JP6242141B2 - 質量分析装置、同定方法、およびプログラム - Google Patents
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Description
リセリンに脂肪酸が2つ結合した場合であるが、2つの脂肪酸の炭素鎖総数36・不飽和結合総数2といっても、含まれる脂肪酸の種類によっては、図13に示すように3つの構造異性体を含んでいるケースも想定される。
脂肪酸を含む試料をイオン化するイオン化部と、
前記イオン化部で生成されたイオンを質量に応じて分離してプリカーサーイオンを選択する第1質量分離部と、
前記第1質量分離部で選択されたプリカーサーイオンを開裂させてフラグメントイオンを生成する開裂部と、
前記開裂部で生成されたフラグメントイオンを質量に応じて分離する第2質量分離部と、
前記第2質量分離部で分離されたフラグメントイオンを検出する検出部と、
データベースを検索して、前記検出部の検出結果から得られる脂肪酸のチャージリモートフラグメンテーションのピークパターンを含むプロダクトイオンスペクトルから脂肪酸を同定する同定部と、
を含み、
前記データベースには、脂肪酸のチャージリモートフラグメンテーションによる各フラグメントイオンの質量電荷比とプリカーサーイオンの質量電荷比との差の情報、および各フラグメントイオンの強度の情報を含む脂肪酸のピークリストが登録され、
前記同定部は、脂肪酸の所与の位置で開裂して生成されたフラグメントイオンの質量電荷比とプリカーサーイオンの質量電荷比との差をインデックスとして、前記データベースの検索を行う。
前記同定部は、脂肪酸が同定された場合に、前記プロダクトイオンスペクトルのフラグメントイオンの強度から、同定された脂肪酸の前記ピークリストの各フラグメントイオンの強度を差し引いてもよい。
前記ピークリストにおいて、各フラグメントイオンの強度は、脂肪酸の所与の位置で開裂して生成されたフラグメントイオンの強度に対する各フラグメントイオンの強度の比であってもよい。
脂肪酸のチャージリモートフラグメンテーションのピークパターンを含むプロダクトイオンスペクトルから、脂肪酸を同定する脂肪酸の同定方法であって、
データベースを検索して、前記プロダクトイオンスペクトルから脂肪酸を同定する工程を含み、
前記データベースには、脂肪酸のチャージリモートフラグメンテーションによる各フラグメントイオンの質量電荷比とプリカーサーイオンの質量電荷比との差の情報、および各フラグメントイオンの強度の情報を含む脂肪酸のピークリストが登録され、
脂肪酸の所与の位置で開裂して生成されたフラグメントイオンの質量電荷比とプリカーサーイオンの質量電荷比との差をインデックスとして、前記データベースの検索を行う。
脂肪酸が同定された場合に、前記プロダクトイオンスペクトルのフラグメントイオンの強度から、同定された脂肪酸の前記ピークリストの各フラグメントイオンの強度を差し引いてもよい。
前記ピークリストにおいて、各フラグメントイオンの強度は、脂肪酸の所与の位置で開裂して生成されたフラグメントイオンの強度に対する各フラグメントイオンの強度の比であってもよい。
脂肪酸のチャージリモートフラグメンテーションのピークパターンを含むプロダクトイオンスペクトルから、脂肪酸を同定するプログラムであって、
データベースを検索して、前記プロダクトイオンスペクトルから脂肪酸を同定する同定部としてコンピューターを機能させ、
前記データベースには、脂肪酸のチャージリモートフラグメンテーションによる各フラ
グメントイオンの質量電荷比とプリカーサーイオンの質量電荷比との差の情報、および各フラグメントイオンの強度の情報を含む脂肪酸のピークリストが登録され、
前記同定部は、脂肪酸の所与の位置で開裂して生成されたフラグメントイオンの質量電荷比とプリカーサーイオンの質量電荷比との差をインデックスとして、前記データベースの検索を行う。
前記同定部は、脂肪酸が同定された場合に、前記プロダクトイオンスペクトルのフラグメントイオンの強度から、同定された脂肪酸の前記ピークリストの各フラグメントイオンの強度を差し引いてもよい。
前記ピークリストにおいて、各フラグメントイオンの強度は、脂肪酸の所与の位置で開裂して生成されたフラグメントイオンの強度に対する各フラグメントイオンの強度の比であってもよい。
まず、本実施形態に係る質量分析装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る質量分析装置100の構成を示す図である。
き、第1質量分離部20で選択したプリカーサーイオンから生じた2次的なフラグメントイオン(プロダクトイオン)を第2質量分離部40で質量に応じて分離して検出部50で検出する。
として、例えば、四重極型(Quadrupole,Q)、イオントラップ型(Ion Trap,IT)、磁場偏向型(Magnetic Sector)等の質量分析計を用いてもよい。
Δm/z値は、各フラグメントイオンの質量電荷比m/zからプリカーサーイオンの質量電荷比m/zを差し引くことで求められる。したがって、図2および図3に示すスペクトルでは、プリカーサーイオンのΔm/z値は、0である。また、各フラグメントイオンのΔm/z値は、負の値をとる。図2および図3に示すスペクトルの縦軸は、イオンの相
対強度である。
されたピークがすべて登録されていてもよいし、基準フラグメントイオン(脂肪酸のΔ3位で開裂して生成されたフラグメントイオン)から、プリカーサーイオン(すなわちΔm/z=0)までの範囲のイオンが登録されていてもよい。
次に、本実施形態に係る脂肪酸を含む試料の同定方法について図面を参照しながら説明する。図5は、本実施形態に係る同定方法の一例を示すフローチャートである。ここでは、本実施形態に係る同定方法を質量分析装置100に適用した例について説明する。
想定される脂肪酸の情報は、ユーザーによって入力されてもよいし、同定部64が試料のプロダクトイオンスペクトルに基づいて決定してもよい。
ら設定された検索範囲でフラグメントイオンを探す(ステップS123)。このとき、同定部64は、例えば、先に選択されたフラグメントイオンの次に強度が強いフラグメントイオンを探す。そして、同定部64は、ステップS124、ステップS125、ステップS126の処理を行う。
次に、本実施形態に係るプログラムについて説明する。本実施形態に係るプログラムは、上述のように、脂肪酸のチャージリモートフラグメンテーションのピークパターンを含むプロダクトイオンスペクトルから、脂肪酸を同定するプログラムであって、データベースを検索して、プロダクトイオンスペクトルから脂肪酸を同定する同定部64としてコンピューターを機能させ、データベースには、脂肪酸のチャージリモートフラグメンテーションによって得られる各フラグメントイオンの質量電荷比とプリカーサーイオンの質量電
荷比との差の情報、および各フラグメントイオンの強度の情報を含む脂肪酸のピークリストが登録されている。
本実施形態に係る質量分析装置100では、同定部64は、データベースを検索して、検出部50の検出結果から得られる脂肪酸のチャージリモートフラグメンテーションのピークパターンを含むプロダクトイオンスペクトルから脂肪酸を同定する。また、データベースには、脂肪酸のチャージリモートフラグメンテーションによる各フラグメントイオンの質量電荷比とプリカーサーイオンの質量電荷比との差Δm/zの情報、および各フラグメントイオンの強度の情報を含む脂肪酸のピークリストが登録されている。そのため、脂質のチャージリモートフラグメンテーションによる構造解析を容易に行うことができる。具体的には、質量分析装置100では、例えば、脂肪酸が複数結合した脂質や、構造異性体を含む脂質の構造解析を容易に行うことができる。また、例えば、脂質の構造解析の自動化を図ることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
Claims (9)
- 脂肪酸を含む試料をイオン化するイオン化部と、
前記イオン化部で生成されたイオンを質量に応じて分離してプリカーサーイオンを選択する第1質量分離部と、
前記第1質量分離部で選択されたプリカーサーイオンを開裂させてフラグメントイオンを生成する開裂部と、
前記開裂部で生成されたフラグメントイオンを質量に応じて分離する第2質量分離部と、
前記第2質量分離部で分離されたフラグメントイオンを検出する検出部と、
データベースを検索して、前記検出部の検出結果から得られる脂肪酸のチャージリモートフラグメンテーションのピークパターンを含むプロダクトイオンスペクトルから脂肪酸を同定する同定部と、
を含み、
前記データベースには、脂肪酸のチャージリモートフラグメンテーションによる各フラグメントイオンの質量電荷比とプリカーサーイオンの質量電荷比との差の情報、および各フラグメントイオンの強度の情報を含む脂肪酸のピークリストが登録され、
前記同定部は、脂肪酸の所与の位置で開裂して生成されたフラグメントイオンの質量電荷比とプリカーサーイオンの質量電荷比との差をインデックスとして、前記データベースの検索を行う、質量分析装置。 - 請求項1において、
前記同定部は、脂肪酸が同定された場合に、前記プロダクトイオンスペクトルのフラグメントイオンの強度から、同定された脂肪酸の前記ピークリストの各フラグメントイオンの強度を差し引く、質量分析装置。 - 請求項1または2において、
前記ピークリストにおいて、各フラグメントイオンの強度は、脂肪酸の所与の位置で開裂して生成されたフラグメントイオンの強度に対する各フラグメントイオンの強度の比である、質量分析装置。 - 脂肪酸のチャージリモートフラグメンテーションのピークパターンを含むプロダクトイオンスペクトルから、脂肪酸を同定する脂肪酸の同定方法であって、
データベースを検索して、前記プロダクトイオンスペクトルから脂肪酸を同定する工程を含み、
前記データベースには、脂肪酸のチャージリモートフラグメンテーションによる各フラグメントイオンの質量電荷比とプリカーサーイオンの質量電荷比との差の情報、および各フラグメントイオンの強度の情報を含む脂肪酸のピークリストが登録され、
脂肪酸の所与の位置で開裂して生成されたフラグメントイオンの質量電荷比とプリカーサーイオンの質量電荷比との差をインデックスとして、前記データベースの検索を行う、同定方法。 - 請求項4において、
脂肪酸が同定された場合に、前記プロダクトイオンスペクトルのフラグメントイオンの強度から、同定された脂肪酸の前記ピークリストの各フラグメントイオンの強度を差し引く、同定方法。 - 請求項4または5において、
前記ピークリストにおいて、各フラグメントイオンの強度は、脂肪酸の所与の位置で開裂して生成されたフラグメントイオンの強度に対する各フラグメントイオンの強度の比である、同定方法。 - 脂肪酸のチャージリモートフラグメンテーションのピークパターンを含むプロダクトイオンスペクトルから、脂肪酸を同定するプログラムであって、
データベースを検索して、前記プロダクトイオンスペクトルから脂肪酸を同定する同定部としてコンピューターを機能させ、
前記データベースには、脂肪酸のチャージリモートフラグメンテーションによる各フラグメントイオンの質量電荷比とプリカーサーイオンの質量電荷比との差の情報、および各フラグメントイオンの強度の情報を含む脂肪酸のピークリストが登録され、
前記同定部は、脂肪酸の所与の位置で開裂して生成されたフラグメントイオンの質量電荷比とプリカーサーイオンの質量電荷比との差をインデックスとして、前記データベースの検索を行う、プログラム。 - 請求項7において、
前記同定部は、脂肪酸が同定された場合に、前記プロダクトイオンスペクトルのフラグメントイオンの強度から、同定された脂肪酸の前記ピークリストの各フラグメントイオンの強度を差し引く、プログラム。 - 請求項7または8において、
前記ピークリストにおいて、各フラグメントイオンの強度は、脂肪酸の所与の位置で開裂して生成されたフラグメントイオンの強度に対する各フラグメントイオンの強度の比である、プログラム。
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