JP6205273B2 - コネクタ - Google Patents
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Description
即ち、一端を接続対象物となる同一の平型導体に接続し、他端を基板の同一の基板接点に接続する平板状の第1の端子及び第2の端子と、第1及び第2の端子を、平板状の端子面が基板の表面に対して垂直な縦方向に沿うように並列に保持するハウジングと、を備えており、前記第1及び第2の端子はそれぞれ、前記平型導体と導通接続する接触部と、前記接触部に連続する基部と、前記基部複数本に分岐して伸長しており前記平板状の端子面を平行に配置したバネ部と、各バネ部の末端側で前記基板接点と導通接続する基板接続部と、を備えるコネクタである。
これによればバネ部における端子配置を板厚方向でコンパクトにしてコネクタ全体を小型化できる。
これによれば、第1の端子の接触部と第2の端子の接触部が平型導体の縦長の挿入口に沿って縦並びとなるため、接触部の平板状の端子面を基板と平行に横並びで配置する場合よりも、端子の断面積を大きくして低抵抗化することができ大電流用途に対応できる。
これによれば、平型導体と接触する接触部で発生する熱を、連通孔を通じて放熱することができ、大電流用途に対応できるハウジング構造を実現できる。
これによれば、バネ部によってフローティング機構を有するコネクタ端子を実現することができ、コネクタ嵌合の位置ずれや使用時の振動によるはんだ付け部への負荷を緩和することができる。そのバネ部は直線部と屈曲部とを組み合わせて構成されるため、ばね長のある低バネ係数で柔軟性の高い端子構造を実現することができる。
接触部での接点数を複数とすることで1接点部あたりの電流値を小さくして接触部での発熱を抑制することができるので、大電流用途に対応する接点構造とすることができる。
これによれば、基板からのコネクタの突出高さを抑えることができるので、基板を設置する機器内部での省スペースの要請に対応できる。この場合、基板の板端に取付けることでエッジコネクタとすることができる。さらにこの場合、平型導体の嵌合方向を基板の基板面に沿う方向とすることで、水平接続が可能なエッジコネクタとすることができる。
これによれば、大電流用途に対応しつつフローティング機能を備えるコネクタを実現できる。
図1〜図39で示すように、コネクタ1は、エッジコネクタであって、基板2の端に実装されるハウジング3と、ハウジング3に保持されて電子部品の平型導体4に接続する端子部5とを備える。なお、本実施形態では「平型導体」の例としてバスバーを示す。
図1〜図7、図11〜図24で示すように、ハウジング3は、絶縁性の樹脂でなり全体として略直方体形状に設けられ、高さ方向Zはコネクタ1の幅方向X及び前後方向Yよりも小さく形成されている。ハウジング3は「可動ハウジング」としてのハウジング本体6と、「固定ハウジング」としてのリテーナ7とを備える。そしてリテーナ7は内側に空間8を有しており、この空間8内にハウジング本体6を収容する。
図11〜図17で示すように、ハウジング本体6は、平型導体4の挿入口6bと、収容孔6cと、連通孔6dと、係止部6eと、脱落防止部6fとを有する。
挿入口6bは、基板2に対して垂直なハウジング本体6の前面部6a1に設けられ、縦長に形成される。そして、この挿入口6bには電子部品の平型導体4を挿入することができる。本実施形態では挿入口6bを3つ設け、各挿入口6bには平型導体4を1つずつ挿入することができる。この挿入口6bはコネクタ1の高さ方向Zに沿わせて設けられ、平型導体4の外周よりも大きく形成されている。そして、平型導体4は、基板2に対する垂直方向に板面を維持した状態で、基板2の面方向に対して平行となるように挿入口6bに挿入される。
図18〜図24で示すように、リテーナ7は、挿通孔7bと、収容空間7cと、係止孔7dと、凹部7eと、固定溝7fと、基板固定部7gとを有する。
挿通孔7bは、前後方向Yにおける後部に設けられ、コネクタ1を組み上げる際に端子部5を挿入することができる。本実施形態では3つ形成されており、各挿通孔7bには端子部5が1つずつ挿入されている。
係止孔7dはリテーナ7の上部に形成され、縁部で可動ハウジング3の係止部6eを係止することができる。
凹部7eは、リテーナ7の側面であって、前後方向Yにおける前側に設けられる。この凹部7eは、リテーナ7の空間8にハウジング本体6を収容する際に前記の脱落防止部6fを受けることができる。
固定溝7fは、リテーナ7の前後方向Yにおける後方に設けられ、端子部5を固定することができる。
図8〜図10、図25〜37で示すように、端子部5は第1の端子9と第2の端子10とを備えている。第1の端子9と第2の端子10はそれぞれ平板状の金属板を部分的に折り曲げ加工して形成されている。これらの第1の端子9と第2の端子10は、それぞれが一端側で同一の平型導体4に接続し、他端側で基板2の同一の基板接点2bに導通接続する。
図25〜図28で示すように、第1の端子9は、接触部9aと、基部9bと、バネ部9cと、固定片部9d、基板接続部9eとを備える。
外向屈曲部9c1は、基部9bの基端部9b1における前後方向Yの後端側から後方に向けて伸長し、前側から後側にかけてコネクタ1の幅方向Xにおける外側に向けて屈曲して形成される。
折返し部9c2は、外向屈曲部9c1の後端側に連続して設けられ、まず外向屈曲部9c1の側から後方に延び、コネクタ1の高さ方向Zにおける下方向に下がり、続いて前方に折返す形状でなる。
可動部9c3は平板状に形成されるため、例えば細軸状とする場合と比べて端子の断面積を大きくすることができる。したがって可動部9c3における低抵抗化を実現することができる。また、可動部9c3が平板状に形成されることで、そのバネ長を長く設けるほど可動部9c3が柔らかくなり、板厚方向に向けて弾性変形しやすくなる。この可動部9c3は、第1の端子9がハウジング3に保持される際、リテーナ7の収容空間7cに収容される。しかし、コネクタ1を小型化するほどリテーナ7の収容空間7cが狭くなるため、バネ長を長く設けることが困難となる。
また、バネ部9cが前述の外向屈曲部9c1を有することで、対向するバネ部9c、9c及び、基板接続部9e、9eの間隔は対向する基端部9b1の間隔よりも広く設定されている。
図29〜図32で示すように、第2の端子10は、接触部10aと、基部10bと、バネ部10cと、固定片部10dと、基板接続部10eとを備える。第2の端子10は、第1の端子9とコネクタ1の高さ方向Zが略同じ高さに形成される。また前後方向Yの長さも略同程度に形成される。
内向屈曲部10c1は、基部10bの基端部10b1における前後方向Yの後端側から後方に向けて伸長し、前側から後側にかけて幅方向Xの内側に向けて屈曲して形成される。
直線部10c4と、傾斜部10c6と、直線部10c8はいずれも直線上でなり、屈曲部10a5、10a7で連結している。直線部10c4は収容空間7cの前端側で基端部10b1と連続し、そこから収容空間7cの後端側にかけて形成される。また、傾斜部10c6は収容空間7cの後端側かつ下端側の位置から、収容空間7cの前端側かつ上端側にかけて形成される。さらに直線部8は収容空間7cの前端側から後端側にかけて形成される。こうすることで、第1の端子9の可動部10c3と同様に、収容空間7cを最大限利用してバネ長を長く設けることができ、低バネ係数で板厚方向に弾性変形しやすい可動部10c3とすることができる。
次に、端子部5のハウジング3への組付け方法を説明する。まず、リテーナ7の空間8にハウジング本体6を収容し、ハウジング本体6の係止部6eをリテーナ7の係止孔7dに係止させる。その際、ハウジング本体6の脱落防止部6fをリテーナ7の凹部7eに入り込ませる。これによりリテーナ7がハウジング本体6に固定され、リテーナ7の内部にハウジング本体6の収容孔6cと通じる収容空間7cが形成される。
固定片部10dには係止突起9d1が設けられており、この係止突起9d1を固定溝7fの内壁に噛み込ませることで、第2の端子10をリテーナ7に対して固定することができる。
したがって、第2の端子10をハウジング3に取り付ける際に、ハウジング3に固定されている第1の端子9の対向するバネ部9c、9c及び基板接続部9e、9eの間に接触部10aを挿通させて収容孔6cに挿入する。第2の端子10がハウジング3に固定された状態で、バネ部10c、10cは第1の端子9の対向するバネ部9c、9cの間に収容される。また、同様に第2の端子10の基板接続部10e、10eは、第1の端子9の対向する基板接続部9e、9eの間に収容される。
まず、コネクタ1の基板2への実装方法について説明する。図38、39で示すように、コネクタ1は基板2の端部に実装することができる。基板2の端部には、リテーナ7の側面部7a1、7a1及び後面部7a2の外形に沿う切欠き2aを形成する。そして、この切欠き2aにコネクタ1をリテーナ7の後面部7aから挿入する。その際、基板固定部7gと、第1の端子9及び第2の端子10の基板接続部9e、10eを基板2の表面側に配置する。基板固定部7gは補強金具や接着剤などを用いて基板2に対して固定することができる。コネクタ1を基板2に固定した後、第1の端子9及び第2の端子10の基板接続部9e、10eを基板2に半田付けする。
したがって、平型導体4を挿入口6bからハウジング本体6に挿入すると、前側に屈曲部9a3、10a3を有する接点アーム9a1、10a1にまず接触し、続いて後側に屈曲部9a3、10a3を有する接点アーム9a2、10a2に接触する。このように屈曲部9a3、10a3の位置が異なる接点アーム9a1、9a2、10a1、10a2を設けることで平型導体4と同時に接触する屈曲部9a3、10a3を減らし、平型導体4が前記各接点アームを変位させる際の抵抗を減らすことができる。よってより小さい力で平型導体4をコネクタ1に接続させることができる。
前述のとおり、基部9b、10bはハウジング本体6に固定され、基板接続部9e、10eはリテーナ7に固定されるとともに、基板2に半田付けされている。これに対し、リテーナ7は基板固定部7gを有しており、ここでコネクタ1を補強金具や接着剤などを用いて基板2に固定することができる。また、コネクタ1は、第1の端子9と第2の端子10にそれぞれバネ部9c、10cを有している。
さらに、挿入口6bの高さ方向Zにおける長さはコネクタ1の長さ方向Zにおける長さよりも長く形成されている。この挿入口6bの高さ方向Zにおいて、平型導体4の高さ方向Zにおける長さを超える部分は可動代として確保されている。よって平型導体4は挿入口6bに挿入されて端子部5と接触している状態であっても高さ方向Zに変位することができる。
これにより、振動が生じても平型導体4はコネクタ1に対して幅方向X、前後方向Y、高さ方向Zに相対変位することができる。よって振動が生じても基板2の導通接続を維持しやすいコネクタ1とすることができる。
すでに説明したものを除く本実施形態の作用・効果について説明する。
図33、37で示すように第1の端子9の接触部9aと第2の端子10の接触部10aは、前記高さ方向Zに沿って並列配置されている。
挿入口6bからハウジング本体6の収容孔6cに挿入された平型導体4は、第1の端子9の2つの接点アーム9a1、9a2と第2の端子10の2つの接点アーム10a1、10a2に対して接触する。そして、さらに平型導体4を挿入口6bに押し込むことで、平型導体4が対向する接点アーム9a1、9a2と接点アーム10a1、10a2の隙間を押し広げて屈曲部9a3、10a3と接触する。これにより、平型導体4が端子部5を介して基板2と導通接続する。複数の接点アーム9a1、9a2、10a1、10a2が順次接触して、最終的にはこれら複数の接点アームが平型導体4と接触することで、各接点アームの電流値を低下させて、大電流に対応させることができる。これにより、接点アームを複数設けずに電流を例えば1本の接点アームに集約する場合よりも、接点アームからの発熱量を減らすことができる。
よって第1の端子9と第2の端子10をハウジング3に固定した状態で、第1の端子9の接点アーム9a1、9a2、第2の端子10の接点アーム10a1、10a2は高さ方向Zに沿って配置される。
こうすることで、第1の端子9の端子面と第2の端子10の端子面とを例えば基板2と平行に配置する場合と比較して、幅方向Xがコンパクトなコネクタ1とすることができる。
前記本実施形態では、エッジコネクタであって、水平嵌合が可能なコネクタ1を示した。しかし、基板2の端以外の位置に実装するコネクタ1とすることもできる。また、垂直嵌合が可能なコネクタ1とすることもできる。これにより、より基板2への実装構造の自由度を上げることができる。
2 基板
2a 切欠き
2b 基板接点
3 ハウジング
4 平型導体
4a 先端部
4b 正規の接触位置
5 端子部
6 ハウジング本体
6a1 前面部
6a2 上面部
6a3 側面部
6b 挿入口
6c 収容孔
6c1 仕切壁
6c2 突状部
6d 連通孔
6e 係止部
6f 脱落防止部
7 リテーナ
7a1 側面部
7a2 後面部
7b 挿通孔
7c 収容空間
7c1 隔壁
7d 係止孔
7e 凹部
7f 固定溝
7g 基板固定部
8 空間
9 第1の端子
9a 接触部
9a1 接点アーム(上側)
9a2 接点アーム(下側)
9a3 屈曲部
9b 基部
9b1 基端部
9b2 連結部
9b3 係止部
9c バネ部
9c1 外向屈曲部
9c2 折返し部
9c3 可動部
9c4 傾斜部
9c5 屈曲部(バネ部)
9c6 直線部
9c7 後端部
9d 固定片部
9d1 係止突起
9e 基板接続部
9e1 固定突部
10 第2の端子
10a 接触部
10a1 接点アーム(下側)
10a2 接点アーム(上側)
10a3 屈曲部
10b 基部
10b1 基端部
10b2 連結部
10b3 係止部
10c バネ部
10c1 内向屈曲部
10c3 可動部
10c4 直線部
10c5 屈曲部(バネ部)
10c6 傾斜部
10c7 屈曲部
10c8 直線部
10d 固定片部
10d1 係止突起
10e 基板接続部
10e1 固定突部
L 隙間
Claims (8)
- 一端を接続対象物となる同一の平型導体に接続し、他端を基板の同一の基板接点に接続する平板状の第1の端子及び第2の端子と、
第1及び第2の端子を、平板状の端子面が基板の表面に対して垂直な縦方向に沿うように並列に保持するハウジングと、を備えており、
前記第1及び第2の端子はそれぞれ、
前記平型導体と導通接続する接触部と、
前記接触部に連続する基部と
前記基部から複数本に分岐して前記端子面が平行に伸長するバネ部と、
各バネ部の末端側で前記基板接点と導通接続する基板接続部と、を備えるコネクタ。 - 第1の端子の分岐するバネ部の間に第2の端子のバネ部を配置する請求項1記載のコネクタ。
- ハウジングが前記縦方向に沿う前記平型導体の挿入口を有しており、
第1の端子の接触部と第2の端子の接触部を前記縦方向に沿って上下に配置する
請求項1又は請求項2記載のコネクタ。 - ハウジングが、ハウジングの内部で少なくとも第1の端子の接触部又は第2の端子の接触部の何れかに通じる連通孔を有する請求項1〜請求項3何れか1項記載のコネクタ。
- 第1及び第2の端子のバネ部が直線部と屈曲部とを有する請求項1〜請求項4何れか1項記載のコネクタ。
- 第1及び第2の端子の接触部が複数本のアーム状の接点部を有する
請求項1〜請求項5何れか1項記載のコネクタ。 - ハウジングが、前記縦方向で基板の厚みと重ねて設置した状態で基板表面と係止する基板固定部を有する請求項1〜請求項6何れか1項記載のコネクタ。
- 第1及び第2の端子がハウジングに対する固定片部を有しており、
ハウジングは、
第1及び第2の端子の各固定片部が固定される固定ハウジングと、
第1及び第2の端子の接触部が固定される可動ハウジングとを備えており、
可動ハウジングは固定ハウジングに対して第1及び第2の端子のバネ部の弾性変形によって相対変位可能である請求項1〜請求項7何れか1項記載のコネクタ。
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