JP6081892B2 - フォーカルプレンシャッタ及び光学機器 - Google Patents
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この構成によれば、駆動機構により駆動されてセット部材がセット動作を行い、駆動部材(及び羽根部材)がシャッタ動作前のセット位置にセットされると、駆動部材が電磁石によりセット位置に保持された後に、セット部材が(戻しバネ等の)付勢力により休止位置に戻されて駆動部材の機械的な規制が解除され、(電磁石の通電オフによる)羽根部材の走行を可能にする状態になる。
ここで、セット部材が付勢力により休止位置に戻った際に(休止位置においてストッパ等に当接した際に)、規制機構によりセット部材が逆向きに移動する反動(バウンド)が規制されるため、セット部材の休止位置への復帰後即座に羽根部材を走行させてシャッタ動作を完了させることができる。
これにより、レリーズ動作から撮影完了までのタイムラグを短くすることができ、又、連写する際の連写速度を速めることができ、一連の制御シーケンスを短縮化できる。
この構成によれば、規制機構が、セット部材に連結された駆動機構の一部をなすリンク部材の移動を規制することでセット部材の反動を規制する、すなわち、駆動機構の一部をなす既存のリンク部材の移動を規制するため、セット部材の周りに新たな部品を追加することなく、構造の簡素化、小型化を達成しつつ、規制機構を設けることができる。
この構成によれば、例えば、第1カム部材が(例えば、駆動源としてのモータ等により)一方向に回転すると、揺動部材が一方向に移動すると共にリンク部材が一方向に移動して、セット部材がセット動作を行い、駆動部材(及び羽根部材)がセット位置にセットされ、第1カム部材がさらに回転してカム作用を解除すると、(戻しバネ等の)付勢力によりセット部材は休止位置に戻り、又、第2カム部材が一方向に回転してカム作用を解除すると、(付勢バネの付勢力により)係止部材が一方向に移動してリンク部材の移動を規制し得る位置に位置付けられる。
このように、第1カム部材と第2カム部材が同軸にて一体的に回転するように形成されているため、一つの駆動源の駆動力により両方のカム部材を回転させることができ、又、各々のカム部材が適宜カム作用を及ぼす相対的なタイミングを高精度に設定することができる。
この構成によれば、係止部材は、セット動作の完了時点でリンク部材の一部に接触した接触位置に保持されるため、セット部材が休止位置に戻ると即座に接触位置から規制位置に移動してリンク部材の移動を規制することができ、素早い動きで規制動作を行うことができる。
この構成によれば、係止部材は、リンク部材が移動する第1面と垂直な第2面内で、接触状態から離脱すると付勢力により即座に規制位置に移動することができ、セット部材の反動を確実に防止して、レリーズ動作から撮影完了までのタイムラグをより短くすることができる。
この実施形態に係るフォーカルプレンシャッタは、図1ないし図3に示すように、地板10、羽根部材としての先羽根20及び後羽根30、先羽根20を駆動する駆動部材としての先羽根駆動レバー40及び付勢バネ50、後羽根30を駆動する駆動部材としての後羽根駆動レバー60及び付勢バネ70、先羽根駆動レバー40及び後羽根駆動レバー60にそれぞれ設けられた被吸着部80、先羽根駆動レバー40及び後羽根駆動レバー60の被吸着部80に対して磁気的吸引力を及ぼすべくそれぞれ対応して設けられた二つの電磁石90、先羽根駆動レバー40及び後羽根駆動レバー60をシャッタ動作前のセット位置にセットするセット部材100、セット部材100を休止位置に向けて回転付勢する付勢バネ110、セット部材100にセット動作を行わせる駆動機構120(リンク部材121、揺動部材122、第1カム部材123、歯車列124、モータ125)、セット部材100が休止位置に戻った際に逆向きに移動するのを規制する規制機構130(係止部材131、付勢バネ132、第2カム部材133)等を備えている。尚、地板10には、上記各機構の裏側に先羽根20を収容する羽根室を画定する中間板(不図示)及び後羽根30を収容する羽根室を画定する裏板(不図示)が所定の間隔をおいて固定されている。
主地板11は、図1に示すように、開口部11a、円弧状の長孔11b及び長孔11c、先羽根20を回動自在に支持するべく羽根室側に立設された支軸11d,11e、後羽根30を回動自在に支持するべく羽根室側に立設された支軸11f,11g、先羽根駆動レバー40を回動自在に支持するべく羽根室の外側に立設された支軸11h、後羽根駆動レバー60を回動自在に支持するべく羽根室の外側に立設された支軸11i、セット部材100を回動自在に支持するべく羽根室の外側に立設された支軸11j等を備えている。
支持板12は、図1に示すように、二つの電磁石90を保持する保持部12a,12b、支軸11h,11i,11jを嵌合させて固定する嵌合孔12c,12d,12e、ネジにより主地板11に固定する固定部12f,12g等を備えている。
アーム24は、支軸11dにより回動自在に支持されると共に、その一部が先羽根駆動レバー40の駆動ピン41に連結されている。
アーム25は、支軸11eにより回動自在に支持されている。
そして、アーム24が、図6に示すように、先羽根駆動レバー40により上方に向けて(反時計回りに)駆動されることにより、3枚の羽根本体21,22,23が展開して開口部11aを閉鎖し、一方、図1に示すように、先羽根駆動レバー40により下方に向けて(時計回りに)駆動されることにより、3枚の羽根本体21,22,23が重なり合って開口部11aを開放するようになっている。
アーム34は、支軸11fにより回動自在に支持されると共に、その一部が後羽根駆動レバー60の駆動ピン61に連結されている。
アーム35は、支軸11gにより回動自在に支持されている。
そして、アーム34が、図6に示すように、後羽根駆動レバー60により上方に向けて(反時計回りに)駆動されることにより、3枚の羽根本体31,32,33が重なり合って開口部11aを開放し、一方、図1に示すように、後羽根駆動レバー60により下方に向けて(時計回りに)駆動されることにより、3枚の羽根本体31,32,33が展開して開口部11aを閉鎖するようになっている。
駆動ピン41は、主地板11の長孔11bに挿入されると共に、時計回りに回転した回転端において長孔11bに固定されたゴム等の緩衝部材(不図示)に当接して停止するようになっている。
駆動ピン61は、主地板11の長孔11cに挿入されると共に、時計回りに回転した回転端において長孔11cに固定されたゴム等の緩衝部材(不図示)に当接して停止するようになっている。
電磁石90は、図1に示すように、支持板12の保持部12a,12bに保持されており、所定の長さの鉄芯部材91、鉄芯部材91の周りおいてボビンに巻回された励磁用のコイル92等により構成されている。
そして、コイル92への通電により、鉄芯部材91を通る磁力線を発生させて、対向する被吸着部80(の鉄片81)に対して磁気的吸引力を及ぼすようになっている。
そして、セット部材100は、駆動機構120が及ぼす駆動力により、付勢バネ110の付勢力に抗して図1及び図2に示す休止位置(露光動作完了位置)から時計回りに回転すると、係合部101が係合部42に回転力を及ぼしかつ係合部102が係合部62に回転力を及ぼして、図6及び図7に示すように、先羽根駆動レバー40及び後羽根駆動レバー60をそれぞれの付勢バネ50,70の回転付勢力に抗しつつ反時計回りに回転させてシャッタ動作前のセット位置にセットするセット動作を行い、一方、セット位置において先羽根駆動レバー40が電磁石90により吸着保持されかつ後羽根駆動レバー60が電磁石90により吸着保持された状態で、付勢バネ110の付勢力により反時計回りに回転して休止位置に戻ると、図11及び図2に示すように、係合部101が係合部42から離脱しかつ係合部102が係合部62から離脱して、先羽根駆動レバー40及び後羽根駆動レバー60の時計回りの回転を許容する状態とするものである。
リンク部材121は、図1ないし図3に示すように、一端部121a、屈曲して形成されると共に長孔を有する他端部121b、係止部材131の係合部131aが接触し得る接触面121c、接触面121cに隣接して形成され係止部材131の係合部131aが対向して移動を規制し得る被係止部121d等を備え、セット部材100が移動(回動)する面と平行な第1面内で移動自在に支持されており、一端部121aがセット部材100の連結部103に連結され、他端部121b(長孔)が揺動部材122の一端部122a(ピン)に連結されている。
接触面121cは、図9及び図10に示すように、係止部材131が接触位置にあるとき、係合部131aの平面部分と接触するように形成されている。
被係止部121dは、図2及び図3に示すように、係止部材131が規制位置にあるとき係合部131aの縁部分と対向して移動が規制されるように形成されている。
揺動部材122は、図3に示すように、ピンを有する連結部122a、一部図示を省略した主地板11の支軸に支持される枢支部122b、第1カム部材123によりカム作用を受けるフォロワ部122c等を備えており、リンク部材121が移動する第1面に垂直な第2面内で枢支部122bを支点として揺動するように形成されている。
第1カム部材123は、カメラ本体又は他の基板に設けられた支軸(不図示)が通される支軸孔123a、揺動部材122のフォロワ部122cに対してカム作用を及ぼす第1カム部123bを備えている。
そして、第1カム部123bは、図3示す状態→図5に示す状態→図8に示す状態に至るまで反時計回りに回転すると、揺動部材122及びリンク部材121を介して、セット部材100を休止位置から時計回りに回転させてセット部材100にセット動作を行わせ、さらに図10に示す状態を経て図12に示す状態に至るまで回転すると、揺動部材122に対するカム作用を解除して(フォロワ部122cから離脱して)、付勢バネ110の付勢力によりセット部材100が休止位置に戻るのを許容するようになっている。
係止部材131は、図1ないし図3に示すように、リンク部材121の接触面121cに対して離脱可能に接触しかつ被係止部121dに対向して離脱可能に係合し得る係合部131a、一部図示を省略した主地板11の支軸に支持される枢支部131b、第2カム部材133によりカム作用を受けるフォロワ部131c等を備えており、リンク部材121が移動する第1面に垂直な第2面内で枢支部131bを支点として揺動するように形成されている。
付勢バネ132は、枢支部131bの周りに配置された捩りコイルバネであり、一端部132aが係止部材131の一部に掛止され、他端部132bが一部図示を省略した主地板11に掛止されて、係止部材131を第2カム部材133に近づく向きに(図3中の時計回りに)回転付勢する付勢力を及ぼすように形成されている。
第2カム部材133は、カメラ本体又は他の基板に設けられた支軸(不図示)が通される支軸孔133a、係止部材131のフォロワ部131cに対してカム作用を及ぼす第2カム部133bを備えており、第1カム部材123と同軸にて一体的に回転するように形成されている。
ここでは、第2カム部材133が第1カム部材123と同軸にて一体的に回転するように形成されているため、一つの駆動源(モータ125)の駆動力により両方のカム部材(第1カム部材123、第2カム部材133)を回転させることができ、又、各々のカム部材(123、133)が適宜カム作用を及ぼす相対的なタイミングを高精度に設定することができる。
このように、規制機構130が、セット部材100に連結された駆動機構120の一部をなすリンク部材121の移動を規制することでセット部材100の反動を規制する、すなわち、駆動機構120の一部をなすリンク部材121の移動を規制するため、セット部材100の周りに新たな部品を追加することなく、構造の簡素化、小型化を達成しつつ、規制機構を設けることができる。
さらに、係止部材131は、リンク部材121が移動する第1面に垂直な第2面内で移動するように形成され、接触位置において第2カム部材133から離脱した状態でリンク部材121の一部(接触面121c)と接触するように付勢されているため、係止部材131は、リンク部材121が移動する第1面と垂直な第2面内で接触状態から離脱すると付勢バネ132の付勢力により即座に規制位置に移動することができ、それ故に、セット部材100の反動を確実に防止して、レリーズ動作から撮影完了までのタイムラグをより短くすることができる。
先ず、シャッタ動作完了後(露光動作完了後)の休止状態においては、図1ないし図3に示すように、セット部材100は付勢バネ110の付勢力により反時計回りに回転して休止位置に位置し、先羽根駆動レバー40は付勢バネ50の回転付勢力により時計回りに回転して停止し、先羽根20は開口部11aを開放した位置に位置し、又、後羽根駆動レバー60は付勢バネ70の回転付勢力により時計回りに回転して停止し、後羽根30は開口部11aを閉鎖した位置に位置している。
この休止状態において、係止部材131は、図2及び図3に示すように、係合部131aが被係止部121dに対向して、リンク部材121の移動を規制する規制位置に位置している。
そして、カム部材(第1カム部材123及び第2カム部材133)が一方向(反時計回り)にさらに回転すると、図6ないし図8に示すように、係止部材131が解除位置に保持された状態で、第1カム部材123が揺動部材122にカム作用を及ぼしてリンク部材121が移動し、セット部材100が付勢バネ110の付勢力に抗して時計回りに回転して、係合部101が係合部42に係合して先羽根駆動レバー40を反時計回りに回転させ、先羽根20が開口部11aを閉鎖する位置に移動し、係合部102が係合部62に係合して後羽根駆動レバー60を反時計回りに回転させ、後羽根30が開口部11aを開放する位置に移動する。これにより、セット部材100によるセット動作が完了する。
すなわち、先羽根駆動レバー40(及び先羽根20)がシャッタ動作前のセット位置(開口部11aを閉鎖した状態)に位置付けられ、後羽根駆動レバー60(及び後羽根30)がシャッタ動作前のセット位置(開口部11aを開放した状態)に位置付けられる。
すなわち、係止部材131は、セット部材100がセット位置へのセット動作を完了した時点で、リンク部材121の一部(接触面121c)に接触しつつリンク部材121の移動を許容する接触位置に位置付けられる。
すなわち、係止部材131は、セット部材100が休止位置に戻った際に、リンク部材121の一部(被係止部121d)と対向してリンク部材121の移動を規制し得る規制位置に位置付けられる。
以上により、先羽根20及び後羽根30により、開口部11aの開閉動作が行われて、シャッタ動作(露光動作)が完了する。
このように、上記構成をなすフォーカルプレンシャッタによれば、構造の簡素化、小型化等を達成しつつ、セット部材100の反動を防止して、レリーズ動作から撮影完了までのタイムラグを短くすることができ、又、連写する際の連写速度を速めることができ、一連の制御シーケンスを短縮化できるカメラ用のフォーカルプレンシャッタを得ることができる。
上記実施形態においては、規制機構として、係止部材131、付勢バネ132、第2カム部材133等を備えた構成を採用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、セット部材100の反動を規制できるものであれば、その他の構成をなす規制機構を採用することができる。
上記実施形態においては、駆動機構として、リンク部材121、揺動部材122、第1カム部材123等を備えた構成を採用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、セット部材にセット動作を行わせるものであれば、その他の構成をなす駆動機構を採用することができる。
上記実施形態においては、駆動部材として、所定の軸線回りに回動する先羽根駆動レバー40及び後羽根駆動レバー60を採用し、セット部材として、所定の軸線回りに回動するセット部材100を採用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、その他の形態をなす駆動部材及びセット部材において、本発明を適用してもよい。
11a 開口部
20 先羽根(羽根部材)
30 後羽根(羽根部材)
40 先羽根駆動レバー(駆動部材)
50 付勢バネ
60 後羽根駆動レバー(駆動部材)
70 付勢バネ
80 被吸着部
90 電磁石
100 セット部材
110 付勢バネ
120 駆動機構
121 リンク部材
121c 接触面
121d 被係止部
122 揺動部材
122b フォロワ部
123 第1カム部材
123b 第1カム部
130 規制機構
131 係止部材
131b フォロワ部
131a 係合部
132 付勢バネ
133 第2カム部材
133b 第2カム部
Claims (5)
- 露光用の開口部を有する地板、
前記開口部を開閉するべく前記地板に移動自在に設けられた羽根部材、
前記羽根部材を駆動するべく一方向に付勢された駆動部材、
前記駆動部材を付勢力に抗してシャッタ動作前のセット位置にセットし得ると共に前記駆動部材を電磁石により前記セット位置に吸着保持した後に休止位置に戻るように付勢されたセット部材、
前記セット部材に連結されセット動作を行わせるリンク部材、
前記リンク部材に連結された揺動部材、
前記揺動部材にカム作用を及ぼして前記リンク部材を移動させるべく回転する第1カム部材、
前記リンク部材に当接し、前記セット部材が逆向きに移動するのを規制するべく前記リンク部材を係止する係止部材、および
前記第1カム部材と同軸にて一体的に回転し、前記揺動部材にカム作用を及ぼして前記リンク部材を移動させるときに、前記係止部材よる係止を解除する第2カム部材、
を備える、フォーカルプレンシャッタ。 - 前記リンク部材を係止するよう前記係止部材を付勢する付勢部材をさらに備える、請求項1に記載のフォーカルプレンシャッタ。
- 前記係止部材は、前記セット部材が前記セット位置へのセット動作を完了した時点で前記リンク部材の接触面に接触して前記リンク部材の移動を許容し、前記セット部材が前記休止位置に戻った際に前記リンク部材の被係止部と当接して前記リンク部材の移動を規制する、請求項2に記載のフォーカルプレンシャッタ。
- 前記リンク部材は、前記セット部材が移動する面と平行な第1面内で移動するように形成され、
前記係止部材は、前記第1面に垂直な第2面内で移動するように形成されると共に、前記接触面には、前記第2カム部材から離脱した状態で接触するように前記付勢部材によって付勢されている、請求項3に記載のフォーカルプレンシャッタ。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のフォーカルプレンシャッタを備える、光学機器。
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