JP6172507B2 - アシルカルボキシメチルセルロース、及びアシルカルボキシメチルセルロースを含有する化粧料 - Google Patents

アシルカルボキシメチルセルロース、及びアシルカルボキシメチルセルロースを含有する化粧料 Download PDF

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この発明はアシルカルボキシメチルセルロース(以下、「ACMC」と称することがある。)、及びACMCを含有する化粧料に関し、更に詳しくは、高い保湿性と皮膚における優れた平滑性と皮膚における優れたなじみ性とを発揮する化粧料とすることができ、水に対する溶解度の大きいACMC、及び前記ACMCを含有することにより高い保湿性と皮膚における優れた平滑性と皮膚における優れたなじみ性とを発揮する化粧料に関する。
従来から、セルロースのヒドロキシル基に様々な官能基を導入して得られるセルロース誘導体が広く知られている。セルロースに導入される官能基の数、性質等によって、様々な性質のセルロース誘導体を得ることができる。したがって、セルロース誘導体は、その性質に応じて、様々な用途に用いられることができる。
例えば、セルロースに親水性の官能基を導入することにより、水に溶けやすいセルロース誘導体を得ることができる。水に溶けやすいセルロース誘導体として、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等、多くの種類の化合物が知られている。これらの水に溶けやすいセルロース誘導体は、高分子特有の挽糸性を有するので、従来は主に増粘剤として用いられている。また、これらの水に溶けやすいセルロース誘導体は、一般的に保湿性能が低く、肌触りがよくないので、人の肌に塗布される化粧料として使用されることは少ない。
また、セルロースに疎水性の官能基を導入することにより、水に溶けにくいセルロース誘導体を得ることができる。水に溶けにくいセルロース誘導体として、アセチルセルロースが知られている。アセチルセルロースは水に溶けにくいので、水溶液として用いることができない。従来、アセチルセルロースは、粉末状、又は繊維状の固体として使用されることが多い。
セルロース誘導体を利用した発明として、特許文献1が挙げられる。特許文献1には、「保水性、吸湿性に優れ、安価かつ簡易なプロセスで生産できる物質を提供すること」を課題とし(特許文献1の段落番号0003欄参照)、「カルボキシメチルセルロースに脂肪酸を付加することによって得られる脂肪酸結合カルボキシメチルセルロース」が開示されている(特許文献1の請求項5参照)。
しかし、本発明者らの検討によると、グルコース1分子当たりに導入されるカルボキシメチル基の数が少ないので、特許文献1に開示されたカルボキシメチルセルロースは水に溶けにくい。よって、特許文献1に開示されたカルボキシメチルセルロースは、固体として使用する必要があり、化粧水や乳液等の水溶液として使用することができないという問題がある。
また、セルロース誘導体を利用した別の発明として、特許文献2が挙げられる。特許文献2には、「保湿性に優れ、皮膚刺激性が少なく、かつべたつきのない保湿剤を提供すること」を課題とし(特許文献2の段落番号0003欄参照)、「分子全体の平均として、構成グルコース単位当たり0.2個以上のアミド基(a)と0.2個以上のカルボキシル基(b)を有するセルロース誘導体(A)を必須成分として含有することを特徴とする保湿剤」が開示されている(特許文献2の請求項1参照)。
しかし、特許文献2に開示されたセルロース誘導体には、疎水基であるアシル基が導入されていない。よって、特許文献2に開示されたセルロース誘導体が、例えば化粧料として使用される場合に、疎水性の肌表面におけるなじみ性が悪いという問題がある。また、特許文献2に開示されたセルロース誘導体では、セルロースに導入されたカルボキシル基が更にアミド化されているので、カルボキシル基が電離することができず、水に溶けにくいという問題がある。
さらに、セルロース誘導体を利用した別の発明として、特許文献3が挙げられる。特許文献3には、「皮膚に対して保護修復効果を与えるという機能に加え、油性成分との混練が容易であり、さらにメラニン産生阻害という美白効果に繋がる機能を有する化粧料の提供」を課題とし(特許文献3の段落番号0009欄参照)、「セルロースに含まれる水酸基の少なくとも一部がモノカルボン酸由来のアシル基で修飾されてなるO−アシル化部位を含むセルロース誘導体又はその塩」(特許文献3の請求項1参照)、「セルロースに含まれる残りの水酸基の少なくとも一部が硫酸基で修飾されてなるO−硫酸化部位を含む、請求項1記載のセルロース誘導体又はその塩」(特許文献3の請求項2参照)が開示されている。
しかし、特許文献3に開示されたセルロース誘導体には、親水基であるカルボキシメチル基が導入されていない。よって、特許文献3に開示されたセルロース誘導体は水に溶けにくく、化粧水や乳液等の水溶液として使用することができないという問題がある。
特開2006−117849 特開2009−143892 特開2012−21119 平田光男、日本大学生産工学部、「最近の水溶性高分子」、色材、49(1976)、355−363
この発明は、このような問題を解消し、水に対する溶解度が大きいACMCを提供し、このようなACMCを含有することによって、高い保湿性と皮膚における優れた平滑性と皮膚における優れたなじみ性とを発揮する化粧料を提供することを課題とする。
前期課題を解決するための手段は、
(1) アシル化度が、1.0〜2.0であり、
カルボキシメチル化度が、0.7〜1.3であり、
重量平均分子量が5000〜20000であり、
一般式(1)で表される構成単位を有することを特徴とするアシルカルボキシメチルセルロース。
Figure 0006172507
[式中、
、R、及びRは、水素、アセチル基、プロピオニル基、カルボキシメチル基、又はカルボキシメチル基の塩のいずれかであり、アシル化度とカルボキシメチル化度との和が3.0以下である。]
(2)上記(1)に記載のアシルカルボキシメチルセルロースを含有することを特徴とする化粧料であり、
(3)保湿剤を含有することを特徴とする上記(2)に記載の化粧料であり、
(4)前記保湿剤がヒドロキシ酸であることを特徴とする上記(3)に記載の化粧料であり、
(5)前記ヒドロキシ酸が乳酸であることを特徴とする上記(4)に記載の化粧料である。
この発明によれば、ACMCにおけるカルボキシメチル基の含有率を示すカルボキシメチル化度(以下、「CM化度」と称することがある。)が0.7〜1.3と比較的大きく、分子量が5000〜20000と比較的小さいので、前記ACMCは、水に対する溶解度が大きい。具体的に、本発明におけるACMCは、水に対して、最大40質量%程度(水 60gに対して、ACMC 40g)まで溶解することができる。よって、この発明におけるACMCを水溶液の化粧料として用いることができる。
この発明によれば、ACMCにおけるアシル化度とCM化度と重量平均分子量とが前記の範囲にあるので、前記ACMCを含有する化粧料は、高い保湿性を有する。よって、この発明におけるACMCを使用することによって、優れた保湿機能を有する化粧料を提供することができる。
この発明によれば、ACMCにおけるアシル化度とCM化度と重量平均分子量とが前記の範囲にあるので、前記ACMCを含有する化粧料は、皮膚に優れた平滑性を付与することができる。言い換えると、この発明におけるACMCを含有する化粧料を皮膚に塗布すると、皮膚表面における角層の凹凸を抑えることができ、皮膚表面が平滑となる。よって、この発明におけるACMCを含有する化粧料の塗布後に、皮膚表面における摩擦力が小さくなり、使用者はすべすべした感触を得ることができる。
この発明によれば、ACMCにおけるアシル化度とCM化度と重量平均分子量とが上記の範囲にあるので、前記ACMCを含有する化粧料は、皮膚におけるなじみ性が優れる。言い換えると、この発明におけるACMCを含んだ化粧料を肌に塗布すると、皮膚表面において化粧料が広がりやすい。よって、この発明におけるACMCを含んだ化粧料の使用者は、簡単に肌表面に化粧料を塗り広げることができる。
この発明によれば、ACMCと乳酸に代表される保湿剤とを同時に含有させることにより、化粧料の有する保湿機能を更に高めることができる。よって、この発明におけるACMCと保湿剤とを用いて、更に高い保湿性を発揮する化粧料を提供することができる。
以下、本発明におけるACMC、及びACMCを含有する化粧料の物性、特徴、製造方法、用途等について、詳細に説明する。
ACMCは、一般式(1)で表される構成単位を有する。前記構成単位は、セルロースを構成するグルコースの2位、3位、及び6位に位置するヒドロキシル基の一部又は全部が、アシル基、カルボキシメチル基、又はカルボキシメチル基の塩によって置換されて成る。より好ましいACMCが有する構成単位の一例として、下記式(2)で示されるように、セルロースを構成するグルコースの2位及び3位に位置するヒドロキシル基がアシル基によって置換され、セルロースを構成するグルコースの6位に位置するヒドロキシル基がカルボキシメチル基の塩によって置換される化合物を挙げることができる。なお、下記式(2)では、アシル基としてアセチル基が用いられる。なお、多数の構成単位が、1位に位置するヒドロキシル基と4位に位置するヒドロキシル基とにおいて繰り返し結合し、鎖状につながることによって、本発明におけるACMCが形成される。
Figure 0006172507
アシル基は、疎水性の官能基なので、ACMCに導入されるアシル基の数が多いほど、ACMCの疎水性が強くなる。疎水性の強いACMCは、例えば人体の皮膚表面における角質層のような疎水性物質に吸着しやすい。よって、導入されたアシル基の数が多いACMCを含有した化粧料は、皮膚表面において滑らかに広がり、皮膚におけるなじみ性が高い。
アシル化度は、セルロースを構成するグルコース1分子あたりに導入されるアシル基の数である。例えば、上記式(2)で示されたACMCのアシル化度は、2.0である。本発明におけるACMCのアシル化度は、1.0〜2.0であり、好ましくは1.5〜2.0である。アシル化度が1.0より小さいと、ACMCにおける疎水性の強さが十分ではなく、特にこのようなACMCを含有する化粧料は、皮膚へのなじみ性が劣るので、好ましくない。また、アシル化度が2.0よりも大きいと、ACMCの疎水性が強くなり、水に溶けにくくなるので好ましくない。さらに、アシル化度が2.0より大きいと、ACMCの加水分解が進行しやすくなるので、ACMCの保存安定性が低下する。
この発明に用いることのできるアシル基は、アセチル基又はプロピオニル基である。プロピオニル基よりも炭素数の多いアシル基をセルロースに導入すると、アシル基による疎水性の寄与が大きくなり、ACMCが水に溶けにくくなるので好ましくない。なお、ACMCの一分子に、アセチル基とプロピオニル基の両方が導入されていてもよく、また何れか一方のみが導入されていてもよい。
カルボキシメチル基又はカルボキシメチル基の塩は、親水性の官能基なので、ACMCに導入されるカルボキシメチル基又はカルボキシメチル基の塩が多いほど、ACMCの親水性が強くなる。親水性の強いACMCは、水に対して溶けやすくなる。また、親水性の強いACMCを含有する化粧料は、保湿性に優れる。なお、カルボキシメチル基の塩は、カルボキシメチル基を水溶液において電離させ、カルボン酸塩を生じさせることによって形成することができる。このカルボン酸塩を形成するカチオン成分は、Na、Kなどのアルカリ金属、又はトリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、リジン、アルギニン、オルニチン、若しくはヒスチジンなどの塩基性アミノ酸であることが好ましい。
CM化度は、セルロースを構成するグルコース1分子あたりに導入されるカルボキシメチル基、及びカルボキシメチル基の塩の数である。例えば、上記式(2)で示されたACMCのCM化度は、1.0である。本発明におけるACMCのCM化度は、0.7〜1.3である。ACMCにおけるCM化度が0.7より小さいと、ACMCが水に溶けにくくなるほか、ACMCを含有する化粧料の保湿性が優れないので好ましくない。一方で、前記CM化度が1.3より大きいと、ACMCを含有する化粧料の皮膚へのなじみ性が不十分であり、化粧料の使用後の皮膚表面においてべたつきが生じ、感触がよくないので、好ましくない。なお、非特許文献1には、カルボキシメチルセルロース(CMC)において、CM化度(非特許文献1の文中では、「DS」と表される)が、「0.2〜0.3でアルカリ可溶、0.4から水溶性になり、0.6以上で透明になる」と開示されている(非特許文献1、第358頁、右欄、第13〜17行参照)。
この発明において、アシル基、カルボキシメチル基、又はカルボキシメチル基の塩が導入されうるのは、グルコース1分子あたり、2位、3位、及び6位に位置するヒドロキシル基の3つだけである。よって、前記アシル化度と前記CM化度との和は、常に3.0以下である。
ACMCの重量平均分子量は、5000〜20000である。ACMCの重量平均分子量が20000より大きくなると、水に溶けにくくなるので好ましくない。また、重量平均分子量が20000より大きくなると、本発明におけるACMCを化粧料に含有させる際に、化粧料が著しく増粘し、多量のACMCを化粧料に含有させることができないので好ましくない。また、ACMCの重量平均分子量が5000より小さくなると、十分な保湿性を有さないので好ましくない。なお、ACMCの重量平均分子量が5000〜20000となるように、一般式(1)で示される構成単位の繰り返しの数が決定される。
この発明におけるACMCの製造方法は特に限定されないが、一例を挙げると、カルボキシメチルセルロースに脂肪酸を導入することによってACMCを得る方法を用いることができる。カルボキシメチルセルロースへの脂肪酸の導入は、当業者に公知の方法を用いて容易に行うことができる。例えば、カルボキシメチルセルロースと、カルボン酸又は無水カルボン酸と、酸触媒とを混合した溶液を、還流させてエステル反応を引き起こし、反応後の液をアルカリ中和することによって、ACMCの中和液を得ることができる。この中和液をUF膜等の膜に通すことにより、無機塩類が除去され、ACMCの純度を上げることができる。この中和液を液体のまま使用することもでき、また、この中和液を凍結乾燥することにより、ACMCの粉末として使用することもできる。前記カルボキシメチルセルロースは、市販の製品を用いてもよいし、当業者に公知の方法を用いて、セルロースから合成してもよい。セルロースからカルボキシメチルセルロースを合成する方法の一例として、アルカリ条件下で、セルロースとモノクロロメチルカルボン酸又はモノクロロメチルカルボン酸ナトリウムとを反応させる方法が挙げられる。このように、植物中に大量に含まれるセルロースを原料として、ACMCを生産することができる。よって、保湿性の化粧料として従来広く用いられ、菌類又は鶏冠抽出物から得られるヒアルロン酸に比べて、この発明におけるACMCは、少ないコストで大量に生産することができる。
この発明におけるACMCのCM化度は、アニオン化度の測定により決定することができる。例えば、アニオン化度及びカチオン化度の測定は、「コロイド滴定法 千手諒一 南江堂」に記載の方法を用いることができる。また、この発明におけるACMCのアシル化度は、ケン化価を測定することにより求めることができ、例えば、「医薬部外品原料規格2006 一般試験法」に記載のケン化価測定法によりを用いることができる。なお、この発明におけるACMCのアシル化度を求める方法として、H−NMR、IRを採用することもできる。さらに、この発明におけるACMCの重量平均分子量は、従来公知の方法により求めることができ、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いることができる。
この発明における化粧料は、この発明におけるACMCを含む。化粧料は、美化、清潔、保護、あるいは防臭を目的として人体を処置するための組成物である。化粧料としては、例えば、化粧水、パック、乳液、各種クリーム、ボディシャンプー、入浴剤、ファンデーション、おしろい、ボディーパウダー、棒口紅、ほお紅、アイライナー、アイシャドウ、マスカラ、マニキュア、クレンジングジェル、ネイルリムーバー、パ、防虫ローション、防臭剤、シャンプー、ヘアトリートメント、ヘアスプレー、ヘアムース、ポマード、パーマネントウェーブローション、ヘアカラー、ヘアブリーチ、発毛促進、発毛抑制剤、シェービングクリーム、練り歯磨き、マウスウォッシュ、香水、及びオードコロン等が挙げられる。特に好ましい態様は、水溶液から成る化粧料である化粧水等に、この発明におけるACMCを用いる例である。
この発明における化粧料の状態は任意であり、微粉末状、微細結晶状、液状、ペレット状等どのような状態でも構わない。化粧料を製造する際には、ACMCを固体として用いることもできるし、水溶液として用いることもできる。ACMCの水溶液を調製するには、例えば、ACMCの粉末を、酸溶液及びアルカリ溶液に代表されるpH調整液と共に、水に溶かす方法を採用することができる。
この発明の化粧料に含まれるACMCは、通常0.0001〜40.0質量%、好ましくは0.001〜10.0質量%の割合で含有するのが良い。ACMCの化粧料における含有量が前記下限値よりも少ないと保湿効果が不十分になり、上限値を超えるとべたつき感のある化粧料になり好ましくない。
この発明の化粧料には、必要に応じて以下のような化粧料に常用される各種の界面活性剤や補助剤を用いることができる。
前記界面活性剤の一例として、アニオン界面活性剤が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム等のラウリル硫酸塩、POE(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、POE(3)ラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン等のPOEラウリルエーテル硫酸塩、高級アルコールリン酸エステル類、ココイルメチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム等のアシルメチルタウリン塩、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、POE(1〜4)スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、スルホコハク酸POE(5)ラウロイルエタノールアミド二ナトリウム、オレイン酸アミドスルホコハク酸二ナトリウム等のスルホコハク酸型界面活性剤、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化イセチオネート、脂肪酸アミドエーテルサルフェート、モノアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレン脂肪酸エタノールアミドリン酸エステル塩、ヤシ油脂肪酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、牛脂脂肪酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸トリエタノールアミン、ラウリン酸トリエタノールアミン、ミリスチン酸トリエタノールアミン、牛脂脂肪酸トリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸カリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、牛脂脂肪酸カリウム等の高級脂肪酸塩、ココイルサルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシンカリウム、ラウロイルサルコシントリエタノールアミン等のアシルサルコシン塩、ココイルメチル−β−アラニンナトリウム、ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム、ミリストイルメチル−β−アラニンナトリウム、パルミトイルメチル−β−アラニンナトリウム、ステアロイルメチル−β−アラニンナトリウム、ラウロイルメチル−β−アラニンカリウム、ラウロイルメチル−β−アラニントリエタノールアミン等のアシルメチル−β−アラニン塩、ラウロイル−β−アラニントリエタノールアミン等のアシル−β−アラニン塩、N−2−ヒドロキシエチル−N−2−ラウリン酸アミドエチルグリシン、N−2−ヒドロキシエチル−N−2−ヤシ油脂肪酸アミドエチルグリシン、N−2−ヒドロキシエチル−N−2−ラウリン酸アミドエチル−β−アラニン、N−2−ヒドロキシエチル−N−2−ヤシ油脂肪酸アミドエチル−β−アラニン、N−(カルボキシメチル)−N−{2−[N−(2−ヒドロキシエチル)ラウリン酸アミド]エチル}グリシン、N−(カルボキシメチル)−N−{2−[N−(2−ヒドロキシエチル)ヤシ油脂肪酸アミド]エチル}グリシン等のアミドアミノ酸塩、ヤシ油脂肪酸アシル加水分解シルクペプタイド、ラウロイル加水分解シルクペプタイド、パーム核油脂肪酸アシル加水分解シルクペプタイド、ヤシ油脂肪酸アシル加水分解コラーゲンペプタイド、ラウロイル加水分解コラーゲンペプタイド、パーム核油脂肪酸アシル加水分解コラーゲンペプタイド、ヤシ油脂肪酸アシル加水分解カゼインペプタイド、ラウロイル加水分解カゼインペプタイド、パーム核油脂肪酸アシル加水分解カゼインペプタイド、ヤシ油脂肪酸アシル加水分解ケラチンペプタイド、ラウロイル加水分解ケラチンペプタイド、パーム核油脂肪酸アシル加水分解ケラチンペプタイド等の蛋白加水分解物のアシル化物、N−ココイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ココイル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン等のアシルグルタミン酸塩があるがこれらに限定されるものではない。
前記界面活性剤の一例として、両性界面活性剤が挙げられる。両性界面活性剤としては、2−ヤシ油アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−パーム核油アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のアルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−ヤシ油アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−パーム核油アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のアルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン等のアミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン等のアルキルベタイン、ラウリン酸アミドヒドロキシスルホベタイン、ラウリン酸アミドスルホベタイン等のスルホベタイン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシンがある。
前記界面活性剤の一例として、カチオン界面活性剤が挙げられる。カチオン界面活性剤としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルシアンモニウム等がある。
前記界面活性剤の一例として非イオン界面活性剤が挙げられる。非イオン界面活性剤としては、脂肪酸ジエタノールアミド、脂肪酸モノエタノールアミド、POE脂肪酸モノエタノールアミド、アミンオキサイド、POE高級アルコールエーテル、POEアルキルフェニルエーテル等がある。
また、前記補助剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール等の多価アルコール類、セチルアルコール、ミリスチン酸等の高級アルコール、高級脂肪酸類、ヒアルロン酸、カルボキシメチルキチン、エラスチン、コンドロイチン硫酸、デルマタン酸、フィブロネクチン、セラミド類、コラーゲン等の水溶性高分子物質、アロエエキス、ムチン、胎盤抽出エキス等の細胞賦括剤、オウゴンエキス、茶エキス、乳精エキス等の過酸化脂質生成抑制剤、アラントイン、グリチルリチン酸塩等の消炎剤、エデト酸塩、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸等のキレート剤、安息香酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、パラオキシ安息香酸塩、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’−トリクロロカルバニト、塩化ベンザルコニウム、ヒノキチオール、レゾルシン等の防腐剤、殺菌剤、ジンクピリチオン、ピロクトンオラミン等の抗フケ剤、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸等の酸化防止剤、オキシベンゾン、4−tert−ブチル−4’−メトキシベンゾイルメタン、2−エチルヘキシルパラジメチルアミノベンゾエート等の紫外線吸収剤、アミノ変性シリコン、ポリエーテル変性シリコン等のシリコン化合物、コウジ酸、アルブチン、ビタミンCのような色白剤及び香料、色素等を用いることができる。
前記補助剤として、保湿剤が用いられることが好ましい。ACMCと保湿剤とを含有する化粧料は、補助剤として保湿剤を含有しない化粧料に比べて、保湿性が相乗的に高められる。保湿剤としては、ヒドロキシ酸を用いることが好ましく、乳酸を用いることが更に好ましい。
この発明の化粧料におけるこれらの界面活性剤や補助剤の含有量は、用途や目的に応じて適宜選択されるものであり、特に制限されるものではない。各種の界面活性剤や補助剤の含有量は、例えば、化粧料の全重量に対し、通常0.0001〜50質量%の範囲とすることが好ましい。
この発明のACMCを含有する製品は化粧料に限定されず、この発明のACMCを
含有する様々な製品を製造、使用することができる。例えば、この発明のACMCを含有する製品として、製紙用添加剤、薬剤用カプセル等のプラスチック材料、表面処理剤、洗浄剤、増泡剤、界面活性剤、乳化安定剤、分散安定剤、及び消火薬剤等を挙げることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。
(実施例1)
(ACMCの製造)
300mlの4つ口フラスコに、カルボキシメチルセルロース(日本製紙ケミカル製 F350HC−4、CM化度 0.9mol/C6、重量平均分子量 数十万) 20g、氷酢酸 133gを入れ、70℃で30分間攪拌して活性化した。また、無水酢酸 67g、濃硫酸 9gを加え、70℃で40分間反応させアシル化した。さらに、蒸留水 500g、48%のNaOH 270gを加えて中和した。得られた中和液は、ミリポア製のUF膜(限外ろ過膜、品名 ペリコンXL、形式 PXC005C50、分画分子量 5,000)で処理することにより、中和液中の酢酸ナトリウム及び硫酸ナトリウムを除去して、ACMC水溶液を得た。このACMC水溶液を凍結乾燥することにより、ACMCの粉末10gを得た。
(アシル化度の測定)
デジタル糖度計(HI 96801/HANNA)を用いて前記ACMC水溶液の濃度を算出し、これを希釈し、所定量の0.2M水酸化ナトリウム水溶液を加え、室温で3時間撹拌した。さらに、0.2M塩酸を加え、電位差自動滴定装置(EBU−610−20B/KEM)を用いて、0.2M水酸化ナトリウム水溶液で滴定を行った。滴定によって求められるけん化価から、加水分解で生じた酸の物質量を求め、CMCに付加していたアシル基の量を算出した。その他の方法、操作は医薬部外品原料規格に記載のけん化価測定法に準じて行った。実施例1におけるACMCのアシル化度は、1.8であった。
(重量平均分子量の測定)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」と略することがある。)を使用して、ACMCの重量平均分子量を求めた。具体的には、カラム(Shodex OHpak SB−800M HQ)と、RI検出器(RI−2031plus/JASCO)とを用いて、溶離液(0.1M NaCl水溶液)、流速1.0ml/min、40℃の条件下で、RIの検出強度を測定した。標準試料としては、プルランを用いた。GPC溶出曲線におけるエリア面積と、検量線とを基に、ACMCの重量平均分子量を求めた。実施例1におけるACMCの重量平均分子量は、10000であった。
実施例1で得られたACMCを用いて、以下の方法により、保湿性、平滑性、なじみ性の評価を行った。測定は恒温恒湿室(25℃、湿度 50%)で行い、保湿剤水溶液はACMCが濃度 1質量%、pH 6.0となるようにクエン酸、NaOHで調整し、蒸留水及び保湿剤水溶液の塗布量は皮膚1cm当たり10μLとした。評価結果を表1に示す。
(保湿性の測定)
皮膚角層水分測定装置 SKICON−200EX(I.B.S製)を用いて、皮膚コンダクタンスを測定した。蒸留水を塗布しなかった場合の皮膚コンダクタンスをK、蒸留水を塗布した後のコンダクタンスをKとして、K/Kを基準値1.0とした。また、保湿剤水溶液を塗布した後のコンダクタンスをKとした。基準値であるK/Kに対するK/Kの値を求めた。K/Kの値を以下のように分類し、保湿性の評価を行った。数値が高いほど、保湿効果が高いことを示す。
<保湿性の評価基準>
○:1.6以上 △:1.3以上1.5以下 ×:1.0以上1.2以下
(皮膚平滑性の測定)
デジタルマイクロスコープ VHX−1000(キーエンス製)を用いて、保湿剤水溶液塗布後の皮膚において、テープストリッピングした角層を撮影した。光源をテープの平面に対して80度の位置にセットして、撮影画面中の輝度レンジが200以上である面積の割合(%)を算出した。この算出値を以下のように分類し、平滑性の評価を行った。角層が剥離し、肌表面が荒れた部分は、その輝度が高くなるので、数値が小さいほど皮膚が平滑であることを示す。
<平滑性の評価基準>
○:9%以下 △:10%以上13%以下 ×:14%以上
(皮膚へのなじみ性の測定)
デジタルマイクロスコープを用いて、皮膚表面に滴下された保湿剤水溶液 10μLの水滴の直径を測定した。この測定値を、以下のように分類し、なじみ性の評価を行った。皮膚になじみやすい保湿剤水溶液ほど円盤状に広がるので、数値が大きいほど皮膚になじみやすいことを示す。
<なじみ性の評価基準>
○:600μm以上 △:550μm以上599μm以下 ×:550μm未満
(実施例2)
実施例1における(ACMCの製造)と同様の方法で、中和液を得た。この中和液に、飽和食塩水2Lを加え、塩析させ、ろ過、乾燥して、ACMCの粉末10gを得た。ACMCのアシル化度は1.8であり、CM化度は0.9であり、重量平均分子量は10,000であった。また、得られたACMCを用いて、実施例1と同様の方法により、保湿性、平滑性、なじみ性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
カルボキシメチルセルロースとして日本製紙ケミカル製のF800HC(CM化度 0.8mol/C6、重量平均分子量 百万)を使用した以外は、実施例1と同様の方法でACMCを製造した。ACMCのアシル化度は1.2であり、CM化度は0.8であり、重量平均分子量は20,000であった。また、得られたACMCを用いて、実施例1と同様の方法により、保湿性、平滑性、なじみ性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
カルボキシメチルセルロースとしてダイセルファインケム製のCMCダイセル2450(CM化度 1.2mol/C6、重量平均分子量 数十万)を使用した以外は、実施例1と同様の方法でACMCを製造した。ACMCのアシル化度は1.6であり、CM化度は1.2であり、重量平均分子量は10,000であった。また、得られたACMCを用いて、実施例1と同様の方法により、保湿性、平滑性、なじみ性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例5)
カルボキシメチルセルロースとしてダイセルファインケム製のCMCダイセル1260(CM化度 0.9mol/C6、重量平均分子量 数万)を使用し、ミリポア製のUF膜(品名 ウルトラセル、形式 PLBC7610、分画分子量 3,000)で処理した以外は、実施例1と同様の方法でACMCを製造した。ACMCのアシル化度は1.8であり、CM化度は0.9であり、重量平均分子量は6,000であった。また、得られたACMCを用いて、実施例1と同様の方法により、保湿性、平滑性、なじみ性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例6)
無水酢酸の代わりに無水プロピオン酸を使用した以外は実施例1と同様の方法でACMCを製造した。ACMCのアシル化度は1.2であり、CM化度は0.9であり、重量平均分子量は10,000であった。また、得られたACMCを用いて、実施例1と同様の方法により、保湿性、平滑性、なじみ性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例7)
ACMCの水溶液の濃度を2質量%にした以外は、実施例1と同様の方法により、保湿性の評価を行った。なお、平滑性、及びなじみ性の評価は行わなかった。評価結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例1で得られたACMCを1質量%、乳酸を1質量%となるように水に溶解した水溶液(NaOHでpH 6.0に調整)について、実施例1と同様の方法により、保湿性、平滑性、なじみ性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
カルボキシメチルセルロースとして、第一工業製薬製のセロゲンBS(CM化度 0.6mol/C6、重量平均分子量 数万)を使用した以外は、実施例1と同様の方法でACMCを製造した。ACMCのアシル化度は1.9であり、CM化度は0.6であり、重量平均分子量は8,000であった。また、得られたACMCを用いて、実施例1と同様の方法により、保湿性、平滑性、なじみ性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(比較例2)
カルボキシメチルセルロースとして、ダイセルファインケム製のCMCダイセル1380(CM化度 1.4mol/C6、重量平均分子量 数十万)を使用し、ミリポア製のUF膜(品名 ウルトラセル、形式 PLBC07610、分画分子量 30,000)で処理した以外は、実施例1と同様の方法でACMCを製造した。ACMCのアシル化度は1.9であり、CM化度は1.4であり、重量平均分子量は6,000であった。また、得られたACMCを用いて、実施例1と同様の方法により、保湿性、平滑性、なじみ性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1で得られたACMC(アシル化度 1.8)の5%水溶液100g(含有されるACMCの物質量 1.6mmol)に、48%苛性ソーダを0.11g(1.3mmol)添加し、室温で3時間攪拌してアシル基を加水分解した。加水分解後の溶液をUF膜で精製し、酢酸ナトリウムを除去した。得られたACMCのアシル化度は0.9であり、CM化度は0.9であり、重量平均分子量は9,000であった。また、得られたACMCを用いて、実施例1と同様の方法により、保湿性、平滑性、なじみ性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(比較例4)
実施例1における(ACMCの製造)と同様の方法で、中和液を得た。この中和液を、ミリポア製のUF膜(品名 ウルトラセル、形式 PLAC07610、分画分子量 1,000)で処理することによって、酢酸ナトリウム、硫酸ナトリウムを除去した。得られたACMCのアシル化度は1.8であり、CM化度は0.9であり、重量平均分子量は4,000であった。また、得られたACMCを用いて、実施例1と同様の方法により、保湿性、平滑性、なじみ性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(比較例5)
カルボキシメチルセルロースとしてダイセルファインケム製のCMCダイセル2280(アシル化度 0.8mol/C6、重量平均分子量 数百万)を使用した以外は、実施例1と同様の方法でACMCを製造した。ACMCのアシル化度は1.1であり、CM化度は0.8であり、重量平均分子量は40,000であった。また、得られたACMCを用いて、実施例1と同様の方法により、保湿性、平滑性、なじみ性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(比較例6)
実施例1におけるACMCの粉末の代わりに、カルボキシメチルセルロース(日本製紙ケミカル製、商品名 F350HC−4)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で、CM化度、及び重量平均分子量を測定した。また、このカルボキシメチルセルロースを用いて、実施例1と同様の方法により、保湿性、平滑性、なじみ性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(比較例7)
実施例1におけるACMCの粉末の代わりに、オリゴヒアルロン酸(キューピー製、商品名 ヒアロオリゴ)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で、重量平均分子量を測定した。また、このオリゴヒアルロン酸を用いて、実施例1と同様の方法により、保湿性、平滑性、なじみ性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(比較例8)
実施例1におけるACMCの粉末の代わりに、ヒアルロン酸(資生堂製、商品名 Bio Sodium Hyalulonate HA12)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で、重量平均分子量を測定した。また、このヒアルロン酸を用いて、実施例1と同様の方法により、保湿性、平滑性、なじみ性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(比較例9)
実施例1におけるACMCの粉末の代わりに、アセチルヒアルロン酸(資生堂製、商品名 Sodium Acetyl Hyalulonate)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で、アシル化度、及び重量平均分子量を測定した。また、このアセチルヒアルロン酸を用いて、実施例1と同様の方法により、保湿性、平滑性、及びなじみ性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例10)
実施例1におけるACMCの粉末の代わりに、アシルセルロース(和光純薬工業製、三酢酸セルロース)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で、アシル化度、及び重量平均分子量を測定した。また、このアシルセルロースは、水への溶解度が小さく、1質量%の水溶液を調製することができないので、保湿性、平滑性、なじみ性を評価することができなかった。結果を表1に示す。
(比較例11)
実施例1におけるACMCの1%水溶液の代わりに、乳酸の1質量%水溶液(NaOHでpH 6.0に調整)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、保湿性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
以下に、実施例及び比較例で用いた材料の、アシル化度、CM化度、及び重量平均分子量の測定値、並びに保湿性、平滑性、及びなじみ性の測定値と評価結果とを表1に示す。なお、保湿性、平滑性、なじみ性の評価結果を各欄の上段に示し、測定値を各欄の下段に示す。
Figure 0006172507
本発明におけるACMCを使用した実施例1〜6はいずれも、保湿性、皮膚における平滑性、及び皮膚におけるなじみ性が良好であった。本発明におけるACMCの2%水溶液を調製した実施例7では、保湿性が良好であった。本発明におけるACMCと乳酸との2成分を含有した水溶液を調製した実施例8では、保湿性、皮膚における平滑性、及び皮膚におけるなじみ性が良好であった。
一方、CM化度が低い比較例1、CM化度が高い比較例2、アシル化度が低い比較例3、重量平均分子量が低い比較例4、重量平均分子量が高い比較例5、及びアシル化されていないカルボキシメチルセルソースを使用した比較例6は、保湿性、皮膚における平滑性、皮膚におけるなじみ性が良好ではなかった。保湿剤として一般的に使用されるヒアルロン酸類を使用した比較例7〜9は、保湿性、皮膚の平滑性、皮膚へのなじみ性が良好ではなかった。比較例10におけるアシルセルロースは、水への溶解度が小さく、水溶液を作成することができないので、保湿性、平滑性、なじみ性を評価することができなかった。また、乳酸のみを含む水溶液を使用した比較例11では、保湿性が良好ではなかった。
(実施例9)
<ACMCの溶解性の評価>
蒸留水6gに実施例1で得たACMCの凍結乾燥粉末 4gを添加、撹拌してACMC 40質量%の水溶液を得た。外観は無色透明であり、不溶物はなく、流動性を有していた。本発明におけるACMCが、水に対して、40質量% 溶解することができる
ことが示された。

(実施例10)
下記に示すヘアーブラッシング剤組成物を調製し、その性能を評価したところ、このヘアーブラッシング剤組成物は、高い保湿性を示し、使用者が優れたしっとり感を感じることができた。組成における数字は質量%を示す。
(組成)
ココイルアルギニンエチルエステル・PCA塩 0.5
実施例1で得られたACMC 0.3
エタノール 5.0
メチルパラベン 0.1
香料 0.1
精製水 残部(上記合計が100となるように調製)

(実施例11)
下記に示すヘアートリートメント組成物を調製し、その性能を評価したところ、このヘアートリートメント組成物は高い保湿性を示し、使用者が優れたしっとり感を感じることができた。
(組成)
PPG−1/PEG−1ステアラミン 3.0
実施例1で得られたACMC 0.15
セトステアリルアルコール 2.5
流動パラフィン 1.5
POE(5)ステアリルエーテル 1.0
グリセリン 5.0
防腐剤 0.1
精製水 残部(上記合計が100となるように調製)

(実施例12)
下記に示す乳液を調製し、その性能を評価したところ、この乳液は高い保湿性を示し、使用者が優れたしっとり感を感じることができた。
(組成)
流動パラフィン 10.0
スクワラン 2.0
ワセリン 2.0
ソルビタンセスキオレイン酸エステル 0.9
ポリオキシエチレンオレイルエーテル 1.2
グリセリン 3.0
エタノール 3.0
カルボキシビニルポリマー 0.2
水酸化カリウム 0.1
実施例1で得られたACMC 0.08
PCAソーダ 1.0
ヘチマ抽出液 1.0
防腐剤 0.5
精製水 残部(上記合計が100となるように調製)

(実施例13)
下記に示すヘアーリンス組成物を調製し、その性能を評価したところ、このヘアーリンス組成は高い保湿性を示し、使用者が優れたしっとり感を感じることができた。
(組成)
PPG−1/PEG−1ステアラミン 3.0
セタノール 3.5
ホホバ油 2.0
親油型モノステアリン酸グリセリル 1.0
ポリエチレングリコール(8EO) 0.3
1.3−ブチレングリコール 5.0
実施例1で得られたACMC 0.2
ヒアルロン酸 0.2
アミノ変性シリコーンポリマー 0.5
防腐剤 0.3
精製水 残部(上記合計が100となるように調製)

(実施例14)
下記に示すヘアーシャンプー組成物を調製し、その性能を評価したところ、このヘアーシャンプー組成物は高い保湿性を示し、使用者が優れたしっとり感を感じることができた。
(組成)
ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸 ナトリウム(25%) 10.0
ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム(30%) 15.0
ラウリン酸アミドプロピルベタイン(30%) 15.0
N−ココイル−L−グルタミン酸モノトリエタノール アミン塩(30%) 10.0
ラウリン酸ジエタノールアミド 3.0
実施例1で得られたACMC 0.2
エデト酸ナトリウム 0.2
防腐剤 0.3
精製水 残部(上記合計が100となるように調製)

(実施例15)
下記に示す化粧水組成物を調製し、その性能を評価したところ、この化粧水は高い保湿性を示し、使用者が優れたしっとり感を感じることができた。
(組成)
エタノール 10.0
グリセリン 5.0
実施例1で得られたACMC 2.0
メチルパラベン 0.1
エデト酸ナトリウム 0.1
精製水 残部(上記合計が100となるように調製)

(実施例16)
下記に示すヘアーエッセンス組成物を調製し、その性能を評価したところ、このヘアーエッセンスは高い保湿性を示し、使用者が優れたしっとり感を感じることができた。
(組成)
エタノール 20.0
実施例6で得られたACMC 0.1
メチルパラベン 0.1
エデト酸ナトリウム 0.1
精製水 残部(上記合計が100となるように調製)

(実施例17)
下記に示す化粧水組成物を調製し、その性能を評価したところ、この化粧水は高い保湿性を示し、使用者が優れたしっとり感を感じることができた。
(組成)
実施例1で得られたACMC 0.5
ソルビット液 2.00
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート 0.50
エタノール 5.00
パラオキシ安息香酸メチル 0.20
精製水 残部(上記合計が100となるように調製)

(実施例18)
下記に示すO/W型クリームを調製し、その性能を評価したところ、このO/W型クリームは高い保湿性を示し、使用者が優れたしっとり感を感じることができた。
(組成)
オリーブ油 9.00
パラフィン 3.00
ミリスチン酸イソプロピル 2.50
ラノリン 3.50
ミツロウ 2.00
セタノール 5.50
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット(40モル) 2.00
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット(60モル) 2.00
パラオキシ安息香酸プロピル 0.10
パラオキシ安息香酸エチル 0.10
プロピレングリコール 9.00
香料 0.20
実施例1で得られたACMC 0.5
精製水 残部(上記合計が100となるように調製)

(実施例19)
下記に示す乳液を調製し、その性能を評価したところ、この乳液は高い保湿性を示し、使用者が優れたしっとり感を感じることができた。
(組成)
ミリスチン酸イソプロピル 3.50
ラノリン 2.00
オリーブ油 1.50
セタノール 2.00
スクワラン 0.50
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット(40モル) 2.00
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット(60モル) 2.00
パラオキシ安息香酸プロピル 0.10
パラオキシ安息香酸エチル 0.10
プロピレングリコール 9.00
実施例4で得られたACMC 0.6
精製水 残部(上記合計が100となるように調製)

(実施例20)
下記に示すヘアーシャンプー組成物を調製し、その性能を評価したところ、このヘアーシャンプー組成物は高い保湿性を示し、使用者が優れたしっとり感を感じることができた。
(組成)
実施例5で得られたACMC 0.4
ラウリルエーテル(2EO)硫酸ナトリウム 6.0
ラウリル硫酸ナトリウム 3.5
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアマイド 4.5
プロピレングリコール 2.0
エデト酸 0.2
精製水 残部(上記合計が100となるように調製)

Claims (5)

  1. アシル化度が、1.0〜2.0であり、
    カルボキシメチル化度が、0.7〜1.3であり、
    重量平均分子量が5000〜20000であり、
    一般式(1)で表される構成単位を有することを特徴とするアシルカルボキシメチルセルロース。
    Figure 0006172507
    [式中、
    、R、及びRは、水素、アセチル基、プロピオニル基、カルボキシメチル基又はカルボキシメチル基の塩のいずれかであり、アシル化度とカルボキシメチル化度との和が3.0以下である。]
  2. 請求項1に記載のアシルカルボキシメチルセルロースを含有することを特徴とする化粧料。
  3. 保湿剤を含有することを特徴とする請求項2に記載の化粧料。
  4. 前記保湿剤がヒドロキシ酸であることを特徴とする請求項3に記載の化粧料。
  5. 前記ヒドロキシ酸が乳酸であることを特徴とする請求項4に記載の化粧料。
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