JP6026192B2 - カルボキシメチルキトサンアセテート化合物、その製造方法及び化粧料 - Google Patents

カルボキシメチルキトサンアセテート化合物、その製造方法及び化粧料 Download PDF

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Description

この発明はカルボキシメチルキトサンアセテート化合物、その製造方法及び化粧料に関し、更に詳しくは、ヒアルロン酸よりも優れた感触及び保湿性を備えた化粧料とすることのできるカルボキシメチルキトサンアセテート化合物及びその製造方法並びに前記カルボキシメチルキトサンアセテート化合物を含有することによりヒアルロン酸よりも優れた感触及び保湿性を備えた化粧料に関する。
従来から、ヒアルロン酸が保湿剤として使用されることが、知られている。ヒアルロン酸を手に付けると手の皮膚がすべすべになり、ほとんどべとつきが残らないという特性を有している。したがって、ヒアルロン酸は、例えば化粧料への用途がある。
しかしながら、ヒアルロン酸は鶏冠及び人の臍帯等の希少天然物を原料にして製造されるところ、鶏冠やヒトの臍帯等という希少天然物を原料とせざるを得ないので、大量の需要に応じることができず、また、きわめて高価であることによりその用途が自ずと制限される。
そこで、資源として豊富な甲殻類の主成分であるキチンを脱アセチル化して得られるキトサンの誘導体が古くから注目されている。
特許文献1には、N−(3−カルボキシプロパノイル)−6−O−(カルボキシメチル)キトサン及びその製造方法が、開示されている。この特許文献1に開示されたN−(3−カルボキシプロパノイル)−6−O−(カルボキシメチル)キトサンは、ヒアルロン酸と同等の保水作用を有すると、されている(特許文献1の第4頁左上欄第5行〜第7行参照)。
特許文献2には、特許文献1に開示されたN−(3−カルボキシプロパノイル)−6−O−(カルボキシメチル)キトサンと酸性ムコ多糖類とを含有する化粧料が開示されている。この特許文献2の記載によると、N−(3−カルボキシプロパノイル)−6−O−(カルボキシメチル)キトサンと酸性ムコ多糖類との組み合わせにより、保湿性の優れた化粧料が得られるとしている(特許文献2の段落番号0030参照)。
特許文献3には、特許文献1に開示されたN−(3−カルボキシプロパノイル)−6−O−(カルボキシメチル)キトサンとキチン又はキトサンに親水基を導入して水溶性とした水溶性キチン誘導体または水溶性キトサン誘導体とを特定割合で含有する化粧料が、開示されている。この特許文献3によると、保湿性の優れた化粧料が得られたとされている(特許文献3の段落番号0049欄参照)。
特許文献2及び3に開示された発明は、いずれも、特許文献1に開示された、N−(3−カルボキシプロパノイル)−6−O−(カルボキシメチル)キトサンを利用する。
本願発明者は、ムコ多糖類等のような他の化合物と組み合わせなくても、ヒアルロン酸よりもよりも優れた吸保湿性の優れたキトサン誘導体の開発を行ない、本願発明に到達した。
特開平02−105801号公報 特開平06−24934号公報 特開平07−304626号公報
この発明の課題は、ヒアルロン酸よりも優れた感触及び性能を有する保湿剤を提供し、そのような保湿剤を与えることのできる新規化合物を提供し、そのような新規化合物を製造する方法を提供することにある。
前記課題を解決するための手段は、
(1) 重量平均分子量が20万〜1000万であり、以下の式(1)及び式(2)で示される構成単位を有するカルボキシメチルキトサンアセテート化合物である。
Figure 0006026192
但し、式(1)及び式(2)において、Z1、2、及びZはアセチル基又は水素原子であり、全構成単位100mol%に対して10mol%以上60mol%以下の構成単位にアセチル基が付加している。
X及びYは―CHCOOH又は水素原子であり、全構成単位100mol%に対して10mol%以上140mol%以下の構成単位に―CHCOOHが付加している。
前記課題を解決する他の手段は、
(2) 脱アセチル化度が少なくとも80%であり、重量平均分子量が20万〜1000万であるキトサンとモノクロル酢酸とを反応させ、次いで無水酢酸を反応させることを特徴とする前記(1)に記載のカルボキシメチルキトサンアセテート化合物の製造方法であり、
(3) キトサンに対するモノクロル酢酸の添加量が、キトサンに含まれるアミンに対して0.2〜10当量である前記(2)に記載の製造方法であり、
(4) キトサンとモノクロル酢酸との反応がpH7〜8で行われる前記(2)又は(3)に記載の製造方法である。
前記課題を解決するための更に他の手段は、
(5) 前記(1)に記載のカルボキシメチルキトサンアセテート化合物を含有する化粧料である。
この発明によると、ヒアルロン酸よりも優れた感触及び性能を有するカルボキシメチルキトサンアセテート化合物、その製造方法及び化粧料を提供することができる。
図1は、製造例1において使用された原料であるキトサンのH−NMR測定チャートである。 図2は、製造例1において製造されたカルボキシメチルキトサンアセテートのH−NMR測定チャートである。
この発明に係るカルボキシメチルキトサンアセテート化合物は、以下の式(1)及び式(2)で示される構成単位を有する。
Figure 0006026192
但し、式(1)及び式(2)において、Z1、2、及びZはアセチル基又は水素原子であり、全構成単位100mol%に対して10mol%以上60mol%以下の構成単位にアセチル基が付加している。
X及びYは―CHCOOH又は水素原子であり、全構成単位100mol%に対して10mol%以上140mol%以下の構成単位に―CHCOOHが付加している。
この発明に係るカルボキシメチルキトサンアセテート化合物は、その重量平均分子量が20万〜1000万である高分子化合物である。
このカルボキシメチルキトサンアセテート化合物は多分散であり、前記式(1)で示される構成単位及び前記式(2)で示される構成単位を有する。
前記式(1)で示される構成単位は、単一の構成単位を示すものではなく、6位の炭素に水酸基が結合する態様、6位の炭素に結合する酸素にアセチル基が結合する態様、3位の炭素に水酸基が結合する態様及び3位の炭素に結合する酸素にアセチル基が結合する態様を含む。式(2)で示される構成単位は、単一の構成単位を示すものではなく、6位の炭素に水酸基が結合する態様、6位の炭素に結合する酸素にアセチル基が結合する態様、3位の炭素に水酸基が結合する態様及び3位の炭素に結合する酸素にアセチル基が結合する態様、2位の炭素に結合する窒素にカルボキシメチル基が一つ結合する態様、2位の炭素に結合する窒素にカルボキシメチル基が二つ結合している態様を含む。このように、式(1)及び式(2)で示される構成単位がこのような複数の態様を含むのは、このカルボキシメチルキトサンアセテート化合物を製造するに際し、キチンにおけるアセチルアミノ基の80%以上が脱アセチル化されて成るキトサンを原料にしてこの発明の方法によりカルボキシメチルキトサンアセテート化合物を製造するからである。すなわち、この発明の製造方法によると、まず脱アセチル化度が少なくとも80%のキトサンとモノクロル酢酸とを反応させるのであるが、キトサンは2位の炭素にアセチルアミンを結合する構成単位と2位の炭素にアミノ基を結合する構成単位とを有する。このようなキトサンにモノクロル酢酸を反応させると、2位の炭素にアミノ基を結合するキトサンの構成単位における2位の炭素に結合する窒素原子に一つ又は二つのカルボキシメチル基が導入されることにより、式(3)で示される構成単位及び式(4)で示される構成単位が形成される。
Figure 0006026192
ただし、式(3)におけるX及びYは前記式(2)において説明したのと同様である。
Figure 0006026192
式(4)で示す構成単位は、キトサンにおける脱アセチル化されていない構成単位である。
この発明の製造方法によると、モノクロル酢酸と反応させることにより得られる式(3)の構成単位及び式(4)で示される構成単位を有する、反応中間体としてのキトサンと無水酢酸とを反応させると、式(3)及び式(4)における6位の炭素に結合する水酸基が3位の炭素に結合する水酸基よりも優先してアセチル化され、また、6位の炭素に結合する水酸基が3位の水酸基よりも優先してアセチル化されるのは、6位の炭素に結合する水酸基が1級アルコールで3位の炭素に結合する水酸基が2級アルコールであるため6位の炭素に結合する水酸基の方が反応性が高いといった理由による。
よって、この発明に係るカルボキシメチルキトサンアセテート化合物は、式(1)で示される構成単位及び式(2)で示される構成単位を有する。
式(1)はカルボキシメチルキトサンアセテート化合物の全構成単位100mol%に対して20mol%以下であり、式(2)はカルボキシメチルキトサンアセテート化合物の全構成単位100mol%に対して80mol%以上である。式(1)及び式(2)の割合は、原料キトサンの脱アセチル化度に依存する。原料キトサンの脱アセチル化度は、原料キトサンをコロイド滴定することでアミン量を定量することにより決定することができる。式(1)がカルボキシメチルキトサンアセテート化合物の全構成単位100mol%に対して20mol%以下であり、式(2)がカルボキシメチルキトサンアセテート化合物の全構成単位100mol%に対して80mol%以上であることは、この2位の炭素にアセチルアミノ基を結合するグルコース単位が20%以下であることを示し、その結果として、この発明に係るカルボキシメチルキトサンアセテート化合物は吸保湿性に優れるようになる。見方を変えると、式(1)がカルボキシメチルキトサンアセテート化合物の全構成単位100mol%に対して20mol%を超え、かつ式(2)がカルボキシメチルキトサンアセテート化合物の全構成単位100mol%に対して80mol%未満であるとアセチルアミノ基を有するグルコース単位が増加することにより優れた吸保湿性のある物質とはならなくなる。
この発明に係るカルボキシメチルキトサンアセテート化合物は、式(2)に示される構成単位における窒素原子に結合するカルボキシメチル基(−CHCOOH)の合計付加数は、カルボキシメチルキトサンアセテート化合物の全構成単位100mol%に対して、10mol%以上140mol%以下である。この合計付加数は、コロイド滴定によってアニオン化度を決定することにより求めることができる。カルボキシメチル基の合計付加数が10mol%に満たないときには吸保湿性に劣り、化粧料に配合しても使用感が向上せず、合計付加数が140mol%を越えると親水性が高くなりすぎ、水っぽい感触となってこの発明の目的を達成することができない。
この発明に係るカルボキシメチルキトサンアセテート化合物全構成単位1molにおいてアセチル基の合計付加数は10mol%以上60mol%以下である。アセチル基の合計付加数はケン化価の測定により求めることができる。このカルボキシメチルキトサンアセテート化合物全構成単位中の合計ケン化価から導き出したアセチル基の合計付加数が10mol%に満たないとときには吸保湿性に劣り、化粧料に配合しても使用感が向上せず、合計付加数が60mol%を越えると疎水性が高くなりすぎ、水に溶けにくくなってこの発明の目的を達成することができない。
この発明に係るカルボキシメチルキトサンアセテート化合物は、式(1)で示される構成単位及び式(2)示される構成単位を有する高分子化合物であり、その重量平均分子量が20万〜1000万であり、好ましくは80万〜500万である。このカルボキシメチルキトサンアセテート化合物の重量平均分子量が20万に満たないと水っぽい感触になるといった不都合があり、また重量平均分子量が1000万を超えると水溶性が低下して水に溶けにくくなるといった不都合がある。
この発明に係るカルボキシメチルキトサンアセテート化合物は、次のようにして製造することができる。すなわち、この発明の方法では、脱アセチル化度が少なくとも80%であり、重量平均分子量が20万〜1000万であるキトサン(以下において、このような脱アセチル化度及び重量平均分子量を有するキトサンを「原料キトサン」と略称することがある。)とモノクロル酢酸とを反応させ(第1工程)、次いで無水酢酸を反応させる(第2工程)。
第1工程における、脱アセチル化度が少なくとも80%であり、重量平均分子量が20万〜1000万であるキトサンは、北海道曹達株式会社製のMA−1、大日精化工業株式会社製のダイキトサンH、甲陽ケミカル株式会社製のコーヨーキトサンSK−200等の市販品を使用することができる。
また、脱アセチル化度が少なくとも80%であり、かつ重量平均分子量が20万〜1000万であるキトサンは、特開昭53−47479号公報に記載された方法により得ることができ、前記公報に記載された方法において反応温度と反応時間とを適宜に設定することにより重量平均分子量と脱アセチル化率とを制御することができる。
原料キトサンとモノクロル酢酸との反応を円滑に進行させるために、原料キトサンを水に溶解することにより原料キトサン水溶液を調製するのが好ましい。原料キトサンを水に溶解するには塩酸を水に加えてその水のpHを酸性にしておくのが良い。原料キトサンを酸性の水に溶解して得られる原料キトサン水溶液にモノクロル酢酸を添加する。モノクロル酢酸を添加する際の原料キトサン水溶液はそのpHを7〜8に調製しておくのが良い。原料キトサン水溶液のpHが7〜8であると、原料キトサンを構成する構成単位中の2位の炭素に結合する窒素原子にカルボキシメチル基を選択的に導入することができて好都合である。原料キトサン水溶液のpHが強アルカリであると、原料キトサンを構成する構成単位中の3位の炭素に結合する水酸基及び/又は6位の炭素に結合する水酸基とモノクロル酢酸とが反応することがある。また、原料キトサン水溶液のpHが酸性側にあると、モノクロル酢酸の反応が極端に遅くなり、製造上不都合となることがある。
原料キトサン水溶液における原料キトサンの濃度は、原料キトサン水溶液中に存在する原料キトサンとモノクロル酢酸とが円滑に反応するように適宜に決定することができる。通常の場合、原料キトサン水溶液における原料キトサンの濃度は、0.1〜5質量%であり、特には0.5〜2質量%である。化学反応の常識からすると原料キトサン水溶液における原料キトサン濃度が低いと反応に長時間を要することになって効率的ではなく、原料キトサン濃度が高いと原料キトサン水溶液の粘度が大きくなり過ぎて円滑に反応が進行しない恐れを生じる。
原料キトサンとモノクロル酢酸とを反応させるに際し、モノクロル酢酸の添加量は、式(2)で示される構成単位における窒素原子に結合するカルボキシメチル基(−CHCOOH)の合計付加数がカルボキシメチルキトサンアセテート化合物の全構成単位100mol%に対して、10mol%以上140mol%以下となるように適宜に決定することができ、通常の場合、原料キトサン中のアミンに対して0.2〜10当量となるように決定される。
pHが調整された原料キトサン水溶液にモノクロル酢酸が添加されることにより得られる混合液は、通常、80〜100℃に加熱され、反応が促進される。加熱反応時間は、通常1〜24時間である。反応中に、前記混合液のpHを調整するためにアルカリを添加するのが良い。
前記加熱を前記所定時間継続した後に加熱を停止し、反応生成液の温度を常温にまで戻し、反応生成液から常法にしたがって固形物を精製分離する。
この固形物は、式(3)で示される構成単位を有する原料キトサンのN−カルボキシメチル化物であることがH−NMR測定により同定することができる。原料キトサンの窒素原子にカルボキシメチル基を導入した割合を示す合計付加数(カルボキシメチル化度)はアニオン化度の測定により決定することができる。また、カルボキシメチル基が、原料キトサンの3位及び6位の炭素に結合する酸素ではなく、2位の炭素に結合する窒素に結合していることはカチオン化度の測定により確認することができる。
アニオン化度及びカチオン化度の測定は「コロイド滴定法 千手諒一 南江堂」に記載の方法によることができる。
この発明に係る製造方法における第2工程では、第1工程で生成した原料キトサンのN−カルボキシメチル化物と無水酢酸とを反応させる。反応に際して、有機反応の常法として、第1工程で得られた固形物である原料キトサンのN−カルボキシメチル化物を水に溶解し、得られる原料キトサンのN−カルボキシメチル化物の水溶液に無水酢酸を添加し、所定温度例えば15〜40℃、特に20〜30℃に所定時間例えば1〜6時間、特に2〜4時間加熱するのが良い。
この反応により、式(3)で示される構成単位及び式(4)で示される構成単位における3位の炭素及び6位の炭素に結合する酸素原子にアセチル基が導入されてO−アセチル化が達成される。
この反応によるアセチル基の合計付加数はカルボキシメチルキトサンアセテート化合物の全構成単位100mol%に対して10mol%以上60mol%以下である。アセチル基の合計付加数は、無水酢酸の添加量により調節することができ、前記合計付加数にするには、原料キトサンのN−カルボキシメチル化物におけるアミンに対して無水酢酸を0.5〜20当量の割合で添加するのが良い。
なお、無水酢酸に前記原料キトサンのN−カルボキシメチル化物の水溶液を添加する場合も、前記原料キトサンのN−カルボキシメチル化物の水溶液に無水酢酸を添加する場合と同様にO−アセチル化反応を行うことができる。
O−アセチル化反応を終了させた後に、常法に従って、反応生成液から固形物を分離精製することによりこの発明に係るカルボキシメチルキトサンアセテート化合物を得ることができる。
得られたカルボキシメチルキトサンアセテート化合物におけるアセチル基の合計付加数(アセチル化度)はケン化価の測定により求めることができる。ケン化価は「医薬部外品原料規格2006 一般試験法」に記載の方法で測定できる。
この発明の化粧料は、この発明のカルボキシメチルキトサンアセテート化合物を含む。
この発明の化粧量に含まれる前記カルボキシメチルキトサンアセテート化合物を、通常0.01〜3質量%、好ましくは0.05〜2質量%の割合で含有するのが良い。カルボキシメチルキトサンアセテート化合物の化粧料における含有量が前記下限値よりも少ないと保湿効果が不十分になり、上限値を超えるとべたつき感のある化粧料になって好ましくない。
本発明の化粧料には、必要に応じて以下のような化粧料に常用される各種の界面活性剤や補助剤を用いることができる。
アニオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム等のラウリル硫酸塩、POE(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、POE(3)ラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン等のPOEラウリルエーテル硫酸塩、高級アルコールリン酸エステル類、ココイルメチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム等のアシルメチルタウリン塩、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、POE(1〜4)スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、スルホコハク酸POE(5)ラウロイルエタノールアミド二ナトリウム、オレイン酸アミドスルホコハク酸二ナトリウム等のスルホコハク酸型界面活性剤、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化イセチオネート、脂肪酸アミドエーテルサルフェート、モノアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレン脂肪酸エタノールアミドリン酸エステル塩、ヤシ油脂肪酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、牛脂脂肪酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸トリエタノールアミン、ラウリン酸トリエタノールアミン、ミリスチン酸トリエタノールアミン、牛脂脂肪酸トリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸カリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、牛脂脂肪酸カリウム等の高級脂肪酸塩、ココイルサルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシンカリウム、ラウロイルサルコシントリエタノールアミン等のアシルサルコシン塩、ココイルメチル−β−アラニンナトリウム、ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム、ミリストイルメチル−β−アラニンナトリウム、パルミトイルメチル−β−アラニンナトリウム、ステアロイルメチル−β−アラニンナトリウム、ラウロイルメチル−β−アラニンカリウム、ラウロイルメチル−β−アラニントリエタノールアミン等のアシルメチル−β−アラニン塩、ラウロイル−β−アラニントリエタノールアミン等のアシル−β−アラニン塩、N−2−ヒドロキシエチル−N−2−ラウリン酸アミドエチルグリシン、N−2−ヒドロキシエチル−N−2−ヤシ油脂肪酸アミドエチルグリシン、N−2−ヒドロキシエチル−N−2−ラウリン酸アミドエチル−β−アラニン、N−2−ヒドロキシエチル−N−2−ヤシ油脂肪酸アミドエチル−β−アラニン、N−(カルボキシメチル)−N−{2−[N−(2−ヒドロキシエチル)ラウリン酸アミド]エチル}グリシン、N−(カルボキシメチル)−N−{2−[N−(2−ヒドロキシエチル)ヤシ油脂肪酸アミド]エチル}グリシン等のアミドアミノ酸塩、ヤシ油脂肪酸アシル加水分解シルクペプタイド、ラウロイル加水分解シルクペプタイド、パーム核油脂肪酸アシル加水分解シルクペプタイド、ヤシ油脂肪酸アシル加水分解コラーゲンペプタイド、ラウロイル加水分解コラーゲンペプタイド、パーム核油脂肪酸アシル加水分解コラーゲンペプタイド、ヤシ油脂肪酸アシル加水分解カゼインペプタイド、ラウロイル加水分解カゼインペプタイド、パーム核油脂肪酸アシル加水分解カゼインペプタイド、ヤシ油脂肪酸アシル加水分解ケラチンペプタイド、ラウロイル加水分解ケラチンペプタイド、パーム核油脂肪酸アシル加水分解ケラチンペプタイド等の蛋白加水分解物のアシル化物、N−ココイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ココイル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン等のアシルグルタミン酸塩があるがこれらに限定されるものではない。
また、両性界面活性剤としては、2−ヤシ油アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−パーム核油アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のアルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−ヤシ油アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−パーム核油アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のアルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン等のアミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン等のアルキルベタイン、ラウリン酸アミドヒドロキシスルホベタイン、ラウリン酸アミドスルホベタイン等のスルホベタイン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシンがある。
カチオン界面活性剤としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルシアンモニウム等がある。
非イオン界面活性剤としては、脂肪酸ジエタノールアミド、脂肪酸モノエタノールアミド、POE脂肪酸モノエタノールアミド、アミンオキサイド、POE高級アルコールエーテル、POEアルキルフェニルエーテル等がある。
また、補助剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール等の多価アルコール類、セチルアルコール、ミリスチン酸等の高級アルコール、高級脂肪酸類、ヒアルロン酸、カルボキシメチルキチン、エラスチン、コンドロイチン硫酸、デルマタン酸、フィブロネクチン、セラミド類、コラーゲン等の水溶性高分子物質、アロエエキス、ムチン、胎盤抽出エキス等の細胞賦括剤、オウゴンエキス、茶エキス、乳精エキス等の過酸化脂質生成抑制剤、アラントイン、グリチルリチン酸塩等の消炎剤、エデト酸塩、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸等のキレート剤、安息香酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、パラオキシ安息香酸塩、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’−トリクロロカルバニト、塩化ベンザルコニウム、ヒノキチオール、レゾルシン等の防腐剤、殺菌剤、ジンクピリチオン、ピロクトンオラミン等の抗フケ剤、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸等の酸化防止剤、オキシベンゾン、4−tert−ブチル−4’−メトキシベンゾイルメタン、2−エチルヘキシルパラジメチルアミノベンゾエート等の紫外線吸収剤、アミノ変性シリコン、ポリエーテル変性シリコン等のシリコン化合物、コウジ酸、アルブチン、ビタミンCのような色白剤及び香料、色素等を用いることができる。
この発明の化粧料の状態は任意であり、溶剤系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水−油二相系等どのような状態でも構わない。また、皮膚への保湿性が期待できるものであれば化粧料の用途も任意であるが、代表的なものとして、化粧水、乳液、クリーム、パック、ヘアートニック、クレンジングクリーム、美容液、ファンデーション、石鹸、洗顔剤、クレンジングフォーム、シャンプー、リンス、ボディシャンプー等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。配合量については特に断りのない限り質量%で示す。
(製造例1)カルボキシメチルキトサンアセテートの製造
<第1工程:キトサンのN−カルボキシメチル化>
500mLの4つ口フラスコにキトサン[北海道曹達(株)製 MA−1、脱アセチル化度 90%(キチンにおけるアセチル基結合のNHの90%がNH基に加水分解された製品)、重量平均分子量 100万〜120万] 3g、蒸留水 350gを入れ、80℃に昇温し、塩酸によってpH 3に調整することにより、キトサンを溶解した。NaOH水溶液によってpH 7〜8に調整し、キトサンを膨潤させてこれを析出させた。キトサンのアミンに対して5当量のモノクロル酢酸を加え、95℃で15時間撹拌した。このときpHが7〜8に成るように適宜にNaOH水溶液を加えた。15時間が経過してから室温にまで四つ口フラスコの内容物を冷却して、四つ口フラスコ内の反応生成液をエタノールに注いで析出物を得、この析出物をアセトンで洗浄、ろ過、及び真空乾燥して、キトサンのN−カルボキシメチル化物(N−カルボキシメチル化キトサンとも称することがある。)を3g得た。アニオン化度の測定から、グルコサミン1ユニット当たりのカルボキシメチル化度は1.14であった。カチオン化度の測定から、カルボキシメチル化は窒素に優先的に進行していたことを確認した。
なお、アニオン化度の測定及びカチオン化度の測定が、以下のようにして行われた。
アニオン化度、及びカチオン化度はコロイド滴定によって求めることができる。コロイド滴定は、電荷をもったコロイドと反対電荷を持ったコロイドの相互作用に基づく。コロイド滴定の終点は、正電荷(ポリカチオン)と負電荷(ポリアニオン)が等しくなった点である。アニオン化度の測定においては、正電荷は滴定試薬のメチルグリコールキトサン、負電荷はカルボキシメチルキトサンアセテートのカルボン酸、カチオン化度の測定においては、正電荷はカルボキシメチルキトサンアセテートの1級アミン、負電荷は滴定試薬のポリビニル硫酸カリウムである。
アニオン化度の測定方法
試料0.5gを秤量し、これを水に溶かして正確に100gとする。この試料溶液1gを100mLの三角フラスコに収容し、蒸留水90mL、N/10 NaOH溶液(0.5mL)、N/200メチルグリコールキトサン溶液(10mL)を加え、撹拌混合する。指示薬として0.1%トルイジンブルー溶液2〜3滴を加え、N/400ポリビニル硫酸カリウム溶液で滴定する。青色から紫色に呈色してから30秒程度が経過しても色に変化がない時点で滴定を終了する。この測定により、単位重量当たり試料に含まれるカルボン酸の量を求めることができる。
カチオン化度の測定方法
試料0.5gを秤量し、これを5%酢酸に溶かして正確に100gにする。この試料溶液1gを100mLの三角フラスコに収容し、蒸留水30mLを加え、撹拌混合する。指示薬として0.1%トルイジンブルー溶液2〜3滴を加え、n/400ポリビニル硫酸カリウム溶液で滴定する。青色から紫色に呈色してから30秒程度が経過しても色に変化がないところで滴定を終了する。この測定により、単位重量当たりの試料に含まれる1級アミンの量を求めることができる。
<第2工程:N−カルボキシメチルキトサンのO−アセチル化>
200mLの4つ口フラスコに、前記第1工程で得られたN−カルボキシメチルキトサン 3g、及び蒸留水 60gを入れて、N−カルボキシメチルキトサンを水に溶解することによりN−カルボキシメチルキトサン水溶液を調製した。このN−カルボキシメチルキトサン水溶液に無水酢酸 17g(N−カルボキシメチルキトサンのアミンに対して10当量)を滴下して、20〜30℃で3時間撹拌した。3時間が経過してから反応生成液をエタノールに注いで析出物を得、この析出物を洗浄、ろ過、及び真空乾燥して、カルボキシメチルキトサンのO−アセチル化物を2.7g得た。ケン化価の測定から、グルコサミン1ユニット当たりのアセチル化度は0.45であった。また、H−NMR測定から、3位及び6位に結合する酸素がアセチル化したことを確認した。第1工程で使用されたキトサンのH−NMR測定結果を図1に、またこの第2工程で得られたカルボキシメチルキトサンアセテートのH−NMR測定結果を図2に示した。
第2工程で得られたカルボキシメチルキトサンアセテートでは、3位の炭素に結合する酸素に導入されたアセチル基の−CHのピークが2.04ppmに、6位の炭素に結合する酸素に導入されたアセチル基の−CHのピークが2.08ppmにあることを確認した。なお、H−NMR測定装置はBRUKER ADVANCE II、ULTRASHIELD 400 PLUS、溶媒は図1では重水及び酢酸1滴、図2では重水である。
ケン化価の測定は以下のようにして行われた。
ケン化価は1gの試料をケン化するのに必要な水酸化ナトリウムのmg数である。カルボキシメチルキトサンアセテートの場合は、ケン化される部位はO−アセチルである。
ケン化価の測定方法
試料1gをフラスコに入れ、蒸留水50ml加える。次に撹拌しながら50mlの0.2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加え、3時間加熱撹拌する。再び撹拌しながら50mlの0.2mol/L塩酸溶液を加え、15分以上放置する。次に、指示薬としてフェノールフタレイン溶液を加え、過剰な酸を0.2mol/L水酸化ナトリウム水溶液で淡紅色を示すまで滴定することでアセチル基置換度を算出する。この測定により、単位重量当たりの試料に含まれるエステル(O−アセチル)の量を求めることができる。
(製造例2〜7)カルボキシメチルキトサンアセテート化合物の製造
モノクロル酢酸、及び無水酢酸の仕込み量を表1の通りに変更したほかは、製造例1と同様にしてカルボキシメチルキトサンアセテート化合物を製造した。
(製造例8)N−カルボキシメチルキトサンの製造
モノクロル酢酸、及び無水酢酸の仕込み量を表1の通りに変更したほかは、製造例1と同様にしてカルボキシメチル化キトサンを製造した。
(製造例9)O−アセチル化キトサン
Biotechnol. Bioeng. 1978, 20,(12), 1955-57を参考にして、200mL 4つ口フラスコにキトサン(北海道曹達(株)製 MA−1) 3g、メタンスルホン酸 60gを入れ、無水酢酸 17g(キトサンのアミンに対して10当量)を滴下して、20〜30℃で3時間撹拌した。反応液をエタノールに注いで析出物を得、濾過によりこの析出物を分離し、真空乾燥してキトサンのO−アセチル化物を3.1g得た。ケン化価の測定から、グルコサミン1ユニット当たりのアセチル化度は1.02であった。カチオン化度の測定から、アセチル化は酸素に優先的に進行していた。
(製造例10〜11)カルボキシメチルキトサンアセテートの製造
キトサン[北海道曹達(株)製 MC−2W、脱アセチル化度 80%(キチンにおけるアセチル基結合NH基の80%がNHに加水分解された製品)、重量平均分子量 8万〜10万]を使用し、モノクロル酢酸、及び無水酢酸の仕込み量を表1に記載の量に変更したほかは、製造例1と同様に実施して、重量平均分子量が8万〜10万であるカルボキシメチルキトサンアセテートを製造した。
(実施例1〜7及び比較例1〜11)
実施例1〜7にあっては表1に示される製造例1〜7にて製造されたカルボキシメチルキトサンアセテート化合物(以下においてキトサン誘導体Aと称することがある。)を使用し、比較例1〜4にあっては表1に示される製造例8〜11で得られたN−カルボキシメチルキトサン、O−アセチル化キトサン、及び重量平均分子量の小さなカルボキシメチルキトサンアセテート(以下において、これらをキトサン誘導体Bと称することがある。)を使用し、それらの水溶液(濃度1%、pH 6、pH調整剤はクエン酸、NaOH)を調製し、下記の方法及び基準に従って「塗布時の感触」、「乾燥後の感触」を評価した。さらに、溶解性試験、吸保湿性試験を行った。
評価方法
専門パネラー10名で官能評価を実施した。具体的にはキトサン誘導体A又はキトサン誘導体Bの水溶液(1%、pH 6)を前腕部に塗布し、「塗布時の感触」、「乾燥後の感触」を評価した。結果を表2に示す。
評価基準
<塗布時の感触>
4;非常に塗布感が感じられる。
3:塗布感が感じられる。
2;わずかに塗布感が感じられる。
1;水っぽく、塗布感が全く感じられない。
<乾燥後の感触>
4:非常にコート感がある。
3:コート感がある。
2:わずかにコート感がある。
1:コート感がない
<総合評価>
◎:比較例5より大幅に優れた総合的な使用感
〇:比較例5より優れた総合的な使用感
△:比較例5と同等の総合的な使用感
×:比較例5より総合的な使用感が劣る
<溶解性試験>
実施例1〜7、及び比較例1〜4につき、キトサン誘導体を1%水溶液にして、pHを3〜10にクエン酸とNaOHで調整して、100mLサンプルビンで溶解状態を観察した。結果を表3に示す。
〇:透明に溶解
△:クスミ
×:白濁
<吸保湿性試験>
試料の乾燥品 0.3gを20℃、湿度81%の条件で7日間静置し、重量増加率を吸湿率とした。その後、湿度を34%として7日間静置し、乾燥状態からの重量増加率を保湿率とした。結果を表3に示す。
Figure 0006026192
Figure 0006026192
Figure 0006026192
(実施例8)
下記に示すヘアーブラッシング剤組成物を調製し、その性能を評価したところ、このヘアーブラッシング剤組成物は、優れたしっとり感を示した。組成における数字は質量%を示す。
(組成)
ココイルアルギニンエチルエステル・PCA塩 0.5
製造例1のカルボキシメチルキトサンアセテート 0.3
エタノール 5.0
メチルパラベン 0.1
香料 0.1
精製水 残部
(実施例9)
下記に示すヘアートリートメント組成物を調製し、その性能を評価したところ、このヘアートリートメント組成物は、優れたしっとり感を示した。
(組成)
PPG−1/PEG−1ステアラミン 3.0
製造例1のカルボキシメチルキトサンアセテート 0.15
セトステアリルアルコール 2.5
流動パラフィン 1.5
POE(5)ステアリルエーテル 1.0
グリセリン 5.0
防腐剤 0.1
精製水 残部
(実施例10)
下記に示す乳液を調製し、その性能を評価したところ、この乳液は、優れたしっとり感を示した。
(組成)
流動パラフィン 10.0
スクワラン 2.0
ワセリン 2.0
ソルビタンセスキオレイン酸エステル 0.9
ポリオキシエチレンオレイルエーテル 1.2
グリセリン 3.0
エタノール 3.0
カルボキシビニルポリマー 0.2
水酸化カリウム 0.1
製造例1のカルボキシメチルキトサンアセテート 0.08
PCAソーダ 1.0
ヘチマ抽出液 1.0
防腐剤 0.5
精製水 残部
(実施例11)
下記に示すヘアーリンス組成物を調製し、その性能を評価したところ、このヘアーリンス組成は、優れたしっとり感を示した。
(組成)
PPG−1/PEG−1ステアラミン 3.0
セタノール 3.5
ホホバ油 2.0
親油型モノステアリン酸グリセリル 1.0
ポリエチレングリコール(8EO) 0.3
1.3−ブチレングリコール 5.0
製造例1のカルボキシメチルキトサンアセテート 0.2
ヒアルロン酸 0.2
アミノ変性シリコーンポリマー 0.5
防腐剤 0.3
精製水 残部
(実施例12)
下記に示すヘアーシャンプー組成物を調製し、その性能を評価したところ、このヘアーシャンプー組成物は、優れたしっとり感を示した。
(組成)
ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸 ナトリウム(25%) 10.0
ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム(30%) 15.0
ラウリン酸アミドプロピルベタイン(30%) 15.0
N−ココイル−L−グルタミン酸モノトリエタノール アミン塩(30%) 10.0
ラウリン酸ジエタノールアミド 3.0
製造例1のカルボキシメチルキトサンアセテート 0.2
エデト酸ナトリウム 0.2
防腐剤 0.3
精製水 残部
(実施例13)
下記に示す化粧水組成物を調製し、その性能を評価したところ、この化粧水は、優れたしっとり感を示した。
(組成)
エタノール 10.0
グリセリン 5.0
製造例1のカルボキシメチルキトサンアセテート 0.1
メチルパラベン 0.1
エデト酸ナトリウム 0.1
精製水 残部
(実施例14)
下記に示すヘアーエッセンス組成物を調製し、その性能を評価したところ、このヘアーエッセンスは、優れたしっとり感を示した。
(組成)
エタノール 20.0
製造例1のカルボキシメチルキトサンアセテート 0.1
メチルパラベン 0.1
エデト酸ナトリウム 0.1
精製水 残部
(実施例15)
下記に示す化粧水組成物を調製し、その性能を評価したところ、この化粧水は、優れたしっとり感を示した。
(組成)
製造例2のカルボキシメチルキトサンアセテート 0.5
ソルビット液 2.00
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート 0.50
エタノール 5.00
パラオキシ安息香酸メチル 0.20
精製水 残部
(実施例16)
下記に示すO/W型クリームを調製し、その性能を評価したところ、このO/W型クリームは、優れたしっとり感を示した。
(組成)
オリーブ油 9.00
パラフィン 3.00
ミリスチン酸イソプロピル 2.50
ラノリン 3.50
ミツロウ 2.00
セタノール 5.50
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット(40モル) 2.00
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット(60モル) 2.00
パラオキシ安息香酸プロピル 0.10
パラオキシ安息香酸エチル 0.10
プロピレングリコール 9.00
香料 0.20
製造例3のカルボキシメチルキトサンアセテート 0.5
精製水 残部
(実施例17)
下記に示す乳液を調製し、その性能を評価したところ、この乳液は、優れたしっとり感を示した。
(組成)
ミリスチン酸イソプロピル 3.50
ラノリン 2.00
オリーブ油 1.50
セタノール 2.00
スクワラン 0.50
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット(40モル) 2.00
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット(60モル) 2.00
パラオキシ安息香酸プロピル 0.10
パラオキシ安息香酸エチル 0.10
プロピレングリコール 9.00
製造例4のカルボキシメチルキトサンアセテート 0.6
精製水 残部
(実施例18)
下記に示すヘアーシャンプー組成物を調製し、その性能を評価したところ、このヘアーシャンプー組成物は、優れたしっとり感を示した。
(組成)
製造例5のカルボキシメチルキトサンアセテート 0.4
ラウリルエーテル(2EO)硫酸ナトリウム 6.0
ラウリル硫酸ナトリウム 3.5
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアマイド 4.5
プロピレングリコール 2.0
エデト酸 0.2
精製水 残部

Claims (5)

  1. 重量平均分子量が20万〜1000万であり、以下の式(1)及び式(2)で示される構成単位を有するカルボキシメチルキトサンアセテート化合物。
    Figure 0006026192
    但し、式(1)及び式(2)において、Z1、2、及びZはアセチル基又は水素原子であり、全構成単位100mol%に対して10mol%以上60mol%以下の構成単位にアセチル基が付加している。
    X及びYは―CHCOOH又は水素原子であり、全構成単位100mol%に対して10mol%以上140mol%以下の構成単位に―CHCOOHが付加している。
  2. 脱アセチル化度が少なくとも80%であり、重量平均分子量が20万〜1000万であるキトサンとモノクロル酢酸とを反応させ、次いで無水酢酸を反応させることを特徴とする請求項1に記載のカルボキシメチルキトサンアセテート化合物の製造方法。
  3. キトサンに対するモノクロル酢酸の添加量が、キトサンに含まれるアミンに対して0.2〜10当量である前記請求項2に記載の製造方法。
  4. キトサンとモノクロル酢酸との反応がpH7〜8で行われる前記請求項2又は3に記載の製造方法。
  5. 前記請求項1に記載のカルボキシメチルキトサンアセテート化合物を含有する化粧料。
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