JP6111700B2 - ロボット制御方法、ロボット制御装置、ロボットおよびロボットシステム - Google Patents

ロボット制御方法、ロボット制御装置、ロボットおよびロボットシステム Download PDF

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Description

本発明は、ロボット制御方法、ロボット制御装置、ロボットおよびロボットシステムに関する。
従来、吸着式のロボットの制御方法として、以下のようなものがある(特許文献1参照)。まず、ロボットハンドをワーク把持目標位置へ前進させ、把持状態を確認し、把持状態が良好でない場合は、ワーク把持目標位置を変更して、把持状態となるまでロボットハンドを前進させる。また、把持状態が良好である場合に、ワークの取出しのためロボットハンドを後退させ、再度把持状態を確認し、把持状態が良好でない場合は、ワーク把持目標位置を変更して、再度、ロボットハンドをワーク把持目標位置へ移動する。
特開2010−69542号公報
しかしながら、上述の制御方法では、把持したときの把持状態は確認しているものの、作業中にワークが何かと衝突する、加減速によりワークに慣性力が加わる、ワークに他の部品を組み付けるなどして、重量が増加する、他の部品を組み付けるために他の部品に押し付けるなど、外力が加わったときには、ロボットハンドとワークの接触面で滑りが発生してしまい、把持し続けられなくなる、把持位置が変わってしまうなど、安定的に把持し続けられないことがあるという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、吸着機構を有するロボットが、上述したような衝突、慣性力、重量増加、他の物体への押し付けなどの予め想定した外力が加わったときにも、対象物を安定的に把持し続けられる把持形態を決定することができるロボット制御方法、ロボット制御装置、ロボットおよびロボットシステムを提供する。
(1)上記課題を解決するため、本発明によるロボット制御方法の一態様は、対象物を把持するために該対象物と接触する接触部のうち少なくとも一つに吸着機構を有し、前記対象物を把持するロボットのロボット制御方法であって、前記ロボットが前記対象物を把持する把持形態であって、前記接触部が接触する前記対象物上の位置を少なくとも特定する把持形態を選択する第1の過程と、前記選択した把持形態において、所定の外力を前記対象物に加えたときに、前記対象物を安定的に把持し続けられるか否かを事前に判定する第2の過程とを有し、前記所定の外力に対する抗力を発生させるために前記接触部が発生すべき力が、摩擦係数と、前記接触部の吸着機構による吸着力とで形成される摩擦円錐に含まれる場合に、安定的に把持し続けられると判定することを特徴とする。
上記構成によれば、吸着機構による吸着力も含めた摩擦に基づく滑らない条件を適用できるようになる。従って、吸着機構を有するロボットであっても、予め想定した所定の外力が加わったときにも、対象物を安定的に把持し続けられる把持形態を事前に決定することが可能になる。
(2)上記ロボット制御方法において、例えば、前記吸着機構による吸着力を、前記吸着機構が接触する前記対象物の接触面と、前記吸着機構とが成す角度に応じた値とする。
上記構成によれば、吸着機構による吸着力を、対象物の接触面と吸着機構とが成す角度に応じた値とするので、対象物の接触面と、吸着機構とが成す角度によって、吸引力が大きく変化する場合でも、安定的に把持し続けられる把持形態を適切に決定することが可能になる。
(3)上記ロボット制御方法において、例えば、前記所定の摩擦係数を予め決められた範囲内の値にして、前記第1の過程と、前記第2の過程とを実施した結果、前記第2の過程において、安定的に把持し続けられると判定した把持形態のうち、前記所定の摩擦係数が最も小さいときの把持形態を選択する第3の過程を有する。
上記構成によれば、安定的に把持し続けられる把持形態のうち、摩擦係数が最も小さくても成り立つものを選択することができるので、摩擦係数が、ロボットの経年劣化などにより、減少しても安定的に把持し続けられる把持形態を選択することができる。
(4)上記課題を解決するため、本発明によるロボット制御方法の一態様は、対象物を把持するために対象物と接触する接触部のうち少なくとも一つに吸着機構を有し、前記対象物を把持するロボットのロボット制御方法であって、前記対象物を把持する際に、前記吸着機構の非使用時における吸着面の法線が、前記接触部が接触する前記対象物の接触面に対して垂直となるように前記ロボットを制御することを特徴とする。
上記構成によれば、吸着機構の非使用時における吸着面の法線が、接触部が接触する前記対象物の接触面に対して垂直となるので、吸着機構による吸着力を効率よく用いて、対象物を安定的に把持し続けられるようにロボットを制御することができる。
(5)上記課題を解決するため、本発明によるロボット制御装置の一態様は、対象物を把持するために該対象物と接触する接触部のうち少なくとも一つに吸着機構を有し、前記対象物を把持するロボットを制御するロボット制御装置であって、所定の外力を前記対象物に加えられても、前記対象物を安定的に把持し続けることができる把持形態であって、前記接触部が接触する前記対象物上の位置を少なくとも特定する把持形態を、事前に決定する把持形態決定部と、前記決定した把持形態で、前記ロボットが前記対象物を把持するように、前記ロボットを制御する信号を生成するロボット制御信号生成部とを具備し、前記把持形態決定部は、前記所定の外力に対する抗力を発生させるために前記接触部が発生すべき力が、摩擦係数と該吸着機構による吸着力とで形成される摩擦円錐に含まれる場合に、前記所定の外力を前記対象物に加えられても前記対象物を安定的に把持し続けることができると判定することを特徴とする。
上記構成によれば、前述の一態様によるロボット制御方法と同様の作用効果を得ることができる。
(6)上記課題を解決するため、本発明によるロボットの一態様は、対象物を把持するために該対象物と接触する接触部のうち少なくとも一つに吸着機構を有し、前記対象物を把持するロボットであって、所定の外力を前記対象物に加えられても、前記対象物を安定的に把持し続けることができる把持形態であって、前記接触部が接触する前記対象物上の位置を少なくとも特定する把持形態を、事前に決定する把持形態決定部と、前記決定した把持形態で、前記ロボットが前記対象物を把持するように、前記ロボットを制御する信号を生成するロボット制御信号生成部とを具備し、前記把持形態決定部は、前記所定の外力に対する抗力を発生させるために前記接触部が発生すべき力が、摩擦係数と該吸着機構による吸着力とで形成される摩擦円錐に含まれる場合に、前記所定の外力を前記対象物に加えられても前記対象物を安定的に把持し続けることができると判定することを特徴とする。
上記構成によれば、前述の一態様によるロボット制御方法と同様の作用効果を得ることができる。
(7)上記課題を解決するため、本発明によるロボットシステムの一態様は、対象物を把持するために該対象物と接触する接触部のうち少なくとも一つに吸着機構を有し、前記対象物を把持するロボットと、前記ロボットを制御する制御装置とを具備し、前記制御装置は、所定の外力を前記対象物に加えられても、前記対象物を安定的に把持し続けることができる把持形態であって、前記接触部が接触する前記対象物上の位置を少なくとも特定する把持形態を、事前に決定する把持形態決定部と、前記決定した把持形態で、前記ロボットが前記対象物を把持するように、前記ロボットを制御する信号を生成するロボット制御信号生成部とを具備し、前記把持形態決定部は、前記所定の外力に対する抗力を発生させるために前記接触部が発生すべき力が、摩擦係数と該吸着機構による吸着力とで形成される摩擦円錐に含まれる場合に、前記所定の外力を前記対象物に加えられても前記対象物を安定的に把持し続けることができると判定することを特徴とする。
上記構成によれば、前述の一態様によるロボット制御方法と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の態様によれば、吸着機構を有するロボットであっても、予め想定した外力が加わったときにも、対象物を安定的に把持し続けられる把持形態を決定することができる。
本発明の第1の実施形態によるロボットシステム10の構成を示す外観図である。 同実施形態によるロボットハンド103の構成を示す外観図である。 同実施形態による制御装置101の構成を示す概略ブロック図である。 同実施形態による制御装置101の動作を説明するフローチャートである。 同実施形態による把持形態決定部114による安定領域の算出処理を説明するフローチャートである。 吸着機構が無い場合の滑らない条件を説明する概念図である。 吸着機構がある場合の滑らない条件を説明する概念図である。 同実施形態による円錐の多角錐による近似を説明する概念図である。 同実施形態による図10、図11で例示する安定領域の把持形態を示す平面図である。 同実施形態による図9の把持形態の安定領域の平面図である。 同実施形態による図9の把持形態の安定領域の斜視図である。 本発明の第2の実施形態による吸着機構と接触面とがなす角による接し方の違いを説明する図である。 同実施形態による吸着機構の非使用時吸着面の法線と接触面の法線とのなす角と吸着力との関係を示すグラフである。 同実施形態による制御装置101の動作を説明するフローチャートである。
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態に係るロボットシステム10の構成を示す外観図である。本実施形態に係るロボットシステム10は、ロボット110、制御装置101、カメラ104を含んで構成される。ロボット110は、マニュピレータ102と、ロボットハンド103とを含んで構成される。対象物105は、ロボットシステムの作業対象の例であり、ロボット110は、作業を行うために、対象物105を把持する。
ロボットハンド103は、マニュピレータ102の先端に取り付けられており、対象物105を把持するための複数の指を有する。マニュピレータ102は、一端が台座などに固定されており、他端にロボットハンド103が取り付けられている。マニュピレータ102は、各関節を動かすことで、対象物105を把持させる位置、姿勢に、ロボットハンド103を移動させる。カメラ104は、対象物105を撮像し、撮像結果の画像信号を制御装置101に入力する。なお、制御装置101が対象物105の形状を算出できるように、カメラ104は、複数視点から対象物105を撮像し、それらの画像信号を制御装置101に入力する。複数視点から撮像するために、カメラ104を移動させても良いし、複数のカメラを含んでいても良い。制御装置101は、カメラ104から受けた画像信号を参照し、ロボットハンド103が安定的に対象物105を把持できる姿勢を算出し、該姿勢でロボットハンド103が対象物105を把持するように、ロボット110を制御する。なお、以下の各実施形態において、安定的に対象物105を把持できるとは、ロボットハンド103が対象物105を把持している状態で、予め想定された外力が対象物105に加わったときに、ロボットハンド103と対象物105との間の接触点において、滑りが発生しないことをいう。
図2は、本実施形態に係るロボットハンド103の構成を示す外観図である。ロボットハンド103は、対象物105を把持するための3本の指130a、130b、130cを有しており、各指130a、130b、130cの先端部には、吸着機構131a、131b、131cを有する。これらの吸着機構131a、131b、131cは、各吸着機構131a、131b、131cが有する吸盤内と負圧を発生させるポンプとがチューブを介して接続されており、対象物105を把持する際に、対象物105を吸着する。これら吸着機構131a、131b、131c各々が、対象物105を吸着する力を吸着力という。また、ロボットハンド103が何も把持していないときの、吸着機構131a、131b、131c各々の吸盤の外縁部を含む面を、以降、非使用時吸着面という。図2に示すロボットハンド103では、この非使用時吸着面は、指130a、130b、130c各々において吸着機構131a、131b、131cが設けられている面と平行である。
図3は、本実施形態における制御装置101の構成を示す概略ブロック図である。制御装置101は、対象物形状取得部111、ロボット構造記憶部112、把持形態候補算出部113、把持形態決定部114、想定外力記憶部115、ロボット制御信号生成部116を含んで構成される。対象物形状取得部111は、カメラ104から入力された画像信号を参照して、対象物105の形状を表す形状データを算出する。なお、本実施形態では、対象物形状取得部111は、カメラ104からの画像信号を参照して、対象物105の形状を算出するとしたが、CAD(Computer Aided Design)などで生成された形状を表す形状データを他装置から取得するようにしてもよい。
ロボット構造記憶部112は、ロボット110の各関節の屈折可能範囲、許容トルク、関節間の支持部材の長さ、各吸着機構の吸着力など、ロボット110の構造を示す情報を記憶する。把持形態候補算出部113は、対象物形状取得部111が取得した対象物105の形状データと、ロボット構造記憶部112が記憶するロボット110の構造を示す情報とを参照して、ロボット110の構造上、対象物105を把持することができる全ての把持形態を算出し、把持形態候補P(j=1、2、…Ng)とする。Ngは、把持形態候補の数である。本実施形態では、把持形態候補Pは、ロボットハンド103の指130a、130b、130c各々の対象物105との接触位置r(i=1、2、3)を含む情報である。
想定外力記憶部115は、作業中に対象物105に対して加わると想定される外力の大きさと方向と該外力によるモーメントとを予め記憶している。把持形態決定部114は、把持形態候補算出部113が算出した把持形態の候補Pの中から、想定外力記憶部115が記憶している外力が対象物105に加えられても安定的に対象物105を把持可能な把持形態を選択する。把持形態の選択方法の詳細については後述する。
ただし、本実施形態の把持形態決定部114では、このとき、指130a、130b、130c各々が対象物105に対象物105に対して加える力の、該指と対象物105との接触面に対して平行な方向の成分が、該力の接触面に対して垂直な方向の成分と該指の吸着機構による吸着力との合力に対して所定の摩擦係数を乗じた値以下であることが、安定的に把持し続けられる条件に含まれている。ロボット制御信号生成部116は、把持形態決定部114が決定した把持形態で、ロボット110が対象物105を把持するように、ロボット110を制御する。
図4は、本実施形態における制御装置101の動作を説明するフローチャートである。まず、制御装置101の対象物形状取得部111が、カメラ104から入力された画像信号を参照して、対象物105の形状データを算出する(ステップSa1)。次に、把持形態候補算出部113は、ステップSa1にて算出した形状データと、ロボット構造記憶部112が記憶するロボット110の構造を示す情報とを参照して、(1)式に示す把持形態の全ての把持形態候補P(j=1、2、…l)を算出する(ステップSa2)。
次に、把持形態決定部114は、各指130a、130b、130cと、対象物105との接触点における摩擦係数μを「0」と仮定する(ステップSa3)。さらに、把持形態決定部114は、変数mを「0」に初期化する(ステップSa4)。この変数mは、以下のループ中に検出した安定的に把持可能な把持形態候補のインデックスjを記憶するための変数である。次に、把持形態決定部114は、摩擦係数μが所定の最大摩擦係数μmax以上となるか(μが≧μmax)、変数mが0でなくなる(m≠0)まで、摩擦係数μの値を徐々に大きくしながら、以下のステップSa6からステップSa11を繰り返す(ステップSa5)。
把持形態決定部114は、以下の様にして、ステップSa7からステップSa10の処理を、j=1、2、…、Ngの各々について行う(ステップSa6)。すなわち、把持形態決定部114は、全ての把持形態候補Pについて、ステップSa7からステップSa10の処理を行う。まずステップSa7では、把持形態決定部114は、該把持形態候補Pでの安定領域Rstablejを算出する(ステップSa7)。安定領域Rstablejとは、外力の作用点各々および外力の方向各々についての、当該把持形態候補Pで安定的に把持可能な最大の外力(許容外力)を表すベクトルからなる集合である。以下では、簡単のため、外力の作用点が一つの場合について説明する。なお、安定領域Rstablejの算出方法については、後述する。
次に、把持形態決定部114は、想定外力記憶部115が記憶する全ての想定外力が、安定領域Rstablejに含まれているか否かを判定する(ステップSa8)。すなわち、把持形態決定部114は、各想定外力について、安定領域Rstablejのうち、当該想定外力と同じ方向の大きさが、当該想定外力の大きさよりも大きいか否かを判定する。一部でも想定外力が、安定領域Rstablejに含まれていないときは(ステップSa8−No)、ステップSa11に遷移する。
一方、全て想定外力が、安定領域Rstablejに含まれているときは(ステップSa8−Yes)、把持形態決定部114は、安定領域Rstablejの大きさ(体積)が、それまでに検出された安定的に把持可能な把持形態候補の安定領域の中で最大であるか否かを判定する(ステップSa9)。具体的には、把持形態決定部114は、安定領域Rstablejの大きさが、安定領域Rstablemの大きさよりも大きいか否かを判定する。なお、mが「0」のときは、安定領域Rstablemの大きさは「0」である。最大であるときは(ステップSa9−Yes)、変数mにjの値を代入し(ステップSa10)、ステップSa11に遷移する。最大でないときは(ステップSa9−No)、そのままステップSa11に遷移する。
ステップSa11では、把持形態決定部114は、ステップSa6で定義したループの終了条件を判定する。すなわち、把持形態決定部114は、j=1、2、…、Nfの全てについて、ステップSa7からSa10を処理済みのときは、ステップSa12に進み、それ以外のときは、jをインクリメントして、ステップSa7に戻る。
ステップSa12では、把持形態決定部114は、ステップSa5で定義したループの終了条件を判定する。すなわち、把持形態決定部114は、変数mが「0」でないとき、または、μ≧μmaxであるときは、ループを終了してステップSa13に進み、それ以外のときは、摩擦係数μの値をΔμだけ増加させてステップSa6に戻る。
ステップSa13では、把持形態決定部114は、変数m≠0であるか否かを判定する。変数m≠0であると判定したときは(ステップSa13−Yes)、把持形態決定部114は、把持形態候補Pを、安定的に対象物105を把持可能な把持形態として選択し、ロボット制御信号生成部116は、該把持形態でロボット110が対象物105を把持するように、ロボット110を制御する。
また、ステップSa13にて、変数m≠0でないと判定したときは(ステップSa13−No)、把持形態決定部114は、安定的に対象物105を把持可能な把持形態がない旨を通知して、処理を終了する。
図5は、把持形態決定部114による安定領域の算出処理を説明するフローチャートである。図5のフローチャートは、図4のステップSa7の処理を説明するフローチャートである。まず、把持形態決定部114は、把持形態候補Pが示す指の配置から把握写像Gを導出する(ステップSb1)。ここで、把握写像Gは、以下に示す式(2)により定義される行列である。
ただし、Iは、3行3列の単位行列であり、[rX]は下記の式(3)で定義される行列である。また、(rix、riy、riz)は、当該把持形態Pにおいて、i番目の指が対象物105と接触する点の座標である。
次に、把持形態決定部114は、全ての指130a、130b、130cについて、ロボット構造記憶部112が記憶するロボットハンド103の各関節を駆動するモーターなどの駆動部の許容トルクから、接触力の範囲を導出する(ステップSb2)。ここで、接触力は、各指130a、130b、130cが、対象物105に対して作用させる力を発生させるために、各関節の駆動部が発生させるトルクであり、ベクトルで表される。例えば、i番目の指の接触力fは、i番目の指の各関節の駆動部が発生するトルクτのx軸回り成分、y軸回り成分、z軸回り成分を要素とする。したがって、接触力fは、i番目の指の関節を駆動する駆動部の数に3を乗じた数の要素を持つ。ここでは、i番目の指の駆動トルクτの各要素が許容トルクの最小値と最大値の間にあることをτimin≦|τ|≦τimaxと表記する。
次に、把持形態決定部114は、全ての指130a、130b、130cについて、摩擦円錐から指先が滑らない条件を導出する(ステップSb3)。i番目の指先が滑らない条件は、該指先がその駆動部により駆動されることで対象物105に作用させる力である接触力のうち、接触面に対して平行な方向の成分が、指先が対象物105に作用させる接触力のうち接触面を押す力(接触面に対して垂直な方向の成分)と吸着機構による吸着力との合力に摩擦系数μを乗じた値以下であることである。このような条件を満たす、指先が対象物105に作用させる力ベクトルの集合が描く円錐を、摩擦円錐という。この摩擦円錐は、接触力と吸着力と摩擦係数μとで決まる。本実施形態では、このような指先が滑らない条件を、式(4)で表す。この式(4)では、摩擦円錐を多角錐で近似している。なお、式(4)およびその導出方法の詳細については後述する。
ここで、接触力fは、i番目の指がその関節をモーターなどで駆動されることで対象物105に作用させる力である。この接触力fは、外力に対する抗力を発生させるために各指が発生すべき力でもある。fsmaxは、i番目の指の吸着機構の吸着力の最大値である。ベクトルnは、i番目の指と対象物105との接触面の単位法線ベクトルである。ベクトルnは、対象物105の内側を向いている。また、ベクトルVは、摩擦円錐を近似する多角錐の各面の法線ベクトルからなる集合である。これらの法線ベクトルも該多角錐の内側を向いている。なお、滑らない条件は、Vに含まれる全ての単位法線ベクトルについて、式(4)が成り立つことである。
次に、把持形態決定部114は、全ての外力の方向および作用点について、ステップSb5の処理を行うために、外力の方向と作用点との組み合わせのうち未処理のものを選択し、該選択した組み合わせに応じたベクトルuを選択する(ステップSb4)。このベクトルuは、選択した作用点に、選択した方向の大きさ1の外力が加わったときに、対象物105に加わる外力のx軸成分、y軸成分、z軸成分、外力によるモーメントのx軸回り成分、y軸回り成分、z軸回り成分を要素とする。次に、ステップSb5では、ステップSb2の駆動トルクτの各要素の範囲と、ステップSb3の式(4)との条件を満たす、ステップSb4で選択したベクトルuに応じた作用点、方向の外力の大きさWの最大値を算出する。この最大値の算出は、公知の線形計画法を用いて、以下の式を解くことで行う。
なお、上述の式において、行列Jは、接触力fを駆動トルτに変換するヤコビ行列であり、図2のように指130a、130b、130c各々が複数関節を有しているときは把持形態によっても変わる。また、ベクトルwは、ベクトルuに応じた作用点、方向に、大きさWの外力が加えられたときの、対象物105に加わる外力のx軸成分、y軸成分、z軸成分、モーメントのx軸回り成分、y軸回り成分、z軸回り成分を要素とする。ベクトルkは、行列Gが正方行列ではないため現れるベクトルである。そのため、予め決められた範囲内の値各々をベクトルkに代入した場合それぞれについて、上述の式を解き、その中でのWの最大値を解とする。
次に、把持形態決定部114は、全ての外力の方向について、処理済みであるか否かを判定する(ステップSb6)。全て処理済みであるときは、把持形態決定部114は、各方向における外力の最大値Wmaxに該方向の単位ベクトルuを乗じたベクトルWmaxの集合を、安定領域Rstableとし(ステップSb7)、処理を終了する。未処理の方向があるときは、ステップSb4に戻る。
図6は、吸着機構が無い場合の滑らない条件を説明する概念図である。図6では、指の番号を表すiを省略して、対象物105の接触面S上の接触点pに、ロボットハンド103のi番目の指による接触力fが働いている場合を示す。ここでは、説明を簡易にするために、接触面をXY平面に平行な面とする。摩擦力は、接触力fの接触面Sに垂直な成分fzに摩擦係数μを乗じたμfzである。したがって、滑らない条件は、接触力fの接触面に平行な成分fxyが、摩擦力μfz以下であることである。ここで、tanθ=μとしたときに、接触点pを通り、接触面の法線とθの角をなす線mlを母線とする円錐を考える。すると、この円錐内に、接触力fが収まっていれば、fxy≦μfzが成り立つので、この円錐内に接触力fが収まっていることが滑らない条件であると言える。
図7は、吸着機構がある場合の滑らない条件を説明する概念図である。図6と同様に、指の番号を表すiを省略して、対象物105の接触面S上の接触点pに、ロボットハンド103のi番目の指による接触力fが働いているときに、吸着機構が有る場合は、摩擦力は、接触力fの接触面Sに垂直な成分fzと、吸着機構による吸着力fsmaxとの和に、摩擦係数μを乗じたμ(fz+fsmax)である。すなわち、fxy≦μ(fz+fsmax)が滑らない条件である。この条件は、吸着機構が無い場合の円錐(線mlを母線とする円錐)を、接触面Sの外側に吸着力fsmaxだけ平行移動した円錐(線ml’を母線とする円錐)内に、接触力fが収まっていることと言える。また、吸着機構が無い場合の円錐(線mlを母線とする円錐)内に、接触面Sの単位法線ベクトルnに吸着力fsmaxを乗じたベクトルと、接触力fとの和が収まっていることとも言える。
図8は、円錐の多角錐による近似を説明する概念図である。本実施形態では、図7で説明した滑らない条件、吸着機構が無い場合の円錐(線mlを母線とする円錐)内に、接触面Sの単位法線ベクトルnに吸着力fsmaxを乗じたベクトルと、接触力fとの和が収まっていることを、多角錐を用いて近似する。すなわち、滑らない条件を、該円錐を近似する多角錐内に、接触面Sの単位法線ベクトルnに吸着力fsmaxを乗じたものと、接触力fとの和が収まっていることとする。
図8では、円錐を6角錐で近似する場合を示す。図8の6角錐は、線mlを母線とする円錐に内接する6角錐である。したがって、この6角錐の各辺が、接触面Sの単位法線ベクトルnとなす角は、θである。この6角錐内にあるベクトルaが収まるということは、6角錐の面の6角錐内向きの法線ベクトルv全てと、該ベクトルaとがなす角が90度以下であることである。すなわち、全てのvについて、法線ベクトルvとベクトルaとの内積が正の値となることである。
これを、上述の滑らない条件に適用すると、全てのvについて、接触面Sの単位法線ベクトルnに吸着力fsmaxを乗じたものと、接触力fとの和と、法線ベクトルvとの内積が正の値となることである。これを式で書くと、以下の式(5)となる。さらに、両辺に−1を乗じて、法線ベクトルvの集合を、Vとすると、式(6)、すなわち式(4)が得られる。
図9は、図10、図11で例示する安定領域の把持形態を示す平面図である。以下では、説明の簡単のために、ロボットハンド103は、2本の指130a、130bを有しているとして説明する。図5のフローチャートで説明したように、把持形態決定部114は、各把持形態について、安定領域を算出する。図9で示す把持形態の例では、対象物105は正方形であり、該正方形の重心を原点とし、対角線の一方をx軸、他方をy軸とするように座標系がとられている。指130aと指130bは、対象物105のy軸の正の方向から、左右対称に接し、対象物105を把持している。
図10は、図9の把持形態の安定領域の平面図である。図10において、横軸は、許容外力のx軸成分Wx[N]、縦軸は、許容外力のy軸成分Wy[N]である。図10に示す安定領域の形状は、x軸方向には対称であるのに対し、y軸方向は、マイナス側よりもプラス側の方が大きくなっている。すなわち、指130a、130bに押し付ける方向である、yの正方向は許容外力が大きく、指130a、130bから引っ張る方向である、yの負方向は許容外力が小さくなることを示している。
図11は、図9の把持形態の安定領域の斜視図である。図11において、斜め手前への軸は、許容外力のx軸成分Wx[N]、斜め奥への軸は、許容外力のy軸成分Wy[N]である。これらの軸に垂直な軸は、許容外力のz軸回りのモーメントMz[Nm]である。x軸方向、y軸方向に比べて、z軸成分の値が小さいことから、図9のxy平面に対して垂直な方向の許容外力が小さいことが分かる。なお、図11に示す図では、x軸方向の許容外力や、x軸回り、y軸回り、z軸回りのモーメントは図示していない。
このように、本実施形態における把持形態決定部114は、想定外力に対する抗力を発生させるために指130a、130b、130c各々が発生すべき力が、摩擦係数と当該指の吸着機構による吸着力と当該指が駆動されて発生する接触力で形成される摩擦円錐に含まれることが、安定的に把持し続けられる条件に含まれている。このため、予め想定した想定外力が加わったときにも、接触面において滑らない、対象物105を安定的に把持し続けられる把持形態を事前に決定することができる。
また、把持形態決定部114は、把持形態候補の中から把持形態を選択する際に、摩擦係数を0から最大値まで徐々に大きくしながら、安定的に把持し続けられる把持形態を探索し、最初に見付けたものを選択している。このため、安定的に把持し続けられる把持形態のうち、摩擦係数が最も小さくても成り立つものを選択することができる。したがって、摩擦係数が、ロボットハンド103の経年劣化などにより、減少しても、安定的に把持し続けられる把持形態を採用できる。
なお、本実施形態では、摩擦係数が最も小さくても成り立つものを選択するために、摩擦係数を0から最大値まで徐々に大きくしながら探索し、最初に見付けたものとしているが、0から最大値までを探索し、見付けたものの内、摩擦係数が最も小さいときのものとするようにしてもよい。
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、ロボットハンド103の指130a、130b、130cが、対象物105に接する位置を把持形態として定義した。第2の実施形態では、指130a、130b、130cが接する位置に加え、吸着機構と接触面とがなす角を把持形態とする。第2の実施形態におけるロボットシステムは、図1に示す構成と同様であるが、制御装置101の把持形態候補算出部113と把持形態決定部114の一部のみが異なるので、これらの異なる部分のみを説明し、その他の部分は省略する。まず、吸着機構と接触面とがなす角と、吸着力との関係について説明する。
図12は、吸着機構と接触面とがなす角による接し方の違いを説明する図である。図12の左図は、吸着機構131aの非使用時吸着面の法線と、対象物105の接触面の法線とが成す角度が0度の状態で、吸着機構131aが対象物105と接している場合を示す。この場合、吸着機構131aの吸盤が対象物105に接している面積は、最大であり、吸着力fsmaxは最大値である。なお、非使用時吸着面は、上述したようにロボットハンド103が何も把持していないときの、吸着機構131a、131b、131c各々の吸盤の外縁部を含む面である。
図12の中図は、吸着機構131aの非使用時吸着面の法線と、対象物105の接触面の法線とが成す角度がαの状態で、吸着機構131aが対象物105と接している場合を示す。この場合、吸着機構131aの吸盤は引っ張られるために、対象物105に接している面積は、左図に比べて小さくなり、吸着力fsmaxは最大値より小さくなる。また、図12の右図は、吸着機構131aの非使用時吸着面の法線と、対象物105の接触面の法線とがなす角度が大きいために、吸盤の片側が対象物105から離れてしまっている場合を示す。この場合、吸着機構131aによる吸引力fsmaxは、ほぼ「0」である。
図13は、吸着機構の非使用時吸着面の法線と接触面の法線とのなす角と吸着力との関係を示すグラフである。図13において、横軸は吸着機構の非使用時吸着面の法線と、接触面の法線とがなす角αであり、縦軸は吸着力fsmaxである。図12で示したように、吸着機構の非使用時吸着面の法線と、接触面の法線とがなす角αが0度のとき、吸着力fsmaxは最大値bとなり、角αが増えるに従い、吸着力fsmaxは減少する。さらに、角αが一定の値cを超えると、吸着力fsmaxはほぼ「0」となってしまう。このような関係を式で表すと、式(7)となる。
図14は、本実施形態における制御装置101の動作を説明するフローチャートである。図14に示すフローチャートは、図4のフローチャートとは、ステップSa2、Sa7各々に変えて、ステップSc2、Sc7を有する点のみが異なる。ステップSc2では、把持形態候補算出部113は、ステップSa1にて算出した形状データと、ロボット構造記憶部112が記憶するロボット110の構造を示す情報とを参照して、(8)式に示す把持形態の全ての候補P(j=1、2、…Ng)を算出する。
ステップSc7では、把持形態決定部114は、ステップSa2と同様にして、安定領域を算出するが、このとき吸着力fsmaxをステップSa2のように固定値とせず、式(7)を用いて算出する。すなわち、吸着力fsmaxを角度αに応じた値として、安定領域を算出する。
このように、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、吸着機構を有するロボットハンド103が、対象物105を安定的に把持し続けられる把持形態を適切に決定することができる。また、安定的に把持し続けられる把持形態のうち、摩擦係数が最も小さくても成り立つものを選択することができる。
さらに、本実施形態では、把持形態候補Pに、指130a、130b、130cの位置だけでなく、各吸着機構131a、131b、131cの非使用時吸着面の法線と、対象物105の接触面の法線とがなす角α1j、α2j、α3jを含め、吸着力fsmaxを、これらの角に応じた値としている。このため、角αによって、吸着力が大きく変化する場合でも、安定的に把持し続けられる把持形態を適切に決定することができる。
なお、式(7)では、吸着機構の非使用時吸着面の法線と対象物105の接触面の法線とがなす角αが0度のときに、吸着力が最大となる。このため、第2の実施形態における制御装置101は、各吸着機構131a、131b、131cの非使用時吸着面の法線が、対象物105の接触面と垂直になるように、ロボット101を制御する。
なお、上述の各実施形態において、ロボットハンド103は、3つの指130a、130b、130cを有するとして説明したが、指は1つであってもよいし、2つであってもよいし、3つを超えていても良い。
また、ロボットハンド103が有する全ての指が吸着機構を有しているが、一部のみが吸着機構を有していても良い。その場合、吸着機構を有していない指のfsmaxは、0である。
また、吸着機構は、ポンプと接続されていない単なる吸盤であってもよいし、電磁石などの磁石であってもよい。
また、図1では、マニュピレータ102として、6軸の場合を示したが、軸数が6未満、あるいは軸数が7以上のマニュピレータ、走行可能な装置に設置されたマニュピレータなど、どのようなマニュピレータであってもよい。
また、図1における制御装置101の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより制御装置101を実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変形が可能である。
10…ロボットシステム、101…制御装置、102…マニュピレータ、103…ロボットハンド、104…カメラ、105…対象物、110…ロボット、111…対象物形状取得部、112…ロボット構造記憶部、113…把持形態候補算出部、114…把持形態決定部、115…想定外力記憶部、116…ロボット制御信号生成部、130a、130b、130c…指、131a、131b、131c…吸着機構

Claims (6)

  1. 対象物を把持するために該対象物と接触する接触部のうち少なくとも一つに吸着機構を有し、前記対象物を把持するロボットのロボット制御方法であって、
    前記ロボットが前記対象物を把持する把持形態であって、前記接触部が接触する前記対象物上の位置を少なくとも特定する把持形態を選択する第1の過程と、
    前記選択した把持形態において、所定の外力を前記対象物に加えたときに、前記対象物を安定的に把持し続けられるか否かを事前に判定する第2の過程と
    を有し、
    前記所定の外力に対する抗力を発生させるために前記接触部が発生すべき力が、前記吸着機構による吸着力により拡大された前記接触部が駆動されて発生する力の摩擦円錐に含まれる場合に、安定的に把持し続けられると判定すること
    を特徴とするロボット制御方法。
  2. 前記吸着機構による吸着力を、前記吸着機構が接触する前記対象物の接触面と、前記吸着機構とが成す角度に応じた値とすること
    を特徴とする請求項1に記載のロボット制御方法。
  3. 前記所定の摩擦係数を予め決められた範囲内の値にして、前記第1の過程と、前記第2の過程とを実施した結果、前記第2の過程において、安定的に把持し続けられると判定した把持形態のうち、前記所定の摩擦係数が最も小さいときの把持形態を選択する第3の過程を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のロボット制御方法。
  4. 対象物を把持するために該対象物と接触する接触部のうち少なくとも一つに吸着機構を有し、前記対象物を把持するロボットを制御するロボット制御装置であって、
    所定の外力を前記対象物に加えられても、前記対象物を安定的に把持し続けることができる把持形態であって、前記接触部が接触する前記対象物上の位置を少なくとも特定する把持形態を、事前に決定する把持形態決定部と、
    前記決定した把持形態で、前記ロボットが前記対象物を把持するように、前記ロボットを制御する信号を生成するロボット制御信号生成部と
    を具備し、
    前記把持形態決定部は、前記所定の外力に対する抗力を発生させるために前記接触部が発生すべき力が、摩擦係数と該吸着機構による吸着力とで形成される摩擦円錐に含まれる場合に、前記所定の外力を前記対象物に加えられても前記対象物を安定的に把持し続けることができると判定すること
    を特徴とするロボット制御装置。
  5. 対象物を把持するために該対象物と接触する接触部のうち少なくとも一つに吸着機構を有し、前記対象物を把持するロボットであって、
    所定の外力を前記対象物に加えられても、前記対象物を安定的に把持し続けることができる把持形態であって、前記接触部が接触する前記対象物上の位置を少なくとも特定する把持形態を、事前に決定する把持形態決定部と、
    前記決定した把持形態で、前記ロボットが前記対象物を把持するように、前記ロボットを制御する信号を生成するロボット制御信号生成部と
    を具備し、
    前記把持形態決定部は、前記所定の外力に対する抗力を発生させるために前記接触部が発生すべき力が、摩擦係数と該吸着機構による吸着力とで形成される摩擦円錐に含まれる場合に、前記所定の外力を前記対象物に加えられても前記対象物を安定的に把持し続けることができると判定すること
    を特徴とするロボット。
  6. 対象物を把持するために該対象物と接触する接触部のうち少なくとも一つに吸着機構を有し、前記対象物を把持するロボットと、
    前記ロボットを制御する制御装置と
    を具備し、
    前記制御装置は、
    所定の外力を前記対象物に加えられても、前記対象物を安定的に把持し続けることができる把持形態であって、前記接触部が接触する前記対象物上の位置を少なくとも特定する把持形態を、事前に決定する把持形態決定部と、
    前記決定した把持形態で、前記ロボットが前記対象物を把持するように、前記ロボットを制御する信号を生成するロボット制御信号生成部と
    を具備し、
    前記把持形態決定部は、前記所定の外力に対する抗力を発生させるために前記接触部が発生すべき力が、前記吸着機構による吸着力により拡大された前記接触部が駆動されて発生する力の摩擦円錐に含まれる場合に、前記所定の外力を前記対象物に加えられても前記対象物を安定的に把持し続けることができると判定すること
    を特徴とするロボットシステム。
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