JP5060207B2 - 紙製容器の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、紙製容器の胴部または容器本体を形成するブランクの重ね合わせ部(貼着部)において、容器内側となるブランクの端部が熱可塑性樹脂の被膜で覆われ、紙材が露出していないために、耐水性、耐油性、ガスバリア性の高い紙製容器の製造方法と、該容器に用いるブランクの製造方法に関する。
紙カップ等の紙製の容器は、通常、板紙の表面に合成樹脂を積層し、これからブランクを打ち抜いて、打ち抜いた1枚以上のブランクを折り曲げたり、貼り合せたりして成型している。しかし、このようにブランクを打ち抜いただけでは、その切断面に紙層が露出し、容器の貼り合せ部(重ね合わせて貼り合わせる部分)において、容器内側となるブランク端部に、紙部が露出することになる。紙の部分が露出していると、その部分から容器内の油分や水分が浸透したり、原紙の臭気が容器内に移ったり、容器外から空気や水分が浸入しやすくなる。特に食品に用いられる紙製の容器の場合、とりわけ、長期の保存性が要求される即席麺等の紙カップにおいては、高い耐水性、耐油性、ガスバリア性を必要とし、容器内部の貼り合せ部に紙部が露出していない容器が求められる。
そこで、このような目的に用いられる紙カップにおいては、カップ容器の貼り合せ時に容器内側となる側のブランクの端部を、スカイブヘミング加工と呼ばれる方法で、紙部が露出しないように加工することが行われている。スカイブヘミング加工とは、ポリエチレン等耐水性の熱可塑性樹脂をラミネートしたブランクを、該ブランクの端部近傍において、その容器外側の紙面を端部から所定の幅で略半分の薄さに削り取り、削り取った部分を内側にして折り返し、ブランクの端面に紙部が露出しないように処理する方法である。
また、その他の方法としては、容器胴部貼り合せ部の容器内側端部の箇所に、後から耐油・耐水性のテープを貼着する、あるいは、疎水性の溶剤を塗布する等の方法も知られている。しかし、このような方法は、いずれも手間を要する、コストがかかる、不良品が発生しやすい等の欠点があり、より簡単で、確実な方法が求められていた。
このような問題点を解決する方法としては、特許文献1に、以下のような方法が記載されている。すなわち、原紙からカップ容器内側の胴部貼り合せ部となる位置近傍を、該貼り合せ部となるブランクの端部に沿って、予め長孔に打ち抜いておいて、長孔を穿設した原紙に対して、合成樹脂の被膜をラミネートする。そして、該ラミネートした原紙から、ブランクを前記長孔部がカップ胴部の貼り合せ部の端部となるように打ち抜く。この方法によれば、カップ容器胴部内壁となるブランクの端面に、合成樹脂の皮膜が延伸し、この部分の被膜で紙部の先端部を覆うことができ、容器内面に紙部が露出しない。この特許文献1の改良技術や応用技術として、特許文献2、3、4がある。しかし、これらの技術は、いずれもブランクの端部に延伸して形成される合成樹脂の被膜が、紙面の片面に形成されるため、ブランクの紙部端縁の被覆が不充分な場合や、被膜の厚さが薄く、被膜の破れ等によって紙面が露出する問題があった。
一方、特許文献5は、特許文献1〜4と違い、長孔を穿設した後に行う合成樹脂被膜のラミネートを、原紙の両面から行ない、ブランクの端部に延伸して形成される合成樹脂の被膜を紙層の両面から形成して接合させるものである。しかし、特許文献1〜4と同様、被膜の厚さが薄い場合には被膜の破れ等によって紙面が露出する場合があり、また、特許文献5においては、紙層の両面から延伸して形成された合成樹脂の被膜について、容器を形成する際に容器胴部内面に熱融着させて処理しており、このような処理の仕方をすると熱融着部の外観が悪くなる場合がある。
特開昭51−122566号公報 特開2004−106843号公報 特開2005−132419号公報 特開2005−272010号公報 特開昭57−133046号公報
本発明は、紙製容器の貼り合せ部におけるブランクの端部を合成樹脂の被膜で覆い、耐水性、耐油性、ガスバリア性に優れた紙製容器の製造方法と、これに用いるブランクの製造方法を提供することにある。特に、前述の各特許文献における問題点を解決し、より簡単に、かつ失敗無く、貼り合わせ部が確実に合成樹脂の被膜で覆われた紙製容器を製造すること、および、該紙製容器に用いられるブランクの製造方法を提供することにある。
上記課題に対して本発明は、まず、下記の紙製容器用のブランクの製造方法を提案する。すなわち、原紙から打ち抜いたブランクの一方の端部と他方の端部を重ね合わせることによって、容器胴部又は容器本体を形成する紙製容器のブランクの製造方法であって、
a:打ち抜かれるブランクの前記一方の端部に相当する部分の原紙に、予め該端部に沿って孔を穿設する工程、
b:孔を穿設した原紙の両面に、熱可塑性樹脂をそれぞれの面が20μm以上の厚みとなるように積層し、前記孔の部分には前記熱可塑性樹脂膜を形成する工程、
c:前記孔の部分に形成された熱可塑性樹脂膜が前記一方の端部に延伸する耳部となるように原紙からブランクを打ち抜く工程、
の前記a〜cの各工程を含む紙製容器のブランクの製造方法、である。
上記製造方法によれば、紙製容器の胴部又は本体を形成する際の、重ね合わせて貼着する部分となるブランク端部の、少なくとも一方の端部(容器成型時の重ね合わせによって容器内側となるブランクの端部)に、熱可塑性樹脂膜が紙材(原紙)の表裏両面から延伸して、紙の端縁を包み込むように耳部を形成し、しかも、片面20μm以上の厚みを有しているので充分な被覆性があり、また原紙に穿設した孔に熱可塑性樹脂膜を形成する際においても、充分な強度の膜を形成することができる。なお、工程bにおいて原紙の両面に熱可塑性樹脂を積層する方法としては、エキストルージョンによる方法が、紙材の端部を包み込むように耳部を形成できる点で特に優れている。
また、本発明は上記a〜cの工程の後にさらに、下記d工程を付加しても良い。すなわち、d:打ち抜かれた前記ブランクの一方の端部に延伸する耳部を、前記容器胴部又は容器本体に形成する際の容器外側に向けて折り込む工程、をさらに含む紙製容器のブランクの製造方法である。
上記dの工程を加えることで、熱可塑性樹脂の耳部が、フランジ端部同士を重ね合わせて貼着する時に両ブランクの間に挟まれるので、耳部における熱可塑性樹脂同士の接合端部が容器内に露出せず、紙部端縁は確実に熱可塑製樹脂で被覆される。しかも、容器胴部又は容器本体を形成する際のブランク端部の貼着部分(重ね合わせ部)は耳部が折り込まれて厚みを増しているため、次工程の容器成型時におけるヒートシールの際に、この部分が溶融して、さらに端部を充分に被覆できる。また重ね合わせ部の容器内面の仕上がりもきれいである。
また、本発明は、上記各発明におけるブランクの一方の端部に対する処理を、重ね合わせて貼着させるブランクの両端部(一方の端部と他方の端部)共に施すこともできる。その場合のブランクの製造方法は、
A:打ち抜かれるブランクの前記一方の端部及び他方の端部に相当する部分の原紙に、予め該両方の端部に沿って孔を穿設する工程、
B:孔を穿設した原紙の両面に、熱可塑性樹脂をそれぞれの面が20μm以上の厚みとなるように積層し、前記孔の部分には前記熱可塑性樹脂膜を形成する工程、
C:前記孔の部分に形成された熱可塑性樹脂膜が前記一方の端部及び他方の端部からそれぞれ延伸する耳部となるように原紙からブランクを打ち抜く工程、
の前記A〜Cの各工程を含む紙製容器のブランクの製造方法である。
上記A〜Cの製造工程を用いれば、ブランクの重ね合わせて貼着させる両端部(一方の端部と他方の端部)ともに、紙部端縁を覆うように熱可塑性樹脂の耳部を形成することができ、容器外側からの、耐水性、耐油性、ガスバリア性も向上する。なお、工程Bにおいても、前記工程b同様、原紙の両面に熱可塑性樹脂を積層する方法としては、エキストルージョンによる方法が好ましい。
また、本発明は、上記ブランクの両端部に熱可塑性樹脂の耳部を形成するA〜Cの工程の後に、さらに下記D工程を付加しても良い。すなわち、
D:打ち抜かれた前記ブランクの一方の端部に延伸する耳部を、前記容器胴部又は容器本体に形成する際の容器外側に向けて折り込み、及び、前記ブランクの他方の端部に延伸する耳部を前記容器胴部又は容器本体に形成する際の容器内側に向けて折り込む工程、
をさらに含む紙製容器のブランクの製造方法、である。
このように、ブランクの両端部(一方の端部と他方の端部)共に紙部端縁を覆う熱可塑性樹脂の耳部を形成した場合は、容器を形成する際にブランク同士を重ね合わせて貼着させる箇所において、容器外側に位置するブランクの端部(他方の端部)は、容器内側となるブランクの端部(一方の端部)と違って、耳部を反対の面、すなわち容器内側向きに耳部を折り込むのが良い。これは容器の外観をきれいに仕上げるだけでなく、熱可塑性樹脂膜の耳部が内外のブランクの間に挟まれ、この部分で熱可塑性樹脂の量が多くなって、これが溶融するため、紙部端縁を充分に被覆できるためである。
さらに、本発明は、上記の各製造方法によって製造されたブランクを用いた紙製容器の製造方法であって、前記ブランクの一方の端部が容器内側になるようにして、前記一方の端部と他方の端部を重ね合わせてヒートシールする工程を含む、紙製容器の製造方法である。このようにして製造した紙製容器は、その容器内面のブランクの重ね合わせ部(貼着部)おいて、紙の端縁が露出せず、耐水性、耐油性、ガスバリア性に優れた紙製容器となる。
本発明のブランクの製造方法によれば、紙製容器の容器胴部又は容器本体を形成する際に、重ね合わせて貼着させるブランクの端部の、少なくとも一方の端部(重ね合わせた時容器内側となるブランクの端部)の紙部端縁を熱可塑性樹脂の膜で確実、かつ充分に被覆することができるので、耐水性、耐油性、ガスバリア性に優れた紙製容器を製造することができる。又、紙の切り口が露出していないため、食品用容器として用いる場合に、紙部が直接食品に触れることがなく、紙の臭気成分等の食品への移行もなく、食品の保存や調理がより良い状態で行える。さらに、従来のスカイブヘミング加工に比べて、ブランクの端部を半分の厚さに削り取る必要が無く、工程としても手間を要さず、コストメリットも高い。
以下図面を参照して、本発明の実施形態を、逆円錐台形状のカップ状容器を例に説明する。図面は模式図である。図1は、紙製の原紙1に、ブランクの一方の端部に相当する部分に沿って、その近傍を短冊状に孔を打ち抜いた状態を示している。短冊状に打ち抜いた孔2は、カップ容器の胴部となるブランクの一方の端部で、カップ成型時にブランクの反対側の端部(他方の端部)と重ね合わせて貼着する部位であり、重ね合わせる際に容器内側となる側の端部である。なお、図1には、破線でブランクを打ち抜く際の打ち抜き(予定)線3を記載している。
原紙1は、カップ容器として充分な強度を有する紙材であればよく、片面あるいは両面に合成樹脂を積層したものでもよく、また予め印刷を施したものでもよい。ブランクの一方の端部に相当する短冊状の打ち抜き箇所は、孔の幅が狭いとブランクの紙部端縁が、充分に、以降の工程で形成される熱可塑性樹脂の膜によって被覆できないことがあるので、2mm以上好ましくは5mm以上とするのがよい。また、あまり幅が狭いと、ブランク打ち抜き時の位置決めに極端な精度が必要となる。なお、15mm以上と広くすると熱可塑性樹脂を積層する際に、樹脂膜が破れる等の不都合が生じる恐れがあるので、幅5〜15mm程度が最も良い。
次に、図2に示すとおり、短冊状の孔を穿設した原紙1の、表面及び裏面の両面に、それぞれ熱可塑性樹脂を積層する。なお、図2において「表面樹脂層5」は容器に成型した時に容器外側になる側とし、「裏面樹脂層4」は容器に成型した時に容器内側となる側とする。積層方法はエキストルージョン(溶融押出し)による方法が最も良いが、ドライラミネーション他各種の積層方法が採用可能である。エキストルージョンによる方法が好ましいのは、原紙に穿設した短冊状の孔部において、紙層の両面から積層される熱可塑性樹脂が互いに融着して紙部端縁を覆うように接合できるためであり、好ましくは両面ともエキストルージョンによる積層方法を採ることが望ましい。
熱可塑性樹脂の積層は、裏面側、表面側のどちらを先に行っても良いが、いずれも20μm以上の厚みとなるように積層する。20μm以下では、短冊状の孔部に形成される熱可塑性樹脂の膜がうまく作れない場合や、積層される熱可塑性樹脂の膜が紙部端縁で破れ易い場合がある。積層する熱可塑性樹脂としては、熱可塑性を有する合成樹脂で、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリエステル等が使用可能であり、単層ではなく、複層に積層しても良い。ただし、熱可塑性樹脂は、エキストルージョンで積層可能な点、紙材への加工適性に優れている等の点から、ポリエチレン樹脂を用いるのが最も好ましい。
図2に示すように、原紙の表面と裏面に熱可塑性樹脂層4,5を積層したとき、穿設した短冊状の孔部には、紙の層が無い状態で、熱可塑性樹脂層だけが原紙表面と裏面から積層され、紙の端縁が熱可塑性樹脂によって封鎖された状態となっている。このように形成された短冊状の孔部に形成された熱可塑性樹脂の厚みは、表面側及び裏面側の両面から合わせて40μm以上、好ましくは50μm以上、150μm以下とする。なお、この状態で表面側にグラビア印刷等によって印刷を施してもよい。
次に、図3のように、容器胴部となるブランクを打ち抜き線3で打ち抜く。ブランクの一方の端部が前述の短冊状の打ち抜き箇所に合致するようにして打ち抜くと、図4のように、一方の端部の紙部端縁が、積層した熱可塑性樹脂膜によって挟まれて被覆され、紙部端縁からさらに延伸する形で熱可塑性樹脂による耳部6が、ブランクの一方の端部に形成される。
このようにしてブランクを作成した後、次にこのブランクを用いて容器胴部を形成する。すなわち、前記によって打ち抜かれたブランクの一方の端部を、容器胴部を成型する際の容器内側に位置させて、ブランクの他方の端部と重ね合わせてヒートシールする。これによって逆円錐台状の容器胴部形状となる。この時、容器内側のブランクの端部は、紙部端縁が熱可塑性樹脂によって形成される耳部で被覆されている状態であるために、紙材が容器内面において露出することなく、従って容器に耐水性、耐油性、ガスバリア性を付与することができる。
なお、この際のヒートシール方法としては、ヒートシーラーによって重ね合わせた部分を加熱圧着させる方法の他、ホットエアーによって、ブランクの端部を軟化又は溶融させて、端部同士を重ね合わせて貼り合わせる等の方法が可能である。ホットエアーを用いて溶融させて貼り合わせる場合、ブランク端部に延伸する耳部の幅は1〜3mm程度とするのが好ましく、この範囲であれば紙部が露出するようなことが無く、貼着部周囲の仕上がりは綺麗である。
また、上記のようにブランクを打ち抜いた後、ブランクの一方の端部に形成した熱可塑性樹脂の耳部6を折り込んでおくこともできる。熱可塑性樹脂の耳部を折り込んでおくことで、貼着部の見た目も良く、紙部端縁の被覆性もさらに高くなる。このように、ブランクの一方の端部に形成した耳部6を折り込む場合は、図5のように容器に成型した際に容器外側(表面側)になる側に向って耳部6を折り返すのがよい。これは容器内面側に耳部の熱可塑性樹脂同士の接合面が露出しないようにすることで、接合が充分でなかった場合に起こる紙材の露出を防止する利点、紙部端縁近傍に熱可塑性樹脂の量を多くすることで、接着性の向上、紙部端縁の熱可塑性樹脂による被覆をより確実にする利点があるためである。折り込む場合は、紙部端縁から3mm程度以内の箇所、好ましくは紙部端縁のできるだけ近傍の位置で耳部を180度折り返し、折り返した耳部を一旦ヒートシールしておくのがよい。
図6は、上記のように一方の端部を折り込んだブランクを筒状にして、ブランクの一方の端部と他方の端部を重ね合わせてカップ容器の胴部を形成する所を示す。このようにしてブランクの端部同士を重ねあわせた後、該箇所を熱圧着して貼着する、あるいは、耳部を含む端部周辺の貼着部をホットエアーで軟化又は溶融させておいて、端部同士を重ね合わせて貼着する。
上記のようにして、カップ状容器の胴部を形成した後は、常法によって容器底部ブランクを嵌着し、必要に応じて容器開口部周縁を容器外側にカールさせてフランジ部を形成し、紙製のカップ状容器とする。
前記図1〜6においては、ブランクの一方の端部に熱可塑性樹脂の耳部を形成し、このブランクを用いて容器を成形する方法を説明したが、重ね合わせて貼着するブランクの両方の端部(一方の端部と他方の端部)共に熱可塑性樹脂の耳部を形成することもできる。その方法としては、図7に示すように、打ち抜かれるブランクの一方の端部と、この一方の端部と重ね合わせて貼着する他方の端部の両方の相当する位置に、それぞれの端部に沿って短冊状の孔12,22を原紙に穿設する。以降は、図2〜4と同様、熱可塑性樹脂を原紙の両面に積層し、短冊状の孔部に形成した熱可塑性樹脂膜が、ブランクの一方の端部と、他方の端部にそれぞれ延設する耳部となるようにブランクを打ち抜けばよい。
このようにブランクを打ち抜いた後は、同様の手順で容器胴部を形成すれば良いが、耳部を折り込む場合には、重ね合わせて貼着する際の容器外側に位置するブランクは、容器内側に位置するブランクとは逆の方向に耳部を折り込んでおくことが好ましい。すなわち、図8に示すように、容器内側となるブランクの端部(一方の端部)の耳部16は、容器外側に向かって折り返し、一方、容器外側となるブランクの端部(他方の端部)の耳部26は、容器内側に向かって折り返すことが望ましい。このように折り込むことで、容器内面、容器外面ともにブランク貼着部の外観がよく、耳部の熱可塑性樹脂がそれぞれのブランクの間に挟まれて存在することによって、熱可塑性樹脂の量が多くなり、ブランク同士の接合性、紙部端縁の被覆性共に向上する。なお、ブランクの両方の端部に耳部を形成することで、容器外の環境に対して、容器の耐水性、耐油性、ガスバリア性を向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態をカップ状容器を例に説明したが、本発明のブランクの製造方法、紙製容器の製造方法は、いずれもカップ形状以外の紙製容器にも利用できる。例えば、飲料のパックに用いられる箱型形状の紙製容器や円筒形状の紙製容器等にも応用可能である。いずれの容器の場合でも、容器胴部に限らず、重ね合わせて貼着させるブランクの両方の端部において、少なくとも重ね合わせる際に容器内側となる側のブランクの端部(一方の端部)に、熱可塑性樹脂の耳部をカップ状容器の場合と同様に形成する。
また、本発明のブランクの製造方法、及び該ブランクを用いた紙製容器の製造方法によって製造された容器は、耐水性、耐油性、ガスバリア性に優れ、紙の臭気成分が容器内容物に移ることもないので、食品包装容器、とりわけ、飲料や、即席麺、即席スープ等、水分や油脂分を含んだ食品用の容器として好適に使用できる。以下に、紙製カップの製造例を記載する。
[実施例]
坪量320g/mのカップ原紙に、5mm幅で長さ13cmの細長い孔を穿設し、カップ原紙の片面(容器外側となる面)に70μの厚みとなるように融点106℃のLDPE(低密度ポリエチレン)をエキストルージョンによってラミネートし、もう片面(容器内側となる面)に40μの厚みとなるように融点133℃のMDPE(中密度ポリエチレン)をエキストルージョンによってラミネートした。これによって、細長い孔の部分には、紙層の存在しないPE(ポリエチレン)の被膜が形成された状態となった。
次にLDPE(容器外側となる面)の表面にグラビア印刷を施した後、細長い孔の部分が、ブランクの貼り合わせ部端部に位置するように、上下幅12cmの扇形のブランクを打ち抜いた。打ち抜くことによって形成された、ブランクの端部に延伸する熱可塑性樹脂の耳部の幅は、紙部端縁から約4mmであった。
このようにブランクの一方の端部に形成した耳部をLDPE側(容器外側になる面)に向けて、耳部の基部(紙部端縁のできるだけ近傍)で180°折り返し、熱圧着して接着させた。このように耳部を折り込んだブランクをカップ成型機にて、耳部を形成した側のブランク端部(一方の端部)が容器内側に位置するようにブランクの端面同士をホットエアーで溶融、重ね合わせて貼着し、次いでボトム成型、トップカール成型してカップ容器に成型した。カップの形状は、ブランク端部の重ね合わせ部(貼着部)の幅が約7mm、開口径約9cm、底部径約7cm、高さ約10.5cmの逆円錐台形状である。
このように成型した紙製カップに、油脂含量の高い粉末スープ約200gを入れ、これを60℃の環境下に放置し、24時間後のスープの滲みだしを目視で確認した。ブランクの端部を上記のように加工しなかった(原紙に孔を穿設しないままブランクを打ち抜いて作成したカップ容器で、ブランクの端部に紙部端縁が露出している)容器は、油脂の滲みだしが確認されたが、本実施例の容器には油脂の滲みだしは認められなかった。
原紙からブランクの一方の端部近傍を短冊状に打ち抜いた際の平面全体図である。 原紙に短冊状の孔を穿設した後、該原紙の表裏両面に熱可塑性樹脂を積層した際の、孔部周辺の断面拡大図(模式図)である。 熱可塑性樹脂を積層した原紙からブランクを打ち抜く際の平面全体図である。 打ち抜いたブランクの一方の端部付近の断面拡大図(模式図)である。 ブランクの一方の端部を折り込んだ際の断面拡大図(模式図)である。 ブランクの一方の端部と他方の端部を重ね合わせた時の重ね合わせ部付近の断面拡大図(模式図)であり、図の下方向が容器外側方向である。 原紙からブランクの一方の端部と他方の端部の近傍をそれぞれ短冊状に打ち抜いた際の原紙の平面全体図である。 ブランクの一方の端部と他方の端部を重ね合わせた時の重ね合わせ部付近の断面拡大図(模式図)であり、図の下方向が容器外側方向である。
符号の説明
1 原紙
2 孔
3 ブランク打ち抜き線
4 裏面樹脂層
5 表面樹脂層
6 耳部

Claims (2)

  1. 原紙から打ち抜いたブランクの一方の端部と他方の端部を重ね合わせることによって、容器胴部又は容器本体を形成する紙製容器の製造方法であって、
    a:打ち抜かれるブランクの前記一方の端部に相当する部分、及び前記他方の端部に相当する部分の原紙に、予め該端部に沿って孔を穿設する工程、
    b:孔を穿設した原紙の両面に、熱可塑性樹脂をそれぞれの面が20μm以上の厚みとなるように積層し、前記孔の部分には前記熱可塑性樹脂膜を形成する工程、
    c:前記孔の部分に形成された熱可塑性樹脂膜が前記一方の端部に延伸する耳部、及び前記他方の端部に延伸する耳部となるように、原紙からブランクを打ち抜く工程、
    d:打ち抜かれた前記ブランクの一方の端部に延伸する耳部を、前記容器胴部又は容器本体に形成する際の容器外側に向けて折り込むみ、及び打ち抜かれた前記ブランクの他方の端部に延伸する耳部を、前記容器胴部又は容器本体に形成する際の容器内側に向けて折り込む工程、
    の前記a〜の工程を含むことによってブランクを製造し、
    該製造したブランクの前記一方の端部を容器内側、前記他方の端部を容器外側として、該一方の端部と前記他方の端部を重ね合わせてヒートシールすることによって、容器胴部又は容器本体を形成する紙製容器の製造方法。
  2. 前記工程bにおける、孔を穿設した原紙の両面に熱可塑性樹脂を積層する方法が、エキストルージョンによる方法である請求項1に記載の紙製容器の製造方法
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