JP2015040277A - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

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崇光 本白水
Takamitsu Motoshiromizu
崇光 本白水
麻由美 松本
Mayumi Matsumoto
麻由美 松本
朋也 灘波
Tomoya Namba
朋也 灘波
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Abstract

【課題】耐熱性および耐加水分解性に優れたポリエステル樹脂組成物を提供する。
【解決手段】式(I)で表されるジオール成分を全酸成分のモル数を基準として、5モル%以上85モル%以下の範囲で共重合し、金属元素の残存量Mとリン元素の残存量Pのモル比が式(II)の関係を満たし、融点が260℃以下であるポリエステル樹脂組成物。
HOHC−A−CHOH (I)
(式中、Aは置換されていてもよいアリーレン基を示す。)
0.5 ≦ M/P ≦ 1.5
M=(M+M/2)
は二価の金属、Mは一価の金属残存量をそれぞれ示す。 (II)

【選択図】なし

Description

本発明は耐熱性及び耐加水分解性に優れるポリエステル組成物に関するものである。
ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートは、その優れた機械的、力学的および化学的特性から、衣料用、産業用等の繊維や、磁気テープ用、表面コーティング用等のフィルム、およびタイヤコード、ネット等の産業用等に広く使用されている。しかしながら、高温下では熱分解することにより、分子鎖が切れ、機械的、力学的、化学的特性が低下する。また、高湿度下では、ポリエステル中のエステル結合が水により加水分解し、エステル結合が切れることで、その機械的、力学的、化学的特性が低下する。これら熱分解や加水分解を抑制するため、様々な検討が行われてきた。例えば、電絶用途や太陽電池用バックシート用途において、耐熱性や耐加水分解性の良好なフィルムが求められている。
耐熱性を向上させる方法として、特許文献1、2には無機粒子や有機核剤を添加し、結晶性を向上させる方法が示されているが、これらは異物の発生や濁度の上昇を伴うため、透明性が低下する。また、ポリカーボネートなどの高耐熱性ポリマーをブレンドする方法が、特許文献3には示されているが、これらの方法はリサイクル性に問題がある。
耐加水分解性を向上させる方法として、特許文献4、5にはPETの末端COOHを封鎖して耐加水分解性を向上させる方法が示されているが、末端封鎖剤の添加はコストが高くなるという問題点がある。
特開昭56−002342号公報 特開昭57−125246号公報 特開昭57−061531号公報 中国特許出願公開第1312327号明細書 国際公開第83/1253号
本発明の目的は、上記した従来の課題を解決し、耐熱性および耐加水分解性に優れたポリエステル樹脂組成物を提供することにある。
すなわち本発明の目的は、式(I)で表されるジオール成分が、全酸成分を基準として、5モル%以上85モル%以下の範囲で共重合されており、組成物に含まれる金属元素の残存量Mとリン元素の残存量Pのモル比が、式(II)で表される関係を満たし、融点が260℃以下であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物により達成される。
HOHC−A−CHOH (I)
(式中、Aは置換されていてもよいアリーレン基を示す。)
0.5 ≦ M/P ≦ 1.5
M=(M+M/2)
は二価の金属、Mは一価の金属残存量をそれぞれ示す。 (II)
本発明によれば、耐熱性および耐加水分解性に優れたポリエステル樹脂組成物を提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、全酸成分のモル数を基準として、式(I)に表されるジオールが5モル%以上85モル%以下の範囲で共重合されており、組成物における金属原子の残存量Mとリン原子の残存量Pのモル比が、式(II)で表される関係を満たし、融点が260℃以下である組成物である。
HOHC−A−CHOH (I)
(式中、Aは置換されていてもよいアリーレン基を示す。)
0.5 ≦ M/P ≦ 1.5
M=(M+M/2)
は二価の金属、Mは一価の金属残存量をそれぞれ示す。 (II)

本発明におけるジカルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸、鎖状脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸など種々のジカルボン酸成分を用いることが出来る。その中でも、ポリエステル組成物の機械的特性、耐熱性、耐湿熱性の観点から、芳香族ジカルボン酸であることが好ましい。特には、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸が重合性、機械的特性から好ましい。
本発明における共重合成分以外のジオール成分としては、各種ジオールを用いることができる。例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジオール、脂環式ジオールとしてはシクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジエタノール、デカヒドロナフタレンジメタノール、デカヒドロナフタレンジエタノール、ノルボルナンジメタノール、ノルボルナンジエタノール、トリシクロデカンジメタノール、トリシクロデカンエタノール、テトラシクロドデカンジメタノール、テトラシクロドデカンジエタノール、デカリンジメタノール、デカリンジエタノールなどの飽和脂環式1級ジオール、2,6−ジヒドロキシ−9−オキサビシクロ[3,3,1]ノナン、3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(スピログリコール)、5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサン、イソソルビドなどの環状エーテルを含む飽和ヘテロ環1級ジオール、その他シクロヘキサンジオール、ビシクロヘキシル−4,4’−ジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシルプロパン)、2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)シクロヘキシル)プロパン、シクロペンタンジオール、3−メチル−1,2−シクロペンタジオール、4−シクロペンテン−1,3−ジオール、アダマンジオールなどの各種脂環式ジオールや、ビスフェノールA、ビスフェノールS,スチレングリコール、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどの芳香環式ジオールが例示できる。またジオール以外にもトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多官能アルコールも用いることができる。
この中で、沸点230℃以下のジオールであることが好ましく、脂肪族ジオールが好ましい。その中でも、例えば、組成物をフィルムにした際の伸度および柔軟性といった機械的特性の観点からエチレングリコールが特に好ましい。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物は、良好な耐熱性を付与するために、式(1)に示すジオール化合物が全酸成分を基準として、5モル%以上85モル%以下の範囲で共重合されていることが必要である。アリーレン基は置換されていてもよく、例えば、パラキシレングリコールや、(2−メチル−1,4−フェニレン)ジメタノールや(2,5−ジメチル−1,4フェニレン)ジメタノールなどのベンゼン環上もしくはアルキル置換基を持つジオール、[1,1’−ビフェニル]−2,5ジイルジメタノールなどのベンゼン環上の一部がアリール基で置換されたジオールや、(2−ブロモ−1,4−フェニレンジ)メタノールなどのハロゲンで置換されたジオールなどの、各種ジオールが例示できる。この中で、入手のしやすさや耐熱性、および成形物の柔軟性の観点から、式(III)に示すパラキシレングリコールが特に好ましい。
Figure 2015040277
また、共重合成分として使用する式(I)に示すジオールの共重合量としては、全酸成分を基準として、5モル%以上85モル%以下の範囲であることが、良好な耐熱性を付与し、かつフィルム等に成形した際に適度な柔軟性を持たせるために必要である。共重合量の下限は5モル%以上であることが必要であり、好ましくは10モル%以上、より好ましくは25モル%以上、さらに好ましくは40モル%以上である。また、共重合量の上限は、85モル%以下であることが必要であり、好ましくは80モル%以下、より好ましくは65モル%以下、さらに好ましくは55モル%以下である。
本発明のポリエステル樹脂組成物においては、耐熱性および耐加水分解性向上の点から、組成物中の金属原子残存量とリン元素残存量のモル比M/Pが、前述の式(II)の関係を満たすことが必要である。M/Pの下限は、0.5以上であることが必要であり、好ましくは0.6以上、より好ましくは1.0以上である。また、M/Pの上限は1.5以下であることが必要であり、好ましくは1.4以下、より好ましくは1.2以下である。
式(I)のジオール成分を共重合させることは、耐熱性および耐加水分解性のうち、特に耐熱性向上に大きく寄与する。また、式(II)を満たすことは、両特性のうち、特に耐加水分解性の向上に大きく寄与する。耐熱性を向上させることによって、熱分解を抑制できるため、組成物の初期COOH末端基量を低下させることができる。加えて、耐加水分解性は初期COOH末端基量に依存することから、耐熱性を向上させることは、結果的に耐加水分解性の向上にもつながる。そのため、本発明のポリエステル樹脂組成物は、式(I)と式(II)を組み合わせることによって、耐熱性と耐加水分解性を格段に向上させることができる。したがって、両特性の要求の厳しい「太陽電池用バックシートフィルム用途」に特に好ましく適用することが可能となる。
さらに、本発明のポリエステル樹脂組成物は、融点が260℃以下であることが必要である。融点を260℃以下にすることで、フィルムを例にとると、好ましい範囲の柔軟性としてヤング率が3〜6GPaの範囲にあるフィルムを作成するのに好適な組成物となる。融点の下限については特に限定されないが、フィルム製膜の際の熱固定時などに溶融が起きないように230℃以上であることが好ましい。
このとき、ポリエステル樹脂組成物中に含まれる金属元素Mとしては、耐加水分解性の点から、二価の金属Mである、Ca、Mg,Mn、Coから、一価の金属Mである、Li、Na、Kの中から選ばれることが好ましい。二価の金属Mおよび一価の金属Mは、両方もしくはどちらか一方だけを含まれていても構わないが、二価の金属M2と一価のM1をそれぞれ一種類ずつ組み合わせて含まれていることがより好ましい。
本発明のポリエステルは、耐熱性及び耐加水分解性向上のために、リン化合物を含有していることが必要である。該ポリエステルの総量に対してリン元素の含有量の下限は5ppm以上であることが好ましく、より好ましくは20ppm以上、さらに好ましくは40ppm以上である。また、リン含有量の上限は200ppm以下であることが好ましく、より好ましくは170ppm以下、さらに好ましくは130ppm以下である。上記範囲にすることで、重合遅延などを起こすことなく、耐熱性及び耐加水分解性の優れたポリエステル樹脂組成物を得ることが可能である。
リン化合物は特に限定しないが、リン酸、トリメチルホスフェート、トリメチルホスホノアセテート、フェニルホスホン酸ジメチル、またそれらの金属塩などが挙げられる。その中でも、耐加水分解性の観点から、リン酸とリン酸金属塩を併用することが好ましい。
リン酸金属塩としては、特に限定しないが、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸二水素リチウム、リン酸水素二リチウム、リン酸三リチウムが挙げられる。その中でもリン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウムが耐加水分解性の点から好ましい。
リン酸金属塩の添加量の下限としては、該ポリエステル樹脂組成物に対して、リン元素量として、7ppm以上であることが好ましく、より好ましくは20ppm以上、さらに好ましくは30ppm以上である。また、リン酸金属塩添加量の上限としては、該ポリエステル樹脂組成物に対して、リン元素量として、210ppm以下であることが好ましく、より好ましくは150ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下である。
耐熱性は、該ポリエステル樹脂組成物を窒素雰囲気下で溶融したときのIVの低下量およびCOOH末端基増加量で評価する。このときのIV低下量が少ないほど、またCOOH末端基増加量が少ないほど、溶融時の熱劣化による分子鎖の切断が少ない耐熱性が良好なポリマーである。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、窒素雰囲気下、300℃で60分溶融したときのCOOH末端基増加量ΔCOOHおよびIV低下量ΔIVが式(IV),(V)を満たすことが好ましい。ΔCOOHとして、より好ましくは25.0(eq/ton)以下であり、さらに好ましくは15.0(eq/ton)以下である。また、ΔIVとして、より好ましくは0.07以下であり、さらに好ましくは0.06以下である。この範囲を満たすことで、高耐熱性が要求される電絶フィルム用途や太陽電池用フィルムなどに好適なポリエステル樹脂組成物を得ることが可能となる。
ΔCOOH ≦ 30(eq/t) (IV)
ΔIV≦ 0.08 (V)
耐加水分解性の評価としては、155℃、100%RHで4時間処理したときのCOOH末端基増加量ΔCOOHで評価する。ΔCOOHの値の上限としては35.0(eq/t)であることが好ましく、より好ましくは、33.0(eq/t)であり、さらに好ましくは30.0(eq/t)である。
本発明のポリエステル樹脂組成物の製造方法について、以下に具体例を挙げるが、これに限定されるものではない。なお、ポリエステルを製造するための装置、技術プロセスは通常用いられる装置であればどのような装置とプロセスであっても構わない。
255℃にて溶解したビスヒドロキシエチルテレフタレートが仕込まれたエステル化反応器に、テレフタル酸、エチレングリコール(テレフタル酸に対し1.15倍モル)のスラリーをスネークポンプにて徐々に添加し、エステル化反応を進行させる。反応系内の温度は245〜255℃になるようにコントロールし、反応率が95%に到達した段階でエステル化反応を終了とする。
こうして得られた255℃のエステル化反応物に、金属塩、および重縮合触媒を添加し、式(I)の共重合ジオール成分、リン化合物を添加する。これらの操作の際は、エステル化物が固化しないように、系内の温度を240〜255℃に保つことが好ましい。
その後、重合装置内温度を徐々に290℃まで昇温しながら、重合装置内圧力を常圧から133Pa以下まで徐々に減圧してエチレングリコールを留出させる。このとき、ポリエステル組成物のCOOH末端基量をより低くしたい場合は、重合温度を低く設定すると良い。所定の撹拌トルクに到達した段階で反応を終了とし、反応系内を窒素にて常圧にし、冷水にストランド状に吐出、カッティングし、ペレット状のポリエステル樹脂組成物を得ることができる。
本発明のポリエステル組成物の製造に用いられる触媒は公知のエステル交換触媒、重縮合触媒、助触媒を用いることが出来る。例えば、重合触媒としてはアンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、チタン化合物、アルミニウム化合物が挙げられる。また、エステル交換触媒及び助触媒としては、有機マンガン化合物、有機マグネシウム化合物、有機カルシウム化合物、有機コバルト化合物、有機リチウム化合物などが好ましく使用される。
重縮合触媒としては、重合安定性、製造コストおよび組成物の耐熱性の観点から、アンチモン化合物が好ましく、より好ましくは三酸化二アンチモン、五酸化二アンチモン、さらに好ましくは三酸化二アンチモンである。アンチモン元素の添加量は、ポリエステル総量対して80ppm以上500ppm以下であることが高い触媒効果とポリエステル中異物抑制の点から好ましく、さらに好ましくは200ppm以上400ppm以下である。
エステル交換触媒及び助触媒としては、耐熱性及び耐加水分解性の点から、有機マンガン化合物、有機カルシウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機コバルト化合物が好ましく、より好ましくは有機マンガン化合物である。有機マンガン化合物は、酢酸マンガン、安息香酸マンガンが好ましく、さらに好ましくは酢酸マンガンである。 エステル交換触媒及び助触媒の添加量は、耐加水分解性及び耐熱性、また反応性の点から、ポリエステル樹脂組成物総量対して金属元素として30ppm以上200ppm以下であり、好ましくは100ppm以上190ppm以下である。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、目的に応じて固相重合を実施しても構わない。固相重合は、ポリエステル樹脂組成物の融点−30℃以下、融点−60℃以上の温度で、真空度0.3Torr以下で行うことが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物から以下の方法でフィルムを製造することができる。すなわち、ペレット状ポリエステル樹脂組成物を130℃で真空乾燥7hrして、窒素雰囲気下で押出機に供給する。押出温度280℃でTダイから吐出させ、キャスティングドラム(20℃)にて急冷し、静電印加法にてシート化する。その後、110℃の温度条件で2〜5倍率の縦延伸を実施し、後に210℃の条件で3〜6倍率の横延伸を実施する。そのあと、200℃〜250℃で数秒の熱セットを実施して二軸延伸フィルムを得る。
以下実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の物性値は以下の方法で測定した。
(1)ポリマー中のアルカリ金属含有量
原子吸光法(日立製作所製:偏光ゼーマン原子吸光光度計180−80。フレーム:アセチレン−空気)にて定量を行った。
(2)ポリマー中のリン量及び2価金属元素量
理学電機(株)製蛍光X線分析装置(型番:3270)を用いて測定した。
(3)ポリエステルの固有粘度(IV)
o−クロロフェノール溶媒を用い、25℃で測定した。
(4)ポリエステルのCOOH量
Mauliceの方法によって測定した。(文献 M.J.Maulice, F.Huizinga, Anal.Chem.Acta, 22 363 (1960))
(5)融点(Tm)
JIS−K7121(制1987)に準じ、下記測定機を用いて2サイクル目の昇温時に得られたチャートにてTmを算出した。
装置:示差走査熱量計 DSCQ100型(TAインスツルメント社製)
測定条件:窒素雰囲気下
測定範囲:50〜280℃
サンプル重量:10mg(TAインスツルメント社製アルミパン使用)
温度プログラム:
1サイクル目 室温→昇温(16℃/分)→50℃2分保持→昇温(16℃/分)→ 280℃5分保持→電気炉外に取りだし液体窒素にて急冷(2分冷却)→室温まで昇温(5分放置)
2サイクル目 50℃2分保持→昇温(16℃/分)→280℃→降温(16℃/分)→25℃
(6)耐熱性
150℃で3hr真空乾燥し、その後180℃で7.5hr真空乾燥したペレット状のポリエステル樹脂組成物を、窒素雰囲気下、300℃で60分溶融した。この処理前後のIV及びCOOH末端基量を測定し、耐熱性評価を実施した。
ΔCOOH =|COOH(処理後)−COOH(処理前)|
ΔIV = |IV(処理後)−IV(処理前)|
ΔCOOH及びΔIVが低いほど、耐熱性が良好である。
(7)耐加水分解性
ペレット状のポリエステル組成物を155℃、100%RHで4時間加熱処理し、処理前後のCOOH末端基量の差(処理後COOH末端基量−処理前COOH末端基量)を比較した。この時のCOOH末端基量の差(ΔCOOH)が、低いほど、耐加水分解性が良好である。なお、処理装置は次の加熱処理装置を使用した。PRESSER COOKER 306SIII(HIRAYAMA製作所(株)製)
(8)ヤング率
ASTM−D882(1997)に従い、23℃、65%RHにて、サンプル:1cm×20cm、引張速度200mm/分の条件で測定を行った。
(実施例1)
255℃にて溶解したビスヒドロキシエチルテレフタレート105重量部が仕込まれたエステル化反応器に、テレフタル酸86重量部とエチレングリコール37重量部(テレフタル酸に対し1.15倍モル)からなるスラリーを徐々に添加し、エステル化反応を進行させる。反応系内の温度は245〜255℃になるようにコントロールし、反応率が95%に到達した段階でエステル化反応を終了とする。
こうして得られた255℃のエステル化反応物105重量部(PET100重量部相当)に、酢酸マンガン4水和物0.07重量部、および三酸化二アンチモン0.03重量部を添加し、5分攪拌する。その後、パラキシレングリコールを45モル%添加する。5分攪拌後、リン酸0.019重量部/リン酸二水素ナトリウム二水和物0.026重量部/エチレングリコール1.6重量部の混合物を添加し、重合装置に移送した。
その後、重合装置内温度を徐々に290℃まで昇温しながら、重合装置内圧力を常圧から133Pa以下まで徐々に減圧してエチレングリコールを留出させる。固有粘度0.7相当の溶融粘度に到達した時点で、反応を終了とし、反応系内を窒素ガスにて常圧にし、重合装置下部より冷水にストランド状に吐出、カッティングし、ペレット状のポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の特性を表1に示す。
実施例1にて得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐熱性および耐加水分解性を有していた。
(実施例2〜4、比較例1〜2)
M/Pの値をそれぞれ所定の値になるように、金属塩およびリン化合物の添加量を変更した以外は、実施例1と同様にポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の特性を表1に示す。
実施例2〜4で得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐熱性および耐加水分解性を有していた。
比較例1にて得られたポリエステル樹脂組成物は、M/Pの値が高いため、十分な耐熱性および耐加水分解性が得られなかった。
比較例2にて得られたポリエステル樹脂組成物は、M/Pの値が低いため、十分な耐熱性および耐加水分解性が得られなかった。
(実施例5〜10)
リン酸金属塩およびリン化合物の種類、添加量を変更した以外は、実施例1と同様にポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の特性を表1に示す。
実施例5〜10にて得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐熱性と耐加水分解性を有していた。
Figure 2015040277
(実施例11、12)
使用するリン酸金属塩の種類を変更した以外は、実施例1と同様にポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の特性を表2に示す。
実施例11、12にて得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐熱性と耐加水分解性を示した。
(実施例13〜15、17)
使用する金属塩の種類を変更した以外は、実施例1と同様にポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の特性を表2に示す。
実施例13〜15、17にて得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐熱性と耐加水分解性を有していた。
(実施例16)
使用する触媒をテトラブトキシチタンに変更した以外は、実施例1と同様にポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の特性を表2に示す。
実施例16にて得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐熱性と耐加水分解性を有していた。
(実施例18)
使用する触媒を二酸化ゲルマニウムに変更した以外は、実施例1と同様にポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の特性を表2に示す。
実施例18にて得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐熱性と耐加水分解性を有していた。
Figure 2015040277
(実施例19〜24、比較例3,4)
ジオール化合物の共重合量を変更した以外は、実施例1と同様にポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の特性を表3に示す。
実施例19〜24にて得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐熱性と耐加水分解性を有していた。
比較例3にて得られたポリエステル樹脂組成物は、アリーレン基を持つジオール化合物を共重合していないために、十分な耐熱性が得られなかった。
比較例4にて得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐熱性が得られたものの、融点が260℃を越えており、該樹脂組成物を用いて作成したフィルムのヤング率が高く、フィルムの柔軟性が不十分であった。
(実施例25,26)
共重合するジオール化合物をそれぞれ、式(VI)、(VII)に変更した以外は、実施例1と同様にポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の特性を表3に示す。
実施例25,26にて得られたポリエステル樹脂組成物は、十分な耐熱性と耐加水分解性を有していた。
Figure 2015040277
Figure 2015040277
Figure 2015040277
本発明のポリエステル樹脂組成物は、繊維や各種フィルム用途に用いることができるが、耐熱性および耐加水分解性が要求される、太陽電池用バックシートフィルムや電絶用フィルムに特に好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 式(I)で表されるジオール成分が、全酸成分のモル数を基準として、5モル%以上85モル%以下の範囲で共重合されており、組成物に含まれる金属元素の残存量Mとリン元素の残存量Pのモル比が、式(II)で表される関係を満たし、融点が260℃以下であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
    HOHC−A−CHOH (I)
    (式中、Aは置換されていてもよいアリーレン基を示す。)
    0.5 ≦ M/P ≦ 1.5
    M=(M+M/2)
    は二価の金属、Mは一価の金属残存量をそれぞれ示す。 (II)
  2. 式(I)の共重合成分が式(III)であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
    Figure 2015040277
  3. 金属元素が二価のCa、Mg,Mn、Coから、一価のLi、Na、Kの中から選ばれることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリエステル樹脂組成物。
  4. 窒素雰囲気下、300℃で60分溶融したときのCOOH末端基増加量ΔCOOHおよびIV低下量ΔIVが式(IV)、(V)を満たすことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
    ΔCOOH ≦ 30.0(eq/t) (IV)
    ΔIV≦ 0.08 (V)
JP2013173177A 2013-08-23 2013-08-23 ポリエステル樹脂組成物 Pending JP2015040277A (ja)

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