JP6194899B2 - 過給機付きエンジンの導入ガス処理装置、及び過給機付きエンジンの蒸発燃料処理装置 - Google Patents
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Description
また、ターボチャージャ等の過給機を備えたエンジンにおいては、特許文献1に開示されているように、過給機が作動して吸気通路内が正圧になると、吸気負圧を利用したパージが行なえなくなることから、過給圧を利用して蒸発燃料を吸気管内にパージするエジェクタ機構が設けられている。
また、上記過給機のコンプレッサハウジングは、一般に耐熱材料(例えば、アルミニウムやアルミ合金、またはPPS、PPA、PA66などの高耐熱樹脂)で形成されており、このコンプレッサハウジングの入口通路部にエジェクタ機構を一体的に設けるので、当該コンプレッサハウジングを利用してエジェクタ機構を構成することができ、樹脂製のダクトに接続する場合のような熱害対策が不要となる。
要するに、配管レイアウトの簡素化と、熱害対策の省略との両立を図ることができる。
上記構成によれば、吸気および蒸発燃料からなる混合気の流速を低下させつつ、その圧力を上昇することができる。
(参考例)
図面は過給機付きエンジンの蒸発燃料処理装置を示し、図1はその系統図、図2は蒸発燃料処理装置の要部斜視図、図3はコンプレッサハウジング入口通路部に位置するアダプタの平面図、図4は図3のD−D線矢視に相当する要部断面図、図5は図4の要部拡大断面図である。
上述のインテークシステムAは、エンジン1に空気を供給するものであって、エアクリーナ10、コンプレッサ上流ダクト11、ターボチャージャ12、コンプレッサ下流ダクト13、インタクーラ14、インタクーラ下流通路15、スロットルボディ16、サージタンク17、吸気マニホルド18を備えている。
コンプレッサ下流ダクト13は、ターボチャージャ12のコンプレッサ22が吐出した空気を、インタクーラ14に導入する管路である。
上述のスロットルボディ16には、スロットル弁16Vが設けられており、このスロットル弁16Vの開度を調整することで、エンジン1の出力調整が実行される。
燃料タンク30は、液相のガソリン等の燃料を貯留する容器である。
燃料ポンプ(図示せず)は、燃料タンク30内の燃料を所定燃圧まで加圧して燃料供給通路31に吐出するものである。
上述のエジェクタ機構50は、蒸発燃料用の流体ポンプであり、ターボチャージャ12のコンプレッサ22で加圧された吸気の一部(過給圧)を内部に流入させて、吸気の一部をターボチャージャ12におけるコンプレッサ22の上流側に流出させると共に、過給圧が内部を流通する際に形成される負圧により蒸発燃料を吸引するようになっている。
図2に示すように、このアタッチメント51はそのフランジ51fをコンプレッサハウジング27の入口通路部27aの上流端外部のフランジ27fに対して締結されたものである。
そして、コンプレッサハウジング27の一部を構成するアタッチメント51の上記厚肉部54にエジェクタ機構50を一体的に設けたものである。
上述のエジェクタ本体55は、コンプレッサハウジング27の出口通路部27bからの吸気の一部(つまり過給圧)をディフューザ部56aの上流に供給するもので、このエジェクタ本体55は管部材で形成されている。
また、上記ノズル部55eの内径は、先端(下流端)に向けて徐々に小径になるように形成されている。ノズル部55eは、絞り効果によって過給圧導入部としてのパイプ部55dから流入された吸気の流速を高めるようになっている。これにより、ノズル部55eの先端側において、高速となって吸気が流出される領域は負圧となり、この負圧によりエバポガス導入通路56cから蒸発燃料を負圧吸引する。
そして、このディフューザ部56aは、内部を流通する吸気および蒸発燃料の流速を低下させつつ、圧力を上昇させるようになっている。
また、ディフューザ部56aと連通路56bとの分岐点よりも下流側(図示上方側)において、当該ディフューザ部56aの下流端は、プラグ57により閉止されている。
つまり、ターボチャージャ12のコンプレッサ22とインタクーラ14との間の吸気の一部が流通される上記インタクーラ上流部連絡通路60が、上記エジェクタ機構50に接続されたものである。
また、該インタクーラ上流部連絡通路60の下流端部60bは、クランプ62を用いてエジェクタ本体55に取付けられている。
このブローバイガス通路70の上流端は、図1に示すように、シリンダヘッドカバーに開口している。また、ブローバイガス通路70の下流端は、図4,図5に示すように、ブローバイガス流入部53に接続されるが、この実施例では、円筒状のブローバイガス流入部53の内径部から上方へ突出するように導入パイプ71を設け、この導入パイプ71にクランプ72を用いてブローバイガス通路70の下流端部を取付けている。
すなわち、コンプレッサ上流ダクト11とコンプレッサ下流ダクト13とは、上流ダクト11が上側に位置して、下流ダクト13が下側に位置しており、かつ、これら各ダクト11,13が互いに略平行になるように配設されている。
蒸発燃料処理装置Cは、ターボチャージャ12が作動されない時の通常パージと、ターボチャージャ12が作動された時の過給時パージとを行なう。
車両の走行時において、ターボチャージャ12が作動していない場合、パージバルブ46が開弁制御されると、エンジン1の吸入行程により発生する吸気マニホルド18内の負圧と、キャニスタ40に付勢される大気圧との差によって、キャニスタ40内に吸着された蒸発燃料は、パージ通路43、パージバルブ46、分岐点47、逆止弁48、負圧域用パージ通路44、サージタンク17を介して吸気マニホルド18内に吸引される。
吸気マニホルド18内に吸引された蒸発燃料は、インジェクタ32からエンジン1に供給される本来の燃焼用燃料と混合されて、エンジン1のシリンダ内で燃焼される。
車両の走行時において、ターボチャージャ12が作動している場合には、吸気マニホルド18内は加圧された吸気により正圧となるので、上述のような蒸発燃料の吸引が困難となる。
過給時パージにおいては、ターボチャージャ12のコンプレッサ22により過給された吸気の一部が、インタクーラ上流部連絡通路60からエジェクタ機構50内を流通して、アタッチメント51の内部通路52からコンプレッサ22の上流側に戻る。
この時、パージバルブ46が開弁制御されると、エジェクタ機構50のエバポガス導入通路56cの吸引作用により、キャニスタ40に吸着された蒸発燃料は、パージ通路43、パージバルブ46、分岐点47、逆止弁49、過給域用パージ通路45を介して、エバポガス導入通路56cからエジェクタ機構50に吸引され、エジェクタ機構50内を流通する吸気と共に、連通路56bからアタッチメント51の内部通路52に供給される。
しかも、コンプレッサハウジング27の入口通路部27aにおけるアタッチメント51にエジェクタ機構50を設けたので、当該コンプレッサハウジング27(この実施例では、コンプレッサハウジング27の一部を形成するアタッチメント51)を利用してエジェクタ機構50を構成することができ、熱害対策が不要となる。
また、上記ターボチャージャ12のコンプレッサハウジング27は、一般に耐熱材料(例えば、アルミニウムやアルミ合金、またはPPS、PPA、PA66などの高耐熱樹脂)で形成されており、このコンプレッサハウジング27の入口通路部27aにエジェクタ機構50を一体的に設けるので、当該コンプレッサハウジング27(この実施例では、コンプレッサハウジング27の一部を形成するアタッチメント51参照)を利用してエジェクタ機構50を構成することができ、樹脂製のダクトに接続する場合のような熱害対策が不要となる。
要するに、配管レイアウトの簡素化と、熱害対策の省略との両立を図ることができる。
また、図6は実施例1におけるエジェクタ機構100の平面図を示し、図7は図6の要部拡大断面図を示している。
パイプ部112は、連絡通路接続部111における軸方向に対して、略直交する方向に延びる略円筒状であって、一端が閉塞した有底の筒状体に形成している。このパイプ部112は、その内部空間と連絡通路接続部111の内部空間とが連通するように形成している。
さらに、別体収容部120におけるコンプレッサハウジング27と当接する面には、後述するディフューザ部121を囲繞するように配置したOリング124を装着している。
また、図9は実施例2におけるエジェクタ機構200の斜視図を示し、図10は図9の要部拡大断面図を示している。
連絡通路接続部211、及びパイプ部212は、上述の実施例1におけるエジェクタ本体110のインタクーラ連絡通路接続部111、及びパイプ部112と同様の構成のため、その詳細な説明を省略する。
さらに、エジェクタ収容部223、及びエバポガス導入通路222は、上述した実施例1におけるエジェクタ収容部123、及びエバポガス導入通路122と同様の構成のため、その詳細な説明を省略する。
一方、ボルト頭部233は、ボルトフランジ232の小径側から拡径したのち、先端部分を略六角柱状に形成している。
この発明の過給機は、実施例のターボチャージャ12に対応し、
以下同様に、
導入ガスは、蒸発燃料に対応し、
導入ガス装置は、蒸発燃料処理装置Cに対応し、
導入ガス通路、及び蒸発燃料通路は、過給域用パージ通路45に対応し、
収容部は、収容部56、及び別体収容部120,220に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
また、実施例においては、I型エンジンを例示したが、本実施例の過給機付きエンジンの蒸発燃料処理装置は、V型エンジンやロータリエンジンなどの他の過給機付きエンジンにも適用することができる。
1…エンジン
12…ターボチャージャ(過給機)
14…インタクーラ
22…コンプレッサ
27…コンプレッサハウジング
27a…入口通路部
27b…出口通路部
30…燃料タンク
45…過給域用パージ通路(蒸発燃料通路)
50,100,200…エジェクタ機構
55、110,210…エジェクタ本体
56…収容部
56c,122,222…エバポガス導入通路
60…インタクーラ上流部連絡通路
120,220…別体収容部
121,221…ディフューザ部
230…頭部分離ボルト
231…ボルト軸部
233…ボルト頭部
L…回転方向
Claims (7)
- 導入ガスを過給機付きエンジンに導入する過給機付きエンジンの導入ガス処理装置であって、
過給機のコンプレッサハウジングの入口通路部に一体的にエジェクタ機構を設け、
上記導入ガスが流通される導入ガス通路と、
上記過給機のコンプレッサとインタクーラとの間の吸気の一部が流通されるインタクーラ上流部連絡通路とが、それぞれ上記エジェクタ機構に接続され、
上記入口通路部が、
上記コンプレッサの回転方向に沿った上記入口通路部の接線方向に向けて開口形成された連通路を備え、
上記エジェクタ機構が、
上記インタクーラ上流部連絡通路が接続されるとともに、上記インタクーラ上流部連絡通路からの吸気を放出するノズル部を先端に有するエジェクタ本体を備え、
該エジェクタ本体の上記ノズル部が、
上記接線方向に沿うとともに、上記連通路へ向けて配置された
過給機付きエンジンの導入ガス処理装置。 - 燃料タンク内で発生する蒸発燃料を過給機付きエンジンにパージする過給機付きエンジンの蒸発燃料処理装置であって、
過給機のコンプレッサハウジングの入口通路部に一体的にエジェクタ機構を設け、
上記燃料タンク側から蒸発燃料が流通される蒸発燃料通路と、
上記過給機のコンプレッサとインタクーラとの間の吸気の一部が流通されるインタクーラ上流部連絡通路とが、それぞれ上記エジェクタ機構に接続され、
上記入口通路部が、
上記コンプレッサの回転方向に沿った上記入口通路部の接線方向に向けて開口形成された連通路を備え、
上記エジェクタ機構が、
上記インタクーラ上流部連絡通路が接続されるとともに、上記インタクーラ上流部連絡通路からの吸気を放出するノズル部を先端に有するエジェクタ本体を備え、
該エジェクタ本体の上記ノズル部が、
上記接線方向に沿うとともに、上記連通路へ向けて配置された
過給機付きエンジンの蒸発燃料処理装置。 - 上記エジェクタ機構に、
上記コンプレッサハウジングの上記入口通路部と連通するディフューザ部を備え、
該ディフューザ部を、
上記エジェクタ機構側に対して上記入口通路部側を拡径した形状に形成した
請求項2に記載の過給機付エンジンの蒸発燃料処理装置。 - 上記コンプレッサハウジングとは別体で形成したエジェクタ本体取付用の収容部を備え、
該収容部を、
前記コンプレッサハウジングに対して、所定のボルトで締結する構成とし、
上記所定のボルトを、
所定の締付けトルクを加えることで、ボルト頭部とボルト軸部とが分離する頭部分離ボルトで構成した
請求項2または請求項3に記載の過給機付エンジンの蒸発燃料処理装置。 - 上記コンプレッサハウジングに、エジェクタ本体取付用の収容部を備え、
該収容部にエジェクタ本体がネジ込み固定されるように構成された
請求項2〜4の何れか1項に記載の過給機付きエンジンの蒸発燃料処理装置。 - 上記収容部の側部にエバポガス導入通路が開口され、
該エバポガス導入通路に上記蒸発燃料通路が接続された
請求項4または5に記載の過給機付きエンジンの蒸発燃料処理装置。 - 上記インタクーラ上流部連絡通路が、上記コンプレッサハウジングの出口通路部から吸気の一部を上記エジェクタ機構に流通させるように構成された
請求項2〜6の何れか1項に記載の過給機付きエンジンの蒸発燃料処理装置。
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