JP6146039B2 - ポリエステル組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、安価で、白色異物が少なく耐加水分解性に優れたポリエステル組成物の製造方法に関する。
ポリエステルは機械特性、熱特性、耐薬品性、電気特性、成形性に優れ、様々な用途に用いられている。
しかし、ポリエステルは加水分解により機械物性が低下するため、長期にわたって使用する場合、或いは湿気のある状態で使用する場合においては加水分解を抑制すべく様々な検討がなされてきた。特に、太陽電池フロントシート用フィルムにおいては、屋外にて20年以上の耐用年数と光学特性が要求されることから、高い耐加水分解性、伸度保持率、光学特性が必要である。
例えば、特許文献1には、耐加水分解性が改善されたOCP不溶物の少ないポリエステル組成物が記載されており、直重法での製造方法についても詳細に記載がなされている。
しかし、直重法で製造するに際しては、微量ではあるが白色異物が生成し、フィッシュアイの原因になることから、光学用途への適用が困難である。
特許文献2には、異物が少ないポリエステルの製造方法について記載されているが、開示されているのは異物(フィッシュアイ)が8平方センチメートルあたり30個以上含有する技術であり、光学用途に用いるには不十分である。
国際公開第2011/52290号 特開2007−70462号公報
本発明の目的は、これら従来の欠点を解消せしめ、安価で、白色異物が少なく、耐加水分解性、伸度保持率、光学特性に優れ、太陽電池フィルム用途として好適なポリエステル組成物の製造方法を提供することにある。
すなわち、ジカルボン酸成分とジオール成分とをエステル化反応し、次いで重縮合反応を行い、連続的にポリエステルを製造するに際して、エステル化反応率が90〜95%、温度が230〜240℃であるエステル化反応物に、得られるポリエステル組成物に対して1.0〜3.0mol/tonのリン酸アルカリ金属化合物を0.20〜0.50wt%のジオール溶液と1.5〜5.0mol/tonのリン酸とを連続的に添加し、重縮合触媒の存在下、重縮合反応することを特徴とするポリエステル組成物の製造方法により達成される。
本発明によれば、長期の耐加水分解性、光学特性に優れるポリエステル組成物を提供することができる。また、本発明の組成物を二軸延伸フィルムとすることで、磁材用途、コンデンサーなどの電気材料用途、包装用途等の用途、光学用途、特に、長期の耐加水分解性、光学特性を必要とする太陽電池フロントシート用フィルム用途に提供することができる。
本発明のポリエステル組成物の製造方法は、ジカルボン酸成分とジオール成分とをエステル化反応し、次いで重縮合反応を行い、連続的にポリエステルを製造するに際して、エステル化反応率が90〜95%、温度が230〜240℃であるエステル化反応物に、得られるポリエステル組成物に対して1.0〜3.0mol/tonのリン酸アルカリ金属化合物を0.20〜0.50wt%のジオール溶液と1.5〜5.0mol/tonのリン酸とを連続的に添加し、重縮合触媒の存在下、重縮合反応することを特徴とするポリエステル組成物の製造方法である。
本発明におけるジカルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸、鎖状脂肪族カルボン酸、脂環式ジカルボン酸等の種々のジカルボン酸成分を用いることができる。その中でもポリエステル組成物の機械的特性、耐熱性、耐加水分解性の観点から、芳香族ジカルボン酸であることが好ましい。特には、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸が重合性、機械的特性から好ましい。
本発明におけるジオール成分としては、各種ジオールを用いることができる。例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジオール、脂環式ジオールとしてはシクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジエタノール、デカヒドロナフタレンジメタノール、デカヒドロナフタレンジエタノール、ノルボルナンジメタノール、ノルボルナンジエタノール、トリシクロデカンジメタノール、トリシクロデカンジエタノール、テトラシクロドデカンジメタノール、テトラシクロドデカンジエタノール、デカリンジメタノール、デカリンジエタノールなどの飽和脂環式1級ジオール、2,6−ジヒドロキシ−9−オキサビシクロ[3,3,1]ノナン、3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(スピログリコール)、5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサン、イソソルビドなどの環状エーテルを含む飽和ヘテロ環1級ジオール、その他シクロヘキサンジオール、ビシクロヘキシル−4、4’−ジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシルプロパン)、2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)シクロへキシル)プロパン、シクロペンタンジオール、3−メチル−1,2−シクロペンタンジオール、4−シクロペンテン−1,3−ジオール、アダマンジオールなどの各種脂環式ジオールや、ビスフェノールA、ビスフェノールS、スチレングリコール、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどの芳香環式ジオールが例示できる。またジオール以外にもトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多官能アルコールも用いることができる。また、上記成分の2種類以上を組み合わせて使用しても構わない。
さらに、必要に応じて耐熱安定剤や、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料、蛍光増白剤等の添加物を加えても構わない。
本発明のポリエステル組成物の製造方法は、コスト面で有利なエステル化法を用いる。その際、エステル化反応性、耐熱性、耐加水分解性の観点から、エステル化反応開始前のジカルボン酸成分とジオール成分のモル比(ジオール成分/ジカルボン酸成分のモル比)は1.05以上1.30以下の範囲であることが好ましい。より好ましくは1.10以上1.25以下、さらに好ましくは1.15以上1.20以下である。モル比が1.05以上であれば、エステル化反応が効率的に進み、生産のタイムサイクルが短くなり、生産性が良好となるため、商業的なプロセスとして好ましい。また、モル比が1.30以下であれば、副生するジオール成分の2量体(ジエチレングリコール等)の増加を抑制でき、耐熱性、耐加水分解性の点などから好ましい。
本発明のポリエステル組成物の製造方法は、反応効率やコスト面で有利な連続的に重合を行う必要がある。反応槽の数は、特に制限はないが、反応効率の点からエステル化反応に1槽以上、重縮合反応に2槽以上用いることが好ましく、エステル化反応に2槽、重縮合反応に3槽用いることがさらに好ましい。
本発明に用いるリン化合物は、耐加水分解性の点からリン酸アルカリ金属化合物およびリン酸を併用することが必要である。リン酸アルカリ金属化合物とリン酸の緩衝作用により、加水分解反応を抑制し、耐加水分解性を向上させることが可能となる。
リン酸アルカリ金属化合物は、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸二水素リチウム、リン酸水素二リチウム、リン酸三リチウムなどが挙げられる。その中でも、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウムが耐加水分解性の点から好ましい。
リン酸アルカリ金属化合物の添加量は、耐加水分解性の点から、得られるポリエステル組成物に対して1.0mol/ton以上3.0mol/ton以下であることが必要であり、1.0mol/ton以上2.0mol/ton以下であることが好ましい。1.0mol/ton未満では、十分な耐加水分解効果が得られない。また、3.0mol/tonを超えると、耐加水分解性の低下および白色異物の増加に繋がる。白色異物はフィルムにした場合に異物(フィッシュアイ)となるため、好ましくない。
リン酸の添加量は、耐加水分解性の点から、得られるポリエステルに対して1.5mol/ton以上5.0mol/ton以下であることが耐加水分解性の点から必要であり、さらには2.0mol/ton以上4.0mol/ton以下であることが耐加水分解性の点から好ましい。1.5mol/ton未満では、十分な耐加水分解効果が得られない。また、5.0mol/tonを超えると、酸性が高く、ジオール成分の2量体が増加する。
リン酸アルカリ金属化合物は、白色異物の点から、0.20wt%以上0.50wt%以下のジオール溶液とすることが必要であり、0.30wt%以上0.45wt%以下が好ましい。0.20wt%未満では、ジオール成分の量が多く、ジオール成分の2量体が増加する。また、0.50wt%を超えると、濃度が高くなり白色異物が発生する。
リン酸アルカリ金属化合物およびリン酸のジオール溶液調製方法としては、特に限定されないが、リン酸アルカリ金属化合物が溶け残ることのないように調製することが重要であり、50℃以上100℃未満に加熱したジオールにリン酸アルカリ金属化合物を添加して溶解させ、常温まで冷却した後にリン酸を添加する方法が好ましい。
また、リン酸アルカリ金属化合物およびリン酸以外に、亜リン酸、リン酸トリメチルやリン酸トリエチルのようなリン酸エステル、エチルジエチルホスホノアセテートなどのリン化合物を併用しても構わない。
本発明のポリエステル組成物の製造方法において、上記リン酸アルカリ金属化合物およびリン酸はエステル化反応率が90%以上95%以下のエステル化反応物に添加する必要がある。好ましくは、92%以上94%以下である。90%未満では、エステル化反応の効率が低下し、エステル化反応の時間が長くなるため、ジオール成分の2量体が増加する。また、95%を超えると、エステル化反応物の重合度が上がるため、リン酸アルカリ金属化合物と反応することにより、白色異物が粗大化する。
さらに、リン酸アルカリ金属化合物およびリン酸を添加する前のエステル化反応物の温度は230℃以上240℃以下である必要がある。好ましくは、232℃以上238℃以下である。230℃未満では、リン酸アルカリ金属化合物およびリン酸を添加した際、エステル化反応物が固化するため、撹拌機の故障や配管の詰まりを生じる。240℃を超えると、上記のリン酸アルカリ金属化合物が高温条件下でポリリン酸となり、白色異物となる。
リン酸アルカリ金属化合物およびリン酸の添加箇所は、エステル化反応槽、各槽への移送管のどちらでも構わないが、エステル化反応物のエステル化反応率および温度制御が容易となる移送管への添加がより好ましい。
本発明のポリエステル組成物は、助触媒として金属元素がアルカリ金属、アルカリ土類金属、マンガンより選ばれる少なくとも1種の金属塩を含有することが、耐熱性、耐加水分解性の点から好ましい。酢酸マンガン、水酸化マンガンなどのマンガン塩、酢酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどのマグネシウム塩、酢酸カルシウム、水酸化カルシウムなどのカルシウム塩が好ましく、酢酸マンガンがさらに好ましい。
上記の金属塩はポリエステルに用いられるジオールの溶液とすることが好ましく、エステル化反応物に添加する際のジオール溶液の温度は2℃以上25℃以下とことが好ましい。2℃以上であれば、エステル化反応物に添加した際、エステル化反応物が固化することがないため好ましい。また、25℃以下であれば金属塩の析出がないため、白色異物と反応することによる異物の粗大化がなく、好ましい。温度の制御は、特に限定されないが、金属塩のジオール溶液を保管する容器の周囲を冷却液で包囲するジャケット方式が好ましい。冷却液は、冷却装置を用いても良いが、コスト面から、15〜20℃に管理された工業用水を用いることが望ましい。
また、金属塩のジオール溶液の添加により、エステル化反応物の低温化が容易であることからリン酸アルカリ金属化合物およびリン酸の添加前に添加することが好ましい。
本発明のポリエステル組成物は、155℃の水蒸気下で4時間処理した際のカルボキシル末端基増加量(ΔCOOH)が30eq/ton以下であることが、耐加水分解性の点から好ましく、特に25eq/ton以下であることが好ましい。ΔCOOHを30eq/ton以下とするには、リン酸/リン酸アルカリ金属塩のような緩衝剤等により分解反応速度を抑制することが重要である。ΔCOOHの下限としては、低いほど耐加水分解性が良好となるが、エステル結合を有するポリエステルでは5eq/t程度であると考える。
本発明のポリエステル組成物は、耐加水分解性、フィルム成形性の点から、固有粘度が0.60dl/g以上0.90dl/g以下である必要があり、太陽電池フロントシート用途では、0.70dl/g以上0.85dl/g以下であることがさらに好ましい。
本発明のポリエステル組成物は、カルボキシル末端基量が30eq/ton以下であることが好ましく。より好ましくは20eq/ton以下である。さらに好ましくは、12eq/ton以下である。カルボキシル末端基量の下限としては、低いほど耐加水分解性が良好となるが、従来の重縮合反応、固相重合反応では5eq/ton程度と考える。カルボキシル末端基量を0eq/tonとするためには過剰量の末端封止剤が必要である30eq/ton以上では、カルボキシル末端基量が過剰であり、耐加水分解性に対し、上記リン酸アルカリ金属化合物およびリン酸の顕著な効果が見られない。
エステル化反応としては、溶融状態のエステル化反応物を240℃以上260℃以下で撹拌しながら、テレフタル酸とエチレングリコールのスラリーを徐々に添加し、水を留出させる、従来の方法を用いることができる。リン酸アルカリ金属化合物およびリン酸のジオール溶液は、エステル化反応開始前から、重縮合反応を開始するまでの間のエステル化反応率が90〜95%であるエステル化反応物に添加する必要がある。
重縮合反応条件としては、最終到達温度を275℃以上285℃以下の温度で重縮合反応を行うことが耐加水分解性の点から好ましい。
重縮合反応触媒としては、公知の化合物を使用することができ、例えば、三酸化アンチモン、チタンアルコキシド、チタンキレート化合物、二酸化ゲルマニウムなどを挙げることができ、中でも重縮合反応性、耐熱性の点から三酸化アンチモンであることが好ましい。
このようにして得られたポリエステル組成物は、さらにカルボキシル末端基量を低減することにより、耐加水分解性を向上させるために、固相重合反応を行うことが好ましい。
固相重合反応条件としては、固有粘度0.5dl/g以上0.6dl/g以下の範囲に到達した時点で重縮合反応を終了し、チップ化したポリエステル組成物を、固相重合反応温度を200℃以上240℃以下、真空度0.2kPa以下の条件で8時間以上固相重合反応を行うことが耐加水分解性の点から好ましい。
以下に、本発明のポリエステル組成物の具体的な製造方法について述べるがこれに限定するものではない。
第1エステル化反応槽でテレフタル酸とエチレングリコールのスラリー(エチレングリコール/テレフタル酸のモル比が1.05〜1.30)を8.4〜8.7t/hrの一定流量で連続的に添加し、245〜255℃で水を留出させながらエステル化反応率90〜95%までエステル化反応を行う。第1エステル化槽から第2エステル化槽へ移送する配管において、助触媒として5〜25℃に温度調整した酢酸マンガン4水和物エチレングリコール溶液(5重量%)を酢酸マンガン4水和物として、ポリエステル組成物100重量部に対して0.07重量部(2.8mol/ton相当)となるよう135〜141kg/hrを連続的に添加し、また、重縮合触媒として三酸化アンチモン0.03重量部(1.0mol/ton相当)をエチレングリコールスラリー(2重量%)となるよう102〜106kg/hrを連続的に添加する。
触媒の添加後、第1エステル化槽から第2エステル化槽へ移送する配管において、235℃なったエステル化反応物に、ポリエステル組成物100重量部に対して、リン酸二水素ナトリウム2水和物のエチレングリコール溶液(3.5重量%)およびリン酸をリン酸二水素ナトリウム2水和物として0.026重量部(1.7mol/ton相当)とリン酸0.022重量部(2.2mol/ton相当)になるよう506〜525kg/hrを連続的に添加する。白色異物をポリエステル組成物5gに対して10個以下とするためには、リン酸二水素ナトリウム2水和物のエチレングリコール溶液が0.2重量%以上0.50重量%以下とすることが必要である。さらに、湿熱処理後のカルボキシル末端基増加量を30eq/ton以下とするためには、ポリエステル組成物に対するリン酸二水素ナトリウム2水和物の含有量を1.0mol/ton以上3.0mol/ton以下とする必要がある。
第2エステル化槽では、255℃で水を留出させながら、エステル化反応率97%までエステル化反応を行い、エステル化反応を完了する。
重縮合反応においては、第1重縮合反応槽では、温度260℃、真空度10kPa、第2重縮合反応槽では、温度275℃、真空度2.2kPa、第3重縮合反応槽では、温度280℃、真空度0.2kPaで重縮合反応を行い、固有粘度0.54相当の溶融粘度に達した時点で吐出し、ストランドカッターによりチップ化する。
得られたチップを固相重合反応温度230℃、真空度50Paで12時間固相重合反応することにより固有粘度0.80のポリエステル組成物を得ることができる。
このようにして得られたポリエステル組成物は、乾燥を経て、通常の押出機、Tダイにて押出し、二軸延伸することができ、太陽電池用フロントシートで必要とされる耐加水分解性、光学特性が良好となるばかりでなく、固有粘度が高く、耐加水分解性に優れることから、従来のフィルムに比べて薄膜化することが可能であり、太陽電池モジュールの小型化、軽量化に有利である。
(1)エステル化反応物のエステル化反応率
エステル化反応率については、下記の方法で、ポリエステルオリゴマーの全カルボキシル末端基量Aと未反応カルボキシル末端基量Bとを求め、次式で算出する。
エステル化反応率(%)=〔(A−B)/A〕×100
全カルボキシル末端基量Aについては、ポリエステルオリゴマーを水酸化カリウム水溶液で加水分解した後、0.5規定の塩酸溶液を用いて、自動滴定装置(平沼産業社製、COM−550)にて滴定して測定した。また、未反応カルボキシル末端基量Bについては、ポリエステルオリゴマーをN,N−ジメチルホルムアミドに溶解し、0.1規定の水酸化カリウムのメタノール溶液を用いて、自動滴定装置(平沼産業社製、COM−550)にて滴定して測定した。
(2)ポリエステル組成物の固有粘度
ポリマー0.1gをo−クロロフェノール10mlに160℃、20分で溶解し、25℃での溶液粘度を測定した。
(3)ポリエステル組成物中の金属元素の定量
蛍光X線分析装置(堀場製作所社製、MESA−500W型)を用いて、各元素に対する蛍光X線強度を求め、あらかじめ作成した検量線により測定した。
(4)ポリエステル組成物中のアルカリ金属量の定量
原子吸光分析法(日立製作所製:偏光ゼーマン原子吸光光度計180−80。フレーム:アセチレン−空気)にて定量を行った。
(5)ポリエステル組成物のカルボキシル末端基量(COOH)
Mauliceの方法によって測定した。(文献 M.J.Maulice,F.Huizinga.Anal.Chim.Acta,22 363(1960))。エステル化反応物2gをo−クレゾール/クロロホルム(重量比7/3)50mlに溶解し、N/20−水酸化ナトリウムメタノール溶液によって滴定し、エステル化反応物のカルボキシル末端基量を測定し、eq/ポリエステル1tonの値で示した。
(6)ポリエステル組成物中のジエチレングリコールの定量
ポリエステル組成物のチップ0.5gをモノエタノールアミン中でアミン分解し、遊離したジエチレングリコールをガスクロマトグラフィーで測定した。なお、数値はポリエステル中のジエチレングリコールの重量%である。
(7)ポリマー中の白色異物の定量
固相重合反応前のポリマーのストランドもしくはチップを黒色台紙に5g計量し、オーツカ光学株式会社製ENV−Bを用いて白色異物をマーキングした。マーキングした白色異物について、SEM観察を行い、最大直径が5μm以上の白色異物についてSEM−EDXにて元素分析を行った。
リン元素、及びアルカリ金属元素が検出された白色異物について個数をカウントした。10個/5g以下を合格とした。
(8)耐加水分解性評価(ΔCOOH)
ポリエステル組成物のチップを155℃、水蒸気中で4時間処理した。
測定装置:PRESSER COOKER 306SIII(HIRAYAMA製作所(株)製)
カルボキシル末端基増加量(ΔCOOH)は処理前後のサンプルで評価を行った。太陽電池用途において適用可能等と考えられるΔCOOHが30eq/t以下を合格とした。
(9)フィッシュアイの測定
偏光板を用いて、ポリエステル組成物の二軸延伸フィルム(厚み50μm)のA4サイズあたりのフィッシュアイをマーキングし、SEM−EDXによりリン元素、及びアルカリ金属元素の有無を確認した。リン元素、及びアルカリ金属元素を含むフィッシュアイの個数が0個/A4のフィルムを合格とした。
(10)ポリエステルフィルムの耐加水分解性(125℃、湿度100%RHの条件下60時間放置後の伸度保持率)
二軸延伸されたフィルムを用いて、温度121℃、湿度100%RHで湿熱処理を行い、処理前のサンプルに対する処理後の伸度保持率が50%となる時間を伸度半減期とした。
フィルムの伸度は、ASTM−d882に規定された方法に従って、インストロンタイプの引張試験機を用いて、下記条件によって測定した。
・測定装置:オリエンテック(株)製フィルム強伸度測定装置
“テンシロンAMF/RTA−100”
・試料サイズ:幅10mm×試長間100mm
・引張速度:200mm/分
・測定環境:温度23℃、湿度65%RH
太陽電池用途において適用可能と考えられる伸度半減期75時間以上を合格とした。
(参考例1)リン酸二水素ナトリウム2水和物のエチレングリコール溶液およびリン酸の調製方法
60℃に加熱したエチレングリコールにリン酸二水素ナトリウム2水和物を撹拌しながら添加し、濃度2.0重量%のリン酸二水素ナトリウム二水和物エチレングリコール溶解を調製した。調製した溶液を常温まで放冷した後、所定量のリン酸を添加し、撹拌した。各実施例において所定の濃度にエチレングリコールで希釈後使用した。
(参考例2)ポリエステル組成物の回分式での製造方法
255℃にて溶解したビスヒドロキシエチルテレフタレートが仕込まれたエステル化反応器に、テレフタル酸、エチレングリコール(テレフタル酸に対し1.15倍モル)のスラリーをスネークポンプにて徐々に添加し、エステル化反応を進行させる。反応系内の温度は255℃になるようにコントロールし、反応率が96%に到達した段階でエステル化反応を終了とする。
こうして得られた255℃のエステル化反応物に、助触媒として18℃に温度調整した酢酸マンガン4水和物エチレングリコール溶液(5重量%)を酢酸マンガン4水和物として、ポリエステル組成物100重量部に対して0.07重量部(2.8mol/ton相当)、重縮合触媒として三酸化アンチモンを0.03重量部(1.0mol/ton相当)となるように添加する。酢酸マンガン溶液添加後、エステル化反応物の温度は250℃となる。その後、参考例1に示す方法で調製したリン酸二水素ナトリウム2水和物のエチレングリコール溶液およびリン酸を、ポリエステル組成物100重量部に対して、リン酸二水素ナトリウム2水和物のエチレングリコール溶液(3.5重量%)およびリン酸をリン酸二水素ナトリウム2水和物として0.026重量部(1.7mol/ton相当)とリン酸0.022重量部(2.2mol/ton相当)になるように添加する。
その後、重合装置内温度を徐々に280℃まで昇温しながら、重合装置内圧力を常圧から133Pa以下まで徐々に減圧してエチレングリコールを留出させる。このとき、ポリエステル組成物のカルボキシル末端基量をより低くしたい場合は、重合温度を低く設定すると良い。所定の撹拌トルクに到達した段階で反応を終了とし、反応系内を窒素にて常圧にし、冷水にストランド状に吐出、カッティングし、ペレット状のポリエステル組成物を得る。
その後、得られたペレット状のポリエステル組成物を、150℃、4時間で予備結晶化させた後、230℃で50Pa程度の減圧下、12時間固相重合反応する。
得られたポリエステル組成物を、窒素雰囲気下で押出機に供給し、押出温度280℃で400メッシュのフィルターを通し、Tダイからキャスティングドラム(20℃)にて急冷、静電印加法にてシート化した後に、縦延伸温度90℃、縦延伸倍率3.8倍で縦延伸したのち、横延伸温度110℃、横延伸倍率3.8倍で延伸し、熱処理を200℃で3秒行い、実効倍率で面倍率13.2倍の二軸延伸フィルムを得る。
(実施例1)
第1エステル化槽にエチレングリコール/テレフタル酸のモル比が1.15であるテレフタル酸とエチレングリコールからなるスラリーを、スネークポンプにて8.6t/hrの一定流量で連続的に供給し、反応物の温度を245℃〜255℃にコントロールしながら、エステル化反応率92%までエステル化反応を行った。
第1エステル化槽から第2エステル化槽へ移送する配管において、助触媒として18℃に温度調整した酢酸マンガン4水和物エチレングリコール溶液(5重量%)を酢酸マンガン4水和物として、ポリエステル組成物100重量部に対して0.07重量部(2.8mol/ton相当)となるよう138kg/hrの一定流量で連続的に添加し、また重縮合触媒として三酸化アンチモン0.03重量部(1.0mol/ton相当)をエチレングリコールスラリー(2重量%)となるよう104kg/hrの一定流量で連続的に添加した。
触媒の添加後、第1エステル化槽から第2エステル化槽へ移送する配管において、エステル化反応率93%、235℃なったエステル化反応物に、参考例1に示す方法で調製したリン酸二水素ナトリウム2水和物のエチレングリコール溶液およびリン酸を、ポリエステル組成物100重量部に対して、リン酸二水素ナトリウム2水和物のエチレングリコール溶液(0.35重量%)をリン酸二水素ナトリウム2水和物として0.026重量部(1.7mol/ton相当)とリン酸0.022重量部(2.2mol/ton相当)になるように連続的に添加した。リン酸二水素ナトリウム2水和物のエチレングリコール溶液およびリン酸添加後のエステル化反応物の温度は220℃であった。
第2エステル化槽では、255℃で水を留出させながら、エステル化反応率97%までエステル化反応を行い、エステル化反応を完了させた。
重縮合反応においては、第1重縮合反応槽では、温度260℃、真空度10kPa、第2重縮合反応槽では、温度275℃、真空度2.2kPa、第3重縮合反応槽では、温度280℃、真空度0.2kPaで重縮合反応を行い、固有粘度0.54相当の溶融粘度に達した時点で吐出し、ストランドカッターによりチップ化した。
得られたポリエステル組成物は固有粘度0.54dl/g、ジエチレングリコール0.8重量%、リン元素含有量3.1mol/ton、ナトリウム金属含有量1.7mol/ton、カルボキシル末端基量17eq/ton、白色異物含有量が0個(得られたポリマーチップ5gについて拡大鏡(オーツカ光学株式会社製ENV−B)による観察を行い、検出なし)と本発明の範囲内であった。このとき、リン元素含有量が添加量に対して減少しているのは、重縮合反応中に、エチレングリコールとともにリン化合物が系外へ飛散したためである。
得られたポリエステル組成物を150℃で4時間乾燥、結晶化させたのち、温度230℃、真空度50Paで12時間固相重合反応を行い、固有粘度0.80dl/g、カルボキシル末端基量8eq/ton、ΔCOOHが20eq/tのポリエステル組成物を得た。得られたポリエステル組成物を、窒素雰囲気下で押出機に供給し、押出温度280℃で400メッシュのフィルターを通し、Tダイからキャスティングドラム(20℃)にて急冷、静電印加法にてシート化した後に、縦延伸温度90℃、縦延伸倍率3.8倍で縦延伸したのち、横延伸温度110℃、横延伸倍率3.8倍で延伸し、熱処理を200℃で3秒行い、実効倍率で面倍率13.2倍の二軸延伸フィルムを得た。結果を表1および表2に示す。
得られた二軸延伸フィルムは、白色異物起因のフィッシュアイが0個/A4であり、太陽電池フロントシート用途等に良好なレベルであった。
(実施例2)
リン酸アルカリ金属化合物の種類を変更する以外は参考例1と同様にしてリン酸アルカリ金属化合物のエチレングリコール溶液およびリン酸を調製し、実施例1と同様にしてポリエステル組成物、二軸延伸フィルムを得た。結果を表1および表2に示す。
実施例2においては、リン酸二水素ナトリウム2水和物の代わりにリン酸二水素カリウム無水物を使用したところ、白色異物の量が若干増えたものの、フィッシュアイは見られず、問題ないレベルであった。
(実施例3、4)
第1エステル化槽に仕込むテレフタル酸とエチレングリコールの量を変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物、二軸延伸フィルムを得た。結果を表1および表2に示す。
実施例3においては、第1エステル化槽へ添加するエチレングリコール/テレフタル酸のモル比を1.05としたことにより、エステル化反応効率が低下し、エステル化反応の時間が長くなり、ジエチレングリコールの量が若干高くなったものの、問題ないレベルであった。
実施例4においては、第1エステル化槽へ添加するエチレングリコール/テレフタル酸のモル比を1.30としたことにより、エチレングリコールの添加量が増加し、ジエチレングリコールの量が若干高くなったものの、問題ないレベルであった。
(実施例5〜8)
リン酸アルカリ金属化合物の添加量とリン酸の割合を変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物、二軸延伸フィルムを得た。結果を表1および表2に示す。
実施例5、6においては、リン酸の量をそれぞれ3.5、2.8mol/tonとしたことにより、pHはそれぞれ3、3.5となり、酸性が高いことから、ジエチレングリコールの量が増加したものの、問題ないレベルであった。
実施例7、8においては、リン酸アルカリ金属化合物の量をそれぞれ2.1、2.5mol/tonとしたことにより、リン酸アルカリ金属化合物の量が増え、白色異物が若干増えたものの、フィッシュアイは見られず、問題ないレベルであった。
(実施例9〜15)
酢酸マンガン4水和物エチレングリコール溶液の濃度、温度、種類を変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物、二軸延伸フィルムを得た。結果を表1および表2に示す。
実施例9、10においては、酢酸マンガン4水和物エチレングリコール溶液の濃度をそれぞれ2.0、2.5wt%としたことにより、溶媒であるエチレングリコールの量が増え、ジエチレングリコールの量が若干増えたものの、問題ないレベルであった。
実施例11、12においては、酢酸マンガン4水和物エチレングリコール溶液の濃度をそれぞれ4.5、5.0wt%としたことにより、溶媒であるエチレングリコールの量が減り、リン酸アルカリ金属化合物およびリン酸を添加する前のエステル化反応物のエステル化反応率が低下し、またエステル化反応物の温度が上昇した。その結果、白色異物の量は若干増えたものの、フィッシュアイは見られず、問題ないレベルであった。
実施例13においては、冷却器で5℃に調製した冷水を用いて、酢酸マンガン貯槽の温度を5℃に調整した酢酸マンガン4水和物エチレングリコール溶液を添加したことにより、リン酸アルカリ金属化合物およびリン酸を添加する前のエステル化反応物の温度が230℃となった。その結果、リン酸アルカリ金属化合物およびリン酸の添加後のエステル化反応物の温度が215℃となったが、撹拌機のトルク上昇や移送ラインの詰まりは発生せず、問題なかった。また、エステル化反応物の温度が下がったことにより、エステル化反応の時間長くなり、ジエチレングリコールの量が若干高くなったものの、問題ないレベルであった。
実施例14においては、酢酸マンガン貯槽の温度は25℃に調整した酢酸マンガン4水和物エチレングリコール溶液を添加したことにより、リン酸アルカリ金属化合物およびリン酸を添加する前のエステル化反応物の温度が238℃となった。その結果、白色異物の量が若干増えたものの、フィッシュアイは見られず、問題ないレベルであった。
実施例15においては、酢酸マグネシウムを用いたことにより、カルボキシル末端基量が若干高くなったものの、ΔCOOH、伸度半減期は問題ないレベルであった。
(実施例16〜19)
重縮合反応の最終到達温度を変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物、二軸延伸フィルムを得た。結果を表1および表2に示す。
実施例16、17においては、重縮合反応の最終到達温度をそれぞれ275、277℃としたことにより、カルボキシル末端基量が減少し、耐加水分解性良好であった。重縮合反応の時間が延びたため、生産性が若干低下したが、問題ないレベルであった。
実施例18、19においては、重縮合反応の最終到達温度を283、285℃としたことにより、熱履歴が増し、カルボキシル末端基量が若干高くなったものの、ΔCOOH、伸度半減期は問題ないレベルであった。
(実施例20)
固相重合反応を実施せず、重縮合反応の最終到達温度と固有粘度を変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物、二軸延伸フィルムを得た。結果を表1および表2に示す。
実施例20については、固相重合反応を実施せず、固有粘度を0.70としたことにより、カルボキシル末端基量が若干高くなったものの、ΔCOOH、伸度半減期は問題ないレベルであった。
(比較例1、2)
リン酸アルカリ金属化合物およびリン酸を添加する前のエステル化反応物のエステル化反応率を変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物、二軸延伸フィルムを得た。結果を表1および表2に示す。
比較例1においては、エステル化反応率が低下し、エステル化反応の時間が長くなり、ジエチレングリコールの量が増えると共にΔCOOHが高く、伸度半減期が短くなり、耐加水分解性が不十分であった。また、生産性が低下した。
比較例2においては、エステル化反応率が高くなり、白色異物が発生し、フィッシュアイが見られた。
(比較例3)
リン酸アルカリ金属化合物およびリン酸を添加する前のエステル化反応物の温度を225℃に変更し、実施例1と同様にしてポリエステル組成物の重縮合反応を実施した。結果を表1および表2に示す。
その結果、リン酸アルカリ金属化合物およびリン酸を添加した後、エステル化反応物の温度が210℃となり、第2エステル化槽の撹拌機のトルク上昇がみられたため、該条件での生産を中止した。
(比較例4)
リン酸アルカリ金属化合物およびリン酸を添加する前のエステル化反応物の温度を245℃に変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物、二軸延伸フィルムを得た。結果を表1および表2に示す。リン酸二水素ナトリウム2水和物が高温に晒されることにより、白色異物が増加し、フィッシュアイが見られた。
(比較例5、6、11)
リン酸アルカリ金属化合物の添加量を変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物、二軸延伸フィルムを得た。結果を表1および表2に示す。
比較例5においては、リン酸アルカリ金属化合物の添加量を、得られるポリエステル組成物に対し、0.9mol/tonとしたことにより、ΔCOOHが高く、伸度半減期が短くなり、耐加水分解性において不十分であった。
比較例6においては、リン酸アルカリ金属化合物の添加量を、得られるポリエステル組成物に対し、3.1mol/tonとしたことにより、ΔCOOHが高く、伸度半減期が短くなったと共に白色異物量、フィッシュアイが増加し、耐加水分解性、白色異物ともに不十分であった。
比較例11においては、リン酸アルカリ金属化合物を添加しなかったことにより、ΔCOOHが高く、伸度半減期が短くなり、耐加水分解性において不十分であった。
(比較例7、8)
リン酸の添加量を変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物、二軸延伸フィルムを得た。結果を表1および表2に示す。
比較例7においては、リン酸の添加量を、得られるポリエステル組成物に対し、1.4mol/tonとしたことにより、ΔCOOHが高く、伸度半減期が短くなり、耐加水分解性が不十分であった。
比較例8においては、リン酸の添加量を、得られるポリエステル組成物に対し、5.1mol/tonとしたことにより、ジエチレングリコールの量が増えると共にΔCOOHが高く、伸度半減期が短くなり、耐加水分解性が不十分であった。
(比較例9、10)
リン酸二水素ナトリウム2水和物エチレングリコール溶液の濃度を変更する以外は、実施例1と同様にしてポリエステル組成物、二軸延伸フィルムを得た。結果を表1および表2に示す。
比較例9においては、リン酸二水素ナトリウム2水和物/エチレングリコール溶液の濃度が濃くなることにより、白色異物が増え、フィッシュアイが見られ、不十分であった。
比較例10においては、溶媒としてのエチレングリコールの量が増え、エステル化反応の時間が長くなり、ジエチレングリコールの量が増えると共にΔCOOHが高く、伸度半減期が短くなり、耐加水分解性が不十分であった。また、生産性が低下した。
(比較例12)
リン酸アルカリ金属化合物を添加せず、また、固相重合反応をせずに固有粘度0.70とする以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物、二軸延伸フィルムを得た。結果を表1および表2に示す。
比較例12においては、リン酸アルカリ金属化合物を添加せず、また、固相重合反応をせずに固有粘度0.70としたことにより、ΔCOOHが高く、伸度半減期が短くなり、耐加水分解性において不十分であった。
(比較例13)
参考例2に示す回分式の製造方法を用いてポリエステル組成物、二軸延伸フィルムを得た。結果を表1および表2に示す。回分式で製造することにより、エステル化反応物のエステル化反応率および温度が増加し、白色異物が増え、フィッシュアイが見られ、不十分であった。
Figure 0006146039
Figure 0006146039

Claims (9)

  1. ジカルボン酸成分とジオール成分とをエステル化反応し、次いで重縮合反応を行い、連続的にポリエステルを製造するに際して、エステル化反応率が90〜95%、温度が230〜240℃であるエステル化反応物に、得られるポリエステル組成物に対して1.0〜3.0mol/tonのリン酸アルカリ金属化合物0.20〜0.50wt%オール溶液として、1.5〜5.0mol/tonのリン酸とともに、連続的に添加し、重縮合触媒の存在下、重縮合反応することを特徴とするポリエステル組成物の製造方法。
  2. リン酸アルカリ金属化合物がリン酸二水素ナトリウムであること特徴とする請求項1に記載のポリエステル組成物の製造方法。
  3. ジカルボン酸成分に対するジオール成分のモル比率が1.05〜1.30であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリエステル組成物の製造方法。
  4. リン酸アルカリ金属化合物およびリン酸をジオール溶液とし、リン酸アルカリ金属化合物およびリン酸のジオール溶液のpHが3〜5であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリエステル組成物の製造方法。
  5. リン酸アルカリ金属化合物およびリン酸を添加する前に金属元素がアルカリ金属、アルカリ土類金属、マンガンより選ばれる少なくとも1種の金属塩をエステル化反応物に添加することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリエステル組成物の製造方法。
  6. マンガンの金属塩が酢酸マンガンであり、2.0〜5.0wt%のジオール溶液として添加することを特徴とする請求項5項に記載のポリエステル組成物の製造方法。
  7. 酢酸マンガンのジオール溶液の温度を5〜25℃で保持しながら添加することを特徴とする請求項6項に記載のポリエステル組成物の製造方法。
  8. 重縮合反応の最終到達温度が275〜285℃であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリエステル組成物の製造方法。
  9. 重縮合反応で得られたポリエステル組成物を、引き続き固相重合反応することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリエステル組成物の製造方法。
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