JP6177784B2 - 焼結ニッケル−チタン−希土類(Ni−Ti−RE)合金の形成方法 - Google Patents

焼結ニッケル−チタン−希土類(Ni−Ti−RE)合金の形成方法 Download PDF

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Description

本開示は、一般的には、ニッケル−チタン合金に関し、より特定的には、希土類成分を含むニッケル−チタン合金の粉末冶金処理に関する。
ニッケル−チタン合金は、自己拡張型ステント、ステントグラフト、塞栓予防フィルター、結石摘出バスケットなどの管腔内バイオメディカルデバイスの製造に一般に使用される。そのようなデバイスは、ニチノールとして一般に参照される等原子比または等原子比近傍のニッケル−チタン合金の超弾性挙動または形状記憶挙動を活用しうる。しかしながら、ニッケル−チタン合金の不十分な放射線不透過性の結果として、そのようなデバイスでは、X線蛍光透視法などの非侵襲的イメージング技術を用いて生体を外側から可視化することは困難でありうる。管腔内デバイスが微細ワイヤーまたは薄肉ストラットで作製される場合、可視化はとくに問題がある。したがって、臨床医は、生体脈管内でニチノールステントまたはバスケットを正確に配置したりかつ/または操作したりすることができないおそれがある。
ニッケル−チタンメディカルデバイスの放射線不透過性を改良する現在の方法は、重金属元素製の放射線不透過性マーカー、コーティング、またはコアの使用を含む。それに加えて、ニチノールの放射線不透過性を改良するために、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)などの貴金属が、これらの元素のコストが高いにもかかわらず合金添加物として利用されてきた。より最近の開発では、エルビウムなどの希土類元素をニチノールと合金化することにより、Ni−Ti−Pt合金ほど良好でないとしてもそれに匹敵する放射線不透過性を有する三元合金を生成可能であることが示されている(たとえば、米国特許出願公開第2008/0053577号明細書「希土類元素を含むニッケル−チタン合金」(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))。
希土類元素または他の合金元素を含む三元ニッケル−チタン合金は、真空溶融技術により一般に形成される。しかしながら、溶融体から合金を冷却する際に、合金マトリックス中に二次相の脆性網状構造が形成されうるので、三元合金の加工性および機械的性質が低下する可能性がある。脆性第2相網状構造を好適な均一化熱処理工程および/または熱機械的加工工程により破壊できない場合、メディカルデバイスまたは他の用途で三元ニッケル−チタン合金を実用上適用できないこともありうる。
米国特許出願公開第2008/0053577号明細書に明記されるように、ニッケル−チタン合金は、合金の組成および加工履歴に依存する相構造を有する。希土類元素は、ニッケルおよび/またはチタンとの固溶体を形成しうる。希土類元素はまた、ニッケルおよび/またはチタンとの1つ以上の二元金属間化合物相を形成しうる。言い換えれば、希土類元素は、特定の割合でニッケルとおよび/または特定の割合でチタンと組み合わせうる。理論により拘束することを望むものではないが、好ましい三元合金添加物として示される希土類元素のほとんどは、チタンと置き換わって、ニッケルとの1つ以上の金属間化合物相、たとえば、NiRE、NiRE、NiRE、NiREなどを形成するであろうと考えられる。しかしながら、いくつかの場合には、希土類元素は、ニッケルと置き換わって、チタンと組み合わさりTiREなどの固溶体または化合物を形成しうる。ニッケル−チタン合金はまた、組成および熱処理に依存して、ニッケルとチタンとの1つ以上の他の金属間化合物相、たとえば、NiTi、NiTi、および/またはNiTiを含みうる。希土類添加物は、ニッケル原子およびチタン原子の両方を含む三元金属間化合物相たとえばNiTiREを形成しうる。種々のNi−Ti−RE合金中のいくつかの例示的な相を以下の表1に明示する。また、1つ以上の追加の合金元素がニッケル−チタン合金中に存在する場合、追加の合金元素は、ニッケル、チタン、および/または希土類元素との金属間化合物相を形成しうる。
Figure 0006177784
超弾性を呈する、かつメディカルデバイスまたは他の製品に有用な形態に機械加工可能である、焼結ニッケル−チタン−希土類(Ni−Ti−RE)合金の形成方法を開発した。有利なことに、この焼結方法により、従来の金属加工技術を用いて加工可能である好適な硬度および第2相形態を有する焼結Ni−Ti−RE合金を製造しうるうえに、焼結Ni−Ti−RE合金は、体温で超弾性挙動を呈しうる。
本方法は、電源に接続された電気伝導性ダイおよびパンチを含む粉末固結ユニットにNi、Ti、および希土類成分を含む1つ以上の粉末を添加することを含む。1つ以上の粉末にパルス電流を流しうる。約35℃/min以下のランプ速度で粉末を焼結温度に加熱する。焼結温度で粉末に圧力を加えて、焼結Ni−Ti−RE合金を形成する。
粉末は、たとえば、約25℃/minまでのランプ速度で加熱しうる。
粉末は、たとえば、約1℃/min以上または約5℃/min以上のランプ速度で加熱しうる。しかしながら、非常に遅いランプ速度では、長時間にわたり金属が高温に維持されるので、大きい粒子サイズの焼結合金を生じうるという欠点を有することもある。さらに、そのような遅いランプ速度のコストは、使用される焼結容器のサイズに依存して、法外に高くなるおそれがある。
焼結温度は、希土類成分の融解温度未満でありうる。焼結温度は、希土類成分の軟化温度に等しくしうるか、または換言すれば希土類成分の軟化温度範囲内に含まれうる。焼結温度は、約650℃〜約900℃でありうる。焼結温度は、750℃〜800℃でありうる。焼結温度は、750℃〜835℃でありうる。軟化温度は、700℃〜835℃でありうる。軟化温度は、780℃〜835℃でありうる。軟化温度は、希土類成分の絶対融解温度(T)に関連付けられうる。たとえば、軟化温度は、0.45T〜0.6Tでありうる。軟化温度は、0.45T〜0.55Tでありうる。軟化温度は、0.50T〜0.55Tでありうる。
軟化温度は、希土類成分が17〜20のロックウェル(E)硬度を有する温度でありうる。軟化温度は、希土類成分が16〜21または17〜25のロックウェル(E)硬度を有する温度でありうる。
希土類成分は、希土類元素または希土類元素を含む化合物でありうる。
圧力は、約45MPa〜約110MPaの間にありうる。焼結Ni−Ti−RE合金は、理論密度の少なくとも約95%の密度を有しうる。希土類成分は、Dy、Er、Gd、Ho、La、Lu、Sc、Sm、Tb、Tm、Y、およびYbからなる群から選択されうる。希土類成分は、Dy、Er、Gd、Ho、La、Lu、Sc、Sm、Tb、Tm、Y、およびYbからなる群から選択される元素を含みうる。好ましくは、希土類成分は、エルビウムを含みうる。
1つ以上の粉末は、Ni元素の粉末およびTi元素の粉末を含みうる。1つ以上の粉末は、予合金Ni−Ti粉末を含みうる。1つ以上の粉末は、予合金RE−X粉末(式中、Xは、AgおよびAuから選択される元素である)を含みうる。1つ以上の粉末は、希土類元素の粉末を含みうる。希土類成分を含む1つ以上の粉末は、FeおよびBから選択されるドーパントをさらに含みうる。
本方法は、焼結Ni−Ti−RE合金を熱間加工する工程をさらに含みうる。
焼結中の圧力を増加させて焼結温度の低下を補償することが可能である。粉末の平均粒子サイズを低減して焼結温度の低下を補償することが可能である。
焼結Ni−Ti−RE合金は、約35at.%〜約65at.%の濃度のNi、約35at.%〜約65at.%の濃度のTi、および約1.5at.%〜約15at.%の濃度の希土類(RE)元素を含みうる。焼結Ni−Ti−RE合金は、マトリックス相および第2相を含みうる。第2相は、マトリックス相中に個別の領域を構成し、RE元素を含む。一例では、焼結Ni−Ti−RE合金は、約45at%〜55at%の濃度のNi、約45at%〜55at%の濃度のTi、および約2.5at%〜12.5at%の濃度の希土類(RE)成分を含みうる。
焼結Ni−Ti−RE合金は、Al、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、TI、Pb、Bi、Po、およびVからなる群から選択される追加の合金元素を含みうる。追加の合金元素は、FeおよびAgからなる群から選択されうる。
第2相は、追加の合金元素を含みうる。第2相は、式MRE(式中、Mは、追加の合金元素である)を有しうる。xおよびyのそれぞれは、原子パーセント(at.%)で0<x<100および0<y<100の整数値または小数値を有しうる。たとえば、xは、約0.1at.%〜95at.%でありうるし、xおよびyは、合計して約100at.%でありうるか、またはxおよびyならびに任意の汚染物質の量は、合計して100at.%でありうる。Mは、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Re、Ru、Rd、Pd、Ag、Os、Ir、Pt、Au、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、希土類元素、およびYからなる群から選択されうる。第2相は、たとえば、式Er95.64Fe4.36またはAg50Er50を有しうる。
Mは、焼結合金の放射線不透過性を増大可能な金属、たとえば、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Re、Ru、Rd、Pd、Ag、Os、Ir、Pt、およびAuでありうる。Mが焼結合金の放射線不透過性を増大可能な金属である場合、xは、0.1at.%〜95at.%でありうる。Mは、合金を形成するようにNiTiと焼結可能なREとの化合物を有する金属でありうる。好ましくは、その合金は、続いて、熱間加工および冷間加工により加工可能である。MがAgでありかつREがErである場合、xは、たとえば、約0.1〜51at%でありうるし、yは、たとえば、約49〜99.9at.%でありうる。MがZr、Nb、Hf、またはTbでありかつREがErである場合、xは、約0.1〜7at.%、より好ましくは約0.1〜5at.%でありうるし、yは、約93〜99.9at.%でありうる。MがWでありかつREがErである場合、xは、約0.1〜2at.%でありうるし、yは、約98〜99.9at.%でありうる。MがMoでありかつREがErである場合、xは、約0.1〜5at.%でありうるし、yは、約95〜99.9at.%でありうる。
Mは、アルカリ土類金属または遷移金属、たとえば、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、およびAlでありうる。これらの金属は、NiTiとの焼結中に金属REの粒子間流動を低減する傾向を有しうる。Mの割合は、REの純度および合金の延性を維持するのに十分な程度に低くすべきてある。Mがアルカリ土類金属または遷移金属である場合、xは、約0.003at.%〜約15at.%、より好ましくは0.003at.%〜10at.%でありうる。Yは、約85〜99.997at.%でありうる。
Mは、第2希土類元素でありうる。Mが第2希土類元素である場合、xは、約0.01〜50at.%でありうる。
Mは、希土類元素であるとみなされることもあるY(イットリウム)でありうる。Yは、合金の延性を助長することが可能である。MがYである場合、xは、約0.01〜50at.%でありうる。
第2相は、ニッケル(Ni)を含みうる。第2相は、式RENiを有しうる。xおよびyのそれぞれは、原子パーセント(at.%)で0<x<100および0<y<100の整数値または小数値を有しうる。たとえば、xは、約0.1at.%〜95at.%でありうるし、xおよびyは、合計して約100at.%でありうるか、またはxおよびyならびに任意の汚染物質の量は、合計して100at.%でありうる。たとえば、xは、約33at.%〜99at.%でありうる。好ましくは、xは、約50at.%〜約67at.%である。より好ましくは、xは、約50at.%である。REは、任意の希土類元素でありうる。REは、好ましくはErでありうる。たとえば、第2相は、GdNi、NdNi、およびErNiからなる群から選択されうる。
第2相は、追加の合金元素およびニッケル(Ni)を含みうる。第2相は、チタン(Ti)を含みうる。第2相の個別粒子は、約1〜約500ミクロン、好ましくは約1〜約150ミクロンの平均サイズを有しうる。マトリックス相は、NiTiを含みうる。
単なる例にすぎないが、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態を以下に説明する。
放電プラズマ焼結(SPS)装置およびSPSダイの断面概略図であり、図1Aは、Hungria T.et al.,(2009)“Spark Plasma Sintering as a Useful Technique to the Nanostructuration of Piezo−Ferroelectric Materials,”Advanced Engineering Materials 11:8,p.615−631から得られる。 放電プラズマ焼結(SPS)装置およびSPSダイの断面概略図である。 示される粒子サイズ分布を有する例示的な入手したままの予合金ガスアトマイズ粉末の走査型電子顕微鏡(SEM)画像であり、d50は、平均粒子サイズである。 示される粒子サイズ分布を有する例示的な入手したままの予合金ガスアトマイズ粉末のSEM画像であり、d50は、平均粒子サイズである。 入手したままの例示的なHDHエルビウム粉末(すなわち、粉末にミル処理/破砕されて脱水素化された水素脆化Er)の顕微鏡写真である。 篩処理前の例示的なErFeガスアトマイズ粉末のSEM画像である。 篩処理前の例示的なErAgガスアトマイズ粉末のSEM画像である。 SPS機により記録された、電流、温度、電圧、圧力、および変位(緻密化)の時間発展曲線を含む、25℃/minのランプ速度および815℃の焼結温度での最適化焼結プロセスの例示的なSPSデータを示している。 いくつかの希土類元素の温度の関数としてのロックウェル(E)硬度を示している。 xおよびyが1以上の整数である場合のいくつかのRExNiy第2相化合物およびNi−Tiマトリックス中のそれらの化合物の硬度データを示している。 篩処理されたHDH Er粉末と混合されて835℃でSPS処理された篩処理された予合金Ni−Ti粉末Aの示差走査熱量測定(DSC)データを示している。 HDH Er粉末と混合されて800℃でSPS処理された予合金Ni−Ti粉末Bの示差走査熱量測定(DSC)データを示している。 HDH Er(690℃で4日間脱水素化)と混合された予合金Ni−Ti粉末Bから800℃で焼結されたサンプルのSEM画像である。 図5Cに示される焼結合金のSEM画像および試料の異なる領域からの対応するエネルギー分散型X線分光(EDX)データである。 850℃で圧延した後の図5Cの焼結合金のSEM画像および圧延試料の異なる領域からの対応するEDXデータである。 予合金Ni−Ti粉末A+ErNi粉末から焼結されて1.35mmの厚さに850℃で熱間圧延されたサンプルの長手方向断面のSEM画像である。 予合金Ni−Ti粉末A+ErNi粉末から焼結されて0.89mmの厚さに880℃で熱間圧延されたサンプルの長手方向断面のSEMである。 図6Aに示されるNi−Ti−Er試料の引張り試験データを示している。 800℃および85MPaで焼結した後の予合金Ni−Ti粉末B+ErFe粉末のSEM画像を示している。 800℃および85MPaで焼結した後のNi−Ti粉末B+ErFe粉末のSEM/EDX画像を示している。 760℃で焼結して760℃で熱間圧延した後のNi−Ti粉末B+ErFe粉末のSEM/EDX画像を示している。 冷間圧延後の図7CのNi−Ti−Er−Feサンプルの引張り試験データを示している。 760℃および85MPaで焼結した後の予合金Ni−Ti粉末A+ErAg粉末のSEM画像を示している。 760℃および85MPaで焼結した後の予合金Ni−Ti粉末A+ErAg粉末のSEM/EDX画像を示している。 760℃および85MPaで焼結されたNi−Ti−Er−AgサンプルのDSCデータを示している。
詳細な説明
定義
以下の本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる場合、以下の用語は、以下に割り当てられた意味を有する。
マルテンサイト開始温度(Ms)とは、マルテンサイト相変態を呈する形状記憶材料が冷却後にマルテンサイトへの相変態を開始する温度のことである。
マルテンサイト終了温度(Mf)とは、冷却後にマルテンサイトへの相変態が終了する温度のことである。
オーステナイト開始温度(As)とは、オーステナイト相変態を呈する形状記憶材料が加熱後にオーステナイトへの相変態を開始する温度のことである。
オーステナイト終了温度(Af)とは、加熱後にオーステナイトへの相変態が終了する温度のことである。
放射線不透過性とは、材料または物体がX線放射線などの入射電磁放射線を吸収する能力の尺度のことである。放射線不透過性材料は、優先的に入射X線を吸収して、X線画像の高い放射線コントラストおよび良好な可視性を示す傾向がある。放射線不透過性でない材料は、入射X線を透過する傾向があり、X線画像を容易に可視化できないおそれがある。
「加工性」という用語は、圧延、鍛造、押出しなどの方法により形成を行う場合に異なる形状および/または寸法を有するように合金を形成しうる容易性を意味する。
「予合金」という用語は、粉末に変換された(たとえば、ガスアトマイゼーションにより)特定の合金組成のインゴットから得られる粉末を記述するために用いられる。
「焼結温度」という表現は、加圧力に暴露した時に前駆体粉末が焼結一体化されうる温度を意味する。
「軟化温度」という表現は、希土類元素を参照する際に用いられる場合、高温硬度測定または融解温度データにより決定される希土類元素が軟化する温度を意味する(以下の考察を参照されたい)。一般的には、「軟化温度」という表現は、所与の成分が合金の他の成分間を流動しうるほど軟質ではないが、すなわち、所与の成分の粒子間流動は存在しないが、合金の所与の成分と他の成分との間の拡散接合を可能にするのに十分な程度に軟質である、すなわち、金属間移動が起こりうる、温度を記述するために用いることが可能である。
放電プラズマ焼結プロセス
希土類(RE)元素を含むニッケル−チタン合金を作製するために、放電プラズマ焼結(SPS)法に基づく革新的粉末冶金プロセスを本明細書に示す。SPSは、加圧力下の状態で粉末にパルス電流を流すことにより、金属粉末および/または合金粉末を高密度試料に緻密化することを必要とする。高電流低電圧パルス電流は、緻密体全体にわたり高い局在化温度で放電プラズマを発生させることにより、粉末全体に一様に熱を発生させうる。
Ni−Ti−RE合金製造用の従来の溶融技術(たとえば、真空誘導溶融(VIM)または真空アーク溶融(VAR))とは対照的に、SPSでは、合金マイクロ構造内に希土類元素または二次相の微細ディスパージョンが得られるので、SPSにより製造されたビレットまたは緻密体は、熱間加工または冷間加工の前に均一化熱処理を施す必要がないこともありうる。また、典型的には1350℃を超える温度で行われる典型的な溶融プロセスよりもかなり低い温度(たとえば、<850℃)で焼結により高密度三元合金緻密体の形成を可能にしうるうえに、所望により、より小さい出発粒子サイズおよびより高い焼結圧力を用いれば、焼結温度をさらに低下させることが可能である。SPSの他の利点は、焼結中に粉末粒子を精製しうるので、得られる三元Ni−Ti−RE合金中の汚染物質が最小限に抑えられることである。出発粉末中の不純物レベルに依存することなく、きわめて低い酸素含有率および許容可能な炭素含有率を得ることが可能である。この場合には必ずしも速いランプ速度が有利であるというわけではないが、全加工時間の削減をもたらしうる速い温度ランプ速度を達成しうるので、SPSは、魅力的なプロセスであると一般にみられている。
本研究では、焼結温度への温度上昇速度(ランプ速度)および焼結温度の選択は、焼結プロセスの成功度および得られる三元合金の品質に影響を及ぼすことが見いだされている。SPSプロセスを用いて焼結Ni−Ti−RE合金を形成するために、電源に接続された電気伝導性ダイおよびパンチを含む粉末固結ユニットにNi、Ti、および希土類元素を含む1つ以上粉末を添加する(図1Aおよび1Bを参照されたい)。1つ以上の粉末にパルス電流を流して、約35°/min以下のランプ速度で粉末を所望の焼結温度に加熱する。ランプ速度は、好ましくは、約25°/min以下である。焼結中に粉末に圧力を加えて、理論密度の少なくとも約95%の密度を有する焼結Ni−Ti−RE合金を形成するのに十分な保持時間にわたり焼結温度を維持する。また、焼結温度に加熱する際に粉末に圧力を加えうる。典型的には、保持時間は、少なくとも約1min、たとえば、約1min〜約60minまたは約5min〜約15minであり、加圧力は、約45MPa〜約110MPaの範囲内でありうる。この場合に利用されるランプ速度が低いにもかかわらず、焼結プロセスは、他の焼結経路に必要とされる時間よりも有意に短い約72分間以下の全持続時間を有しうる。
一般的には、低い焼結温度(たとえば、<850℃)およびランプ速度(≦35℃)を利用して、SPS処理により首尾よく所望の密度の焼結Ni−Ti−RE合金を形成することが可能である。以下の実施例で考察されるように、二元Ni−Ti粉末には50℃/分を超えるランプ速度(たとえば、100℃/分)が有効であるが、三元Ni−Ti−Er系では速いランプ速度は問題があることを本発明者らは発見した。
Ni−Ti−RE合金の焼結温度は、希土類元素の軟化温度に一致しうる。以下でさらに考察されるように、軟化温度は、希土類元素が17〜20のロックウェル(E)硬度を有する温度でありうる。また、軟化温度は、約0.50・Tm〜約0.55・Tm(ここで、Tmは、希土類元素の絶対融解温度である)の間にありうる。たとえば、所望の焼結温度は、約650℃〜約850℃または約700℃〜約825℃でありうる。希土類元素がErである場合、焼結温度は、好ましくは、約750℃〜約800℃である。
焼結温度の低下を補償するために、焼結中の圧力の増大および/または粉末の平均粒子サイズの低減を行うことが可能である。
有利なことに、焼結合金は、焼結プロセスの結果として理論密度の少なくとも約98%の密度を達成する。本明細書に記載のSPSプロセスは、留置型メディカルデバイスでの使用を含めて、種々の用途に好適なNi−Ti−RE合金の形成にとくに有利であると考えられる。Ni−Ti−RE合金は、2007年9月6日出願の米国特許出願公開第2008/0053577号明細書「希土類元素を含むニッケル−チタン合金」および2010年11月15日出願の米国特許出願公開第2011/0114230号明細書「ニッケル−チタン合金およびその合金の処理方法」(両方ともその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に詳細に記載されている。
本明細書に示される焼結方法は、たとえば、Dr.Sinterlab SPS 515S(日本国の住友石炭鉱業株式会社)などの放電プラズマ焼結装置を用いて行いうる。
この場合、SPSダイは、高グレードのグラファイトで作製され、焼結は、真空中(約10−3Torr)で行われる。典型的なSPS実験では、図1Aおよび1Bに模式的に示されるように、粉末サンプルを高強度グラファイトダイ内に充填し、上側および下側の電極間に配置する。焼結前の例示的な粉末サンプルを図1C〜1Gに示す。SPS装置では、パルス直流を電極およびサンプルに流すように印加する。たとえば、12/2シーケンスとして知られる12回の電流パルスおよび2回のオフ電流パルスを使用しうる。46.2msの全シーケンス時間で12回のオンパルスに2回のオフパルスが続くシーケンスでは、単一パルスの特性時間は、約3.3msと計算される。プロセス全体を通じて粉末との電気接触が確実に維持されるように、最小一軸圧力(ベース圧力)を加えて維持しうる。電極は、ダイの頂部および底部からの加圧力の供給源として機能しうる。粉末が焼結温度またはその近傍に達した後、ベース圧力を所望の焼結圧力に増大させることが可能である。
焼結温度へのランプ速度を減少させることにより、それぞれ異なる比熱を有するNi−Ti粉末(Ni元素およびTi元素の粉末または予合金Ni−Ti粉末でありうる)および希土類(RE)元素を含む粉末を一緒に加熱してランプ中に平衡化することが可能である。表2および3は、いくつかの希土類元素および化学量論比のNiTi合金の比熱および他のデータを示している。ランプ速度が速すぎる場合、RE元素を含む粉末(RE元素の粉末または予合金Ni−RE粉末でありうる)は、Ni−Ti粉末よりも急速に加熱されて、ダイからの排出点でさえも、加熱中に局在化ホットスポットで融解しうる。図2は、SPS機により記録された、電流、温度、電圧、圧力、変位(緻密化)、および真空の時間発展曲線を示す、最適化ランプ速度での例示的な焼結プロセスのSPSデータを提供する。
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速いランプ速度での他の問題は、RE元素がNiと合金化しうるので、ニッケルの焼結Ni−Tiマトリックスが枯渇して合金全体にわたり脆化ErxNiy粒子間網状構造を形成する可能性があることである。それに加えて、遅いランプ速度では、焼結中に粒子表面から酸化物および他の不純物がより効果的に除去されるという利点を有しうるので、より低い温度および/またはより大きい粒子サイズでの焼結が可能になりうる。
前駆体粉末
焼結に利用される粉末は、適切な組成(たとえば、約50at.%Ni、約50at.%Ti、またはニッケルリッチ組成、たとえば、約51at.%Niおよび約49at%Tiまたは約52at.%Niおよび約48at.%Ti)の予合金Ni−Ti粉末を含みうる。他の選択肢として、Ni元素の粉末およびTi元素の粉末を同一の割合で使用しうる。本開示全体を通じて、Ni元素およびTi粉末であるか予合金Ni−Ti粉末であるかにかかわらず、Ni元素およびTi元素を含む粉末は、Ni−Ti粉末として参照されうる。
いくつかの異なるタイプの希土類元素含有粉末をNi−Ti粉末に添加して、焼結Ni−Ti−RE合金を形成しうる。これらの粉末としては、
微細粒子サイズが達成されるようにガスアトマイゼーションにより製造しうる、任意選択でBまたはFeがドープされた予合金RE−Ni合金(たとえばErNi)粉末(図1Cおよび1D参照)、
微細粒子サイズが達成されるようにガスアトマイゼーションにより製造しうる、任意選択でBまたはFeがドープされた高純度RE元素(たとえばEr)粉末、
より低純度のRE元素粉末(たとえば、さらに脱水素化されたHDH Er(図1E参照)などの水素化−脱水素化(HDH)RE粉末)、および
延性希土類金属間化合物または合金(たとえば、ErAgまたはErFe金属間化合物などの銀または他の延性金属と合金化された希土類元素)粉末(図1Fおよび1G参照)、
が挙げられる。
以上の粉末は、供給業者から入手しうるか、または当技術分野で公知の粉末製造方法(たとえば、ガスアトマイゼーション、ボールミリングなど)を用いて製造しうる。
希土類元素は、Erでありうるか、またはDy、Gd、Ho、La、Lu、Sc、Sm、Tb、Tm、Y、およびYbからなる群から選択される他の元素でありうる。たとえば、希土類元素は、次のもの、すなわち、Dy、Er、Gd、Tb、およびTmのうちの1つでありうる。焼結プロセスでの高純度RE元素粉末またはドープRE粉末の使用は、RE粉末がNiと反応する傾向があるため、「反応性」焼結として参照されうる。RE元素によるNi−Tiマトリックスからのニッケルの捕捉は、Niレベルの低下により体温で超弾性が得られないレベルに合金の変態温度(たとえばAf)を上昇させるおそれがあるので、高純度RE元素粉末を使用する従来の反応性焼結の欠点でありうる。この問題は、十分に脱水素化されたHDH RE粉末を用いることによりまたは予合金RE−Ni粉末を用いることにより、完全に軽減または回避されうる。HDH Er粉末の十分な脱水素化は、10−10barの真空下で約900℃の温度の炉内で粉末加熱することにより達成可能である。
しかしながら、NiTi粒子との反応により希土類粒子のサイズが焼結中に低減しうるので、反応性焼結が有利なこともありうる。これにより、出発希土類粒子と置き換わった多くのより微細な粒子またはこの時点ではより小さい初期希土類粒子を取り囲むより微細な粒子のハローのいずれかが得られうる。これらの合金内でのTiリッチ領域の形成を排除して変態温度(たとえばAf)を制御することが可能であれば、ランプ速度の増大が可能であるので(たとえば約35℃/minまで)、この経路は、製造環境で非常に魅力的でありうる。
予合金RE−Ni粉末を用いる際の課題は、所与の原子パーセントの希土類元素で、希土類元素粉末を用いた場合よりも大きいパーセントの第2相介在物が得られることであり、このことは、超弾性マトリックスが合金のより少ない割合を占め、回復可能な歪みまたは上側および下側の負荷プラトーが低減されるおそれがあることを意味する。ErAgなどの延性かつ放射線不透過性の合金の使用は、これを回避する方法であるが、予備的結果によれば、ErAg粒子とNiTi粒子との合金化を防止するには、760℃未満の熱間加工温度が必要とされうるので、この結果、合金を冷間加工可能な形態にするために熱間加工工程数の増大が必要となりうる。ErAg以外に、他の延性希土類金属間化合物としては、イットリウム−銀(YAg)、イットリウム−銅(YCu)、ジスプロシウム−銅(DyCu)、セリウム−銀(CeAg)、エルビウム−銀(ErAg)、エルビウム−金(ErAu)、エルビウム−銅(ErCu)、ホルミウム−銅(HoCu)、ネオジム−銀(NdAg)が挙げられ(たとえば、Gschneidner Jr.K.A.et al.(2009)“Influence of the electronic structure on the ductile behaviour of B2 CsCl−type AB intermetallics,”Acta Materialia 57,5876−5881(参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい)、金属間化合物のいくつかは、熱処理および熱間圧延の後、>20%の歪みに達すると報告されている。
高温硬度測定
高温硬度測定(昇温で行われる硬度測定)により、金属または合金の軟化温度に関する情報を提供することが可能である。文献には希土類金属の比熱および融解温度が記録されているが、これらの元素の軟化温度に関するデータは、これまで示されていない。したがって、本研究では、RE金属試料の高温硬度測定を利用して各元素の軟化温度を同定し、次いで、これを用いて、その元素を含むNi−Ti−RE合金に適切な焼結温度を決定する。この手順は、所与のNi−Ti−RE合金に対して、三元元素に依存する最大許容可能焼結温度が存在しうるうえに、それをその元素の軟化温度であると一般化しうるという前提に基づく。
高温硬度試験を行ったRE金属は、比較目的で選択したNdを除いて、主に、高い融解温度および高い密度のものを選択した。高い融解温度および高い密度は、焼結合金で良好な放射線不透過性を達成するうえでも、焼結中の網状構造形成の可能性を減少するうえでも、重要であると考えられる。
温度測定機能を備えた誘導加熱ペデスタル、サンプル温度測定用の放射高温計、およびステンレス鋼304シャフト内に埋め込まれた直径3.175mm(1/8インチ)の窒化ケイ素球状チップの追加により変更を加えたロックウェル硬度試験機を用いて、高温硬度試験を行った。サイズ6×6×25mmのサンプルとして試料を購入し、それらの25mmの長さに沿って高温硬度試験を行った。各硬度測定時、10kgの初期負荷を適用し、次いで、150kgのより高い負荷を10秒間適用し(ロックウェルEスケール)、次いで、より高い負荷を除去し、10kgのより低い負荷に戻した状態で硬度測定を行う。この固有コンプライアンス補償構成により、一貫性のあるかつ反復可能である高温硬度結果が得られた。これを以下の表4および図3にまとめる。高温硬度値は、希土類金属の融解温度の順に低下する(近似的)。
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これらのデータおよび各希土類元素の融解温度に基づいて、例示的な軟化温度範囲の表を表5にまとめる。これらの温度を用いて、その特定の希土類元素を含むNi−Ti−RE合金の所望の焼結温度を決定しうる。それに加えて、融解温度および/またはロックウェル高温硬度データに基づいて、本明細書に記載されるように、表5に示されていない希土類元素を含有するNi−Ti−RE合金の軟化温度を取得しうる。
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放電プラズマ焼結実験
三元Ni−Ti−RE合金を焼結する任意の試みを行う前に、以下の実施例AおよびBに記載されるように、ガスアトマイズ予合金Ni−Ti粉末ならびにNi元素およびTi元素の粉末を用いて、二元Ni−Ti合金でSPS試験を行った。図1Cに示される予合金Ni−Ti粉末「A」は、実験のいくつかで使用され、次の特徴、すなわち、d50=48.7μm、55.74wt.%Ni(50.68at.%Ni)、Af=0℃、および硬度240Hv.を有する。図1Dに示される予合金Ni−Ti粉末「B」は、他の実験で使用され、次の特徴、すなわち、d50=18.8μm、56.20wt.%Ni(51.15at.%Ni)、Af=−50℃、および硬度400Hvを有する。
実施例C〜Hでは、ErをNi−Ti粉末に添加して、それぞれ約6at.%のErを含有する焼結三元Ni−Ti−Er合金を形成する。Erのこの量は、二元NiTiよりも放射線不透過性を50%増加させるのに必要とされる希土類元素の最小量であると考えられることから選択した。得られる焼結三元合金に及ぼすさまざまなプロセス条件(とくに、焼結温度および温度ランプ速度の変化)の影響が実施例により示される。また、たとえば、予合金粉末またはEr元素の粉末として、Erを焼結されるNi−Ti粉末に添加する形態の変化の影響が実施例により示される。それぞれ900℃および835℃の焼結温度まで100℃/minのランプ速度で粉末を加熱する影響が、実施例CおよびDにより示される。より遅いランプ速度でより低い温度に粉末を加熱したときの結果が、実施例E〜Hにより示される。以下の表6は、実施例のまとめを提供する。
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実施例A: 900℃および速いランプ速度でのSPS − 二元Ni−Ti合金
予合金Ni−Ti粉末Aを約2.5gの量でSPS装置の直径10mmのダイに一度に添加し、各2.5gの添加の間で緻密化圧力を適用して4工程で積層する。最初の2.5gを緻密化するために、緻密化圧力を110MPa超にしうるが、ダイの破裂を防止するために、後続の緻密化では圧力を90MPaに徐々に低下させる。主にNiTi粉末の性質に起因して、ただし、ダイの膨張およびSPS機自体の一般的コンプライアンスにも起因して、除荷時にスプリングバックが顕在化する。
本試験では、約900℃の焼結温度および約50MPaの焼結圧力を用いて、二元Ni−Ti合金に対して最良の密度が得られる。より高い温度または圧力を用いた場合、パンチでフラッシュアウトを生じるおそれがある。使用した保持時間は、この場合も最良の緻密化を達成する目的で選択される10分間である。ランプ速度は、820℃まで約100℃/分であり、次いで、その後は、漸減方式で有意に低減される。6.5g/cm3の理論密度を用いて計算される98%超の密度が達成される。
グラファイトダイとNiTi粉末との間の反応が焼結中に起こりうるので、焼結後、いかなる可能性のある炭素混入をも排除するために、材料の最初の1mmをビレットから除去した。炭素および酸素の不純物レベルを低く保つように努力した。なぜなら、それらの存在により相変態挙動が有意に影響を受ける可能性があるからである。また、酸化物は、脆性を引き起こして、冷間加工をより困難にする可能性がある。したがって、真空中で焼結を行った。ビレットのガス分析から、予想されたよりもかなり低い70wppmの酸素レベルであることが示された。これは、出発Ni−Tiロッド材プレアトマイゼーション時の指定酸素レベル(約300wppm)およびガスアトマイゼーション時の予想ピック(約150wppm、全量で約450wppm)を有意に下回わる。また、この粉末の貯蔵期間は、3年間であった(酸化物が時間と共に増加して、指数関数的に減少する)。SPS時に材料に熱および圧力を加えた場合、粒子の表面上でガス放出が起こり、これは、極微細プラズマを確立するのに適した雰囲気を提供して、酸素含有率の低減をもたらしうる。
焼結後、二元Ni−Ti合金は、加熱および冷却するとワンステップ変態を呈し、Af温度は、示差走査熱量測定(DSC)により決定される18℃である。2回の押出しパスおよび550℃での15分間アニーリングを行った後、DSCピークは、加熱および冷却すると非常にシャープであり、Af温度は、9℃にさらに低下した。
実施例B: 速いランプ速度での900℃/850℃のSPS − 二元Ni−Ti合金
最終マイクロ構造を改良するために入手したままのTi粉末を混合前に20ミクロンのサイズに篩処理して、NiおよびTi元素の粉末を等原子比で混合する。この実施例の焼結プロセスは、50MPaの焼結圧力でかつ900℃の焼結温度で10分間または850℃の焼結温度で1分間行われる。ランプ速度は、820℃まで約100℃/分であり、次いで、その後は、漸減方式で有意に低減される。また、真空中で焼結を行う。850℃で1分間焼結したサンプルでは、篩処理後でさえも依然としてTi元素が残存することが、走査型電子顕微鏡(SEM)画像により示される。
ASTM E1019−08に準拠してガス分析を行ったところ、SPSビレット中の炭素レベルは、ASTM規格により設定された許容レベル内にある0.06at.%であることが、結果により示される。酸素含有率を測定したところ、市販の溶融Ni−Ti合金をはるかに下回る0.007at.%であった。出発粉末の純度(99.9at.%)および酸化を防止する特別な対策をなんら講じることなくボールミルで混合を行ったという事実を考慮すれば、これは、おそらくSPSの性質に起因して、著しく低レベルの酸素である。標準的SPS構成を用いた場合、焼結中のグラファイトダイとNiTi粉末との間の反応が可能であり、合金組成にかなり影響を及ぼすおそれがある。焼結ビレットの直径から0.5mmのNiTi材料を除去すれば、炭素混入がバルク材料の性質に影響を及ぼすおそれのあるリスクが排除される。
マイクロ構造の観測結果と組み合わされた密度および硬度のデータに基づいて、最適焼結温度は、50MPaの圧力で10分間にわたり900℃であると決定される。より高い温度または圧力を用いた場合、金属がパンチでフラッシュアウトするおそれがある。より短い焼結時間では、かなり不十分な引張り性を有するサンプルが製造されたので、また、850℃で10分間焼結されたサンプルも、不満足な引張り性を有していたので、二元Ni−Tiサンプルを最適な900℃の焼結温度に保持する時間量は、重要なSPSパラメーターである。
以上に規定された最適焼結パラメーターを用いると、焼結されたままのおよび押し出されたNiTiは両方とも、溶融キャストNiTi合金に類似して、DSCで冷却および加熱すると明確な変態ピークを示した。一方、押出しの前および後に850℃で焼結されたビレットの変態温度は、弱い吸熱および発熱ピークを示した。
実施例C: 速いランプ速度を用いた900℃でのSPS − Ni−Ti−Er合金
エルビウム金属は、その純粋状態(>99.5%)で非常に軟質であり(70HV)、高価なミリング助剤を用いた場合でさえも、金属粉末に安全に変換することが困難である。したがって、現在、市販されている希土類金属粉末はほとんどまたはすべて、水素脆化、ミル処理、次いで脱水素化が行われている。典型的には高真空条件下で900℃まで金属を加熱することを必要とする脱水素化は、費用がかさむ可能性があるので、プロセスは、温度、真空、および時間の最適設定下で行われないおそれがある。したがって、出発粉末を汚染物質に関して分析したところ、HDH Er粉末化は、O、H、およびNが多いことが、結果により示された。現時点では、より純粋な希土類粉末を入手することができなかったので、評価のために、HDH(「水素化−脱水素化」)粉末(図1E参照)を、ガスアトマイズ予合金Ni−Ti粉末Aと共に、Ni−Ti−6at.%Er合金ビレットの形に焼結した。
二元Ni−Ti焼結パラメーターと同一のSPSパラメーター(すなわち、820℃まで約100℃/分のランプ速度を用いて、900℃の焼結温度、およびこの温度で10分間の保持を行って、続いて、その後、漸減速度を用いる)を用いて三元Ni−Ti−6at.%Erを形成した場合、粒子間網状構造は形成されないことが、マイクロ構造分析により示唆される。熱誘起相変化は起こらず、硬度は非常に高い505HVであることが、粉末のDSCにより示される。Erは、ErNi相を形成するので、Ni−Ti合金マトリックスからニッケルを捕捉して、変態温度(たとえばAf)を上昇させることが、エネルギー分散型X線(EDX)分析により示される。
予合金Ni−Ti粉末Aと混合する前に6at.%のHDH Er粉末を6at.%のNi粉末と混合し、その後、混合物を900℃で10分間焼結しても、依然として、いずれの熱誘起相変化を示す焼結サンプルも作製されない。エルビウムまたはエルビウム合金が粒子間網状構造を形成していることを示す証拠と共に、合金中にErxNiy相の大きいアグロメレートが見いだされた。試料の酸素レベルは、非常に高い4230wppmであることが判明したたが、水素レベルは、測定されなかった。
類似の実験では、6at.%のHDH Er粉末を50at.%のNi粉末および44at.%のTi粉末に添加し、次いで、混合物を10分間焼結した。NiリッチNiTiが確かに形成されたが、より大きいTi粒子がマトリックス中に拡散し、NiリッチErNi化合物がマトリックス内に形成された。また、硬度は、非常に高い542HVであった。
要約すると、HDH Er粉末を二元予合金Ni−Ti粉末またはNi元素およびTi元素の粉末のいずれかに添加し、次いで、900℃で10分間焼結した場合(焼結二元Ni−Ti合金を形成するために首尾よく行われたように)、不利なマイクロ構造および性質を有する焼結Ni−Ti−Er合金が生成された。いずれの場合も、Er粒子は、Niし合金化した。予合金Ni−Ti粉末を用いた場合、HDH Er粒子は、明らかに溶融され、NiTiからのNiと合金化してErNi相を形成した。これは、いくつかの場合にはダイから排出されるであろう。HDH Er粒子をNi元素およびTi元素の粉末と共に焼結した時の合金化の明確な原因は、チタンとニッケルとの間よりもエルビウムとニッケルとの間のほうがはるかに強い結合であったことであり、結果として、焼結後、多くのTi元素の粒子が多くのNiリッチErNi化合物と共に存在した。また、この組合せの合金の熱間加工の結果は、好ましくないことが実証された。
900℃の高温で焼結されたNi−Ti−Er合金はすべて、押出しがきわめて困難であることが実証された。粉末混合物にホウ素(B)を添加することにより、押出しの容易性を改良することが可能である。たとえば、6at%のHDH ErならびにNiB、ErB、およびEr元素の形態で6at.%のNiを含む予合金Ni−Ti粉末AにB元素を添加した場合、ErBは、硬度低下の最良の結果を示すが、ホウ素元素は、より高いwppmレベルでのみ硬度低下に寄与することが、硬度試験の結果により示唆された。
実施例D: 速いランプ速度を用いた835℃でのSPS − Ni−Ti−Er合金
前の100℃/minの速度に類似したランプ速度を用いて、HDH Erを835℃の中温および60MPaで予合金Ni−Ti粉末Aと共に焼結した場合、Erは、予合金Ni−Ti粉末からのNiと連続的に合金化したと思われる。焼結合金のAf温度が許容できないほど高いという結果になった。
さまざまなエルビウム対ニッケル比(たとえば、ErNi、ErNi、ErNi、およびErNi)を有するエルビウム−ニッケル化合物としてエルビウムを添加した場合、化合物からのErは、依然として、予合金Ni−Ti粉末からのNiと合金化すると思われ、いくつかの場合には、ErNi化合物は、液体金属としてSPSダイおよびパンチから排出された。
速い温度ランプ速度(100℃/分)、さらには最も高い融解温度を用いた中程度の焼結温度(835℃)試験では、化合物(1254℃の融解温度を有するErNi)は、融解してSPSダイから排出された。
実施例E: 835℃および低減されたランプ速度でのSPS − Ni−Ti−Er合金
希土類元素(この場合、エルビウムまたはErxNiy化合物)は、主に、希土類元素の比熱が低いことに起因して(たとえば、Erは、170J/kg℃であるのに対して、NiTiは、約4倍の620J/kg℃)、NiTiよりも速く加熱されると考えられる。希土類元素およびNiTiの抵抗率には有意差がないので、抵抗率の影響は、最小限に抑えられると推定される。
より遅いランプ速度では、ErxNiy化合物はすべて、焼結中に安定性を維持することが判明した。本発明に係る焼結Ni−Ti−RE合金の形成方法の一実施形態では、使用される焼結温度は、835℃であり、圧力は、60MPaであった。温度ランプ速度は、25℃/minであった。たとえば、ErNi3粒子を835℃および60MPaで予合金Ni−Ti粉末Aと共に焼結したところ、ErNi3は、プロセス中、安定性を維持した。焼結後、Ni−Ti−Er合金を835℃で首尾よく3回押し出して0.6mmのワイヤーを形成したところ、ワイヤーは、ErNiの大きい介在物に起因して、かなり脆性であった。
焼結合金中の大きい介在物の存在を排除するために、さらなる焼結試験の前に、出発粉末を20ミクロンの篩に通した。次いで、(a)篩処理されたHDH Er、(b)篩処理されたErNi、(c)篩処理されたErNi、および(d)篩処理されたErNiと個別に混合された篩処理された予合金Ni−Ti粉末Aを用いて、焼結合金を形成した。Er相は、いずれの場合も、安定性を維持し、焼結ビレットは、さまざまな脆性度を呈した。
図4を参照して、より高レベルのErを含む第2相化合物は、NiTiマトリックスを最も少なく硬化させたことが、硬度データにより示唆され、実際に、ErNiおよびHDH Erは、NiTiをその二元値未満に軟化させた。一般的には、三元SPS処理Ni−Ti−Erビレットの押出しは、焼結されたままの状態と比較して、A温度の低下をもたらすが、値は、依然として体温を超える状態を維持した。
実施例F: 800℃および低減されたランプ速度でのSPS − Ni−Ti−Er合金
焼結温度を800℃に低下させることと、HDH Erと混合された予合金Ni−Ti粉末Bを使用することと、を組み合わせることにより、SPS三元Ni−Ti−Er合金のAf変態温度を体温未満に制御することが可能なる。焼結温度の低下と組み合わせて、焼結中の圧力を70MPaに増大させたところ、>95%の密度が達成された。温度ランプ速度は、25℃/分であった。
図5Aおよび5Bに示されるように、それぞれ、(a)篩処理されたHDH Erと混合して835℃でSPS処理された篩処理された予合金Ni−Ti粉末Aと、(b)HDH Erと混合して800℃でSPS処理された予合金Ni−Ti粉末Bと、の間で、示差走査熱量測定(DSC)を用いて測定されたAf変態温度の比較を行うことが可能である。予合金Ni−Ti粉末B中の余分のニッケルは、より低い焼結温度と組み合わせた場合、Af変態温度を許容レベル(体温を大幅に下回る約18℃)に低下させる効果を有する。
焼結Ni−Ti−Er合金の硬度は、333HVであった。また、HDH Er粒子は、835℃の焼結温度では合金化が起こらなかったので、予合金Ni−Ti粉末B中のニッケルと合金化しなかったことが、SEM/EDX分析により示された。焼結後、合金を800℃の温度で熱間圧延した。高さが28.5%減少するまで11回の圧延パスで加工可能であることが実証された。その後、合金は、バラバラに破壊された。破壊は、Er粒子の連結一体化または合金中の高い水素レベルが原因であると推定された。
690℃で4日間脱水素化を行ったHDH Er粉末を以上に記載の予合金Ni−Ti粉末Bとの焼結に使用した場合、改良された熱間加工結果が得られた。得られた焼結合金のマイクロ構造を図5Cおよび5DのSEM画像に示す。この場合、得られた焼結合金は、3mmの厚さから1mmの厚さに850℃で容易に熱間圧延された。熱間圧延合金のマイクロ構造を図5EのSEM画像に示す。
実施例G: 800℃および低減されたランプ速度でのSPS − Ni−Ti−Er合金
予合金Ni−Ti粉末Aを予合金ErNi粉末(両方とも篩処理なし)と混合し、100MPaの圧力および25℃/分の温度ランプ速度を用いて800℃でSPS処理した。図6Aを参照して、サンプルは、まったく亀裂を生じることをなんら伴うことなく、高さが30%減少するまで850℃で首尾よく熱間圧延された。最初に、1.35mmの厚さ(55%の高さの減少)の圧延された材料をその「容器」から取り出した。引張り試験時、材料は、図6Cに示されるように超弾性であることが実証された。最初に2%の歪みを加えたところ、約0.2%歪みの除荷でパーマネントオフセットに帰着した。これは、予歪みとみなしうる。続いて3%および4%の歪みを加えたところ、ほぼ完全に回復可能な歪みに帰着した。理由は十分に理解されないが、上側の負荷プラトーが各サイクル時に徐々に増大された。図6Bに示されるように、SPS処理された材料はまた、0.89mmの厚さに880℃で首尾よく熱間圧延された。
以上の実施例Eに記載されるように835℃で焼結された合金のDSC分析から(篩処理されたErNi粉末と焼結前に混合された篩処理された予合金Ni−Ti粉末A)、この試料では0℃のAf温度であることが明らかにされた。予合金Ni−Ti粉末A+ErNi粉末(両方とも篩処理なし)を800℃で焼結一体化させたが、A温度は、有意に変化しなかった。また、熱間圧延後も、有意に変化しなかった。この材料は、約3℃±4℃の安定なAを有することが、DSCにより示唆される。
実施例H: 800℃/760℃および低減されたランプ速度でのSPS − Ni−Ti−Er−Fe合金
図7A〜7Cに示されるように、ErFe粉末(図1F参照)を予合金Ni−Ti粉末Aと混合し、800℃および760℃で焼結した。25℃/minのランプ速度を利用した。結果は驚くべきものであり、両方の焼結温度で元のErFe粒子の周りに、より微細なErリッチ粒子のハローが形成された。
800℃で焼結されたサンプルを800℃で熱間圧延したところ、破壊前に高さが≦66%低減された。破壊は、Erリッチ相を取り囲む非常に微細なTiリッチ粒子の形成に起因しうる。これらのTiリッチ粒子の体積は、熱間圧延温度で時間と共に増大し、粒子は、高さが66%減少した後、合体し始める。図7Cを参照して、760℃で焼結および熱間圧延されたサンプルは、二元NiTiに匹敵する優れた結果を生じた。焼結後に観測されたハロー効果は、熱間圧延後も依然として存在した。サンプルを厚さ(サンプル高さ)3mmから1.3mmに熱間圧延した。これは、56%の高さ減少または長さ25mmから50mmへの100%の長さ増加に等しい。物品は、欠点を伴うことなく全体を通じて完全であると思われた。次いで、1パスあたり8%以内の減少を維持しつつ、材料を厚さ0.35mmに冷間圧延した。パス間で物品を760℃で5分間インターパスアニールした。この場合も、サンプルは、欠点を伴うことなく全体を通じて完全な状態であった。
DSCおよび引張り試験のために、冷式圧延されたサンプルのセクションを切り出した。この材料は、Af温度が100℃であったので、室温ではそのマルテンサイト状態であることが、DSC分析により示された。Af温度が高かったが、これは、焼結時および処理時、ErがErNiを形成して、マトリックスからの非常に多くのNiの枯渇を起こしたことが原因であったと思われる。室温(または体温)で超弾性を得るには変態温度が高すぎたので、引張り試験を行って歪み破壊を確定した。図7Dに示されるように、サンプルに3%の歪みを負荷して除荷し、次いで、6%の歪みを負荷して除荷し、最後に破壊するまで負荷した。予想どおり、回復可能な歪みは得られなかったが、試験データから負荷プラトーおよび除荷プラトーが明らかにされ、試料は、破壊前に11%の歪みに達した。0.35mm冷間圧延サンプルのマイクロ構造分析では、冷間圧延後のマイクロ構造の良好な微細化が示され、光学顕微鏡写真では、試料は実質的に酸化物フリーであることが示された。
実施例I: 800℃/760℃および低減されたランプ速度でのNi−Ti−Er−AgのSPS
25℃/分のランプ速度の後、予合金Ni−Ti粉末BをErAg粉末(図1G参照)と共に800℃および760℃で焼結したErAg化合物は、焼結中、800℃まで安定であり、800℃以上では、ErAg粒子の化学量論比は、わずかにAgリッチになると思われた。このことは、760℃の焼結温度を用いた場合には起こらなかった。760℃で焼結されたサンプルのマイクロ構造を示すSEM画像を図8Aおよび8Bに示す。
予合金Ni−Ti粉末Aと混合して760℃および85MPaで焼結されたErAgから作製された焼結Ni−Ti−Er−AgサンプルのDSC試験では、図8Cに示されるように、24℃のAfを示して好ましいことが実証された。焼結サンプルは、760℃および800℃の両方で熱間圧延中に破壊し始めた。760℃の焼結温度および圧延温度では、なんら亀裂を生じることなく50%超の減少が可能であったが、さらに減少させたところ、表面から亀裂伝播を生じた。また、760℃では、合金中にTiリッチ領域が形成し始めると思われる。これらの予備的結果から、ErAg化合物をNi−Ti予合金粉末と共に焼結してNi−Ti−Er−Ag合金を首尾よく形成可能であることが確証される。また、処理中のErAg成分およびNiTi成分の不安定化を回避するために、760℃未満の熱間圧延温度が必要とされうることが、結果から浮き彫りにされる。
本発明をその特定の実施形態を参照してかなりに詳細に説明してきたが、本発明から逸脱することなく他の実施形態も可能である。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲は、本明細書に含まれる好ましい実施形態の説明に限定すべきでない。特許請求の意味の範囲内にある実施形態はすべて、文字どおりまたは等価性により、本明細書に包含されることが意図される。さらに、以上に記載の利点は、必ずしも本発明のみの利点というわけではなく、また、記載の利点がすべて、本発明のすべての実施形態により達成されるであろうことが、必ずしも期待されるというわけではない。
本明細書に記載の種々の実施形態のさまざまな特徴を組み合わせることが可能であることを理解すべきである。本出願が優先権を主張する2011年10月21日出願の英国特許出願第1118208.6号およびこの出願に付随する要約の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (20)

  1. 35at.%〜65at.%の濃度のNi、35at.%〜65at.%の濃度のTi、および1.5at.%〜15at.%の濃度の希土類成分を含む焼結ニッケル−チタン−希土類(Ni−Ti−RE)合金を形成する方法であって、
    Ni、Ti、および希土類成分の少なくとも1つを含む粉末粒子の集合体としての粉末を1つ以上用意することと、
    前記1つ以上の粉末を電源に連結可能な電気伝導性ダイおよびパンチを含む粉末固結ユニットに添加することと、
    35℃/min以下の温度上昇速度で前記1つ以上の粉末を、該粉末を通してパルス電流を通すことによって焼結温度にまで加熱することと、
    前記焼結温度で前記粉末に圧力を加えることと、
    を含む、方法。
  2. 前記焼結温度が前記希土類成分の軟化温度範囲内にある、請求項1に記載の方法。
  3. 前記焼結温度が0.45・T〜0.6・Tの範囲内であり、ここで、Tは、摂氏で示される前記希土類成分の融解温度である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記焼結温度が、前記希土類成分が17〜20のロックウェル(E)硬度を有する範囲内である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記希土類成分が、希土類元素または希土類元素を含む化合物を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記焼結Ni−Ti−RE合金が前記焼結温度で形成される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記温度上昇速度が25℃/minである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記圧力が45MPa〜110MPaの間にある、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記焼結Ni−Ti−RE合金が理論密度の少なくとも95%の密度を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記希土類成分が、Dy、Er、Gd、Ho、La、Lu、Sc、Sm、Tb、Tm、Y、およびYbからなる群から選択される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記焼結温度が650℃〜850℃である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記希土類成分がErであり、かつ前記焼結温度が750℃〜800℃である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記1つ以上の粉末がNi元素粉末粒子およびTi元素粉末粒子を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記1つ以上の粉末が予合金Ni−Ti粉末粒子を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記1つ以上の粉末が予合金RE−X粉末粒子を含み、ここで、Xは、AgおよびAuから選択される元素である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記1つ以上の粉末が希土類元素粉末粒子を含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記1つ以上の粉末のうちの前記希土類成分を含む粉末が、FeおよびBから選択されるドーパントをさらに含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記焼結Ni−Ti−RE合金を熱間加工することをさらに含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 焼結中の前記圧力を増大させて焼結温度の低下を補償することをさらに含む、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記粉末の平均粒子サイズを低減して焼結温度の低下を補償することをさらに含む、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
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