は、前記指標値により示されるエンジン温度が高くなるほど前記追加可能燃料量を増大することを特徴とする請求項又はに記載の筒内噴射エンジンの制御装置。
  4. 大気圧を検出する気圧検出手段を備え、
    前記補正手段は、大気圧が高くなるほど前記追加可能燃料量を増大することを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の筒内噴射エンジンの制御装置。
  5. エンジンに供給される燃料の燃料性状を検出する燃料性状検出手段を備え、
    前記補正手段は、検出された燃料性状に基づき、軽質燃料であるほど前記追加可能燃料量を増大することを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の筒内噴射エンジンの制御装置。
  6. 燃料蒸発ガス濃度を検出するエバポ濃度検出手段を備え、
    前記補正手段は、燃料蒸発ガス濃度が低くなるほど前記追加可能燃料量を増大することを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の筒内噴射エンジンの制御装置。
  7. 排気浄化触媒の劣化度を検出する触媒劣化検出手段を備え、
    前記補正手段は、排気浄化触媒の劣化度が低いほど前記追加可能燃料量を増大することを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の筒内噴射エンジンの制御装置。
  8. 前記追加要求燃料量と補正後の追加可能燃料量との偏差に基づいて、エンジンに噴射される燃料の圧力を可変する燃圧可変手段をさらに備えることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の筒内噴射エンジンの制御装置。
  9. 前記追加要求燃料量と補正後の追加可能燃料量との偏差に基づいて、エンジンの駆動力を変換して出力する無段変速機の変速比をロー側に変速するように要求する変速要求手段をさらに備えることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の筒内噴射エンジンの制御装置。
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