JP3882454B2 - 内燃機関 - Google Patents

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガソリン等の燃料を運転条件に応じて火花点火燃焼と圧縮自己着火燃焼とを切り替える内燃機関に係り、特に燃料蒸発ガスを捕捉するキャニスタからのパージ制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガソリン車の燃料蒸発ガス(炭化水素が主成分で通常エバポガスと呼ばれる)による大気汚染防止のために、キャニスタと呼ばれるエバポガス捕捉装置が燃料系統に設けられている。通常キャニスタには活性炭等の吸着材を備え、燃料タンクの内圧が上昇したとき、キャニスタを通じて蒸発ガス成分を吸着するとともに、膨張した空気を大気へ逃がしている。しかし、吸着剤が吸着する蒸発ガス量には限度があるので、運転状態に支障がない時に、外気を吸着剤に通じて吸気管に取り込み、吸着剤をリフレッシュする動作がキャニスタ・パージ、またはエバポ・パージと称して行われる。
【0003】
このパージ動作時の流量を制御する手段としてオリフィスやパージコントロールバルブが設けられ、例えばパージコントロールバルブのON/OFFデューティ制御により流量制御を行っている。
【0004】
一方、従来の予混合圧縮着火式機関としては、たとえば特開平7−332141号公報に開示された技術がある。
【0005】
この従来技術では、吸気ポートに燃料を噴射するエンジンにおいて、圧縮比を高めることによって圧縮上死点付近のシリンダ内温度・圧力を高め、圧縮自己着火燃焼を実現したものである。これによって火花点火ガソリンエンジンを上回る希薄燃焼限界と低燃費を得ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の圧縮着火式機関においては、単に圧縮比を高めることにより圧縮着火燃焼を実現しようとしたもので、理論空燃比近傍の混合気で火花点火を行う全負荷運転時では、ノッキング発生に伴う点火進角限界が遅角し、通常の圧縮比の火花点火ガソリンエンジンに比べ、大幅にトルクが低下するという問題点があった。
【0007】
また、特開平11−72039号公報、特開平11−72038号公報に示されているように、圧縮行程中盤での少量の燃料噴射により圧縮上死点までに酸化を促進し、低負荷時の燃焼安定限界を拡大する方法が示されている。しかし、ガソリンのようなセタン価の低い燃料では、圧縮比を大幅に高めるか、吸気を加圧、加熱するような手段を講じない場合、燃料の改質・反応が十分に進まず、希薄燃焼限界が限られ、十分な燃費向上を図れないという問題点があった。
【0008】
特に、機関低負荷時には空気過剰率大により、予反応が起こりづらくなり、機関高回転時には、予反応開始から圧縮上死点までの実時間が短縮されるため、十分な予反応が行われず、燃焼不安定となり易く、運転可能領域の制限により、十分な燃費向上を図れないことが考えられる。
【0009】
以上の問題点に鑑み、本発明の目的は、圧縮比を大幅に高めたり吸気加熱等の特別な手段を講じることなく圧縮自己着火燃焼を適用できる運転領域を拡大するとともに、高負荷時のノッキングを抑制することができる内燃機関を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、燃料タンクからの蒸発ガスであるエバポガスを捕捉するキャニスタと、該キャニスタと吸気通路の間にエバポガスのパージ量を調整可能なパージ流量調整バルブを有し、火花点火燃焼と圧縮自己着火燃焼とを運転条件に応じて切り換える内燃機関において、圧縮自己着火燃焼時には、火花点火燃焼時に比較して相対的にエバポガスのパージ量を多くしたことを要旨とする。
【0011】
一般にガソリン成分のうち90℃以下の低沸点成分のオクタン価は、ガソリンの全成分のオクタン価に比べ、小さい値となることが知られている。燃料タンクからの蒸発ガスであるエバポガスは、低沸点成分が大部分で構成されるため、そのオクタン価がガソリン全体に比べ低く、着火性が良く、内燃機関において自己着火を引き起こし易い。従って圧縮自己着火燃焼時にキャニスタからエバポガスをパージし、これを燃焼室で燃焼させることにより、広範囲の運転条件で自己着火燃焼を安定的におこなうことができる。
【0012】
上記目的を達成するため、請求項2記載の発明は、請求項1記載の内燃機関において、火花点火燃焼時にはエバポガスのパージを停止することを要旨とする。
【0013】
上記目的を達成するため、請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の内燃機関において、前記パージ流量調整バルブによるパージ量が機関運転状態に応じて可変であることを要旨とする。
【0014】
上記目的を達成するため、請求項4記載の発明は、請求項3記載の内燃機関において、前記パージ流量調整バルブによるパージ量が機関負荷によって可変であり、圧縮自己着火燃焼時に機関負荷が低いほど、パージ量を大とすることを要旨とする。
【0015】
上記目的を達成するため、請求項5記載の発明は、請求項3記載の内燃機関において、前記パージ流量調整バルブによるパージ量が機関回転数によって可変であり、圧縮自己着火燃焼時に機関回転数が高いほど、パージ量を大とすることを要旨とする。
【0016】
上記目的を達成するため、請求項6記載の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の内燃機関において、前記キャニスタと前記パージ流量調整バルブとの間に流量計およびHC濃度計を備え、パージ量を検出することにより、前記エバポガスを含む筒内供給燃料量を調整制御することを要旨とする。
【0017】
上記目的を達成するため、請求項7記載の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載の内燃機関において、前記キャニスタからパージされるエバポガスを吸気通路に押し込むための圧送手段を有し、該圧送手段によりパージ量を調整制御することを要旨とする。
【0018】
上記目的を達成するため、請求項8記載の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれか1項記載の内燃機関において、機関の状態が冷間状態または暖機完了状態のいずれであるかを検出するセンサを有し、圧縮自己着火燃焼時に、前記センサからの情報に基づき機関が冷間状態にあると判断された場合に、エバポガスをパージすることを要旨とする。
【0019】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、燃料タンクからの蒸発ガスであるエバポガスを捕捉するキャニスタと、該キャニスタと吸気通路の間にエバポガスのパージ量を調整可能なパージ流量調整バルブを有し、火花点火燃焼と圧縮自己着火燃焼とを運転条件に応じて切り換える内燃機関において、圧縮自己着火燃焼時には、火花点火燃焼時に比較して相対的にエバポガスのパージ量を多くするようにしたため、圧縮比を大幅に高めることなく、または特別な改質手段を講じなくても、通常の圧縮によって、十分な予反応が起こり、自己着火を意図的に引き起こすことが可能になり、低燃費かつ低排気な燃焼が可能になる。
【0020】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、火花点火燃焼時にはエバポガスのパージを停止するようにしたので、機関負荷が高く火花点火燃焼を行う場合ノッキングを抑制し、高い出力を得ることが可能になる。したがって、エバポガスのパージON/OFFによって、低燃費・低排気と高出力の両立が可能になる。
【0021】
請求項3の発明によれば、請求項1または請求項2の発明の効果に加えて、前記パージ流量調整バルブによるパージ量が機関運転状態に応じて可変であるようにしたため、運転条件に応じてパージされるエバポガスを有効に利用することができる。
【0022】
請求項4の発明によれば、請求項3の発明の効果に加えて、前記パージ流量調整バルブによるパージ量が機関負荷によって可変であり、圧縮自己着火燃焼時に機関負荷が低いほど、パージ量を大とすることとしたため、空気過剰率大により、予反応が起こりづらくなる機関低負荷時にも、予反応を生じやすくさせ、安定した圧縮自己着火燃焼を行うことで低燃費かつ低排気な燃焼が可能になる。
【0023】
請求項5の発明によれば、請求項3の発明の効果に加えて、前記パージ流量調整バルブによるパージ量が機関回転数によって可変であり、圧縮自己着火燃焼時に機関回転数が高いほど、パージ量を大とすることとしたため、圧縮期間中の実時間が短縮され、十分な予反応が起こりづらい機関高回転時におていも安定した圧縮自己着火燃焼を行うことで低燃費かつ低排気な燃焼が可能になる。
【0024】
請求項6の発明によれば、請求項1ないし請求項5の発明の効果に加えて、前記キャニスタと前記パージ流量調整バルブとの間に流量計およびHC濃度計を備え、パージ量を検出することにより、前記エバポガスを含む筒内供給燃料量を調整制御するようにしたため、エバポガスのパージによる供給燃料を算出することで、筒内供給空燃比が変動することによる負荷変動を抑制し、かつ、必要なエバポパージ量に制御することにより、安定した圧縮自己着火燃焼を行うことが出来る。
【0025】
請求項7の発明によれば、請求項1ないし請求項6の発明の効果に加えて、前記キャニスタからパージされるエバポガスを吸気通路に押し込むための圧送手段を有し、該圧送手段によりパージ量を調整制御するようにしたため、圧縮自己着火燃焼時に吸気通路内とエバポパージライン上の差圧が小さいときでも、任意の量を吸気通路に供給することが可能になり、かつ、必要なエバポパージ量に制御することにより、安定した圧縮自己着火燃焼を行うことが出来る。
【0026】
請求項8の発明によれば、請求項1ないし請求項7の発明の効果に加えて、機関の状態が冷間状態または暖機完了状態のいずれであるかを検出するセンサを有し、圧縮自己着火燃焼時に、前記センサからの情報に基づき機関が冷間状態にあると判断された場合に、エバポガスをパージするようにしたため、筒内温度が低く、予反応が起こりづらい冷間運転状態において、速やかに圧縮自己着火燃焼を行うことが可能となるため、冷間時においても低燃費かつ低排気燃焼を達成することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る内燃機関の実施形態の全体を示すシステム構成図である。図1では、燃焼室内に直接燃料噴射を行う筒内直噴機関が図示してあるが、これは本発明を限定するものではなく、吸気系に燃料噴射する内燃機関にも本発明を適用することができる。
【0028】
図1において、燃料タンクであるガソリンタンク1の上部は、チェックバルブ2を介してキャニスタ4に連通している。キャニスタ4には、圧送ポンプ3と、吸気コレクタ10に通じるパージライン7が接続され、パージライン7上には、HC濃度計5、流量計6、パージ流量を制御するパージバルブ8が設けられている。
【0029】
吸気コレクタ10の吸気側にはスロットルバルブ9が設けられるとともに、吸気コレクタ10は、吸気ポート11及び図示しない吸気バルブを介して燃焼室23に接続されている。燃焼室23の略中央部には、火花点火時に放電する点火プラグ12と、筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁13が配設されている。
【0030】
また燃焼室23は、図示しない排気弁を介して排気ポート14に接続され、排気ポート14には、排気中の酸素濃度を検出する排気O2センサ15が設けられている。
【0031】
エンジン全体を制御するECU20には、HC濃度計5、流量計6、アクセル開度センサ17、水温センサ18、油温センサ19、燃料噴射弁駆動部21、及びクランク角センサ22がそれぞれ接続され、エンジン各部の状態信号をECU20へ入力している。
【0032】
また、ECU20は、圧送ポンプ3、パージバルブ8、スロットルバルブ9、点火プラグ12、及び燃料噴射弁駆動ユニット21へそれぞれ制御出力信号を出力するようになっている。
【0033】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
ECU20は、水温センサ18及び油温センサ19の信号によりエンジンの暖機状態を判定し、アクセル開度センサ17及びクランク角センサ22の信号により機関の運転条件を判定する。そして、例えば暖機中であれば火花点火燃焼を選択し、暖機後であれば、運転条件に応じて、点火プラグによる火花点火燃焼と、火花点火によらない圧縮自己着火燃焼を切り替える。
【0034】
圧縮自己着火燃焼は、火花点火燃焼に比べ、空燃比が大きい(空気過剰率大)領域においても燃焼が可能であり、低燃費かつ低排気での運転が可能である。
【0035】
一方、ガソリンは元来、ディーゼル機関における軽油と異なり、オクタン価が高くセタン価が低いために自己着火を引き起こしにくく、圧縮比を高めるか、吸気温度を高めるなど、圧縮行程後半における筒内状態を高温、高圧にしないかぎり圧縮自己着火を安定的に起こすことが困難である。
【0036】
特に、負荷が低く、空気過剰率大の場合、仮に自己着火を部分的に発生させることが出来ても、相隣る燃料への熱の上昇、すなわち反応促進に寄与することが出来にくいため、筒内全体に亘る燃焼を引き起こすに至らずに部分的に失火が生じる可能性がある。
【0037】
また、機関回転数が高い場合、燃焼の予反応が十分に引き起こされる前に圧縮上死点を通り越し、筒内圧力が下降しはじめるため、予反応から熱炎へと発展することができないため、安定した自己着火が行えないことになる。
【0038】
ここで、ガソリンタンクから発生する蒸発ガスであるエバポガスのオクタン価について考察する。
【0039】
図2は、ガソリン成分を沸点範囲別に分けてオクタン価を調べた結果を示す図である。図2によれば、沸点が90℃以下の低沸点成分は、ガソリン体積の40%を占め、このオクタン価はガソリントータルのオクタン価を1とした場合(以下、比オクタン価と呼ぶ)0.85程度である。沸点が90〜145℃の中沸点成分は、ガソリン体積の45%を占め、この比オクタン価は1.16程度である。沸点が145℃以上の高沸点成分は、ガソリン体積の15%を占め、この比オクタン価は0.90程度である。
【0040】
ガソリン成分は、石油精製業者、販売地域、レギュラーかハイオクかで多少異なるが、ガソリントータルのオクタン価で正規化した図2の一般的傾向は不変であり、ガソリン成分中の低沸点成分は、ガソリンのトータルオクタン価に比べ、1〜2割程度低いオクタン価となっていると考えられる。
【0041】
ガソリンタンクから発生するエバポガスは、そのときの温度における各沸点成分の蒸気圧にほぼ等しい成分割合からなるので、低沸点成分が大半を占めることになり、ある意味では分留された状態にある。そして、沸点の低い成分は、ガソリンのトータルオクタン価に比べ、1〜2割程度低いオクタン価となっているので、エバポガスは反応性の高い、即ちセタン価の高いガソリン成分で構成されているといえる。
【0042】
そこで、本発明では、ガソリンタンク1と吸気通路である吸気コレクタ10間をエバポガスを吸着するキャニスタ4およびパージバルブ8を介して連通し、運転条件に応じて、エバポパージを実行または停止するとともに、パージ量を制御するようにした。
【0043】
すなわち圧縮着火燃焼時に、キャニスタ4に吸着されたオクタン価の低いエバポガスをパージすることにより、筒内に供給される燃料のトータルのオクタン価を平均より低下させることで、圧縮着火燃焼を安定的に引き起こす。特に、圧縮着火燃焼が不安定になり易い低負荷時および高回転時ほどパージ量を多くするようにパージバルブ8の開度を制御する。
【0044】
逆に、火花点火燃焼時には、エバポパージを停止させ、低オクタン価のエバポガスを吸気系に吸入しないように制御し、ノッキングを抑制するようにしている。
【0045】
図3は、本実施形態における負荷−回転数マップ上の運転状態とパージ量の関係を示す図である。図3に示すように、中回転までの部分負荷領域を圧縮自己着火運転領域とし、この領域でエバポパージを行うようにしている。そして、パージ量は、機関負荷の低下または機関回転数の増加に伴って増加させるように、図1のパージバルブ8の開度を増加させるようにECU20が制御している。
【0046】
図4は、本実施形態における制御の流れを説明するフローチャートである。 まず、ECU20は、アクセル開度センサ17に基づくエンジン負荷、クランク角センサ22に基づくエンジン回転数をそれぞれ読み込み、火花点火燃焼か圧縮自己着火燃焼のどちらを行うかをECU20内の運転領域マップを元に判断する(ステップ10、以下ステップをSと略す)。
【0047】
火花点火燃焼が選択された場合(S12)、圧縮着火燃焼時のパージ量以下となるようにパージバルブ8の開度を調整、またはパージバルブ8は閉とし、エバポパージは行わない(S14)。圧縮着火燃焼が選択された場合(S16)、前記エンジン負荷、エンジン回転数および水温センサ18、油温センサ19により検出されたエンジン油水温に基づき、エバポパージを行うかどうかを判定するとともに、エバポパージ量と要求空燃比を算出する(S18)。
【0048】
エバポパージを行うと判断した場合、目標空燃比を算出し(S20)、パージバルブ8を微少に開け(S22)、キャニスタ4から吸気通路間のパージライン7のガス流量を流量計6で検出して読み込み(S24)、同HC濃度をHC濃度計5で検出して読み込み、HC濃度、ガス流量からエバポガスによる燃料供給量を検出し、目標空燃比に対する必要パージバルブ開度、および燃料噴射弁による噴射量を算出する(S26)。ここで、燃料噴射弁による噴射量は、目標空燃比に必要な燃料量からエバポガスによる燃料供給量を減じた残りの燃料量として算出される。
【0049】
次いで、HC濃度が0か否かを判定し(S28)、HC濃度が0であれば、キャニスタ4の吸着量を使い果たしてパージが完了したのでパージバルブ8を閉じて(S32)、速やかに燃料噴射弁13からの燃料を増量するか、火花点火燃焼に切り替えるようにして、処理を終了する。
【0050】
HC濃度が0でなければ、排気通路に設けたO2センサ14により、排気中の酸素濃度、即ち目標空燃比に対するずれを調べ(S30)、目標空燃比になっていなければS22へ戻り常に目標空燃比となるよう制御し、目標空燃比になっていれば、処理を終了する。
【0051】
S18でエバポパージしないと判断したとき、パージバルブ8を閉じて、燃料噴射弁13からのみ燃料供給するとして処理を終了する(S40)。
【0052】
ここで、圧縮自己着火燃焼を引き起こし、かつポンピングロスを低減するために、スロットルバルブ9は全開となっている場合、キャニスタ4から効果的にエバポガスをパージするために、キャニスタ4から吸気コレクタ10などの吸気通路に至るパージライン7を吸気側に加圧する圧送ポンプ3などの圧送手段を設けることが有効と考えられる。
【0053】
また、キャニスタのサイズを大きくすれば、吸着できるエバポガスを増やすことが可能だが、車両レイアウト上の制約等でむやみに大きくすることは必ずしも出来ない。そこで、エンジン始動時等のエンジン油水温が低い場合のように、筒内温度が低く、圧縮着火を起こしづらい場合のみエバポガスを筒内に供給するために、エンジンの状態が冷間状態または暖機状態の何れであるかを検出するセンサ、例えば水温センサ又は油温センサを有し、圧縮自己着火燃焼時に、前記センサからの情報に基づきエンジンが冷間状態にあると判断された場合に、エバポガスをパージすれば、キャニスタサイズを大きくすることなく、効果的にエバポガスを有効利用することができる。
【0054】
以上説明した本実施形態では、筒内直噴エンジンについて説明したが、吸気ポート噴射エンジンでも本発明は同様な効果を持つことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内燃機関の実施形態の全体を示すシステム構成図である。
【図2】ガソリンの沸点成分毎の比オクタン価を示すグラフである。
【図3】本発明の運転領域マップ上の燃焼形態とエバポパージ量を示すグラフである。
【図4】本発明の実施形態の制御フローである。
【符号の説明】
1 ガソリンタンク
2 チェックバルブ
3 圧送ポンプ
4 キャニスタ
5 HC濃度計
6 流量計
7 パージライン
8 パージバルブ
9 スロットルバルブ
10 吸気コレクタ
11 吸気ポート
12 点火プラグ
13 燃料噴射弁
14 排気ポート
15 排気O2センサ
16 ピストン
17 アクセル開度センサ
18 水温センサ
19 油温センサ
20 ECU
21 燃料噴射弁駆動ユニット
22 クランク角センサ

Claims (8)

  1. 燃料タンクからの蒸発ガスであるエバポガスを捕捉するキャニスタと、該キャニスタと吸気通路の間にエバポガスのパージ量を調整可能なパージ流量調整バルブを有し、火花点火燃焼と圧縮自己着火燃焼とを運転条件に応じて切り換える内燃機関において、
    圧縮自己着火燃焼時には、火花点火燃焼時に比較して相対的にエバポガスのパージ量を多くしたことを特徴とする内燃機関。
  2. 火花点火燃焼時にはエバポガスのパージを停止することを特徴とする請求項1記載の内燃機関。
  3. 前記パージ流量調整バルブによるパージ量が機関運転状態に応じて可変であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の内燃機関。
  4. 前記パージ流量調整バルブによるパージ量が機関負荷によって可変であり、圧縮自己着火燃焼時に機関負荷が低いほど、パージ量を大とすることを特徴とする請求項3記載の内燃機関。
  5. 前記パージ流量調整バルブによるパージ量が機関回転数によって可変であり、圧縮自己着火燃焼時に機関回転数が高いほど、パージ量を大とすることを特徴とする請求項3記載の内燃機関。
  6. 前記キャニスタと前記パージ流量調整バルブとの間に流量計およびHC濃度計を備え、パージ量を検出することにより、前記エバポガスを含む筒内供給燃料量を調整制御することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の内燃機関。
  7. 前記キャニスタからパージされるエバポガスを吸気通路に押し込むための圧送手段を有し、該圧送手段によりパージ量を調整制御することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載の内燃機関。
  8. 機関の状態が冷間状態または暖機完了状態のいずれであるかを検出するセンサを有し、圧縮自己着火燃焼時に、前記センサからの情報に基づき機関が冷間状態にあると判断された場合に、エバポガスをパージすることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項記載の内燃機関。
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