JP6171950B2 - レーザ発振器及び波長切替装置 - Google Patents

レーザ発振器及び波長切替装置 Download PDF

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本発明は、プロジェクタ装置などの光源に用いられるレーザ発振器及び波長切替装置に関するものである。
プロジェクタ装置やプロジェクションテレビなどのカラー画像を表示する装置では、光源としてR(赤)、G(緑)、B(青)の3つの色の光源が必要とされる。これらの光源としては、半導体レーザが効率のよい光源として期待されているが、現状、緑色の半導体レーザは未だ発展途上である。
これら3原色光を得る他の手段として、レーザ発振器がある。レーザ発振器は、高いエネルギーを出力する半導体レーザ、例えば、808nm帯の半導体レーザを用いてレーザ媒質を励起し、このレーザ媒質から出力される光を波長選択し、波長選択した光を増幅してレーザ光として発振する。
具体的には、レーザ発振器は、例えばNd:YVO4等のレーザ媒質と、このレーザ媒質を励起する半導体レーザと、レーザ媒質を挟んで対向するように設けられた全反射ミラー及び部分反射ミラーからなる共振器とから構成される。レーザ発振器は、半導体レーザのレーザ光によりレーザ媒質を励起し、このレーザ媒質から出力される900nm帯、1μm帯、1.3μm帯のいずれか1つの波長の光を全反射ミラーにより波長選択する。波長選択は、全反射ミラーを特定波長の光のみ反射するものを用いることにより実現される。レーザ発振器は、波長選択した光を共振器によってレーザ媒質を介して往復させることにより増幅し、部分反射ミラーから出力する。なお、全反射ミラーは、反射面に対して垂直に入射する特定の波長の光を100%に近い反射効率で反射することができる。
レーザ発振器によって上記3原色光のうちの1つ、例えば、671nm(R)の波長の光を得る場合、レーザ発振器は、増幅した基本波1342nmの光を波長変換素子により第2高調波変換(SHG:Second Harmonic Generation)することで得られる。その他の波長の532nm(G)、457nm(B)の光についても、同様に、それぞれ1064nm、914nmの光を第2高調波変換することにより、532nm(G)、457nm(B)の波長の光を得ることができる(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記特許文献1に記載された技術は、レーザ媒質から出力される基本波(1342nm、1064nm、914nm)のうち1つの光を波長選択して増幅する必要があるので、各波長の光を得るために必要な全反射ミラーが異なる。よって、レーザ発振器を3台用意するか、もしくは全反射ミラーの交換を行う必要がある。したがって、部品点数が多くなり、製作コストが高くなる。そこで、1つのレーザ発振器で3原色光を切り替える技術が望まれている。
レーザ光の波長を切り替える技術として、全反射ミラーに代えて回折格子を使用し、この回折格子の角度を変えることにより所望の波長の光に切り替える技術が開示されている。(例えば、特許文献2)。回折格子は、ガラス基板等に溝を刻んだもので、光の回折現象を利用して波長を分離することができる。また、回折格子は、光が入射する角度を変えることによって、反射する光の方向を変更することができる。上記特許文献2の技術は、この性質を利用し、回折格子の設置角度を変えて光の入射角を変更し、特定波長の光をレーザ媒質に正反射させることで波長の切り替えを行う。
特開特開2012−98495号公報 特開2003−69146号公報
しかしながら、上記特許文献2の技術のように、回折格子を用いる場合、一般的に絶対回折効率が70%程度と低く、損失が大きい。この回折格子を上記特許文献1のような波長変換素子を用いて、基本波を第2高調波変換するレーザ発振器に適用した場合、第2高調変換時における光の損失が大きいため、レーザ発振しない。第2高調波変換するレーザ発振器においては、波長選択する回折格子を全反射ミラーと同等の絶対回折効率(約90%以上)のものとする必要がある。
ここで、回折格子の一種であるボリューム・ブラッグ・グレーティング(以下、VBGとする)を利用することが考えられる。VBGは、回折格子の一種であって、ガラス内部に屈折率の異なる位相パターンが形成されたものである。VBGは特定の角度で入射する特定波長の光を100%に近い効率で反射することができる。しかしながら、VBGは、光の入射角を変えることによって、特定波長の光の反射又は透過を切り替えることは可能だが、光の入射角を変化させることによって、RGBの基本波のような、幅広い波長帯域の切り替え(例えば、900nm帯と1300nm帯の切り替え)はできないという問題があった。
本発明に係る波長切替装置及びレーザ発振器は、上記課題を解決するため、RGB等の基本波レーザ光のうち2つを切り替え可能なレーザ発振器を提供する。
本発明のレーザ発振器は、第1波長の光を選択して反射する第1の反射ミラーと、前記第1波長及び第2波長の光を反射する第2の反射ミラーと、前記第1の反射ミラーと前記第2の反射ミラーとの間を往復する光の光軸上に設置され、該光を増幅するレーザ媒質と、前記レーザ媒質により増幅された光を第2高調波変換して前記第2の反射ミラーに出力する波長変換素子と、を備えるレーザ発振器において、前記第1の反射ミラーの光の反射面に設けられ、前記レーザ媒質から入射する光の入射角に応じて前記第2波長の光を選択して反射するボリューム・ブラッグ・グレーティングと、前記第1の反射ミラーを保持し、前記第1の反射ミラー及び前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングの反射面が前記光軸に対して垂直又は特定の角度を形成するよう前記第1の反射ミラーを駆動する角度調整機構と、を備え、前記角度調整機構により、前記第1の反射ミラー及び前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングの反射面を前記光軸に対して垂直とした場合に、前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングは、反射面に垂直に入射する光を透過し、前記第1の反射ミラーは、前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングを透過した光のうち前記第1波長の光を選択して前記レーザ媒質に反射し、前記角度調整機構により、前記第1の反射ミラー及び前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングの反射面を前記光軸に対して特定の角度とした場合に、前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングは、反射面に特定の角度で入射する光のうち前記第2波長の光を選択して前記レーザ媒質に反射し、前記第2波長以外の光を透過し、前記第1の反射ミラーは、前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングを透過した第2波長以外の光を前記光軸とは異なる方向に反射して、前記レーザ媒質に入射させないことを特徴する。
本発明の波長切替装置は、光を増幅するレーザ媒質から出力される光のうち、第1波長の光を選択して前記レーザ媒質に反射する第1の反射ミラーと、前記第1の反射ミラーの光の反射面に設けられ、前記レーザ媒質から入射する光の入射角に応じて第2波長の光を選択して反射するボリューム・ブラッグ・グレーティングと、前記第1の反射ミラーを保持し、前記第1の反射ミラー及び前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングの反射面が前記レーザ媒質から出力される光の光軸に対して垂直又は特定の角度を形成するよう前記第1の反射ミラーを駆動する角度調整機構と、を備え、前記角度調整機構により、前記第1の反射ミラー及びボリューム・ブラッグ・グレーティングの反射面を前記光軸に対して垂直とした場合に、前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングは、反射面に垂直に入射する光を透過し、前記第1の反射ミラーは、前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングを透過した光のうち前記第1波長の光を選択して前記レーザ媒質に反射し、前記角度調整機構により、前記第1の反射ミラー及び前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングの反射面を前記光軸に対して特定の角度とした場合に、前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングは、反射面に特定の角度で入射する光のうち前記第2波長の光を選択して前記レーザ媒質に反射し、前記第2波長以外の光を透過し、前記第1の反射ミラーは、前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングを透過した第2波長以外の光を前記光軸とは異なる方向に反射して、前記レーザ媒質に入射させないことを特徴する。
本発明のレーザ発振器は、第1波長の光を反射する第1の反射ミラーの反射面に、レーザ媒質から入射する光の入射角に応じて第2波長の光を選択して反射するボリューム・ブラッグ・グレーティングを設け、角度調節機構により、第1の反射ミラー及びボリューム・ブラッグ・グレーティングの反射面がレーザ媒質から出力される光の光軸に対して垂直又は特定の角度を形成するよう第1の反射ミラーを駆動するので、例えば、RGBの基本波等のレーザ光のうち2つを切り替えることが可能となる。
実施の形態1に係るレーザ発振器の構成図。 実施の形態1に係る波長切替装置が第2波長の光を選択する例。 実施の形態1に係る波長切替装置が第1波長の光を選択する例。 実施の形態1に係る波長切替装置が第1波長の光を選択して発振する例。 実施の形態1に係るレーザ発振器が第2波長の光を選択して発振する例。 実施の形態2に係るレーザ発振器の構成図。 実施の形態2に係るレーザ発振器が第1波長の光を選択する例。 実施の形態2に係るレーザ発振器が第2波長の光を選択する例 実施の形態2に係るレーザ発振器が第3波長の光を選択する例。 実施の形態3に係るレーザ発振器の構成図。 実施の形態3に係るレーザ発振器が第1波長の光を発振する例。 実施の形態3に係るレーザ発振器が第2波長の光を発振する例。
実施の形態1
以下、図1から図5を用いて実施の形態1に係るレーザ発振器の構成について説明する。
図1においてレーザ発振器は、波長切替装置1とレーザ媒質5と半導体レーザ6と波長変換素子7と部分反射ミラー8(第2の反射ミラー)とを備える。
半導体レーザ6は、レーザ媒質5の励起光源であり、第1波長と第2波長の2つのエネルギー準位を励起できるように、より短波長の励起光を出力する。半導体レーザ6は、発振した励起光をレーザ媒質5に入射する。例えば、レーザ媒質5がNd:YVO4である場合には、発振波長を808nmとする。
レーザ媒質5は、半導体レーザ6から出力された励起光を受けて、第1波長の光λ1と第2波長の光λ2を含む光を出力する。レーザ媒質5は、第1波長の光λ1と第2波長の光λ2に対して利得を持つ材料であり、VBG2の光の反射面2b(以下、第2の面とする)と端面5a、及び後述する波長変換素子7の光の入射面7aと端面5bとが向かい合うように配置されている。
波長変換素子7は、レーザ媒質5から出力された光を第2高調波変換する。また、波長変換素子7は、レーザ媒質5の端面5bと向かい合うように配置されている。さらに、波長変換素子7は、第1波長の光λ1を第2高調波変換する波長変換領域7Aと第2波長の光λ2を波長変換する波長変換領域7Bに分かれている。
第2の反射ミラー8は、第1波長の光λ1と第2波長の光λ2の一部をレーザ媒質5に反射する。また、第2の反射ミラー8は、波長変換素子7の第2の面7bに設けられる。すなわち、本実施の形態においては、第2の反射ミラー8は、レーザ媒質5から出力される光の光軸に対して反射面が垂直に設けられる。
波長切替装置1は、レーザ媒質5から出力された光のうち、第1波長の光λ1又は第2波長の光λ2を選択してレーザ媒質5へ反射する。また、波長切替装置1は、VBG2、全反射ミラー3(第1の反射ミラー)、及び角度調整機構4から構成されている。また、以下の説明において、第2の反射ミラー8と、波長切替装置1とを共振器とする。
以下、波長切替装置1の構成について詳細に説明する。
VBG2は、ガラスの屈折率を周期的に変化させ、回折格子を形成したものである。このため、このVBG2は、第2の面2bがレーザ媒質5から出力された光の光軸に対して特定の角度(例えば、第1の角度θ1)となった場合に、第2波長の光を選択して光の来た方向、すなわちレーザ媒質5へ反射し、その他の波長の光を透過する性質を持つ。以降の説明において、VBG2及び第1の反射ミラー3及び第2の反射ミラー8が、レーザ媒質から出力された光のうち所定の光を選択してレーザ媒質へ反射することを正反射と定義する。
第1の反射ミラー3は、レーザ媒質5から出力された光の光軸に対して、第1の反射ミラー3の反射面が垂直となった場合に、第1波長の光λ1を選択して正反射し、その他の光は透過する。また、レーザ媒質5から出力される光の光軸に対して、反射面がθ1の角度となった場合には、全ての光をレーザ媒質5とは異なる方向に反射、又は透過するように設計される。
角度調整機構4は、第1の反射ミラー3を保持し、駆動させることによって、VBG2の角度を第1の角度θ1と、垂直とに切り替える。
レーザ媒質5は、第1波長の光λ1と第2波長の光λ2に対して利得を持つ材料であり、VBG2の第2の面2bと向かい合うように配置されている。なお、以降の説明において、角度調節機構4によって調整されるVBG2、第1の反射ミラー3、又は第2の反射ミラー8の角度はVBG2の反射面2b、第1の反射ミラー3の反射面と光軸とがなす角として定義する。
次に、図2、図3を用いて、実施の形態1に係る波長切替装置の動作について説明する。図2は実施の形態1に係る波長切替装置が第2波長の光を選択する例である。図3は実施の形態1に係る波長切替装置が第1波長の光を選択する例である。なお、実施の形態1に係るレーザ発振器の動作の説明において、第1波長の光λ1と第2波長の光λ2が混在してVBG2の第2の面2bから入射する場合を例として説明する。
図2において、角度調整機構4により、VBG2及び第1の反射ミラー3の角度を第1の角度θ1とすると、VBG2は、第2波長の光λ2を正反射する。このとき、第1波長の光λ1はVBG2を透過し、第1の反射ミラー3に入射する。第1の反射ミラー3は、反射面に対して光が垂直に入射した場合に最も反射特性がよくなるように設計されているので、第1波長の光λ1を入射時と同一の経路とは異なる方向に反射する。このように、角度調整機構4によりVBG2及び第1の反射ミラー3の角度を第1の角度θ1とすると、波長切替装置1は、第2波長の光λ2を正反射する。
一方、図3において、角度調整機構4により、VBG2の第2の面2bの角度をレーザ媒質5から出力された光の光軸に対して垂直にすると、第1波長の光λ1と第2波長の光λ2はともにVBG2を透過し、第1の反射ミラー3に垂直に入射する。第1の反射ミラー3は、第2波長の光λ2を透過し、第1波長の光λ1を正反射する。このように、角度調整機構4によりVBG2及び第1の反射ミラー3の角度を垂直とすると、波長切替装置1は、第1波長の光λ1を正反射する。
以上のように、VBG2の角度を第1の角度θ1とすると、波長切替装置1は、第2波長の光λ2を正反射し、角度を垂直にすると第1波長の光λ1を正反射することが可能となり、VBG2及び第1の反射ミラー3の角度を調整するだけで、選択する波長を切り替えることができる。なお、VBG2、第1の反射ミラー3で反射及び透過が可能な波長であれば、第1波長と第2波長に特に制限は無い。
次に、図4、図5を用いて、実施の形態1に係るレーザ発振器の動作について説明する。図4は実施の形態1に係る波長切替装置が第1波長の光を選択して発振する例である。図5は実施の形態1に係るレーザ発振器が第2波長の光を選択して発振する例である。
図4において、レーザ媒質5から、基本波である第1波長の光と第2波長の光が端面5aと5bより出力される。
半導体レーザ6により発振された励起光をレーザ媒質5の側面5cより入射し、レーザ媒質5に吸収させると、レーザ媒質5は励起され、基本波である第1波長の光λ1と第2波長の光λ2を含む光を端面5aと5bより出力する。
角度調整機構4により、VBG2の角度を垂直とすると、波長切替装置1は、第1波長の光λ1を反射し、第2波長の光λ2を透過する。一方、第2の反射ミラー8は第1波長の光λ1と第2波長の光λ2を反射する。このとき、第1波長の光λ1は、第2波長の光λ2に比べて共振器内での光損失がより小さくなるため、発振閾値が小さくなり、第1波長の光λ1がレーザ発振する。すなわち、第1波長の光λ1は、VBG2と第2の反射ミラー8との間で高い効率で増幅され、レーザ発振する。
具体的には、端面5aから出力された第1波長の光λ1は、波長切替装置1で反射され、さらにレーザ媒質5で増幅され、波長変換素子7に入射する。また、第1波長の光λ1は、波長変換領域7Aにおいて第2高調波に変換され、第1波長の半分の波長のレーザ光λ1aを発生する。
変換されずに残った第1波長の光λ1は、第2の反射ミラー8により反射され、波長変換領域7Bを透過し、波長変換領域7Aにおいて再び第2高調波に変換される。
さらに変換されずに残った第1波長の光λ1は、レーザ媒質5に戻る。第2の反射ミラー8を、第1波長の半分の波長の光λ1aに対して透過するようにすることで、波長変換光が第2の反射ミラー8より出力される。
一方、図5において、半導体レーザ6により発振された励起光をレーザ媒質5の側面5cより入射し、レーザ媒質5に吸収させると、レーザ媒質5は励起され、基本波である第1波長の光λ1と第2波長の光λ2を含む光を端面5aと5bより出力する。
角度調整機構4により、VBG2の角度を第1の角度θ1とすると、前述したように、波長切替装置1は、第2波長の光λ2をレーザ媒質5に正反射し、第1波長の光λ1を透過又はレーザ媒質5に入射しない方向に反射する。
一方、第2の反射ミラー8は、第1波長の光λ1と第2波長の光λ2をレーザ媒質5に正反射する。このとき、第2波長の光λ2は、第1波長の光λ1に比べて共振器内での光損失がより小さくなるため、発振閾値が小さくなり、第2波長の光λ2がレーザ発振する。すなわち、第2波長の光λ2は、VBG2と第2の反射ミラー8との間で高い効率で増幅され、レーザ発振する。
具体的には、端面5aから出力された第2波長の光λ2は、波長切替装置1で反射され、さらにレーザ媒質5で増幅され、波長変換素子7に入射する。第2波長の光λ2は、波長変換領域7Bにおいて第2高調波に変換され、第2波長の半分の波長のレーザ光λ2aを発生する。
変換されずに残った第2波長の光λ2は、第2の反射ミラー8により反射され、波長変換領域7Bにおいて再び第2高調波に変換される。さらに、変換されずに残った第2波長の光λ2は、波長変換領域7Aを透過し、レーザ媒質5に戻る。第2の反射ミラー8を、発生した第2波長の半分の波長のレーザ光λ2aに対して透過するようにすることで、波長変換光λ2aが第2の反射ミラー8から出力される。
以上のように、VBG2及び第1の反射ミラー3の角度を第1の角度θ1にすると第2波長の半分の波長のレーザ光λ2aを発振し、角度を垂直にすると第1波長の半分の波長のレーザ光λ1aを発振することが可能になり、VBG2及び第1の反射ミラー3の角度を調整するだけでレーザ発振器の発振波長を切り替えることができる。
なお、本実施の形態に係るレーザ媒質5の一例としては、例えば波長914nmと1064nmと1342nmに利得を持つNd:YVO4材料を用いることが考えられる。この場合、第1波長を914nm、第2波長を例えば1064nmとすることができる。また、上記原理により、914nmの第2高調波である457nmの波長の光と、1064nmの第2高調波である532nmの波長の光を、VBG2の角度を調整するだけで切り替えることができる。これにより、3原色のうち、青(457nm)と緑(532nm)を1つのレーザ発振器で切り替えて発振させることが可能となる。発振させる2つの基本波の波長は、例えば914nmと1342nmでもよく、その場合は、青(457nm)と赤(671nm)の光が得られる。以下の実施の形態についても同様のものとする。
また、本実施の形態に係るVBG2は、波長選択性が良いため、1nm以下の波長差の光に対して、反射又は透過を切り替えることが可能である。本実施の形態に係るレーザ発振器は、この性質を利用して、発振させる光を3原色に制限する必要は無く、1064nmと1086nmを基本波に用いて、例えば、532nmと543nmのように僅かに異なる波長の緑色光を切り替えることも可能である。以下の実施の形態についても同様のものとする。
さらに、本実施の形態に係るレーザ媒質5の種類は、複数の波長に利得を持つ材料であれば、固体、液体、気体など種類は問わない。以下の実施の形態についても同様のものとする。
なお、本実施の形態に係るレーザ発振器の説明では、半導体レーザ6をレーザ媒質5の側面5cから入射する側面励起方式を例として示したが、端面励起方式としても当然同様の効果を得ることができる。その場合、例えばVBG2の第1の面2a側に半導体レーザ6を配置し、半導体レーザ6から出力された励起光が第1の反射ミラー3とVBG2を透過して、端面5aから入射するように設計を行えばよい。以下の実施の形態についても同様のものとする。
また、本実施の形態に係るレーザ発振器の説明では、VBG2の第1の面2aに第1の反射ミラー3を設けたが、第2の面2bに設けても同様の効果が得られる。その場合、第1の反射ミラー3はVBG2で反射する第2波長の光を透過する。以下の実施の形態についても同様のものとする。
さらに、本実施の形態では、VBG2と第1の反射ミラー3を全反射ミラー、第2の反射ミラー8を部分反射ミラーとして、レーザ光を取り出す例を示したが、VBG2と第1の反射ミラー3を部分反射ミラー、第2の反射ミラー8を全反射ミラーとして構成することも当然可能である。この場合は、VBG2及び全反射ミラーは、波長変換光を透過する必要がある。以下の実施の形態についても同様のものとする。
また、波長変換素子7としては、例えば分極反転を形成したMg添加のLiNbO3材料やMg添加のLiTaO3材料を用いることが考えられる。この場合、図1の構成にあるように、1つの波長変換素子7に異なる2つの分極反転周期を形成することで、第1波長の光λ1を波長変換しλ1aの波長の光を発生させる第1波長変換素子と、第2波長の光λ2を波長変換しλ2aの波長の光を発生させる第2波長変換素子を一体化することができる。さらに、2つの波長変換素子7を個別に配置したり、配置する順番を変更したり、それぞれの素子を別々の材料で作製しても、同様の効果が得られる。また、波長変換素子7を波長切替装置1及び第2の反射ミラー8の外部に配置する外部波長変換方式としてもよい。以下の実施の形態についても同様のものとする。
以上のように、実施の形態1に係るレーザ発振器は、反射面に対して垂直に入射する光のうち第1波長の光を選択してレーザ媒質5に反射する第1の反射ミラー3と、反射面に対して特定の角度で入射する光のうち、第2波長の光を選択して反射するVBG2と、第1の反射ミラー3及びVBG2の反射面が光軸に対して垂直又は特定の角度を形成するよう第1の反射ミラー3を駆動する角度調整機構4とを備えるので、RGB等のレーザ光のうち2つを切り替えることが可能となる。
また、本実施の形態に係るレーザ発振器は、VBG2と第1の反射ミラー3とを組み合わせて波長切替装置1を構成したので、VBG2及び第1の反射ミラー3が独立して異なる波長の光を高効率で反射することが可能となり、波長変換素子7を用いた場合においても、光の損失が少なく、レーザ発振することが可能となる。
実施の形態2.
以下、図6から図9を用いて実施の形態2に係るレーザ発振器について説明する。実施の形態2に係るレーザ発振器は図1において説明したレーザ発振器の波長切替装置をレーザ媒質5の両端面側に設けることにより、3つの波長の光を切り替えることを特徴とする。
なお、本実施の形態において、波長切替装置1は第1の波長切替装置1、VBG2は第1のVBG2、及び角度調整機構4は第1の角度調整機構4として説明する。
本実施の形態において、半導体レーザ5は、第1波長と第2波長に加えて、第3波長を含めた3つの波長のエネルギー準位を励起できるような短波長の励起光を出力する。
また、レーザ媒質5は、半導体レーザ6から出力された励起光を受けて、第1波長の光λ1と第2波長の光λ2に加えて、第3波長の光λ3を含む光を出力する。したがって、レーザ媒質5は、第1波長の光λ1、第2波長の光λ2及び第3波長の光λ3に対して利得を持つ材料を使用する。
さらに、波長変換素子7は、第1波長の光λ1を第2高調波変換する波長変換領域7Aと第2波長の光λ2を第2高調波変換する波長変換領域7Bとに加え、第3波長の光λ3を波長変換する波長変換領域7Cとに分かれている。
以下、図6を用いて実施の形態2に係るレーザ発振器の構成について説明する。図6は、実施の形態2に係るレーザ発振器の構成図である。なお、実施の形態1のレーザ発振器の構成に相当する部分には図1と同一符号を付してその説明を省略する。
図6において、レーザ発振器は、さらに波長切替装置10(第2の波長切替装置)を備える。
第2の波長切替装置10は、レーザ媒質5から出力された光のうち、第1波長の光λ1又は第2波長の光λ2及び第3波長の光λ3を選択して波長変換素子7へ反射する。第2の波長切替装置10は、第2のVBG11と、第2の反射ミラー8と、第2の角度調整機構13から構成されており、レーザ媒質5から出力される光の光軸に対する第2のVBG11及び第2の反射ミラー8の反射面がなす角が第2の角度θ2の場合に第1波長の光λ1を反射し、垂直の場合に第2波長の光λ2と第3波長の光λ3を反射する。
以下、詳細に第2の波長切替装置10の構成について説明する。
第2のVBG11は、光の反射面11a(以下、第3の面とする)がレーザ媒質5から出力された光の光軸に対して第2の角度θ2となった場合に、第1波長の光を選択して光の来た方向、すなわちレーザ媒質5へ反射し、その他の波長の光を透過する。
第2の反射ミラー8は、本実施の形態において、第2のVBG11の第4の面11bに設けられる。また、第2の反射ミラー8は、レーザ媒質5から出力された光の光軸に対して、第2の反射ミラー8の反射面が垂直となった場合に、第2波長の光λ2と第3波長の光λ3をレーザ媒質5に反射し、その他の光は透過する。さらに、第2の反射ミラー8は、レーザ媒質5から出力される光の光軸に対して、反射面が第2の角度θ2の角度となった場合には、全ての光をレーザ媒質5とは異なる方向に反射、又は透過するように設計される。
第2の角度調整機構13は、第2の反射ミラー8を保持し、駆動させることにより、第2の反射ミラー8の反射面及び第2のVBG11の反射面11aの角度をレーザ媒質5から出力される光の光軸に対して第2の角度θ2又は垂直に切り替える。なお、以下の説明において、第1及び第2の波長切替装置とを共振器とする。
次に、図7から図9を用いて、実施の形態2に係る波長切替装置の動作について説明する。
図7は実施の形態2に係るレーザ発振器が第1波長の光を選択する例である。図8は実施の形態2に係るレーザ発振器が第2波長の光を選択する例である。図9は実施の形態2に係るレーザ発振器が第3波長の光を選択する例である。なお、実施の形態2に係るレーザ発振器の動作の説明において、第1波長の光λ1、第2波長の光λ2、第3波長の光λ3が混在して、第1のVBG2の第2の面2b及び第2のVBG11の第3の面11aに入射する場合を例として説明する。
次に、図7を用いて、第1波長の光λ1を発振する例について説明する。
図7において、レーザ媒質5は、基本波である第1波長の光λ1、第2波長の光λ2、及び第3波長の光λ3を端面5aと5bより出力する。
第1の角度調整機構4により、第1のVBG2の角度を垂直とすると、第1の波長切替装置1は、第1波長の光λ1と第3波長の光λ3をレーザ媒質5に反射し、第2波長の光λ2が透過する。
具体的には、第1のVBG2は、端面5aから出力された光、すなわち、第1波長の光λ1、第2波長の光λ2、及び第3波長の光λ3を透過する。また、第1のVBG2によって透過された第1波長の光λ1及び第3波長の光λ3は、第1の反射ミラー3によってレーザ媒質5に反射される。
さらに、第1の波長切替装置1で反射された第1波長の光λ1は、レーザ媒質5で増幅され、波長変換素子7に入射する。
波長変換素子7に入射した第1波長の光λ1の一部は、波長変換領域7Aにおいて第2高調波に変換され、第1波長の半分の波長のレーザ光λ1aを発生する。
変換されずに残った第1波長の光λ1は、波長変換領域7B、7Cを透過する。
第2の角度調整機構13により、第2のVBG11の角度を第2の角度θ2とした第2の波長切替装置10は、波長変換素子7で変換されずに残った第1波長の光λ1を選択して波長変換素子7へ反射する。
具体的には、第2のVBG11は、第1波長の光λ1を波長変換素子7に反射し、それ以外の光、すなわち第2波長の光λ2及び第3波長の光λ3については、透過する。また、第2のVBG11で透過した第2波長の光λ2及び第3波長の光λ3は、第2の反射ミラー8により波長変換素子7及びレーザ媒質5が設置された方向と異なる方向に反射、又は透過する。したがって、第1の波長切替装置1で反射された第3波長の光λ3は、共振器内に閉じ込められないため、増幅されず、発振しない。
なお、第2の反射ミラー8を、発生した第1波長の半分の波長のレーザ光λ1aに対して透過するようにすることで、波長変換光が第2の反射ミラー8より出力される。
第2の波長切替装置10で反射された第1波長の光λ1は、波長変換領域7B、7Cを透過し、波長変換領域7Aにおいて一部が再び第2高調波に変換される。
このように、第1の波長切替装置1で第1波長の光λ1及び第3波長の光λ3をレーザ媒質5に反射し、第2の波長切替装置10で第1波長の光λ1を選択して反射するので、第1波長の光λ1が増幅されて発振する。すなわち、第1波長の光λ1に対して、共振器内での光損失がより小さくなるため、発振閾値が小さくなり、第1波長の光λ1がレーザ発振する。
図8を用いて、第2波長の光λ2を発振する例について説明する。図8において、半導体レーザ6は、励起光をレーザ媒質5の側面5cより入射し、レーザ媒質5に吸収させる。レーザ媒質5は、励起光により励起され、基本波である第1波長の光λ1、第2波長の光λ2、及び第3波長の光λ3を端面5aと5bから出力する。
第1の角度調整機構4により、第1のVBG2の角度を第1の角度θ1とすると、第1の波長切替装置1は、端面5aから出力された光のうち第2波長の光λ2を選択してレーザ媒質5に反射する。
具体的には、端面5aから出力された光のうち第1のVBG2によって第2波長の光λ2を選択してレーザ媒質5に反射する。このとき、第1のVBG2は、第2波長以外の波長の光、すなわち第1波長の光λ1及び第3波長の光λ3を透過する。また、第1のVBG2によって透過された第1波長の光λ1及び第3波長の光λ3は、第1の反射ミラー3によってレーザ媒質5が設置された方向とは異なる方向に反射、又は透過する。
さらに、第1の波長切替装置1で反射された第2波長の光λ2は、レーザ媒質5で増幅され、波長変換素子7に入射する。
波長変換素子7に入射した第2波長の光λ2は、波長変換領域7Aを透過し、波長変換領域7Bにおいて第2高調波変換され、第2波長の半分の波長の光λ2aを発生する。
変換されずに残った第2波長の光λ2は、波長変換領域7Cを透過する。
第2の角度調整機構13により、第2のVBG11の角度を垂直とした第2の波長切替装置10は、波長変換領域7Cを透過して第2高調波変換されなかった第2波長の光λ2を反射する。
具体的には、第2のVBG11は、第1波長の光λ1、第2波長の光λ2、及び第3波長の光λ3を透過する。また、第2のVBG11で透過した光のうち第2波長の光λ2及び第3波長の光λ3は、第2の反射ミラー8により波長変換素子7に反射される。さらに、第2のVBG11を透過した第1波長の光λ1は、第2の反射ミラー8により透過される。なお、第2の反射ミラー8を第2波長の半分の波長のレーザ光λ2aに対して透過するようにすることで、レーザ光λ2aは、第2の反射ミラー8より出力される。
また、反射された第2波長の光λ2の一部は、波長変換領域7Cを透過し、波長変換領域7Bにおいて再び第2高調波に変換される。
波長変換領域7Bにて変換されずに残った第2波長の光λ2は、レーザ媒質5に戻り増幅されて再び第1の波長切替装置1に入射する。
このように、第1の波長切替装置1で第2波長の光λ2を反射してレーザ媒質5に反射し、第2の波長切替装置10で第2波長の光λ2及び第3波長の光λ3を選択して反射するので、第2波長の光λ2が増幅されて発振する。すなわち、第2波長の光λ2に対して、共振器内での光損失がより小さくなるため、発振閾値が小さくなり、第2波長の光λ2がレーザ発振する。なお、第3波長の光λ3は、第1の波長切替装置1で共振器内に閉じ込められないため、増幅されず、発振しない。
次に、図9を用いて、第3波長の光λ3を発振する例について説明する。
図9において、図7、8で説明した波長切替装置と同様にレーザ媒質5から、基本波である第1波長の光λ1、第2波長の光λ2、及び第3波長の光λ3を端面5aと5bより出力する。
第1の角度調整機構4により、第1のVBG2の角度を垂直とすると、第1の波長切替装置1は、第1波長の光λ1と第3波長の光λ3をレーザ媒質5に反射し、第2波長の光λ2を透過する。
具体的には、第1のVBG2は、端面5aから出力された光、すなわち、第1波長の光λ1、第2波長の光λ2、及び第3波長の光λ3を透過する。また、第1のVBG2によって透過された第1波長の光λ1及び第3波長の光λ3は、第1の反射ミラー3によってレーザ媒質5に反射され、第2波長の光λ2は透過される。したがって、第2波長の光λ2は、レーザ媒質5により増幅されず、発振しない。
第1の波長切替装置1で反射された第3波長の光λ3は、レーザ媒質5で増幅され、波長変換素子7に入射する。
また、波長変換素子7に入射した第3波長の光λ3は、波長変換領域7Aと7Bを透過し、一部が波長変換領域7Cにおいて第2高調波変換され、第3波長の半分の波長のレーザ光λ3aを発生する。
変換されずに残った第3波長の光λ3は、第2の波長切替装置10に入射する。
第2の角度調整機構13により、第2のVBG11の角度を垂直とした第2の波長切替装置10は、波長変換素子7で変換されずに残った第3波長の光λ3を選択して波長変換素子7へ反射する。
具体的には、第2のVBG11は、第1波長の光λ1、第2波長の光λ2、及び第3波長の光λ3を透過する。また、第2のVBG11で透過した光のうち第2波長の光λ2及び第3波長の光λ3は、第2の反射ミラー8により波長変換素子7に反射される。さらに、第2のVBG11を透過した第1波長の光は、第2の反射ミラーにより透過される。したがって、第1の波長切替装置1で反射された第1波長の光λ1は、共振器内に閉じ込められないため、増幅されず、発振しない。
なお、第2の反射ミラー8を、発生した第3波長の半分の波長のレーザ光λ3aに対して透過するようにすることで、波長変換光が第2の反射ミラー8より出力される。
第2の波長切替装置10で反射された第3波長の光λ3は、波長変換領域7Cにおいて一部が再び第2高調波に変換される。
このように、第1の波長切替装置1で第1波長の光λ1及び第3波長の光λ3をレーザ媒質5に反射し、第2の波長切替装置10で第2波長の光λ2及び第3波長の光λ3を選択して反射するので、第3波長の光λ3が増幅されて発振する。すなわち、第3波長の光λ3に対して、共振器内での光損失がより小さくなるため、発振閾値が小さくなり、第3波長の光λ3がレーザ発振する。
なお、本実施の形態の説明において、第1の波長切替装置1及び第2の波長切替装置10は、反射面をレーザ媒質5から出力される光の光軸に対して、第1の角度θ1及び第2の角度θ2とした場合に、第1のVBG2が、第2波長の光λ2を選択してレーザ媒質5に反射し、第2のVBG11が、第1波長の光λ1を反射するものとした。このとき、第1の角度θ1及び第2の角度θ2は、特定の角度であればよく、第1の角度θ1及び第2の角度θ2に限られない。例えば、第1のVBG2は、第1の角度調整機構4により、レーザ媒質5から出力される光の光軸に対して第2の面2bが第2の角度θ2をなす場合に、第2波長の光λ2を反射してもよい。また、第2のVBG11は、第2の角度調整機構10により、レーザ媒質5から出力される光の光軸に対して第3の面11aが第3の角度θ3をなす場合に、第1波長の光λ1を反射してもよい。
以上のように、実施の形態2に係るレーザ発振器は、第1のVBG2と第1の反射ミラー3で構成される第1の波長切替装置1及び第2のVBG11と第2の反射ミラー8とで構成される第2の波長切替装置10で共振器を構成したので、RGBの基本波の3つの光を切り替えることができる。
実施の形態3.
実施の形態3に係るレーザ発振器は、実施の形態1のレーザ発振器において、波長変換素子を除き、基本波波長の光を切り替えることを特徴とする。以下、図10から図12を用いて実施の形態3に係るレーザ発振器について説明する。
図10はこの発明の実施の形態3に係るレーザ発振器の構成図である。なお、実施の形態1のレーザ発振器の構成に相当する部分には図1と同一符号を付してその説明を省略する。
図10においてレーザ発振器は、波長切替装置1と、レーザ媒質5と、半導体レーザ6と、第2の反射ミラー8とを備える。
波長切替装置1は、VBG2と、第1の反射ミラー3と、角度調整機構4から構成されており、レーザ媒質5から出力される光の光軸に対してVBG2及び第1の反射ミラー3の反射面が第1の角度θ1をなす場合に第2波長の光λ2を反射し、垂直の場合に第1波長の光λ1を反射する。
レーザ媒質5は第1波長の光λ1と第2波長の光λ2に対して利得を持つ材料であり、VBG2の第2の面2bと向かい合うように配置されている。
半導体レーザ6は、レーザ媒質5の励起光源であり、第1波長と第2波長の2つのエネルギー準位を励起できるように、より短波長の励起光を発振する。半導体レーザ6は、発振した励起光をレーザ媒質5に入射できるように配置する。レーザ媒質5の端面5bには、第1波長の光λ1と第2波長の光λ2を反射する第2の反射ミラー8が施されている。
次に図11、図12を用いて、実施の形態3に係るレーザ発振器の動作について説明する。図11はこの発明の実施の形態3に係るレーザ発振器が第1波長の光を発振する例である。
図11において、半導体レーザ6により発振された励起光をレーザ媒質5の側面5cより入射し、レーザ媒質5に吸収させると、レーザ媒質5は励起され、基本波である第1波長の光λ1と第2波長の光λ2を端面5aと5bより出力する。
角度調整機構4により、VBG2の角度を垂直とすると、波長切替装置1は、第1波長の光λ1をレーザ媒質5に反射し、第2波長の光λ2を透過する。
一方、第2の反射ミラー8は、第1波長の光λ1と第2波長の光λ2とを反射する。このとき、第1波長の光λ1に対して、共振器内での光損失がより小さくなるため、発振閾値が小さくなり、第1波長の光λ1がレーザ発振する。第2の反射ミラー8を、第1波長の光λ1に対して一部透過するようにすることで、第1波長の光λ1が第2の反射ミラー8より出力される。
次に、図12を用いて、実施の形態3に係るレーザ発振器が第2波長の光を発振する動作について説明する。
図12は発明の実施の形態3に係るレーザ発振器が第2波長の光を発振する例である。
図12において、半導体レーザ6により発振された励起光をレーザ媒質5の側面5cより入射し、レーザ媒質5に吸収させると、レーザ媒質5は励起され、基本波である第1波長の光λ1と第2波長の光λ2を端面5aと5bから出力する。
角度調整機構4により、VBG2の角度を第1の角度θ1とすると、波長切替装置1は、第2波長の光λ2をレーザ媒質5に反射し、第1波長の光λ1を透過又はレーザ媒質5が設置された以外の領域へ反射する。
一方、第2の反射ミラー8により第1波長の光λ1と第2波長の光λ2がレーザ媒質5に反射される。このとき、第2波長の光λ2に対して、共振器内での光損失がより小さくなるため、発振閾値が小さくなり、第2波長の光λ2がレーザ発振する。第2の反射ミラー8を、第2波長の光λ2に対して一部透過するようにすることで、第2波長の光λ2が第2の反射ミラー8から出力される。
以上のように、波長切替装置1の角度を垂直にすると第1波長の光λ1を発振し、波長切替装置1の角度を第1の角度θ1にすると第2波長の光λ2を発振することが可能になり、VBG2及び第1の反射ミラー3の角度を調整するだけでレーザ発振器の発振波長を切替え、所望の基本波の光を得ることができる。
なお、実施の形態2に係るレーザ発振器においても、波長変換素子7を除くことで、3波長の基本波を切り替えるレーザ発振器を構成することができる。
1 波長切替装置(第1の波長切替装置)、2 ボリューム・ブラッグ・グレーティング(第1のVBG)、3 第1の反射ミラー(全反射ミラー)、4 第1の角度調整機構、5 レーザ媒質、6 半導体レーザ、7 波長変換素子、8 第2の反射ミラー(部分反射ミラー)、10 第2の波長切替装置、11 第2のボリューム・ブラッグ・グレーティング(第2のVBG)13 第2の角度調整機構

Claims (3)

  1. 第1波長の光を選択して反射する第1の反射ミラーと、
    前記第1波長及び第2波長の光を反射する第2の反射ミラーと、
    前記第1の反射ミラーと前記第2の反射ミラーとの間を往復する光の光軸上に設置され、該光を増幅するレーザ媒質と、
    前記レーザ媒質により増幅された光を第2高調波変換して前記第2の反射ミラーに出力する波長変換素子と、を備えるレーザ発振器において、
    前記第1の反射ミラーの光の反射面に設けられ、前記レーザ媒質から入射する光の入射角に応じて前記第2波長の光を選択して反射するボリューム・ブラッグ・グレーティングと、
    前記第1の反射ミラーを保持し、前記第1の反射ミラー及び前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングの反射面が前記光軸に対して垂直又は特定の角度を形成するよう前記第1の反射ミラーを駆動する角度調整機構と、を備え、
    前記角度調整機構により、前記第1の反射ミラー及び前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングの反射面を前記光軸に対して垂直とした場合に、前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングは、反射面に垂直に入射する光を透過し、前記第1の反射ミラーは、前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングを透過した光のうち前記第1波長の光を選択して前記レーザ媒質に反射し、
    前記角度調整機構により、前記第1の反射ミラー及び前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングの反射面を前記光軸に対して特定の角度とした場合に、前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングは、反射面に特定の角度で入射する光のうち前記第2波長の光を選択して前記レーザ媒質に反射し、前記第2波長以外の光を透過し、前記第1の反射ミラーは、前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングを透過した第2波長以外の光を前記光軸とは異なる方向に反射して、前記レーザ媒質に入射させないことを特徴するレーザ発振器。
  2. 前記第1の反射ミラー及び前記第2の反射ミラーは、さらに第3波長の光を選択して反射し、
    前記レーザ発振器は、
    前記第2の反射ミラーの光の反射面に設けられ、前記レーザ媒質から入射する光の入射角に応じて前記第1波長の光を選択して反射する第2のボリューム・ブラッグ・グレーティングと、
    前記第2の反射ミラーを保持し、前記第2の反射ミラー及び前記第2のボリューム・ブラッグ・グレーティングの反射面が前記光軸に対して垂直又は特定の角度を形成するよう前記第2の反射ミラーを駆動する第2の角度調整機構と、を備え、
    前記角度調整機構により、前記第1の反射ミラー及び前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングの反射面を前記光軸に対して垂直とした場合に、前記第1の反射ミラーは、前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングを透過した光のうち前記第1波長の光及び前記第3波長の光を選択して前記レーザ媒質に反射し、
    前記第2の角度調整機構により、前記第2の反射ミラー及び前記第2のボリューム・ブラッグ・グレーティングの反射面を前記光軸に対して垂直とした場合に、前記第2の反射ミラーは、前記第2のボリューム・ブラッグ・グレーティングを透過した光のうち前記第2波長の光及び前記第3波長の光を選択して前記レーザ媒質に反射し、
    前記第2の角度調整機構により、前記第2の反射ミラー及び前記第2のボリューム・ブラッグ・グレーティングの反射面を前記光軸に対して特定の角度とした場合に、前記第2のボリューム・ブラッグ・グレーティングは、反射面に特定の角度で入射する光のうち前記第1波長の光を選択して前記レーザ媒質に反射し、前記第1波長以外の光を透過し、前記第2の反射ミラーは、前記第2のボリューム・ブラッグ・グレーティングを透過した第2波長以外の光を前記光軸とは異なる方向に反射して、前記レーザ媒質に入射させないことを特徴する請求項1に記載のレーザ発振器。
  3. 光を増幅するレーザ媒質から出力される光のうち、第1波長の光を選択して前記レーザ媒質に反射する第1の反射ミラーと、
    前記第1の反射ミラーの光の反射面に設けられ、前記レーザ媒質から入射する光の入射角に応じて第2波長の光を選択して反射するボリューム・ブラッグ・グレーティングと、
    前記第1の反射ミラーを保持し、前記第1の反射ミラー及び前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングの反射面が前記レーザ媒質から出力される光の光軸に対して垂直又は特定の角度を形成するよう前記第1の反射ミラーを駆動する角度調整機構と、を備え、
    前記角度調整機構により、前記第1の反射ミラー及び前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングの反射面を前記光軸に対して垂直とした場合に、前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングは、反射面に垂直に入射する光を透過し、前記第1の反射ミラーは、前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングを透過した光のうち前記第1波長の光を選択して前記レーザ媒質に反射し、
    前記角度調整機構により、前記第1の反射ミラー及び前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングの反射面を前記光軸に対して特定の角度とした場合に、前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングは、反射面に特定の角度で入射する光のうち前記第2波長の光を選択して前記レーザ媒質に反射し、前記第2波長以外の光を透過し、前記第1の反射ミラーは、前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングを透過した第2波長以外の光を前記光軸とは異なる方向に反射して、前記レーザ媒質に入射させないことを特徴する波長切替装置。
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