JP6136125B2 - カップ型紙容器 - Google Patents

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Description

本発明は、カップ形状の紙容器に関し、特に蓋材をシールするためのフランジ部の段差を少くしたカップ型紙容器に関する。
紙カップの開口部を平らに潰してフランジ部を形成し、ここに蓋材をシールして密封容器とした紙容器が、飲料などを収納する用途を中心として広く用いられている。飲料を収納した場合、蓋材を剥離するか、あるいは蓋材にストローを突き刺してそのままカップとして飲用に供することができるため、使い勝手が良いものである。
一時的な使用を前提とした使い捨て用の紙カップでは、紙の端面が内容物に接触しても大きな問題とはならないが、保存を伴う紙容器として用いる場合には、内容物が紙の端面から浸み込まないようにするために、少なくとも容器の内側の端面は、何らかの方法で保護する必要がある。
本出願人の出願になる特許文献1に記載された耐水容器の製造方法は、この課題を解決するためになされたものである。容器の接合部の一方の継目端部に相当する部分の板紙に窓を開けておき、窓部を含む板紙全面に熱可塑性樹脂フィルムを積層し、ブランク形状に切り出した後、この窓部のフィルムをブランクの紙の端部に折り返して端面を保護するものである。
一方、カップ型紙容器においては、扇形に切り抜いたブランクを筒状に丸めて、左右両端部を接合し、上端を外側にカールさせて丸め、さらに押し潰すことによってフランジ部が形成されるが、単純な扇形のブランクを使用すると胴部の接合部において紙厚が厚くなるため、フランジ部に段差が生じる。フランジ部に段差が存在すると、蓋材をシールした時にこの段差部分にシール不良を生じ易いという問題がある。
本出願人の出願になる特許文献2に記載されたカップ状紙容器およびその製造方法は、このフランジ部の段差を少なくする目的でなされたものであり、扇形の胴部ブランクの側端部上部を三角形に切り欠くことにより、フランジ部における紙の重なりを少なくし、フランジ部の段差を減少させたものである。
特公昭58-43264号公報 特開2008-222244号公報
特許文献2に記載された方法によれば、フランジ部の段差は相当改善されるが、一方でカップ型容器に、長期に亘る保存性や、レトルト適性を付与しようとした場合、紙基材に積層する熱可塑性樹脂層が、ガスバリア層などを含む複雑な構成となるため、積層体の総厚が厚くなり、フランジ部の段差が改めて問題となってきた。
本発明の解決しようとする課題は、フランジ部を有するカップ型紙容器において、フランジ部上面の段差がより改善されたカップ型紙容器を提案するものである。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、紙層と、この紙層の両面に設けられた熱可塑性樹脂層を有する胴部形成用ブランクから形成された筒状の胴部と;
紙層と、この紙層の両面に設けられた熱可塑性樹脂層を有し、前記胴部の下方の開口をシールする底面部と;
前記胴部の上方の開口をシールする蓋材と;
前記胴部は、胴部形成用ブランクの両側端縁同士が、紙層が重なるように、重ね合わされてシールされた胴部貼り合わせ部と、
前記胴部の下端部が内側に折り返されている状態の下部折り返し部と、
前記胴部の上端部が外側に1回以上巻き込まれており、かつ、平らに押し潰された形状のフランジ部と、
を有し、
前記フランジ部と前記蓋材とは、開封可能にシールされており、
前記底面部は、下方に折り曲げられた周縁部を有し、
前記胴部の下部折り返し部に、前記底面部の周縁部が差し込まれた状態で、前記胴部の下端部と、前記底面部の周縁部とが密着シールされてボトムスリーブを形成したカップ型紙容器であって、
前記胴部貼り合わせ部における胴部形成用ブランクの、容器の内側となる側端縁において、紙層の側端縁よりも延設された前記熱可塑性樹脂層が、紙層の側端縁よりも紙層の厚さの0.8倍〜10倍の距離だけ離れた位置で容器外側に折り返されており、しかも、この紙層の側端縁と折り返し位置との間の熱可塑性樹脂層がフランジ部の段差を埋められていることでフランジ部の上面が平坦となっており、
かつ、容器の内面側の熱可塑性樹脂層が、シリカを蒸着したポリエチレンテレフタレートフィルムから成るガスバリア層を含むことを特徴とするカップ型紙容器である。
本発明に係るカップ型紙容器は、胴部貼り合わせ部における胴部形成用ブランクの、容器の内側となる側端縁において、紙層の側端縁よりも延設された前記熱可塑性樹脂層が、紙層の側端縁よりも離れた位置で容器外側に折り返されているので、胴部貼り合わせ部において、熱可塑性樹脂層が余分に存在することになる。そのため、フランジ部を形成する際に、段差部分にこの余分な熱可塑性樹脂層が溶融して入り込む結果、段差が埋められてフランジ部が平坦に仕上がるのである。
また、請求項2に記載の発明は、前記胴部貼り合わせ部において、胴部形成用ブランクの、容器の外側となる側端縁が前記熱可塑性樹脂層によって覆われており、
前記胴部の下端部が前記下部折り返し部を有すると共に、この下部折り返し部の先端がさらに前記底面部の周縁部に向かって折り返されており、この下端部が密着シールされていることを特徴とする請求項1に記載のカップ型紙容器である。
請求項2に記載の発明によると、胴部貼り合わせ部とボトムスリーブ部において、紙容器の外側に紙の端面が露出しない構造となるため、紙容器の外側の耐水性が向上し、紙容器にレトルト適性を付与することもできる。
本発明に係るカップ型紙容器は、胴部貼り合わせ部の容器内面側において、紙層の端面よりも延設された熱可塑性樹脂層を紙層の端面を保護するために容器外側方向に折り返す際に、紙層の側端縁よりも紙層の厚さの0.7倍〜10倍の距離だけ離れた位置で折り返すことにより、紙層の端面位置に余分な樹脂をもたらす結果、この余分な樹脂がフランジ部の段差に埋まることによって平坦なフランジ部を安定して得ることが可能となった。
また請求項2に記載の発明によれば、容器の外側に位置するすべての紙層の端面が樹脂層によって保護されるか、または内部に巻き込まれて外部に露出しない構造となるため、
紙容器に内容物を充填した後に、容器全体をレトルト殺菌することが可能となる。また冷凍食品を収納した容器を解凍したような場合であっても、十分な耐水性が確保される。
またさらに、請求項3に記載の発明のように、容器の内面側の熱可塑性樹脂層が、ガスバリア層を含む場合においては、適当な殺菌方法と併用することにより、長期保存が可能な容器とすることができる。
図1は、本発明に係るカップ型紙容器の基本的な実施態様を示した斜視図である。 図2(1)は、図1のA−A’断面を示した断面模式図である。図2(2)は、胴部の拡大断面模式図である。図2(3)は、底面部の拡大断面模式図である。 図3(1)は、図1のB−B’断面を示した断面模式図である。図3(2)は、胴部貼り合わせ部の拡大断面模式図である。 図4は、本発明に係るカップ型紙容器の胴部形成用ブランクと底面形成用ブランクを示した平面模式図である。 図5は、フランジ部の成形過程を示した説明図であり、(1)は胴部形成用ブランクの側端縁同士を貼り合せて胴部貼り合わせ部を形成した状態を示した説明図である。(2)は、胴部の上端部をカールした状態を、(3)は、これを押し潰してフランジ部を成形した状態をそれぞれ示した断面模式図である。 図6は、図1のC−C’断面すなわち、胴部貼り合わせ部を含むフランジ部の縦断面を示した断面模式図である。 図7は、胴部形成用ブランクの側端縁に熱可塑性樹脂層を形成する方法を示した説明図である。 図8は、本発明に係るカップ型紙容器の他の実施態様を示した断面模式図である。 図9は、図8に示した実施態様における胴部貼り合わせ部の状態を示した断面模式図である。 図10は、紙容器を構成する積層体の他の実施態様を示した断面模式図である。 図11は、従来のカップ型容器の構造を示した断面模式図であり、(1)は、胴部貼り合わせ部の構造を、また(2)は胴部貼り合わせ部を含むフランジ部の縦断面を示した断面模式図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係るカップ型紙容器について詳細に説明する。
図1は、本発明に係るカップ型紙容器の基本的な実施態様を示した斜視図である。また図2(1)は、図1のA−A’断面を示した断面模式図である。図2(2)は、胴部の拡大断面模式図である。図2(3)は、底面部の拡大断面模式図である。図3(1)は、図1のB−B’断面を示した断面模式図である。図3(2)は、胴部貼り合わせ部の拡大断面模式図である。図4は、本発明に係るカップ型紙容器の胴部形成用ブランクと底面形成用ブランクを示した平面模式図である。以下これらの図を主に参照しながら説明する。
本発明に係るカップ型紙容器(1)は、紙層(2)と、この紙層(2)の容器外面側に設けられた熱可塑性樹脂層(3a)と容器内面側に設けられた熱可塑性樹脂層(3b)を有する胴部形成用ブランク(20b)から形成された筒状の胴部(20)と;
紙層(2)と、この紙層の両面に設けられた熱可塑性樹脂層(3a)、(3b)を有し、胴部(20)の下方の開口をシールする底面部(30)と;
胴部(20)の上方の開口をシールする蓋材(10)とを備えている。
胴部(20)は、胴部形成用ブランク(20b)の両側端縁(21a)、(21b)同士が重ね合わされてシールされた胴部貼り合わせ部(21c)と、胴部(20)の下端部(22)を内側に折り返すことにより形成された下部折り返し部(22a)と、胴部(20)の上端部(23)を外側に1回以上巻き込んでから平らに押し潰して形成されたフランジ部(FL)とを有する。
フランジ部(FL)と蓋材(10)とは、開封可能にシールされている。
底面部(30)は、下方に折り曲げられた周縁部(31)を有し、胴部(20)の下部折り返し部(22a)に、底面部の周縁部(31)が差し込まれた状態で、胴部の下端部(22)と、底面部の周縁部(31)とが密着シールされてボトムスリーブ(BS)を形成したカップ型紙容器である。
本発明に係るカップ型紙容器は、前記胴部貼り合わせ部(21c)における胴部形成用ブランク(20b)の、容器の内側となる側端縁(21b)において、紙層の側端縁(21e)よりも延設された熱可塑性樹脂層が、紙層の側端縁(21e)よりも離れた位置(3h)で容器外側に折り返されていることを最大の特徴とする。
図3(2)、図4に示したように、紙層の側端縁(21e)よりも延設された熱可塑性樹脂層が、紙層の側端縁(21e)よりも離れた位置(3h)で容器外側に折り返されていることにより、紙層の側端縁(21e)と折り返し位置(3h)までの距離(L)に相当する熱可塑性樹脂層が、余分に存在することになる。なお図4は、胴部形成用ブランク(20b)を積層体の容器の内側となる面から見た図である。
図5は、フランジ部(FL)の成形過程を示した説明図であり、図5(1)は胴部形成用ブランク(20b)の側端縁同士(21a)、(21b)を貼り合せて胴部貼り合わせ部(21c)を形成した状態を示した説明図である。また図5(2)は、胴部の上端部(23)をカールした状態を、図5(3)は、これを押し潰してフランジ部(FL)を成形した状態をそれぞれ示した断面模式図である。なお図5(1)は、容器の外側面から見た図であり、煩雑を避けるため外側の熱可塑性樹脂層(3a)を省略している。
図5(1)には、胴部形成用ブランク(20b)のどの位置が最終的にフランジ部(FL)のフランジ部外縁(23a)およびフランジ部内縁(23b)となるかを一点鎖線で示してある。この例では、胴部の上端部(23)は、1回巻き込んでいるので、折られる位置は2箇所であり、フランジ部(FL)は、積層体が2重に重なった状態になっている。
フランジ部(FL)において、蓋材(10)とのシールを完全にするためには、少なくともフランジ部(FL)の上面は平坦にする必要があるが、カールした胴部の上端部(23)を押し潰してフランジ部(FL)を成形する際、このフランジ部上面には、積層体の内側の熱可塑性樹脂層(3b)が現れる。この時、胴部貼り合わせ部(21c)の容器内側の段差(24)がフランジ部上面に現れる。
図11は、従来のカップ型容器の構造を示した断面模式図であり、図11(1)は、胴部貼り合わせ部(21c)の構造を、また図11(2)は胴部貼り合わせ部を含むフランジ部(FL)の縦断面を示した断面模式図である。
従来のカップ型容器においても、胴部貼り合わせ部(21c)において、容器の内側となる紙層の側端縁(21e)を保護するために熱可塑性樹脂層(3b)を容器の外側に向かって巻き込むことが行われていたが、これは単に紙層の端面を保護する目的で行われるため、図のように紙層の側端縁(21e)に密着するように巻き込んでいた。
その結果、図11(2)に示されるように、フランジ部(FL)の段差(24)部分において、フランジ部上面を平坦にするだけの樹脂量が不足し、ボイドを生じることがあったのである。
図6は、図11(2)と同じ位置である図1のC−C’断面すなわち、胴部貼り合わせ部(21c)を含むフランジ部(FL)の縦断面を示した断面模式図である。フランジ部(FL)のこの位置では、最大4枚の積層体が重なった状態となる部分があるため、フランジ部(FL)を全周に亘って同じ厚さに成形することは、不可能であるが、積層体の繋ぎ目の段差(24)を熱可塑性樹脂で埋めてやることにより、少なくともフランジ部上面を平らにすることはできる。
胴部貼り合わせ部(21c)における胴部形成用ブランク(20b)の、容器の内側となる側端縁において、紙層の側端縁(21e)よりも延設された熱可塑性樹脂層が、紙層の側端縁よりも離れた位置(3h)で容器外側に折り返されていることにより、この距離(L)に相当する熱可塑性樹脂層がこのフランジ部の段差(24)を埋める効果を発揮する。
胴部貼り合わせ部(21c)における紙層の側端縁(21e)と、熱可塑性樹脂層の折り返し位置(3h)との距離(L)について、種々検討した結果、紙層(2)の厚さの0.7倍〜10倍が好ましいことが分かった。
胴部貼り合わせ部(21c)において、内側となる側端縁(21b)から延設され、折り返される熱可塑性樹脂層は、図3(2)に示したように、紙層の内側の熱可塑性樹脂層(3b)と紙層の外側の熱可塑性樹脂層(3a)とが合わさった状態でもよいし、後に述べるこの熱可塑性樹脂層の延設方法によっては、紙層の内側の熱可塑性樹脂層(3b)だけの場合もあり得る。
図7は、胴部形成用ブランク(20b)の側端縁に熱可塑性樹脂層を形成する方法を示した説明図である。図は、胴部形成用ブランク(20b)を容器外側面から見た状態を示している。
まず図7(1)に示したように、原紙のウェブ(2w)に長窓(5)を打ち抜いて、孔をあける。なおこの段階では、特に図示しないが、原紙には既に必要な印刷が施されているので、印刷の絵柄に同調させて長窓を打ち抜くことになる。長窓(5)の内側の辺は、
最終的に胴部形成用ブランク(20b)の側端縁(21b)となる位置に設けられる。
原紙のウェブ(2w)の表裏面に、熱可塑性樹脂層(3a)、(3b)を貼り合せる。熱可塑性樹脂層(3a)、(3b)は、単層の場合もあるが、複数の層からなる場合もある。複数の層からなる場合には、少なくとも最表面は熱融着可能な材質であることが必要である。
貼合せが完了した積層体から、胴部形成用ブランク(20b)を打ち抜く。この時、側端縁(21b)側は、長窓(5)内に形成された熱可塑性樹脂層の一部を含めることにより、図7(2)に示したように、側端縁(21b)から熱可塑性樹脂層(3a)、(3b)が延設された状態のブランクが得られる。
この延設された熱可塑性樹脂層を図7(3)に示したように、紙層側端縁(21e)よりも離れた位置(3h)で外面側に折り返すことにより、目的とする胴部形成用ブランク(20b)が得られる。
長窓(5)を設けるタイミングを外側の熱可塑性樹脂層(3a)を形成した後にすれば、内側の熱可塑性樹脂層(3b)のみが延設された状態のブランクが得られる。
また、特に図示しないが、長窓(5)を胴部形成用ブランク(20b)の両側の側端縁に設けておけば、後に述べるような、胴部貼り合わせ部(21c)において、内面側のみならず外面側の端面も保護された容器を得ることができる。
図8は、本発明に係るカップ型紙容器(1)の他の実施態様を示した断面模式図である。また図9は、図8に示した実施態様における胴部貼り合わせ部(21c)の状態を示した断面模式図である。図8、図9に示した実施態様においては、胴部貼り合わせ部(21c)において、胴部形成用ブランクの、容器の内側となる側端縁(21b)のみならず、容器の外側となる側端縁(21a)も熱可塑性樹脂層によって覆われており、胴部の下端部が、内側に折り返されて下部折り返し部(22a)を形成した後、さらに底面部(30)の周縁部(31)に向かって折り返されて、下端部巻込み部(22b)を形成し、密着シールされてボトムスリーブ(BS)を形成したことを特徴とする。
またフランジ部(FL)においても、胴部上端部(23)を1回半巻き込むことによって、紙の端面が外部に露出しない構造としている。
図8、図9に示された実施態様においては、紙層の端部がすべて熱可塑性樹脂層によって保護されているか、または巻き込まれて外部に露出しない状態となっているため、容器の内面のみならず外面も耐水性を備えた容器とすることができる。また、耐熱性の高い樹脂材料を使用することにより、レトルト殺菌処理が可能な紙容器とすることもできる。
図10は、紙容器を構成する積層体の他の実施態様を示した断面模式図である。
図10に示した実施態様においては、紙層(2)と内面側の熱可塑性樹脂層(3b)との間に、ガスバリア層(4)が積層されている。積層体がガスバリア層(4)を含むことにより、紙容器に長期間に亘る保存性を付与することができる。
次に本発明に係るカップ型紙容器に用いる材料について説明する。
紙層(2)については、坪量200〜500g/m、密度0.6〜1.1g/cm程度の紙が使用できる。バージンパルプを100%使用したカートン原紙や、カップ原紙は好ましく使用できる。白ボール紙、コートボール紙、アイボリー紙なども使用可能である。
熱可塑性樹脂層としては、単層の場合であれば、熱シール可能な材質の熱可塑性樹脂が用いられる。例を挙げれば、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・αオレフィン共重合体、エチレン−メタアクリル酸樹脂共重合体などのエチレン系樹脂や、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂や、ホモポリプロピレン(CPP)、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂の他、無延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂等を使用することができる。
熱可塑性樹脂層は、前記熱シール可能な材料が外側になるように、他の材料を貼り合せた多層フィルムとすることもできる。具体的には、PET樹脂フィルム(以下単にPETと称する。他の略号についても同様)、ポリアミド樹脂(ナイロン樹脂)フィルム、PPフィルム等である。前記ガスバリア層なども含まれる。
ガスバリア層としては、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着PET、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコール共重合体フィルム、ガスバリア性ナイロンフィルム、ガスバリア性PETフィルム等のガスバリア性フィルムや、PETフィルム等に酸化アルミニウムや酸化珪素等の無機酸化物を蒸着させた無機酸化物蒸着フィルム、あるいは、ポリ塩化ビニリデンコーティング、水溶性樹脂と無機層状化合物を含有する被膜や金属アルコキシドあるいはその加水分解物とイソシアネート化合物を反応させた被膜からなる樹脂層などのガスバリアコーティング層を用いることができる。
これらの各層と紙層の貼り合せには、公知の接着剤を用いたドライラミネート法や、溶融した樹脂を押し出して貼り合せる押出しラミネート法が用いられる。
以下、実施例に基づいて、本発明に係るカップ型紙容器について、さらに具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
坪量260g/mのカップ原紙の表面に絵柄を印刷した後、絵柄に合せて、図7(1)に示したような長窓を打ち抜いた。容器の内面側となる原紙の裏面側に、(PE12μm/シリカ蒸着PET12μm/LDPE60μm)の積層体をポリエチレン樹脂(15μm)を用いたサンドイッチラミネーション法によって接着した後、押出機を用いて、表面側に厚さ20μmのLDPE層を形成した。長窓部の表裏面の樹脂は接着して一体となった。次に抜型を用いて打ち抜き、図7(2)のように、胴部貼り合わせ部において、容器の内側となるべき側端縁から熱可塑性樹脂層が延出した胴部形成用ブランクを作成した。
胴部形成用ブランクの側端縁から延出した熱可塑性樹脂層を容器外側に折り返すに当たり、紙層の側端縁から、折り返し位置までの距離(L)を0.17mm〜0.9mmの範囲で変化させて、実施例1〜4、比較例1〜4の各サンプルを作成した。なお紙厚は0.3mmである。
ブランクをカップ成型器にかけて成形し、さらにフランジ部を成形した。
フランジ部における段差を測定すると共に、フランジ部に蓋材を一定のシール条件でシールし、リークの有無を調べた。
蓋材シール条件:シール温度200℃、シール荷重392N、シール時間0.5秒
リーク無し:○、リーク有り:×、わずかにリーク:△
表1の結果から、このシール条件では、フランジ部の段差が0.08mm以下であれば、リークが発生しないことが分かる。この時のL/紙厚は、0.8倍以上である。本発明によれば、フランジ部の段差を減少させることができ、リークのない紙容器を安定して供給することができる。
1・・・カップ型紙容器
2・・・紙層
2w・・・原紙のウェブ
3a・・・熱可塑性樹脂層(外側)
3b・・・熱可塑性樹脂層(内側)
4・・・ガスバリア層
5・・・長窓
10・・・蓋材
20・・・胴部
20b・・・胴部形成用ブランク
21a・・・外側となる側端縁
21b・・・内側となる側端縁
21c・・・胴部貼り合わせ部
21e・・・紙層側端縁
22・・・下端部
22a・・・下部折り返し部
22b・・・下端部巻込み部
23・・・上端部
23a・・・フランジ部外縁
23b・・・フランジ部内縁
24・・・段差
25・・・切欠き
30・・・底面部
30b・・・底面部形成用ブランク
31・・・周縁部
BS・・・ボトムスリーブ
FL・・・フランジ部
L・・・紙層の側端縁から熱可塑性樹脂層折り返し位置までの距離

Claims (2)

  1. 紙層と、この紙層の両面に設けられた熱可塑性樹脂層を有する胴部形成用ブランクから形成された筒状の胴部と;
    紙層と、この紙層の両面に設けられた熱可塑性樹脂層を有し、前記胴部の下方の開口をシールする底面部と;
    前記胴部の上方の開口をシールする蓋材と;
    前記胴部は、胴部形成用ブランクの両側端縁同士が、紙層が重なるように、重ね合わされてシールされた胴部貼り合わせ部と、
    前記胴部の下端部が内側に折り返されている状態の下部折り返し部と、
    前記胴部の上端部が外側に1回以上巻き込まれており、かつ、平らに押し潰された形状のフランジ部と、
    を有し、
    前記フランジ部と前記蓋材とは、開封可能にシールされており、
    前記底面部は、下方に折り曲げられた周縁部を有し、
    前記胴部の下部折り返し部に、前記底面部の周縁部が差し込まれた状態で、前記胴部の下端部と、前記底面部の周縁部とが密着シールされてボトムスリーブを形成したカップ型紙容器であって、
    前記胴部貼り合わせ部における胴部形成用ブランクの、容器の内側となる側端縁において、紙層の側端縁よりも延設された前記熱可塑性樹脂層が、紙層の側端縁よりも紙層の厚さの0.8倍〜10倍の距離だけ離れた位置で容器外側に折り返されており、しかも、この紙層の側端縁と折り返し位置との間の熱可塑性樹脂層がフランジ部の段差を埋められていることでフランジ部の上面が平坦となっており、
    かつ、容器の内面側の熱可塑性樹脂層が、シリカを蒸着したポリエチレンテレフタレートフィルムから成るガスバリア層を含むことを特徴とするカップ型紙容器。
  2. 前記胴部貼り合わせ部において、胴部形成用ブランクの、容器の外側となる側端縁が前記熱可塑性樹脂層によって覆われており、
    前記胴部の下端部が前記下部折り返し部を有すると共に、この下部折り返し部の先端がさらに前記底面部の周縁部に向かって折り返されており、この下端部が密着シールされていることを特徴とする請求項1に記載のカップ型紙容器。
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