JP6094514B2 - 過給機付きエンジンの蒸発燃料処理装置 - Google Patents
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Description
また、ターボチャージャ等の過給機を備えたエンジンにおいては、特許文献1に開示されているように、過給機が作動して吸気通路内が正圧になると、吸気負圧を利用したパージが行なえなくなることから、過給圧を利用して蒸発燃料を吸気管内にパージするエジェクタ機構が設けられている。
また、上記コンプレッサハウジングは、一般に耐熱材料(例えば、アルミニウムやアルミ合金などの金属、または、PPS、PPA、PA66などの高耐熱樹脂)で形成されており、このコンプレッサハウジングの入口通路部と出口通路部とを接続する上記接続部の連通孔内にエジェクタ機構を設けるので、樹脂製のダクトに接続する場合のような熱害対策が不要となる。
要するに、熱害対策が不要なうえ、配管レイアウトを極めて簡素化することができるものである。
図面は過給機付きエンジンの蒸発燃料処理装置を示し、図1はその系統図である。
図1において、過給機付きエンジンは、インテークシステムA、燃料供給システムB、蒸発燃料処理装置Cを備えている。
上述のインテークシステムAは、エンジン1に空気を供給するものであって、エアクリーナ10、コンプレッサ上流ダクト11、ターボチャージャ12、コンプレッサ下流ダクト13、インタクーラ14、インタクーラ下流通路15、スロットルボディ16、サージタンク17、吸気マニホルド18を備えている。
コンプレッサ下流ダクト13は、ターボチャージャ12のコンプレッサ22が吐出した空気を、インタクーラ14に導入する管路である。
上述のスロットルボディ16には、スロットル弁16Vが設けられており、このスロットル弁16Vの開度を調整することで、エンジン1の出力調整が実行される。
燃料タンク30は、液相のガソリン等の燃料を貯留する容器である。
燃料ポンプ(図示せず)は、燃料タンク30内の燃料を所定燃圧まで加圧して燃料供給通路31に吐出するものである。
上述のエジェクタ機構50は、蒸発燃料用の流体ポンプであり、ターボチャージャ12のコンプレッサ22で加圧された吸気の一部(過給圧)を内部に流入させて、吸気の一部をターボチャージャ12におけるコンプレッサ22の上流側に流出させると共に、過給圧が内部を流通する際に形成される負圧により蒸発燃料を吸引するようになっている。
図2〜図4に示すように、ターボチャージャ12(過給機)におけるコンプレッサ22のコンプレッサハウジング27は、上下に離間して入口通路部27aと出口通路部27bとを備えている。この実施例では、入口通路部27aを上部に形成し、出口通路部27bを下部に形成している。
しかも、上述のターボチャージャ12のコンプレッサハウジング27における入口通路部27aと出口通路部27bとを斜め上下方向に一体に接続する接続部51を設け、この接続部51内に上述の入口通路部27aと出口通路部27bとを連通する直線状の連通孔52を形成して、この連通孔52内部にエジェクタ機構50を設けている。
また、絞り部27dに連通孔52の出口部54を連通形成することで、連通孔52への流体(具体的には、ブローバイガス乃至当該ブローバイガスが冷却されたオイルミスト)の侵入を可及的抑制するように構成したものである。
このエバポガス導入通路58は、上述の接続部51の外側部に開口形成されたものである。
このエジェクタ本体60はベンチュリ管で形成されており、その内部には上流側の内径が大きく下流側程その内径が小さくなるノズル部61を有すると共に、上流側端部には上述のネジ孔57に螺合される雄ネジ構造のネジ部62が一体形成されている。
そして、このディフューザ部55は、内部を流通する吸気および蒸発燃料の流速を低下させつつ、圧力を上昇させるようになっている。
なお、上述のコンプレッサハウジング27は、アルミニウムやアルミ合金などの金属、または、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、PPA、PA66(PAはポリアミド)などの高耐熱樹脂により形成されている。
このブローバイガス通路70の上流端は、シリンダヘッドカバーに開口しており、ブローバイガス通路70の下流端はコンプレッサハウジング27のブローバイガス流入部27e(図2,図3,図4参照)に連通接続されている。
蒸発燃料処理装置Cは、ターボチャージャ12が作動されない時の通常パージと、ターボチャージャ12が作動された時の過給時パージとを行なう。
車両の走行時において、ターボチャージャ12が作動していない場合、パージバルブ46が開弁制御されると、エンジン1の吸入行程により発生する吸気マニホルド18内の負圧と、キャニスタ40に付勢される大気圧との差によって、キャニスタ40内に吸着された蒸発燃料は、パージ通路43、パージバルブ46、分岐点47、逆止弁48、負圧域用パージ通路44、サージタンク17を介して吸気マニホルド18内に吸引される。
吸気マニホルド18内に吸引された蒸発燃料は、インジェクタ32からエンジン1に供給される本来の燃焼用燃料と混合されて、エンジン1のシリンダ内で燃焼される。
車両の走行時において、ターボチャージャ12が作動している場合には、吸気マニホルド18内は加圧された吸気により正圧となるので、上述のような蒸発燃料の吸引が困難となる。
過給時パージにおいては、ターボチャージャ12のコンプレッサ22により過給された吸気の一部が、出口通路部27bからエジェクタ機構50内を流通して、インペラ収納部27c直上流の絞り部27dからコンプレッサ22の上流側に戻る。
この時、パージバルブ46が開弁制御されると、エジェクタ機構50のエバポガス導入通路58に作用する負圧吸引力により、キャニスタ40に吸着された蒸発燃料は、パージ通路43、パージバルブ46、分岐点47、逆止弁49、過給域用パージ通路45を介して、エバポガス導入通路58からエジェクタ機構50に吸引され、該エジェクタ機構50内を流通する吸気と共にインペラ収納部27cの上流に供給される。
また、上記コンプレッサハウジング27は、一般に耐熱材料(例えば、アルミニウムやアルミ合金などの金属、または、PPS、PPA、PA66などの高耐熱樹脂)で形成されており、このコンプレッサハウジング27の入口通路部27aと出口通路部27bとを接続する上記接続部51の連通孔52内にエジェクタ機構50を設けるので、樹脂製のダクトに接続する場合のような熱害対策が不要となる。
要するに、熱害対策が不要なうえ、配管レイアウトを極めて簡素化することができるものである。
この実施例においては、接続部51内に形成する連通孔52がコンプレッサハウジング27の入口通路部27a(詳しくは、絞り部27d)の下側部に開口しており、この開口59の下端が入口通路部27aの内部下端(27bottom)よりも高い位置に位置するように構成されたものである。
このように構成しても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例と同様であるから、図7において前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
このように構成すると、コンプレッサハウジング27の強度向上と、エジェクタ機構50の剛性向上との両立を図ることができる。
この発明の過給機は、実施例のターボチャージャ12に対応し、
以下同様に、
蒸発燃料通路は、過給域用パージ通路45に対応し、
ネジ部は、ネジ孔57に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、上記実施例においては、I型エンジンを例示したが、本実施例の過給機付きエンジンの蒸発燃料処理装置は、V型エンジンやロータリエンジンなどの他の過給機付きエンジンにも適用することができる。
1…エンジン
12…ターボチャージャ(過給機)
27…コンプレッサハウジング
27a…入口通路部
27b…出口通路部
27c…インペラ収納部
27d…絞り部
27bottom…下端
30…燃料タンク
45…過給域用パージ通路(蒸発燃料通路)
50…エジェクタ機構
51…接続部
52…連通孔
53…開口部
54…出口部
57…ネジ孔(ネジ部)
58…エバポガス導入通路
59…開口
60…エジェクタ本体
Claims (7)
- 燃料タンク内で発生する蒸発燃料を過給機付きエンジンにパージする過給機付きエンジンの蒸発燃料処理装置であって、
過給機のコンプレッサハウジングの入口通路部と出口通路部とを一体に接続する接続部を設け、
該接続部内に上記入口通路部と上記出口通路部とを連通する連通孔を形成すると共に、
該連通孔内部にエジェクタ機構を設け、
該エジェクタ機構に燃料タンク側から蒸発燃料が流通される蒸発燃料通路を接続した
過給機付きエンジンの蒸発燃料処理装置。 - 上記接続部が上記コンプレッサハウジングの上記出口通路部の開口部から上記入口通路部に向かって当該入口通路部の軸芯線に対して斜めに設けられ、
上記出口通路部の開口部を介して上記連通孔が形成された
請求項1記載の過給機付きエンジンの蒸発燃料処理装置。 - 上記入口通路部は円形に形成され、該入口通路部に対してその下方から連通する上記連通孔の開口は、円形の入口通路部の最も低い位置の下端に対して円形の周方向にオフセットした高い位置に位置するよう開口形成された
請求項1または2記載の過給機付きエンジンの蒸発燃料処理装置。 - 上記出口通路部の開口部を介してエジェクタ本体を挿入するように構成した
請求項1〜3の何れか1項に記載の過給機付きエンジンの蒸発燃料処理装置。 - 上記連通孔にネジ部が形成され、上記エジェクタ機構のエジェクタ本体が螺合されて固定されるように構成した
請求項1〜4の何れか1項に記載の過給機付きエンジンの蒸発燃料処理装置。 - 上記接続部の側部にエバポガス導入通路が開口され、
該エバポガス導入通路に上記蒸発燃料通路が接続された
請求項1〜5の何れか1項に記載の過給機付きエンジンの蒸発燃料処理装置。 - 上記コンプレッサハウジングはインペラ収納部の直上流に絞り部を有し、
該絞り部に上記連通孔の出口部が連通形成された
請求項1〜6の何れか1項に記載の過給機付きエンジンの蒸発燃料処理装置。
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