JP5905424B2 - フォーカルプレンシャッタ - Google Patents
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Description
しかしながら、上記構成においては、カラー部材という専用の部材を採用するため、その分だけ部品点数の増加、コストの増加、組立て工数の増加等を招き、又、省スペース化の妨げにもなる。
この構成によれば、駆動部材が(例えば、付勢バネ等の)付勢力に抗してセット部材によりシャッタ動作前のセット位置にセットされる際に、被吸着部材の被吸着部が電磁石(の鉄芯部材の吸着面)に接触し、電磁石の通電による磁気的吸引力により被吸着部が吸着され、セット部材が解除された後も駆動部材(及び羽根部材)はセット位置に保持され、その後電磁石の通電が断たれると、付勢力により駆動部材が移動して、羽根部材にシャッタ動作を行わせる。
ここで、被吸着部材は、その軸部が駆動部材の挿通孔に遊挿されて、その鍔部の湾曲面が当接面と当接しており、逃げ部では接触していない。そのため、被吸着部材は首振り可能であり、それ故に、被吸着部の吸着面は、適宜自ら首振り動作を行いつつ電磁石(の鉄芯部材)の吸着面と密接に接触するように補正動作を行うことができる。これにより、被吸着部材を電磁石で確実に吸着して保持することができ、駆動部材(及び羽根部材)をシャッタ動作前のセット位置に確実に保持することができる。
また、従来のようなカラー部材等の専用部材を用いることなく、被吸着部材の鍔部を凸状に湾曲する湾曲面に形成し、この湾曲面を駆動部材に設けた二つの平坦斜面にて受けるように形成したことにより、構造の簡素化、部品点数の削減、低コスト化、組立て工数の削減等を達成しつつ、首振り可能な構造を得ることができる。
この構成によれば、付勢バネを用いることで、被吸着部材のガタツキを防止しつつ、被吸着部材に円滑な首振り動作を行わせて、被吸着部(の被吸着面)を電磁石(の吸着面)に確実に密接させることができる。
この構成によれば、駆動部材が所定の軸線回りに回動する形態(例えば駆動レバー)をなす場合において、上記のような配置構成とすることで、被吸着部材(の被吸着部)の被吸着面を電磁石(の鉄芯部材)の吸着面に対して、円滑な補正動作(首振り動作)を行いつつより確実に密接させることができる。
この実施形態に係るフォーカルプレンシャッタは、図1ないし図6に示すように、地板10(主地板11及び支持板12)、羽根部材としての先羽根20及び後羽根30、先羽根20を駆動する駆動部材としての先羽根駆動レバー40及び付勢バネ50、後羽根30を駆動する駆動部材としての後羽根駆動レバー60及び付勢バネ70、先羽根駆動レバー40及び後羽根駆動レバー60にそれぞれ設けられた被吸着部材80及び付勢バネ90、先羽根駆動レバー40及び後羽根駆動レバー60の被吸着部材80に対して磁気的吸引力を及ぼすべくそれぞれ対応して設けられた二つの電磁石100(鉄芯部材101、励磁用のコイル102)、先羽根駆動レバー40及び後羽根駆動レバー60をシャッタ動作前(露光動作前)のセット位置にセットするセット部材110及び付勢バネ120等を備えている。尚、地板10の主地板11には、支持板12と反対側に先羽根20を収容する羽根室を画定する中間板(不図示)及び後羽根30を収容する羽根室を画定する補助地板(不図示)が所定の間隔をおいて固定されている。
主地板11は、図1ないし図4に示すように、開口部11a、円弧状の長孔11b及び長孔11c、羽根室側に立設されて先羽根20を回動自在に支持する支軸11d,11e、後羽根30を回動自在に支持する支軸11f,11g、羽根室外に立設されて先羽根駆動レバー40を回動自在に支持する軸線Vを画定する支軸11h、羽根室外に立設されて後羽根駆動レバー60を回動自在に支持する軸線Vを画定する支軸11i、羽根室外に立設されてセット部材110を回動自在に支持する支軸11j等を備えている。
支持板12は、図1ないし図4に示すように、二つの電磁石100を保持する保持部12a,12b、支軸11h,11i,11jを嵌合させて固定する嵌合孔12c,12d,12e、ネジにより主地板11に固定する固定部12f,12g等を備えている。
アーム24は、支軸11dにより回動自在に支持されると共に、その一部が先羽根駆動レバー40の駆動ピン41に連結されている。
アーム25は、支軸11eにより回動自在に支持されている。
そして、アーム24が、図2ないし図4に示すように、先羽根駆動レバー40により上方に向けて(反時計回りに)駆動されることにより、3枚の羽根本体21,22,23が展開して開口部11aを閉鎖し、一方、図1に示すように、先羽根駆動レバー40により下方に向けて(時計回りに)駆動されることにより、3枚の羽根本体21,22,23が重なり合って開口部11aを開放するようになっている。
アーム34は、支軸11fにより回動自在に支持されると共に、その一部が後羽根駆動レバー60の駆動ピン61に連結されている。
アーム35は、支軸11gにより回動自在に支持されている。
そして、アーム34が、図2ないし図4に示すように、後羽根駆動レバー60により上方に向けて(反時計回りに)駆動されることにより、3枚の羽根本体31,32,33が重なり合って開口部11aを開放し、一方、図1に示すように、後羽根駆動レバー60により下方に向けて(時計回りに)駆動されることにより、3枚の羽根本体31,32,33が展開して開口部11aを閉鎖するようになっている。
駆動ピン41は、主地板11の長孔11bに挿入されると共に、時計回りに回転した回転端において長孔11bに固定されたゴム等の緩衝部材(不図示)に当接して停止するようになっている。
取付保持部43は、図6ないし図9に示すように、所定隙間をおいて被吸着部材80の軸部81を遊挿させる挿通孔43a、被吸着部材80の被吸着部82を移動自在に受け入れる凹部43b、付勢バネ90の一端部を受け入れて当接させる環状凹部43c、被吸着部材80の鍔部83の湾曲面83aを二箇所にて受ける二つの平坦斜面43d,43e、被吸着部材80の鍔部83の湾曲面83aと非接触となるように形成された二つの逃げ部43f,43gを備えている。
凹部43bは、部品公差等により軸部81が傾斜した場合に、それに伴って被吸着部82の移動を許容する寸法に形成されている。
環状凹部43cは、コイル状の付勢バネ90の一端部を所定の隙間をおいて受け入れると共に中心線Sの方向において当接させるように形成されている。
二つの平坦斜面43d,43eは、図6及び図9(a)に示すように、挿通孔43aの中心線S及び軸線Vに垂直な第1直線L1に対して線対称となる位置に形成されると共に、被吸着部材80の鍔部83の湾曲面83aと点接触するように、中心線Sに対して所定の傾斜角度なす平坦面として形成されている。
二つの逃げ部43f,43gは、図6及び図9(b)に示すように、挿通孔43aの中心線S及び第1直線L1に垂直で軸線Vに平行な第2直線L2に対して線対称となる位置に形成されると共に、被吸着部材80の鍔部83の湾曲面83aと非接触となるように、中心線Sに垂直な平面と平行な端面として形成されている。
駆動ピン61は、主地板11の長孔11cに挿入されると共に、時計回りに回転した回転端において長孔11cに固定されたゴム等の緩衝部材(不図示)に当接して停止するようになっている。
取付保持部63は、図6ないし図9に示すように、所定隙間をおいて被吸着部材80の軸部81を遊挿させる挿通孔63a、被吸着部材80の被吸着部82を移動自在に受け入れる凹部63b、付勢バネ90の一端部を受け入れて当接させる環状凹部63c、被吸着部材80の鍔部83の湾曲面83aを二箇所にて受ける二つの平坦斜面63d,63e、被吸着部材80の鍔部83の湾曲面83aと非接触となるように形成された二つの逃げ部63f,63gを備えている。
凹部63bは、部品公差等により軸部81が傾斜した場合に、それに伴って被吸着部82の移動を許容する寸法に形成されている。
環状凹部63cは、コイル状の付勢バネ90の一端部を所定の隙間をおいて受け入れると共に中心線Sの方向において当接させるように形成されている。
二つの平坦斜面63d,63eは、図6及び図9(a)に示すように、挿通孔63aの中心線S及び軸線Vに垂直な第1直線L1に対して線対称となる位置に形成されると共に、被吸着部材80の鍔部83の湾曲面83aと点接触するように、中心線Sに対して所定の傾斜角度なす平坦面として形成されている。
二つの逃げ部63f,63gは、図6及び図9(b)に示すように、挿通孔63aの中心線S及び第1直線L1に垂直で軸線Vに平行な第2直線L2に対して線対称となる位置に形成されると共に、被吸着部材80の鍔部83の湾曲面83aと非接触となるように、中心線Sに垂直な平面と平行な端面として形成されている。
軸部81は、図7ないし図9に示すように、挿通孔43a,63aの中心線Sに対して所定の角度範囲内で傾斜可能に挿通孔43a,63aの内径よりも小さい外径をなすように形成されている。
被吸着部82は、図6ないし図8に示すように、略直方体状に形成されて軸部81に連結固定されると共に、取付保持部43,63の凹部43b,63bに対して軸部81の傾斜に伴って移動可能に嵌め込まれ、電磁石100の鉄芯部材101の吸着面101aに接触して吸着される平面状の被吸着面82aを備えている。
鍔部83は、図6ないし図9に示すように、軸部81の一端側(被吸着部82)に向けて凸状に湾曲する湾曲面83aを有し、湾曲面83aが取付保持部43,63の二つの平坦斜面43d,43e及び63d,63eに対して離脱可能に二箇所にて点接触するように形成されている。
そして、付勢バネ90は、図7に示すように、鍔部83の湾曲面83aが取付保持部43,63の二つの平坦斜面43d,43e及び63d,63eに対して当接する(図1及び図2に示すように被吸着部82の被吸着面82aが電磁石100の吸着面101aに接触する前において当接する)ように付勢力を及ぼすと共に、図8に示すように、鍔部83の湾曲面83aが取付保持部43,63の二つの平坦斜面43d,43e及び63d,63eから離脱する(図3に示すように先羽根駆動レバー40及び後羽根駆動レバー60がセット部材110によりセット位置にセットされた状態で離脱する)のを許容するようになっている。
鉄芯部材101は、被吸着部材80(の被吸着部82)の被吸着面82aと接触して吸着する平面状の吸着面101aを備えている。
そして、コイル102への通電により、鉄芯部材101を通る磁力線を発生させて、対向する被吸着部材80(の被吸着部82)の被吸着面82aに対して磁気的吸引力を及ぼすようになっている。
特に、二つの平坦斜面43d,43e(63d,63e)が、挿通孔43a(63a)の中心線Sに垂直な第1直線L1に対して線対称となる位置に形成され、二つの逃げ部43f,43g(63f,63g)が、中心線S及び第1直線L1に垂直な第2直線L2に対して線対称となる位置において鍔部83の湾曲面83aと非接触となるように形成されているため、被吸着部材80は、鍔部83の湾曲面83aと二つの平坦斜面43d,43e(63d,63e)との間での二箇所の点接触により、第1直線L1を含む面内及び第2直線L2を含む面内においてそれぞれ揺動自在に支持され、両方向の揺動を合成した全ての方向での揺動すなわち首振り動作を可能にすることができる。
さらに、挿通孔43aの中心線Sは駆動部材(40,60)の軸線Vに垂直な平面上に配置され、第1直線L1は駆動部材(40,60)の軸線Vに垂直な平面上に配置され、第2直線L2は駆動部材(40,60)の軸線Vと平行に配置されているため、駆動部材(40,60)が所定の軸線V回りに回動するレバー形態をなす構成において、被吸着部材80(の被吸着部82)の被吸着面82aを電磁石100(の鉄芯部材101)の吸着面101aに対して、円滑な補正動作(首振り動作)を行いつつより確実に密接させることができる。
特に、従来のようなカラー部材等の専用部材を用いることなく、被吸着部材80の鍔部83を凸状に湾曲する湾曲面83aに形成し、湾曲面83aを駆動部材(40,60)に設けた二つの平坦斜面43d,43e,63d,63eにて受けるように形成したことにより、構造の簡素化、部品点数の削減、低コスト化、組立て工数の削減等を達成しつつ、首振り可能な構造を得ることができる。
付勢バネ120は、捩りコイルバネであり、図5に示すように、支軸11jの周りに配置されており、一端部(不図示)がセット部材110の一部に掛止され、他端部(不図示)が地板10(主地板11又は支持板12)の一部に掛止されて、セット部材110を図5中の反時計回りに回転付勢する付勢力を及ぼすように形成されている。
そして、セット部材110は、図1及び図5に示す状態から時計回りに回転させられると、係合部111が係合部42に回転力を及ぼしかつ係合部112が係合部62に回転力を及ぼして、図2及び図3に示すように、先羽根駆動レバー40及び後羽根駆動レバー60をそれぞれの付勢バネ50,70の回転付勢力に抗しつつ反時計回りに回転させて、シャッタ動作前のセット位置に保持し、一方、セット位置において先羽根駆動レバー40が電磁石100により吸着保持されかつ後羽根駆動レバー60が電磁石100により吸着保持された状態で、時計回りに回転させられると、図4に示すように、係合部111が係合部42から離脱しかつ係合部112が係合部62から離脱して、先羽根駆動レバー40及び後羽根駆動レバー60の時計回りの回転を許容する状態とするものである。
先ず、シャッタ動作(露光動作)完了後の休止状態においては、図1に示すように、セット部材110は反時計回りに回転して休止位置に位置し、先羽根駆動レバー40は付勢バネ50の回転付勢力により時計回りに回転して停止し、先羽根20は開口部11aを開放した位置に位置し、又、後羽根駆動レバー60は付勢バネ70の回転付勢力により時計回りに回転して停止し、後羽根30は開口部11aを閉鎖した位置に位置している。また、この状態において、図7に示すように、被吸着部材80は、付勢バネ90の付勢力により、鍔部83の湾曲面83aが取付保持部43,63の二つの平坦斜面43d,43e及び63d,63eに対して当接した状態にある。
続いて、図4に示すように、セット部材110が反時計回りに回転して休止位置に戻ると、係合部111が係合部42から離脱しかつ係合部112が係合部62から離脱して、先羽根駆動レバー40及び後羽根駆動レバー60の時計回りの回転を機械的に規制する状態が解除される。
また、図7に示すように、被吸着部材80は、付勢バネ90の付勢力により、鍔部83の湾曲面83aが取付保持部43,63の二つの平坦斜面43d,43e及び63d,63eに対して当接するが、その際に、部品公差等により、被吸着面82aが吸着面101aと片当りしている場合は、湾曲面83aと二つの平坦斜面43d,43eが二点接触することで適宜首振り動作を行って、被吸着面83aが吸着面101aに完全に密接するように自動的に補正される。
以上により、先羽根20及び後羽根30により、開口部11aの開閉動作が行われて、シャッタ動作が完了する。
上記実施形態においては、駆動部材として、所定の軸線V回りに回動する先羽根駆動レバー40及び後羽根駆動レバー60を採用したが、これに限定されるものではなく、その他の形態をなす駆動部材において、本発明を適用してもよい。
11 主地板
11a 開口部
12 支持板
20 先羽根(羽根部材)
30 後羽根(羽根部材)
40 先羽根駆動レバー(駆動部材)
V 軸線
43,63 取付保持部
43a,63a 挿通孔
S 中心線
L1 第1直線
L2 第2直線
43b,63b 凹部
43c,63c 環状凹部
43d,43e、63d,63e 二つの平坦斜面
43f,43g、63f,63g 二つの逃げ部
50 付勢バネ
60 後羽根駆動レバー(駆動部材)
70 付勢バネ
80 被吸着部材
81 軸部
82 被吸着部
82a 被吸着面
83 鍔部
83a 湾曲面
90 付勢バネ
100 電磁石
101 鉄芯部材
101a 吸着面
102 励磁用のコイル
110 セット部材
120 付勢バネ
Claims (4)
- 地板と、前記地板に設けられる羽根部材と、所定の軸線回りの回動によって前記羽根部材を駆動させる駆動部材と、前記駆動部材をシャッタ動作前のセット位置にセットするセット部材と、前記駆動部材に設けられた被吸着部材と、前記駆動部材が前記セット位置にセットされた状態において前記被吸着部材を吸着する電磁石と、を備えたフォーカルプレンシャッタであって、
前記被吸着部材は、軸部と、前記軸部の一端に設けられると共に前記電磁石に接触して吸着される被吸着部と、前記軸部の他端に設けられると共に一端側に向けて凸状に湾曲した湾曲面を有する鍔部を含み、
前記駆動部材は、所定隙間をおいて前記軸部が遊挿される挿通孔と、回動する前記駆動部材に対応して円弧軌跡を描く第1直線に対して線対称に配置され前記鍔部の湾曲面と接触しない逃げ部と、前記第1直線と交差する第2直線に対して線対称に配置され前記鍔部の湾曲面と当接する当接面とを含む、
ことを特徴とするフォーカルプレンシャッタ。 - 前記当接面は、前記鍔部の湾曲面を二箇所にて受ける二つの平坦斜面を含み、
前記駆動部材に対して前記被吸着部材を一方向に付勢する付勢バネを含み、
前記付勢バネは、前記鍔部の湾曲面を前記二つの平坦斜面に離脱可能に接触させる付勢力を及ぼすように配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のフォーカルプレンシャッタ。 - 前記第1直線は、前記挿通孔の中心線に垂直であり、
前記第2直線は、前記中心線及び第1直線に垂直である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のフォーカルプレンシャッタ。 - 前記挿通孔の中心線は、前記軸線に垂直な平面上に配置され、
前記第1直線は、前記軸線に平行な平面上に配置され、
前記第2直線は、前記軸線と垂直に配置されている、
ことを特徴とする請求項3に記載のフォーカルプレンシャッタ。
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